JP6908955B2 - 木材連結用の受け金具、建築物の施工方法、木材の連結方法および建築物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、新築の場合は柱や梁を組み上げる前の角材の状態で金具取り付け用の加工が可能であり、上記の凹溝を形成するような加工も容易に行うことができる。
本発明は、これらの事情に鑑み発明したものであって、最小限の木材の切削量で取り付けることが可能な連結用受け金具の提供、木材の連結方法および建築物等を提供することを課題とするものである。また、柱、マグサおよび梁といった部材の増設が必要になった場合において、建物を構成する既存の柱や梁に大がかりな加工を行うことなく、増設する柱等を取り付けるための金具や当該金具を用いた家屋、建築方法等を提供することを課題とする。さらに、金具の取り付けを正確に行うことができるような手段を提供することを課題とするものである。
木材の表面に設けた装着凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部と装着部と受け板部を結合させる溶接部を有し、
前記装着部は、前記受け板部の縁部に設けた係合手段と係合可能な係合部と、係合手段との係合によって取り付け位置を規定した受け板部の長手方向と直交する方向に設けた直線状の目印若しくは直交する直線上に配置した目印と、裏面から螺合可能なネジ穴を設けた板状部として形成され、
前記受け板部は、当該受け板部に直交して配置されるピンを固定位置まで案内する溝と、前記ピンとは異なる他のピンを挿通させる孔を有したことを特徴とする。
木材の表面に設けた装着凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部と装着部と受け板部を結合させる溶接部を有し、
前記装着部は、前記受け板部の縁部に設けた係合手段と係合可能な係合部と、係合手段との係合によって取り付け位置を規定した受け板部の長手方向と直交する方向に設けた直線状の目印若しくは直交する直線上に配置した目印と、裏面から螺合可能なネジ穴と、表裏貫通する複数の貫通孔を設けた板状部として形成され、
前記受け板部は、当該受け板部に直交して配置されるピンを固定位置まで案内する溝と、前記ピンとは異なる他のピンを挿通させる孔を有したことを特徴とする。
連結する一方の木材に、雌ネジを設けた板状の装着部と当該装着部の表面に直交して配置される受け板部を有する受け金具を、前記雌ネジに螺合させる雄ネジを形成した軸部材を螺合させることによって固定し、
連結する他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに、当該スリット内を横断するように複数のピンを懸架するように構成し、
前記ピンの一つを、前記受け板部に設けた一端に開口を有する溝に案内して支持するとともに、他のピンを前記受け板部に設けた孔に挿通させることによって両木材を連結するように構成したことを特徴とする木材の連結方法。
互いに連結した木材を柱や梁として有する建築物の製造方法であって、
一方の木材に、雌ネジを設けた板状の装着部と当該装着部の表面に直交して配置される受け板部を有する受け金具を装着するとともに、当該受け金具を前記雌ネジに螺合させる雄ネジを形成した軸部材によって固定し、
前記一方の木材に連結される他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに当該スリット内を横断するように複数のピンを懸架可能に構成し、前記ピンの一つを前記受け板部に設けた一端が開口した溝内において支持されるように構成するとともに他のピンを前記受け板部に設けた孔に挿通させることによって互いを連結した木材を有したことを特徴とする建築物の製造方法。
また、受け金具に装着時の目安として使用する位置決め用の目印を設けたので、正しい姿勢で取り付けることができるという効果を有している。
また、装着凹部の内面形状を装着部の外形とほぼ一致するように形成することで、受け金具に作用した荷重を局所的に集中させることなく装着凹部の内面全体として受け止めることができ、耐荷重を高めることができるという効果を有している。
また、受け金具は、既存の建物の補強等を行う場合であっても、比較的容易に結合部位に取り付けられるという効果を有している。
図1は本発明を実施するための形態に係る木材連結用の受け金具(以下「受け金具」という)1の外観斜視図であり、図2は受け金具1の構成を表す斜視図、図3(a)は受け金具1の正面図、図3(b)は側面図、図3(c)は平面図、図3(d)は背面図を表している。
受け金具1は、装着部2と受け板部3によって構成されている。装着部2と受け板部3は、ともに強度のある鋼材によって形成されている。
装着部2は、肉厚のある円板状の外観形状として形成されている。一例として直径35mm、肉厚9mmで形成されている。装着部2の中央には、表裏貫通するネジ穴4を設けている。ネジ穴4は、一例としてM12のサイズで形成している。また、受け板部3の取り付け部位を除いた上記ネジ穴4の周囲に、複数個の貫通孔5を放射状に等間隔で配列している。この貫通孔5は、ネジ穴4を使用した取り付けができない場合に使用するビスの取り付け孔として使用するものであり、表面側の周縁に皿ネジの頭部を受ける面取り加工が行われている。
受け板部3は、一般的に使用する木材結合用の金具類と比較して肉厚の厚い板状体として形成されており、一例として4.5mmの肉厚を有している。木材の結合に用いる一般的な金具類は、板金加工による曲げ加工によって形成されることが多く、加工性の観点からその肉厚は主に2mm前後であることが多い。これに対して本実施の形態に係る受け板部3は、1枚の受け板部3によって木材に取り付けた丸棒状のピン(ドリフトピン)を支持する部材である。このため、後述するようにドリフトピンに接してこれを支持する溝状凹部7および孔8,9の接触面積を広くするために肉厚を一般的な金具よりも肉厚に形成している。
なお、互いに係合する一組の突起40と孔41からなる結合部位の数は、上記の例に限らないものであり、一組若しくは三組以上であってもよいものである。また、孔41は裏面まで貫通してもよい。
図4はこの溝42を目印として使用する場合の一例を表した説明図であり、図4(a)は木材Wに対して受け金具1を装着する前の状態、図4(b)は木材Wに対して受け金具1を装着した状態を表した説明図である。
受け金具1を取り付ける木材Wには、水平方向および垂直方向に向かう+字状の基準線43、44を木材の表面に描き、これら基準線43、44の交点を中心として予め装着部2を嵌め込むための円形の装着凹部45を形成している。
受け板部3の一方の縁部10には前述した溝状凹部7を設けている。溝状凹部7は、縁部10に開口を有する凹状の部位として形成されており、他方の木材に取り付けたドリフトピンを収容可能に形成されている。
なお、図示した例では2個の孔8,9を設けているが、その数は2個に限らず1個でもよいし2個を超える数でもよい。これらは、受け板部3の形状、受け板部3に作用する荷重や各種の応力、使用するピンの外径等に応じて設定される。
なお、上記の場合、受け金具1bに代えて取付金具32を使用してもよい。取付金具32は、一例として直径35mm、肉厚9mmの円板形の外形を有する中央にネジ孔33を設けたものであり、受け金具1の装着部2と同様の形状に形成される。この取付金具32には、必ずしも貫通孔5は必要ないが、用途や状況に応じて併用しても良い。
ボルト20や取付軸30を使用する方法は、受け金具1を取り付ける木材にボルト20や取付軸30を挿通させる表裏貫通した取り付け孔が必要になる。このような取り付け孔の形成や、ボルト20若しくは取付軸30の装着が可能な状況であれば上記のような方法が可能である。しかし、ボルト20若しくは取付軸30の装着が出来ず、受け金具1を取り付ける側からしか取り付けが出来ない場合があるので、このような場合に木ネジ50等を使用して受け金具1を取り付けることを可能にしている。
図の下部には、住宅の基礎の上に配置される角材によって形成される土台60があり、この土台60の表面に受け金具1cが取り付けられる。受け金具1cの取り付け部位には、円板形の装着部2が丁度収まる形状に形成した円形凹部として形成した座堀61を形成し、この座堀61に装着部2を装着する形で受け金具1cを取り付ける。土台60に対する受け金具1cの固定は、表面側からねじ込んだ木ねじ50によって行っている。なお、ボルト20や取付軸30による取り付けが可能な場合には、前述した適宜の方法で取り付けてもよい。
受け板部3には、雄ねじの突出を可能とする逃げ空間13と、この逃げ空間13に連続する操作孔14が設けられている。この操作孔14にドライバー、鉄筋またはバール状の軸状体を差し込むと、受け金具1を軸部材77に対して回転させることができ、取り付ける木材(70)を挟み込む方向に締め付け強固に固定することができるようになっている。
掛梁71や掛梁72を受け金具1(1e、1f)に保持させる場合、初めに受け板部3の溝状凹部7と係合させるドリフトピン80のみを掛梁に取り付けておき、溝状凹部7にドリフトピン80を掛けるように上方から掛梁71、72を装着する。ドリフトピン80が溝状凹部7に係合すると掛梁71、72は受け金具1e、1fによって支持され、この後に他のドリフトピン80を差し込むことによって強固に固定される。
表裏面において対向する配置で受け金具を設ける場合には、それぞれの受け金具が他方を固定する作用を有するが、片面にしか受け金具を設けない場合には、ボルト20等の固定手段を用いることで取り付けが可能になっている。
梁や柱等の木材には、大きな荷重が作用するものであり、かつこれらの荷重を支えなければならないが、木材の切削量が多くなると木材が脆弱になり荷重に対抗する強度も低下する。本発明は、このような強度の低下を招かないように切削量を最小限に抑えることが出来るものとなっている。
また、本実施の形態に係る受け金具および受け金具を用いた各種の方法や施工方法は、軸組工法若しくは枠組壁工法といった各種の建築方法に用いることができるものである。
以上説明した各実施例は、建築物を構成する柱や梁の結合に利用可能である。また、柱や梁に限らず、家屋を構成する各種木材の連結に用いることができるものである。
また、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において適宜組み合わせることが可能であり、本発明が上記実施例に限定したものでないことは言うまでもない。
2 装着部
3 受け板部
4 ネジ穴
5 貫通孔
6 溶接部
7 溝状部
8,9 孔
10,11 側縁部
12 先端縁
13 空間
14 操作孔
Claims (5)
- 木材の連結に用いる受け金具であって、
木材の表面に設けた装着凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部と前記装着部と前記受け板部を結合させた溶接部を有し、
前記装着部は、前記受け板部の縁部に設けた係合手段と係合可能な係合部と、係合手段との係合によって取り付け位置を規定した受け板部の長手方向と直交する方向に設けた直線状の目印若しくは直交する直線上に配置した目印と、裏面から螺合可能なネジ穴を設けた中実の円板状の外観形状を有する板状部として形成され、
前記受け板部は、当該受け板部に直交して配置されるピンを固定位置まで案内する溝状凹部と、前記ピンとは異なる他のピンを挿通させる孔と、前記装着部のネジ穴を跨ぐ部分に形成した雄ねじの突出を可能とする逃げ空間と、当該逃げ空間に連続する締め付け用の操作孔を有したことを特徴とする木材連結用の受け金具。 - 木材の連結に用いる受け金具であって、
木材の表面に設けた装着凹部に装着される装着部と、当該装着部に対して立設した受け板部と前記装着部と前記受け板部を結合させた溶接部を有し、
前記装着部は、前記受け板部の縁部に設けた係合手段と係合可能な係合部と、係合手段との係合によって取り付け位置を規定した受け板部の長手方向と直交する方向に設けた直線状の目印若しくは直交する直線上に配置した目印と、裏面から螺合可能なネジ穴を設けた中実の円板状の外観形状有する、表裏貫通する複数の貫通孔を設けた板状部として形成され、
前記受け板部は、当該受け板部に直交して配置されるピンを固定位置まで案内する溝状凹部と、前記ピンとは異なる他のピンを挿通させる孔と、前記装着部のネジ穴を跨ぐ部分に形成した雄ねじの突出を可能とする逃げ空間と、当該逃げ空間に連続する締め付け用の操作孔を有したことを特徴とする木材連結用の受け金具。 - 建築物の施工方法であって、
木材の連結に請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の連結用の受け金具を用いたことを特徴とする建物の軸組工法若しくは枠組壁工法を用いた建築物の施工方法。 - 連結する一方の木材に、
裏面から螺合可能な雌ネジを設けた中実の円板状の外観形状有する板状部として形成された装着部と、前記雌ネジを跨ぐ部分に形成した雄ねじの突出を可能とする逃げ空間と当該逃げ空間に連続する締め付け用の操作孔を設けた前記装着部の表面に直交して配置される受け板部を有する受け金具を、前記雌ネジに螺合させる雄ネジを形成した軸部材を螺合させ前記操作孔を使用して締め付けることによって固定し、
連結する他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに、当該スリット内を横断するように複数のピンを懸架するように構成し、
前記ピンの一つを、前記受け板部に設けた一端に開口を有する溝に案内して支持するとともに、他のピンを前記受け板部に設けた孔に挿通させることによって両木材を連結するように構成したことを特徴とする木材の連結方法。 - 互いに連結した木材を柱や梁として有する建築物の製造方法であって、
一方の木材に、裏面から螺合可能な雌ネジを設けた中実の円板状の外観形状有する板状の装着部と、前記雌ネジを跨ぐ部分に形成した雄ねじの突出を可能とする逃げ空間と当該逃げ空間に連続する締め付け用の操作孔を設けた前記装着部の表面に直交して配置される受け板部を有する受け金具を装着するとともに、当該受け金具を前記雌ネジに螺合させる雄ネジを形成した軸部材に前記操作孔を使用して締め付けることによって固定し、
前記一方の木材に連結される他方の木材に、前記受け板部を挿通させるスリットを形成するとともに当該スリット内を横断するように複数のピンを懸架可能に構成し、前記ピンの一つを前記受け板部に設けた一端が開口した溝内において支持されるように構成するとともに他のピンを前記受け板部に設けた孔に挿通させることによって互いを連結した木材を有したことを特徴とする建築物の製造方法。
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