JP6901312B2 - マスク - Google Patents
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Description
このうちプリーツマスクは、サイズの調整を行い易い点に利点があるが、会話や呼吸の際にマスクの形状が変形してしまうため、形状が崩れ易く、隙間が生じてしまうことも多かった。
そこで、マスクの変形を防ぐため、マスク本体の着用者の口元付近に、形状保持部材を備えたマスクが存在している(例えば、特許文献1参照)。
着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、当該マスク本体部を前記着用者の耳に係止するための左右一対の耳掛け部と、を備えるマスクであって、
前記マスク本体部は、3枚以上の複数のシート材が積層されてなるシート部と、前記シート部に取り付けられ、前記マスク本体部の着用者の口元付近の形状を維持する口部補強部材と、を備え、
前記口部補強部材は、
前記シート部の肌から最も遠い面のシート材に対して固定されておらず、
前記シート部の肌から最も遠い面のシート材以外の複数の前記シート材が溶着され、前記シート部の肌から最も遠い面のシート材が溶着されずに形成された口部補強部材周辺接続部によって囲まれるようにして、前記シート部に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、形状が崩れ難いマスクを提供することができる。
前記口部補強部材は、前記シート部の肌から最も近い面のシート材に対して固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、形状が崩れ難く、着用者の口元の空間を確保できるマスクを提供することができる。
前記口部補強部材は、前記シート部の肌から最も近い面から2番目のシート材に対して固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに形状が崩れ難いマスクを提供することができる。
前記シート部は、前記シート材として、肌から最も近い面のシート材と、肌から最も遠い面のシート材と、の間にフィルターを備え、
前記口部補強部材は、前記フィルターに対して固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに形状が崩れ難いマスクを提供することができる。
前記口部補強部材は、前記シート部を構成する複数のシート材のうち肌から最も遠い面のシート材を除くシート材の間に配置され、
前記口部補強部材を囲むように、前記口部補強部材の肌から遠い面側に位置するシート材から、肌から最も近い面のシート材までを溶着させることで、前記シート部に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに形状が崩れ難いマスクを提供することができる。
前記シート部は、前記シート材として、肌から遠い面から順に、外面側不繊布と、フィルターと、着用者側不繊布と、を備え、
前記口部補強部材は、前記着用者側不繊布と前記フィルターとの間に配置され、前記口部補強部材を囲むように、前記着用者側不繊布と前記フィルターとを溶着させることで、前記シート部に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、さらに形状が崩れ難いマスクを提供することができる。
前記マスク本体部は、前記シート部の上部に固定され、マスク本体部上部に隙間が生じることを防止する鼻部補強部材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、マスク本体部上部の密着性を高め、マスク本体部と着用者の顔面との間に隙間が生じないようにすることができる。
なお、以下においては、図1に示すように、マスクの着用者を基準として、前後、左右及び上下を定めて説明する。
(全体構成)
マスク100は、図1及び図2に示すように、着用者の顔面の鼻、口、顎等を覆うマスク本体部1と、マスク本体部1を着用者の右耳に係止するための右耳掛け部2と、マスク本体部1を着用者の左耳に係止するための左耳掛け部3と、を備えている。なお、マスク100は、マスク本体部1の後面側を着用者の顔面に向けて着用される。
マスク本体部1は、図2に示すように、3枚以上の複数のシート材によって形成されたシート部11と、シート部11の上端部付近に取り付けられた鼻部補強部材12と、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられた口部補強部材13と、を備える。
シート部11は、図2に示すように正面視略矩形状に形成されたシート状の部材であり、複数のシート材を積層して形成されている。
シート部11は、左右方向120mmから210mm、好ましくは145mmから175mm、上下方向70mmから100mm、好ましくは80mmから90mmに形成される。
最も好適には、不繊布としてナイロンスパンボンド、フィルターとしてポリプロピレンメルトブローが用いられる。
鼻部補強部材周辺接続部11eは、正面視において鼻部補強部材12の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、鼻部補強部材12の周囲に若干の間隙が存在し、鼻部補強部材12を動かすことが可能であってもよい。
口部補強部材周辺接続部11fは、正面視において口部補強部材13の形状と略一致するように形成されていることが望ましいが、口部補強部材13の周囲に若干の間隙が存在し、口部補強部材13を動かすことが可能であってもよい。
また、これらの接続部は、前後にシート材が接続されていればよく、必ずしも熱・超音波等による溶着によって形成されている必要はない。
また、図1及び図2においてはこれらの接続部が実線状に形成された場合につき図示したが、これに限られず、接続部は例えば破線状に形成されていてもよい。
シート部11は、図3に示すように上下方向に折り返されており、これによって、前面側に、図1から図3に示すように、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h、11hとが形成されている。マスク100の着用時には、これらを上下方向に展開することによって、シート部11が外側に膨出する山型の立体形状となって、着用者の顔面の鼻、口、顎等が覆われるようになっている。
なお、プリーツの配置間隔には、上部プリーツ11gとマスク上端縁との間隔及び下部プリーツ11h,11hのうち下方に形成されたものとマスク下端縁との間隔を含むものとする。
鼻部補強部材12は、マスク本体部1の上部が着用者の鼻付近の形状に沿って、隙間が生じないようにするためのものであり、図2に示すように、シート部11の上端縁に沿って備えられている。
鼻部補強部材12は、左右方向に長い可塑性を有する部材であり、シート部11の横幅よりも短く、左右方向に80〜135mm、好ましくは90mm〜120mmの長さを有し、上下方向に幅3mm〜5mm、前後方向に厚み0.5mm〜1.0mmとなるように形成されている。
例えば、後述の口部補強部材13と同様に、外面側不繊布111は溶着されないようにして鼻部補強部材周辺接続部11eを形成し、鼻部補強部材12をシート部11に取り付けてもよい。また、例えば、鼻部補強部材12は、外面側不繊布111と、フィルター112との間に配置されていてもよい。
口部補強部材13は、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持するためのものであり、図2及び図3に示すように、シート部11の、上部プリーツ11gと、下部プリーツ11h,11hのうち上方に形成されたものとの間の位置の、シート部11の上下方向中央部付近に取り付けられている。
なお、口部補強部材13の取り付け位置としては、シート部11の上下方向中央部から5mmから10mm程度下方にずれた位置に取り付けられていることが望ましいが、マスク本体部1の着用者の口元付近の形状を維持することができればよく、このような配置位置には限られない。
これによって、口部補強部材13が、フィルター112と、着用者側不繊布113とに対して固定され、フィルター112、着用者側不繊布113及び口部補強部材13が、着用者の口元付近において固定されるが、外面側不繊布111については、シート部11の四辺の端部付近以外においては、他の部材に固定されていないこととなる。
右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、例えばポリウレタン等によって形成された紐状の部材であり、右耳掛け部2はマスク本体部1の右側に、左耳掛け部3はマスク本体部1の左側に備えられている。右耳掛け部2及び左耳掛け部3は、夫々シート部11の端部に、例えば熱・超音波等によって溶着することにより取り付けられている。
(1) 肌から最も遠い面から順に、外面側不繊布111、フィルター112、着用者側不繊布113の順でシート材を重ね、フィルター112と、着用者側不繊布113との間の所定の位置に、鼻部補強部材12及び口部補強部材13を配置する。
(2) 外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を、鼻部補強部材12の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、鼻部補強部材周辺接続部11eを形成する。また、フィルター112と着用者側不繊布113とを、口部補強部材13の上下及び左右において熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、口部補強部材周辺接続部11fを形成する。
(3) 重ねられたシート材を、上部プリーツ11g及び下部プリーツ11h、11hが形成されるように折り畳む。
(4) 折り畳まれたシート材の上下及び左右の端部付近を、熱・超音波等を用いて前後に溶着させ、上端部接続部11a、下端部接続部11b、右端部接続部11c及び左端部接続部11dを形成する。
(5) 右耳掛け部2の両端部を、シート材の右端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させ、左耳掛け部3の両端部を、シート材の左端部の上下に熱・超音波等を用いて溶着させる。
本実施形態に係るマスク100によれば、口部補強部材13は、外面側不繊布111に対して固定されていない。したがって、マスク本体部1の肌から最も遠い面に位置する外面側不繊布111については、中央部付近において他のシート材と接続されず、独立して動かすことが可能となる。
これによって、会話・呼吸等の際にフィルター112及び着用者側不繊布113が、着用者の口元の動きに合わせて動いてしまっても、外面側不繊布111はこれに合わせて動き難くなることから、着用者の口の動きに対応でき、会話・呼吸等の際にも形状が崩れ難く、間隙が生じ難いマスクを提供することができる。
これによって、口部補強部材13によって、フィルター112及び着用者側不繊布113の2層の形状が維持されることとなり、上記の効果を向上させることができる。
また、外面側不繊布111及び着用者側不繊布113と比較して強度のあるフィルター112に口部補強部材13が固定されていることによって、さらに上記効果を向上させることができる。
したがって、マスク100の外面側からは、口部補強部材13及び口部補強部材周辺接続部11fが視認し難くなり、口部補強部材13を備えたことによってマスクの外観が悪化することも防止できる。
シート部11の構造としては、肌から最も近い面に位置するシート材の形状が口部補強部材13によって維持されつつ、肌から最も遠い面に位置するシート材の中央部が自由に動き得るものであればよく、上記の3層構造には限られない。例えばさらにシート材を追加して、更なる多層構造としてもよい。ただし、3枚以上のシート材からなる多層構造である必要がある。
この場合、口部補強部材13は、いずれかのシート材の間であって、肌から最も遠い面のシート材とそのすぐ肌に近い面側のシート材との間以外の位置に配置される。そして、口部補強部材13の肌から遠い面側に位置するシート材から肌から最も近い面のシート材までを、肌から最も遠い面のシート材を含まずに、口部補強部材13の左右及び上下において前後方向に接続することで、シート部11に取り付けられる。
例えば、肌から最も近い面のシート材に対して、直接接着することも可能である。
外面側不繊布111としてポリプロピレンスパンボンド(米坪:20gsm)、フィルター112としてポリプロピレンメルトブロー(米坪:20gsm)、着用者側不繊布113としてナイロンスパンボンド(米坪:20gsm)を用いて3層に形成し、上部プリーツ11gを1か所、下部プリーツ11h、11hを2か所に形成したシート部11を備え、シート部11の上下方向中央部よりも下方にポリエチレン樹脂を用いた口部補強部材13を取り付けたマスクである。
具体的には、シート部11は上下方向に90mmの幅を有し、上部プリーツ11gはシート部11上端から25mmの位置に配置され、下部プリーツ11h、11hのうち上部のものは上部プリーツ11gから40mmの位置に配置され、下部プリーツ11h、11hのうち下部のものは下部プリーツ11hのうち上部のものから15mmの位置に配置されている。
また、口部補強部材13は、マスク本体部1の上下方向中央部から下方へ5mmずれた位置に配置され、図4(a)に示すように、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に挟まれた状態で、口部補強部材13の上下及び左右において、熱・超音波等を用いて、フィルター112と着用者側不繊布113とを前後に溶着させることで、シート部11に取り付けられている。
図4(b)に示すように、口部補強部材13を、着用者側不繊布113にのみ接着等の方法により固定してシート部11に取り付けたマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
図4(c)に示すように、口部補強部材13を、フィルター112にのみ接着等の方法により固定してシート部11に取り付けたマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
図4(d)に示すように、口部補強部材13を、外面側不繊布111にのみ接着等の方法により固定してシート部11に取り付けたマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
図4(e)に示すように、口部補強部材13を、外面側不繊布111と、フィルター112との間に挟まれた状態で、口部補強部材13の上下及び左右において、熱・超音波等を用いて、外面側不繊布111と、フィルター112とを前後に溶着させることでシート部11に取り付けたマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
図4(f)に示すように、口部補強部材13を、フィルター112と、着用者側不繊布113との間に挟まれた状態で、口部補強部材13の上下及び左右において、熱・超音波等を用いて、外面側不繊布111、フィルター112及び着用者側不繊布113を前後に溶着させることで、シート部11に取り付けたマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
図4(g)に示すように、口部補強部材13が備えられておらず、シート材が四辺の端部付近以外において前後に接続されていないマスクであり、その余の構成は、実施例1に係るマスクと同様である。
実際にマスクを着用して口を大きく開け、マスクが顔からズレなかった場合には◎、鼻かあごのいずれか一方がズレることは防げたものの、他方がズレてしまった場合には○、鼻とあごの両方がズレてしまった場合には×と評価した。
実際にマスクを着用して深呼吸を行い、マスクの形が崩れなかった場合には◎、わずかに形が崩れるが口に付かなかった場合には○、形が崩れ、口に付いてしまった場合には×と評価した。
実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び実施例5と、比較例1及び比較例2との比較により、口部補強部材13を備えた上で、肌から最も遠い面のシート材又は肌から最も近い面のシート材の少なくとも何れか一方が口部補強部材13に固定されないようにすることで、マスクを口の動きに対応できるようにするという効果が生じることが分かる。
また、実施例1及び実施例5と、実施例2、実施例3及び実施例4との比較により、口部補強部材13を、肌から最も遠い面のシート材又は肌から最も近い面のシート材に加え、その内側のシート材に対しても固定されるようにすることで、さらに上記効果を高めることができることが分かる
また、実施例1及び比較例1と、実施例2との比較により、口部補強部材13を、肌から最も近い面のシート材に加え、その内側のシート材に対しても固定されるようにすることで、さらに上記効果を高めることができることが分かる。
1 マスク本体部
11 シート部
111 外面側不繊布
112 フィルター
113 着用者側不繊布
11f 口部補強部材周辺接続部
12 鼻部補強部材
13 口部補強部材
2 右耳掛け部(耳掛け部)
3 左耳掛け部(耳掛け部)
Claims (7)
- 着用者の顔面の対象部位を覆うマスク本体部と、当該マスク本体部を前記着用者の耳に
係止するための左右一対の耳掛け部と、を備えるマスクであって、
前記マスク本体部は、3枚以上の複数のシート材が積層されてなるシート部と、前記シート部に取り付けられ、前記マスク本体部の着用者の口元付近の形状を維持する口部補強部材と、を備え、
前記口部補強部材は、
前記シート部の肌から最も遠い面のシート材に対して固定されておらず、
前記シート部の肌から最も遠い面のシート材以外の複数の前記シート材が溶着され、前記シート部の肌から最も遠い面のシート材が溶着されずに形成された口部補強部材周辺接続部によって囲まれるようにして、前記シート部に取り付けられていることを特徴とするマスク。 - 前記口部補強部材は、前記シート部の肌から最も近い面のシート材に対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載のマスク。
- 前記口部補強部材は、前記シート部の肌から最も近い面から2番目のシート材に対して固定されていることを特徴とする請求項2に記載のマスク。
- 前記シート部は、前記シート材として、肌から最も近い面のシート材と、肌から最も遠い面のシート材と、の間にフィルターを備え、
前記口部補強部材は、前記フィルターに対して固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のマスク。 - 前記口部補強部材は、前記シート部を構成する複数のシート材のうち肌から最も遠い面のシート材を除くシート材の間に配置され、
前記口部補強部材を囲むように、前記口部補強部材の肌から遠い面側に位置するシート材から、肌から最も近い面のシート材までを溶着させることで、前記シート部に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマスク。 - 前記シート部は、前記シート材として、肌から遠い面から順に、外面側不繊布と、フィルターと、着用者側不繊布と、を備え、
前記口部補強部材は、前記着用者側不繊布と前記フィルターとの間に配置され、前記口部補強部材を囲むように、前記着用者側不繊布と前記フィルターとを溶着させることで、前記シート部に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載のマスク。 - 前記マスク本体部は、前記シート部の上部に固定され、マスク本体部上部に隙間が生じることを防止する鼻部補強部材を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のマスク。
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