JP6858675B2 - アンペロプシンとポリグルタミン酸を含有する飲食品 - Google Patents

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Description

本発明は、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含有する飲食品に関する。
アンペロプシンは、藤茶に含有されるフラボノール化合物である。
アンペロプシンを含む植物である藤茶は、中国を主産地とするブドウ科蛇葡萄属に分類され、中国名を顕歯蛇葡萄という。学名は、Ampelopsis grossedentataである。この植物は、主には中国の広西、広東、雲南、貴州、湖南、湖北、江西、福建などの省並びに自治区に分布している。中国の広西、湖南などの省や自治区の壮族や瑶族の人々がこの茎および葉から作った飲料をお茶として常用しており(これを「藤茶」と呼んでいる)、また風邪、のどの痛みなどにも利用されている。アンペロプシンは、藤茶の示す各種生理活性や薬理活性、例えば肝臓疾患の治療作用(特許文献1)、リパーゼ阻害作用(特許文献2)、マトリックスプロテアーゼ阻害作用(特許文献3)、抗菌作用(特許文献4)、香料の劣化防止作用(特許文献5)、色素の退色防止作用(特許文献6)等の作用や活性の本体として特定されている。また本出願人は、食塩摂取によって発生する食塩依存性高血圧を抑制する作用を見いだし、高血圧改善用組成物としてすでに特許出願(特願2017−053146)している。
上記の飲料(藤茶の抽出物含有飲料)に含まれるアンペロプシン量は、時間の経過とともに速やかに減少する。すなわちアンペロプシンは、水に溶解または分散した状態では極めて不安定である。この事実を本発明者らは、これまでの研究により確認しており、アンペロプシンは水の存在下では極めて不安定な物質であると言うことができる。このため、アンペロプシンを安定状態で摂取できる飲食品とするためには、飲食時に上記の藤茶から抽出し、速やかに飲用するか、抽出後速やかに水分を除去し、乾燥物としなければ、血圧低下効果を期待できない。
このようなアンペロプシンの不安定さが、藤茶や藤茶抽出物を含有する飲食品の普及を妨げていることは明らかである。しかしアンペロプシンを水溶液中で安定化する技術は、未だ提供されていない。
一方、上記の食塩依存性高血圧を抑制するというアンペロプシンの作用は、食事によって摂取する一日当たりの食塩量を減量することで、さらに効果を高めることが可能である。しかし食事の塩分を減量することは、食品の塩味が低下することであり、これは食欲の低下に直結する。したがって食事由来の塩分摂取量を低下させることは、食生活習慣の改善が必要であり、実際には難しい。このため、塩味を低下させずに食事中の食塩含量を低下させる目的で、食塩に変えて塩化カリウムを使用する方法や、各種のアミノ酸を添加する方法(特許文献7)、ポリグルタミン酸を添加する方法(特許文献8)などが提案されている。
特開2003−26584号公報 特開2003−12536号公報 特開2002−173424号公報 特開2002−159566号公報 特開2004−18756号公報 特開2002−65201号公報 特開2002−345430号公報 国際公開第2007/108558号
本発明者らは、塩味の欲求を満たしながら、血圧降下作用を有する飲食品として、ポリグルタミン酸とアンペロプシンを含有する飲食品について研究を行ってきた。その過程で、アンペロプシン及びポリグルタミン酸は、いずれも水溶液中で不安定化し、とくにアンペロプシンはポリグルタミン酸の濃度が高くなると、減少する速度が高くなることが判明した。このため、アンペロプシンを安定化する技術を検討した。
すなわち、本発明の課題は、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含有し、アンペロプシンを安定化した飲食品組成物を提供することを課題とする。
本発明の主な構成は以下の通りである。
(1)アンペロプシンとポリグルタミン酸と有機酸を含有し、組成物当たりアンペロプシン0.005〜1質量%、ポリグルタミン酸0.01〜3質量%、有機酸0.003〜0.3質量%を含有する飲食品組成物。
(2)有機酸が、グルコン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸から選択される1以上の物質である(1)に記載の飲食品組成物。
(3)pHが2.5〜5である(1)または(2)に記載の飲食品組成物。
(4)アンペロプシンが藤茶抽出物に由来するものである(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
本発明により、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含有する安定な飲食品が提供される。アンペロプシンの安定化のために有機酸としてグルコン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸から選択される1以上の物質を配合した飲食品組成物は、清涼飲料水、乳飲料、乳酸菌飲料、緑茶飲料、紅茶飲料、果汁飲料、野菜飲料、発酵乳、ゼリー、アイスクリーム、氷菓など水分を多く含む飲食品に適用可能である。特に緑茶飲料や紅茶飲料などの茶飲料として好ましい風味を持ち、長期間保存してもアンペロプシンが減少しない。
また、本発明の組成物は、ポリグルタミン酸を含有するため、食事の際に飲用すると、摂取する食品に好ましい塩味感を与えるため、食品の食塩を減塩することが可能となる。また飲食時に摂取することで、アンペロプシンの血圧抑制効果と相乗的に作用して血圧を正常にコントロールすることができる。
本発明は、アンペロプシンとポリグルタミン酸と有機酸を含有し、組成物当たりアンペロプシン0.005〜1質量%、ポリグルタミン酸0.01〜3質量%、有機酸0.003〜0.3質量%を含有する飲食品組成物に係る発明である。
藤茶は、上記したとおり、ブドウ科蛇葡萄属の植物であり、中国名を顕歯蛇葡萄という。学名は、Ampelopsis grossedentataである。主には中国の広西、広東、雲南、貴州、湖南、湖北、江西、福建などの省並びに自治区に分布している
アンペロプシンは、下記の式で表される化合物である。
Figure 0006858675
アンペロプシンは、例えば、藤茶(Ampelopsis grossedentata)、大叶蛇葡萄(Ampelopsis megalophylla)、広東蛇葡萄(Ampelopsis cantoniensis)、ケンポナシ(Hovenia dulcis)、オノエヤナギ(Salix sachalinensis)、ヨレハマツ(Pinus contorta)、Erythrophleum africanum及びカツラ(Cercidiphyllum japonicum)から選ばれる植物の抽出物から単離精製することができる。これらの中でも、藤茶が好ましい。
具体的には、Ampelopsis属植物である藤茶(Ampelopsis grossedentata)から、下記のようにしてアンペロプシンを得ることができる。
すなわち、乾燥させた藤茶の枝葉部を含水エタノールで抽出した抽出物を濃縮し、例えば多孔性樹脂(DIAION HP−20)を用いたカラムクロマトグラフィーにかけ、80容量%含水メタノールで溶出される分画にアンペロプシンが得られる。これを逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶により、更に精製することができる。精製されたアンペロプシンは、試薬としても販売されており、これを用いることもできる。
健康食品などの飲食品組成物には、上記のアンペロプシンを10質量%以上含有する市販の抽出物が使用可能である。このような抽出物を藤茶から得るためには以下のような操作を行う。
乾燥した藤茶の葉又は茎の粉砕物又は粉末を抽出原料とし、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより得ることができる。
抽出に用いる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。
また、上記の親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して30〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して10〜40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して10〜90質量部添加することが好ましい。
抽出溶媒を満たした処理槽に、藤茶の乾燥・粉砕物を投入し、必要に応じて時々撹拌しながら、30分〜2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、この抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は、抽出原料の通常5〜15倍量(質量比)であることが好ましく、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られる。さらに乾燥すれば、固形の抽出物が得られる。本発明においては、アンペロプシンの含有量が10質量%以上、好ましくは20質量%以上であれば、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても良い。これらは、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配などの方法により精製してから用いても構わない。
したがって、上記の藤茶から抽出しアンペロプシンの濃度を高めた抽出物も本発明飲食品原料として使用可能である。
組成物中のアンペロプシンの含有量は、HPLCなど公知の方法で分析することができる。定量方法の概略は次のとおりである。
・試料溶液の調製
試料(抽出物)約20mgを精秤し、蒸留水を加えて超音波処理して溶解し、正確に50mLとする。この溶液2mLを50mLに正確に希釈し、試料溶液とする。
・標準溶液の調製と検量線作成
標準品(Dihydromyricetin SIGMA−ALDRICH社製)2.00mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、さらにアセトニトリルを加えて正確に25mLとし、アンペロプシン標準原液80μg/mLを調製する。この標準原液を蒸留水にて正確に5倍希釈して、16μg/mLアンペロプシン標準溶液を調製する。HPLCへの注入量を10、20、40μLとし、アンペロプシンのピークに基づいて検量線を作成する。なおこの測定方法は飲食品に含有されるアンペロプシンの定量に当たっても採用できる。
・HPLC測定条件
下記表1に示す標準的な測定条件で測定することができる。
Figure 0006858675
アンペロプシンは、キマーゼ阻害作用を有しており、レニン・アンジオテンシン系による血圧上昇を抑制する。
キマーゼは、肥満細胞が産生分泌するキモトリプシン様の酵素である。ヒト血管に従来のレニン・アンジオテンシン(RA)系に属さない、アンジオテンシン(Ang)II産生機構が存在することが知られていた。この生成機構に係るセリンプロテアーゼがキマーゼであることが近年判明した。AngIIは、循環系において、血圧調節のみならず、最近は、広く臓器障害と見なされる病的組織リモデリングにかかわる因子として注目されている。
レニンの作用によって、アンジオテンシノーゲンから、アミノ酸10残基から成るアンジオテンシンIが作り出される。その後、これがアンジオテンシン変換酵素(ACE)、キマーゼ、カテプシンGの働きによってC末端の2残基が切り離され、アンジオテンシンII(AngII)に変換される。ヒトキマーゼは、循環血中ではなく、ヒト組織で作用する特異的なAngII産生酵素であると考えられている。
キマーゼ活性阻害活性(in vitro)は、Eur J Biochem 268(22),5885−5893(2001)に記載された方法に変更を加えた以下の方法で試験することで確認できる。
この評価方法では、ヒトキマーゼの基質となるアンジオテンシンIをDnp/Nma修飾した基質を用い、キマーゼがこの基質を切断し、アンジオテンシンIIを産生すると蛍光発色することを利用する簡易的な方法である。以下に当該評価方法の概要を記述する。
インキュベーションバッファーは100mM NaCl含有20mMリン酸緩衝液で総インキュベーション溶液量は100μLである。まず、サンプルを5μL加え、そこへ標準ヒトキマーゼ(SIGMA−ALDRICH社製)が0.0012単位含まれるように調整し、室温で前インキュベーションを30分施行後、基質であるDnp/Nma修飾アンジオテンシンIを最終濃度が200μMになるように加え、37℃で30分インキュベーションする。0.5M NaOHを25μL加えてインキュベーションを終了する。産生されたDnpアンジオテンシンIIの発光蛍光(460nm)を測定し、標準DnpアンジオテンシンIIによって作成した標準曲線から産生量を計算する。試験試料を加えないコントロールを対照として、検定サンプルのヒトキマーゼ活性阻害及び阻害率を求める。
精製アンペロプシンは、200μMの濃度でキマーゼ活性を100%抑制する。
また、高血圧に対する改善効果は、2%食塩水を12週間自由摂水の状態で与えて高血圧にしたモデル動物(マウス)に対して経口投与することで効果を確認できる。アンペロプシンは200mg/kg(体重)投与することで、食塩によって誘発される高血圧を改善する。
本発明の飲食品組成物には、上記の藤茶抽出物をそのまま、あるいは水等に希釈して添加する。飲食品には、アンペロプシンの薬理効果あるいは生理効果を発現させるために、アンペロプシンとして0.005〜1質量%を配合する。0.005質量%未満の場合は、高血圧改善作用などの薬理効果あるいは生理効果を期待できず、1質量%を超えた場合、アンペロプシン特有の収れん味や苦味が強くなる。
また、本発明においては、ポリグルタミン酸を0.01〜3質量%、有機酸を0.003〜0.3質量%配合する。なおポリグルタミン酸の濃度が0.01質量%未満の場合、食品への塩味補強効果がなく、3質量%を超えると飲食品としての風味に影響を及ぼすため好ましくない。本発明の飲食品は、酸又はアルカリ水溶液を用いて、pH2.5〜6に調整する。pHが6を超えると時間の経過と共にアンペロプシンが減少する。
ポリグルタミン酸(Poly−γ−Glutamic Acid)はD−グルタミン酸とL−グルタミン酸が混在したアミノ酸のポリマー(高分子体)で、そのDL比はおよそ8:2となっている。この物質は多数のマイナスイオンを持っているところに特徴があり、納豆のネバはこのグルタミン酸が30〜5000個結合したポリマーである。本発明に用いるポリグルタミン酸は、納豆の粘質物中のγ−ポリグルタミン酸を抽出して用いてもよく、納豆菌等のバチルス属の菌体外に分泌するγ−ポリグルタミン酸を用いてもよい。また、納豆粘質物中の、あるいは納豆菌が同時に分泌するレバンを含んでいても何ら支障がない。ポリグルタミン酸は、化学合成、酵素合成の他、納豆菌等のバチルス属の菌体を用いた培養により製造することができる。納豆菌から製造する技術は公知であり、国際公開第2003/049771号に開示された方法で製造しても良い。納豆菌等を用いた場合には、納豆の粘質物中に含まれるポリグルタミン酸を抽出することや、菌体が菌体外に分泌するポリグルタミン酸を用いることができる。
一般に納豆粘質物中のポリグルタミン酸やバチルス属が通常の培養条件で分泌するポリグルタミン酸は、高分子量体であり非常に粘性が高いため、用途に応じて、酸あるいは酵素による低分子化処理をすることができる。
またポリグルタミン酸はカルシウム吸収促進作用を有しており、カルシウム吸収促進用の食品添加物として市販されている。これを用いることもできる。市販品として味の素(株)製の商品名「カルテイク」を例示できる。
本発明に使用する有機酸としては、飲食品に配合可能な有機酸であればどのようなものでも良い。イタコン酸、シトラコン酸、クエン酸、酢酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、フタル酸、シュウ酸、フィチン酸を例示することができる。好ましくは有機酸が、グルコン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸から選択される物質、あるいはこれらの酸の1以上の混合物である。
本発明の技術の適用可能な飲食品としては、清涼飲料水、乳飲料、乳酸菌飲料、緑茶飲料、紅茶飲料、果汁飲料、野菜飲料、発酵乳、ゼリー、アイスクリーム、氷菓などを例示できるが、かならずしもこれらに限定されるものではない。
本発明の飲食品組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の食品添加物や果汁等を使用することができる。具体的には、へミセルロース、リグニン、グアガム、コンニャクマンナン、イサゴール、アルギン酸、寒天、カラギーナン、キチン、カルボキシルメチルセルロース、ポリデキストロースなどの食物繊維や増粘剤、食用油、カルシウム、鉄、ナトリウム、亜鉛、銅、カリウム、リン、マグネシウム、ヨウ素、マンガン、セレンなどのミネラル類、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などの脂溶性又は水溶性のビタミン群、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカントガム、ローカストビーンガムなどの乳化剤や分散剤、増量剤、賦形剤、保存料・酸化防止剤、風味調整剤や香料、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グリシンなどの呈味料マルチトール、アスパルテームなどの低カロリー甘味料、着色剤などである。
以下にアンペロプシンの製造例及びこのアンペロプシンを用いた試験例を示し、本発明をさらに説明する。
<藤茶抽出物の製造例1>
乾燥藤茶1重量部(200g)に対して水を15倍量加え90℃に加熱し、1時間抽出しろ過を行い、1番抽出液を得た。次いでこの残渣に水を12倍量加え、90℃に加熱し、その後ろ過を行い、2番抽出液を得た。両抽出液を合算し、減圧濃縮し、濃縮液約300mLを−40℃で凍結し、さらに凍結乾燥装置で乾燥し、乾燥物を得た。これを粉砕し、60メッシュの篩で篩い分けし、通過物85gを得た。この組成物中のアンペロプシン含有量は65.8質量%であった。
<藤茶抽出物の製造例2>
乾燥藤茶1重量部(200g)に対して50%エタノール水溶液を15倍量加え、還流冷却機を付して加熱し、1時間抽出しろ過を行い、1番抽出液を得た。次いでこの残渣に同様に50%エタノール水溶液を12倍量加え、90℃に加熱し、30分間抽出しろ過を行い、2番抽出液を得た。両抽出液を合算し、減圧濃縮し、濃縮液約300mLを−40℃で凍結し、さらに凍結乾燥装置で乾燥し、乾燥物を得た。これを粉砕し、60メッシュの篩で篩い分けし、通過物78.1gを得た。この組成物中のアンペロプシン含有量は52.9質量%であった。
<藤茶抽出物の製造例3>
製造例1と同様に、乾燥藤茶1重量部に対して水を15倍量加え90℃に加熱し、1時間抽出しろ過を行い、1番抽出液を得た。次いでこの残渣に水を12倍量加え、90℃に加熱し、30分間抽出しろ過を行い、2番抽出液を得た。両抽出液を合算し、減圧濃縮し、濃縮液約300mLを得た。さらにグアガム分解物を、濃縮液中に78g添加し、−40℃で凍結し、さらに凍結乾燥装置で乾燥し、乾燥物を得た。これを粉砕し、60メッシュの篩で篩い分けし、通過物163.1gを得た。この組成物中のアンペロプシン含有量は24.7質量%であった。
<藤茶抽出物の製造例4>
製造例1と同様に、乾燥藤茶1重量部に対して水を15倍量加え90℃に加熱し、1時間抽出しろ過を行い、1番抽出液を得た。次いでこの残渣に水を12倍量加え、90℃に加熱し、30分間抽出しろ過を行い、2番抽出液を得た。両抽出液を合算し、減圧濃縮し、濃縮液約300mLを得た。さらにγシクロデキストリンを、濃縮液中に78g添加し、−40℃で凍結し、さらに凍結乾燥装置で乾燥し、乾燥物を得た。この組成物中のアンペロプシン含有量は26.4質量%であった。
<試験例1>
ポリグルタミン酸によるアンペロプシンの不安定化作用確認試験
1.試験方法
アンペロプシン含有量89.9質量%の藤茶抽出物を用いて、アンペロプシン100ppm(0.1質量%)、300ppm(0.3質量%)、1000ppm(1質量%)を含有する水溶液を調製した。この水溶液にポリグルタミン酸(味の素(株)製「カルテイク」)を添加してアンペロプシンの保存安定性に対する効果を評価した。
なお、上記の濃度のアンペロプシン水溶液にポリグルタミン酸を表2の濃度になるように溶解させた。次いで各試験液のpHを測定した。その後、60℃で1週間保存後、アンペロプシン含有量を液体クロマトグラフィーにて分析した。
液体クロマトグラフィーでの測定は以下の手順に従って実施した。
(1)使用試薬
・アセトニトリル(HPLC用)
・蒸留水
・リン酸(試薬特級)
・0.1%リン酸水溶液
・アンペロプシン標準品(アンペロプシン含有量≧98%
(HPLC SIGMA−ALDRICH社製))
(2)HPLC法
カラム:InertSustainC18 内径3.0mm×長さ100mm、
粒径3μm(ジーエルサイエンス(株)製)
移動相:A液・・・0.1%リン酸水溶液、B液・・・アセトニトリル、
A/B・・・85/15
カラム温度:40℃
検出波長:UV290nm
流速:1.0mL/min
注入量:2μL
(3)試料及び標準溶液濃度
・試料溶液の調製
試料1mLをアセトニトリルに溶解し、正確に10mLとしたものを試料溶液とする。
・標準溶液の調製
アンペロプシン標準品10mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、アセトニトリルを加えて正確に50mLとした、アンペロプシン標準原液200μg/mLを調製後、0.625、1.25、2.5、5、10、20μg/mLとなるようアセトニトリルにて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液および標準溶液それぞれ2μLを(2)の条件のHPLCに注入し、アンペロプシンの面積を求め標準溶液から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、アンペロプシン含有量を算出した。
2.試験結果
試験結果を下記の表2に示す。
Figure 0006858675
表2のとおり市販のポリグルタミン酸は、高濃度になるほどアンペロプシンが不安定化することが判明した。またアンペロプシン単独でも水溶液中では30〜40%程度減少することが判明した。
<試験例2>
アンペロプシンを安定化する物質の探索
試験例1の結果から、アンペロプシン水溶液は30〜40%程度不安定化するため、これを安定化する物質を探索した。
市販の成分によるアンペロプシン安定化物質の探索試験
1.試験方法
アンペロプシン含有量89.9質量%の藤茶抽出物を調製し、これを用いて、アンペロプシン100ppmを含有する水溶液を調製した。この水溶液に予め予備試験を行って選別した市販の各種天然物由来酸化防止剤、あるいは有機酸を添加してアンペロプシンの保存安定性に対する効果を評価した。
アンペロプシン水溶液に評価対象物質を表3の濃度で溶解させた。次いで各試験液のpHを測定した。その後、60℃で1週間保存後、アンペロプシン含有量を液体クロマトグラフィーにて分析した。
液体クロマトグラフィーでの測定は以下の手順に従って実施した。
(1)使用試薬
・アセトニトリル(HPLC用)
・蒸留水
・リン酸(試薬特級)
・0.1%リン酸水溶液
・アンペロプシン標準品(アンペロプシン含有量≧98%
(HPLC SIGMA−ALDRICH社製))
(2)HPLC法
カラム:InertSustainC18 内径3.0mm×長さ100mm、
粒径3μm(ジーエルサイエンス(株)製)
移動相:A液・・・0.1%リン酸水溶液、B液・・・アセトニトリル、
A/B・・・85/15
カラム温度:40℃
検出波長:UV290nm
流速:1.0mL/min
注入量:2μL
(3)試料及び標準溶液濃度
・試料溶液の調製
試料1mLをアセトニトリルに溶解し、正確に10mLとしたものを試料溶液とする。
・標準溶液の調製
アンペロプシン標準品10mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、アセトニトリルを加えて正確に50mLとした、アンペロプシン標準原液200μg/mLを調製後、0.625、1.25、2.5、5、10、20μg/mLとなるようアセトニトリルにて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液および標準溶液それぞれ2μLを(2)の条件のHPLCに注入し、アンペロプシンの面積を求め標準溶液から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、アンペロプシン含有量を算出した。
2.試験結果
試験結果を下記の表3に示す。
Figure 0006858675
表3のとおり市販の天然酸化防止剤はあまり効果がなく、フィチン酸、酒石酸、リンゴ酸に高い安定性効果が認められた。
この試験結果から有機酸にアンペロプシンを安定化する作用があることが判明した。
<試験例3>
アンペロプシンとポリグルタミン酸を含む水溶液を安定化する物質の探索試験
試験例1、試験例2の結果から、有機酸を用いて、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含む水溶液の安定化作用を評価した。
1.試験方法
アンペロプシン含有量89.9質量%の藤茶抽出物を用いて、アンペロプシン300ppm(0.03質量%)を含有する水溶液を調製した。この水溶液にポリグルタミン酸(味の素(株)製「カルテイク」)を0.1質量%になるように添加した溶液を調製した。この水溶液にビタミンC0.1質量%、クエン酸0.05質量%、グルコン酸0.1質量%、発酵乳酸0.05質量%、コハク酸0.1質量%を添加して、アンペロプシンの保存安定性に対する効果を評価した。
各試験液のpHを測定した後、60℃で1週間保存後、アンペロプシン含有量を液体クロマトグラフィーにて分析した。
液体クロマトグラフィーでの測定は以下の手順に従って実施した。
(1)使用試薬
・アセトニトリル(HPLC用)
・蒸留水
・リン酸(試薬特級)
・0.1%リン酸水溶液
・アンペロプシン標準品(アンペロプシン含有量≧98%
(HPLC SIGMA−ALDRICH社製))
(2)HPLC法
カラム:InertSustainC18 内径3.0mm×長さ100mm、
粒径3μm(ジーエルサイエンス(株)製)
移動相:A液・・・0.1%リン酸水溶液、B液・・・アセトニトリル、
A/B・・・85/15
カラム温度:40℃
検出波長:UV290nm
流速:1.0mL/min
注入量:2μL
(3)試料及び標準溶液濃度
・試料溶液の調製
試料1mLをアセトニトリルに溶解し、正確に10mLとしたものを試料溶液とする。
・標準溶液の調製
アンペロプシン標準品10mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、アセトニトリルを加えて正確に50mLとした、アンペロプシン標準原液200μg/mLを調製後、0.625、1.25、2.5、5、10、20μg/mLとなるようアセトニトリルにて適宜希釈し、標準溶液とする。試料溶液および標準溶液それぞれ2μLを(2)の条件のHPLCに注入し、アンペロプシンの面積を求め標準溶液から検量線(y=bx+a:a=切片、b=傾き)を求め、アンペロプシン含有量を算出した。
2.試験結果
試験結果を下記の表4に示す。
Figure 0006858675
表4のとおり、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含有する水溶液に、グルコン酸0.1質量%、発酵乳酸0.05質量%、コハク酸0.1質量%、リンゴ酸0.05質量%・0.1%、酒石酸0.05質量%・0.1質量%、フィチン酸0.05質量%・0.1質量%を添加すると、いずれも対照とする無添加の試験液に比べて10%以上、保存試験におけるアンペロプシンの安定化が改善した。
以上の試験例1〜試験例3の結果から、アンペロプシンが水と共存していると、当該アンペロプシンは極めて不安定で速やかに減少し、ポリグルタミン酸が共存すると減少が加速すること、また、このアンペロプシンとポリグルタミン酸を含む水溶液に有機酸を添加し、溶液のpHを5以下とするとアンペロプシンが安定化することが確認された。
したがって、アンペロプシンとポリグルタミン酸を含む組成物には、有機酸を添加し、pHを5以下にすることが効果的であることが判明した。
<飲料の製造例>
Figure 0006858675
乾燥した藤茶の葉6gに水を300g加え、100℃で(沸騰させ)、15分間抽出した。
これを冷却後濾過したものを藤茶抽出液とした。
この藤茶抽出液に、表5のとおり、藤茶エキス末、発酵乳酸、ポリグルタミン酸を
加えて溶解させた。最後に水を加えて全量を100gとし茶飲料とした。
この茶飲料のpHは3.96で、飲用すると好ましい風味を有しており、嗜好性の高い製品となった。

Claims (4)

  1. アンペロプシンとポリグルタミン酸と有機酸を含有し、組成物当たりアンペロプシン0.005〜1質量%、ポリグルタミン酸0.01〜3質量%、有機酸0.003〜0.3質量%を含有する飲食品組成物。
  2. 有機酸が、グルコン酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、フィチン酸から選択される1以上の物質である請求項1に記載の飲食品組成物。
  3. pHが2.5〜5である請求項1又は2に記載の飲食品組成物。
  4. アンペロプシンが藤茶抽出物に由来するものである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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