JP2004018756A - 香料の劣化防止剤及び飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に添加することにより優れた香料の劣化防止効果を付与し得ると共に、飲食品の風味を損なうことのない香料の劣化防止剤の提供。
【解決手段】藤茶の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする香料の劣化防止剤である。藤茶の枝葉部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する態様が好ましい。また、有効成分の主成分がアンペロプシンである態様が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】藤茶の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする香料の劣化防止剤である。藤茶の枝葉部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する態様が好ましい。また、有効成分の主成分がアンペロプシンである態様が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、香料の劣化防止剤に関し、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に添加することにより優れた香料の劣化防止効果を付与し得ると共に、飲食品の風味を損なうことのない香料の劣化防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食品分野において、香料は、飲食品の製造工程又は加工工程で、香気を付与又は増強する目的で使用されるものである。このような香料は、通常1種又は2種以上の揮発性の香気成分から構成されており、その香気成分は天然の植物、動物、鉱物などから抽出して得たもの、又は化学合成して得たものを調合又は配合して、天然の香りと同等若しくはそれ以上の香りを連想させる香料に調整している。
【0003】
これらの香料は、飲食品のあらゆる分野で使用されており、飲食品の「顔」と呼ばれるほど、重要な役割を果たしている。しかしながら、これら香料は加熱したり、光に照射されたり、空気に酸化されたりすることにより、劣化、変質してしまうという問題がある。
【0004】
このため、香料の劣化を防止する方法について様々な提案がなされている。例えば、(i)容器を特別なものとして遮光を行う方法、(ii)窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下において酸化を防ぐ方法、(iii)アスコルビン酸、エリソルビン酸等の合成抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法、(iv)カテキン類、クロロゲン酸、没食子類、タンニン類などの天然抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法(特開平4−27374号公報、特開平6−38723号公報、特開平9−221667号公報等)、などが提案されている。
【0005】
しかしながら、前記(i)の容器を特別なものにして遮光する方法はコスト面で大きな負担になるという問題がある。また、前記(ii)の窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気を用いる方法は一部の飲食品にしか利用することができず、汎用性に欠けるという問題がある。
【0006】
一方、前記(iii)及び(iv)の酸化防止剤を添加する方法は簡便であり、汎用性も広いという利点があり利用される場合が多いが、効果が十分でないこと、抗酸化剤そのものが持つ風味が飲食品の風味に悪影響を与えるという欠点がある。また、前記(iii)の合成抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法は、人体に対する影響の面から問題がある。
【0007】
このため、天然物を原料とした安全性の高い香料の劣化防止剤が種々提案されている。例えば、ヤマモモ科植物のヤマモモの有機溶媒抽出物による香料の安定化方法(特開平6−108087号公報)、南天の葉の抽出エキスを有効成分とする香料の劣化防止剤(特開平8−231979号公報)、紅木紫檀の木部より抽出される有効成分を含有する天然抗酸化剤(特開平9−104864号公報)、ヒマワリの種子から水及び/又はアルコールで抽出される成分とカテキン類、更に金属封鎖剤を含む飲料用香味劣化防止剤(特開平7−132073号公報、特開平7−75535号公報)、金属封鎖剤とコーヒー豆から水および又はアルコールで抽出される成分、更にフラボノ−ル類を含む飲料用香味劣化防止剤(特開平7−135938号公報)、金属封鎖剤、フラボノ−ル類、ヒマワリ抽出物からなる群の1種又は2種以上と、リンゴ抽出物とを含む飲料用香味劣化防止剤(特開平8−23940号公報)、紫さつまいも色素を含有する飲食品の香味増強・改善剤(特開平11−146766号公報)、などが提案されている。
【0008】
しかしながら、より香料の劣化防止効果が強く、長期に亘って優れた香味効果が維持し得、しかも、飲食品の風味に悪影響を与えることのない安全かつ安価な香料の劣化防止剤の提供が強く望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、藤茶抽出物を有効成分として含み、長期に亘って優れた香味が維持し得、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品の風味に影響を与えることがなく、安全かつ安価で大量生産可能な香料の劣化防止剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために、数多くの植物成分を用いて香料の劣化の防止効果について鋭意研究を重ねた結果、藤茶の抽出物が飲食品の風味に何ら悪影響を及ぼすことなく香料の品質劣化を防止できることを知見した。
【0011】
即ち、藤茶抽出物、特にアンペロプシンを有効成分として含有する香料の劣化防止剤が、意外にも優れた香料の劣化、変質を防止する効果を有しており、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に長期間に亘って優れた香味を付与できると共に、飲食品に添加した場合、飲食品の風味に何ら悪影響を与えることなく、却って、風味の向上を図ることができ、安全かつ安価に大量生産可能なものであることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
従って、本発明は、前記課題を解決するため、下記の香料の劣化防止剤及び飲食品を提供する。
請求項1の発明は、藤茶抽出物を有効成分として含むことを特徴とする香料の劣化防止剤である。
請求項2の発明は、藤茶の枝葉部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する請求項1に記載の香料の劣化防止剤である。
請求項3の発明は、有効成分の主成分がアンペロプシンである請求項1又は2に記載の香料の劣化防止剤である。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の香料の劣化防止剤を含有することを特徴とする飲食品である。
請求項5の発明は、飲食品が、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類及び漬物のいずれかである請求項4に記載の飲食品である。
【0013】
なお、前記藤茶の成分研究については、葉部からアンペロプシンと呼ばれるフラボノイドを単離したという報告(中国薬学雑誌,vol.31,458〜461,1996年)があるが、単離されたアンペロプシンの薬理作用については血圧降下作用が報告されているにすぎなかった。
また、最近の研究によって、藤茶枝葉部抽出物について血小板凝集抑制作用、活性酸素消去作用、抗菌作用、消臭作用、退色防止作用、チロシナーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用が報告されている。
しかしながら、藤茶枝葉部の抽出物が清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に添加することにより優れた香料の劣化防止効果を有することは、全く知られておらず、このことは本発明者の新知見である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の香料の劣化防止剤は、藤茶抽出物を有効成分として含み、特に有効成分の主成分がアンペロプシンであることを特徴とするものである。
【0015】
ここで、藤茶〔Ampelopsis cantoniensis(Hook.et arn.)Panch.、Ampelopsis grossedentate(Hand.−Mazz.)W.T.Wang〕は、ブドウ科に属する植物であって、中国の中部から南部にわたる広い地域で自生する多年草の蔓性植物であり、台湾では栽培もされており、中国では古来よりその葉をお茶として用いると共に、風邪、のどの痛みなどの治療薬の民間薬としても利用されてきた安全性の高い植物である。
【0016】
なお、藤茶抽出物に含まれている香料の劣化防止効果を示す有効成分の主なものは、藤茶の枝葉部に高濃度に含まれているアンペロプシン(ampelopsin)であると考えられている。
このアンペロプシンは、藤茶抽出物中に30質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれており、特に抽出液を精製処理した場合には、アンペロプシンが80質量%以上の高濃度に含まれているものである。
【0017】
本発明の香料の劣化防止剤は、前記藤茶の枝葉部を抽出原料とし、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法により得ることができる。
【0018】
例えば、藤茶の枝葉部を生のまま又は乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。抽出に用いる溶媒としては、水又は親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒を室温乃至溶媒の沸点程度の温度で用いることが望ましい。
【0019】
この場合、前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶液などを用いることができる。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
【0020】
本発明において、香料の劣化防止成分を抽出するにあたり特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、時々攪拌して可溶成分を溶出する。その後、ろ過して抽出残渣を除き、得られた抽出液を濃縮、乾燥すると、香料の劣化防止成分を含有する抽出物を得ることができる。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜90℃で30分〜2時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30〜2時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の香料の劣化防止剤として用いることができる。
【0021】
また、得られる抽出液を脱色、脱臭、活性向上等を目的として精製することもできる。精製手段としては、特に制限されず、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配等の方法が挙げられる。例えば、セパビーズSP−207、ダイアイオンHP−20(いずれも三菱化学(株)製)等の多孔性樹脂と濃縮液とを接触させる樹脂吸着精製法などを採用することができる。なお、樹脂に吸着された有効成分は水、エタノール等で溶出させることができる。
【0022】
上述のようにして得られる抽出液又は抽出物は、いずれも原料に由来する好ましい風味を有し、そのままでも香料の劣化防止剤として利用可能であるが、必要に応じて、香料の劣化防止効果の向上や脱色及び脱臭等を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化してもよい。なお、本発明の香料の劣化防止剤は香料に加えるだけでも優れた香料の劣化防止効果を示すので、単独でも香料の劣化防止剤になり得るが、その他の酸化防止剤、助剤を併用してもよい。
【0023】
このような酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸、dL−α−トコフェロール、亜硫酸ナトリウム、カテキン、エラグ酸、酵素処理ルチン、カンゾウ油性抽出物、クエルセチン、フェルラ酸、ブドウ種子抽出物、ローズマリー抽出物、ルチン、クローブ抽出物、ヤマモモ抽出物などが挙げられる。
前記助剤としては、例えば、アラニン等のアミノ酸類、クエン酸等の有機酸又その塩類、リン酸又はその塩類、重合リン酸塩類、グリセリン脂肪酸エステル、フィチン酸などが挙げられる。これら酸化防止剤及び助剤は1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
また、製剤化に当たりアラビアガム、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、界面活性剤、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等を配合することも、藤茶抽出物の溶解促進と増量、希釈による取り扱い性の向上に有効である。また、剤形を採用することができる。
【0025】
本発明において香料とは、香気成分を含有する動植物、これらの乾燥物又は加工物をいう。例えば、香気成分を含有する動植物を焙煎、酵素処理又は加水分解処理したもの、圧搾法で得たもの、水、有機溶剤、超臨界二酸化炭素流体、亜臨界二酸化炭素流体による抽出法で得たもの、水蒸気蒸留法で得たもの、及びこれらで得たものを混合又は混和したもの等が挙げられる。更に化学的合成品である化合物を調合又は配合したものなども含まれる。
【0026】
前記香料としては、例えば、モミール、ジャスミン、ラベンダー、ローズマリー、ペパーミント、スペアミント、メリッサ、バジル、シソ、サルビア、セージ、マジョラム、タイム、アンゼリカ、キャラウエイ、クローブ、ジンジャー、シナモン、オレンジフラワー、ユーカリプタス、バニラ、イランイラン、ローズ、ジュニパーベリー、サンダルウッド、ローズウッド、サイプレス、檜、杉、松、ベルガモット、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、パッションフルーツ、コーヒー、ムスク、アンバーグリス、ミルク、などが挙げられる。
【0027】
本発明の藤茶抽出物を有効成分として含有する香料の劣化防止剤は、香料が含まれていれば添加対象に制限はなく用いることができ、優れた香料の劣化防止効果を付与することができるものであるが、特に各種飲食品に添加して用いることが好ましい。このような各種飲食品としては、例えば、食パン、菓子パン等のパン類、即席めん、キャラメル、ドロップ、キャンディー、チョコレート、チューイングガム、焼菓子、米菓子、おかき、せんべい、饅頭等の和生菓子、スナック菓子等の菓子類、乳酸菌飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、乳飲料、チーズ等の乳製品、魚肉ハム、ソーセージ、焼竹輪、かまぼこ、揚げかまぼこ等の水産加工製品、コーラ炭酸飲料、透明炭酸飲料、果汁着色炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料等の炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り飲料等の果汁飲料、緑茶、紅茶、コーヒー、野菜ジュース、トマトジュース等の嗜好飲料、チューハイ等のアルコール飲料、スポーツ飲料、ドレッシング、マヨネーズ、ソース等の調味料、らっきょう、奈良漬、たくあん等の漬物、水産物、果実、野菜等の缶詰、カレー、ミートソース、シチュー、スープ等のレトルト食品、冷凍食品、昆布、海苔等の佃煮、さきいか、塩から等の水産珍味、など数多くの各種食品に幅広く用いることができる。
これらの中でも本発明の香料の劣化防止剤は、光の照射の影響を受けやすいPETボトル、ガラス瓶、プラスチック製等の透明容器に充填された清涼飲料水などにおいて著しい香料の劣化防止効果を有するものである。
【0028】
香料の劣化防止剤として使用する藤茶抽出物の使用量は、対象物の種類、使用形態などの諸条件によって異なり、一概に規定することはできないが、通常、藤茶抽出物としての飲食品全体の0.00001〜0.5質量%範囲の添加でよく、香料成分に対して0.01〜5質量%の使用量で有効な結果が得られる。例えば、清涼飲料水に0.00001〜0.005質量%の藤茶抽出物を添加した場合、暗所に25℃前後で6ヶ月保管、暗所に50〜60℃で1週間保管しても香料に劣化は認められない。また、24時間蛍光照射される冷蔵庫内で透明容器に入れて7日間保管した場合でも、香料に劣化は認められないものである。
【0029】
本発明の香料の劣化防止剤は、飲食品本来の香料が変質、劣化することを防止できることは勿論、新たに添加した香料が変質、劣化することを防止する効果を有するものである。
【0030】
なお、本発明の香料の劣化防止剤は、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物その他の各種食品において好適に用いることができるものであるが、これらに限らず、錠剤、液状経口薬、シップ薬、トローチ、うがい薬、歯磨き、口臭防止剤、クリーム類、ドリンク剤、漢方等の保健医薬品、医薬部外品、石鹸、洗剤、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアリキッド、ムース、育毛剤、芳香剤等の化粧品及び家庭用品、キャットフード、ドックフード、観賞魚の餌などにも幅広く用いることができるものである。
【0031】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
〔製造例1〕
藤茶乾燥葉100gを抽出溶媒として2,000mLの水を入れ、80℃で2時間加熱し、可溶成分を抽出した。
得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固を行い、製造例1の香料の劣化防止剤30g(粉末)を得た(収率30%)。なお、濃縮乾固物中のアンペロプシンの含量は30質量%であった。
【0033】
〔製造例2〕
藤茶乾燥葉100gを抽出溶媒として2,000mLの水を入れ、80℃で2時間加熱し、可溶成分を抽出した。得られた抽出液を減圧下で1000mLまで濃縮し、この濃縮液に1500mLのエタノールを加えて、一晩冷却後ろ過し、濾液を得た。
得られた濾液を減圧下で濃縮乾固を行い、アンペロプシン含量測定を行った。その結果、濃縮乾固物中のアンペロプシンの含量は40質量%であった。
その後、得られた乾固物10gに対して、乳化剤0.5g、グリセリン89.5gを加え、製造例2の香料の劣化防止剤100g(液体)を得た(有効成分2.5%)。
【0034】
〔実施例1〕 清涼飲料水(レモン)
下記に示す配合処方で、実施例1の清涼飲料水(糖度:7.0、pH:3.0、殺菌条件:70℃で15分間)を作成した。
グラニュー糖 70.00g
無水クエン酸 1.25g
クエン酸ナトリウム 0.20g
レモンフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.005g
水 残部
合計 1000.00g
【0035】
〔実施例2〕 清涼飲料水(コーヒー)
下記に示す配合処方で、実施例2の清涼飲料水(糖度:7.0、pH:6.0、殺菌条件:70℃で15分間)を作成した。
グラニュー糖 70.00g
無水クエン酸 1.25g
クエン酸ナトリウム 0.20g
コーヒーフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.005g
水 残部
合計 1000.00g
【0036】
〔比較例1〕
実施例1において、製造例2の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1の清涼飲料水を作成した。
【0037】
〔比較例2〕
実施例2において、製造例2の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例2と同様にして比較例2の清涼飲料水を作成した。
【0038】
得られた実施例1,2及び比較例1,2の清涼飲料水について、下記方法で蛍光燈照射試験及び55℃保管試験を行った後、冷蔵庫(5℃)内の暗所にて1週間保管した清涼飲料水(対照)と比較して、呈味性、香りの変化を10名のパネラー(A〜J)により下記5段階で評価した。結果を表1,2に示す。
<評価基準>
1:著しく変化している
2:かなり変化している
3:少し変化している
4:わずかに変化している
5:変化なし
<蛍光燈照射試験>
作成した清涼飲料水を透明容器に入れ、冷蔵庫(5℃)内で積算照度260,000ルクスで蛍光燈照射を行った。これは24時間営業のコンビニエンスストアの冷蔵庫内でほぼ7日間放置した照度に相当する。
<55℃保管試験>
作成した清涼飲料水を透明容器に入れ、暗所にて55℃で1週間保管した。これは25℃前後の常温でほぼ6ヶ月程度保管した場合に相当する。
【0039】
【表1】蛍光燈照射試験結果
【0040】
【表2】55℃保管試験結果
なお、製造例1の香料の劣化防止剤を用いても同様の結果が得られた。
【0041】
〔実施例3〕 クッキー
下記に示す配合処方で、実施例3のクッキーを作成した(焼成温度175℃で13分)。
無塩バター 278.00g
グラニュー糖 222.00g
薄力粉 414.95g
鶏卵 65.00g
アーモンドパウダー 14.0g
ベーキングパウダー 5.0g
バニラフレーバー 1.0g
製造例1の香料の劣化防止剤 0.05g
水 残部
合計 1000.00g
【0042】
〔実施例4〕 クッキー
下記に示す配合処方で、実施例4のクッキーを作成した(焼成温度175℃で13分)。
無塩バター 278.00g
グラニュー糖 222.00g
薄力粉 414.95g
鶏卵 65.00g
アーモンドパウダー 14.0g
ベーキングパウダー 5.0g
バニラフレーバー 1.0g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.05g
水 残部
合計 1000.00g
【0043】
〔比較例3〕
実施例3において、製造例1の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例3と同様にして、比較例3のクッキーを作成した。
【0044】
得られた実施例3,4及び比較例3のクッキーについて、下記条件で65℃保管試験を行った後、冷蔵庫(5℃)内の暗所にて1ヶ月保管したクッキー(対照)と比較し、風味の変化を10名のパネラー(A〜J)により下記5段階で評価した。結果を表3に示す。
<評価基準>
1:著しく変化している
2:かなり変化している
3:少し変化している
4:わずかに変化している
5:変化なし
<65℃保管試験>
作成したクッキーを暗所にて65℃で1ヶ月保管した。これは25℃前後の常温で1年半程度保管したものに相当する。
【0045】
【表3】65℃保管試験結果
【0046】
〔配合実施例1〕 ヨーグルト飲料
下記に示す配合処方で、ヨーグルト飲料を作成した(糖度:13.5、pH:3.9、殺菌条件:85℃で2分間)。
ヨーグルト 320.00g
果糖ブドウ糖液糖(75Brix) 80.00g
グラニュー糖 20.00g
安定剤(ペクチン) 3.50g
無水クエン酸 1.30g
イチゴフレーバー 1.00g
製造例1の香料の劣化防止剤 0.0035g
水 残部
合計 1000.00g
【0047】
〔配合実施例2〕 ヨーグルト飲料
下記に示す配合処方で、ヨーグルト飲料を作成した(糖度:13.5、pH:3.9、殺菌条件:85℃で2分間)。
ヨーグルト 320.00g
果糖ブドウ糖液糖(75Brix) 80.00g
グラニュー糖 20.00g
安定剤(ペクチン) 3.50g
無水クエン酸 1.30g
イチゴフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.0035g
水 残部
合計 1000.00g
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、飲食品の風味に何ら悪影響を及ぼすことなく、香料の品質劣化を確実に防止することができ、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物その他の各種食品に好適な香料の劣化防止剤が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、香料の劣化防止剤に関し、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に添加することにより優れた香料の劣化防止効果を付与し得ると共に、飲食品の風味を損なうことのない香料の劣化防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食品分野において、香料は、飲食品の製造工程又は加工工程で、香気を付与又は増強する目的で使用されるものである。このような香料は、通常1種又は2種以上の揮発性の香気成分から構成されており、その香気成分は天然の植物、動物、鉱物などから抽出して得たもの、又は化学合成して得たものを調合又は配合して、天然の香りと同等若しくはそれ以上の香りを連想させる香料に調整している。
【0003】
これらの香料は、飲食品のあらゆる分野で使用されており、飲食品の「顔」と呼ばれるほど、重要な役割を果たしている。しかしながら、これら香料は加熱したり、光に照射されたり、空気に酸化されたりすることにより、劣化、変質してしまうという問題がある。
【0004】
このため、香料の劣化を防止する方法について様々な提案がなされている。例えば、(i)容器を特別なものとして遮光を行う方法、(ii)窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下において酸化を防ぐ方法、(iii)アスコルビン酸、エリソルビン酸等の合成抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法、(iv)カテキン類、クロロゲン酸、没食子類、タンニン類などの天然抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法(特開平4−27374号公報、特開平6−38723号公報、特開平9−221667号公報等)、などが提案されている。
【0005】
しかしながら、前記(i)の容器を特別なものにして遮光する方法はコスト面で大きな負担になるという問題がある。また、前記(ii)の窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気を用いる方法は一部の飲食品にしか利用することができず、汎用性に欠けるという問題がある。
【0006】
一方、前記(iii)及び(iv)の酸化防止剤を添加する方法は簡便であり、汎用性も広いという利点があり利用される場合が多いが、効果が十分でないこと、抗酸化剤そのものが持つ風味が飲食品の風味に悪影響を与えるという欠点がある。また、前記(iii)の合成抗酸化剤を添加して酸化を防ぐ方法は、人体に対する影響の面から問題がある。
【0007】
このため、天然物を原料とした安全性の高い香料の劣化防止剤が種々提案されている。例えば、ヤマモモ科植物のヤマモモの有機溶媒抽出物による香料の安定化方法(特開平6−108087号公報)、南天の葉の抽出エキスを有効成分とする香料の劣化防止剤(特開平8−231979号公報)、紅木紫檀の木部より抽出される有効成分を含有する天然抗酸化剤(特開平9−104864号公報)、ヒマワリの種子から水及び/又はアルコールで抽出される成分とカテキン類、更に金属封鎖剤を含む飲料用香味劣化防止剤(特開平7−132073号公報、特開平7−75535号公報)、金属封鎖剤とコーヒー豆から水および又はアルコールで抽出される成分、更にフラボノ−ル類を含む飲料用香味劣化防止剤(特開平7−135938号公報)、金属封鎖剤、フラボノ−ル類、ヒマワリ抽出物からなる群の1種又は2種以上と、リンゴ抽出物とを含む飲料用香味劣化防止剤(特開平8−23940号公報)、紫さつまいも色素を含有する飲食品の香味増強・改善剤(特開平11−146766号公報)、などが提案されている。
【0008】
しかしながら、より香料の劣化防止効果が強く、長期に亘って優れた香味効果が維持し得、しかも、飲食品の風味に悪影響を与えることのない安全かつ安価な香料の劣化防止剤の提供が強く望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、藤茶抽出物を有効成分として含み、長期に亘って優れた香味が維持し得、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品の風味に影響を与えることがなく、安全かつ安価で大量生産可能な香料の劣化防止剤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために、数多くの植物成分を用いて香料の劣化の防止効果について鋭意研究を重ねた結果、藤茶の抽出物が飲食品の風味に何ら悪影響を及ぼすことなく香料の品質劣化を防止できることを知見した。
【0011】
即ち、藤茶抽出物、特にアンペロプシンを有効成分として含有する香料の劣化防止剤が、意外にも優れた香料の劣化、変質を防止する効果を有しており、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に長期間に亘って優れた香味を付与できると共に、飲食品に添加した場合、飲食品の風味に何ら悪影響を与えることなく、却って、風味の向上を図ることができ、安全かつ安価に大量生産可能なものであることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
従って、本発明は、前記課題を解決するため、下記の香料の劣化防止剤及び飲食品を提供する。
請求項1の発明は、藤茶抽出物を有効成分として含むことを特徴とする香料の劣化防止剤である。
請求項2の発明は、藤茶の枝葉部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する請求項1に記載の香料の劣化防止剤である。
請求項3の発明は、有効成分の主成分がアンペロプシンである請求項1又は2に記載の香料の劣化防止剤である。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の香料の劣化防止剤を含有することを特徴とする飲食品である。
請求項5の発明は、飲食品が、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類及び漬物のいずれかである請求項4に記載の飲食品である。
【0013】
なお、前記藤茶の成分研究については、葉部からアンペロプシンと呼ばれるフラボノイドを単離したという報告(中国薬学雑誌,vol.31,458〜461,1996年)があるが、単離されたアンペロプシンの薬理作用については血圧降下作用が報告されているにすぎなかった。
また、最近の研究によって、藤茶枝葉部抽出物について血小板凝集抑制作用、活性酸素消去作用、抗菌作用、消臭作用、退色防止作用、チロシナーゼ阻害作用、エラスターゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用が報告されている。
しかしながら、藤茶枝葉部の抽出物が清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物、その他の各種飲食品に添加することにより優れた香料の劣化防止効果を有することは、全く知られておらず、このことは本発明者の新知見である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の香料の劣化防止剤は、藤茶抽出物を有効成分として含み、特に有効成分の主成分がアンペロプシンであることを特徴とするものである。
【0015】
ここで、藤茶〔Ampelopsis cantoniensis(Hook.et arn.)Panch.、Ampelopsis grossedentate(Hand.−Mazz.)W.T.Wang〕は、ブドウ科に属する植物であって、中国の中部から南部にわたる広い地域で自生する多年草の蔓性植物であり、台湾では栽培もされており、中国では古来よりその葉をお茶として用いると共に、風邪、のどの痛みなどの治療薬の民間薬としても利用されてきた安全性の高い植物である。
【0016】
なお、藤茶抽出物に含まれている香料の劣化防止効果を示す有効成分の主なものは、藤茶の枝葉部に高濃度に含まれているアンペロプシン(ampelopsin)であると考えられている。
このアンペロプシンは、藤茶抽出物中に30質量%以上、好ましくは50質量%以上含まれており、特に抽出液を精製処理した場合には、アンペロプシンが80質量%以上の高濃度に含まれているものである。
【0017】
本発明の香料の劣化防止剤は、前記藤茶の枝葉部を抽出原料とし、植物の抽出に一般に用いられている抽出方法により得ることができる。
【0018】
例えば、藤茶の枝葉部を生のまま又は乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供することにより得ることができる。抽出に用いる溶媒としては、水又は親水性有機溶媒及びこれらの混合溶媒を室温乃至溶媒の沸点程度の温度で用いることが望ましい。
【0019】
この場合、前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶液などを用いることができる。
なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
【0020】
本発明において、香料の劣化防止成分を抽出するにあたり特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温乃至還流加熱下で、任意の装置を用いて抽出することができる。具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、時々攪拌して可溶成分を溶出する。その後、ろ過して抽出残渣を除き、得られた抽出液を濃縮、乾燥すると、香料の劣化防止成分を含有する抽出物を得ることができる。抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜90℃で30分〜2時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いた場合には、通常40〜80℃で30〜2時間程度である。なお、溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して本発明の香料の劣化防止剤として用いることができる。
【0021】
また、得られる抽出液を脱色、脱臭、活性向上等を目的として精製することもできる。精製手段としては、特に制限されず、活性炭処理、イオン交換樹脂処理、液−液向流分配等の方法が挙げられる。例えば、セパビーズSP−207、ダイアイオンHP−20(いずれも三菱化学(株)製)等の多孔性樹脂と濃縮液とを接触させる樹脂吸着精製法などを採用することができる。なお、樹脂に吸着された有効成分は水、エタノール等で溶出させることができる。
【0022】
上述のようにして得られる抽出液又は抽出物は、いずれも原料に由来する好ましい風味を有し、そのままでも香料の劣化防止剤として利用可能であるが、必要に応じて、香料の劣化防止効果の向上や脱色及び脱臭等を目的とする精製を施したり、任意の助剤と混合して製剤化してもよい。なお、本発明の香料の劣化防止剤は香料に加えるだけでも優れた香料の劣化防止効果を示すので、単独でも香料の劣化防止剤になり得るが、その他の酸化防止剤、助剤を併用してもよい。
【0023】
このような酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸、dL−α−トコフェロール、亜硫酸ナトリウム、カテキン、エラグ酸、酵素処理ルチン、カンゾウ油性抽出物、クエルセチン、フェルラ酸、ブドウ種子抽出物、ローズマリー抽出物、ルチン、クローブ抽出物、ヤマモモ抽出物などが挙げられる。
前記助剤としては、例えば、アラニン等のアミノ酸類、クエン酸等の有機酸又その塩類、リン酸又はその塩類、重合リン酸塩類、グリセリン脂肪酸エステル、フィチン酸などが挙げられる。これら酸化防止剤及び助剤は1種又は2種以上を用いることができる。
【0024】
また、製剤化に当たりアラビアガム、デキストリン、ブドウ糖、乳糖、界面活性剤、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等を配合することも、藤茶抽出物の溶解促進と増量、希釈による取り扱い性の向上に有効である。また、剤形を採用することができる。
【0025】
本発明において香料とは、香気成分を含有する動植物、これらの乾燥物又は加工物をいう。例えば、香気成分を含有する動植物を焙煎、酵素処理又は加水分解処理したもの、圧搾法で得たもの、水、有機溶剤、超臨界二酸化炭素流体、亜臨界二酸化炭素流体による抽出法で得たもの、水蒸気蒸留法で得たもの、及びこれらで得たものを混合又は混和したもの等が挙げられる。更に化学的合成品である化合物を調合又は配合したものなども含まれる。
【0026】
前記香料としては、例えば、モミール、ジャスミン、ラベンダー、ローズマリー、ペパーミント、スペアミント、メリッサ、バジル、シソ、サルビア、セージ、マジョラム、タイム、アンゼリカ、キャラウエイ、クローブ、ジンジャー、シナモン、オレンジフラワー、ユーカリプタス、バニラ、イランイラン、ローズ、ジュニパーベリー、サンダルウッド、ローズウッド、サイプレス、檜、杉、松、ベルガモット、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、パッションフルーツ、コーヒー、ムスク、アンバーグリス、ミルク、などが挙げられる。
【0027】
本発明の藤茶抽出物を有効成分として含有する香料の劣化防止剤は、香料が含まれていれば添加対象に制限はなく用いることができ、優れた香料の劣化防止効果を付与することができるものであるが、特に各種飲食品に添加して用いることが好ましい。このような各種飲食品としては、例えば、食パン、菓子パン等のパン類、即席めん、キャラメル、ドロップ、キャンディー、チョコレート、チューイングガム、焼菓子、米菓子、おかき、せんべい、饅頭等の和生菓子、スナック菓子等の菓子類、乳酸菌飲料、アイスクリーム、ヨーグルト、乳飲料、チーズ等の乳製品、魚肉ハム、ソーセージ、焼竹輪、かまぼこ、揚げかまぼこ等の水産加工製品、コーラ炭酸飲料、透明炭酸飲料、果汁着色炭酸飲料、果汁入り炭酸飲料等の炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り飲料等の果汁飲料、緑茶、紅茶、コーヒー、野菜ジュース、トマトジュース等の嗜好飲料、チューハイ等のアルコール飲料、スポーツ飲料、ドレッシング、マヨネーズ、ソース等の調味料、らっきょう、奈良漬、たくあん等の漬物、水産物、果実、野菜等の缶詰、カレー、ミートソース、シチュー、スープ等のレトルト食品、冷凍食品、昆布、海苔等の佃煮、さきいか、塩から等の水産珍味、など数多くの各種食品に幅広く用いることができる。
これらの中でも本発明の香料の劣化防止剤は、光の照射の影響を受けやすいPETボトル、ガラス瓶、プラスチック製等の透明容器に充填された清涼飲料水などにおいて著しい香料の劣化防止効果を有するものである。
【0028】
香料の劣化防止剤として使用する藤茶抽出物の使用量は、対象物の種類、使用形態などの諸条件によって異なり、一概に規定することはできないが、通常、藤茶抽出物としての飲食品全体の0.00001〜0.5質量%範囲の添加でよく、香料成分に対して0.01〜5質量%の使用量で有効な結果が得られる。例えば、清涼飲料水に0.00001〜0.005質量%の藤茶抽出物を添加した場合、暗所に25℃前後で6ヶ月保管、暗所に50〜60℃で1週間保管しても香料に劣化は認められない。また、24時間蛍光照射される冷蔵庫内で透明容器に入れて7日間保管した場合でも、香料に劣化は認められないものである。
【0029】
本発明の香料の劣化防止剤は、飲食品本来の香料が変質、劣化することを防止できることは勿論、新たに添加した香料が変質、劣化することを防止する効果を有するものである。
【0030】
なお、本発明の香料の劣化防止剤は、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物その他の各種食品において好適に用いることができるものであるが、これらに限らず、錠剤、液状経口薬、シップ薬、トローチ、うがい薬、歯磨き、口臭防止剤、クリーム類、ドリンク剤、漢方等の保健医薬品、医薬部外品、石鹸、洗剤、シャンプー、リンス、ヘアトニック、ヘアリキッド、ムース、育毛剤、芳香剤等の化粧品及び家庭用品、キャットフード、ドックフード、観賞魚の餌などにも幅広く用いることができるものである。
【0031】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
〔製造例1〕
藤茶乾燥葉100gを抽出溶媒として2,000mLの水を入れ、80℃で2時間加熱し、可溶成分を抽出した。
得られた抽出液を減圧下で濃縮乾固を行い、製造例1の香料の劣化防止剤30g(粉末)を得た(収率30%)。なお、濃縮乾固物中のアンペロプシンの含量は30質量%であった。
【0033】
〔製造例2〕
藤茶乾燥葉100gを抽出溶媒として2,000mLの水を入れ、80℃で2時間加熱し、可溶成分を抽出した。得られた抽出液を減圧下で1000mLまで濃縮し、この濃縮液に1500mLのエタノールを加えて、一晩冷却後ろ過し、濾液を得た。
得られた濾液を減圧下で濃縮乾固を行い、アンペロプシン含量測定を行った。その結果、濃縮乾固物中のアンペロプシンの含量は40質量%であった。
その後、得られた乾固物10gに対して、乳化剤0.5g、グリセリン89.5gを加え、製造例2の香料の劣化防止剤100g(液体)を得た(有効成分2.5%)。
【0034】
〔実施例1〕 清涼飲料水(レモン)
下記に示す配合処方で、実施例1の清涼飲料水(糖度:7.0、pH:3.0、殺菌条件:70℃で15分間)を作成した。
グラニュー糖 70.00g
無水クエン酸 1.25g
クエン酸ナトリウム 0.20g
レモンフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.005g
水 残部
合計 1000.00g
【0035】
〔実施例2〕 清涼飲料水(コーヒー)
下記に示す配合処方で、実施例2の清涼飲料水(糖度:7.0、pH:6.0、殺菌条件:70℃で15分間)を作成した。
グラニュー糖 70.00g
無水クエン酸 1.25g
クエン酸ナトリウム 0.20g
コーヒーフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.005g
水 残部
合計 1000.00g
【0036】
〔比較例1〕
実施例1において、製造例2の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1の清涼飲料水を作成した。
【0037】
〔比較例2〕
実施例2において、製造例2の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例2と同様にして比較例2の清涼飲料水を作成した。
【0038】
得られた実施例1,2及び比較例1,2の清涼飲料水について、下記方法で蛍光燈照射試験及び55℃保管試験を行った後、冷蔵庫(5℃)内の暗所にて1週間保管した清涼飲料水(対照)と比較して、呈味性、香りの変化を10名のパネラー(A〜J)により下記5段階で評価した。結果を表1,2に示す。
<評価基準>
1:著しく変化している
2:かなり変化している
3:少し変化している
4:わずかに変化している
5:変化なし
<蛍光燈照射試験>
作成した清涼飲料水を透明容器に入れ、冷蔵庫(5℃)内で積算照度260,000ルクスで蛍光燈照射を行った。これは24時間営業のコンビニエンスストアの冷蔵庫内でほぼ7日間放置した照度に相当する。
<55℃保管試験>
作成した清涼飲料水を透明容器に入れ、暗所にて55℃で1週間保管した。これは25℃前後の常温でほぼ6ヶ月程度保管した場合に相当する。
【0039】
【表1】蛍光燈照射試験結果
【0040】
【表2】55℃保管試験結果
なお、製造例1の香料の劣化防止剤を用いても同様の結果が得られた。
【0041】
〔実施例3〕 クッキー
下記に示す配合処方で、実施例3のクッキーを作成した(焼成温度175℃で13分)。
無塩バター 278.00g
グラニュー糖 222.00g
薄力粉 414.95g
鶏卵 65.00g
アーモンドパウダー 14.0g
ベーキングパウダー 5.0g
バニラフレーバー 1.0g
製造例1の香料の劣化防止剤 0.05g
水 残部
合計 1000.00g
【0042】
〔実施例4〕 クッキー
下記に示す配合処方で、実施例4のクッキーを作成した(焼成温度175℃で13分)。
無塩バター 278.00g
グラニュー糖 222.00g
薄力粉 414.95g
鶏卵 65.00g
アーモンドパウダー 14.0g
ベーキングパウダー 5.0g
バニラフレーバー 1.0g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.05g
水 残部
合計 1000.00g
【0043】
〔比較例3〕
実施例3において、製造例1の香料の劣化防止剤を添加しない以外は実施例3と同様にして、比較例3のクッキーを作成した。
【0044】
得られた実施例3,4及び比較例3のクッキーについて、下記条件で65℃保管試験を行った後、冷蔵庫(5℃)内の暗所にて1ヶ月保管したクッキー(対照)と比較し、風味の変化を10名のパネラー(A〜J)により下記5段階で評価した。結果を表3に示す。
<評価基準>
1:著しく変化している
2:かなり変化している
3:少し変化している
4:わずかに変化している
5:変化なし
<65℃保管試験>
作成したクッキーを暗所にて65℃で1ヶ月保管した。これは25℃前後の常温で1年半程度保管したものに相当する。
【0045】
【表3】65℃保管試験結果
【0046】
〔配合実施例1〕 ヨーグルト飲料
下記に示す配合処方で、ヨーグルト飲料を作成した(糖度:13.5、pH:3.9、殺菌条件:85℃で2分間)。
ヨーグルト 320.00g
果糖ブドウ糖液糖(75Brix) 80.00g
グラニュー糖 20.00g
安定剤(ペクチン) 3.50g
無水クエン酸 1.30g
イチゴフレーバー 1.00g
製造例1の香料の劣化防止剤 0.0035g
水 残部
合計 1000.00g
【0047】
〔配合実施例2〕 ヨーグルト飲料
下記に示す配合処方で、ヨーグルト飲料を作成した(糖度:13.5、pH:3.9、殺菌条件:85℃で2分間)。
ヨーグルト 320.00g
果糖ブドウ糖液糖(75Brix) 80.00g
グラニュー糖 20.00g
安定剤(ペクチン) 3.50g
無水クエン酸 1.30g
イチゴフレーバー 1.00g
製造例2の香料の劣化防止剤 0.0035g
水 残部
合計 1000.00g
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、飲食品の風味に何ら悪影響を及ぼすことなく、香料の品質劣化を確実に防止することができ、特に清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類、漬物その他の各種食品に好適な香料の劣化防止剤が得られる。
Claims (5)
- 藤茶抽出物を有効成分として含むことを特徴とする香料の劣化防止剤。
- 藤茶の枝葉部を、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する請求項1に記載の香料の劣化防止剤。
- 有効成分の主成分がアンペロプシンである請求項1又は2に記載の香料の劣化防止剤。
- 請求項1から3のいずれかに記載の香料の劣化防止剤を含有することを特徴とする飲食品。
- 飲食品が、清涼飲料水、乳製品、パン類、菓子類及び漬物のいずれかである請求項4に記載の飲食品。
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