JP6883500B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流通式管型反応器を使用した重合体の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、流通管型反応器を使用してカチオン重合により製造される重合体の製造方法に関する。
カチオン重合により重合体を製造する方法の一つとして、流通式管型反応器(フローリアクター)を使用する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような流通式管型反応器を使用すると、高い除熱効率、高速混合性能、高い滞留時間制御性が得られるために、効率的に目的の重合体を生産することが可能であり、当該方法は一般的に制御が難しいリビングカチオン重合にも適用可能とされている。
特開2016−135825号公報
しかしながら、本発明者らがさらに検討を重ねた結果、上述の流通式管型反応器を使用した重合体の製造方法によると、長時間運転を続けた場合に管が狭窄して反応液の送液が困難又は不可能となってしまう不具合が生じることが判明した。このように、流通式管型反応器を使用した上記方法には依然改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、流通式管型反応器を用いたカチオン重合(特にリビングカチオン重合)で起こる問題(長時間運転時の管の閉塞等)を予防し、生産性に優れた重合体の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、例えば以下の発明を提供する。
(1)重合工程[1]と、洗浄工程と、重合工程[2]とをこの順で含み、
前記重合工程[1]及び[2]が、それぞれ、モノマーと、重合開始剤と、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種と、ルイス酸触媒と、電子供与剤とを含む反応液において、流通式管型反応器内で連続的に前記モノマーをカチオン重合させ、重合体溶液を得る工程であり、
前記洗浄工程が、前記流通式管型反応器内に、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップA、水を送液するステップB、水と前記溶剤に相溶する化合物又はその溶液を送液するステップC、並びにハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップD、をこの順で含む工程である、重合体の製造方法。
(2)前記重合工程[1]及び[2]においてそれぞれ、流通式管型反応器出口で得られる重合体溶液の重合体濃度が10〜70重量%である、(1)に記載の重合体の製造方法。
(3)ステップAにおける前記溶剤の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の重合体濃度が5重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の2倍量以上である、(1)又は(2)に記載の重合体の製造方法。
(4)ステップBにおける水の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の固形分濃度が5重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の2倍量以上である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
(5)ステップCにおける前記化合物又はその溶液の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の含水率が20重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の1倍量以上である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
(6)前記化合物がアミン類である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
(7)前記化合物が、前記重合工程[2]において使用される電子供与剤である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
(8)ステップDにおける前記溶剤の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の含水率が1重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の1倍量以上である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
本発明によると、流通式管型反応器を用いたカチオン重合(特にリビングカチオン重合)で起こる問題(長時間運転時の管の閉塞等)が予防され、優れた生産性で重合体を製造できる。
本発明の実施例で使用した製造装置の概略図である。 本発明の実施例で使用した製造装置の概略図である。
<重合体の製造方法>
本発明の重合体の製造方法は、下記の重合工程[1]と洗浄工程と重合工程[2]とを必須の工程としてこの順で少なくとも含む方法である。
・重合工程[1]及び[2]:モノマーと、重合開始剤と、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種と、ルイス酸触媒と、電子供与剤とを含む反応液において、流通式管型反応器内で連続的にモノマーをカチオン重合させ、重合体溶液を得る工程
・洗浄工程:流通式管型反応器内に、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップA、水を送液するステップB、水と前記溶剤に相溶する化合物またはその溶液を送液するステップC、並びにハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップD、をこの順で含む工程
本願において「水と前記溶剤(ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤)に相溶する化合物」とは、下記(1)〜(3)を全て満足する化合物として定義される。当該化合物の具体例については、後述する。
(1)23℃において100gを100gの水と十分に混合した後、同温度で60分間静置した場合に目視で相分離が確認されない。
(2)23℃において100gを100gの前記溶剤と十分に混合した後、そのまま同温度で60分間静置した場合にも目視で相分離が確認されない。
(3)23℃において16gを21gの水と63gの重合溶剤と十分に混合した後、そのまま同温度で60分間静置した場合にも目視で相分離が確認されない。
本発明の重合体の製造方法は、重合工程として上述の重合工程[1]及び[2]のみを含むものであってもよいし、重合工程[1]及び[2]以外の重合工程(その他の重合工程)を含むものであってもよい。その他の重合工程としては、重合工程[1]や[2]と同様の工程が挙げられる。各重合工程は同じ方法で実施するものであってもよいし、異なる方法で実施するものであってもよい。また、本発明の重合体の製造方法は、1のみの洗浄工程を含むものであってもよいし、2以上の洗浄工程を含むものであってもよい。各洗浄工程は同じ方法で実施するものであってもよいし、異なる方法で実施するものであってもよい。洗浄工程は、重合工程の間に設けることが好ましい。
本発明の重合体の製造方法において、重合工程(例えば、重合工程[1]又は重合工程[2])と洗浄工程(例えば、上記洗浄工程)は連続的に実施することもできるし、非連続的に実施することもできる。また、本発明の重合体の製造方法は、重合工程と洗浄工程以外の工程(例えば、特開2016−135825号公報に開示されるような重合体に官能基を導入する工程等)を含んでいてもよい。
[重合工程]
本発明の重合体の製造方法における重合工程(重合工程[1]、重合工程[2])は、上述のように、モノマーと、重合開始剤と、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種(「重合溶剤」と称する場合がある)と、ルイス酸触媒と、電子供与剤とを含む反応液において、流通式管型反応器内で連続的に前記モノマーをカチオン重合させ、重合体溶液を得る工程である。
上記重合工程における重合反応は、カチオン重合であるが、特にリビングカチオン重合であることが好ましい。リビングカチオン重合は、J.P.Kennedyらの著書(Carbocationic Polymerization, John Wiley & Sons, 1986)やK.Matyjaszewskiらの著書(Cationic Polymerizations, Marcel Dekker, 1996)に記載の方法を参照して実施できる。
上記重合工程におけるカチオン重合は、流通式管型反応器内で連続的に実施される。流通式管型反応器を備えた製造装置としては、公知乃至慣用の連続製造装置(例えば、フローリアクター等)を使用することができ、特に限定されないが、例えば、特開2016−135825号公報に記載の連続製造装置を用いることができる。流通式管型反応器の断面積の形状、流路長さ、流路形状、材質等は特に限定されず、適宜選択可能である。材質としては、耐熱性、耐圧性、耐溶剤性、及び加工容易性などの要求に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、チタン、銅、ニッケル、アルミニウム、シリコン、及びテフロン(登録商標)、PFA(パーフロロアルコキシ樹脂)などのフッ素樹脂、TFAA(トリフルオロアセトアミド)等が挙げられる。図1、2には、本発明の重合体の製造方法を実施するために使用できる製造装置の一例(概略図)を示す。
上記重合工程は後述のように低温で進行させる必要がある場合がある。この場合、上記連続製造装置は、流通式管型反応器を除熱するための構造(除熱構造)を有することが好ましい。当該除熱構造としては、特に限定されず、流通式管型反応器が直接冷却バスに浸漬される構造、流通式管型反応器にジャケット構造を設け、当該ジャケット中に冷媒を通して熱交換する構造等が挙げられる。
流通式管型反応器の径方向の断面積は、特に限定されないが、1〜400mm2が好ましい。上記断面積が1mm2未満であると、重合体(例えば、後述のイソブチレン系重合体等)を含む反応液は粘度が高いため、送液できるポンプが特殊である等の制約や、発生した固形分により流路が閉塞するなどの問題が生じる傾向がある。一方、上記断面積が400mm2を超えると、反応器の体積あたりの伝熱面積が小さくなり除熱性能が低下する傾向がある。なお、反応器の径方向の断面積は、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。後者の場合は、少なくとも最も狭い断面積が1〜400mm2であることが好ましく、管型反応器の全長に亘ってその径方向の断面積が1〜400mm2であることがより好ましい。
上記重合工程におけるモノマーとしては、重合開始剤とルイス酸触媒を用いたカチオン重合により重合体が得られるモノマーであればよく、特に限定されないが、例えば、炭素数3〜12のオレフィン類(例えば、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、5−エチリデンノルボルネン、ビニルシクロヘキサン等)、共役ジエン類(例えば、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン等)、ビニルエーテル類(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等)、芳香族ビニル化合物類(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン類等)、β−ピネン類、インデン類等が挙げられる。中でも、イソブチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデン、イソプレン、シクロペンタジエン等が好ましく、より好ましくはイソブチレン、スチレン類であり、特にイソブチレンを必須モノマーとして使用すること(即ち、本重合工程で得られる重合体はイソブチレン系重合体であること)が好ましい。イソブチレン系重合体としては、イソブチレン、イソブチレン共重合体が挙げられる。イソブチレン共重合体としては、例えば、主としてイソブチレン単位を含むブロックと、主として芳香族ビニル化合物類単位を含むブロックとを有する重合体(例えば、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)等があげられる。
上記重合工程における重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2016−135825号公報の[0036]及び[0037]に開示された重合開始剤を使用することができる。中でも、(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
上記重合工程におけるルイス酸触媒としては、カチオン重合(特にリビングカチオン重合)に使用可能なルイス酸触媒を使用でき、特に限定されないが、例えば、TiCl4、AlCl3、BCl3、ZnCl2、SnCl4、エチルアルミニウムクロライド、SnBr4等が挙げられる。
ルイス酸触媒の使用量は、特に限定されないが、反応液中での濃度が20〜250mol/m3となるような量が好ましく、より好ましくは80〜160mol/m3となるような量である。ルイス酸触媒の量が少なすぎると、重合反応速度が著しく抑制され、カチオン重合反応に長時間を要することとなり生産性が低下する傾向がある。一方、ルイス酸触媒が多すぎると副反応が多くなる傾向があり、プロトン開始反応や連鎖移動反応が起こることによって、重合体の分散度が大きくなる傾向がある。また、高触媒濃度での重合は工業生産においては原料コストを上昇させる点で不利となる傾向がある。
上記重合工程における電子供与剤としては、特に限定されないが、アミン類(ピリジン類を含む)、アミド類、スルホキシド類、エステル類、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等が挙げられる。中でも、重合体の分子量分布を狭める観点から、アミン類が好ましく、ピリジン、2−メチルピリジン(ピコリンまたはα−ピコリンと略記)、2,6−ジメチルピリジンが特に好ましい。
電子供与剤の使用量は、特に限定されないが、流通式管型反応器内の重合反応を進行させる部分において、重合開始剤に対してモル比で0.2〜10倍量存在させるような量で使用することが好ましい。電子供与剤の使用量が少なすぎると副反応が多くなる傾向がある。副反応であるプロトン開始反応や連鎖移動反応が起こることによって、得られる重合度の分散度が大きくなる傾向がある。逆に電子供与剤が多すぎると重合反応速度が著しく抑制され、カチオン重合反応に長時間を要することとなり生産性が低下する傾向がある。
上記重合工程における重合溶剤は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種である。重合溶剤は、単独の溶剤であってもよいし、混合溶剤であってもよい。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、例えば、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
中でも、ハロゲン化炭化水素と脂肪族炭化水素の混合溶媒、ハロゲン化炭化水素と芳香族炭化水素の混合溶媒が好ましく、より好ましくは炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と、脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素を組み合わせた混合溶媒であり、さらに好ましくはn−ブチルクロライドとn−ヘキサンの混合溶媒である。
重合溶剤の使用量は、特に限定されないが、流通式管型反応器出口で得られる反応液(重合体溶液)における重合体濃度が10〜70重量%となる量であることが好ましく、より好ましくは15〜50重量%である。濃度が10重量%未満となる使用量であると、重合体の生産性が低下する傾向がある。一方、濃度が70重量%を越える使用量であると、特殊な送液ポンプを使用する必要がある等の制約が生じたり、反応液の粘度が高くなり過ぎて送液に支障が生じる可能性がある。
上記重合工程においてカチオン重合を実施する温度(重合温度)は、特に限定されないが、−55〜−30℃が好ましい。重合温度が−55℃未満であると、反応液の粘度が高くなり過ぎたり、より大型の除熱設備が必要となってランニングコストが高くなり過ぎる傾向がある。一方、重合温度が−30℃を超えると、副反応の制御が困難となる傾向がある。
上記重合工程は、単独重合体を製造する工程であってもよいし、共重合体を製造する工程であってもよい。共重合体を製造する工程である場合、当該共重合体はランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。ブロック共重合体を得る場合には、例えば、特開2016−135825号公報に記載されているように、異なるモノマーを段階的に供給して重合する方法等を利用することができる。
上記重合工程で得られる反応液の処理方法は特に限定されないが、例えば、反応液を水やアルコール類と接触させることによって触媒を失活させた後、分液し、有機相を水等で洗浄し、重合溶剤を留去することによって、重合体を得ることが可能である。
上記重合工程で得られる重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、工業的に有益な重合体を得る観点では、5000〜500000が好ましく、より好ましくは10000〜300000である。なお、上記数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィにより測定される標準ポリスチレン換算の分子量から算出できる。
[洗浄工程]
本発明の重合体の製造方法における洗浄工程は、下記のステップA、ステップB、ステップC及びステップDをこの順で含む工程である。ステップA〜Dは、当該洗浄工程に含まれる小工程である。当該洗浄工程は、他のステップ(例えば、流通式管型反応器内に不活性ガスを流通させるステップ、流通式管型反応器の出口を閉とし、流通式管型反応器内に不活性ガスもしくは洗浄液を満たすステップ等)を含んでいてもよい。
・ステップA:流通式管型反応器内に、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップ
・ステップB:流通式管型反応器内に、水を送液するステップ
・ステップC:流通式管型反応器内に、水と上記溶剤(ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種)に相溶する化合物又はその溶液を送液するステップ
・ステップD:流通式管型反応器内に、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップ
(ステップA)
上記ステップAにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種である。ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素としては、例えば、重合工程で使用し得るものとして例示したものと同様のものが挙げられる。ステップAにおいて送液する溶剤は、重合工程で使用する重合溶剤と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ステップAにおいて送液する溶剤は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種のみからなるものであってもよいし、他の溶剤を少量(例えば、0〜1重量%)含むものであってもよい。他の溶剤としてはアルコール類、アミン類等が挙げられる。しかし、他の溶剤を送液することによる管の閉塞の懸念、異物混入防止の観点から重合溶剤と同一の溶剤であることが好ましい。
上記ステップAにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の量は、特に限定されないが、例えば、流通式管型反応器出口における重合体濃度(反応器の出口から排出される洗浄液(排液)における重合体の濃度)やpH値(pH測定は、洗浄液と等重量の純水を混合撹拌し、水層のpHを測定することで実施)、反応管容積(流通式管型反応器容積)を基準とすることができる。反応管容積とは、モノマーとルイス酸触媒が混合する部分から反応器出口までの容積であり、図1に示す製造装置であれば5と6の合計容積、図2に示す製造装置であれば5と6と8と9の合計容積に相当する。ステップAで流通式管型反応器に送液する溶剤の量は、例えば、反応器出口の重合体濃度を基準とする場合には、溶剤の送液量を、反応器出口における洗浄液の重合体濃度が5重量%以下となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは重合体濃度が1重量%以下となるまでの量以上、さらに好ましくは重合体濃度が0.5重量%以下となるまでの量以上である。一方、反応器出口におけるpH値を基準とする場合には、溶剤の送液量を、反応器出口における洗浄液のpH値が3.0以上となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは4.0以上となるまでの量以上、さらに好ましくは4.5以上となるまでの量以上である。また、反応管容積(流通式管型反応器の容積)を基準とする場合には、溶剤の送液量を、反応管体積の2倍量以上とすることが好ましく、より好ましくは3倍量以上、さらに好ましくは10倍量以上、さらに好ましくは40倍量以上である。上限は特に限定されないが、経済性の観点から、100倍量以下とすることが好ましい。溶剤の量を重合体濃度が5重量%以下となるまでの量以上又はpH値が3.0以上となるまでの量以上又は反応管体積の3倍量以上とすることにより、より効率的な洗浄が可能となり、後の重合工程における反応管の閉塞等の不具合がより抑制される傾向がある。
上記ステップAにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の流速は、特に限定されないが、流通式管型反応器の径方向の断面積の最も小さい部分における流速が1〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは5〜50m/分である。上記流速を1m/分以上とすることにより、洗浄効率がより向上し、後の重合工程における反応管の閉塞等の不具合がより抑制される傾向がある。
上記ステップAにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の温度は、特に限定されないが、−70〜30℃が好ましく、より好ましくは0〜30℃である。溶剤の温度を−70℃以上とすることにより、重合体が溶剤に溶解しやすくなり、より効率的な洗浄が可能となる傾向がある。一方、溶剤の温度を30℃以下とすることにより、加熱のためのエネルギーが削減され、経済的により有利となる傾向がある。なお、ステップAにおける溶剤の温度は、一定とすることもできるし、段階的又は連続的に変動させてもよい。
なお、ステップAにおける溶剤の送液は、連続的に実施するものであってもよいし、非連続的に実施する(例えば、送液を途中で中断する等)ものであってもよい。
(ステップB)
上記ステップBにおいては、流通式管型反応器に水を送液する。当該水は、水のみで構成されるものであってもよいし、水と他の成分の混合物(ステップBの説明において、水及び水と他の成分との混合物を「水」と総称する場合がある)であってもよい。当該他の成分としては、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される溶剤、ピリジン類等が挙げられる。水と他の成分の混合物を用いる場合、当該混合物における水の割合は、50重量%以上(100重量%未満)が好ましく、より好ましくは90重量%以上である。水は、純水、蒸留水、工業用水等いずれであってもよい。
上記ステップBにおいて流通式管型反応器に送液する水の量は、特に限定されないが、例えば、反応器出口における固形分濃度(反応器の出口から排出される洗浄液(排水)における固形分の濃度)やpH値、反応管容積を基準とすることができる。例えば、反応器出口における固形分濃度を基準とする場合には、水の送液量を、反応器出口における洗浄液の固形分濃度が5重量%以下となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは固形分濃度が1重量%以下となるまでの量以上、さらに好ましくは固形分濃度が0.05重量%以下となるまでの量以上である。一方、反応器出口におけるpH値を基準とする場合には、水の送液量を、反応器出口における洗浄液のpH値が3.0以上となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは4.0以上となるまでの量以上、さらに好ましくは5.0以上となるまでの量以上である。また、反応器容積を基準とする場合には、水の送液量を、反応管容積の2倍量以上とすることが好ましく、より好ましくは3倍量以上、さらに好ましくは5倍量以上、さらに好ましくは10倍量以上である。上限は特に限定されないが、経済性の観点から、500倍量以下とすることが好ましい。溶剤の量を固形分濃度が5重量%以下となるまでの量以上又はpH値が3.0以上となるまでの量以上又は反応管体積の3倍量以上とすることにより、より効率的な洗浄が可能となり、後の重合工程における反応管の閉塞等の不具合がより抑制される傾向がある。
上記ステップBにおいて流通式管型反応器に送液する水の流速は、特に限定されないが、流通式管型反応器の径方向の断面積の最も小さい部分における流速が1〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは10〜50m/分である。水の流速を1m/分以上とすることにより、洗浄効率がより向上し、後の重合工程における反応管の閉塞等の不具合がより抑制される傾向がある。
上記ステップBにおいて流通式管型反応器に送液する水の温度は、特に限定されないが、0〜60℃が好ましく、より好ましくは10〜30℃である。水の温度を0℃以上とすることにより、洗浄液の凍結が防止され、より効率的な洗浄が可能となる傾向がある。一方、水の温度を30℃以下とすることにより、ヒーター稼動コストが低減され、より経済的となる傾向がある。なお、ステップBにおける水の温度は、一定とすることもできるし、段階的又は連続的に変動させてもよい。
なお、ステップBにおける水の送液は、連続的に実施するものであってもよいし、非連続的に実施する(例えば、送液を途中で中断する等)ものであってもよい。
(ステップC)
上記ステップCにおいて流通式管型反応器に送液するのは、水と特定の溶剤(ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種)に相溶する化合物又はその溶液である。水と上記溶剤に相溶する化合物は上記のように定義され、例えば、アルコール類、アミン類、ケトン類、アミド類、スルホキシド類等が挙げられる。当該化合物の具体例としては、例えば、酢酸、アセトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、2,6−ジメチルピリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、トリメチルアミン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。中でも、上記化合物としては、アミン類が好ましく、特にその後の重合工程(重合工程[2])における異物混入を抑制する観点から、その後の重合工程(重合工程[2])において使用される電子供与剤と同じものを使用することが好ましい。
ステップCにおいて上記化合物の溶液を使用する場合、その溶剤としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール等が挙げられる。洗浄効率の観点で、当該溶剤は水の含有量が少ないことが好ましく、その含有量は10重量%未満であることが好ましい。
上記ステップCにおいて流通式管型反応器に送液する上記化合物又はその溶液の量は、特に限定されないが、例えば、反応器出口における含水率(反応器の出口から排出される洗浄液(排液)における含水率)や反応管体積を基準とすることができる。例えば、前者を基準とする場合には、上記化合物又はその溶液の送液量を、反応器出口における洗浄液の含水率が20重量%以下となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは含水率が10重量%以下となるまでの量以上、さらに好ましくは含水率が5重量%以下となるまでの量以上である。一方、後者を基準とする場合には、上記化合物又はその溶液の送液量を、反応管体積の1倍量以上とすることが好ましく、より好ましくは1.5倍量以上、さらに好ましくは2倍量以上である。上限は特に限定されないが、経済性の観点から、10倍量以下とすることが好ましい。上記送液量を含水率が20重量%以下となるまでの量以上又は反応管体積の1倍量以上とすることにより、その後のステップDにおいて十分に水を低減することができ(例えば、ステップD終点における洗浄液の含水率を1質量%以下とできる)、より効率的な洗浄が可能となる傾向がある。
上記ステップCにおいて流通式管型反応器に送液する上記化合物又はその溶液の流速は、特に限定されないが、流通式管型反応器の径方向の断面積の最も小さい部分における流速が1〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜10m/分である。上記流速を1m/分以上とすることにより、洗浄効率が上昇する傾向がある。
上記ステップCにおいて流通式管型反応器に送液する上記化合物又はその溶液の温度は、特に限定されないが、0〜60℃が好ましく、より好ましくは0〜30℃である。上記化合物又はその溶液の温度を0℃以上とすることにより、ステップBで管内に残存した水分の凍結が防止され、より効率的な洗浄が可能となる傾向がある。一方、上記化合物又はその溶液の温度を60℃以下とすることにより、ヒーターのコストが低減され、より経済的となる傾向がある。なお、ステップCにおける上記化合物又はその溶液の温度は、一定とすることもできるし、段階的又は連続的に変動させてもよい。
なお、ステップCにおける上記化合物又はその溶液の送液は、連続的に実施するものであってもよいし、非連続的に実施する(例えば、送液を途中で中断する等)ものであってもよい。
(ステップD)
上記ステップDにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種である。ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素としては、例えば、重合工程で使用し得るものとして例示したものと同様のものが挙げられる。
ステップDにおいて送液する溶剤は、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種のみからなるものであってもよいし、他の溶剤を少量(例えば、0〜1重量%)含むものであってもよい。
異物混入防止の観点から、ステップDで使用(送液)する溶剤は、その後の重合溶剤と同一の溶剤であることが好ましい。なお、ステップDにおいてその後の重合工程で使用する重合溶剤とは異なる溶剤を使用する場合には、当該ステップDの最後に、その後に使用する重合溶剤を送液することが好ましい。この場合、反応器出口における洗浄液中の重合溶剤濃度が90質量%以上となるまで重合溶剤を送液することが好ましい。
上記ステップDにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の量は、特に限定されないが、例えば、反応器出口における含水率(反応器の出口から排出される洗浄液(排液)における含水率)や反応管体積を基準とすることができる。例えば、前者を基準とする場合には、溶剤の送液量を、反応器出口における洗浄液の含水率が1重量%以下となるまでの量以上とすることが好ましく、より好ましくは含水率が0.03重量%以下となるまでの量以上、さらに好ましくは含水率が100重量ppm以下となるまでの量以上である。一方、後者を基準とする場合には、溶剤の送液量を、反応管容積の1倍量以上とすることが好ましく、より好ましくは2倍量以上、さらに好ましくは5倍量以上である。上限は特に限定されないが、経済性の観点から、10倍量以下とすることが好ましい。溶剤の量を含水率が1重量%以下となる量以上又は反応管容積の1倍量以上とすることにより、より効率的な洗浄が可能となり、その後の重合工程における管の閉塞等の不具合がいっそう抑制される傾向がある。
上記ステップDにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の流速は、特に限定されないが、流通式管型反応器の径方向の断面積の最も小さい部分における流速が1〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜5m/分である。溶剤の流速を1m/分以下とすることにより、洗浄効率がより向上する傾向がある。
上記ステップDにおいて流通式管型反応器に送液する溶剤の温度は、特に限定されないが、−55〜30℃が好ましく、より好ましくは0〜30℃である。溶剤の温度を−55℃以上とすることにより、冷却機コストが低減され、より経済的となる傾向がある。一方、溶剤の温度を30℃以下とすることにより、ヒーターのコストが低減され、より経済的となる傾向がある。なお、ステップDにおける溶剤の温度は、一定とすることもできるし、段階的又は連続的に変動させてもよい。
なお、ステップDにおける溶剤の送液は、連続的に実施するものであってもよいし、非連続的に実施する(例えば、送液を途中で中断する等)ものであってもよい。
本発明の重合体の製造方法においては、重合工程(重合工程[1])の後に、上述の洗浄工程を実施した後、さらに重合工程(重合工程[2])を実施する。本発明の重合体の製造方法は、重合工程と、洗浄工程と、重合工程とをこの順で含むことにより、2回目以降の重合工程における問題(例えば、流通式管型反応器を用いたリビングカチオン重合で頻発し得る、長時間運転時の管の閉塞等)が予防され、優れた生産性で重合体を製造することが可能となる。
以下の実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は当該実施例により限定されるものではない。
(分子量の測定方法)
重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量(Mp)及び分子量分布(Mw/Mn)を、Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)を用いて測定される標準ポリスチレン換算の分子量から算出した。
(水分量の測定方法)
水分量は、平沼産業製カールフィッシャー水分計を用いて測定した。
実施例では下記の物質を使用した。
・モノマー:イソブチレン、スチレン
・重合開始剤:p−DCC(1,4−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン)
・重合溶剤:n−ブチルクロライドとn−ヘキサンを体積比9:1で混合したもの
・ルイス酸触媒:TiCl4
・電子供与剤:2−メチルピリジン
(実施例1)
1.重合工程
まず、以下の手順で重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[1]に相当する。
使用した流通式管型反応器を含む製造装置の概略図を図1に示す。本装置は、耐圧タンク1〜3、送液ポンプ4、T字ミキサー(混合部)5、及び管型反応器6より構成される。耐圧タンク1、2としては容積3Lの耐圧タンクを使用し、耐圧タンク3としては容積1Lの耐圧タンクを使用した。T字ミキサー5としては内径2.3mmのものを用い、管型反応器6としては内径3mm、管長10mの単管を用いた。
まず、図1に示す製造装置の内部を窒素置換した後、耐圧タンク1には上述の重合溶剤を1900mL、p−DCCをn−ブチルクロライドで15重量%に希釈した溶液(重合開始剤溶液)を13g、2−メチルピリジン0.90g、及び、重合性単量体としてのイソブチレンを567mL投入した。耐圧タンク2には、上述の重合溶剤を350mL、及びルイス酸触媒としてのTiCl4を38mL投入した。なお、管型反応器6は、−50℃の冷却浴に浸すことで内部の冷却を行った。
次に、管型反応器6に対して耐圧タンク1及び2の内容物を供給することにより、重合を開始させた。上記内容物の供給は、管型反応器6における流量が35mL/分、TiCl4濃度が121mmol/Lとなるように設定した。順次、管型反応器6の出口より採取した重合体溶液を水洗してルイス酸触媒を失活及び除去した後、重合溶剤を除去することにより、重合体を得た。重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6の内容物を払い出し、その内部を以下のステップA1、ステップB1、ステップC1、ステップD1の順で洗浄した。
・ステップA1:耐圧タンク3に、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入し、上記混合溶媒を管型反応器6内における流速が21m/分となるように、20℃で送液した。耐圧タンク3内が空になったら再度上記混合溶媒を1000mL投入して、同様に洗浄を再開した。最終的に、上記混合溶媒を管型反応器6の容積に対して44倍量となるまで送液した。
・ステップB1:ステップA1で耐圧タンク3内に残存した混合溶媒は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に水を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して、管型反応器6の容積の10倍量の水を流速14m/分、20℃の条件で送液した。
・ステップC1:ステップB1で耐圧タンク3内に残存した水は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に2−メチルピリジンを1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して、管型反応器6の容積の9倍量の2−メチルピリジンを流速3m/分、20℃の条件で送液した。
・ステップD1:ステップC1で耐圧タンク3内に残存した2−メチルピリジンは全て払い出し、その後、耐圧タンク3にn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して、管型反応器6の容積の6倍量の上記混合溶媒を流速1m/分で20℃で送液した。
なお、ステップA1を終了した時点での管型反応器6出口で得られた洗浄液のpHは5.7、該液の重合体濃度は0.01重量%以下であった。また、ステップB1を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液のpHは5.2、該液の重合体濃度は0.01重量%以下であった。ステップC1を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液の含水率は176ppmであった。ステップD1を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液の含水率は23ppmであった。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[2]に相当する。重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
実施例1の方法によると、1回目と2回目の重合工程において経時で管が狭窄したり閉塞するなどの不具合が生じることなく、また、表1に示すように、両重合工程において安定的に同様のポリマーを得ることができた。
(実施例2)
1.重合工程
まず、以下の手順で重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[1]に相当する。
使用した流通式管型反応器を含む製造装置の概略図を図2に示す。本装置は、耐圧タンク1〜3及び7、送液ポンプ4、T字ミキサー(混合部)5及び8、並びに、管型反応器6及び9から構成される。耐圧タンク1、2としては容積3Lの耐圧タンクを、耐圧タンク3、7としては容積1Lの耐圧タンクを使用した。T字ミキサー5としては内径2.3mmのものを、T字ミキサー8としては内径4.8mmのものを使用した。管型反応器6としては、(1)内径3mm、管長10mの単管、(2)内径4.35mm、管長4mの単管、及び(3)内径7.35mm、管長4mの単管をこの順で接続した反応器を用いた。なお、(1)側を上流、(3)側を下流として使用した。管型反応器9としては内径7.35mm、管長4mの単管を使用した。
まず、図2に示す製造装置の内部を窒素置換した後、耐圧タンク1には上述の重合溶剤を1700mL、p−DCCをn−ブチルクロライドで15重量%に希釈した溶液(重合開始剤溶液)を13mL、2−メチルピリジン0.81g、及び、第一の重合性単量体としてのイソブチレンを560mL投入した。耐圧タンク2には、上述の重合溶剤を400mL、及びルイス酸触媒としてのTiCl4を38mL投入した。耐圧タンク7には、上述の重合溶剤を120mL、及び、第二の重合性単量体としてのスチレンを80mL投入した。なお、管型反応器6及び9は、−50℃の冷却浴に浸すことで内部の冷却を行った。
次に、管型反応器6及び9に対して耐圧タンク1〜3の内容物を供給することにより、重合を開始させた。耐圧タンク1及び2の内容物の供給は、管型反応器6における流量が40mL/分、TiCl4濃度が107mmol/Lとなるように設定し、また、耐圧タンク7の内容物の供給は、管型反応器9における流量が6mL/分、スチレンの量がイソブチレンに対してモル比で0.18となるように設定した。重合体溶液が管型反応器9の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6及び9の内容物を払い出し、その内部を以下のステップA2、ステップB2、ステップC2、ステップD2の順で洗浄した。
・ステップA2:耐圧タンク3に、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入し、上記混合溶媒を、管型反応器6と管型反応器9のうち最も断面積が小さい部分における流速が6m/分となるように、20℃で送液した。耐圧タンク3が空になったら再度耐圧タンク3に上記混合溶媒を1000mL投入して、同様に洗浄を再開した。最終的に、上記混合溶媒を管型反応器6と管型反応器9の合計容積に対して24倍量となるまで送液した。
・ステップB2:ステップA2で耐圧タンク3内に残存した混合溶媒は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に水を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6及び9に対して、管型反応器6及び9の合計容積に対して20倍量の水を、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が1m/分となるように、20℃で送液した。なお、耐圧タンク3が空になったら送液を中断し、再度耐圧タンク3に水を1000mL投入して送液を再開した。
・ステップC2:ステップB2で耐圧タンク3内に残存した水は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に2−メチルピリジンを1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6及び9に対して、管型反応器6及び9の合計容積の5倍量の2−メチルピリジンを、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が1m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップD2:ステップC2で耐圧タンク3内に残存した2−メチルピリジンは全て払い出し、その後、耐圧タンク3にn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6及び9に対して、管型反応器6及び9の合計容積の6倍量の上記混合溶媒を、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が3m/分となるように、20℃で送液した。
なお、ステップA2を終了した時点での管型反応器9出口で得られた洗浄液のpHは4.5、該液の重合体濃度は0.16%であった。また、ステップB2を終了した時点で管型反応器9出口で得られた洗浄液のpHは6.1、該液の重合体濃度は0.01%以下であった。ステップC2を終了した時点で管型反応器9出口で得られた洗浄液の含水率は823ppmであった。ステップD2を終了した時点で管型反応器9出口で得られた洗浄液の含水率は78ppmであった。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[2]に相当する。重合体溶液が管型反応器9の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
実施例2の方法によると、1回目と2回目の重合工程において経時で管が狭窄したり閉塞するなどの不具合が生じることなく、また、表1に示すように両重合工程において安定的に同様のポリマーを得ることができた。
(実施例3)
1.重合工程
まず、以下の手順で重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[1]に相当する。
使用した流通式管型反応器を含む製造装置の概略図を図1に示す。耐圧タンク1、2としては容積3Lの耐圧タンクを使用し、耐圧タンク3としては容積1Lの耐圧タンクを使用した。T字ミキサー5としては内径2.3mmのものを用い、管型反応器6としては内径3mm、管長10mの単管を用いた。
まず、図1に示す製造装置の内部を窒素置換した後、耐圧タンク1には上述の重合溶剤を1700mL、p−DCCをn−ブチルクロライドで15重量%に希釈した溶液(重合開始剤溶液)を25mL、2−メチルピリジン1.66g、及び、重合性単量体としてイソブチレンを1053mL投入した。耐圧タンク2には、上述の重合溶剤を265mL、及びルイス酸触媒としてのTiCl4を26mL投入した。なお、管型反応器6は、−50℃の冷却浴に浸すことで内部の冷却を行った。
次に、管型反応器6に対して耐圧タンク1及び2の内容物を供給することにより、重合を開始させた。上記内容物の供給は、管型反応器6における流量が40mL/分、TiCl4濃度が170mmol/Lとなるように設定した。いずれかの耐圧タンク内が空となった時点で運転を停止し、タンク内に残った溶液を払い出し、重合終了とした。以上の溶剤仕込から重合終了までを1バッチとして、その後、これを繰り返し、計13バッチの重合工程を実施した。1バッチ目の重合工程で重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
なお、1バッチ目では、T字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が0.1MPaであったが、13バッチ目ではT字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が0.6MPaであった。このように圧力が上昇したことから、管型反応器6内における固形分の発生やその管壁への堆積が示唆された。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6の内容物を払い出し、その内部を以下のステップA3、ステップB3、ステップC3、ステップD3の順で洗浄した。
・ステップA3:耐圧タンク3に、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入し、管型反応器6に対して流速が28m/分となるように、−30℃で送液した。なお、耐圧タンク3内が空になったら送液を中断し、再度耐圧タンク3に上記混合溶媒を1000mL投入して送液を再開した。最終的に、上記混合溶媒を管型反応器6の容積に対して30倍量となるまで送液した。
・ステップB3:ステップA3で耐圧タンク3内に残存した混合溶媒は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に水を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して水を流速21m/分で、20℃で送液した。耐圧タンク3が空になったら送液を中断し、再度耐圧タンク3に水を1000mL投入して、送液を再開した。最終的に、水を管型反応器の容積に対して5倍量となるまで送液した。
・ステップC3:ステップB3で耐圧タンク3内に残存した水は全て払い出し、その後、耐圧タンク3に2−メチルピリジンを1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して、管型反応器6の容積の2倍量の2−メチルピリジンを流速7m/分、20℃の条件で送液した。
・ステップD3:ステップC3で耐圧タンク3内に残存した2−メチルピリジンは全て払い出し、その後、耐圧タンク3にn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を1000mL投入した。次に、耐圧タンク3より管型反応器6に対して、管型反応器6の容積の10倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を流速1m/分、20℃の条件で送液した。
なお、ステップA3を終了した時点での管型反応器6出口で得られた洗浄液のpHは4.0、該液の重合体濃度は0.5重量%であった。また、ステップB3を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液のpHは4.0、該液の重合体濃度は0.5重量%であった。ステップC3を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液の含水率は5重量%であった。ステップD3を終了した時点で管型反応器6出口で得られた洗浄液の含水率は50ppmであった。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[2]に相当する。重合時のT字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が0.1MPaと1バッチ目の圧力損失と同等であったことから、管型反応器内6の狭窄の解消が示唆された。重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから10分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
実施例3の方法によると、1回目の重合工程において経時で管が狭窄、閉塞する傾向が確認されたが、洗浄工程を実施することで2回目の重合工程で上記傾向が解消され、不具合が生じることなく、1回目と同様のポリマーを得ることができた。
(実施例4)
1.重合工程
まず、以下の手順で重合工程を実施した。本行程は、上述の重合工程[1]に相当する。
使用した流通式管型反応器を含む製造装置の概略図を図1に示す。耐圧タンク1,2としては容積200Lの耐圧タンクを使用した。T字ミキサー5としてはスタティックミキサー(内径8mm、管長260mm、エレメント数21、ノリタケカンパニ社製(型式:T4−21))を用い、管型反応器6としては(1)内径6mm、管長30mの単管、(2)内径10mm、管長10mの単管、(3)内径16mm、管長10mの単管をこの順で接続した反応器を用いた。なお、(1)側を上流、(3)側を下流として使用した。
まず、図1に示す製造装置の内部を窒素置換した後、耐圧タンク1には上述の重合溶剤を112L、p−DCCをn−ブチルクロライドで15重量%に希釈した溶液(重合開始剤溶液)を0.9L、2−メチルピリジン54kg、及び、重合性単量体としてのイソブチレンを37.8L投入した。耐圧タンク2には、上述の重合溶剤を26.7L、及びルイス酸触媒としてのTiCl4を2.5L投入した。なお、管型反応器6は、−50℃の冷却浴に浸すことで内部の冷却を行った。
次に、管型反応器6に対して耐圧タンク1及び2の内容物を供給することにより、重合を開始させた。上記内容物の供給は、管型反応器6における流量が449mL/分、TiCl4濃度が135mmol/Lとなるように設定した。順次、管型反応器6の出口より採取した重合体溶液を水洗してルイス酸触媒を失活及び除去した後、重合溶剤を除去することにより、重合体を得た。重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから20分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6の内容物を払い出し、その内部を以下のステップA4、ステップB4、ステップC4、ステップD4の順で洗浄した。
・ステップA4:管型反応器6の容積に対して30倍量の、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、管型反応器6の最も断面積が小さい部分における流速が35m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップB4:管型反応器6の容積に対して10倍量の水を、管型反応器6の最も断面積が小さい部分における流速が18m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップC4:管型反応器6の容積に対して3倍量の2−メチルピリジンを、管型反応器6の最も断面積が小さい部分における流速が7m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップD4:管型反応器6の容積に対して10倍量の、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、管型反応器6の最も断面積が小さい部分における流速が4m/分となるように、20℃で送液した。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[2]に相当する。重合体溶液が管型反応器6の出口に最初に到達してから20分経過した時に採取した重合体溶液から得た重合体について、分子量を測定した。結果を表1に示す。
実施例4の方法によると、1回目と2回目の重合工程において、経時で管が狭窄したり閉塞するなどの不具合が生じることなく、また、表1に示すように、両重合工程において安定的に同様のポリマーを得ることができた。
(実施例5)
1.重合工程
使用した流通式管型反応器を含む製造装置の概略図を図2に示す。第一の重合性単量体の重合を行い、引き続き、T字ミキサー(混合部)8及び管型反応器9に第二の重合性単量体としてスチレンを第一の重合性単量体に対してモル比で0.18となるように供給したこと以外は、実施例4と同様にして実施した。なお、T字ミキサー8としてはスタティックミキサー(内径8mm、管長260mm、エレメント数21、ノリタケカンパニ社製(型式:T4−21))、管型反応器9として内径16mm、管長10mの単管を使用した。重合体の分子量測定結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6及び9の内部を以下のステップA5、ステップB5、ステップC5、ステップD5の順で洗浄した。
・ステップA5:管型反応器6及び9に対して、これら容積の30倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が35m/分となるように20℃で送液した。
・ステップB5:管型反応器6及び9に対して、これら容積の5倍量の水を、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が18m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップC5:管型反応器6及び9に対して、これら容積の2倍量の2−メチルピリジンを、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が7m/分となるように、20℃で送液した。
・ステップD5:管型反応器6及び9に対して、これら容積の5倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、管型反応器6及び9の最も断面積が小さい部分における流速が4m/分となるように、20℃で送液した。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を実施した。本工程は、上述の重合工程[2]に相当する得られた重合体の分子量を測定した。結果を表1に示す。
実施例5の方法によると、1回目と2回目の重合工程において、経時で管が狭窄、閉塞するなどの不具合が生じることなく、また、表1に示すように両重合工程において同様のポリマーを得ることができた。
(比較例1)
1.重合工程
実施例1と同様に重合工程を実施した。得られた重合体の分子量測定結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、管型反応器6に以下のステップB6を実施した。
・ステップB6:管型反応器6における流速が14m/分となるように、20℃の水の送液を試みたが、すぐに管が閉塞し、送液することができなかった。
3.重合工程
洗浄時に管が閉塞したため、重合を再開することができなかった。
(比較例2)
1.重合工程
実施例1と同様に重合工程を実施した。得られた重合体の分子量測定結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、使用した流通式管型反応器を以下のステップA7、ステップC7、ステップD7の順で洗浄した。
・ステップA7:管型反応器6に対して、その容積の44倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、流速21m/分で、20℃で送液した。
・ステップC7:管型反応器6に対して、その容積の9倍量の2−メチルピリジンを、流速3m/分で、20℃で送液した。
・ステップD7:管型反応器6に対して、その容積の6倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、流速1m/分で、20℃で送液した。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を開始した。重合開始から10分でT字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が増大し始め、重合開始から60分で管が閉塞し、送液困難となり運転を停止した。
(比較例3)
1.重合工程
実施例1と同様に重合工程を実施した。得られた重合体の分子量測定結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、使用した流通式管型反応器を以下のステップA8、ステップB8、ステップD8の順で洗浄した。
・ステップA8:管型反応器6に対して、その容積の44倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、流速21m/分で、20℃で送液した。
・ステップB8:管型反応器6に対して、その容積の10倍量の水を、流速14m/分で、20℃で送液した。
・ステップD8:管型反応器6に対して、その容積の6倍量のn−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、流速1m/分で、20℃で送液した。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を開始した。重合開始直後からT字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が増大し、重合開始から2分で管が閉塞し、送液困難となり運転を停止した。
(比較例4)
1.重合工程
実施例1と同様に重合工程を実施した。得られた重合体の分子量測定結果を表1に示す。
2.洗浄工程
上記重合工程を実施後、使用した流通式管型反応器を以下のステップA9、ステップB9、ステップC9の順で洗浄した。
・ステップA9:管型反応器6に対して、その容積の44倍量の、n−ブチルクロライドとn−ヘキサン体積比9:1の混合溶媒を、流速21m/分で、20℃で送液した。
・ステップB9:管型反応器6に対して、その容積の10倍量の水を、流速14m/分で、20℃で送液した。
・ステップC9:管型反応器6に対して、その容積の9倍量の2−メチルピリジンを、流速3m/分で、20℃で送液した。
3.重合工程
上記洗浄工程を実施後、「1.重合工程」と同様にして重合工程を開始した。重合開始直後からT字ミキサー5及び管型反応器6での圧力損失が増大し、重合開始から6分で管が閉塞し、送液困難となり運転を停止した。
Figure 0006883500
1 耐圧タンク(第一のモノマー用耐圧タンク)
2 耐圧タンク(触媒用耐圧タンク)
3 耐圧タンク(洗浄液用耐圧タンク)
4 送液ポンプ
5 第一の混合部
6 第一の反応部
7 耐圧タンク(第二のモノマー用耐圧タンク)
8 第二の混合部
9 第二の反応部

Claims (8)

  1. 重合工程[1]と、洗浄工程と、重合工程[2]とをこの順で含み、
    前記重合工程[1]及び[2]が、それぞれ、モノマーと、重合開始剤と、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種と、ルイス酸触媒と、電子供与剤とを含む反応液において、流通式管型反応器内で連続的に前記モノマーをカチオン重合させ、重合体溶液を得る工程であり、
    前記洗浄工程が、前記流通式管型反応器内に、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップA、水を送液するステップB、水と前記溶剤に相溶する化合物又はその溶液を送液するステップC、並びにハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選択される少なくとも一種の溶剤を送液するステップD、をこの順で含む工程である、重合体の製造方法。
  2. 前記重合工程[1]及び[2]においてそれぞれ、流通式管型反応器出口で得られる重合体溶液の重合体濃度が10〜70重量%である、請求項1に記載の重合体の製造方法。
  3. ステップAにおける前記溶剤の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の重合体濃度が5重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の2倍量以上である、請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
  4. ステップBにおける水の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の固形分濃度が5重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の2倍量以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  5. ステップCにおける前記化合物又はその溶液の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の含水率が20重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の1倍量以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  6. 前記化合物がアミン類である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  7. 前記化合物が、前記重合工程[2]において使用される電子供与剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  8. ステップDにおける前記溶剤の送液量が、流通式管型反応器出口における洗浄液の含水率が1重量%以下となるまでの量以上又は流通式管型反応器容積の1倍量以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
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