JP6881135B2 - 型鍛造部材の製造方法及び型鍛造部材の製造設備 - Google Patents

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Description

本発明は、型鍛造部材の製造方法及び型鍛造部材の製造方法に用いられる製造設備に関する。より具体的には、クランクシャフトの製造方法及びクランクシャフトの製造方法に用いられる製造設備に関する。
型鍛造部材は、様々な分野で利用される。型鍛造部材はたとえば、クランクシャフト、フロントアクスル及びコンロッドである。クランクシャフトは、自動車や船舶などに使用される。近年、エンジンの軽量化や高出力化に伴い、クランクシャフトには高強度及び高靱性が要求される。型鍛造によって製造される鍛造クランクシャフトは、鋳造によって製造される鋳造クランクシャフトと比較して、強度及び靱性が高い。そのため、鍛造クランクシャフトの需要が高まっている。
鍛造クランクシャフトは、クランクシャフトの形状の型を用いて、ビレット等の素材を型鍛造することで成形される。型鍛造では、素材のうち型の体積を超える分の余材がバリとして型の外にはみ出す。バリは、型鍛造の後に除去される。バリの体積が少ないほど、歩留まりが高まる。
バリの体積を減らすため、型鍛造前の素材に対する体積配分がこれまで検討されてきた。体積配分はたとえば、ロール成形及び曲げ加工等を施すことで行われる。ロール成形及び曲げ加工により、型鍛造前の素材の長さ方向の体積分布を、クランクシャフトの長さ方向の体積分布に近づける。この体積配分により、型鍛造後のバリの体積を減らし、歩留まりを高めることができる。
特開2001−47177号公報(特許文献1)は、次の技術を提案する。対向する2つの型によって、一体形クランク軸のフロント部に相当する素材の部位を、素材の軸方向に垂直な方向に厚みが素材厚みの80〜35%になるように圧下する。これにより、一体形クランク軸のフロント部に相当する部位の端面に凹みを生じさせることがなく、フロント部歩留まりを高めることができる、と特許文献1に記載されている。
国際公開第2014/016875号(特許文献2)は、次の技術を提案する。特許文献2では、型鍛造前のビレットを据込加工し、クランク軸の先頭のクランクアーム部に対応する位置から最後尾のクランクアーム部に対応する位置までの部分で断面積を拡大させた荒地を成形する。これにより、クランク軸の全域にわたって歩留まりを向上させることが可能になり、使用するビレットの断面サイズを小さなものに統合することも可能になる、と特許文献2に記載されている。
特開2001−47177号公報 国際公開第2014/016875号 特開昭59−4902号公報
特許文献1及び2のように、体積配分によりバリの体積を減少させる技術は数多く提案されている。一方、素材の外径を、型鍛造部材を製造するのに必要最低限な寸法にすることによっても、バリの体積を減らし、歩留まりを高めることができる。
しかしながら、型鍛造部材の素材となるビレットの外径の種類には制限がある。ビレットは通常、分塊圧延を用いて製造される。分塊圧延では、一対の水平ロールセット(上ロール及び下ロール)を用いて鋳片を圧延してビレットを製造する。各上下ロールはカリバーと呼ばれる孔型を有する。ビレットの外径は、この孔型に応じて決まる。一対の水平ロールが備えることが可能な孔型の数は限られる。したがって、ビレットの外径の種類には制限がある。
異なる孔型を有する水平ロールを用いることにより、ビレットの外径の種類を増やすことができる。しかしながら、複数種類の外径のビレットを製造する場合、異なる孔型を有する水平ロールセットを複数準備しなければならない。さらに、所望の外径のビレットを製造するために、分塊圧延機の水平ロールセットを交換しなければならない。(以下、ロールセットの交換をロール組替えと称する。)このロール組替えは、生産性を低下する。したがって、従来の製造方法では、生産性の低下を抑制しつつ、型鍛造部材に最適な外径を有するビレットを製造することが困難である。
本発明の目的は、生産性の低下を抑制しつつ、歩留まりを向上できる、型鍛造部材の製造方法、及び、型鍛造部材の製造方法に用いられる製造設備を提供することである。
本実施形態による型鍛造部材の製造方法は、上流から下流に向かって順に、加熱炉、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機、及び、型鍛造機を備える製造設備を用いる。上記製造方法は、加熱工程と、縮径圧延工程と、型鍛造工程とを備える。加熱工程では、加熱炉でビレットを加熱する。縮径圧延工程では、加熱されたビレットを傾斜圧延機で縮径圧延して所望の外径に調整する。型鍛造工程では、外径を調整されたビレットを型鍛造機で型鍛造する。
本実施形態による製造設備は、加熱炉と、傾斜圧延機と、型鍛造機とを備える。加熱炉は、ビレットを加熱する。ビレットは、第1端面と、第1端面と反対側の第2端面と、第1端面と第2端面との間の側面とを含む。傾斜圧延機は、加熱炉の下流に配置される。傾斜圧延機は、3つの傾斜ロールを備え、ビレットを縮径圧延して所望の外径に調整する。型鍛造機は、傾斜圧延機の下流に配置される。型鍛造機は、所望の型鍛造部材の形状の型を備え、外径を調整されたビレットを型鍛造して所望の型鍛造部材の形状にする。
本実施形態による型鍛造部材の製造方法は、上記製造設備を用いた製造方法である。上記製造設備を用いて型鍛造部材を製造することにより、生産性の低下を抑制しつつ、歩留まりを向上できる。
図1は、型鍛造によって製造されたクランクシャフトを示す図である。 図2は、型鍛造によってクランクシャフトを製造する場合の、仕上げ打ち終了後を示す図である。 図3は、第1の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。 図4は、傾斜圧延機を出側から見た斜視図である。 図5は、傾斜圧延機を入側から見た正面図である。 図6は、傾斜圧延機の側面図である。 図7は、図5中の線分VII−VIIでの傾斜ロールの断面及びビレットを示す一部断面図である。 図8は、図3とは異なる、第2の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。 図9は、据込鍛造機の側面図である。 図10は、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図11は、据込鍛造時のビレットの軸方向から見た据込鍛造金型の正面図である。 図12は、図10とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図13は、図10及び図12とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図14は、図10、図12及び図13とは異なる他の実施形態による、テーパー穴の中心軸を含む、据込鍛造金型の断面図である。 図15は、予め据込鍛造をしないで、3つの傾斜ロールを持つ傾斜圧延機によって縮径圧延したビレットの一例を示す図である。 図16は、ビレットの端面が大きく凹んだ、図15に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、鍛造金型の端部の拡大図である。 図17は、ビレットの端面が大きく凹んだ、図15に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、鍛造金型の端部の拡大図である。 図18は、ビレットの端面が大きく凹んだ、図15に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、鍛造金型の端部の拡大図である。 図19は、据込鍛造機を用いて据込鍛造したビレットを示す図である。 図20は、予め据込鍛造をした図19に示すビレットを、3つの傾斜ロールを持つ傾斜圧延機によって縮径圧延した後のビレットを示す図である。 図21は、端面の凹みを抑制した、図20に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、型鍛造金型の端部の拡大図である。 図22は、端面の凹みを抑制した、図20に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、型鍛造金型の端部の拡大図である。 図23は、端面の凹みを抑制した、図20に示すビレットを用いて型鍛造した場合の、型鍛造金型の端部の拡大図である。 図24は、図9とは異なる、他の実施形態による据込鍛造機の側面図である。 図25は、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図26は、図24及び図25とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレットの軸方向から見た、ビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図27は、図25及び図26とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図28は、据込鍛造後における、据込鍛造時のビレットの軸方向から見たビレットの軸方向中央部及び拘束工具の断面図である。 図29は、図3及び図8とは異なる、第3の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。
図1は、型鍛造によって製造された型鍛造部材の一例を示す図である。図1では、一例として鍛造クランクシャフトを示す。図1において、クランクシャフト1はジャーナル部10、ピン部11、フロント部12、及び、ジャーナル部10とピン部11とをつなぐクランクアーム部13とを備える。型鍛造によってたとえばクランクシャフト1を製造する場合、加熱されたビレットをクランクシャフト1の形状の型を用いて型鍛造する。型鍛造工程は、荒打ち及び仕上げ打ちを備える場合がある。図2は、型鍛造によってクランクシャフト1を製造する場合の、仕上げ打ち終了後を示す図である。仕上げ打ち終了後には、ビレットのうち型の体積を超える分の余材がバリ2として型の外にはみ出している。バリ2は、刃物等によって打ち抜き除去される。これにより、クランクシャフト1が製造される。
従来、体積配分によってバリ2の体積を減少させる方法が検討されてきた。一方、素材の外径を、型鍛造部材を製造するのに必要最低限な寸法にすることによっても、バリの体積を減らし、歩留まりを高めることができる。
上述のとおり、型鍛造部材は、クランクシャフト1以外にも、フロントアクスル及びコンロッド等の様々な部材を含む。したがって、素材の外径を、型鍛造部材を製造するのに必要最低限な寸法にするためには、各型鍛造部材に合わせた外径を有する素材を複数種類製造する必要がある。
しかしながら、上述のとおり、分塊圧延を用いて製造されたビレットの外径の種類には制限がある。さらに、所望の外径のビレットを製造するためには、ロール組替えを行わなければならない。このロール組替えは、生産性を低下する。したがって、従来の製造方法では、生産性の低下を抑制しつつ、型鍛造部材に最適な外径を有するビレットを製造することが困難である。
そこで、本発明者らは、生産性の低下を抑制しつつ、型鍛造部材に最適な外径を有するビレットを製造する方法について検討した。その結果、以下の知見を得た。
3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機は、後述するロールの交叉角の調整によって、縮径圧延後のビレットの外径を幅広く調整できる。つまり、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機によって、ビレットを縮径圧延すれば、ビレットを所望の型鍛造部材を製造するのに必要最低限の外径に調整できる。
また、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機は、分塊圧延機と比較して1回の圧下量を大きくすることができる。そのため、型鍛造部材を製造するのに、たとえば外径の小さいビレットが要求される場合であっても、1回の圧下で要求された外径を有するビレットを製造できる。
つまり、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機を用いてビレットを製造すれば、縮径圧延後のビレットの外径を微調整する必要がある場合であっても、外径の小さいビレットが要求される場合であっても、1回の圧下で、要求された外径を有するビレットを製造できる。
分塊圧延機では、たとえば外径の小さいビレットが要求される場合、何回も往復して圧延する必要がある場合があり、ビレットの製造に時間を要する場合があった。一方、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機では、1回の圧下量が大きい。そのため、たとえば外径の小さいビレットが要求される場合であっても、ビレットの製造にかかる時間が短い。その結果、ビレットの温度が低下しにくい。
さらに、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機を用いる場合、分塊圧延機のように、複数種類の外径のビレットを製造するのにロール組替えが不要である。そのため、型鍛造部材の生産性の低下が抑制される。
以上のことから、本発明者らは、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機による縮径圧延であれば、型鍛造前に実施しても、型鍛造部材の生産性の低下が抑制され、さらに、ビレットの温度が低下しにくいことを知見した。そこで、型鍛造部材の製造ラインにおいて、加熱炉と型鍛造機との間に、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機を配置することで、型鍛造工程において、生産性の低下を抑制しつつ、歩留まりを向上させる本実施形態に至った。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態による型鍛造部材の製造方法は、上流から下流に向かって順に、加熱炉、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機、及び、型鍛造機を備える製造設備を用いる。上記製造方法は、加熱工程と、縮径圧延工程と、型鍛造工程とを備える。加熱工程では、加熱炉でビレットを加熱する。縮径圧延工程では、加熱されたビレットを全体に亘って傾斜圧延機で縮径圧延して所望の外径に調整する。より詳細には、所望の外径よりも大きい外径のビレットを傾斜圧延機を用いて外径が小さくなるように圧延して、所望の外径に調整する。型鍛造工程では、外径を調整されたビレットを型鍛造機で型鍛造する。
上述の製造方法は、型鍛造工程の前に縮径圧延工程を実施する。縮径圧延工程では、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機によって、ビレットを所望の型鍛造部材を製造するのに必要最低限の外径に調整できる。そのため、型鍛造工程において、バリの体積が減少し、歩留まりが向上する。また、3つの傾斜ロールを含む傾斜圧延機を用いる場合、分塊圧延機のように、複数種類の外径のビレットを製造するのにロール組替えが不要である。そのため、型鍛造部材の生産性の低下が抑制される。
好ましくは、上記製造設備はさらに、加熱炉と傾斜圧延機との間に据込鍛造機を備える。好ましくは、上記製造方法はさらに、加熱工程後であって縮径圧延工程前に、据込鍛造工程を備える。据込鍛造工程では、据込鍛造機を用いてビレットに対して据込鍛造を実施し、ビレットの端部をテーパー形状にする。
ここで、テーパー形状とは、ビレットの端面に向かって、ビレットの中心軸を含む断面におけるビレットの幅が連続的又は断続的に減少する形状、又は、後述する第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって、第1及び第2テーパー穴の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型の断面における第1及び第2内周面の幅が連続的又は断続的に減少する形状をいう。上記幅が減少する割合は、一定でもよいし一定でなくてもよい。たとえば、ビレットの端面に向かって、又は、後述する第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって、ビレットの幅又は第1及び第2内周面の幅が不連続に減少する形状(たとえば階段状)も、テーパー形状に含まれる。テーパー形状とはたとえば、ビレットの端が凸になる円錐であってもよい。
縮径圧延工程では、ビレットの圧下量が大きい程、ビレット端部において、ビレット表層部分がビレット中央部分よりも延伸する。したがって、ビレット端部が凹む。ビレットの端面が大きく凹んでいた場合、型鍛造が進むにつれ凹状の端面が折り曲げられ、最終的に重なり合う。その結果、素材が重なり合った部分に鍛造欠陥が形成される。この場合の鍛造欠陥をまくれ込み疵という。つまり、まくれ込み疵とは、型鍛造において、金型内で素材の一部が折れ曲がり、重なり合うことでできた鍛造欠陥をいう。ビレット端部をあらかじめ据込鍛造することによって、その後の縮径圧延工程におけるビレット端部の凹みが抑制される。ビレット端部の凹みが抑制されれば、型鍛造工程において、凹みに起因した鍛造欠陥(まくれ込み疵)が抑制される。したがって、縮径圧延工程におけるビレットの圧下量が大きくても、型鍛造部材の鍛造欠陥を抑制できる。
好ましくは、上記製造方法はさらに、加熱工程後であって据込鍛造工程前に、振り分け工程を備える。振り分け工程では、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外のビレットを傾斜圧延機に供給する。据込鍛造工程では、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造する。縮径圧延工程では、据込鍛造工程後のビレット、及び、据込鍛造対象外のビレットを縮径圧延する。
据込鍛造が必要か否かは、加熱炉に装入されるビレットの鋼種、外径及び傾斜圧延機での圧下量等に応じて決まる。振り分け工程を備えることにより、据込鍛造が必要なビレットのみを据込鍛造できる。これにより、型鍛造部材の生産性が高まる。
上記振り分け工程では、縮径圧延工程におけるビレットの圧下量に応じて、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外のビレットを傾斜圧延機に供給してもよい。
縮径圧延工程における圧下量が大きい程ビレットの端面の凹みが大きくなる。一方、縮径圧延工程における圧下量が小さい場合、ビレットの端面の凹みは小さい。この場合、型鍛造時の影響は少ない。したがって、縮径圧延工程における圧下量に基づいて、ビレットの供給先(据込鍛造機、又は、傾斜圧延機)を決定しても良い。
上記型鍛造部材の製造方法における型鍛造部材は、クランクシャフトであってもよい。
本実施形態による製造設備は、加熱炉と、傾斜圧延機と、型鍛造機とを備える。加熱炉は、ビレットを加熱する。ビレットは、第1端面と、第1端面と反対側の第2端面と、第1端面と第2端面との間の側面とを含む。傾斜圧延機は、加熱炉の下流に配置される。傾斜圧延機は、3つの傾斜ロールを備え、ビレットを縮径圧延して所望の外径に調整する。型鍛造機は、傾斜圧延機の下流に配置される。型鍛造機は、所望の型鍛造部材の形状の型を備え、外径を調整されたビレットを型鍛造して所望の型鍛造部材の形状にする。
上記製造設備は、型鍛造機の上流に傾斜圧延機を備える。傾斜圧延機は、ビレットを所望の型鍛造部材を製造するのに必要最低限の外径に調整する。これにより、型鍛造工程において、バリの体積が減少し、歩留まりが向上する。本実施形態の傾斜圧延機はさらに、複数種類の外径のビレットを製造するのに、ロール組替えが不要である。そのため、型鍛造部材の生産性の低下が抑制される。
好ましくは、上記製造設備はさらに、据込鍛造機を備える。据込鍛造機は、加熱炉と傾斜圧延機との間に配置される。据込鍛造機は、第1据込鍛造金型と、第2据込鍛造金型と、据込駆動機構とを備える。第1据込鍛造金型は、第1ビレット対向面と、第1裏面とを含む。第1ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第1端面に対向する第1テーパー穴を含む。第1裏面は、第1ビレット対向面と反対側に配置される。第2据込鍛造金型は、第2ビレット対向面と、第2裏面とを含む。第2ビレット対向面は、据込鍛造時のビレットの第2端面に対向する第2テーパー穴を含む。第2裏面は、第2ビレット対向面と反対側に配置される。据込駆動機構は、第1据込鍛造金型を、据込鍛造時のビレットの軸方向に駆動可能である。第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とは、水平方向に配列される。第1テーパー穴は、第1内周面を含む。第1据込鍛造金型の第1テーパー穴の中心軸を含む断面における第1内周面の幅は、第1ビレット対向面から第1裏面に向かって減少する。第2テーパー穴は、第2内周面を含む。第2据込鍛造金型の第2テーパー穴の中心軸を含む断面における第2内周面の幅は、第2ビレット対向面から第2裏面に向かって減少する。
ここで、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが水平方向に配列されるとは、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが重力と直角に交わる方向に配列される場合のみに限定されず、第1据込鍛造金型と第2据込鍛造金型とが重力と直角に交わる方向から30°以下の範囲でずれて配列されている場合を含む。
ここで、第1及び第2テーパー穴の中心軸とは、第1及び第2内周面の、据込鍛造時のビレットの軸方向と直交する断面における重心を、第1及び第2ビレット対向面から第1及び第2裏面に向かって結んだ線分である。
この場合、傾斜圧延機の上流に配置された据込鍛造機により、ビレット端部があらかじめテーパー形状に成形される。これにより、その後の縮径圧延工程におけるビレット端部の凹みが抑制される。ビレット端部の凹みが抑制されれば、型鍛造工程において、鍛造欠陥が抑制される。
好ましくは、上記製造設備における上記据込鍛造機はさらに、第1及び第2拘束工具と、第1及び第2拘束工具支持機構とを備える。第1拘束工具は、据込鍛造時において、ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面と接触する第1拘束面を含む。第2拘束工具は、据込鍛造時において、ビレットを挟んで第1拘束工具の反対側であって、且つ、据込鍛造時のビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面と接触する第2拘束面を含む。第1拘束工具支持機構は、第1拘束工具の第1拘束面と反対側に配置され、第1拘束工具を支持する。第2拘束工具支持機構は、第2拘束工具の第2拘束面と反対側に配置され、第2拘束工具を支持する。
ここで、ビレットの軸方向中央部とは、ビレットの軸方向において、ビレットの端からビレットの直径と同じ距離までの部分以外の部分をいう。
この場合、第1及び第2拘束工具が、据込鍛造中のビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレットの側面を拘束する。これにより、据込鍛造時において、ビレットが座屈するのを抑制できる。
好ましくは、上記据込鍛造機はさらに、第1及び第2弾性部材を備える。第1弾性部材は、第1拘束工具と第1拘束工具支持機構との間に配置される。第2弾性部材は、第2拘束工具と第2拘束工具支持機構との間に配置される。
ここでいう弾性部材とは、外力を加えられた場合にひずみが生じて変形するものの、外力が除去されたときには元の形状に戻る部材を意味する。弾性部材はたとえば、ばね及びゴム等である。
据込鍛造工程では、ビレットをビレットの軸方向に据込鍛造する。そのため、据込鍛造を実施すれば、ビレットの半径が増大する。拘束工具と拘束工具支持機構との間に配置された弾性部材は、ビレットの半径の増大に伴う拘束工具のビレットの径方向外向きの圧力を受けて収縮する。そのため、拘束工具のビレットの径方向への移動が許容される。これにより、据込鍛造後のビレットの径が制限されず、複数種類のサイズのビレットが製造可能である。さらに、収縮した弾性部材により、ビレットの径が増大した場合であっても、拘束工具はビレット側面を拘束している状態を維持できる。これにより、拘束工具のビレットの径方向への移動が許容される場合であっても、据込鍛造時におけるビレットの座屈の発生を抑制できる。
好ましくは、上記製造設備はさらに、振り分け機構を備える。振り分け機構は、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外のビレットを傾斜圧延機に供給する。据込鍛造機は、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造する。傾斜圧延機は、据込鍛造後のビレット、及び、据込鍛造対象外のビレットを縮径圧延する。
上記製造設備は、振り分け機構を備える。そのため、据込鍛造が必要なビレットのみを据込鍛造できる。したがって、上記製造設備を用いることにより、型鍛造部材の生産性が高まる。
上記振り分け機構は、傾斜圧延機でのビレットの圧下量に応じて、据込鍛造対象のビレットを据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外のビレットを傾斜圧延機に供給してもよい。
上記製造設備が製造対象とする型鍛造部材は、クランクシャフトであってもよい。
以下、本実施形態の型鍛造部材の製造方法及び製造設備について詳述する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1の実施形態]
[製造設備]
図3は、第1の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。図3を参照して、製造設備は、加熱炉3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5とを備える。加熱炉3と傾斜圧延機4との間、及び、傾斜圧延機4と型鍛造機5との間には、搬送機構6が配置される。搬送機構6は、加熱炉3から抽出されたビレットを傾斜圧延機4に搬送したり、傾斜圧延機4で縮径圧延されたビレットを型鍛造機5に搬送したりする。
図3に示す型鍛造部材の製造設備は、加熱炉3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5とが直線状に配列されている。しかしながら、型鍛造部材の製造設備の各機器の配列は、直線状でなくてもよい。型鍛造部材の製造設備の各機器の配列は、上流から下流に向かって、加熱炉3、傾斜圧延機4、型鍛造機5の順で並んでいればよい。
[加熱炉]
加熱炉3は、ビレットを所定の温度に加熱する。ビレットはたとえば、通常の分塊圧延工程により製造された丸ビレットである。ビレットの横断面(軸方向に垂直な断面)は円形であることが好ましい。しかしながら、ビレットの横断面は6角形や8角形等の多角形でもよいし、楕円であってもよい。
加熱炉3の種類は、ビレットを所定の温度に加熱できれば、特に限定されない。加熱炉3はたとえば、ウォーキングビーム式の連続式加熱炉であってもよいし、ロータリーハース式の連続式加熱炉であってもよい。
[傾斜圧延機]
傾斜圧延機4は加熱炉3の下流に配置される。図4は、傾斜圧延機4を出側から見た斜視図である。図4を参照して、傾斜圧延機4は3つの傾斜ロール40を含む。3つの傾斜ロール40は、パスラインLまわりに等間隔に配置される。図5は、傾斜圧延機4を入側から見た正面図である。図4及び図5では、3つの傾斜ロール40がパスラインLまわりに等間隔(120°ごと)に配置される。
3つの傾斜ロール40は、図示しないモーターに取り付けられている。3つの傾斜ロール40は、モーターにより同一方向に回転して、ビレットを縮径圧延して所望の外径に調整する。
図6は、傾斜圧延機4の側面図である。図7は、図5中の線分VII−VIIでの傾斜ロール40の断面及びビレット7を示す一部断面図である。図6を参照して、各傾斜ロール40は、パスラインLに対して角度α1°傾斜して配置される。さらに、図7を参照して、各傾斜ロール40はパスラインLに対して角度β1°交叉して配置される。ビレット7は、傾斜角α1及び交叉角β1に応じた螺旋回転をしながら縮径圧延され、所望の外径に調整される。
図7に示す各傾斜ロール40とパスラインLとの最短距離Dを調整することにより、傾斜圧延機4は、ビレット7の外径を自由に調整できる。そのため、傾斜圧延機4では、分塊圧延機のように、ビレット7の外径に応じてロール組替えを実施する必要が無い。つまり、傾斜圧延機4は、ロール組替えをすることなくビレット7を種々の外径に調整できる。
図4〜図7では、各傾斜ロール40の外径は、傾斜圧延機4の入側から出側に向かって大きくなる。しかしながら、各傾斜ロール40の形状は、これに限定されない。たとえば、傾斜ロール40の長手方向中央付近で、外径が最も大きくなる、いわゆる樽型ロールを用いてもよい。
[型鍛造機]
型鍛造機5は傾斜圧延機4の下流に配置される。型鍛造機5は、所望の型鍛造部材(たとえば、クランクシャフト1)形状の型を備え、外径を調整されたビレット7を型鍛造して所望の型鍛造部材(たとえば、クランクシャフト1)の形状にする。型鍛造機5は、いわゆる機械式プレス又は油圧式プレスを用いることができる。型鍛造機5に使用される型はたとえば、上下に一対の金型である。型鍛造機5に使用される型は、製造される型鍛造部材(たとえばクランクシャフト1、フロントアスクル及びコンロッド等)の種類及び大きさに合わせて準備される。
[型鍛造部材の製造方法]
上述の製造設備を用いた型鍛造部材の製造方法は、加熱工程と、縮径圧延工程と、型鍛造工程とを備える。以下の実施形態では、型鍛造品の一例としてクランクシャフト1を想定して説明する。しかしながら、型鍛造品はクランクシャフト1に限定されない。型鍛造品は、型を用いて熱間鍛造されて製造される部材であれば、形状や用途は特に限定されない。
[加熱工程]
加熱工程では、予め所定の長さに切断したビレット7を加熱炉3に装入して加熱する。加熱時間及び加熱温度は、ビレット7の鋼種、大きさ及び型鍛造部材の形状等に応じて適宜設定できる。
[縮径圧延工程]
縮径圧延工程では、初めに、加熱されたビレット7を加熱炉3から抽出する。そして、3つの傾斜ロール40を含む傾斜圧延機4によってビレット7を全体に亘って縮径圧延し所望の外径に調整する。
上述のとおり、傾斜圧延機4は、各傾斜ロール40とパスラインLとの最短距離Dを調整することにより、ロール組替えを行うことなくビレット7を種々の外径に調整できる。従前の分塊圧延機の場合、製造できるビレット7の外径の種類には制限がある。そのため、たとえばクランクシャフト1を製造するのに必要最低限な外径よりも大きい外径を有するビレット7が用いられる。この場合、バリ2の体積が増加し、歩留まりが低下する。本実施形態では、傾斜圧延機4により、ビレット7の外径を自由に調整可能である。そのため、ビレット7をたとえばクランクシャフト1を製造するのに必要最低限の外径に調整でき、バリ2の体積が減少し、歩留まりが向上する。
従前の分塊圧延機によって種々の外径を有するビレット7を製造することもできる。しかしながら、従前の分塊圧延機の場合、種々の外径のビレット7を製造するためには、ロール組替えを頻繁に実施しなければならない。この場合、型鍛造部材の生産性が低下する。傾斜圧延機4は、ロール組替えを実施することなく、ビレット7の外径を自由に調整可能であるため、型鍛造部材の生産性が高まる。
従前の分塊圧延機では、たとえば外径の小さいビレット7が要求される場合、何回も往復して圧延する必要がある場合があり、ビレット7の製造に時間を要する場合があった。一方、3つの傾斜ロール40を含む傾斜圧延機4では、1回の圧下量が大きい。そのため、たとえば外径の小さいビレット7が要求される場合であっても、ビレット7の製造にかかる時間が短い。つまり、1回の圧下で、所望のサイズの外径を有するビレット7を短時間で製造できる。ビレット7を短時間で製造できれば、加熱炉3と型鍛造機5との間に3つの傾斜ロール40を含む傾斜圧延機4を配置してビレット7の外径を調整しても、ビレット7の温度が低下しにくい。
[型鍛造工程]
型鍛造工程では、外径を調整されたビレット7を型鍛造機5で型鍛造する。型鍛造工程では、所望の型鍛造部材の形状の型(たとえば、一対の金型)内にビレット7を配置してプレスする。これによりビレット7を変形して所望の型鍛造部材の形状にする。型の形状はたとえば、クランクシャフト1の形状である。型鍛造工程は、荒打ち及び仕上げ打ちを備えてもよい。型の形状は、フロントアクスル及びコンロッド等の他の型鍛造部材の形状であってもよい。
型鍛造に供されるビレット7は、上述のとおり縮径圧延工程で型鍛造部材(たとえばクランクシャフト1)を製造するのに必要最低限の外径に調整されている。そのため、型鍛造工程におけるバリ2の体積は少ない。したがって、歩留まりが向上する。
型鍛造工程後、バリ2を打ち抜き除去することで、本実施形態の型鍛造部材が製造できる。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態では、型鍛造部材の製造設備は、加熱炉3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5とを備えた。製造設備はさらに、据込鍛造機を備えることが好ましい。
図8は、図3とは異なる、第2の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。図8を参照して、製造設備は、加熱炉3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5とに加え、据込鍛造機8を備える。据込鍛造機8は、加熱炉3と傾斜圧延機4との間に配置される。各装置3〜5及び8の間には、搬送機構6が配置される。
[据込鍛造機]
図9は、据込鍛造機8の側面図である。図9では、据込鍛造機8の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図9を参照して、据込鍛造機8は、第1据込鍛造金型81と、第2据込鍛造金型82と、据込駆動機構83とを備える。図9を参照して、第1据込鍛造金型81と第2据込鍛造金型82とは、水平方向に配列される。第1据込鍛造金型81と、第2据込鍛造金型82とは、後述するテーパー穴810及び820とが互いに対向する向きで配置される。第1据込鍛造金型81及び第2据込鍛造金型82は、据込鍛造時のビレット7の中心軸の延長線上に配置される。据込鍛造時には、第1据込鍛造金型81と第2据込鍛造金型82との間にビレット7が配置される。
ここで、第1据込鍛造金型81と第2据込鍛造金型82とが水平方向に配列されるとは、第1据込鍛造金型81と第2据込鍛造金型82とが重力と直角に交わる方向に配列される場合のみに限定されず、第1据込鍛造金型81と第2据込鍛造金型82とが重力と直角に交わる方向から30°以下の範囲でずれて配列されている場合を含む。
据込鍛造機8は、ビレット7の両端を据込鍛造する。ビレット7は、第1端面70と、第1端面70と反対側の第2端面71と、第1端面70と第2端面71との間の側面72とを含む。
[第1及び第2据込鍛造金型]
図10は、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面図である。図10を参照して、第1据込鍛造金型81は、第1ビレット対向面811と、第1裏面812とを含む。第1ビレット対向面811は、据込鍛造時のビレット7の第1端面70に対向する第1テーパー穴810を含む。第1裏面812は、第1ビレット対向面811と反対側に配置される。第2据込鍛造金型82は、第2ビレット対向面821と、第2裏面822とを含む。第2ビレット対向面821は、据込鍛造時のビレット7の第2端面71に対向する第2テーパー穴820を含む。第2裏面822は、第2ビレット対向面821と反対側に配置される。
[第1及び第2据込鍛造金型のテーパー穴について]
図10を参照して、第1テーパー穴810は、第1内周面813を含む。第1テーパー穴810の中心軸を含む、第1据込鍛造金型81の断面(たとえば、図10)における第1内周面813の幅は、第1ビレット対向面811から第1裏面812に向かって減少する。第2テーパー穴820は、第2内周面823を含む。第2テーパー穴820の中心軸を含む、第2据込鍛造金型82の断面(たとえば、図10)における第2内周面823の幅は、第2ビレット対向面821から第2裏面822に向かって減少する。
ここで、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸とは、第1及び第2内周面813、823の、据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面における重心を、第1及び第2ビレット対向面811、821から第1及び第2裏面812、822に向かって結んだ線分である。
図11は、据込鍛造時のビレット7の軸方向から見た第1及び第2据込鍛造金型81、82の正面図である。図11を参照して、第1テーパー穴810は、据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面の形状がたとえば円状である第1内周面813を有する。第2テーパー穴820は、据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面の形状がたとえば円状である第2内周面823を有する。図11では、第1及び第2内周面813、823の、断面の形状は円状である。しかしながら、第1及び第2内周面813、823の据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面の形状は円状に限られない。第1及び第2内周面813、823の断面の形状は、据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面において、第1及び第2内周面813、823上の任意の2点と重心を通る線分において、最大長さを有する線分(たとえば、長軸又は直径)の長さと、最少長さを有する線分(たとえば、短軸又は直径)の長さとの比が20%以下の範囲で異なっている場合を含む。第1及び第2内周面813、823の据込鍛造時のビレット7の軸方向と直交する断面の形状はたとえば、楕円や多角形でもよい。
上述のとおり、テーパー形状とは、ビレット7の第1及び第2端面70、71に向かって、ビレット7の中心軸を含む断面におけるビレット7の幅が連続的又は断続的に減少する形状、又は、第1及び第2ビレット対向面811、821から第1及び第2裏面812、822に向かって、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面における第1及び第2内周面813、823の幅が連続的又は断続的に減少する形状をいう。上記幅が減少する割合は、一定でもよいし一定でなくてもよい。たとえば、ビレット7の第1及び第2端面70、71に向かって、又は、第1及び第2ビレット対向面811、821から第1及び第2裏面812、822に向かって、ビレット7の幅又は第1及び第2内周面813、823の幅が不連続に減少する形状(たとえば階段状)も、テーパー形状に含まれる。テーパー形状とはたとえば、ビレット7の端が凸になる円錐であってもよい。
第1ビレット対向面811は第2ビレット対向面821に対応し、第1裏面812は第2裏面822に対応し、第1内周面813は第2内周面823に対応する。したがって、以降の説明では、第1テーパー穴810の各構成について説明して、第2テーパー穴820の各構成の説明の代替とする。
図10を参照して、第1内周面813の幅は、第1ビレット対向面811から第1裏面812にむかって減少する。第1テーパー穴810の中心軸を含む断面(図10)において、第1内周面813は直線であり、第1内周面813の面積は第1ビレット対向面811から第1裏面812に向かって連続的に減少する。
図10では、第1テーパー穴810は、第1ビレット対向面811から第1裏面812まで貫通している。しかしながら、第1テーパー穴810は第1ビレット対向面811から第1裏面812まで貫通しなくてもよい。
図12は、図10とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面図である。図12を参照して、第1据込鍛造金型81は、第1テーパー穴810の穴底部814を含む。図12を参照して、第2据込鍛造金型82は、第2テーパー穴820の穴底部824を含む。図12に示すとおり、第1及び第2テーパー穴810、820は、第1又は第2ビレット対向面811又は821から、第1又は第2裏面812又は822まで貫通せず、穴底部814又は824を備えてもよい。
第1テーパー穴810の中心軸を含む断面(図10及び図12)において、第1内周面813は直線であった。しかしながら、第1テーパー穴810の中心軸を含む断面(図10及び図12)における、第1内周面813は、直線でなくてもよい。
図13は、図10及び図12とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面図である。図13では、第1内周面813が直線ではなく、屈曲している。第1内周面813の幅は、第1ビレット対向面811から第1裏面812に向かって途中まで連続的に減少するが、その後は減少せず一定となる。
図14は、図10、図12及び図13とは異なる他の実施形態による、第1及び第2テーパー穴810、820の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面図である。図14において、第1内周面813は直線ではなく、第1テーパー穴810の外に向かって湾曲している。
第1テーパー穴810の形状は図10〜図14に限定されない。第1テーパー穴810の形状はたとえば、第1内周面813が第1テーパー穴810の内に向かって湾曲してもよく、第1内周面813が階段状であってもよい。また、縮径圧延後のビレット7の第1及び第2端面70、71の凹みに度合いに応じて、ビレット7の軸方向と直交する方向から見た、第1テーパー穴810の中心軸を含む、第1及び第2据込鍛造金型81、82の断面における第1内周面813の傾きを大きくしても良い。第1テーパー穴810の形状は、据込鍛造後のビレット7の端部において、ビレット7の中央部が凸になる範囲で適宜調整できる。
第2据込鍛造金型82が有する第2テーパー穴820の形状は、第1テーパー穴810と同じでもよいし異なってもよい。第1テーパー穴810と第2テーパー穴820とが同じ形状の場合、ビレット7の第1端面70と第2端面71とにかかる負荷が同じになる。そのため、ビレット7全体にわたって均一に鍛造による応力を付与できる。一方で、たとえば、縮径圧延後に、ビレット7の第1端面70と第2端面71とで、凹みの程度が異なる場合、第1テーパー穴810の形状と第2テーパー穴820の形状とを変えてもよい。
据込鍛造時に、ビレット7の第1端面70は、第1テーパー穴810の形状に沿って変形し、第1テーパー穴810の形状に成形される。ビレット7の第2端面71は、第2テーパー穴820の形状に沿って変形し、第2テーパー穴820の形状に成形される。したがって、第1及び第2据込鍛造金型81、82を使用してビレット7を据込鍛造した場合、据込鍛造後のビレット7の第1及び第2端面70、71の面積は、ビレット7の他の部分の断面積よりも小さくなる。そして、ビレット7の端部は、第1又は第2端面70又は71に向かって断面積が小さくなる。また、据込鍛造後のビレット7の端部の形状は、第1又は第2内周面813又は823と同じ傾斜をもつ形状(テーパー形状)になる。
据込鍛造機8を用いた据込鍛造によりビレット7の端部をテーパー形状にすれば、その後に傾斜圧延機4によりビレット7を縮径圧延しても、縮径圧延後のビレット7の第1及び第2端面70、71の凹みが抑制される。
図15は予め据込鍛造をしないで、3つの傾斜ロール40を持つ傾斜圧延機4によって縮径圧延したビレット7の一例を示す図である。図15を参照して、ビレット7の第1及び第2端面70、71は大きく凹んでいる。図16〜図18は、ビレット7の第1及び第2端面70、71が大きく凹んだ、図15に示すビレット7を用いて型鍛造した場合の、鍛造金型81、82の端部の拡大図である。図16〜図18を参照して、第1及び第2端面70、71が大きく凹んだビレット7を用いて型鍛造した場合、図16〜図18へと型鍛造が進むにつれて、第1及び第2端面70、71が折れ曲がり、最終的に重なり合う場合がある。これにより、まくれ込み疵と呼ばれる鍛造欠陥が発生する場合がある。
図19は、据込鍛造機8を用いて据込鍛造したビレット7を示す図である。図20は、予め据込鍛造をした図19に示すビレット7を、3つの傾斜ロール40を持つ傾斜圧延機4によって縮径圧延した後のビレット7を示す図である。図21〜図23は、据込鍛造機8を用いて据込鍛造した後、傾斜圧延機4によって縮径圧延した図20に示すビレット7を用いて型鍛造した場合の、型鍛造金型の端部の拡大図である。図21〜図23を参照して、ビレット7の端部において、縮径圧延前は、ビレット7の端部において、ビレット7の中央部が凸のテーパー形状である。そのため、縮径圧延によってビレット7の表層部分がビレット7の中央部よりも延伸しても、図20に示すように、縮径圧延後のビレット7の第1及び第2端面70、71の凹みが抑制される。図21〜図23を参照して、第1及び第2端面70、71の凹みが抑制されたビレット7を型鍛造すれば、図21〜図23へと型鍛造が進んでも、第1及び第2端面70、71の折れ曲がりが抑制される。その結果、鍛造欠陥(まくれ込み疵)の発生を抑制できる。
[据込駆動機構]
据込駆動機構83は、第1据込鍛造金型81を、据込鍛造時のビレット7の軸方向に駆動可能である。図9を参照して、据込鍛造時には、据込駆動機構83により、第1据込鍛造金型81が図中矢印で示す方向に駆動する。そして、第1据込鍛造金型81を第2据込鍛造金型82へ相対的に近づける。これにより、ビレット7の端部が据込鍛造される。
図9では、据込駆動機構83は、第1据込鍛造金型81を駆動する。しかしながら、据込駆動機構83は、第1据込鍛造金型81に替えて、第2据込鍛造金型82を駆動してもよい。据込駆動機構83はさらに、第1及び第2据込鍛造金型81、82を、互いに近づけるように駆動してもよい。
図9では、据込鍛造機8はその他に、第1及び第2据込鍛造金型81、82を固定するためのダイホルダ84、ダイホルダ84を一定軸上に移動させるためのガイドポスト85を備える。しかしながら、据込鍛造機8の他の構成はこれに限られない。第1及び第2据込鍛造金型81及び82が、据込鍛造時のビレット7の中心軸の延長線上に配置されれば良く、据込鍛造機8の他の構成は、いわゆるCフレームや、一体型ストレートサイドフレームであってもよい。
図9ではさらに、据込鍛造機8は、ビレット7を支持する支持機構86を備える。図9では、支持機構86は、ビレット7を下方から支持する支持架台である。しかしながら、支持機構86は図9に示す構成に限定されない。支持機構86はたとえばロボットアームであり、ビレット7の一部を把持する機構であってもよい。支持機構86はまた、チェーン等による吊り下げであってもよい。支持機構86は、据込鍛造が開始されるまでの間、ビレット7を支持できる機構であれば、その構成は特に限定されない。また、支持機構86は、据込鍛造に伴うビレット7の軸方向長さの収縮に伴って、移動してもよい。
図24は、図9とは異なる、他の実施形態による据込鍛造機8の側面図である。図24では、据込鍛造機8の一部を断面図(ハッチング部分)で示す。図24を参照して、据込鍛造機8は、第1据込鍛造金型81、第2据込鍛造金型82及び据込駆動機構83に加え、第1及び第2拘束工具91、92と、第1及び第2拘束工具支持機構93、94と、第1及び第2弾性部材95、96とを新たに備える。
第1拘束工具91は、据込鍛造時において、ビレット7の軸方向中央部の軸周りに配置される。第2拘束工具92は、据込鍛造時において、ビレット7を挟んで第1拘束工具91の反対側であって、且つ、据込鍛造時のビレット7の軸方向中央部の軸周りに配置される。
[第1及び第2の拘束工具]
図25は、据込鍛造機8が第1及び第2拘束工具91、92を備える場合において、据込鍛造時のビレット7の軸方向から見たビレット7の軸方向中央部及び第1及び第2の拘束工具91、92の断面図である。図25を参照して、第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット7の側面72と接触する第1及び第2拘束面910及び920を含む。
ビレット7を据込鍛造する場合、ビレット7が座屈する場合がある。第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット7の軸方向中央部の軸周りに配置され、ビレット7の側面72を拘束する。これにより、据込鍛造時のビレット7の座屈を抑制できる。
図24及び図25では、第1拘束工具91がビレット7の上方に配置され、第2拘束工具92がビレット7の下方に配置されている。しかしながら、第1及び第2拘束工具91、92の配置は逆でもよく、また、第1及び第2拘束工具91、92は上下方向に配置されなくてもよい。第1及び第2拘束工具91、92は、ビレット7を挟んで対向して配置されていればよい。
図26は、図24及び図25とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレット7の軸方向から見た、ビレット7の軸方向中央部及び第1及び第2拘束工具91、92の断面図である。図26を参照して、第1及び第2拘束工具91、92は、水平方向に配置される。第1及び第2拘束工具91、92の配列方向は、図24〜図26に限定されない。第1及び第2拘束工具91、92の配列方向はビレット7を挟んで直線上に配置されればよく、たとえば、垂直方向に対して0〜45°傾いてもよい。
[第1及び第2拘束工具の断面形状]
好ましくは、図25及び図26において示すとおり、第1及び第2拘束面910、920の据込鍛造時のビレット7の軸方向から見た断面の形状は弓状である。第1及び第2拘束面910、920の断面形状が弓状であれば、据込鍛造時におけるビレット7と第1及び第2拘束面910、920との接触面積を大きくすることができる。このため、据込鍛造時において、第1及び第2拘束面910、920がビレット7の形状を維持しつつ、ビレット7を拘束しやすい。そのため、より効率的にビレット7の座屈を抑制できる。ここで、弓状とは、一部又は全体が弧をなして曲がっている状態をいう。弓状はたとえば、楕円弧、円弧である。弓状は、複数の曲率を有した形状であってもよいし、中央部が曲率を有し、端部が直線状となっている形状でもよい。
しかしながら、第1及び第2拘束面910、920の断面形状は弓状に限定されない。図27は、図25及び図26とは異なる他の実施形態による、据込鍛造時のビレット7の軸方向から見たビレット7の軸方向中央部及び第1及び第2拘束工具91、92の断面図である。図27を参照して、第1及び第2拘束面910、920のビレット7の軸方向から見た断面の形状はビレット7の半径方向外向きに凸のV字状でもよい。他には、第1及び第2拘束面910、920の断面形状は円弧及び台形であってもよい。第1及び第2拘束面910、920の断面形状は、ビレット7の座屈を抑制できる範囲で適宜調整できる。
図25〜図27において、ビレット7の軸周りには第1及び第2拘束工具91、92の2つが配置される。しかしながら、さらに拘束工具が配置されてもよい。たとえば、ビレット7の軸周りに第1及び第2拘束工具91、92に加え、さらに第3及び第4拘束工具を配置する。この場合、ビレット7の軸周りには第1〜第4拘束工具4つが配置される。ビレット7の軸周りに配置される拘束工具の数は適宜設定できる。また、据込鍛造機8はビレット7の軸方向中央部の異なる位置に、さらに拘束工具を備えてもよい。たとえば、ビレット7の軸方向において、第1及び第2拘束工具91、92とビレット7の第1及び第2端面70、71との間に、さらに第3及び第4拘束工具を配置する。この場合、さらに座屈を抑制できる。ビレット7の軸方向における、拘束工具の個数は適宜設定できる。
[弾性部材]
図25を参照して、第1弾性部材95は、第1拘束工具91と第1拘束工具支持機構93との間に配置される。第2弾性部材96は、第2拘束工具92と第2拘束工具支持機構94との間に配置される。ここでいう弾性部材とは、外力を加えられた場合にひずみが生じて変形するものの、外力が除去されたときには元の形状に戻る部材を意味する。弾性部材はたとえば、ばね及びゴム等である。
上述の据込鍛造工程では、ビレット7を軸方向に据込鍛造する。そのため、据込鍛造を実施すれば、ビレット7の半径が拡大する。図28は、据込鍛造機8が第1及び第2拘束工具91、92を備える場合における、据込鍛造後の、据込鍛造時のビレット7の軸方向から見たビレット7の軸方向中央部及び第1及び第2拘束工具91、92の断面図である。図25及び図28を参照して、据込鍛造前のビレット7の半径はR0であり、据込鍛造後はビレット7の半径が拡大して半径R1となる。
ビレット7の半径が拡大すれば、第1及び第2拘束工具91、92に、ビレット7の径方向の外向きの圧力が加わる。第1及び第2弾性部材95、96は、この圧力を受けて収縮する。そのため、第1及び第2拘束工具91、92のビレット7の径方向への移動が許容される。これにより、据込鍛造後のビレット7の径が制限されず、複数種類のサイズのビレットが製造可能である。
収縮した第1及び第2弾性部材95、96により、ビレット7の半径が拡大した場合であっても、第1及び第2拘束工具91、92がビレット7の側面72を拘束している状態を維持する。これにより、第1及び第2拘束工具91、92のビレット7の径方向への移動が許容される場合であっても、ビレット7の座屈が抑制できる。
ビレット7の座屈を抑制するために、たとえば、ビレット7の側面72を移動不可能な型枠等によって完全に拘束することもできる。これにより、ビレット7の座屈を抑制できる。しかしながら、この場合、据込鍛造後のビレット7の半径の種類が、型枠の内径によって制限される。一方、本実施形態では、ビレット7の半径方向に移動可能な第1及び第2拘束工具91、92でビレット7の側面72を拘束する。そのため、据込鍛造時のビレット7の半径の拡大が許容される。本実施形態ではさらに、第1及び第2弾性部材95、96があることにより、ビレット7の半径が拡大した場合であっても、第1及び第2拘束工具91、92がビレット7の側面72を拘束している状態を維持する。そのため、本実施形態の据込鍛造機8では、据込鍛造時のビレット7の座屈を抑制し、さらに、複数種類のサイズのビレット7が製造できる。
図25、図26及び図28において、第1及び第2弾性部材95、96の数はそれぞれ4つである。しかしながら、第1及び第2弾性部材95、96の数は特に限定されない。第1及び第2弾性部材95、96の数はそれぞれ1つでもよい。弾性部材の数、大きさ及び材質等は適宜選択できる。また、図25、図26及び図28において、据込鍛造機8は第1及び第2弾性部材95、96を備える。しかしながら、弾性部材95、96は無くても良く、第1及び第2拘束工具91、92が、第1及び第2拘束工具支持機構93、94に直接取り付けられている場合であっても、ビレット7の座屈を抑制できる。
[拘束工具支持機構]
第1拘束工具支持機構93は、第1拘束工具91の第1拘束面910と反対側に配置され、第1拘束工具91を支持する。第2拘束工具支持機構94は、第2拘束工具92の第2拘束面920と反対側に配置され、第2拘束工具92を支持する。
図24において、第1拘束工具支持機構93は、拘束工具支持部材930とそれに取り付けられたシリンダ931とを備える。第2拘束工具支持機構94は、拘束工具支持部材940及びその直下に拘束工具支持架台941を備える。第1拘束工具91は、シリンダ931により垂直方向に移動可能である。これにより第1拘束工具91と第2拘束工具92との距離を広げ、据込鍛造前後において、ビレット7を据込鍛造機8内から容易に出し入れできる。
図24、図25及び図28において、第1拘束工具支持機構93は、拘束工具支持部材930とそれに取り付けられたシリンダ931とを備える。第2拘束工具支持機構94は、拘束工具支持部材940及びその直下に拘束工具支持架台941を備える。しかしながら、第1及び第2拘束工具91及び92を支持する方法は、この方法に限定されない。第1及び第2拘束工具支持機構93及び94は、第1及び第2拘束工具91及び92を支持できる範囲で適宜選択できる。
[第3の実施形態]
据込鍛造が必要か否かは、加熱炉3に装入されるビレット7の鋼種、外径及び傾斜圧延機4での圧下量等に応じて決まる。したがって、上記製造方法はさらに、加熱工程後であって据込鍛造工程前に、振り分け工程を備えても良い。振り分け工程では、据込鍛造対象のビレット7を据込鍛造機8に供給し、据込鍛造対象外のビレット7を傾斜圧延機4に供給する。
図29は、図3及び図8とは異なる、第3の実施形態による型鍛造部材の製造設備のレイアウト図である。図29を参照して、製造設備は、加熱炉3と、傾斜圧延機4と、型鍛造機5と、据込鍛造機8とに加え、振り分け機構600を備える。
図29では、振り分け機構600は、第1搬送機構610と、第2搬送機構620と、選別機630とを備える。第1搬送機構610は、加熱炉3と傾斜圧延機4との間に配置される。第1搬送機構610は、加熱炉3から抽出されたビレット7を傾斜圧延機4に搬送する。第2搬送機構620は、第1搬送機構610上の分岐点640から分岐し、第1搬送機構610上の合流点650に合流する。第1及び第2搬送機構610及び620はたとえば、一列に配列された複数の搬送ローラを含む搬送テーブル、又はビレット7をつかみ移動させるロボットである。
選別機630はたとえば、キッカー又はロボットアームである。選別機630は、加熱炉3から抽出され、第1搬送機構610上を移動するビレット7のうち、据込鍛造対象のビレット7のみを第2搬送機構620上に移動させる。これにより、据込鍛造対象のビレット7のみを据込鍛造機8に供給する。据込鍛造機8に供給されたビレット7は、据込鍛造される。据込鍛造されたビレット7は、合流点650から再び第1搬送機構610上に移動し、傾斜圧延機4に供給される。
図29の製造設備を用いた型鍛造部材の製造方法は次のとおりである。加熱工程により加熱されたビレット7を加熱炉3から抽出し、第1搬送機構610上に搬送する。続いて、抽出されたビレット7に対して、振り分け工程を実施する。
振り分け工程では、ビレット7を据込鍛造対象又は据込鍛造対象外に振り分ける。ビレット7が据込鍛造対象である場合、据込鍛造対象のビレット7を据込鍛造機8に供給する。具体的には、第1搬送機構610上のビレット7を、選別機630を用いて第2搬送機構620上に移動させ、据込鍛造機8まで搬送する。
一方、ビレット7が据込鍛造対象外である場合、据込鍛造対象外のビレット7を傾斜圧延機4に供給する。具体的には、第1搬送機構610上のビレット7を、そのまま第1搬送機構610で傾斜圧延機4まで搬送する。
据込鍛造工程では、据込鍛造機8により、据込鍛造対象のビレット7を据込鍛造する。一方、縮径圧延工程では、据込鍛造対象外のビレット7、及び、据込鍛造後のビレット7を縮径圧延して所望の外径に調整する。つまり、縮径圧延工程では、据込鍛造対象及び据込鍛造対象外のビレット7を縮径圧延する。
上述のとおり、本実施形態では、振り分け工程により、据込鍛造が必要なビレット7のみを据込鍛造し、据込鍛造不要のビレット7については、そのまま傾斜圧延機4で縮径圧延する。そのため、型鍛造部材の生産性が高まる。
振り分けは、鋼種に応じて実施してもよいし、傾斜圧延機4での圧下量に応じて実施してもよい。上述のとおり、縮径圧延工程における圧下量が大きい程ビレット7の第1及び第2端面70、71の凹みが大きくなる。一方、縮径圧延工程における圧下量が小さい場合、ビレット7の第1及び第2端面70、71の凹みは小さい。この場合、型鍛造への影響(まくれ込み疵の発生)は小さい。したがって、圧下量に基づいて、ビレット7の供給先(据込鍛造機8、又は、傾斜圧延機4)を決定するのが好ましい。加熱炉3に装入されたビレット7の圧下量はビレット7ごとに予め決定されている。したがって、予定された圧下量に応じて、振り分け機構600がビレット7を振り分けることができる。
図29では、振り分け機構600は、第1搬送路610と、第2搬送路620と、選別機630とを備える。しかしながら、振り分け機構600は他の構成であってもよい。要するに、振り分け機構600が、据込鍛造対象のビレット7を据込鍛造機8に供給し、据込鍛造対象外のビレット7を傾斜圧延機4に供給できれば、その構成は特に限定されない。
上述の第1〜第3の実施形態ではさらに、必要に応じてロール成形工程及び曲げ打ち工程を備えてもよい。ロール成形工程は縮径圧延工程の後であって型鍛造工程の前に実施される。ロール成形工程では、孔型ロールによりビレット7を圧延して、ビレット7の体積を軸方向に配分する。これにより、さらにバリ2の体積を減少できる。曲げ打ち工程はたとえば、ロール成形工程の後に実施される。曲げ打ち工程では、体積配分されたビレット7を軸方向と直角な方向に部分的に圧下する。これにより、バリ2の体積をさらに減少させることができる。上述の第1〜第3の実施形態ではさらに、必要に応じて補熱工程を備えてもよい。補熱工程はたとえば、縮径圧延工程の後であって型鍛造工程の前に実施される。補熱工程では、ビレット7を周知の加熱炉で加熱して、型鍛造に適した温度にする。
上述の第1〜第3の実施形態では、主にクランクシャフト1の製造方法及びその製造設備について説明した。しかしながら、本実施形態の型鍛造部材の製造方法及びその製造設備は、クランクシャフト1以外の型鍛造部材にも適用できる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 クランクシャフト
3 加熱炉
4 傾斜圧延機
40 傾斜ロール
5 型鍛造機
7 ビレット
70、71 ビレット端面
72 ビレット側面
8 据込鍛造機
81、82 据込鍛造金型
810、820 テーパー穴
811、821 据込鍛造金型のビレット対向面
812、822 据込鍛造金型の裏面
813、823 テーパー穴の内周面
83 据込駆動機構
91、92 拘束工具
93、94 拘束工具支持機構
910、920 拘束工具の拘束面
95、96 弾性部材
600 振り分け機構

Claims (12)

  1. 上流から下流に向かって順に、加熱炉、3つの傾斜ロールを備える傾斜圧延機、及び、型鍛造機を備える製造設備を用いて製造される、型鍛造部材の製造方法であって、
    前記加熱炉でビレットを加熱する加熱工程と、
    加熱された前記ビレットを前記傾斜圧延機で縮径圧延して所望の外径に調整する縮径圧延工程と、
    前記外径を調整された前記ビレットを前記型鍛造機で型鍛造する型鍛造工程とを備える、型鍛造部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の型鍛造部材の製造方法であってさらに、
    前記製造設備はさらに、前記加熱炉と前記傾斜圧延機との間に据込鍛造機を備え、
    前記製造方法は、
    前記加熱工程後であって前記縮径圧延工程前に、前記据込鍛造機を用いて前記ビレットに対して据込鍛造を実施し、前記ビレットの端部をテーパー形状にする据込鍛造工程を備える、型鍛造部材の製造方法。
  3. 請求項2に記載の型鍛造部材の製造方法であってさらに、
    前記加熱工程後であって前記据込鍛造工程前に、据込鍛造対象の前記ビレットを前記据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外の前記ビレットを前記傾斜圧延機に供給する振り分け工程を備え、
    前記据込鍛造工程では、据込鍛造対象の前記ビレットを据込鍛造し、
    前記縮径圧延工程では、前記据込鍛造工程後の前記ビレット、及び、据込鍛造対象外の前記ビレットを縮径圧延する、型鍛造部材の製造方法。
  4. 請求項3に記載の型鍛造部材の製造方法であって、
    前記振り分け工程では、前記縮径圧延工程における前記ビレットの圧下量に応じて、据込鍛造対象の前記ビレットを前記据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外の前記ビレットを前記傾斜圧延機に供給する、型鍛造部材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の型鍛造部材の製造方法であって、
    前記型鍛造部材はクランクシャフトである、型鍛造部材の製造方法。
  6. 第1端面と、前記第1端面と反対側の第2端面と、前記第1端面と前記第2端面との間の側面とを含むビレットを加熱する加熱炉と、
    前記加熱炉の下流に配置され、3つの傾斜ロールを備え、前記ビレットを縮径圧延して所望の外径に調整する傾斜圧延機と、
    前記傾斜圧延機の下流に配置され、所望の型鍛造部材の形状の型を備え、外径を調整された前記ビレットを型鍛造して所望の型鍛造部材の形状にする型鍛造機とを備える、型鍛造部材の製造設備。
  7. 請求項6に記載の型鍛造部材の製造設備であってさらに、
    前記加熱炉と前記傾斜圧延機との間に配置され、
    前記据込鍛造時の前記ビレットの前記第1端面に対向する第1テーパー穴を含む第1ビレット対向面と、前記第1ビレット対向面と反対側に配置される第1裏面とを含む第1据込鍛造金型と、
    前記据込鍛造時の前記ビレットの前記第2端面に対向する第2テーパー穴を含む第2ビレット対向面と、前記第2ビレット対向面と反対側に配置される第2裏面とを含む第2据込鍛造金型と、
    前記第1据込鍛造金型を、据込鍛造時の前記ビレットの軸方向に駆動可能な据込駆動機構とを備え、
    前記第1据込鍛造金型と前記第2据込鍛造金型とは、水平方向に配列され、
    前記第1テーパー穴は、
    第1内周面を含み、
    前記第1据込鍛造金型の前記第1テーパー穴の中心軸を含む断面における前記第1内周面の幅は、前記第1ビレット対向面から前記第1裏面に向かって減少し、
    前記第2テーパー穴は、
    第2内周面を含み、
    前記第2据込鍛造金型の前記第2テーパー穴の中心軸を含む断面における前記第2内周面の幅は、前記第2ビレット対向面から前記第2裏面に向かって減少する、据込鍛造機を備える、型鍛造部材の製造設備。
  8. 請求項7に記載の型鍛造部材の製造設備であって、
    前記据込鍛造機はさらに、
    前記据込鍛造時において、前記ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、前記ビレットの側面と接触する第1拘束面を含む第1拘束工具と、
    前記据込鍛造時において、前記ビレットを挟んで前記第1拘束工具の反対側であって、且つ、前記据込鍛造時の前記ビレットの軸方向中央部の軸周りに配置され、前記ビレットの側面と接触する第2拘束面を含む第2拘束工具と、
    前記第1拘束工具の前記第1拘束面と反対側に配置され、前記第1拘束工具を支持する第1拘束工具支持機構と、
    前記第2拘束工具の前記第2拘束面と反対側に配置され、前記第2拘束工具を支持する第2拘束工具支持機構とを備える、型鍛造部材の製造設備。
  9. 請求項8に記載の型鍛造部材の製造設備であって、
    前記据込鍛造機はさらに、
    前記第1拘束工具と前記第1拘束工具支持機構との間に配置される第1弾性部材と、
    前記第2拘束工具と前記第2拘束工具支持機構との間に配置される第2弾性部材とを備える、型鍛造部材の製造設備。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項に記載の型鍛造部材の製造設備であってさらに、
    据込鍛造対象の前記ビレットを前記据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外の前記ビレットを前記傾斜圧延機に供給する振り分け機構を備え、
    前記据込鍛造機は、据込鍛造対象の前記ビレットを据込鍛造し、
    前記傾斜圧延機は、据込鍛造後の前記ビレット、及び、据込鍛造対象外の前記ビレットを縮径圧延する、型鍛造部材の製造設備。
  11. 請求項10に記載の型鍛造部材の製造設備であって、
    前記振り分け機構は、前記傾斜圧延機での前記ビレットの圧下量に応じて、据込鍛造対象の前記ビレットを前記据込鍛造機に供給し、据込鍛造対象外の前記ビレットを前記傾斜圧延機に供給する、型鍛造部材の製造設備。
  12. 請求項6〜11のいずれか1項に記載の型鍛造部材の製造設備であって、
    前記型鍛造部材はクランクシャフトである、型鍛造部材の製造設備。
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