JP3992525B2 - イソブチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

イソブチレン系重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3992525B2
JP3992525B2 JP2002102626A JP2002102626A JP3992525B2 JP 3992525 B2 JP3992525 B2 JP 3992525B2 JP 2002102626 A JP2002102626 A JP 2002102626A JP 2002102626 A JP2002102626 A JP 2002102626A JP 3992525 B2 JP3992525 B2 JP 3992525B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isobutylene
reaction
polymerization
producing
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002102626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003292504A (ja
Inventor
宣 寺沢
健二 上島
正幸 青野
直樹 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2002102626A priority Critical patent/JP3992525B2/ja
Publication of JP2003292504A publication Critical patent/JP2003292504A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3992525B2 publication Critical patent/JP3992525B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソブチレン系重合体およびイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、重合時に反応速度を制御して急激な発熱を抑制する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イソブチレン系重合体は粘弾性、耐候性、気体透過遮断性などに優れた液状ゴムである。イソブチレン系重合体を架橋反応させればゴム状の硬化物となり、コーティング材、建築用シーリング材、電子材料用封止材などの用途に供される。
【0003】
またイソブチレン系重合体に、例えば芳香族ビニル化合物をブロック共重合させれば、常温でゴム状、加熱すると流動し加工成型が可能な熱可塑性エラストマーとなる。このイソブチレン系共重合体は、耐熱性、耐候性、制震性、ガスバリア性などの高機能性を有することができる。この特性を利用して、耐火発泡シート、制震材料、タイヤ改質剤などの用途に供される。
【0004】
これらイソブチレン系重合体は、分子量分布が狭いほど粘度が低下するため、作業性が向上する。架橋反応させるための官能基を導入する場合には、出来るだけ全ての重合体に設計通りの割合で官能基を導入させる必要がある。また、イソブチレン系重合体とイソブチレン以外のモノマーをブロック共重合させる際には、出来るだけ全ての重合体が共重合するように制御することが望ましい。これらの要件を満たすイソブチレン系重合体を効率よく得るには、リビング重合の技術が有効である。
【0005】
リビング重合とは、開始剤を起点とする重合反応が停止反応や連鎖移動反応などの副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合のことである。したがってリビング重合では、重合反応が同時に開始すれば分子量が均一な重合体を得ることかできる。さらに、重合体の末端は活性を保ち続けるので、特定の官能基を導入することや異種のモノマーを添加して共重合体を合成することができる。重合の対象となるモノマー種に応じてリビングカチオン重合(例えば特開平7−292038、特開平8−53514)や、リビングアニオン重合(例えば特開平5−247199)、あるいはリビングラジカル重合(例えば特開平10−306106)などがある。
【0006】
イソブチレンは代表的なカチオン重合性のモノマーであり、リビングカチオン重合の技術を用いたポリイソブチレンの製造が工業的規模で実施されている。リビングカチオン重合では、カチオン重合性のモノマー以外に重合開始剤、重合触媒が使用され、さらに重合反応を安定化させる目的で電子供与剤が添加される。
【0007】
リビングカチオン重合の成長末端は、常にカルボカチオンである必要はなく、重合反応中にカルボカチオンが対アニオンと結合して、非イオン的な状態になってもよい。リビングカチオン重合系では、イオン状態の末端(すなわちカルボカチオン)と非イオン状態の末端との平衡が保たれていることも多く、この場合、活性なカルボカチオン末端がモノマーと反応する。すなわちリビングカチオン重合には、厳密には擬リビング重合と分類されるものも含まれる。このようなリビングカチオン重合は極低温でおこなわれることが多く、触媒や添加剤についてもそれぞれの重合系に特有の工夫がなされている。イソブチレンのカチオン重合については、たとえば特開平7−292038(野田ら)では、重量基準平均分子量(Mw)と数基準平均分子量(Mn)の比である分散度(Mw/Mn)を評価した結果が1.09〜1.38であり、特開平8−53514(前田ら)では同じく分散度が1.07〜1.33であり、これらの系では分子量が均一な重合体が得られている。
【0008】
従来からのリビングカチオン重合反応においては、攪拌槽型反応器に反応原料を全量仕込んで重合を開始させる、すなわち回分方式での重合であった。しかしながら、従来からの回分重合方式では重合反応開始直後に急激な反応熱を生じ、反応器内部の温度は上昇する。比較的小型の反応器であるならば、除熱はジャッケト付反応器を用いれば容易であるが、工業的規模での生産を目指して反応器を大型化すると反応液あたりの伝熱面積が少なくなるため除熱は困難になる。カルボカチオンは温度が高いほど安定性が低いため、除熱が不十分で温度が上昇すると、連鎖移動反応や重合停止反応などの副反応が進行しやすくなる。これら副反応が生じると、重合体末端への官能基導入を試みても官能化率が不十分となったり、ブロック共重合体を合成しようとしても単一成分からなる重合体が混入するなど、目的とする製品が得られない問題がある。
【0009】
これらの理由のため重合反応開始直後には特に重点的に除熱を行う必要がある。反応熱除去の効率を高めるには、リフラックスコンデンサを設置したり、反応器内部に冷却コイルを取付けたり、大型冷凍機を用いて大量のブラインを循環させたりするなど大掛かりな設備が必要となる。また、重合反応速度を低下させたり、重合性モノマー濃度を低くするなどの方法を適用すれば急激な反応は抑制されるが、その一方で生産性が大幅に低下する。これらは回分式の操作に特有な問題である。
【0010】
回分重合方式の課題である急激な昇温を抑制する方式として、原料を連続的に反応器に供給し、反応液を連続的に排出させる、いわゆる連続重合方式がこれまでに提案されている。連続重合方式には流通式攪拌槽型反応器が1基もしくは複数基直列に連結されて用いられたり、あるいは流通管型反応器が用いられたりなどする(例えば米国特許第4568732号や特開平6−298843)。しかしながら、反応液の滞留時間分布の広がりに起因して、得られる重合体の分散度が大きくなるという問題が懸念される。たとえば液状重合体製品では、平均分子量が同じでも、分散度の値により粘度が異なってくる。同じ数平均分子量(Mn)で分散度(Mw/Mn)が異なるということは、結局、重量平均分子量(Mw)が異なるということである。重合体の粘度はMwの値によって決まるため分散度が大きくなるとMwが大きくなり、重合体の粘度が高くなって製品の取扱いが困難になる場合が多い。もうひとつの問題点は、連続重合方式は大規模かつ単一品種の生産向きであり、多品種の製造を行おうとすると、シャットダウンとスタートアップを高頻度で繰り返す必要があるので、品種切り替えの際には製品ロスが大量に生ずる。これらは、連続式の操作に特有な重要な問題である。
【0011】
これら回分式、連続式以外の有効な重合形式として、攪拌槽型反応器に重合に使う原料の一部は回分で供給し、その他の原料は連続もしくは分割して供給する、いわゆる半回文式の方法が挙げられる。特開平8−337615では、触媒を分割添加することにより分子量分布の狭いイソブチレン系重合体の製造方法を示している。しかしながら単純に触媒を分割して添加すると、一括に添加する場合と比べて相対的に開始反応が遅くなるために、分子量分布が広くなったり開始剤以外から開始点からの重合が優先して進行するなど反応が十分に制御されない問題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反応速度を制御して急激な発熱を抑制することにより、分散度が小さく、所望の分子構造を有するイソブチレン系重合体とその誘導体を効率良く製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、リビングカチオン重合法を用い、イソブチレン系重合体とその誘導体の分子構造を制御する方法を鋭意検討した。その結果、分子構造を決定する重要な因子は反応温度であり、反応温度を制御するためには、重合触媒と電子供与剤の添加方法を制御することが有効な方法であることを見出した。すなわち本発明は、イソブチレンモノマーと重合開始剤が含まれる溶液に、重合触媒と電子供与剤をそれぞれ分割して逐次添加するイソブチレン系重合体の製造方法であって、前記重合開始剤が、(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記重合触媒が、TiCl 4 であることを特徴とする。前記した分割は、重合触媒と電子供与剤をそれぞれ2〜5回の範囲で分割して逐次添加するのが好ましい。
【0014】
また前記電子供与剤としては、ピリジン、2−メチルピリジン、トリメチルアミン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、チタンテトライソプロポキサイドから選択される少なくとも1種の物質であるのが好ましい。
【0015】
一方、本発明の別な方法としては、上記で得られたイソブチレン系重合体を含む液に、イソブチレンとは別のカチオン重合性モノマーを添加してイソブチレン系重合体と反応させることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法であり、前記したイソブチレンとは別のカチオン重合性モノマーが、芳香族ビニル化合物であるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明を適用することができるリビングカチオン重合についてその詳細は、例えばJ.P.Kennedyらの著書(Carbocationic Polymerization, John Wiley & Sons, 1982)やK.Matyjaszewskiらの著書(Cationic Polymerizations, Marcel Dekker, 1996)に合成反応の記載がまとめられている。
【0017】
(重合性モノマー)
本発明のリビングカチオン重合に用いられるカチオン重合性モノマーとして、イソブチレン以外には、炭素数3〜12のオレフィン、共役ジエン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物などが挙げられる。具体例としては、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−2−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、5−エチリデンノルボルネン、ビニルシクロヘキサン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン等が挙げられる。これらの中で、イソブチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデン、β−ピネン、イソプレン、シクロペンタジエンなどが好適である。
【0018】
(重合開始剤)
リビングカチオン重合の開始反応を効率的に行う方法として、3級炭素に結合した塩素原子を有する化合物やα位に芳香環を有する塩素化合物などの化合物を重合開始剤として用いるイニファー法が開発されており(米国特許4276394号)、本発明にこの方法を適用することができる。イニファー法に用いる重合開始剤としてはその機能を発揮するものであれば良く、代表例として下記の構造を有するものを挙げることができる。
【0019】
(X−CRn
[式中、Xはハロゲン原子を、R、Rは同一、または異なって、炭素数1〜20の1価の炭化水素基を表す。Rは炭素数1〜20のn価の炭化水素基を表す。nは1〜4の整数である]。
【0020】
本発明に用いることのできる開始剤種については特開平7−292038(野田ら)に記載されているが、末端カチオンの安定性の観点から好ましい重合開始剤としては、(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン(クミルクロライドともいう)、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン(p−DCC又はジクミルクロライドともいう)、1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン(TCC又はトリクミルクロライドともいう)とその誘導体等の芳香環を含んだ物質が上げられ、これらを単独あるいは混合物として使用することができる。これらの開始剤は1箇所もしくは複数個所の重合開始点を有するが、開始剤の重合開始点数が得られる重合体の一次構造に反映されるので目的とする重合体に合わせて開始剤を選ぶと良い。例えばp−DCCのような二官能開始剤は二官能重合体を必要とするときに選定する事が出来る。その他に一官能、TCCなどの三官能、多官能の開始剤を必要に応じて用いる事が出来る。重合体の分子量を設定するには、重合開始剤1モルに対して概ね合成しようとする重合体分子量となる重量のモノマーの比率となるようにすればよい。例えば、開始剤1モルに対してモノマーを10000g添加すれば重合体を分子量は10000程度とすることができる。本発明の方法により製造される重合体の数平均分子量は特に限定されるものではないが、取扱い易い粘度や重合溶媒中への溶解度の観点から、通常500〜300000、より好ましくは3000〜200000である。
【0021】
(重合触媒)
本発明のリビングカチオン重合にはルイス酸触媒を用いる。その具体例としては、TiCl4、AlCl3、BCl3、ZnCl2、SnCl4、エチルアルミニウムクロライド、SnBr4などが挙げられる。これらの中で、特にTiCl4が取扱い易さ、重合活性の高さ、経済性などの点で好適である。
【0022】
ルイス酸触媒の使用量の合計は、生長反応の観点からはイソブチレンモノマー量を基準として決定すれば良く、開始反応の観点からは開始剤を基準として決定すれば良い。具体的には、ルイス酸触媒の添加量の合計をイソブチレンを基準として決定する場合には、イソブチレンモノマー量を基準として0.0001〜10倍モル数とすることが好ましく、0.001〜1倍モル数とすることがより好ましい。この範囲が生長反応を制御しやすいため好ましい。また、ルイス酸触媒の添加量の合計を開始剤量を基準にして決定する場合には、開始剤量を基準として0.1〜1000倍のモル数とすることが好ましく、0.5〜500倍のモル数とすることがより好ましい。この範囲が開始反応を制御しやすいため好ましい。
【0023】
本発明においては、上記の重合触媒を分割して逐次添加して重合を開始させ、重合速度を制御する。本発明の方法は触媒を一括で全量添加する回分式と比べて急激な昇温を抑制でき、開始反応時の反応条件がマイルドになることにより副反応を抑制できる。重合を開始させる際に添加する触媒量が極端に少ないと開始反応速度が大幅に遅くなるため、重合を開始させる際に添加する触媒量は、全触媒量の半分以上とすることがより好ましい。さらに、後に残りの触媒を分割して逐次に添加することにより反応速度を高めて重合を進行させる。触媒の逐次的な添加において、その分割回数について特に制限しないが、あまり分割回数を多くしすぎると操作が煩雑になる割には本発明で得られる効果自体は変わらない結果となるため、利便性を総合的に考慮すると2〜5回に分割して逐次に添加することが好ましい。 反応による発熱が非常に小さいあるいは反応時間が非常に短い場合は分割回数は2回程度が良い。反応による発熱が非常に大きいあるいは反応時間が非常に長い場合は分割回数を3回よりも増やすのが良い。これら以外の、反応による発熱あるいは反応時間が一般的なレベルの場合は分割回数は3回程度が良い。2回目以降に添加する触媒の分割量について特に制限はしないが、反応が進行すると反応速度の低下が著しいので、2回目よりも3回目、3回目よりも4回目に添加する触媒量が多くなるように分割するのが良い。添加のタイミングについて特に制限しないが、反応速度が低下してきた時、すなわち触媒を添加して反応液温度が一旦上昇して、その後再び温度が下がり始めた時期に添加するのが良く、具体的には2回目以降の追加は重合時間の1/3以上が経過してから行うのが好ましい。また、触媒の連続的な添加を行う際の添加流量については特に制限しない。
【0024】
(電子供与剤)
リビングカチオン重合をおこなう際、連鎖移動反応やプロトン開始反応などの副反応を抑制して良好な重合体を得るための付加的な改善策として、電子供与剤を用いることが報告されている(特開平2−245004、特開平1−318014、特開平3−174403)。本発明においては電子供与剤を用いる必要がある。使用する電子供与剤としてはピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。具体例として、ピリジン、2−メチルピリジン(ピコリンまたはα−ピコリンと略記)、トリメチルアミン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、チタンテトライソプロポキサイドなどを使用することが好ましく、取扱い易さや経済性の観点から、2−メチルピリジンもしくはジメチルアセトアミドが特に好ましい。
【0025】
電子供与剤は触媒の活性を制御し、反応の安定性を保つために添加されるものであるので、電子供与剤の添加量は反応液中に存在する重合触媒量を基準にすると良い。本発明における電子供与剤の添加量については、反応溶液中に存在する電子供与剤の量が反応溶液中に存在する重合触媒量を基準として0.01〜1倍量となるように制御することが好ましく、0.02〜0.5倍量となるように制御することがより好ましい。電子供与剤の量が少なすぎると副反応が多くなる傾向があり、プロトン開始反応や連鎖移動反応等の副反応が起こることによって分散度が大きくなったり、重合体末端への官能基の導入が設計通りに行われないなどの問題が起こる。逆に電子供与剤が多すぎるとカチオン重合反応が著しく遅くなり、生産性が低下する。したがって、触媒を分割して逐次添加する本発明では、電子供与剤も分割して逐次添加し、反応液中の電子供与剤と触媒との比が上記の範囲になるように操作する必要がある。
【0026】
(反応温度)
本発明のリビングカチオン重合の反応温度は−90〜−30℃の範囲とすることが好ましい。比較的高い温度条件では反応速度が遅く、連鎖移動反応などの副反応が起こるので、−30℃よりも低い温度に保つことがより好ましい。しかし反応温度が−90℃より低いと反応に関与する物質(原料又は重合体)が析出する場合がある。
【0027】
(反応溶媒)
本発明のリビングカチオン重合では反応溶媒を用い、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素からなる群から選ばれる単独溶媒または、それらの混合溶媒を用いることができる(特開平8−53514)。
【0028】
ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が使用でき、これらの中から選ばれる溶剤は単独であっても、2種以上の成分からなるものであってもよい。
【0029】
脂肪族炭化水素としては、ブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンが好ましく、これらの中から選ばれる溶剤は単独であっても、2種以上の成分からなるものであってもよい。
【0030】
また、芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが好ましく、これらの中から選ばれる溶剤は単独であっても、2種以上の成分からなるものであってもよい。
【0031】
とりわけハロゲン化炭化水素と脂肪族炭化水素の混合溶媒、芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素の混合溶媒は、反応制御および溶解度の観点からより好適に使用される。
【0032】
例えば、n−ブチルクロライドと脂肪族炭化水素を混合して溶媒とする場合は、混合溶剤中のn−ブチルクロライドの含有量は特に限定されるものではないが、一般的には10〜100重量%の範囲、より好ましくは50〜100重量%の範囲とすることができる。
【0033】
本発明の実施形態として反応溶媒を使用する場合には、得られる重合体の溶解度、溶液の粘度や除熱の容易さを考慮し、重合体の濃度が5〜80重量%となるよう溶媒を使用することが好ましく、生産効率および操作性の観点からは10〜60重量%となるよう使用することがより好ましい。
【0034】
(不純物)
本発明で用いる各種原料には、工業的もしくは実験的に入手できるものを使用することができるが、水やアルコール、塩酸など活性な水素を有する物質や、開始剤以外の3級炭素に結合した塩素原子を有する化合物が原料中に含まれているとこれらは不純物として副反応を発生させる原因となるため、あらかじめ極力低濃度に精製する必要がある。また、反応操作中に外部からこれらの不純物が進入するのを防ぐ必要がある。目的とする重合体を効率よく得るためには不純物の総モル数を開始剤の重合開始点総数を基準にして1倍以下に抑制することが好ましく、0.5倍以下に抑制することがより好ましい。
【0035】
(反応装置の操作)
本発明の最大の特徴は、重合開始時には反応に用いる全量の重合触媒および電子供与剤を反応器に入れず、重合途中に重合触媒とともに電子供与剤を逐次的もしくは連続的に添加することである。重合に必要な触媒の全量を反応開始時に一度に添加すると触媒濃度が高くなりすぎ急激に温度上昇するため副反応が起こりやすい傾向になるので、触媒を分割して添加することにより重合反応開始時の昇温を抑制することは有効である。 一般にリビングカチオン重合の反応温度は−90〜−30℃の範囲で行われ、この低温域での除熱を行う冷凍機は高コストである場合が多く、製造設備における冷凍機プロセスのコストダウンの観点からも昇温を抑制することが極めて有効である。
【0036】
一方、反応開始時に少量の触媒しか添加しない場合には、反応が進行して重合性モノマー濃度が低下すると重合反応速度が遅くなる。このため重合開始時以降に逐次的にもしくは連続的に触媒を追加する操作は、温度上昇と副反応を抑制しながら反応速度を早めて重合時間を短縮することができるため極めて有効である。
【0037】
触媒と電子供与剤を長時間混合すると化学変化することがあるので、それぞれ分離して添加し、反応器内で混合することが好ましい。
触媒および電子供与剤はそれぞれ任意の溶媒で希釈して反応器に添加することができる。希釈する溶媒種としては重合溶媒を用いるのが好ましい。触媒と電子供与剤の種類によっては凝固点が比較的高いものがあり、反応器内に添加した瞬間に凝固して反応液中に均一に分散しないことを防ぐためにあらかじめ溶媒で希釈して添加することは有効である。また、触媒と電子供与剤の使用量は一般的に少なく、添加量の制御が比較的困難なため、溶媒で希釈することによりその添加量の定量性を高めることは有効である。
【0038】
(反応器)
本発明では反応器の形態は特に限定しないが、攪拌槽型反応器が好ましい。その構造については特に制限を受けるものではないが、たとえばジャケット部での冷却が可能な構造を有し、反応器内に仕込んだ重合開始剤、モノマーおよび逐次的に供給される触媒、電子供与剤を均一に混合・反応させることのできる構造であることが好ましい。内部冷却コイルやリフラックスコンデンサー等の付帯設備を設けて冷却能力を向上させたり、邪魔板を設けて混合状態を良好にできる構造であっても良い。
攪拌槽型反応器に用いられる攪拌翼としては、特に制限を受けるものではないが、反応液の上下方向の循環、混合性能が高いものが好ましく、重合・反応液粘度が数センチポイズ程度の比較的低粘度領域においては(多段)傾斜パドル翼、タービン翼などの攪拌翼、数10センチポイズから数100ポイズの中粘性領域ではマックスブレンド翼、フルゾーン翼、サンメラー翼、Hi−Fミキサー翼、特開平10−24230に記載されているものなど大型のボトムパドルを有する大型翼、数100ポイズ以上の高粘性領域では、アンカー翼、(ダブル)ヘリカルリボン翼、ログボーン翼などが好適に使用される。
【0039】
(本発明の好ましい態様)
本発明の好ましい方法としては、イソブチレンモノマーと重合開始剤が含まれる溶液に、重合触媒と電子供与剤をそれぞれ分割して逐次添加する。前記した分割は、重合触媒と電子供与剤をそれぞれ2〜5回の範囲で分割して逐次添加するのが好ましい。
【0040】
モノマーとしてはイソブチレンのみを1種単独で用いても良いし、イソブチレンとともにイソブチレン以外のモノマーを併用しても良い。すなわちイソブチレンとともにイソブチレン以外のカチオン重合性モノマーをあらかじめ反応器に仕込んでおき上記操作を実施すれば、イソブチレンとイソブチレン以外のカチオン重合性モノマーがランダム共重合をした製品を得ることが可能である。
【0041】
また前記重合開始剤は、(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンから選択される少なくとも1種の物質であるのが好ましく、重合触媒としては、TiCl4であるのが好ましい。
電子供与剤としては、ピリジン、2−メチルピリジン、トリメチルアミン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、チタンテトライソプロポキサイドから選択される少なくとも1種の物質であるのが好ましい。
【0042】
また、本発明の方法によって得られるイソブチレン系重合体に引き続きイソブチレン以外のカチオン重合性モノマーを反応させてブロック共重合させることが可能である。ブロック共重合体を製造する場合は、芳香族ビニル化合物を主成分とするブロック(すなわち芳香族ビニル化合物を50重量%以上含有するブロック)を有するものであることが好ましく、芳香族ビニル化合物がスチレンであるものであることがより好ましい。
【0043】
【実施例】
以下に本発明の具体的な実施例を挙げて説明する。
尚、各種測定分析方法は以下のように行った。
【0044】
(イソブチレン系重合体の分子量分布のピーク分子量(Mp)および分散度(Mw/Mn)
クロロホルムを移動相とするポリスチレンゲルカラムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
【0045】
(引張強度)
2mm厚プレスシートをダンベル3 号型に打ち抜いてJIS K 6251 に準拠した引張試験を行い求めた。
【0046】
(反応液の昇温ピーク)
反応液の温度はT型熱電対を用いてリアルタイムに測定した。ここでは、重合開始後の、イソブチレン重合時の反応液温度の最大値を反応液の昇温ピークとした。
【0047】
(除熱負荷ピーク)
ブライン入出の温度をT型熱電対を用いてリアルタイムに測定した。
除熱負荷はブラインのジャケット付反応器入出の温度差、ブラインの比熱およびブラインの流量より算出した。ここでは、重合開始後の、イソブチレン重合時の除熱負荷の最大値を除熱負荷ピークとした。
【0048】
(実施例1)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 210ml、ヘキサン 150ml、モノマーとしてイソブチレン 50ml、開始剤としてp−DCC 0.18g、電子供与剤としてDMAc 0.07gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 1.3mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応開始45分後にTiCl4 0.4mlとDMAc 0.02gを添加して重合反応を続行させる。さらに反応開始70分後にTiCl4 0.7mlとDMAc 0.04gを添加して重合反応を続行させる。反応終了後(120分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。実験結果を表1に示す。
【0049】
(比較例1)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 210ml、ヘキサン 150ml、モノマーとしてイソブチレン 50ml、開始剤としてp−DCC 0.18g、電子供与剤としてDMAc 0.13gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 2.4mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応終了後(90分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。実験結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003992525
上記実施例1、比較例1より明らかなように、本発明の方式では従来の方式と比べて発熱ピークを1/2程度に抑制出来る。また、製品重合体の分散度は小さくなり副反応が抑制できたことがわかる。
【0051】
(実施例2)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 210ml、ヘキサン 150ml、モノマーとしてイソブチレン 50ml、開始剤としてp−DCC 0.18g、電子供与剤としてDMAc 0.07gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 1.3mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応開始45分後にTiCl4 0.4mlとDMAc 0.02gを添加して重合反応を続行させる。さらに反応開始70分後にTiCl4 0.7mlとDMAc 0.04gを添加して重合反応を続行させる。イソブチレン反応終了後(120分後)にさらにモノマーとしてスチレン 15gを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(90分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。得られた重合体の引張強度を測定した結果を表2に示す。
【0052】
(比較例2)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 210ml、ヘキサン 150ml、モノマーとしてイソブチレン 50ml、開始剤としてp−DCC 0.18g、電子供与剤としてDMAc 0.13gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 2.4mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。イソブチレン反応終了後(90分後)にさらにモノマーとしてスチレン 15gを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(90分後)反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。得られた重合体の引張強度を測定した結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0003992525
上記実施例2、比較例2より明らかなように、本発明の方式では従来の方式と比べて、製品重合体の引張強度が向上できる。
【0054】
(実施例3)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 340ml、ヘキサン 240ml、モノマーとしてイソブチレン 140ml、開始剤としてp−DCC 0.29g、電子供与剤としてDMAc 0.13gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 2.8mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応開始50分後にTiCl4 1.1mlとDMAc 0.03gを添加して重合反応を続行させる。さらに反応開始75分後にTiCl4 1.0mlとDMAc0.04gを添加して重合反応を続行させる。イソブチレン反応終了後(105分後)にさらにモノマーとしてスチレン 15gを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(90分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。得られた重合体の引張強度を測定した結果を表3に示す。
【0055】
(比較例3)
反応容器に溶媒としてブチルクロライド 340ml、ヘキサン 240ml、モノマーとしてイソブチレン 140ml、開始剤としてp−DCC 0.29g、電子供与剤としてDMAc 0.20gを仕込む。反応容器の外周部にドライアイス−エタノール浴をおいて撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 4.9mlを反応容器へ添加することによって反応を開始する。イソブチレン反応終了後(90分後)にさらにモノマーとしてスチレン 15gを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(90分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。実験結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003992525
上記実施例3、比較例3より明らかなように、本発明の方式では従来の方式と比べて、製品重合体の引張強度が向上でき、発熱ピークを1/2程度に抑制出来る。
【0057】
(実施例4)
ジャケット付反応容器に溶媒としてブチルクロライド 65kg、ヘキサン 34kg、モノマーとしてイソブチレン 15kg、開始剤としてp−DCC 0.05kg、電子供与剤としてDMAc 0.02kgを仕込む。冷凍機で冷却したブラインを反応容器のジャケットに循環させ、反応器内を撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 0.9kgを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応開始50分後にTiCl4 0.2kgとDMAc0.005kgを添加して重合反応を続行させる。さらに反応開始75分後にTiCl4 0.5kgとDMAc 0.01kgを添加して重合反応を続行させる。反応終了後(135分後)にさらにモノマーとしてスチレン 7kgを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(105分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。実験結果を表4に示す。
【0058】
(比較例4)
ジャケット付反応容器に溶媒としてブチルクロライド 65kg、ヘキサン 34kg、モノマーとしてイソブチレン 15kg、開始剤としてp−DCC 0.05kg、電子供与剤としてDMAc 0.035kgを仕込む。冷凍機で冷却したブラインを反応容器のジャケットに循環させ、反応器内を撹拌混合しながら温度を−75℃とする。触媒としてTiCl4 1.6kgを反応容器へ添加することによって反応を開始する。反応終了後(90分後)にさらにモノマーとしてスチレン 7kgを追加してブロック共重合反応をおこなった。反応終了後(90分後)に反応液を大量の水中へ注ぎ込んで撹拌することによって洗浄し、有機相と水相を分離して触媒を除去した。さらに有機相中の揮発成分を除去して重合体製品を得た。用いたジャケット付反応容器と冷凍機は実施例3と同一である。実験結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
Figure 0003992525
上記実施例4、比較例4より明らかなように、本発明の方式では従来の方式と比べて、製品重合体の引張強度が向上できる。また、昇温ピークが約1/2にでき、さらに除熱負荷ピークが約1/2にできるので、冷凍機プロセスの設備費コストダウンが見込める。
【0060】
【発明の効果】
上記の実施例と比較例の結果でも示したように、本発明で提案したイソブチレン系重合体の製造方法を用いれば、従来の方法と比べて分子量分布の狭い重合体を得ることが出来る。このことは、得られる液状の重合体の粘度を低下させる効果があり、製品の取り扱い作業性に優れた特性を発現することができる。また、本発明の方法を用いれば、強度の高いイソブチレン系ブロック共重合体を得ることができる。

Claims (14)

  1. イソブチレンモノマーと重合開始剤が含まれる溶液に、重合触媒と電子供与剤をそれぞれ分割して逐次添加するイソブチレン系重合体の製造方法であって、
    前記重合開始剤が、(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼン及び1,3,5−トリス(1−クロロ−1−メチルエチル)ベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記重合触媒が、TiCl 4 であることを特徴とするイソブチレン系重合体の製造方法。
  2. 前記重合触媒と前記電子供与剤をそれぞれ2〜5回の範囲で分割して逐次添加する請求項1に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  3. 前記電子供与剤が、ピリジン、2−メチルピリジン、トリメチルアミン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル及びチタンテトライソプロポキサイドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  4. 前記電子供与剤が、2−メチルピリジン及び/又はジメチルアセトアミドである請求項1に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  5. 前記重合触媒の添加量の合計が、前記開始剤量を基準にして0.1〜1000倍のモル数の割合である請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  6. 前記重合触媒の添加量の合計が、前記開始剤量を基準にして0.5〜500倍のモル数の割合である請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  7. 前記重合触媒の添加量の合計が、イソブチレンモノマー量を基準として0.0001〜10倍のモル数の割合である請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  8. 前記重合触媒の添加量の合計が、イソブチレンモノマー量を基準として0.001〜1倍のモル数の割合である請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  9. 前記電子供与剤の添加量の合計が、反応溶液中に存在する重合触媒量を基準として0.01〜1倍量となる請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  10. 前記電子供与剤の添加量の合計が、反応溶液中に存在する重合触媒量を基準として0.02〜0.5倍量となる請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  11. 重合反応に用いる重合触媒全量の半分以上を1回目に添加することにより重合を開始させる請求項1又は2に記載のイソブチレン系重合体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法で得たイソブチレン系重合体を含む液に、イソブチレンとは別のカチオン重合性モノマーを添加してイソブチレン系重合体と反応させることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  13. イソブチレンとは別のカチオン重合性モノマーが、芳香族ビニル化合物である請求項12に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
  14. イソブチレンとは別のカチオン重合性モノマーが、スチレンである請求項13に記載のイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法。
JP2002102626A 2002-04-04 2002-04-04 イソブチレン系重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3992525B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002102626A JP3992525B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 イソブチレン系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002102626A JP3992525B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 イソブチレン系重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003292504A JP2003292504A (ja) 2003-10-15
JP3992525B2 true JP3992525B2 (ja) 2007-10-17

Family

ID=29242324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002102626A Expired - Fee Related JP3992525B2 (ja) 2002-04-04 2002-04-04 イソブチレン系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3992525B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4717358B2 (ja) * 2004-01-30 2011-07-06 新日鐵化学株式会社 可溶性多官能ビニル芳香族重合体の製造方法
CN117362495A (zh) * 2023-11-09 2024-01-09 浙江信汇新材料股份有限公司 一种食品级中等分子量聚异丁烯及其制备和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003292504A (ja) 2003-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5527870A (en) Process for the preparation of isobutylene polymer
US6602965B1 (en) Method of continuous cationic living polymerization
US4929683A (en) Living polymerization of olefin to end-functionalized polymers
US5247021A (en) Process for preparation of a polymer having reactive terminal group
US5066730A (en) Living polymerization of olefins to end-functionalized polymers
JP3154529B2 (ja) 官能基を有するイソブチレン系重合体及びその製造法
EP0265053B1 (en) Living polymerization of olefins to end-functionalized polymers
WO2013039152A1 (ja) 末端二重結合含有ポリオレフィンとその製造方法
JP5365913B2 (ja) リビングカチオン重合体の連続製造方法
US5194538A (en) Preparation of butyl rubber with bimodal molecular weight distribution
JP4377032B2 (ja) リビング重合体の連続製造方法
JP5592817B2 (ja) 連続的なイソブチレン系重合体の製造方法
CN113912795A (zh) 聚异单烯烃共聚物、其制备方法、引发剂及应用
JP3388865B2 (ja) オレフィン基を有するイソブチレン系重合体の製造法
JP3992525B2 (ja) イソブチレン系重合体の製造方法
JP2014051543A (ja) 重合体の連続的製造方法
JP2001055415A (ja) イソブチレン系重合体の製造方法
JP5947089B2 (ja) 連続的な重合体の製造方法
JP3957603B2 (ja) イソブチレン系熱可塑性エラストマーの製造方法
JP4748060B2 (ja) イソブチレン系重合体の製造方法
JPH0273806A (ja) リビングカチオン重合法及びその触媒系
JP4377034B2 (ja) リビングカチオン反応を用いるブロック共重合体の連続製造方法
JP6829016B2 (ja) 重合体の連続製造方法
JP2005232391A (ja) イソブチレン系重合体の製造方法
JPH07116262B2 (ja) α−メチルスチレン共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070419

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070628

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070724

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3992525

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees