JP6855423B2 - 乾燥剤、封止構造体、及び有機el素子 - Google Patents

乾燥剤、封止構造体、及び有機el素子 Download PDF

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Description

本発明は、乾燥剤、封止構造体、及び有機EL素子に関する。
有機EL(Electroluminescence)素子は、一般に、有機層と、これを挟む一対の電極とを含む発光部を有している。有機層は、有機発光材料を含む薄膜である。有機EL素子は、薄膜に正孔(ホール)及び電子を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際の光の放出(蛍光又は燐光)を利用する自発光素子である。
有機EL素子に関して、ダークスポットと呼ばれる有機層の非発光部の発生とその成長を防止することが望まれている。ダークスポットの主原因としては、水分及び酸素の影響が大きく、特に水分は極めて微量でもダークスポットの発生に大きな影響を及ぼすことが知られている。
そこで、有機EL素子への水分及び酸素の浸入を防止する方法が種々検討されている。例えば、特許文献1、及び特許文献2は、フッ素系オイルからなる不活性液体又はフッ素系ゲルに所定量の吸着材を混合したものを乾燥剤として備える有機EL素子を開示している。特許文献2は、シリコーン系オイルからなる不活性液体に所定量の吸着材を混合したものを乾燥剤として備える有機EL素子を開示している。
特開2003−16307号公報 特開2007-012372号公報
乾燥剤の捕水性能を向上させるためには、捕水成分としての吸着材を増量することが有効であると考えられる。しかし、例えば捕水成分として酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属酸化物の粒子を増量すると、粒子の凝集等によって乾燥剤が増粘し、乾燥剤を塗布することが困難になる傾向がある。
そこで、本発明の一側面の目的は、十分な捕水性能を有しながら、塗布に適した低い粘度を有することのできる乾燥剤を提供することにある。
本発明の一側面は、バインダーと、前記バインダー中に分散している、アルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有する乾燥剤を提供する。言い換えると、本発明の一側面は、バインダーと、前記バインダー中に分散している、アルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有する組成物の、乾燥剤としての応用、又は乾燥剤を製造するための応用を提供する。前記バインダーが、ヒドロシラン変性フッ素樹脂を含む。前記ヒドロシラン変性フッ素樹脂は、フッ化炭化水素基を含むフッ素含有鎖と、該フッ素含有鎖に結合した、ヒドロシリル基を含むシロキサン基と、を有する。
本発明者らの知見によれば、ヒドロシリル基及びフッ素含有鎖を有する上記ヒドロシラン変性フッ素樹脂をバインダとして用いることにより、塗布が可能な低い粘度を維持しながら、酸化物粒子の含有量を大きくして、捕水性能を十分に高めることができる。係る効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、ヒドロシラン変性フッ素樹脂が有するヒドロシリル基の少なくとも一部と酸化物粒子とが反応して化学結合を形成することにより、酸化物粒子のバインダーへの分散性が向上し、その結果、乾燥剤の低い粘度が維持されると考えられる。
本発明の別の一側面は、対向配置された一対の基板と、前記一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、前記封止シール剤の内側で前記一対の基板の間に設けられた、上記乾燥剤を含む乾燥剤層と、を備える封止構造体を提供する。
本発明の更に別の一側面は、素子基板と、前記素子基板に対して対向配置された封止基板と、前記素子基板及び前記封止基板の外周部を封止する封止シール剤と、前記封止シール剤の内側で前記素子基板上に設けられた発光部と、前記封止シール剤の内側で、前記素子基板と前記封止基板との間に設けられた、上記乾燥剤を含む乾燥剤層と、を備える有機EL素子を提供する。発光部は、対向配置された一対の電極及びそれらの間に設けられた有機層を有する積層体である。
本発明によれば、十分な捕水性能を有しながら、塗布に適した低い粘度を有することのできる乾燥剤が提供される。酸化物粒子を表面処理することによっても、酸化物粒子の分散性が高まることが期待されるが、本発明の乾燥剤はそのような表面処理を必要とすることなく製造することができるため、簡易な製造の点でも、本発明の乾燥剤は優れている。また、表面処理のための処理剤が有機層等の安定性に影響する可能性があるが、本発明の乾燥剤はそのような懸念を回避することもできる。
一実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 一実施形態に係る有機EL素子を示す模式断面図である。 乾燥剤の粘度と捕水容量との関係を示すグラフである。 高温高湿環境における有機EL素子の発光面積率と経過時間との関係を示すグラフである。 高温高湿環境における有機EL素子への水分侵入距離と経過時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
乾燥剤
一実施形態の乾燥剤は、バインダーと、バインダー中に分散しアルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有する。バインダーが、ヒドロシラン変性フッ素樹脂を含む。ヒドロシラン変性フッ素樹脂が、フッ化炭化水素基を含むフッ素含有鎖と、該フッ素含有鎖に結合した、ヒドロシリル基を含むシロキサン基と、を有する。
[ヒドロシラン変性フッ素樹脂]
ヒドロシラン変性樹脂のフッ素含有鎖は、フッ化炭化水素基を含む。このフッ化炭化水素基は、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキレン基であってもよい。これらは直鎖状、分岐状、環状又はこれらの組合せであってもよい。フッ素含有鎖は、下記式(1)で表されるオキシパーフルオロアルキレン単位から構成されるフッ素化ポリエーテル鎖であってもよい。式(1)中、nは1以上の整数を示す。nは2〜6であってもよい。
Figure 0006855423
フッ素含有鎖の片末端又は両末端に、ヒドロシリル基を含むシロキサン基が結合していてもよい。ヒドロシリル基を含むシロキサン基は、例えば下記式(2)で表されるシロキサン単位を含む。式(2)中、Rはアルキル基を示し、その炭素数は例えば1〜5又は1〜3である。フッ素化ポリエーテル鎖とシロキサン基が直接結合する場合、通常、両者は1個の酸素原子を共有しながら結合する。シロキサン基は、末端基として、シロキサン単位のケイ素原子に結合したアルキル基を有していてもよい。
Figure 0006855423
ヒドロシリル基を含むシロキサン基は、下記式(3)で表されるシロキサン単位を更に含み得る。R及びRは、それぞれ独立にアルキル基を示し、その炭素数は例えば1〜5又は1〜3である。同一分子中のR、R及びRは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006855423
ヒドロシラン変性フッ素樹脂は、ヒドロシリル基を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
ヒドロシラン変性フッ素樹脂の粘度は、乾燥剤の塗布性の観点から、例えば23℃において0.1〜100Pa・sであってもよい。
[酸化物粒子]
酸化物粒子は、酸化物粒子に捕水性能を付与し得るアルカリ土類金属酸化物を含む。酸化物粒子は、通常、酸化物粒子の質量を基準として80質量%以上、又は90質量%以上のアルカリ土類金属酸化物を含む。酸化物粒子は、1種、又は成分の異なる2種以上のアルカリ土類金属酸化物を含むことができる。
アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、及び酸化バリウム(BaO)が挙げられる。アルカリ土類金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム又はこれらの組み合わせであってもよい。
酸化物粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.01〜30μmであってもよい。酸化物粒子の平均粒径がこの範囲であると、より充分な捕水性能が得られる傾向にある。同様の観点から、酸化物粒子の平均粒径は、0.1μm以上、0.5μm以上、又は1μm以上であってもよく、20μm以下、10μm以下、又は5μm以下であってもよい。
本明細書において、酸化物粒子の平均粒径は、動的光散乱式粒度分布計で測定した体積分布の中央値を意味する。この平均粒径は、酸化物粒子を所定の分散媒中に分散させて調整した分散液を用いて測定される値である。
乾燥剤における酸化物粒子の含有量は、例えば、乾燥剤全量基準で5〜70質量%であってもよく、より高い捕水性能の観点から、10質量%以上、又は20質量%以上であってもよい。酸化物粒子の含有量は、60質量%以下、又は50質量%以下であってもよい。同様の観点から、乾燥剤1mL当たりの酸化物粒子の含有量は、0.1g以上、又は0.2g以上であってもよく、1.5g以下、又は1.1g以下であってもよい。
酸化カルシウムを含む酸化物粒子は、例えば、生石灰(CaO)を水酸化処理して消石灰(Ca(OH))を得る工程と、消石灰を焼成して生石灰を得る工程と、生石灰を粉砕する工程と、をこの順に備える方法によって得ることができる。消石灰を焼成する温度は、300〜600℃であってもよい。焼成時間は、1〜20時間であってもよい。
乾燥剤は、バインダー及び酸化物粒子以外の成分として、例えば、アエロジル(登録商標)等のシリカ粒子を含有していてもよい。
乾燥剤は、25℃でペースト状であることができる。乾燥剤がペースト状であると、有機EL素子の微小な気密空間内に塗布によって乾燥剤層をより容易に形成することができる。乾燥剤の25℃における粘度は、1〜500Pa・sであってもよい。乾燥剤の25℃における粘度がこの範囲であると、塗布によって乾燥剤層をより容易に形成することができる。同様の観点から、乾燥剤の粘度は、10Pa・s以上又は30Pa・s以上であってもよく、400Pa・s以下又は200Pa・s以下であってもよい。塗布は、ディスペンサ等によって行うことができる。乾燥剤の粘度は、フッ素変性シリコーンの粘度及び酸化物粒子の含有量によって、調整することができる。ここでの粘度は、B型粘度計、レオメーター等の回転粘度計によって測定される値である。
乾燥剤は、酸化物粒子と、フッ素変性シリコーンとを混合することを含む方法によって、製造することができる。混合は、遠心撹拌等によって行うことができる。遠心撹拌の回転速度は、例えば、100〜3000回転/分であってもよい。遠心撹拌の時間は、1〜60分間であってもよい。
封止構造体
一実施形態に係る封止構造体は、対向配置された一対の基板と、一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、封止シール剤の内側で一対の基板の間に配置された、上記実施形態に係る乾燥剤又はその硬化物を含む乾燥剤層を備える。封止シール剤が一対の基板の外周部を封止することによって、基板の間に気密空間が形成される。乾燥剤層は、一対の基板の間で封止シール剤の内側の気密空間を充填していてもよく、気密空間の一部、例えば基板上の所定の箇所のみに形成されていてもよい。
一実施形態に係る封止構造体は、水分の影響を受けやすいデバイスを封入する際に特に好適に利用することができる。このようなデバイスとしては、例えば、有機EL素子、有機半導体、有機太陽電池等の有機電子デバイスが挙げられる。
有機EL素子
図1は、有機EL素子の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す有機EL素子1Aは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた、対向配置された陽極5及び陰極6とこれらの間に設けられた有機層4とを有する積層体である発光部10と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側で発光部10の周囲に設けられた、上記実施形態に係る乾燥剤又はその硬化物を含む乾燥剤層7とから構成される。封止シール剤8が素子基板2及び封止基板3の外周部を封止することにより、素子基板2及び封止基板3の間で、発光部10の周囲に気密空間が形成される。
乾燥剤層7は、封止シール剤8の内側で発光部10周囲の気密空間を充填している。すなわち、有機EL素子1Aは、いわゆる充填封止構造の有機EL素子である。ただし、乾燥剤層は発光部10が設けられた気密空間全体を充填している必要は必ずしもなく、例えば封止基板3上に乾燥剤層7が形成され、封止シール剤の内側に中空空間が残されていてもよい。この場合、乾燥剤層7の膜厚は例えば1〜300μmであってもよい。
有機EL素子1Aにおいて、乾燥剤層7以外の要素に関しては従来公知のものを適用することができるが、その一例を以下で簡単に説明する。
素子基板2は、絶縁性及び透光性を有する矩形状のガラス基板からなり、この素子基板2上には、透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)によって陽極5(電極)が形成されている。この陽極5は、例えば真空蒸着法、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法により素子基板2上に成膜されるITO膜をフォトレジスト法によるエッチングで所定のパターン形状にパターニングすることにより形成される。電極としての陽極5の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路(図示せず)に接続される。
陽極5の上面には、例えば、真空蒸着法、抵抗加熱法等のPVD法により、有機発光材料を含む薄膜である有機層4が積層されている。有機層4は、単一の層から形成されていてもよく、機能の異なる複数の層から形成されていてもよい。本実施形態における有機層4は、陽極5側から順に、ホール注入層4a、ホール輸送層4b、発光層4c及び電子輸送層4dが積層された4層構造である。ホール注入層4aは、例えば数10nmの膜厚の銅フタロシアニン(CuPc)から形成される。ホール輸送層4bは、例えば数10nmの膜厚のbis[N−(1−naphthyl)−N−phenyl]benzidine(α−NPD)から形成される。発光層4cは、例えば数10nmの膜厚のトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)から形成される。電子輸送層4dは、例えば数nmの膜厚のフッ化リチウム(LiF)から形成される。
有機層4(電子輸送層4d)の上面には、真空蒸着法等のPVD法により、金属薄膜である陰極6(電極)が積層されている。金属薄膜の材料としては、例えばAl、Li、Mg、In等の仕事関数の小さい金属単体やAl−Li、Mg−Ag等の仕事関数の小さい合金などが挙げられる。陰極6は、例えば数10nm〜数100nm(好ましくは50nm〜200nm)の膜厚で形成される。陰極6の一部は、素子基板2の端部まで引き出されて駆動回路(図示せず)に接続される。
封止基板3は、有機層4を挟んで素子基板2と対向するように配置されている。素子基板2及び封止基板3の外周部は、封止シール剤8により封止されている。封止シール剤としては例えば紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
図2は、有機EL素子の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す有機EL素子1Bは、素子基板2と、素子基板2に対して対向配置された封止基板3と、素子基板2上に設けられた発光部10と、素子基板2及び封止基板3の外周部を封止する封止シール剤8と、封止シール剤8の内側の面上に設けれられた乾燥剤層7と、乾燥剤層7の内側で発光部10の周囲を充填する充填剤層9とから構成される。素子基板2及び封止基板3の間の気密空間が、乾燥剤層7及び充填剤層9によって充填されている。図2の有機EL素子1Bは、充填剤層9が設けられている点以外は、図1の有機EL素子1Aと同様の構成を有する。充填剤層9は、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、及びパーフルオロカーボンオイルから選ばれる充填剤によって形成することができる。
有機EL素子の製造方法
有機EL素子は、例えば、素子基板2又は封止基板3に乾燥剤を塗布することを含む方法によって製造することができる。
一実施形態に係る製造方法では、素子基板2上に有機層4等を有する発光部が形成された積層体が準備される。この場合、別途準備した封止基板3上に、上記実施形態に係る乾燥剤をディスペンサ等の方法により塗布して、乾燥剤層7を形成する。その後、封止基板3上に塗布した乾燥剤を囲むように封止シール剤8をディスペンサで塗布する。これらの作業は、露点−76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で行うことが好ましい。
次に、発光部が搭載された素子基板2と、封止基板3とを、乾燥剤層7及び封止シール剤8をそれらの間に挟みながら貼り合わせる。必要により、得られた構造体に紫外線照射及び/又は加熱によって乾燥剤及び/又は封止シール剤を硬化することにより、本実施形態に係る有機EL素子1Aが得られる。有機EL素子1Bも、充填剤を用いて充填剤層を形成すること以外は同様の方法で。製造することができる。
実施例
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.乾燥剤の調製
(実施例1〜3)
ポリ(オキシパーフルオロプロピレン)鎖とヒドロシリル基を含むシロキサン基とを有するヒドロシラン変性フッ素樹脂(信越化学工業製、製品名「SIFEL8370」)を準備した。
平均粒径を2μmに調整した酸化カルシウム粒子を、バインダーとしてのヒドロシラン変性フッ素樹脂と混合し、1000回転/分で5分間遠心撹拌して、表1に示す実施例のペースト状の乾燥剤を得た。乾燥剤全量を基準とする酸化カルシウム粒子の含有量として、質量%、及び乾燥剤1mLあたりのグラム数を表1に示す。表1には、酸化カルシウム粒子の含有量から求められる乾燥剤の捕水容量の理論値を併せて示す。
(比較例1〜4)
バインダーとしてフッ素樹脂に代えてジメチルシリコーン(製品名:Element14PDMS10K-JC、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いたこと以外は実施例と同様にして、表1に示す比較例のペースト状の乾燥剤を得た。ただし、比較例4では、混合物が粉状になり、塗布可能なペースト状の乾燥剤が得られなかった。
(捕水容量)
以下の方法によって、乾燥剤の捕水容量の理論値を算出した。
(1)酸化カルシウムの捕水容量
酸化カルシウムは、下記反応によって1当量の水と反応する。
CaO+HO→Ca(OH)
したがって、酸化カルシウムの質量を基準とする捕水容量の理論値は、酸化カルシウムの分子量56g/モル、及び水の分子量18g/モルから、下記式により32質量%と計算される。
酸化カルシウムの捕水容量=18/56×100=32[質量%]
(2)乾燥剤の捕水容量
酸化カルシウムの捕水容量及び乾燥剤中の酸化カルシウム濃度から、下記式により乾燥剤の質量を基準とする捕水容量の理論値が、下記式により計算される。
乾燥剤の捕水容量[質量%]=酸化カルシウムの捕水容量×乾燥剤中の酸化カルシウム濃度
次いで、乾燥剤の体積を基準とする捕水容量が、乾燥剤の密度を用いて下記式により計算される。
乾燥剤の捕水容量[体積%]=乾燥剤の捕水容量[質量%]×乾燥剤の密度[g/cm
ここでは、ヒドロシラン変性フッ素樹脂を用いた実施例の乾燥剤の密度を2.32g/cm、ジメチルシリコーンを用いた比較例の乾燥剤の密度を1.47g/cmとして、乾燥剤の体積を基準とする捕水量を求めた。有機EL素子等の各種デバイスに設けられる乾燥剤層は微小な体積に制限されるため、一般に、乾燥剤の体積を基準とする捕水容量が高いことが望ましい。
Figure 0006855423
2.乾燥剤の粘度
実施例2、3及び比較例1〜3の乾燥剤の25℃における粘度を、測定装置として回転式レオメーターを用い、せん断速度5s−1の条件で測定した。
図3は、各乾燥剤の粘度と、乾燥剤の体積を基準とする捕水容量との関係を示すグラフである。ヒドロシラン変性フッ素樹脂を含む実施例の乾燥剤は、低い粘度を維持しながら、より高い捕水容量を有することができることが確認された。
3.有機ELデバイスの作製とその評価
素子基板上に、ITO膜(膜厚140nm)をスパッタ法により形成し、これをフォトレジスト法によるエッチングで所定パターン形状にパターニングし、陽極を形成した。陽極の上面に、抵抗加熱法により、ホール注入層としての銅フタロシアニン(CuPc)膜(膜厚70nm)、ホール輸送層としてのBis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl]benzidine(α−NPD)の膜(膜厚30nm)、発光層としてのトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)の膜(膜厚50nm)を順に形成した。さらに、発光層の上面に7nmの膜厚で電子輸送層としてのフッ化リチウム(LiF)膜(膜厚7nm)、及び陰極としてのアルミニウム膜(膜厚150nm)を物理蒸着により形成した。
次に、露点−76℃以下の窒素で置換されたグローブボックス中で、封止基板上に、実施例1又は比較例3の乾燥剤をディスペンスによって塗布した。続いて、塗布された乾燥剤を囲むように紫外線硬化型樹脂からなる封止シール剤をディスペンサによって塗布した。
陽極、有機層及び陰極を積層した素子基板と封止基板とを貼り合わせた後、紫外線照射及び80℃の加熱により封止シール剤を硬化させて、気密容器内に乾燥剤が充填された充填封止構造の有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子を85℃、85%RHの高温高湿環境に放置し、発光面積率の変化を追跡した。図4は、高温高湿環境における有機EL素子の発光面積率と経過時間との関係を示すグラフである。実施例の乾燥剤を含む有機EL素子は、1000時間経過後まで96%を超える高い発光面積率を維持した。
4.実施例4及び比較例5
(実施例4)
酸化カルシウム粒子の含有量を50質量%(35体積%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ペースト状の乾燥剤を得た。乾燥剤の25℃における粘度は160Pa・sであった。得られた乾燥剤を用いて、「3.有機ELデバイスの作製とその評価」と同様の手順で有機ELデバイスを作製した。ただし、乾燥剤を封止シール剤の内側に塗布し、更にその内側を充填剤(エポキシ樹脂)で充填して、図2の有機EL素子1Bと同様の構成を有する有機ELデバイスを作製した。
(比較例5)
バインダーとしてフッ素樹脂に代えてジメチルシリコーン(製品名:Element14PDMS10K-JC、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いたこと以外は実施例4同様にして、乾燥剤を得た。酸化カルシウム粒子の含有量は50質量%(22体積%)であった。乾燥剤の25℃における粘度は180Pa・sであった。得られた乾燥剤を用いて、実施例4と同様の有機ELデバイスを作製した。
(評価)
実施例4及び比較例5の有機EL素子を85℃、85%RHの高温高湿環境に放置し、一定の経過時間毎に、有機ELデバイスへの水分侵入距離をCa法で測定した。図5は、水分侵入距離と経過時間との関係を示すグラフである。図5に示される結果から、ヒドロシラン変性フッ素樹脂を含む乾燥剤が、水分の侵入抑制に関して、より優れた効果を発揮することが確認された。
1A,1B…有機EL素子、2…素子基板、3…封止基板、4…有機層、4a…ホール注入層、4b…ホール輸送層、4c…発光層、4d…電子輸送層、5…陽極、6…陰極、7…乾燥剤層、8…封止シール剤、9…充填剤層。

Claims (6)

  1. バインダーと、前記バインダー中に分散している、アルカリ土類金属酸化物を含む酸化物粒子と、を含有し、
    前記バインダーが、ヒドロシラン変性フッ素樹脂を含み、前記ヒドロシラン変性フッ素樹脂が、フッ化炭化水素基を含むフッ素含有鎖と、該フッ素含有鎖に結合した、ヒドロシリル基を含むシロキサン基と、を有する、
    乾燥剤であって、
    前記酸化物粒子の含有量が、当該乾燥剤全量基準で10質量%以上70質量%以下である、乾燥剤
  2. 前記酸化物粒子の含有量が、乾燥剤1mL当たり、0.1〜1.5gである、請求項1に記載の乾燥剤。
  3. 当該乾燥剤の25℃における粘度が1〜500Pa・sである、請求項1又は2に記載の乾燥剤。
  4. 対向配置された一対の基板と、
    前記一対の基板の外周部を封止する封止シール剤と、
    前記封止シール剤の内側で前記一対の基板の間に設けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥剤を含む乾燥剤層と、
    を備える封止構造体。
  5. 素子基板と、
    前記素子基板に対して対向配置された封止基板と、
    前記素子基板及び前記封止基板の外周部を封止する封止シール剤と、
    前記封止シール剤の内側で前記素子基板上に設けられた、対向配置された一対の電極及びそれらの間に設けられた有機層を有する発光部と、
    前記封止シール剤の内側で、前記素子基板と前記封止基板との間に設けられた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乾燥剤を含む乾燥剤層と、
    を備える有機EL素子。
  6. 前記乾燥剤層が、前記封止シール剤の内側で前記発光部周囲の気密空間を充填している、請求項5に記載の有機EL素子。
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