JP6858096B2 - 化学分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は化学分析装置に係り、特に反応容器内のサンプルと試薬の混合のための攪拌技術に関する。
化学・医用分析の分野では、サンプルや試薬など液の微量化が進んでおり、微量なサンプルや試薬の混合・撹拌技術として、特許文献1では、ヘラやスクリューを用いずに、サンプルと試薬を入れた容器の下から容器の開放口に向けて超音波を照射してサンプルと試薬を非接触で攪拌し混合する方法が記載されている。
また、特許文献2には、反応容器外部に音源と反射板を設け、音源と反射板の間に反応容器が配置されるようにして、反応容器に向けて複数の方向から音波を間欠的に照射して反応容器内の液体を効率よく攪拌し混合する方法が記載されている。
更に、特許文献3には、反応容器の鉛直方向に傾斜が付いた圧電基板を厚み縦振動子とした撹拌装置が記載されている。
特開平8−146007号公報 特開2006−234839号公報 特開2007−108061号公報
特許文献1に記載のものは、容器の下から容器開放口に向かって音波を照射する構造、或いは更に容器の側方からの音波を照射する形態を備える構造に関して、強い攪拌力を得ようとして下方の音波供給手段から強い音波を照射すると、サンプルの液面が盛り上がり、サンプル液等が飛散する恐れがあり、一方、弱すぎる音波を照射すると十分攪拌に寄与できない恐れがあった。
一方、特許文献2に記載のものは、強い撹拌力を得られるものであり、壁面摩擦の影響を受けない気液界面付近での音響放射圧が支配的な流動である音響流を利用して、反応容器内に水面に対して垂直方向の旋回流である撹拌流を発生させている。しかしながら、より小量の液量のサンプルと試薬の撹拌においては、十分な旋回流の発生が得られず、撹拌作用の性能向上が必要であった。
特許文献3には、自動分析装置の反応容器の鉛直方向に傾斜が付いた圧電基板を厚み縦振動子とした撹拌装置が記載されているが、反応容器に保持された液体の量に応じて駆動信号の周波数を変更することを目的としている。
本発明の目的は、上記課題を解決し、少量の液量のサンプルと試薬の撹拌において、十分な旋回流を得て撹拌作用の向上を図ることが可能な化学分析装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明においては、化学分析装置であって、分析対象となるサンプルと試薬が注入される反応容器と、反応容器の側面に対して超音波を照射する圧電素子を有する超音波撹拌機構と、圧電素子を駆動する波形発生器と、を備え、圧電素子の厚み振動の共振周波数を変化することにより、反応容器内の圧電素子からの音響流発生距離を変化させる構成の化学分析装置を提供する。
本発明によれば、圧電素子からの音響流発生距離を変化させて音響流発生位置を変化することで、より小量の液量と試薬の撹拌を可能にすることができる。
各実施例に係る化学分析装置の全体的な装置構成の一例を示す斜視図である。 実施例1に係る、超音波撹拌機構の一例を示す縦断面図である。 実施例1に係る超音波撹拌機構の音源の一例を示す図である。 実施例1に係る超音波撹拌機構の原理を示す上面図である。 実施例1に係る音源の撹拌素子の特性を説明する図である。 実施例2に係る超音波撹拌機構の音源の一例を示す上面図である。 実施例2に係る音源の撹拌素子の特性を説明する図である。 実施例3に係る超音波撹拌機構の概要を示す概略図である。 実施例3に係る音源の撹拌素子の特性を説明する図である。 実施例4に係る超音波撹拌機構の概要を示す概略図である。 実施例4に係る音源の撹拌素子の特性を説明する図である。
以下、図面を用いて、本発明の化学分析装置の種々の実施例を図面に従い順次説明する。なお、本発明は以下に説明する各実施例の構成に限定されるものではなく、他の実施形態に使用することもできるものである。
各実施例に係る化学分析装置は、分析対象となるサンプル、試薬を反応容器に供給するための自動サンプル分注機構、自動試薬分注機構、反応容器内のサンプル・試薬を攪拌するための自動攪拌機構、反応中あるいは反応が終了したサンプルの物性を計測するための計測器、計測器による計測が終了したサンプルを吸引・排出し、反応容器を洗浄するための自動洗浄機構、これらの動作をコントロールする制御機構などから構成されるものである。
実施例1を図1−図5を用いて説明する。本実施例は、化学分析装置であって、分析対象となるサンプルと試薬が注入される反応容器と、反応容器の側面に対して超音波を照射する圧電素子を有する超音波撹拌機構と、圧電素子を駆動する波形発生器と、を備え、圧電素子の厚み振動の共振周波数を変化することにより、反応容器内の圧電素子からの音響流発生距離を変化させる構成の化学分析装置の実施例である。
図1は本実施例の化学分析装置の一構成例を示す斜視図、図2は図1に示す化学分析装置に装備されている被攪拌物に対して非接触で攪拌混合を行なう非侵襲、非接触の攪拌装置の一構成例を示す縦断面図である。
図2に示すように、化学分析装置は主に反応容器102を格納する反応ディスク101、反応ディスク101に格納されている反応容器102の恒温状態を保つ為の恒温槽114、サンプルカップ104を収納するサンプル用ターンテーブル103、試薬ボトル105を格納する試薬用ターンテーブル106、サンプル、試薬をそれぞれ反応容器に分注するサンプリング分注機構107、試薬分注機構108、分注されたサンプルと試薬を反応容器内で攪拌する攪拌機構109、反応容器内の混合物質の反応過程、及び反応後の吸光度を測定する測光機構110、検査のための測光が終了した後に反応容器を洗浄する洗浄機構111より構成される。これらの各構成要素は検査を開始する前に、予めコンソール113より設定された分析項目、分析を行なう液量等の情報に基づいて自動的にコントローラ112より作成されるプログラムに従って動作する。
図2に示すように、本実施例における攪拌機構109は、恒温槽114に対応し、恒温水204が満たされた水槽208の内壁に沿い、反応容器102外部の側方に設けられた音波発生手段201(以下、単に音源と呼ぶ)から構成されている。音源201はそれぞれ独立に駆動できるようなセグメント207がアレイ状に配置された構造になっている。音源201から発生した超音波は、側面から反応容器102に照射される。
本実施例では上述したアレイ状の音源201を、図3に示すよう一枚の圧電素子に対して片側電極を分割するという簡易的な方法を採用して構成した。このように分割した電極301に対し、図3に示すように切り替え器306を用いて、所望の照射領域302に対応する電極301に選択的に電圧305を印加することによって、アレイ状に配置された音源と機能的に等価な音源を実現した。なお分割しない側の電極303を分割した側の圧電素子面に304に示すごとく一部折り返すことによって駆動ドライバ回路から電線の接続を一つの面に集中させることができる。このような電極加工を施した一枚の圧電素子を用いる事で、攪拌機構の低コスト化を実現した。このような音源は量産時に極めて有利で、電極パターンをスクリーン印刷等で成形すれば製作時間の短縮も可能である。また、構造が極めて単純なため攪拌機構としての高信頼性も得られる。また、従来のロボットアームを備えたヘラなどに比べサイズも大幅に小型化されるため、装置全体の小型化にも寄与する。
以上のような構成の本実施例の化学分析装置は以下のように動作する。まず、図1に示したサンプルカップ104よりサンプリング機構107によって反応容器102内にサンプルが分注される。次にその反応容器102を格納した反応ディスク101のターンテーブルは試薬分注位置まで回転し、試薬ボトル106より試薬分注機構108によってその反応容器102内に試薬が分注される。さらにターンテーブルは攪拌機構109が設置されている位置まで回転し、反応容器102内のサンプルおよび試薬の攪拌混合が行なわれる。攪拌が終了した時点から測定が開始され、反応が終了した時点で洗浄機構111において反応容器102内のサンプル・試薬混合物は吸引され、洗浄処理が施される。コントローラ1112の制御により、このような一連のプロセスが複数のサンプルに対して逐一バッチ処理的に進められていく。
次に図2に示した本実施例の攪拌装置の縦断面図を用いて、反応容器102内の被攪拌対象物を非接触で攪拌する装置について説明する。音波は反応容器102の側面から下方側に向かって照射され、反応容器102内のサンプル等の液を攪拌する。図2においては、恒温槽である水槽208の対面側の側面に、音波発生部分となる音波反射手段202を有する。具体的には、例えば、音源201と音波反射手段202との間に反応容器102を配置するよう構成されることができる。図2では、音源201の側面209から生じた音波が恒温槽の反対側に位置する音波反射手段202で反射して反応容器102に供給される構成を例示している。
次に、本実施例の構成の撹拌装置の基本的な動作を説明する。装置全体のコントローラ112に接続され、音源201の駆動ドライバ回路とスイッチを備えた駆動ユニット205である波形発生器は、反応容器102で攪拌する液量すなわち分注されているサンプルと試薬の量と、それを攪拌するタイミングに関する情報206をコントローラ112から受け取る。そして、駆動ドライバ回路は液量に関する情報から反応容器102内に満たされている被測定液203の液面高さを計算し、その液面を含めた最適な音波照射領域を決定する。そして、照射領域に対応する音源201のセグメント207を選択して音源を駆動する。波形発生器である駆動ユニット205のドライバ回路からは振幅変調された波形の電圧が音源201である圧電素子より印加されるので、照射される音波もその振幅の変化に応じて照射される。
照射された音波は恒温槽の壁208中の恒温水204の内部を伝搬して、反応容器102に伝達され反応容器102内に入射する。一般に液体中を伝搬してきた音波が自由液面に達すると、液体は気体側に飛び出すような力(音響放射圧が主要因)が作用する。この際、本実施例ではドライバ回路からは振幅変調された波形の電圧が音源201に入力されるので、照射される音波もその振幅変化に応じたものになる。なお、音響反射手段202で反射して反応容器102に入射させる音波は、その進行方向において液面がない方向に設定する。
ここで、反応容器102内に音響流が発生する原理について説明する。本実施例では、厚み振動現象を利用して発生した超音波が、液体中を伝搬して反応容器102内の気液境界面で音響流210を発生させて、図2に示すような撹拌流211を生じさせる。その際、音響流210の発生には、厚み振動現象で発生する基本モードを大振幅で励振し、非線形現象により超音波の伝搬過程で生じる波形歪みにて得られる高次モードがエネルギー比率を高くすることが必要となる。
圧電素子からなる撹拌素子の超音波放射面から反応容器内部で音響流の発生する位置までの距離xsは、式(1)で与えられる。
Figure 0006858096
(1)
ここで、c0は伝搬媒質の音速、βは非線形係数、ωは角周波数(ただし、ω=2πf:fは周波数)、Mは音響マッハ数である。
本発明者は、式(1)に基づく反応容器102内の音響流の発生する距離xs を変化させるためには、角周波数ω、すなわち、超音波の周波数fを変化させれば良いことに着目した。
図4に、本実施例の構成に基づく超音波撹拌原理を説明するための上面図を示す。図4の(a)、(b)各々に示された長方形は、反応容器102内のサンプル、試薬の液面を示している。これまでは、図4の(b)に示すように、圧電素子からなる撹拌素子401は、超音波の伝搬方向に対する水平方向(x方向)には厚みが均一な構造であった。そのため、撹拌素子401から発振された超音波402は、水平方向(x方向)に同位相かつ同波長で反応容器403に照射され、音響流の発生する圧電素子からの距離404は、x方向の位置x1から位置x2の間でy方向の位置y0と一定であった。
それに対し、本実施例の構成にあっては、図4の(a)に示すように、圧電素子からなる撹拌素子411の厚みが、x方向の位置x1から位置x2にかけて、厚さが傾斜を持つように変化する、すなわち圧電素子の厚みを超音波の進行方向に対して水平方向に変化させる構成を採用することにより、各位置での共振周波数を変化させる。そして、反応容器413内で音響流の発生する圧電素子からの距離414を、x方向の位置x1から位置x2の間でy方向の位置y1からy2に変化させ、撹拌素子411から放出される超音波412は、水平方向に同位相かつ周波数(すなわち、波長)が変化した状態で反応容器413に照射される。
本実施例の構成においては、図5の(a)に示すように、圧電素子からなる撹拌素子411の厚みが、 x方向の位置x1から位置x2にかけて、厚さd1から厚さd2のように傾斜を持つように変化する、すなわち圧電素子の厚みが超音波の進行方向に対して水平方向に傾斜して変化する構成をとる。そのため、図5の(b)に示すように、x方向の位置x1から位置x2にかけての各位置で、共振周波数f1から共振周波数f2に変化する。そして、撹拌素子411から放出される超音波412は、水平方向に同位相かつ周波数(すなわち、波長)が共振周波数f1〜f2に変化した状態で反応容器413に照射される。
これにより、音響流の発生する位置が、式(1)に従って共振周波数が高いほど発生位置が圧電素子に近くなるため、図5の(c)に示すように、x方向の位置x1から位置x2にかけて音響流の発生距離y1から発生距離y2のように圧電素子に近くなり、超音波伝搬方向に幅を生じさせることができる。例えば、この発生距離y1、y2は約12mm、7mmとなり、y1〜y2で約5mmの幅を生じさせることができる。
なお、好適には傾斜する圧電素子の面は、図4の(a)に示すように、反応容器413に面していない面とし、反応容器413に面している面は反応容器413の面に平行とする。すなわち、圧電素子の厚みを反応容器に照射される超音波の進行方向に対して水平方向に変化させ、且つ、圧電素子の反応容器に対する超音波の照射面を、反応容器の側面に平行に配置し、反応容器に対向しない他方の面を超音波の進行方向に対して水平方向に傾斜させた。なお、圧電素子411の厚さが、図5の(a)に示したように連続的に変化する場合、圧電素子を機械研磨等で仕上げることが可能で加工しやすい。
本実施例の構成において、圧電素子からなる撹拌素子411に波形発生器である駆動ユニット205から印加する電圧304の波形は、単一周波数の波形を用いるよりも、上述の共振周波数f1から共振周波数f2の間とその前後の帯域において、周波数変調を行うことが望ましい。すなわち、波形発生器に、圧電素子の厚み振動の基本周波数の振動波形を周波数変調する機能を持たせ、
好適には、波形発生器である駆動ユニット205が、時間的に波長を変化させるチャープ波を用いることで、各共振周波数の電気エネルギーを与えることにより、圧電素子からなる撹拌素子411が効率よく各共振周波数の機械エネルギーを得ることができ、水平方向に同位相かつ波長がf1〜f2に変化する超音波を発振することが可能となる。言い換えるなら、圧電素子の厚み振動の基本周波数の振動波形を周波数変調する波形発生器は、共振周波数の変化に応じて変調の帯域を変化させることができる。
以上説明したように、本実施例の圧電素子の超音波の伝搬方向に対する水平方向(x方向)の厚みを変化させる構成により、反応容器413内の気液界面で音響流の発生に関して、共振周波数f1からf2への変化によって音響流発生位置を距離y1からy2に変化させることができる。さらに、撹拌に利用する超音波エネルギーを増加できるため、撹拌力が向上する。また、気液界面の変動に併せて、音響流が発生する距離を共振周波数の変化により制御することで、超音波の撹拌性能を向上することができる。
このように、本実施例によれば、圧電素子の厚みを超音波の進行方向に対して水平方向に変化させることで、共振周波数の変化によって音響流発生位置を変化させ、より少量の液量と試薬の撹拌を可能にする化学分析装置を提供できる。
次に、実施例2の化学分析装置の圧電素子からなる撹拌素子の構造と、その特性を図6、図7を用いて説明する。本実施例でも実施例1と同様に一つの音源と反応容器による構成であるが、音源となる圧電素子からなる撹拌素子の形状が実施例1の構成と異なっている。図6は実施例2の化学分析装置の構成の内、音源および反応容器の位置関係と撹拌作用を説明するための上面図である。同図における長方形も反応容器のサンプル、試薬の液面を示している。図7は図6に示す撹拌素子の特性を説明する図である。
図4に示した実施例1の構造では、撹拌素子411の厚さは水平方向に連続的に変化していたが、図6に示す実施例2の撹拌素子611では、階段状に、すなわち離散的に厚さが変化した構造とする。そして、離散的な厚さに対応して、反応容器613内で音響流の発生する圧電素子からの距離614が変化する。
図7の(a)に示すように、本実施例の撹拌素子611は、x方向の位置x1から位置x2にかけて、厚さd1から厚さd2のように離散的な厚さを持つように変化する。そのため、図7の(b)のように共振周波数もf1・・・f2のように離散的に変化しており、印加する電圧波形の周波数は、これら離散的な厚さの圧電素子の共振周波数に設定するため、複数の単一周波数の波形の切替えで駆動できるため、実施例1では、基本周波数を変調する機能を持たせた波形発生器である駆動ユニット205内の駆動回路の構成を一部簡素化できる。
音響流の発生距離に関しては、図7の(c)のy1、y2に示すように、離散的ではあるがその距離を変化させることができ、実施例1同様に撹拌性能を向上させてより少量の液量のサンプルと試薬の撹拌を可能にすることができる。
以上の実施例1、2では、圧電素子の厚さを超音波の進行方向に対して水平方向に変化させることで、共振周波数の変化をもたらし反応容器内の音響流発生位置を変化させ、より少量の液量と試薬の撹拌を可能にする化学分析装置を提供したが、次に説明する実施例3、4は、撹拌素子の圧電材料の硬さを変化させることにより共振周波数の変化をもたらし反応容器内の音響流発生位置を変化させるものである。
実施例3の化学分析装置の撹拌素子の構造を図8、図9を用いて説明する。図8は本実施例の化学分析装置の構成の内、音源および駆動回路部分を説明するための概略図であり、他の部分の構成は実施例1、2と同様である。図9は図8に示す本実施例の撹拌素子の特性を説明する図である。
本実施例でも実施例1、2と同様に一つの音源を使用して超音波804を発生させているが、圧電素子、すなわち撹拌素子801の厚みは一定であり、撹拌素子801に接続される駆動ユニット205内の駆動回路の構成が異なる。撹拌素子801に電圧を加えて超音波を発生させるための交流電源802の他に、撹拌素子の圧電材料の硬さを変化させる可変の直流電源803が並列に接続されている。
図9の(a)に示すように、駆動ユニット205など波形発生器の直流電源803が発生する直流電圧の値を変化させるよう制御することで撹拌素子801の圧電材料の硬さをs1からs2に制御することができる。このように撹拌素子801の圧電材料の硬さが変化すると、厚み振動の音速が変化し、図9の(b)のように、共振周波数が変化する。すると、式(1)で示したように、共振周波数の変化によって音響流の発生距離が、図9の(c)に示すように距離y1からy2に変化する特性を持つ。
従来の超音波を用いた撹拌方法では、壁面摩擦の影響を受けない気液界面付近での音響放射圧が支配的な流動である音響流を利用しており、音響流の発生位置に気液界面が収まった場合に超音波を照射していたが、本実施例の構成では、気液界面の流動に合わせて、時間的に圧電材料の硬さを変化させることで、共振周波数を変化させることができるため、従来よりも多くの超音波エネルギーを照射することが可能となり、撹拌性能が向上する。
なお、気液界面の流動特性は、反応容器の大きさ及び形状、液体の音速及び粘性、試薬の量等で決まるものであり、これらの仕様に応じて、事前に超音波の周波数や照射タイミングなどの撹拌仕様を装置に入力しておき、撹拌前に適宜読み出して撹拌を行うようにすればよい。
また、ハイスピードカメラなどで反応容器の液面を検出する機構を設け、この検出機構で読み取った情報を処理して、上述した本実施例の超音波の撹拌仕様にフィードバックするよう構成してもよい。
次に、実施例4の化学分析装置の撹拌素子の構造を図10、図11を用いて説明する。図10は本実施例の化学分析装置の構成の内、音源および駆動回路部分を説明するための概略図であり、他の部分の構成は実施例1、2、3と同様である。図11は図10に示す本実施例の撹拌素子の特性を説明する図である。
本実施例でも上述した実施例3と同様に一つの音源である圧電素子、すなわち撹拌素子1001の圧電材料の硬さを変化させながら超音波1004を発生しているが、圧電材料の硬さを変化させるため、波形発生器である駆動ユニット205内に、直流電源に代え、圧電素子である撹拌素子1001に加圧を行う加圧治具1002が取り付けられている点が異なる。また、加圧治具1002を駆動させるための駆動器1006と、駆動器1006と撹拌素子1001に交流電圧を加えて超音波を発生させるための交流電源1003を同期させて制御する制御器1005が、波形発生器である駆動ユニット205内に備わっている点が異なる。
本実施例の撹拌素子1001は、図11の(a)に示すように、加圧治具1002による加圧量によって、圧電材料の硬さを制御できる。圧電材料の硬さが変化すると、厚み振動の音速が変化し、図11の(b)のように、撹拌素子1001の共振周波数が変化する。すると、式(1)で示したように共振周波数の変化によって音響流の発生距離が変化するため、図11の(c)のような特性を示すことができる。
従来の超音波を用いた撹拌方法では、壁面摩擦の影響を受けない気液界面付近での音響放射圧が支配的な流動である音響流を利用しており、音響流の発生位置に気液界面が収まった場合に超音波を照射していたが、本実施例でも実施例3と同様、気液界面の流動に合わせて時間的に圧電材料の硬さを変化させることで、共振周波数を変化させることができるため、従来よりも多くの超音波エネルギーを照射することが可能となり、撹拌性能が向上する。
気液界面の流動特性は、反応容器の大きさ及び形状、液体の音速及び粘性、試薬の量等で決まるものであり、本実施例においても、これらの仕様に応じて事前に超音波の周波数や照射タイミングなどの撹拌仕様を装置に入力しておき、撹拌前に読み出して撹拌すればよい。
なお、加圧治具1002は、例えば、撹拌素子1001をボルト締めした構造である。駆動器1006から電力を得ることで、自動的にトルクを調整できる。そして、制御器1005によって駆動のタイミングは制御される。
以上詳述した本発明によれば、撹拌素子を構成する圧電素子の共振周波数の変化によって、音響流発生位置を変化させることで、より小量の液量のサンプルと試薬の撹拌を可能にする化学分析装置を提供することできる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
101 反応ディスク
102、403、413、613 反応容器
103 サンプル用ターンテーブル
104 サンプルカップ
105 試薬ボトル
106 試薬用ターンテーブル
107 サンプリング機構
108 試薬分注機構
109 撹拌機構
110 測光機構
111 洗浄機構
112 コントローラ
113 コンソール
114 恒温槽
201 音波発生手段(音源)
202 音波反射手段
203 被測定液
204 恒温水
205 駆動ユニット
206 情報
207 セグメント
208 恒温槽の壁
209 側面
210 音響流
211 撹拌流
301 分割した電極
302 照射領域
303 分割しない側の電極
304 電圧
305 分割しない側の電極
306 切り替え器
401、411、611、801、1001 撹拌素子
402、412、612、804、1004 超音波
404、414、614 距離
802、1003 交流電源
803 直流電源
1002 加圧治具
1005 制御器
1006 駆動器

Claims (7)

  1. 化学分析装置であって、
    分析対象となるサンプルと試薬が注入される反応容器と、
    前記反応容器の側面に対して超音波を照射する圧電素子を有する超音波撹拌機構と、
    前記圧電素子を駆動する波形発生器と、を備え、
    前記圧電素子の厚みが、前記反応容器に照射される前記超音波の進行方向に対して水平方向に傾斜していることによって、前記圧電素子の厚み振動の共振周波数変化することにより、前記反応容器内の前記圧電素子からの音響流発生距離を変化させる、
    ことを特徴とする化学分析装置。
  2. 請求項に記載の化学分析装置であって、
    前記圧電素子の前記反応容器に対する前記超音波の照射面、前記反応容器の側面に平行に配置され、前記反応容器に対向しない他方の面前記超音波の進行方向に対して水平方向に傾斜している
    ことを特徴とする化学分析装置。
  3. 請求項に記載の化学分析装置であって、
    前記圧電素子の厚みが連続的に変化している、
    ことを特徴とする化学分析装置。
  4. 請求項に記載の化学分析装置であって、
    前記圧電素子の厚みが離散的に変化している、
    ことを特徴とする化学分析装置。
  5. 化学分析装置であって、
    分析対象となるサンプルと試薬が注入される反応容器と、
    前記反応容器の側面に対して超音波を照射する圧電素子を有する超音波撹拌機構と、
    前記圧電素子を駆動する波形発生器と、を備え、
    前記波形発生器は、前記圧電素子に直流電圧を印加する直流電圧源を有し、
    前記圧電素子に印加する前記直流電圧を可変することによって、前記圧電素子の厚み振動の共振周波数が変化することにより、前記反応容器内の前記圧電素子からの音響流発生距離を変化させる
    ことを特徴とする化学分析装置。
  6. 化学分析装置であって、
    分析対象となるサンプルと試薬が注入される反応容器と、
    前記反応容器の側面に対して超音波を照射する圧電素子を有する超音波撹拌機構と、
    前記圧電素子を駆動する波形発生器と、を備え、
    前記波形発生器は、前記圧電素子に圧力を付加する加圧治具と、前記加圧治具を駆動する駆動器とを有し、
    前記圧電素子に印加する前記圧力を可変することによって、前記圧電素子の共振周波数が変化する、
    ことを特徴とする化学分析装置。
  7. 請求項記載の化学分析装置であって、
    前記波形発生器は、前記駆動器と、前記圧電素子に超音波を発生させるための交流電源とを同期させて制御する制御器を有する、
    ことを特徴とする化学分析装置。
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