JP4045452B2 - 化学分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、化学分析装置に係り、特に反応容器内の試薬とサンプルの混合のための攪拌技術に関する。
特許文献1に記載されている化学分析装置では、分析対象となるサンプル、試薬を反応容器に供給するための自動サンプル分注機構、自動試薬分注機構、反応容器内のサンプル・試薬を攪拌して均一な溶液にするための自動攪拌機構、反応中あるいは反応が終了したサンプルの物性を計測するための計測器、計測が終了したサンプルを吸引・排出し、反応容器を洗浄するための自動洗浄機構、これらの動作をコントロールする制御機構などから構成されている。特に上記自動攪拌機構では、サンプルと試薬を攪拌するためにヘラあるいはスクリューを反応容器の液面下まで自動的に下降させ、ヘラあるいはスクリューの根元に接続されているモータを駆動し、ヘラあるいはスクリューを回転することによってサンプルと試薬の混合溶液を攪拌する方式を用いている。
また、特許文献2の化学分析装置には、ヘラやスクリューを用いずに、超音波の照射によって生じる被測定液自体の音響流を用いてサンプルと試薬を非接触で攪拌し混合する方法が記載されている。
米国特許第4,451,433号明細書 特開平8−146007号公報
特許文献1に記載の第一の従来技術ではターンテーブルの円周上に収納した各反応容器内の液体をヘラやスクリュー等を用いてバッチ的に攪拌しているため、攪拌後の液がヘラやスクリューに付着して次の試料検査に持ち越されてしまう(キャリーオーバー)。その結果、次のサンプルや試薬が汚染されてしまい検査における正確な分析に悪影響が及ぼされるという問題がある。
また、分析項目の多様化に伴い一度に多項目にわたって検査を行う為、一項目の検査に割り当てられるサンプル量が少なくなってしまうことや、高価な試薬が検査に使われるようになってきていることから、微量のサンプル及び試薬で検査ができる化学分析装置、つまり検査に必要な被測定液量の微量化が望まれてきている。しかし、微量体積の被測定液では、上述のヘラへの付着が今度は攪拌の前後における体積変化の影響を大きくするという問題がある。
また、近年このような化学分析装置が設置される医療施設には、この他にも様々な機器が導入されつつあり、装置全体のより一層の小型化が望まれている。ところで、装置全体の大きさを支配する主な構成要素は反応容器およびサンプル・試薬ボトルを格納するそれぞれのターンテーブルの寸法である。処理速度を維持しつつ装置全体を小型化するための方策の一つとして反応容器の寸法を小さくし、それらが円周上に格納されるターンテーブルの寸法(直径)をその収納数を維持したまま小さくする事が考えられる。しかし、反応容器を小型化すると、現行方式のヘラ攪拌ではその位置決め精度の限界よりヘラを反応容器内にスムーズに入れることが困難になったり、また、ヘラ自体が反応容器の中に入らなくなってしまうといった問題等が生じる。
特許文献2に記載の超音波による非接触での攪拌方法では、各検査試料間のコンタミネーションの問題は解決されている。また、この攪拌方法ではヘラやスクリューを用いずに、被測定液に対し完全に非接触で攪拌するため、液の付着も発生せず上述した液量減少の問題点は解決される。この攪拌方法では反応容器の外部から音波を照射し、反応容器内の被測定液に適当な音場強度分布を与えて音響流動を誘起させる事が基本的な原理である。
ところで、被測定液をより微量化していくと反応容器そのものも小型化していくことになり、反応容器の表面積も小さくなっていくため、音響流動の発生に必要な音響エネルギーを被測定液に与えることが困難となってくる。また、音響流動によって攪拌に有効な循環流れを被測定液中に発生させるためには、被測定液内部に音場の先鋭的な強度の分布を形成させる必要があるが、容器がより小型化すると容器内の音場の相対的な強度差が小さくなるといった等の問題から短時間での効率のよい攪拌が困難となる。
本発明は、化学分析装置の反応容器内の被測定液を効率よく攪拌可能にすることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、開口部を有し被測定液が注入される反応容器と、該反応容器の外部から前記被測定液に音波を照射して攪拌する音源を有する攪拌手段とを備えた化学分析装置において、前記音源は、アレイ状に配列された複数の音源要素を有して形成されてなることを特徴とする。
このように構成することにより、アレイ状に配列された複数の音源要素を独立に駆動することができるから、音波の照射方向を任意に調整することができる。つまり、複数の音源要素のそれぞれに独立に電圧を印加し、その印加電圧の位相をずらして音源の音波照射方向を変化させる音源駆動手段を設けることにより実現できる。
特に、音源駆動手段は、音源から被測定液に照射される音波照射範囲の中心線が、反応容器内の被測定液の液面に対して斜めに液相側から気相側に抜けるように電圧の位相をずらすことが好ましい。すなわち、音源から被測定液に照射される音波照射範囲の中心線が、反応容器内の被測定液の液相、気液界面、気相、反応容器の器壁の順に通るように印加電圧の位相をずらす。これによれば、音波照射範囲の中心線付近の強い音波によって、気液界面付近に斜めに強い音圧が作用し、その斜めに作用する音圧によって図2(b)に示す旋回流れが生じ、少ない音響エネルギで効果的に被測定液を攪拌することができる。
また、音源駆動手段は、音源から発生する音波の強度及び周波数を可変する機能を有することが好ましい。これによれば、検査項目毎に音波の強度および周波数を被測定液の性状に応じて制御することができ、被測定液に応じて効率よく攪拌できる。
本発明によれば、化学分析装置の反応容器内の被測定液を効率よく攪拌できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明を適用可能な化学分析装置の一例を、図1および図2を用いて説明する。図1は化学分析装置の構成を示す斜視図、図2は図1に示す化学分析装置に装備されている、被測定液に対して非接触で攪拌混合を行なう非侵襲(非接触)攪拌装置の構成を示す縦断面図である。
図示の化学分析装置は、水平断面が四角形の矩形型の反応容器102を格納する反応ディスク101、反応ディスク101の下方に恒温水214を満たして配置され反応容器102を前記恒温水214に浸した状態にしてその恒温状態を保つ恒温槽114、サンプルカップ104を収納するサンプル用ターンテーブル103、試薬ボトル105を格納する試薬用ターンテーブル106、サンプル、試薬をそれぞれ反応容器102に分注するサンプリング機構107、試薬分注機構108、分注されたサンプルと試薬の混合体(被測定液)を反応容器102内で攪拌する攪拌機構109、反応容器102内のサンプルと試薬の混合体の反応過程及び反応後の吸光度を測定する計測手段である測光機構110、検査(測光)が終了した後に反応容器102を洗浄する洗浄機構111、これらの各構成要素を所定のタイミングで順次動作させるとともに、所要のデータを収集して出力するコントローラ112、及び該コントローラ112に接続され、検査項目の設定、装置の起動,停止、収集されたデータの処理、各構成要素の動作の調整確認などを行うコンソール113を含んで構成される。サンプリング機構107と試薬分注機構108がサンプル・試薬供給手段を構成する。
これらの各構成要素は、検査を開始する前に予めコンソール113より設定された情報(分析項目、分析を行なう体積)に基づいて自動的にコントローラ112より作成されるプログラムに従って動作する。
以上のような構成において本化学分析装置は以下のように動作する。まず、サンプルカップ104よりサンプリング機構107によって反応容器102内にサンプルが分注される。次にその反応容器102を格納したターンテーブル(反応ディスク101)は試薬分注位置まで回転し、試薬ボトル105より試薬分注機構108によってその反応容器102内に試薬が分注される。さらに反応ディスク101は攪拌機構109が設置されている位置まで回転し、反応容器102内のサンプル,試薬の攪拌混合が行なわれる。攪拌が終了した時点から測定が開始され、反応が終了した時点で洗浄機構111において反応容器内のサンプル・試薬混合物は吸引され、洗浄処理が施される。このような一連のプロセスが複数のサンプルに対して逐一バッチ処理的に進められていく。
次に、攪拌機構を図2に示した参考例を用いて説明する。図2の(a)は攪拌機構の縦断面図であり、反応容器212内の被攪拌物(被測定液)213を非接触で攪拌する原理について説明する。反応ディスク212(図1における反応ディスク101)に格納された反応容器203(図1における反応容器102)は恒温水214に浸されながらコントローラ112のプログラムによって自動的に回転および停止動作を繰り返しており、攪拌機構を備えた位置で停止したときに超音波がコントローラ112からの指令に従って攪拌機構から照射される。
攪拌機構109は、コントローラ112に接続された圧電素子ドライバ209と、恒温槽114の内壁に固定されコントローラ112に接続された照射位置調節機構である位置決め機構201と、位置決め機構201に装着され圧電素子ドライバ209に接続された音源202と、を含んで構成され、位置決め機構201及び音源202は前記恒温水214に浸されており、圧電素子ドライバ209は恒温槽114の外部に配置されている。位置決め機構201は、音源202を反応容器203の深さ方向に移動可能で、かつ音波の照射方向が水平方向に対してなす角度を変えられる(煽りが可能な)ようになっている。本発明においては、被測定液213の攪拌は音波で行われ、攪拌機構はすなわち、音波発生手段を構成する。
圧電素子ドライバ209に駆動されて超音波を照射する音源202は、その照射方向や位置が自動的に変えられるように位置決め機構201に装着されている。一般に音源より照射される音波は、図2の(b)の曲線217に示すような強度分布(照射領域の中央部が強く周辺部が次第に弱くなる山形の分布)をもって進行するが、その照射範囲204に反応容器203内の液面205が含まれるように、かつ、該液面205に対して音波の照射範囲の中心線が、平行に、あるいは液相側から気相側に向かう方向に斜めに入射するように、音源202の位置及び照射方向は、位置決め機構201により自動的に制御される。位置決め機構201はコントローラ112から指示される音源202の位置及び照射方向の信号206に基づいて音源202の位置及び照射方向を制御する。
反応容器203内の被攪拌物213に対しこのように音波を照射すると、液面付近の液体は固体壁からの摩擦力といった作用を一切受けずに、矢印215のように、もっとも効率良く流動する、その結果被攪拌物213内部には矢印216のような大きな旋廻流れが生じ、被攪拌物213の攪拌混合が行われる。
図2の参考例によれば、被攪拌物213内部にヘラあるいはスクリューを入れることなく撹拌が行われるので、被撹拌物のキャリーオーバーによる減少やコンタミネーションの恐れがなく、また、被攪拌物213内部にヘラあるいはスクリューを入れる必要がないので、反応容器の小型化すなわちサンプル及び試薬を微量化することが可能となる。反応容器の小型化により、反応容器を格納する反応ディスクを、反応容器の個数を減らすことなく小型化でき、化学分析装置を全体として小型化することができる。本例によれば、また、前記特開平8−146007号公報開示の、反応容器の外部から音波を照射し、反応容器内の被測定液に適当な音場強度分布を与えて音響流動を誘起させる方法とは異なり、気液界面付近で音波により誘起される旋廻流れを利用して被測定液を撹拌混合するので、反応容器が小型化され、被測定液が微量になっても、被測定液を撹拌混合することが可能であり、かつ、より小さい出力で撹拌を行うことが可能である。
なお、図2の(a)および(b)の説明では、音波を、反応容器203の側面より斜め上方に向けて入射させる構成を示しているが、図2の(c)に示すような、より広い上部開口部を有する反応容器を用い、その底面部より液面218に向かって斜めに音波を入射させてもよい。この場合にも液面218が音波の進行する照射範囲221内に含まれていれば、液面218付近の被攪拌物213は矢印219のように効率良く流動し、その結果、被攪拌物213内部には矢印220のような旋廻流れが生じ、被攪拌物213の攪拌混合が行われる。
また、分析項目(検査項目)によって被攪拌物(被測定液)の粘性、密度、表面張力といった力学特性が異なる場合には、攪拌に最も有効な音波の周波数やパワー(強度)もそれぞれ各分析項目毎に異なってくる場合が起こりうる。そのため図2の(a)に示すように、圧電素子ドライバ209は各分析項目において、被測定液の性状に応じて、攪拌に最も有効な周波数の情報207、パワーの情報208をコントローラ112から受け、それに基づいて音源202を駆動する。
また、照射する音波の強度を上げていくと、超音波加湿器と同様な効果で、液面が図2の(a)の液面210のような状態から矢印211のように液滴が飛び出す(飛散する)場合もあるが、図2の(a)のようにその先には反応容器壁があるような条件のもとで超音波を照射すれば、飛散した液体は反応容器壁に堰きとめられ反応容器203の外部に被攪拌物213が飛び出すということは避けられるばかりかではなく、液体は反応容器203の壁にぶつかって押し戻され、結果的には旋廻流れが被攪拌物213内部に生じ、攪拌混合が行なわれる。このような効果を積極的に利用した例として図5の(a)および(b)に示すような構成がある。
図5の(a)に示す構成と図2の(a)に示す構成が異なる点は、反応容器401を傾けることによって下方より鉛直上方向に照射する音波402に対して被攪拌物213の液相、被攪拌物213の液面における気液界面、反応容器壁の順にこれらが存在する条件を実現した点である。この場合には音源302の煽りを調節する機構が不要となる(但し、図の左右方向(反応ディスク212の半径方向)の移動は可能としてある)。
同様に反応容器の形状を変えたもう一つの例を図5の(b)を用いて説明する。図5の(b)に示す構成が図2の(a)および図5の(a)に示す構成と異なる点は、上部開口部の一部に反応容器壁を設けた反応容器403に対し、下方より鉛直上方向に音波404を照射することによって、照射領域に、液相―気液界面−気相―反応容器壁の順にこれらが存在する条件を実現した点である。
また、液が飛散しない範囲の強度で超音波照射のオン・オフ動作を繰り返せば、反応容器403内の被攪拌物213は液面が、図2の(a)の液面210、222のように変形を繰り返すため結果的に被攪拌物213内の物質移動が起こり、この場合でも攪拌混合が行なわれる。
この際、超音波照射をオン・オフする代わりに強度を時間とともに変える、例えば超音波の強度をある一定の強度から正弦波的に変えることで被測定液を撹拌することも可能である。
また、図2の(a)では、一つの音源より照射される音波をひとつの反応容器壁から液面に向かって照射させる構成としているが、例えば断面が四角形の矩形型反応容器の場合、4つの側面全てから交互に入射させ、同様な液面の変化を生じさせて液面の変形を図ってもよい。
なお、これらの参考例では超音波を発生する手段として圧電素子による音源202を用いているが、他の機構の音源を用いてもよい。
次に、本発明の一実施形態の特徴部である音源の構成について、図3を用いて説明する。上述の参考例では音源の向き、位置を変えるために移動ステージ(位置決め機構201)を用いているが、音源を独立に配列し、それらを独立に駆動し、個々の音波を重ね合わせる事によって所望の音波を反応容器に対して照射しても同様な効果が得られることはいうまでもない。例えば図3の(a)に示すように、反応容器深さ方向に各独立の音源をアレイ状に配列した音源223に対し、各音源の印加電圧224に示すように、駆動する音源を選択する事によって、直接移動ステージを用いた場合と同様に、実際に音波を発射する音源の高さ(反応容器深さ方向の音源位置)を変えることが可能となる。図3の(a)中の波面225は選択された音源より照射される音波の波面を表している。
また、図3の(b)のように各独立の音源をアレイ状に配列した音源226の独立音源それぞれに印加される電圧の位相を印加電圧227に示すように順にずらすことによって、ゴニオステージ等の機械的な機構を用いずに波面228のように音波の進む方向を変えるようにしても、音波の照射方向を変化させることが可能である。すなわち、図3に示す、アレイ状に配列した音源223,226の場合、アレイ状に配列した音源223,226自体が、照射位置調節機構をなしているのである。
化学分析装置では攪拌を行なった後に攪拌混合物の反応過程および反応後の吸光度を測定するため、現行の化学分析装置の反応容器は光学的に単純な、水平断面が四角形の矩形型反応容器が用いられている。しかし、装置全体の性能の点から攪拌をより十分に行なうためには、多少吸光度の測定に不利であっても特にこのような矩形形状の反応容器に限定する必要はない。これまでに示してきた実施例では細長い矩形型反応容器を想定しており、液面に向けてより広範囲な面を通じて反応容器内に音波を入射させるため、側方からの照射の例を示してきた。しかし、上述したように装置全体の性能の点から攪拌を重視する場合には、図2の(c)の他、例えば三角フラスコのような形状の反応容器を用い、下方より反応容器底面から音波を入射させてもよい。
本発明の特徴の一つは反応容器内の被攪拌物に対し、被攪拌物の液相、被攪拌物の液面における気液界面、気相、反応容器壁の順にこれらが存在する方向に、前記気液界面に対して斜めに音波を照射する点にあるが、本発明の他の実施形態について以下説明する。
図4の(a)は下方からの補助的な音源を併用した場合の実施形態である。図4の(a)の実施形態が図2の(a)のものと異なる点は、側方から反応容器に音波を発射する側方音源301と下方から反応容器底面に向けて音波を発射する補助的な下方音源302を設け、両者を併用することによって被攪拌物の液相、被攪拌物の液面における気液界面、反応容器壁の順にこれらが存在する条件を実現する点にある。側方音源301と下方音源302は、いずれも同じコントローラ112に接続され、各分析項目において攪拌に最も有効な周波数とパワーの情報207、208をコントローラ112から受けそれに基づいて側方音源301と下方音源302をそれぞれ駆動する、一対の圧電素子ドライバ209により駆動される。
図4の(a)に示す構成において、下方音源302から超音波306を反応容器203中心よりやや半径方向にずらした方向に照射する事によって液面は図に示すようにもともとの水平面に対して一部が持ち上がった状態の液面313となる。この状態で側方音源301から音波305を照射すれば、図2の例のように音源の向きを斜めにするための移動ステージ(位置決め機構201)を用いずに被攪拌物の液相、被攪拌物の液面における気液界面、気相、反応容器壁の順にこれらが存在する方向への音波の照射が可能となる。
これらのような構成のもと、図2の(a)の例で説明したように、音源をオン・オフ動作をさせる、あるいは音波の強度を時間とともに変化させる事によって液相を変形させて攪拌を行なう事ができる。
また、側方から照射する音波の強度を強めて液体を飛散させても、図2の(a)の場合と同様液相内に旋廻流れ307を発生させて攪拌を行なうこともできる。
図4の(b)は反応容器を格納した反応ディスクの回転/停止と下方および側方からの音源の照射タイミングの関係を示すタイムチャートである。シークェンス308に示すように、反応ディスクが停止している間に両音源(側方音源301と下方音源302)から音波が照射される。個々の照射のタイミングは、まず、反応容器が停止したらシークェンス309に示すように、すぐに下方からの音波306が照射され、傾斜した液面が形成される。続いてシークェンス310に示すように側方からの音波305が前記傾斜した液面313に照射され、反応容器203内の被測定液の攪拌が行われる。この際、下方からの照射をシークェンス311に示すように側方照射が完了するまで持続させておいてもよい。この場合被攪拌物には上向きの力が作用するが、図2の(a)で矢印307で示すところの反時計廻り方向の旋廻流れに対するトルクとしてもこの上向きの力は寄与する。
なお、シークェンス309、310、および311のように音波の強度を一定にしてもよいが、シークェンス312に示すように時間と共に音波の強度を変化させてもよい。
また、これらの方法では側方音源301の配置の調整に移動機構303,下方音源302の配置の調整に位置決め機構304を用いているが、図3の(a)のようにアレイ状に配置した音源を選択的に駆動させて、反応容器に対して照射する音源の相対位置を調整しても同様な効果が得られる。
図6の(a)は反応容器501の内壁に適当な表面処理等を施し、被攪拌物(反応容器内の被測定液)と内壁間の親水性を上げた場合の実施形態である。このような処理を内壁に施す事によって壁面が濡れやすくなり、液面502は図示のような中央部が凹み、壁面に接する部分が高くなった形になる。この結果、その側面から音波を照射しても、被攪拌物の液相、被攪拌物の液面における気液界面、気相、反応容器壁の順にこれらが存在する方向に、かつ気液界面に対して斜めに音波を照射することとなり、これまでの実施例と同様な攪拌混合を行うことができる。この場合においても一つの音源504で済み、また位置決め機構は高さを調節する直線移動ステージ509だけで済む。
これまでの実施形態又は参考例では、攪拌機構が設置されている位置で反応容器およびターンテーブルを停止させ、その間に攪拌操作を行うシークェンスであったが、特に停止動作を行わない場合には遠心力の効果によって反応容器内の液面は回転中心から外側の向きに図6の(b)の液面506のように一方に傾く。このとき、音源508が設置されている箇所を反応容器が通過した際に側方より音波507を照射すればこれまでの実施例と同様に被攪拌物の液相、被攪拌物の液面における気液界面、気相、反応容器壁の順にこれらが存在する方向に、かつ気液界面に対して斜めに音波を照射することとなり、攪拌混合を行う事ができる。この場合においても一つの音源508で済み、また位置決め機構は高さを調節する直線移動ステージ510あるいは図3の(a)に示すようなアレイ状音源223だけで済む。
本化学分析装置ではサンプルを分注した後に試薬を分注し、攪拌混合を行なうが、これらの順序が逆でも同様な効果が得られる。
上記図3,図4,図5,図6の各実施形態によっても、図2に示した参考例と同様、被攪拌物213内部にヘラあるいはスクリューを入れることなく撹拌が行われるので、被撹拌物のキャリーオーバーによる減少やコンタミネーションの恐れがなく、また、被攪拌物213内部にヘラあるいはスクリューを入れる必要がないので、反応容器の小型化すなわちサンプル及び試薬を微量化することが可能となる。反応容器の小型化により、反応容器を格納する反応ディスクを、反応容器の個数を減らすことなく小型化でき、化学分析装置を全体として小型化することができる。本実施形態によればまた、気液界面付近で音波により誘起される旋廻流れを利用して被測定液を撹拌混合するので、反応容器が小型化され、被測定液が微量になっても、被測定液を撹拌混合することが可能であり、被測定液に音場強度分布を与えて音響流動を生じさせる場合よりも、小さい音響出力で撹拌することができる。
これまでの説明では、恒温槽114内に恒温水214を満たして反応容器の恒温状態を保つ化学分析装置を前提にしていたため、反応容器外部から音波を照射し、恒温水214中を伝播させて反応容器内に音波を入射させる伝達形態をとってきたが、反応容器を恒温水214に浸して反応容器内の恒温状態を保つよりも音響的な伝達特性が得られない方法で反応容器内の恒温状態を保つ場合には、図7に示すような音響カプラ602を音源603に取り付け、攪拌を行う際に反応容器601に密着させて音源603からの音波を反応容器601内に入射させる事も可能である。
また、この音響カプラ602はただ音波を伝播させるだけではなく、音波を制御する音響レンズ゛的な機能をもたせることによってより効率の良い攪拌を行う事も可能である。
また、本化学分析装置の攪拌機構を洗浄機構に補助的に用いれば、装置全体の性能向上が図れる。上述したように洗浄機構では反応終了後のサンプル・試薬混合物が吸引され、洗浄液が反応容器に吐出されたのち、再び吸引されて反応容器内壁の洗浄を行って、次の検査にその反応容器が使われる。この洗浄液の反応容器への吐出後に、これまで説明してきた攪拌機構によって攪拌動作を行なえばより一層の洗浄効果が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、より効率のよいサンプル・試薬の攪拌混合を可能とし、かつ、キャリーオーバーを防止することができる。また、より効率のよいサンプル・試薬の攪拌混合を可能とし、かつ、検査自体をより微量のサンプル、試薬で行う事ができる。また、より効率のよいサンプル・試薬の攪拌混合を可能とし、かつ、装置全体をより小型にする事ができる。
本発明を適用可能な一実施形態の化学分析装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す攪拌機構の原理を説明するための縦断面図である。 本発明の一実施態のアレイ状音源の概念構成図である。 本発明の他の実施形態の攪拌機構の縦断面図及び動作シークェンスである。 本発明の他の実施形態の攪拌機構の縦断面図である。 本発明の他の実施形態の攪拌機構の縦断面図である。 本発明の音源を反応容器に結合する一実施形態の音響カプラを説明する図である。
符号の説明
101,212 反応ディスク
102,203,501,601 反応容器
103 サンプル用ターンテーブル
104 サンプルカップ
105 試薬ボトル
106 試薬用ターンテーブル
107 サンプリング機構
108 試薬分注機構
109 攪拌機構
110 測光機構
111 洗浄機構
112 コントローラ
113 コンソール
201,304,510 位置決め機構
202,504、508,603 音源
204 音波の照射範囲
205,218,502、506 液面
206 音源の位置及び照射方向の信号
209 圧電素子ドライバ
210 音波が照射されているときの液面
213 被攪拌物(被測定液)
214 恒温水
215,219 流動方向を示す矢印
216,220,307 旋廻流れを示す矢印
222 音波が照射されていないときの液面
223 アレイ状音源
225,228 波面
226 アレイ状音源
227 印加電圧
301 側方音源
302 下方音源
303 移動機構
305 側方からの音波
306 下方からの音波
402,404,503,507 音波
602 音響カプラ

Claims (3)

  1. 開口部を有し被測定液が注入される反応容器と、該反応容器の外部から前記被測定液に音波を照射して攪拌する音源を有する攪拌手段とを備えた化学分析装置において、
    前記音源は、アレイ状に配列された複数の音源要素を有して形成され、
    前記複数の音源要素のそれぞれに独立に電圧を印加し、前記音源から前記被測定液に照射される音波照射範囲の中心線が、前記反応容器内の前記被測定液の液相、気液界面、気相、前記反応容器の器壁の順に通るように印加電圧の位相をずらす音源駆動手段を設けたことを特徴とする化学分析装置。
  2. 前記音源駆動手段は、前記音源から発生する音波の強度及び周波数を可変する機能を有することを特徴とする請求項に記載の化学分析装置。
  3. 前記音源駆動手段は、検査項目毎に音波の強度及び周波数を前記被測定液の性状に応じて制御することを特徴とする請求項に記載の化学分析装置。
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