(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置を説明する。
図1は、本実施形態に係わるX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1は、架台装置10と載置台43と、コンソール50とを有する。例えば、架台装置10と載置台43とは、CT検査室に設置される。また、コンソール50は、CT検査室に隣接する制御室に設置される。架台装置10とコンソール50とは互いに通信可能に有線又は無線で接続されている。架台装置10は、被検体を立位状態または座位状態でX線コンピュータ断層撮影するための構成を有するスキャン装置である。コンソール50は、架台装置10を制御するコンピュータである。
架台装置10は、架台本体11と支柱13とを有する。以下、鉛直方向をY方向に規定する。開口15の中心軸R1に水平に直交し、水平軸R2に平行な方向をX方向に規定する。Y方向及びX方向に直交する方向をZ方向に規定する。
図1に示すように、架台本体11は、撮像視野(field of view:FOV)を有する開口部15が形成された略円筒形状の構造体である。図1に示すように、架台本体11は、開口部15を挟んで対向するように配置されたX線管17とX線検出器19とを収容する。架台本体11は、立位状態または座位状態の被検体に対してX線コンピュータ断層撮影を実行する。このとき、X線コンピュータ断層撮影は、ヘリカルスキャンであってもよいし、コンベンショナルスキャンであってもよい。以下、X線コンピュータ断層撮影は、簡単にスキャンと称する。架台本体11は、当該X線管17から照射されるX線によって被検体を撮影するために検査室の床面に対して相対的に移動可能である。以下、架台本体11の移動について説明するが、載置台43が移動されてもよい。
より詳細には、架台本体11は、アルミ等の金属により形成されたメインフレーム(図示せず)と、メインフレームにより中心軸R1回りに軸受等を介して回転可能に支持された回転フレーム21とを更に有している。メインフレームの回転フレーム21との接触部には環状電極(図示せず)が設けられている。メインフレームの当該接触部には環状電極に摺り接触するように導電性の摺動子(図示せず)が取り付けられている。
回転フレーム21は、アルミ等の金属により円環形状に形成された金属枠であり、例えば、X線管17とX線検出器19とが取付けられている。X線管17とX線検出器19とは、例えば、回転フレーム21に形成された凹部に嵌め込まれても良いし、ネジ等の締結具により締結されても良い。
回転フレーム21は、回転駆動装置23からの動力を受けて中心軸R1回りに一定の角速度で回転する。回転駆動装置23は、架台制御回路25からの制御に従って回転フレーム21を回転させるための動力を発生する。回転駆動装置23は、架台制御回路25からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。回転駆動装置23は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現される。回転駆動装置23は、例えば、架台本体11に収容されている。
図1に示すように、支柱13は、架台本体11を床面から離反して支持する基体である。支柱13は、床面に設置される。支柱13は、架台本体11を支柱13の長手方向に関してスライド可能に支持する構造体である。支柱13は、例えば、円柱形状や角柱形状等の柱状形状を有する。支柱13は、例えば、プラスチックや金属等の任意の物質により形成される。支柱13は、架台本体11の側面部に取付けられる。支柱13は、立位状態または座位状態の被検体をスキャンするため、開口部15の中心軸R1が鉛直Y方向を向くように架台本体11を支持可能な構造を有する。支柱13は、架台本体11を支えるために頑強な構造を有する。
なお、支柱13は、上記構造に限定されない。例えば、支柱13は、柱状形状を有するとしたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、支柱13は、架台本体の少なくとも一方の側部を支持可能であれば、U字形状等の如何なる形状を有していても良い。なお、支柱13は、中心軸R1が鉛直Y方向を向くように架台本体11を固定している必要はない。すなわち、支柱13は、水平軸R2回りに回転可能に架台本体11を支持するように構成されても良い。具体的には、支柱13と架台本体11とは、架台本体11が水平軸R2回りに回転可能に軸受等を介して接続されている。
また、支柱13は、架台本体11を中心軸R1がY方向を維持する姿勢又は中心軸R1がZ方向を維持する姿勢をとるように支持できることに留まらず、中心軸R1が水平軸R2回りの如何なる角度を向くように静止されてもよい。
図1に示すように、支柱13には、架台本体11のY方向に関するスライドのための架台駆動装置31が接続されている。架台駆動装置31は、架台制御回路25からの制御にしたがって、架台本体11を長手方向Dに関してスライドするための動力を発生する。具体的には、架台駆動装置31は、架台制御回路25からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。
支柱13は、架台駆動装置31からの動力を受けて、支柱13に対して架台本体11を長手方向Dに沿ってスライド移動させる。支柱13は、架台駆動装置31からの動力を受けて、被検体に対するスキャン開始前において、CT検査室の天井側から載置台43に向けて、架台本体11を下降させる。支柱13は、架台駆動装置31は、被検体に対するスキャン終了後において、スキャン位置からCT検査室の天井に向けて、架台本体11を上昇させる。
なお、支柱13には、架台本体11のチルトのための駆動装置(以下、チルト駆動装置と呼ぶ)が接続されてもよい。チルト駆動装置は、架台制御回路25からの駆動信号に従って、架台本体11を水平軸R2回りに回転するための動力を発生する。具体的には、チルト駆動装置は、架台制御回路25からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。支柱13は、チルト駆動装置からの動力を受けて架台本体11を水平軸R2回りに回転する。架台駆動装置31およびチルト駆動装置は、例えば、サーボモータ等のモータにより実現される。
図1に示すように、架台本体11を鉛直Y方向に沿ってスライド可能に支持する2本の支柱13の上端には、2本の支柱13を掛け渡す水平材(梁)14が設けられる。すなわち、水平材14は、2本の支柱13を掛け渡す。水平材14は、例えば、開口部15の直上の位置に上方被検体検出器16を搭載する。
上方被検体検出器16は、好適には、水平材14における中心軸R1上の位置に設けられる。すなわち、上方被検体検出器16は、開口部15の上方側に設けられる。上方被検体検出器16は、鉛直Y方向に沿って被検体直上から被検体を検出可能な機器である。上方被検体検出器16は、被検体の端部(頭頂部、肩、四肢の端部、肘、膝)を検出してもよいし、被検体全身の輪郭を検出してもよい。上方被検体検出器16は、例えば、カメラ(ムービーカメラ(movie camera)、ビデオカメラ(video camera)等)である。
なお、上方被検体検出器16は、自身と被検体との間の距離を決定するための各種距離センサ(光学(赤外線、可視光)センサ、磁場(磁気)センサ、音波センサ、超音波センサなど)を有していてもよい。なお、上方被検体検出器16は、被検体の位置を検出するモーションキャプチャ(モーションセンサ)に関する各種回路および光学系により構成されてもよい。
上方被検体検出器16は、被検体の検出の有無、開口部15に対する被検体の相対的な位置関係、被検体を撮影した上方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、上方画像における被検体の位置と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。なお、上方被検体検出器16は、被検体の検出の有無、相対的な位置関係、上方画像等を、架台制御回路25に出力してもよい。
図1に示すように、上方被検体検出器16は、被検体の位置を検出可能な検出範囲A1を有する。なお、上方被検体検出器16は、自身と被検体との間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲A1を有していてもよい。基準位置または基準スケールとは、例えば、架台本体11の移動時において、不動となる物体であり、例えば、載置台43等に設けられる。上方被検体検出器16は、基準スケールの検出により、被検体との距離を計測してもよい。
また、水平材14が架台装置10に設けられていない場合、上方被検体検出器16は、開口部15の直上であって、CT検査室の天井に設けられてもよい。このとき、上方被検体検出器16は、好適には、CT検査室の天井において、中心軸R1上の位置に設けられる。なお、上方被検体検出器16は、水平材14またはCT検査室の天井に複数設けられてもよい。
図2は、上方被検体検出器16による被検体Sの検出範囲の一例を示す図である。図2における1点鎖線151は、架台本体11の開口部15の領域(開口領域)において、被検体Sの撮影範囲と非撮影範囲との境界(以下、第1境界と呼ぶ)を示している。1点鎖線151の内側は、FOV(第1領域)に相当する。すなわち、1点鎖線151の内側は、後述する画像再構成装置51により再構成可能な範囲に対応する。
図2における破線153は、第1境界151と開口領域15の外縁との間であって被検体Sと架台本体11との干渉を防ぐ境界(第2境界:以下、干渉ラインと呼ぶ)を示している。干渉ライン153の外側は、架台本体11と干渉する可能性がある領域を示している。干渉ライン153の内側は、架台本体11と干渉しない領域(以下、非干渉領域(第2領域)と呼ぶ)を示している。
第1境界151と第2境界153との間の領域は、被検体Sに対するスキャン(CTスキャン)において、例えば、ボリュームデータの再構成において再構成に必要な投影データが揃わない可能性のある領域または非再構成領域に対応する。なお、第1境界151と第2境界153との間の領域に対応するボリュームデータは、例えば、マスク領域などと称される。
図3は、架台本体11と、第1境界151と、第2境界153とを示す斜視図である。図3における範囲155は、第1境界151の直径を示している。第1境界151の直径155は、FOVの直径に略等しい。図3における範囲157は、第2境界153の直径を示している。第2境界153の直径157は、開口部15の直径より小さい。第1境界151の直径155より大きい図3における幅Rwは、X線検出器19の幅、すなわち列数に相当する。
図1に示すように、X線管17は、高電圧発生器39からの高電圧の印加を受けてX線を発生する。高電圧発生器39は、例えば、回転フレーム21に取付けられている。高電圧発生器39は、架台本体11の電源装置(図示せず)から環状電極を介して供給された電力から、架台制御回路25による制御に従いX線管17に印加する高電圧を発生する。高電圧発生器39とX線管17とは高圧ケーブル(図示せず)を介して接続されている。高電圧発生器39により発生された高電圧は、高圧ケーブルを介してX線管17に印加される。
X線検出器19は、X線管17から発生されて、被検体Sを透過したX線を検出する。X線検出器19は、二次元湾曲面に配列された複数のX線検出素子(図示せず)を搭載する。各X線検出素子は、X線管17からのX線を検出する。各X線検出素子は、検出したX線の強度に応じた波高値を有する電気信号に変換する。各X線検出素子は、例えば、シンチレータと光電変換器とを有する。シンチレータはX線を受けて蛍光を発生する。光電変換器は、発生された蛍光を電荷パルスに変換する。電荷パルスはX線の強度に応じた波高値を有する。
光電変換器としては、具体的には、光電子増倍管やフォトダイオード(Photo Diode)等の光子を電気信号に変換する機器が用いられる。なお、本実施形態に係るX線検出器19としてはX線を一旦蛍光に変換してから電気信号に変換する間接検出型の検出器に限定されず、X線を直接的に電気信号に変換する直接検出型の検出器であっても良い。
データ収集回路(Data Aquisition System:DAS)41は、被検体Sにより減弱されたX線の強度を示すデジタルのデータをビュー毎に収集する。データ収集回路41は、例えば、複数のX線検出素子の各々について設けられた積分回路とA/D変換器とが並列して実装された半導体集積回路により実現される。データ収集回路41は、架台本体11内においてX線検出器19に接続されている。
積分回路は、X線検出素子からの電気信号を所定のビュー期間に亘り積分し、積分信号を生成する。A/D変換器は、生成された積分信号をA/D変換し、当該積分信号の波高値に対応するデータ値を有するデジタルデータを生成する。変換後のデジタルデータは、生データと呼ばれている。生データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、及び収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値のセットである。生データは、例えば、架台本体11に収容された非接触データ伝送装置(図示せず)を介してコンソール50に供給される。
なお、架台本体11には、上記のX線管17、X線検出器19、回転フレーム21、メインフレーム、電源装置、高電圧発生器39、及びデータ収集回路41だけでなく、スキャンに必要なその他の種々の装置を収容しても良い。例えば、回転フレーム21にはX線管を冷却する冷却装置が取付けられても良い。また、空調のためのファンが架台本体11に取付けられてもよい。
架台本体11の外装において、開口部15の外縁には、開口被検体検出器42が設けられる。開口被検体検出器42は、開口部15内に位置する被検体Sの一部分を検出可能な機器である。開口被検体検出器42は、被検体Sの端部(頭頂部、肩、四肢の端部、肘、膝)を検出してもよいし、被検体全身の輪郭を検出してもよい。開口被検体検出器42は、例えば、カメラ(ムービーカメラ(movie camera)、ビデオカメラ(video camera)等)である。
なお、開口被検体検出器42は、自身と被検体Sとの間の距離を決定するための各種距離センサ(光学(赤外線、可視光)センサ、磁場センサ、音波センサ、超音波センサなど)を有していてもよい。なお、開口被検体検出器42は、被検体Sの位置を検出するモーションキャプチャに関する各種回路および光学系により構成されてもよい。
開口被検体検出器42は、開口部15内における被検体Sの検出の有無、開口部15に対する被検体Sの相対的な位置関係、被検体Sを撮影した開口画像等を、コンソール50に出力する。このとき、開口画像における被検体Sの位置と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。なお、開口被検体検出器42は、被検体Sの検出の有無、相対的な位置関係、開口画像等を、架台制御回路25に出力してもよい。
図1に示すように、開口被検体検出器42は、開口部15内において被検体Sの位置を検出可能な検出範囲A2を有する。なお、開口被検体検出器42は、自身と被検体Sとの間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲A2を有していてもよい。基準位置または基準スケールとは、例えば、架台本体11の移動時において、不動となる物体であり、例えば、載置台43等に設けられる。開口被検体検出器42は、基準スケールの検出により、被検体Sとの距離を計測してもよい。なお、開口被検体検出器42は、架台本体11の外装であって、かつ開口部15の外縁に複数設けられてもよい。
図4は、開口被検体検出器42による被検体Sの検出範囲の一例を示す図である。図4における範囲Bは、被検体Sに対するスキャンにおいて撮影対象外(開口被検体検出器42による検出不能)の範囲(以下、非スキャン対象領域と呼ぶ)を示している。被検体Sに対するスキャンにおいて、非スキャン対象領域は、干渉ライン(第2境界)153から出ないことが要求される。図4における範囲Cは、被検体Sに対するスキャンにおいて撮影対象の範囲(以下、スキャン対象領域と呼ぶ)を示している。スキャン対象領域は、第1境界151により規定される領域すなわちFOVから出ないことが要求される。
図5は、図4をより詳細に説明するための詳細図である。図5に示すように、非スキャン対象領域は、干渉ライン153により規定される非干渉領域内に包含されている。また、図5に示すように、スキャン対象領域は、撮像視野(FOV)内に包含されている。このとき、スキャンは、実行される。
架台制御回路25は、コンソール50のシステム制御回路57からの制御に従い高電圧発生器39、回転駆動装置23、及び架台駆動装置31を制御する。例えば、架台制御回路25は、後述する判定回路63により判定された判定結果に従って架台本体11、架台装置10に搭載された各種装置等を制御する。架台制御回路25による架台装置10の具体的な制御については、後ほど詳述する。
架台制御回路25は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の各種処理装置(プロセッサ)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の各種記憶装置(メモリ等)とを有する。
また、架台制御回路25は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Logic Device:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。
処理装置は、記憶装置に保存されたプログラムを読み出して実行することで、上記機能を実現する。なお、記憶装置にプログラムを保存する代わりに、処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、処理装置は、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、上記機能を実現する。
なお、架台制御回路25は、支柱13や架台本体11に設けられてもよいし、コンソール50に設けられてもよい。なお、架台制御回路25は、架台本体11の外装に設けられた入力機器59を介して入力された各種指令、および情報入力に従って、架台装置10に搭載された各種回路、各種ユニットを制御してもよい。
載置台43は、CT検査室の床面に設けられる。載置台43は、立位状態または座位状態の被検体Sを支持する構造体である。すなわち、載置台43には、立位状態または座位状態の被検体Sが載置される。載置台43は、立位状態または座位状態の被検体Sを支持するために、頑強な構造を有する。載置台43は、例えば、プラスチックや金属等の任意の物質により形成される。
なお、載置台43の上端部分は、アーチファクトフリーな物質、すなわちX線減弱係数の小さい物質により構成されてもよい。載置台43は、開口部15の直下に、開口部15の径に対応するサイズを有する。これにより、支柱13の長手方向Dに沿ってスライド移動可能な移動範囲の最下端まで架台本体11が下降したとき、載置台43に載置された被検体Sの最下端の部分まで、スキャンを実行することができる。
載置台43の外縁には、下方被検体検出器45が設けられる。すなわち、下方被検体検出器45は、開口部15の下方側に設けられる。下方被検体検出器45は、開口部15内に位置する被検体Sの一部分を検出可能な機器である。下方被検体検出器45は、架台本体11の下降により、被検体Sの挟み込みを防止するため、および上方被検体検出器16の検出範囲A1および開口被検体検出器42の検出範囲A2の死角をなくすために、載置台43に設けられる。
下方被検体検出器45は、被検体Sの端部(頭頂部、肩、四肢の端部、肘、膝)を検出してもよいし、被検体全身の輪郭を検出してもよい。例えば、下方被検体検出器45は、例えば、カメラ(ムービーカメラ(movie camera)、ビデオカメラ(video camera)等)である。なお、載置台43が未設置である場合、下方被検体検出器45は、CT検査室の床面であって、例えば、開口部15直下の近傍に設置される。
なお、下方被検体検出器45は、自身と被検体Sとの間の距離を決定するための各種距離センサ(光学(赤外線、可視光)センサ、磁場センサ、音波センサ、超音波センサなど)を有していてもよい。また、下方被検体検出器45は、被検体Sの位置を検出するモーションキャプチャに関する各種回路および光学系により構成されてもよい。
下方被検体検出器45は、開口部15内における被検体Sの検出の有無、開口部15に対する被検体Sの相対的な位置関係、被検体Sを撮影した下方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、下方画像における被検体Sの位置と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。なお、下方被検体検出器45は、被検体Sの検出の有無、相対的な位置関係、下方画像等を、架台制御回路25に出力してもよい。
図1に示すように、下方被検体検出器45は、開口部15内において被検体Sの位置を検出可能な検出範囲A3を有する。なお、下方被検体検出器45は、自身と被検体Sとの間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲A3を有していてもよい。基準位置または基準スケールとは、例えば、架台本体11の移動時において、不動となる物体であり、例えば、CT検査室の天井、水平材14等に設けられる。下方被検体検出器45は、基準スケールの検出により、被検体Sとの距離を計測してもよい。また、下方被検体検出器45は、載置台43の外縁等に複数設けられてもよい。
図1に示すように、コンソール50は、バス(bus)を介して接続された画像再構成装置51と、画像処理装置53と、主記憶回路55と、システム制御回路57と、入力機器59と、表示機器61と、判定回路63とを有する。画像再構成装置51と、画像処理装置53と、主記憶回路55と、システム制御回路57と、入力機器59と、表示機器61と、判定回路63との間のデータ通信は、バスを介して行われる。
画像再構成装置51は、コンソール50からの生データに基づいて被検体Sに関するCT画像を再構成する。具体的には、画像再構成装置51は、前処理部511、投影データ記憶部513、及び再構成演算部515を有する。画像再構成装置51は、例えば、システム制御回路57により制御される。
前処理部511は、コンソール50からの生データに前処理を施す。前処理としては、対数変換、X線強度補正、およびオフセット補正等の各種の補正処理を有する。前処理後の生データは、投影データと呼ばれている。投影データ記憶部513は、前処理部511により生成された投影データを記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。
再構成演算部515は、投影データに基づいて被検体Sに関するCT値の空間分布を表現するCT画像を発生する。画像再構成アルゴリズムとしては、FBP(filtered back projection)法やCBP(convolution back projection)法等の解析学的画像再構成法や、ML−EM(maximum likelihood expectation maximization)法やOS−EM(ordered subset expectation maximization)法等の統計学的画像再構成法等の既存の画像再構成アルゴリズムが用いられればよい。
画像再構成装置51は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、画像再構成装置51は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されても良い。当該処理装置は、当該記憶装置に保存されたプログラムを読み出して実行することで前処理部511と再構成演算部515との機能を実現する。
なお、当該記憶装置にプログラムを保存する代わりに、当該処理装置の回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該処理装置は、回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで前処理部511と再構成演算部515との機能を実現する。また、上記前処理部511として機能する専用のハードウェア回路と再構成演算部515として機能する専用のハードウェア回路とが画像再構成装置に実装されてもよい。
画像処理装置53は、画像再構成装置51により再構成されたCT画像に種々の画像処理を施す。例えば、画像処理装置53は、CT画像がボリュームデータの場合、当該CT画像にボリュームレンダリングや、サーフェスボリュームレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi−Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理、MIP(Maximum Intencity Projection)処理等の3次元画像処理を施して表示画像を発生する。画像処理装置53は、発生した表示画像を表示機器61に出力する。
なお、画像処理装置53は、複数の被検体検出器(上方被検体検出器16、開口被検体検出器42、下方被検体検出器45)からの出力により、3次元的な被検体画像(被検体の座標データ)を発生してもよい。また、画像処理装置53は、複数の被検体検出器からの出力(画像)を用いて、被検体Sの端部を抽出してもよいし、被検体Sの全身の輪郭を抽出してもよい。
画像処理装置53は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、画像処理装置53は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されてもよい。なお、画像処理装置53と画像再構成装置51とは、コンソール50内の単一の基板に集約されてもよい。
画像再構成装置51、画像処理装置53、及びシステム制御回路57は、コンソール50内の単一の基板に集約されても良いし、複数の基板に分散して実装されてもよい。
主記憶回路55は、種々の情報を記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。また、主記憶回路55は、CD−ROMドライブやDVDドライブ、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であっても良い。主記憶回路55は、画像再構成装置51で再構成された再構成画像(ボリュームデータ)、画像処理装置53で画像処理された医用画像を記憶する。
また、主記憶回路55は、上方被検体検出器16により発生された上方画像、開口被検体検出器42により発生された開口画像、下方被検体検出器45により発生された下方画像を記憶する。主記憶回路55は、図示していないインタフェースとネットワークを介して、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)から送信されたスキャン計画を記憶する。
主記憶回路55は、本実施形態に係るスキャンに関するプログラム、複数の被検体検出器からの出力と予め設定された第1境界151と第2境界(干渉ライン)153とに基づいて架台装置10を制御する架台制御プログラム等を記憶する。主記憶回路55は、判定回路63で実行される種々の判定に関するプログラムおよび判定条件を記憶する。
主記憶回路55は、架台装置10に関する座標系(以下、架台座標系)を記憶する。主記憶回路55は、架台座標系において、第1境界151に関する座標データ(以下、第1境界データと呼ぶ)と、第2境界(干渉ライン)153に関する座標データ(以下、第2境界データと呼ぶ)を記憶する。主記憶回路55は、上方画像、開口画像、下方画像各々において、被検体Sの一部分の座標データ(以下、被検体座標データと呼ぶ)を特定(抽出)する座標特定プログラムを記憶してもよい。ここで、被検体Sの一部分とは、例えば、頭頂部、肩、四肢の端部、肘、膝などの被検体Sの輪郭において、端部となる可能性のある領域である。
主記憶回路55は、第1境界151および第2境界153と架台装置10との位置関係を記憶する。例えば、主記憶回路55は、開口部15の内部において撮像視野の外縁を示す第1境界に係る情報と、第1境界と開口部15の内面との間であって被検体Sと架台本体11との干渉を防ぐための第2境界に係る情報とを記憶する。なお、第1境界151と第2境界(干渉ライン)153とは、入力機器59を介して適宜変更可能である。主記憶回路55は、入力機器59を介した操作者の指示により入力されたスキャン撮影位置、および鉛直Y方向に沿った撮影範囲を記憶する。また、主記憶回路55は、判定回路63により判定された判定結果に応じた所定の警告を記憶する。所定の警告とは、例えば、判定結果自身であってもよいし、操作者に注意喚起させる表示態様である。
システム制御回路57は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。システム制御回路57は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の中枢として機能する。具体的には、システム制御回路57は、主記憶回路55に記憶されている各種プログラムを読み出してメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線コンピュータ断層撮影装置1の各部、各回路を制御する。
また、システム制御回路57は、入力機器59を介して入力された各種指令、および情報入力に従って、各種装置および各種回路を制御する。システム制御回路57は、判定回路63に関する機能を実行してもよい。システム制御回路57は、判定結果に応じた警告を主記憶回路55から読み出す。システム制御回路57は、読み出した警告を表示機器61に出力する。
入力機器59は、操作者からの各種指令や情報入力等を受け付ける入力インタフェース回路を有する。入力機器59としては、キーボードやマウス、各種スイッチ等が利用可能である。入力機器59は、操作者により入力された各種指令、および情報入力を、システム制御回路57に出力する。なお、入力機器59は、コンソール50に設けられてもよいし、架台装置10に設けられてもよい。架台装置10に設けられた入力機器は、操作者により入力された各種指令や情報入力等を、架台制御回路25に出力する。例えば、入力機器59は、第1境界151、第2境界(干渉ライン)153に関する変更、再設定などを入力する。また、入力機器59は、スキャンの開始、スキャンの再開等の指示を入力する。なお、入力機器59は、上方画像、開口画像、下方画像各々において、被検体Sの特定される一部分の設定、変更を入力してもよい。
表示機器61は、2次元のCT画像や表示画像等の種々の情報を表示する表示回路を有する。表示機器61としては、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。表示機器61は、判定結果に対応する所定の警告を表示する。また、表示機器61は、スキャン時において非スキャン対象領域が干渉ラインを超えた場合、スキャンの正確性に問題がある旨を表示してもよい。
判定回路63は、スキャン撮影位置への架台本体11の移動(下降)前において、上方画像および下方画像を用いて、被検体Sが載置台43に載置されているか否かを判定する。判定回路63は、被検体Sが載置台43に載置され、かつスキャン撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、上方画像、下方画像各々における被検体Sの位置と第2境界(干渉ライン)153との位置関係に基づいて、被検体Sが第2領域、すなわち非干渉領域内に位置しているか否かを判定する。なお、上記判定において、開口画像がさらに用いられてもよい。
具体的には、判定回路63は、上方画像、開口画像および下方画像各々において、被検体座標データを抽出(特定)する。このとき、抽出された被検体座標データは、被検体Sの領域(スキャン対象領域、非スキャン対象領域)と関連づけられる。より詳細には、スキャン対象領域は、架台本体11がスキャン撮影位置に到達したときにおける開口画像において、撮影範囲に含まれる被検体座標データ(以下、スキャン対象座標データと呼ぶ)に対応する。
また、非スキャン対象領域は、架台本体11がスキャン撮影位置に到達したときにおける上方画像および下方画像において、撮影範囲に含まれない被検体座標データ(以下、非スキャン座標データと呼ぶ)に対応する。これにより、被検体Sにおいてスキャン対象領域と、非スキャン対象領域との切り分けが実行される。なお、抽出された被検体座標データは、架台座標系に対する座標を示すデータである。
次いで、判定回路63は、スキャン対象座標データと第1境界データとを比較することにより、スキャン対象領域が第1領域(FOV)内に位置しているか否かを判定する。また、判定回路63は、上方画像および下方画像各々に関する非スキャン座標データと第2境界データとを比較することにより、非スキャン対象領域が第2領域(非干渉領域)内に位置しているか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、架台座標系における第1境界151および第2境界153の座標(境界位置情報)と、被検体座標データ(被検***置情報)とを用いて、判定を実行する。以下、判定回路63による判定について、より詳細に説明する。
判定回路63は、スキャン撮影位置への架台本体11の到達を契機として、開口画像における被検体Sの位置と第1境界151との位置関係に基づいて、スキャン対象領域が第1領域(FOV)内に位置しているか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、スキャン対象座標データと第1境界データとに基づいて、FOV内にスキャン対象座標データ位置しているか否かを判定する。
判定回路63は、架台本体11による被検体Sのスキャン対象領域に対するスキャン中において、開口画像におけるスキャン対象領域の位置と第1境界151との位置関係(座標関係)に基づいて、スキャン対象領域がFOV内に位置しているか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、スキャン撮影位置への架台本体11の到達およびスキャン対象領域に対するスキャン中において、スキャン対象座標データと第1境界データとの相対的な位置関係(座標関係)に基づいて、スキャン対象領域がFOV内に位置しているか否かを判定する。
判定回路63は、スキャン対象領域に対するスキャン中において、上方画像および下方画像各々における非スキャン対象領域の位置と第2境界(干渉ライン)153との位置関係(座標関係)に基づいて、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置しているか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、スキャン対象領域に対するスキャン中において、非スキャン座標データと第2境界データとの相対的な位置関係(座標関係)に基づいて、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置しているか否かを判定する。
判定回路63は、判定結果を架台制御回路25に出力する。なお、判定回路63は、判定結果をシステム制御回路57に出力してもよい。判定回路63は、ハードウェア資源として、CPUやMPU等の処理装置(プロセッサ)とROMやRAM等の記憶装置(メモリ)とを有する。また、判定回路63は、ASICやFPGA、CPLD、SPLDにより実現されてもよい。なお、判定回路63は、システム制御回路57、架台制御回路25等に組み込まれてもよい。
(架台制御機能)
架台制御機能とは、判定回路63から出力された判定結果に基づいてスキャンに関する架台本体11の移動およびスキャンを制御するために、架台装置10を制御する機能である。架台制御機能に関する処理を架台制御処理と呼ぶ。以下、架台制御処理に関する架台制御回路25の機能について詳細に説明する。
架台制御回路25は、判定回路63による判定結果に基づいて、架台装置10を制御する。架台制御回路25は、架台本体11による被検体Sに対するスキャンにおいて、被検体Sの位置と第1境界151との位置関係に基づいて、スキャンと架台本体11の移動とを停止するために、架台装置10を制御する。すなわち、架台制御回路25は、スキャン対象領域に対するスキャンにおいて、スキャン対象座標データと第1境界データとの比較判定結果により、スキャンと架台本体11の移動とを停止するために、架台装置10を制御する。
換言すれば、架台制御回路25は、被検体Sのスキャン対象領域と第1境界との相対的な位置関係に基づいて、X線の照射を停止するようにX線管17を制御する。また、架台制御回路25は、被検体Sの非スキャン対象領域と第2境界との相対的な位置関係に基づいて、架台11の移動を停止させるように架台11を制御する。例えば、架台制御回路25は、スキャン対象領域の一部が第1境界を超えた場合、X線管17によるX線の照射を停止するようにX線管17を制御する。また、架台制御回路25は、非スキャン対象領域の一部が第2境界を超えた場合、架台11の移動を停止させるように架台11を制御する。
具体的には、スキャン撮影位置への架台本体11の下降前において載置台43に載置された被検体Sが非干渉領域内に位置していると判定された場合、架台制御回路25は、スキャン撮影位置に架台本体11を移動させる指示の入力に応答して、架台本体11をスキャン撮影位置に下降させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25による制御のもとで、架台本体11は、スキャン撮影位置へ向けて下降を開始する。
スキャン撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち、非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の下降を続行するために、架台駆動装置31等を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の下降は、スキャン撮影位置へ向けて続行される。
スキャン撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、被検体Sの一部分が非干渉領域の外部に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の外部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の移動を停止させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の下降は停止する。
架台本体11の下降の停止後であって、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介した移動再開の指示を契機として、架台本体11をスキャン撮影位置に再度移動させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11は、スキャン撮影位置へ向けて下降を再開する。
スキャン撮影位置への架台本体11の到達後において、スキャン対象領域がFOV内に位置している、すなわちスキャン対象座標データが第1境界データで規定されるFOVの内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介した操作者のスキャン開始指示に応答してスキャン対象領域に対してスキャンを開始するために、架台装置10を制御する。
具体的には、高電圧発生器39と回転駆動装置23等に対する架台制御回路25の制御により、スキャンが開始される。開始されるスキャンがコンベンショナルスキャンである場合、架台本体11は、移動しない。開始されるスキャンがヘリカルスキャンである場合、架台制御回路25は、架台本体11を予め設定された撮影範囲内において移動(または往復移動)させるために、架台駆動装置31をさらに制御する。
スキャン対象領域に対するスキャン中において、スキャン対象領域がFOV内に位置していると判定された場合、架台制御回路25は、スキャンを続行するように架台装置10を制御する。スキャン中において、非スキャン対象領域は、開口被検体検出器42の検出範囲外なため、どのような位置であってもよい。すなわち、非スキャン対象領域はスキャン中においてFOV内に位置している必要はないため、非スキャン対象領域はどのような位置であっても、スキャンは続行される。
スキャン対象領域に対するスキャン中において、スキャン対象領域の一部分がFOVの外部に位置している、すなわちスキャン対象座標データが第1境界データで規定されるFOVの外部に位置していると判定された場合、架台制御回路25は、スキャンを停止するように架台装置10を制御する。具体的には、架台制御回路25は、被検体Sのスキャン対象領域に対するX線の曝射を停止するために、高電圧発生器39を制御する。高電圧発生器39に対する架台制御回路25の制御により、スキャンは停止する。このとき、架台制御回路25は、回転フレーム21の回転を停止するために、回転駆動装置23を制御してもよい。
なお、実行されているスキャンがヘリカルスキャンである場合、架台制御回路25は、架台本体11の移動を停止するために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、スキャン中における架台本体11の移動は停止する。
スキャンの停止後であって、スキャン対象領域がFOV内に位置していると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介したスキャン再開の指示を契機として、スキャンを再開するために高電圧発生器39および回転駆動装置23等を制御する。高電圧発生器39および回転駆動装置23等に対する架台制御回路25の制御により、スキャン対象領域に対して、スキャンは再開される。
図6Aおよび図6Bは、架台制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
第1境界151と、第2境界153とが、設定される(ステップSa1)。このとき、第1境界データと第2境界データとが、主記憶回路55から判定回路63に出力される。上方被検体検出器16と、開口被検体検出器42と、下方被検体検出器45とにより、被検体Sが検出される(ステップSa2)。なお、これらの被検体検出器により被検体Sが検出されなければ、以降の処理は実行されない。ステップSa2の処理の後に、上方被検体検出器16により上方画像が発生される。また、開口被検体検出器42により開口画像が発生される(ステップSa3)。また、下方被検体検出器45により下方画像が発生される。
このとき、上方画像および下方画像から非スキャン座標データが抽出される。抽出された非スキャン座標データは、被検体Sの非スキャン対象領域と関連づけられる。これにより、非スキャン対象領域が特定される。また、開口画像からスキャン対象座標データが抽出される。抽出されたスキャン対象座標データは、被検体Sのスキャン対象領域と関連づけられる。これにより、スキャン対象領域が特定される。
上方画像および下方画像に関する非スキャン座標データが第2境界データと比較される。これにより、被検体Sが非干渉領域内に包含されていれば、入力機器59を介した操作者の架台下降指示を契機として、架台本体11が、スキャン撮影位置に向けて下降される(ステップSa4)。
上方画像において非干渉領域の外部に非スキャン対象領域があれば(ステップSa5)、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の外部に非スキャン座標データがあれば、架台本体11の下降が停止される(ステップSa6)。このとき、所定の警告が表示機器61に表示される。所定の警告は、「干渉ラインから被検体が出たこと」を操作者に通知できれば、どのような警告であってもよい。第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の内部に非スキャン座標データが包含され、かつ入力機器59を介して下降再開の指示が操作者により入力されると、架台本体11の下降が再開される(ステップSa7)。
上方画像において非干渉領域の外部に非スキャン対象領域がなければ(ステップSa5)、架台本体11がスキャン撮影位置まで下降される(ステップSa8)。開口画像におけるFOV内にスキャン対象領域が包含されていれば(ステップSa9)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含されていれば、入力機器59を介した操作者のスキャン開始指示により、スキャンが開始される(ステップSa10)。
開口画像におけるFOVの外部にスキャン対象領域があれば(ステップSa11)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の外部にスキャン対象座標データがあれば、スキャン(曝射)が停止される(ステップSa12)。このとき、スキャンがヘリカルスキャンであれば、架台本体11の移動も停止される。加えて、所定の警告が表示機器61に表示される。所定の警告は、「FOVからスキャン対象領域が出たこと」を操作者に通知できれば、どのような警告であってもよい。
開口画像におけるFOV内にスキャン対象領域が包含され(ステップSa13)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含され、かつ入力機器59を介してスキャン再開指示が操作者により入力される(ステップSa14)と、スキャンが再開される。スキャンが再開されなければ、スキャンは終了する。
開口画像におけるFOVの外部にスキャン対象領域がなければ(ステップSa11)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含されていれば、スキャンの終了の指示があるまでスキャンが実行される(ステップSa15)。
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、被検体Sを検出するセンサ(被検体検出器)を有し、X線コンピュータ断層撮影装置1の架台本体11に関連する境界位置情報と被検***置情報とに基づいて、スキャン対象座標データがFOV内に包含されているか否かを判定し、スキャン対象領域がFOVの外部にはみ出た場合はスキャンを中止し、スキャン対象領域がFOV内に戻るとスキャンを再開することができる。また、架台本体11の停止およびスキャンの停止に伴って所定の警告を表示することができる。
また、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、架台本体11との干渉を避けるために非スキャン対象領域が干渉ラインを出ているか否かを判定し、非スキャン対象領域が干渉ラインを出ている場合、架台本体11の上下動を停止し、干渉ライン内に非スキャン対象領域が戻った場合は架台本体11の上下動を再開することができる。
すなわち、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、被検体Sに対して架台本体11がどの高さに位置しているかを装置自身が認識し、かつFOV外に出た領域がスキャン対象領域か否かを判別することにより、スキャンを中止したり、所定の警告を表示したりすることができる。これにより、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、スキャン時間が長時間になることなく、また被検体Sに対する不要被曝の発生を抑えながら被検体Sに対する安全性を確保しつつ、スキャン対象領域の観測が可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、被検体Sと架台本体11とを干渉させることなく、かつ被検体Sに対する不要被曝を低減可能なX線コンピュータ断層撮影装置1を提供することができる。
(変形例)
本変形例は、撮像視野の変更に応じて、架台本体11の移動を制御する制御モードを選択して架台制御機能を実行することにある。
主記憶回路55は、第1制御モードに関するプログラムと第2制御モードに関するプログラムとを記憶する。第1制御モードとは、スキャン対象領域の一部が第1境界を超えた場合、X線管17によるX線の照射を停止するようにX線管17を制御し、非スキャン対象領域の一部が第2境界を超えた場合、架台本体11の移動を停止させるように架台本体11を制御する制御モードである。第2制御モードとは、被検体Sの輪郭が第2境界を超えた場合、架台本体11の移動を停止させるように架台本体11を制御する制御モードである。主記憶回路55は、チルト角に対する撮像視野の大きさの対応表を記憶してもよい。
入力機器59は、撮像視野の大きさを変更する指示を入力する。撮像視野の大きさの変更は、例えば、表示機器61に表示されたスキャン計画時の画面におけるスキャノ像に対するスキャン範囲の設定の操作により実行される。入力機器59は、変更した撮像視野の決定指示を入力する。入力機器59は、決定された撮像視野の大きさを、判定回路63に出力する。
入力機器59は、検査室の床面に対して架台本体11をチルトさせる指示を入力する。チルトの指示は、架台本体11の外装に設けられたスイッチの押下により入力されてもよいし、表示機器61に表示されたスキャン計画時の画面におけるスキャノ像に対するスキャン範囲の傾きの設定の操作により入力されてもよい。入力機器59は、チルトの指示によるチルト角に応じた撮像視野の大きさを、判定回路63に出力する。なお、チルト角に応じた撮像視野の大きさは、主記憶回路55に記憶された対応表を用いて、システム制御回路57により決定されてもよい。例えば、回転フレーム21の回転軸および鉛直方向に平行な面における撮像視野が長方形である場合、架台本体11のチルトによる撮像視野の形状(大きさ)は、この長方形をチルト角に応じて回転させた長方形の4つの頂点のうち回転軸に最も近い2つの頂点各々を通り回転軸に平行な直線で、この回転させた長方形を切断した平行四辺形となる。
判定回路63は、上方画像および開口画像における被検体Sの輪郭と撮像視野の大きさとを比較する。この比較により、判定回路63は、被検体Sの輪郭が撮像視野に含まれているか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、変更後の撮像視野の変更に関する第1境界151の位置情報と被検***置情報とを用いて、判定を実行する。判定回路63は、判定結果を、架台制御回路25に出力する。なお、判定回路63は、判定結果をシステム制御回路57に出力してもよい。
図11は、撮像視野と被検体Sの輪郭との位置関係をY方向から見た図である。図11に示すLLは、最大の撮像視野を示している。最大の撮像視野LLは、被検体Sの輪郭を包含する。図11に示すLは、最大の撮像視野LLより狭い撮像視野を示している。撮像視野Lは、最大の撮像視野LLと同様に、被検体Sの輪郭を包含する。撮像視野LLおよび撮像視野Lにおいて、判定回路63は、被検体Sの輪郭が撮像視野に含まれていると判定する。図11に示すMは、撮像視野Lより狭い撮像視野を示している。撮像視野Mは、被検体Sの輪郭を包含しない。撮像視野Mにおいて、判定回路63は、被検体Sの輪郭が撮像視野に含まれていないと判定する。
架台制御回路25は、決定された撮像視野、すなわち操作者による設定により変更された撮像視野が被検体Sの輪郭より狭い場合、主記憶回路55から第2制御モードを読みだす。次いで、架台制御回路25は、第2制御モードで、架台本体11の移動を実行する。また、架台制御回路25は、決定された撮像視野、すなわち操作者による設定により変更された撮像視野が被検体Sの輪郭より広い場合、主記憶回路55から第1制御モードを読みだす。次いで、架台制御回路25は、第1制御モードで、架台本体11の移動を実行する。なお、第1制御モードまたは第2制御モードでの架台本体11の移動の制御は、システム制御回路57により実行されてもよい。
(架台制御機能)
本変形例に係る架台制御機能は、撮像視野の変更に応じた判定結果に基づいて、架台本体11の移動およびスキャンを制御するために、架台装置10を制御する機能である。図12は、本変形例に係る架台本体11の移動に関する制御モードの設定手順の一例を示すフローチャートである。
予め、被検体検出器により、被検体Sの輪郭画像(上方画像、開口画像等)が取得される(ステップSd1)。被検体Sの輪郭の情報は、判定回路63に出力される。入力機器59を介して、撮像視野の変更の入力、または架台本体11のチルトが入力される(ステップSd2)。架台本体11のチルトが入力されると、チルト角に応じて撮像視野が設定される(ステップSd3)。チルト角に応じた撮像視野の設定後または撮像視野の入力後において、輪郭画像を用いて、撮像視野内に被検体Sの輪郭が包含されるか否かが判定される(ステップSd4)。
撮像視野内に被検体Sの輪郭が包含される場合(ステップSd4のYes)、システム制御回路57は、判定回路63からの包含判定の入力を契機として、第1制御モードに関するプログラムを主記憶回路55から読み出す。これにより、架台本体11の移動の制御が、第1制御モードとして設定される(ステップSd5)。撮像視野内に被検体Sの輪郭が包含されない場合(ステップSd4のNo)、システム制御回路57は、判定回路63からの非包含判定の入力を契機として、第2制御モードに関するプログラムを主記憶回路55から読み出す。これにより、架台本体11の移動の制御が、第2制御モードとして設定される(ステップSd6)。設定された制御モードで架台本体11の移動が開始される(ステップSd7)
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、撮像視野の変更に応じて、架台本体11の移動の制御に関する制御モードを選択、設定することができる。すなわち、本X線コンピュータ断層撮影装置1によれば、操作者の指示による撮像視野の変更、または架台本体11のチルトに伴う撮像視野の変更に応じて、変更された撮像視野の大きさと被検体Sの輪郭とを比較することにより、撮像視野内に被検体Sの輪郭が包含されるか否かを判定し、架台本体11の移動における制御モードを決定する(切り替える)ことができる。これにより、本X線コンピュータ断層装置1によれば、撮像視野の大きさと被検体Sの輪郭との包含関係に応じて、被検体Sと架台とを干渉させることなく、かつ被検体Sに対する不要被曝を低減させた架台本体11の移動の制御が可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態との相違は、開口被検体検出器42が非搭載であって、スキャノ像により設定された撮影範囲に基づいて、非スキャン対象領域およびスキャン対象領域を特定し、第1の実施形態における判定を実行することにある。
図7は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2の構成を示す図である。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合に行う。
水平材141には、第1上方被検体検出器161と第2上方被検体検出器163とが搭載される。具体的には、第1上方被検体検出器161と第2上方被検体検出器163とは、水平材141上であって、中心軸R1を挟んで対称的な位置(線対称な位置)に設置される。なお、水平材141が架台装置101に設けられていない場合、第1上方被検体検出器161と第2上方被検体検出器163とは、中心軸R1を挟んで線対称な位置であって、CT検査室の天井に設けられてもよい。なお、水平材141に設けられる被検体検出器は、2つに限定されない。
第1上方被検体検出器161は、被検体の検出の有無、開口部15に対する被検体の相対的な位置関係、被検体を撮影した第1上方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、第1上方画像における被検体の位置(非スキャン座標データ)と架台本体11(架台座標系)との相対的な位置関係が特定される。なお、第1上方被検体検出器161は、被検体の検出の有無、相対的な位置関係、第1上方画像等を、架台制御回路25等に出力してもよい。
第2上方被検体検出器163は、被検体の検出の有無、開口部15に対する被検体の相対的な位置関係、被検体を撮影した第2上方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、第2上方画像における被検体の位置(非スキャン座標データ)と架台本体11(架台座標系)との相対的な位置関係が特定される。なお、第2上方被検体検出器163は、被検体の検出の有無、相対的な位置関係、第2上方画像等を、架台制御回路25等に出力してもよい。
図7に示すように、第1上方被検体検出器161は、被検体の位置を検出可能な検出範囲B1を有する。なお、第1上方被検体検出器161は、自身と被検体との間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲B1を有していてもよい。
図7に示すように、第2上方被検体検出器163は、被検体の位置を検出可能な検出範囲B2を有する。なお、第2上方被検体検出器163は、自身と被検体との間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲B2を有していてもよい。検出範囲B1と検出範囲B2とは、例えば、略同一な角度により規定される。
載置台43の外縁には、第1下方被検体検出器451と第2下方被検体検出器453とが、中心軸R1を挟んで対称的な位置(線対称な位置)に設けられる。なお、載置台43が架台装置101に設けられていない場合、第1下方被検体検出器451と第2下方被検体検出器453とは、中心軸R1を挟んで線対称な位置であって、CT検査室の床面に設けられてもよい。なお、載置台43に設けられる被検体検出器は、2つに限定されない。
第1下方被検体検出器451は、被検体の検出の有無、開口部15に対する被検体の相対的な位置関係、被検体を撮影した第1下方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、第1下方画像における被検体Sの位置(非スキャン座標データ)と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。なお、第1下方被検体検出器451は、被検体の検出の有無、相対的な位置関係、第1下方画像等を、架台制御回路25に出力してもよい。
第2上方被検体検出器163は、被検体の検出の有無、開口部15に対する被検体の相対的な位置関係、被検体を撮影した第2下方画像等を、コンソール50に出力する。このとき、第2下方画像における被検体の位置(非スキャン座標データ)と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。なお、第2下方被検体検出器453は、被検体の検出の有無、相対的な位置関係、第2下方画像等を、架台制御回路25に出力してもよい。
図7に示すように、第1下方被検体検出器451は、被検体の位置を検出可能な検出範囲B3を有する。なお、第1下方被検体検出器451は、自身と被検体との間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲B3を有していてもよい。
図7に示すように、第2下方被検体検出器453は、被検体の位置を検出可能な検出範囲B4を有する。なお、第2下方被検体検出器453は、自身と被検体との間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲B4を有していてもよい。検出範囲B3と検出範囲B4とは、例えば、略同一な角度により規定される。
画像処理装置53は、スキャノ撮影においてデータ収集回路41から出力されたデータに基づいて、スキャノ像を発生する。発生されたスキャノ像は、表示機器61に出力される。
表示機器61は、スキャノ像を表示する。このとき、表示機器61は、スキャノ像においてスキャン範囲の境界を設定するための2つの境界線を、スキャノ像に重畳させて表示する。
入力機器59は、被検体に対するスキャノ撮影の指示を入力する。入力機器59は、表示されたスキャノ像に対して、操作者の指示に従ってスキャン範囲を入力する。例えば、入力機器59は、操作者に指示により、2つの境界線を移動させることによりスキャン範囲を決定する。なお、スキャン範囲は、スキャン対象領域に対して所定のマージンを設けて決定されてもよい。
図8は、スキャン範囲の一例を示す斜視図である。図8に示すように、スキャン範囲SRは、スキャン対象領域の幅Sobに対してマージンMを有する。マージンMは、スキャン範囲SRとスキャン対象領域の幅Sobとの差分に相当する。
システム制御回路57は、スキャノ撮影の指示の入力を契機として、スキャノ撮影を実行するために、本X線コンピュータ断層撮影装置2に係る各部、各回路、各装置等を制御する。システム制御回路57は、スキャノ像に設定されたスキャン範囲に対してスキャンを実行するために、本X線コンピュータ断層撮影装置2に係る各部、各回路、各装置等を制御する。
システム制御回路57は、設定されたスキャン範囲と、架台座標系とに対して位置整合をとることにより、両者を関連づける。これにより、システム制御回路57は、被検体Sに対するスキャン時における架台本体11の相対的な位置を把握することができる。システム制御回路57は、スキャン範囲と、スキャノ撮影時に収集された第1上方画像、第2上方画像、第1下方画像、第2下方画像とに基づいて、スキャン対象領域(スキャン対象座標データ)を特定する。システム制御回路57は、特定したスキャン対象領域に関する情報(スキャン対象座標データ)を、判定回路63に出力する。
システム制御回路57は、被検体検出器(第1上方被検体検出器161、第2上方被検体検出器163、第1下方被検体検出器451、第2下方被検体検出器453)により取得された被検体Sの位置情報(被検体座標データ)とスキャノ像を用いて設定されたスキャン範囲の位置情報とが一致しない(不一致の)被検体座標データを、非スキャン座標データ(非スキャン対象領域)として決定する。システム制御回路57は、特定したスキャン対象領域に関する情報(スキャン対象座標データ)を、判定回路63に出力する。なお、上記スキャン対象領域と非スキャン対象領域とは、判定回路63または架台制御回路25により判定(特定)されてもよい。
判定回路63は、スキャノ撮影位置への架台本体11の移動(下降)前において、第1上方画像、第2上方画像、第1下方画像および第2下方画像を用いて、被検体Sが載置台43に載置されているか否かを判定する。判定回路63は、被検体Sが載置台43に載置され、かつスキャノ撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、第1上方画像、第2上方画像、第1下方画像および第2下方画像各々における被検体Sの位置と第2境界(干渉ライン)153との位置関係に基づいて、被検体Sが第2領域(非干渉領域)内に位置しているか否かを判定する。
具体的には、判定回路63は、第1上方画像、第2上方画像、第1下方画像および第2下方画像各々において、被検体座標データを抽出(特定)する。判定回路63は、被検体座標データと第2境界データとを比較することにより、第2領域(非干渉領域)外に非スキャン座標データが存在するか否かを判定する。すなわち、判定回路63は、架台座標系における第2境界153の座標(境界位置情報)と、被検体座標データ(被検***置情報)とを用いて、判定を実行する。
判定回路63は、スキャノ撮影位置への架台本体11の到達、およびスキャノ撮影中において、被検体座標データと第2境界データとを比較することにより、第2領域(非干渉領域)外に被検体座標データが存在するか否かを判定する。
判定回路63は、スキャン撮影位置への架台本体11の到達およびスキャン対象領域に対するスキャン中において、スキャノ像により特定されたスキャン対象領域の位置と第1境界151との位置関係に基づいて、スキャン対象領域が第1領域(FOV)内に位置しているか否かを判定する。
また、スキャン撮影位置への架台本体11の到達およびスキャン対象領域に対するスキャン中において、被検体検出器により取得された被検体Sの位置情報(被検体座標データ)とスキャノ像を用いて設定されたスキャン範囲の位置情報とが一致しない場合、すなわち架台本体11がスキャン範囲に到達していない場合、判定回路63は、非スキャン座標データが第2境界内(非干渉領域内)に位置しているか否かを判定する。
スキャノ撮影位置への架台本体11の下降前において載置台43に載置された被検体Sが非干渉領域内に位置していると判定された場合、架台制御回路25は、スキャノ撮影位置に架台本体11を移動させる指示の入力に応答して、架台本体11をスキャノ撮影位置に下降させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25による制御のもとで、架台本体11は、スキャノ撮影位置へ向けて下降を開始する。
スキャノ撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の下降を続行するために、架台駆動装置31等を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の下降は、スキャノ撮影位置へ向けて続行される。
スキャノ撮影位置への架台本体11の移動(下降)中において、被検体Sの一部分が非干渉領域の外部に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の外部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の移動を停止させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の下降は停止する。
架台本体11の下降の停止後であって、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介した移動再開の指示の入力に応答して、架台本体11をスキャノ撮影位置に再度移動させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11は、スキャノ撮影位置へ向けて下降を再開する。
スキャノ撮影位置への架台本体11の到達後において、被検体SがFOV内に位置している、すなわち被検体座標データが第1境界データで規定されるFOVの内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介した操作者のスキャノ開始指示に応答してスキャノ撮影を開始するために、架台装置101を制御する。具体的には、高電圧発生器39と回転駆動装置23等に対する架台制御回路25の制御により、スキャノ撮影が開始される。
スキャノ撮影後、スキャン撮影位置への架台本体11の移動中において、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち、非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の移動を続行するために、架台駆動装置31等を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の下降は、スキャン撮影位置へ向けて続行される。
スキャン撮影位置への架台本体11の移動中において、被検体Sの一部分が非干渉領域の外部に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の外部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、架台本体11の移動を停止させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11の移動は停止する。
スキャン撮影位置への架台本体11の移動の停止後であって、非スキャン対象領域が非干渉領域内に位置している、すなわち非スキャン座標データが第2境界データで規定される非干渉領域の内部に位置すると判定された場合、架台制御回路25は、入力機器59を介した移動再開の指示を契機として、架台本体11をスキャン撮影位置に再度移動させるために、架台駆動装置31を制御する。架台駆動装置31に対する架台制御回路25の制御により、架台本体11は、スキャン撮影位置へ向けて移動を再開する。
(架台制御機能)
図9Aおよび図9Bは、スキャノ像の収集に関する架台制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
第1境界151と、第2境界153とが、設定される(ステップSb1)。第1上方被検体検出器161と、第2上方被検体検出器163と、第1下方被検体検出器451、第2下方被検体検出器453とにより、被検体Sが検出される(ステップSb2)。なお、これらの被検体検出器により被検体Sが検出されなければ、以降の処理は実行されない。
ステップSb2の処理の後、第1上方被検体検出器161により第1上方画像が発生され、第2上方被検体検出器163により第2上方画像が発生される。加えて、第1下方被検体検出器451により第1下方画像が発生され、第2下方被検体検出器453により第2下方画像が発生される(ステップSb3)。第1上方画像、第2上方画像、第1下方画像、第2下方画像の発生は、リアルタイムに適宜発生、更新される。
このとき、上方画像および下方画像において、被検体座標データが抽出される。第1、第2上方画像(以下、上方画像と呼ぶ)および第1、第2下方画像(以下、下方画像と呼ぶ)に関する被検体座標データが第2境界データと比較される。これにより、被検体座標データが非干渉領域内に包含されていれば、入力機器59を介した操作者の架台下降指示を契機として、架台本体11が、スキャノ撮影位置に向けて下降される(ステップSb4)。
上方画像および下方画像において非干渉領域の外部に被検体座標データがあれば(ステップSb5)、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の外部に被検体座標データあれば、架台本体11の下降が停止される(ステップSb6)。第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の内部に被検体座標データが包含され、かつ入力機器59を介して下降再開の指示が操作者により入力されると、架台本体11の下降が再開される(ステップSb7)。
上方画像および下方画像において非干渉領域の外部に被検体座標データがなければ(ステップSb5)、架台本体11がスキャノ撮影位置まで下降される(ステップSb8)。入力機器59を介した操作者のスキャノ撮影開始指示により、スキャノ撮影が開始される(ステップSb9)。
非干渉領域の外部に被検体座標データがあれば(ステップSb10)、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の外部に被検体座標データがあれば、スキャノ撮影が停止される(ステップSb11)。非干渉領域内に被検体座標データが包含され、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の内部に被検体座標データが包含され、かつ入力機器59を介してスキャノ撮影再開の指示が操作者により入力されれば、スキャノ撮影が再開される(ステップSb12)。
非干渉領域の外部に被検体座標データな無ければ(ステップSb10)、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の内部に被検体座標データが包含されていれば、スキャノ撮影の終了の指示があるまでスキャノ撮影が実行される(ステップSb13)。
スキャノ撮影が終了すれば、スキャノ像が発生される(ステップSb14)。入力機器59を介した操作者の指示により、スキャノ像を用いてスキャン範囲が設定される(ステップSb15)。このとき、スキャン範囲に対応する架台本体11の位置情報がシステム制御回路57に出力される。また、スキャン範囲の設定により、スキャン範囲に関する上方画像と下方画像とにより非スキャン対象領域(非スキャン座標データ)とスキャン対象領域(スキャン対象座標データ)とが設定される。
図10は、スキャノ撮影後に実施されるスキャンにおける架台制御処理の一例を示すフローチャートである。
非干渉領域の外部に被検体座標データが包含されていなければ、架台本体11がスキャン範囲開始位置に向けて移動される(ステップSc1)。架台本体11の移動中において、非干渉領域の外部にスキャン対象領域が位置していれば(ステップSc2)、架台本体11の移動が停止される(ステップSc3)。
非干渉領域内に被検体座標データが包含され、すなわち第2境界153の境界データにより規定される閉曲線の内部に被検体座標データが包含され、かつ入力機器59を介して架台本体11の移動の指示が操作者により入力されれば、架台本体11の移動が再開される(ステップSc4)。
スキャン開始位置までの架台本体11が移動していなければ、ステップSc2乃至4の処理が繰り替えされる(ステップSc5)。スキャン開始位置までの架台本体11が移動し、かつFOV内にスキャン対象領域が包含されていれば、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含されていれば、入力機器59を介した操作者のスキャン開始指示により、スキャンが開始される(ステップSc6)。
FOVの外部にスキャン対象領域があれば(ステップSc7)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の外部にスキャン対象座標データがあれば、スキャンが停止される(ステップSc8)。このとき、スキャンがヘリカルスキャンであれば、架台本体11の移動も停止される。
FOV内にスキャン対象領域が包含され(ステップSc9)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含され、かつ入力機器59を介してスキャン再開の指示が操作者により入力されると、スキャンが再開される(ステップSc10)。スキャンが再開されなければ、スキャンは終了する。
FOVの外部にスキャン対象領域がなければ(ステップSc7)、すなわち第1境界151の境界データにより規定される閉曲線の内部(FOV)にスキャン対象座標データが包含されていれば、スキャンの終了の指示があるまでスキャンが実行される(ステップSc11)。
以上に述べた構成によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2によれば、架台本体11を除く場所にセンサ(被検体検出器)を複数設置し、スキャノ撮影により発生されたスキャノ像を用いてスキャン対象領域と非スキャン対象領域とを分別し、架台本体11に関連する境界位置情報と被検***置情報とに基づいて、スキャン対象座標データがFOV内に包含されているか否かを判定し、スキャン対象領域がFOVの外部にはみ出た場合はスキャンを中止し、スキャン対象領域がFOV内に戻ると操作者の指示により、スキャンを再開することができる。すなわち、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2によれば、架台本体11と被検体Sとの相対的な位置関係を、スキャノ像と被検体検出器の出力とに基づいて、決定することができる。
また、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2によれば、架台本体11の開口部15近傍に被検体検出器を搭載することなく、架台本体11との干渉を避けるために非スキャン対象領域が干渉ラインを出ているか否かを判定し、非スキャン対象領域が干渉ラインを出ている場合、架台本体11の上下動を停止し、干渉ライン内に非スキャン対象領域が戻った場合は架台本体11の上下動を再開することができる。
すなわち、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2によれば、スキャノ像と被検体検出器からの出力に基づいて被検体Sに対してどの高さに架台本体11が位置しているかを決定し、かつFOV外に出た領域がスキャン対象領域か否かを判別することにより、スキャンを中止したり、所定の警告を表示したりすることができる。これにより、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置2によれば、被検体Sに対する安全性を確保しつつ、スキャン時間が長時間になることなく、また被検体Sに対する不要被曝の発生を抑えながら、スキャン対象領域の観測が可能となる。
以上のことから、本実施形態によれば、被検体Sと架台本体11とを干渉させることなく、かつ被検体Sに対する不要被曝を低減可能なX線コンピュータ断層撮影装置1を提供することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態との相違は、臥位状態の被検体に対してスキャン可能なX線コンピュータ断層撮影装置において、上述した架台制御機能を実行することにある。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合に行う。図13は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置3の構成の一例を示す図である。
図13に示すように、本X線コンピュータ断層撮影装置3における架台本体11は、検査室の床面69に載置される。本X線コンピュータ断層撮影装置3は、被検体Sが載置される天板70と、開口部15に天板70を挿入可能に支持する寝台71とを有する。スキャン撮影時、またはスキャノ撮影時に置いて、被検体Sが載置された天板70は、システム制御回路57による制御のもとで、開口部15に挿入される。なお、被検体Sが載置された天板70が開口部15に挿入されるように、架台本体11がZ方向に沿って移動してもよい。
上方被検体検出器16の代わりに、後方被検体検出器73が、架台本体11の後方(背面)側において、非チルト時の回転軸R3の略延長線上の位置に、支柱75を介して設けられる。なお、後方被検体検出器73は、検査室の壁面において、非チルト時の回転軸R3の略延長線上の位置に設けられてもよい。下方被検体検出器45の代わりに、前方被検体検出器77が、架台本体11の前方(前面)側において、非チルト時の回転軸R3の略延長線上の位置に、支柱79を介して設けられる。なお、前方被検体検出器77は、検査室の壁面において、非チルト時の回転軸R3の略延長線上の位置に設けられてもよい。また、後方被検体検出器73及び前方被検体検出器77の設置位置は、非チルト時の回転軸R3の延長線上の位置に限定されない。
後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、非チルト時の回転軸R3に平行なZ方向から被検体Sを検出可能な機器である。後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、被検体Sの端部を検出してもよいし、被検体Sの全身の輪郭を検出してもよい。後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、例えば、カメラ(ムービーカメラ(movie camera)、ビデオカメラ(video camera)等)である。なお、後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、自身と被検体Sとの間の距離を決定するための各種距離センサを有していてもよいし、被検体Sの位置を検出するモーションキャプチャ(モーションセンサ)に関する各種回路および光学系により構成されてもよい。
後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、被検体Sの検出の有無、開口部15に対する被検体Sの相対的な位置関係等を、コンソール50に出力する。後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、被検体Sを撮影した後方画像および前方画像をそれぞれコンソール50に出力する。このとき、後方画像および前方画像における被検体Sの位置と架台本体11との相対的な位置関係が特定される。
図13に示すように、後方被検体検出器73と前方被検体検出器77とは、被検体Sの位置を検出可能な検出範囲D1と検出範囲D2とをそれぞれ有する。なお、後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、自身と被検体Sとの間の距離の基準となる基準位置または基準スケールを撮影可能な検出範囲D1と検出範囲D2とをそれぞれ有していてもよい。基準位置または基準スケールとは、例えば、架台本体11と天板70との相対的な移動時において、不動となる物体である。後方被検体検出器73および前方被検体検出器77は、基準スケールの検出により、被検体Sとの距離を計測してもよい。
(架台制御機能)
本実施形態における架台制御機能は、第1の実施形態および変形例において、上方被検体検出器16を後方被検体検出器73に、下方被検体検出器45を前方被検体検出器77に、上方画像を後方画像に、下方画像を前方画像に読み替えることにより理解できるため、説明は省略する。すなわち、本実施形態における架台制御機構は、図1、図7におけるX線コンピュータ断層撮影装置1、2を横置きにして説明したものと同様である。
なお、本実施形態においては、架台本体11の移動の代わりに、天板70の移動がシステム制御回路57等により制御されてもよい。このとき、制御対象は、第1の実施形態および変形例における架台本体11の移動制御の代わりに、天板70の移動制御となる。なお、主記憶回路55は、第1制御モードおよび第2制御モードにおける架台本体11の移動制御を、天板70の移動制御に置換した制御モードを記憶してもよい。天板70の移動の制御については、架台本体11の移動制御を、天板70の移動制御に単に置換した説明に相当するため、説明は省略する。
以上に述べた構成によれば、上述した他の実施形態および変形例に記載の効果に加えて、以下のような効果を奏する。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置3によれば、架台本体11との干渉を避けるために非スキャン対象領域が干渉ラインを出ているか否かを判定し、非スキャン対象領域が干渉ラインを出ている場合、天板70の移動を停止し、干渉ライン内に非スキャン対象領域が戻った場合は、天板70の移動を再開することができる。以上のことから、本実施形態によれば、臥位状態の被検体Sと架台本体11とを干渉させることなく、かつ被検体Sに対する不要被曝を低減可能なX線コンピュータ断層撮影装置3を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。