JP6848534B2 - モータ駆動回路 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ駆動回路に関する。
車両用エアコンの送風に用いられるブロアモータ(以下、「モータ」と略記)は、コイルに印加される電圧を、PWM(パルス幅変調)によって変調することにより、出力軸の回転速度を変化させる。PWMでは、FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子によって電源であるバッテリの電力をオンオフする。
PWMに用いられるN型のFETは、ゲートに正電荷の電圧が印加されると、ドレイン・ソース間が通電可能になるが、FETのゲートに正電荷の電圧を印加した際に、FETのゲート付近に電荷のキャリアである電子が十分に集まるまで時間差がある。その結果、FETのゲートにスイッチングの指令信号に相当する電圧を印加しても、上述の時間差により、当該FETが指令信号通りにスイッチング動作せず、指令信号に対するスイッチング素子の応答が線形的でないという現象が生じ得る。
かかる応答の非線形性は、モータを高速回転させるために、当該モータのコイルに高電圧、すなわちデューティ比が高い電圧を印加する場合に特に問題となる。図18は、指令信号(DUTY)のデューティ比を徐々に上げていった場合のFETのゲート・ソース電圧(FET VGS)及びFETのドレイン・ソース電圧(FET VDS)の変化の一例を示した説明図である。
図18では、指令信号であるDUTY90は矩形波上に変化しているが、FET VGS92は、FETにおける応答の非線形性のために、台形波状に変化している。FETはFET VGS92が閾値電圧(VTH)を超えるとオンになり、ドレイン・ソース間が通電されることにより、FET VDS94はローレベルになるが、FETの応答が非線形的なために、指令信号であるDUTY90に対応した変化ではない。特に、デューティ比が高い場合は問題で、図18の範囲96に示したように、デューティ比が100%に近くなると、FET VDS94は、ローレベルのままであり、実質的にはデューティ比が100%の場合と同様となる場合がある。このような、制御信号に対応していないスイッチング素子の動作は、モータの回転速度を指令信号に基づく目標速度に収束させる場合の阻害要因となり、場合によっては、モータの回転が不整になる、いわゆる回転ハンチングが生じるおそれがあった。
また、電源であるバッテリの電圧は、車両の電装品の電力消費またはオルタネータの発電状況等により変動する。かかる電圧変動によりモータの回転速度が影響を受けることを防止するため、電圧補償制御がモータのコイルに印加する電圧生成で併用される。
電圧補償制御は、「(基準電圧/電源の実電圧)×出力デューティ比」という処理であり、一例として、基準電圧が16Vの場合、電源の実電圧が16Vであれば出力デューティ比には変化がないが、電源の実電圧が8Vに低下した場合には、出力デューティ比を2倍にして電源の実電圧の変化を出力デューティ比で相殺する。
しかしながら、上述のように、FETのスイッチング動作の非線形性の影響が顕著となるデューティ比が高い場合に、電圧補償制御を実行すると、モータの回転速度が目標値に収束しない回転ハンチングを助長する一因となる場合があった。例えば、指令信号に従った出力デューティ比が95%を超える場合で、かつ電源の実電圧が低い場合には、電圧補正により出力デューティ比をさらに上げる必要があるが、出力デューティ比が極めて大きくなると、スイッチング素子をオンオフさせる間隔が極めて短くなる。かかる場合には、上述のスイッチング素子の動作の非線形性とあいまって、スイッチング素子が電圧補正された出力デューティ比に従ったパルスを出力できず、モータの回転速度の制御に支障を来すおそれがあった。
特許文献1、2には、出力デューティ比が大きい場合に電圧補償制御を実行しないモータ制御装置が開示されている。車両側でもモータの出力デューティ比が100%に近い場合はオルタネータの充電制御を緩和するようにしていたので、電圧補償制御を実行しない場合でも、問題は生じ難かった。
特開2013−36572号公報 特開2012−60798号公報
しかしながら、燃費向上の要求が高まり、アイドリングストップが常識化しつつある昨今では、車両側のオルタネータの充電の頻度を高めることが要求されている。さらに、アイドリングストップでは、頻繁にセルモータを作動させることになり、電源の実電圧の変動が激しくなりやすい。かかる状況において、出力デューティ比が大きい場合に電圧補償制御を実行しないと、電源の実電圧の変動により、モータの回転速度が変動する問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、モータのコイルに印加される電圧のデューティ比が高い場合でも、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させるモータ駆動回路を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のモータ駆動回路は、スイッチング応答が非線形性を有する複数の電界効果トランジスタで構成されたインバータ回路によってモータに印加する電圧を生成する駆動部と、デューティ比が閾値未満の場合に該デューティ比を電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正した第1デューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をすると共に、前記デューティ比が前記閾値以上で、かつ電源電圧の変動が所定値以内の場合には、該電源電圧の変動による影響を除外した第2デューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をする制御部と、を含んでいる。
このモータ駆動回路によれば、モータコイルに印加される電圧のデューティ比が高く、電源電圧が変動した場合に、一時的な電圧変動の影響を除外した電圧補償制御でモータを回転させるので、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項2に記載のモータ駆動回路は、請求項1に記載のモータ駆動回路において、前記電源電圧の変動による影響を除外した第2デューティ比は、前記デューティ比を変動直前の電源電圧に対する前記基準電圧の比に応じて補正したデューティ比である。
このモータ駆動回路によれば、電圧の変動が微小な場合は、変動前の電源電圧に応じた電圧補償制御で補正したデューティ比に従った電圧を駆動部に生成させることにより、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項3に記載のモータ駆動回路は、請求項1または2に記載のモータ駆動回路において、前記制御部は、電源電圧の変動前後の電圧の差分に基づいて、前記電源電圧の変動が所定値以内か否かを判定する。
このモータ駆動回路によれば、電源電圧の変動前後の電圧の差分計算で電源電圧の変動の影響の程度を判定でき、当該影響が微小な場合には、変動前の電源電圧に応じて補正したデューティ比に従った電圧を駆動部に生成させることにより、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項4に記載のモータ駆動回路は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動回路において、前記電源電圧の変動が所定値以内の場合は、前記電源電圧をデジタル変換したデジタル値の所定桁の下位ビットの値が同一の場合である。
このモータ駆動回路によれば、変動前後の電源電圧のデジタル信号の各々の所定の下位ビットを比較するという簡易な演算処理により、電源電圧の変動の影響の程度を判定でき、当該影響が微小な場合には、変動前の電源電圧に応じて補正したデューティ比に従った電圧を駆動部に生成させることにより、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項5に記載のモータ駆動回路は、請求項1に記載のモータ駆動回路において、前記電源電圧の変動前後での前記電源電圧をデジタル変換した各々のデジタル値の最下位ビットを同じ値にして前記デューティ比を補正することにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する。
このモータ駆動回路によれば、最下位ビットを同じ値に固定した電源電圧のデジタル信号を用いてデューティ比を補正することにより、電圧変動の影響を抑制する。その結果、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項6に記載のモータ駆動回路は、請求項1に記載のモータ駆動回路において前記制御部は、前記デューティ比に、前記電源電圧に対する基準電圧の比で表されるゲイン係数を乗算して前記デューティ比を電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正し、前記ゲイン係数を小さくすることにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する。
このモータ駆動回路によれば、電圧補償制御のゲインを低下させることにより、電圧変動の影響を抑制する。その結果、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項7に記載のモータ駆動回路は、請求項1に記載のモータ駆動回路において、前記制御部は、電源電圧に応じて補正する前のデューティ比が前記閾値以上で、かつ電源電圧が変動した際に、変動直前の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の所定桁の下位ビットと変動直後の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の所定桁の下位ビットとが同一の場合に、変動直前の電源電圧に応じて補正したデューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をする。
このモータ駆動回路によれば、変動前の電源電圧に応じて補正したデューティ比のデジタル信号の所定の桁のビットと変動後の電源電圧に応じて補正したデューティ比のデジタル信号の所定の桁のビットとを比較するという簡易な演算処理により、電源電圧の変動の影響の程度を判定でき、当該影響が微小な場合には、変動前の電源電圧に応じて補正したデューティ比に従った電圧を駆動部に生成させることにより、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
請求項8に記載のモータ駆動回路は、請求項1に記載のモータ駆動回路において、前記制御部は、前記デューティ比のデジタル値の最下位ビットと変動直後の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の最下位ビットと、を同じ値にすることにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する。
このモータ駆動回路によれば、電源電圧に応じて補正したデューティ比の最下位ビットを固定し、当該最下位ビットを同じ値に固定したデューティ比に従った電圧を駆動部に生成させることにより、電圧変動の影響を抑制する。その結果、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動回路を用いたモータユニットの構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動回路の概略を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動回路における不感帯処理の一例を示したフローチャートである。 (A)は、図3のステップ302の処理の一例を示し、(B)は図3のステップ310の処理の一例を示している。 (A)は、図3のステップ302の処理の他の例を示し、(B)は図3のステップ306の処理の一例を示し、(C)は、図3のステップ310の処理の他の例を示している。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動回路の変形例である。 本発明の第1の実施の形態に係るモータ駆動回路の他の変形例である。 本発明の第2の実施の形態に係るモータ駆動回路の概略を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るモータ駆動回路における疑似不感帯処理の一例を示したフローチャートである。 (A)は、図9のステップ102、104の処理の一例を示し、(B)は図9のステップ106の処理の一例を示し、(C)は、図9のステップ110の処理の一例を示している。 (A)は、図9のステップ102、104の処理の他の例を示し、(B)は、図9のステップ110の処理の他の例を示している。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ駆動回路の概略を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ駆動回路における分解能ダウン処理の一例を示したフローチャートである。 (A)は、図13のステップ142の処理の一例を示し、(B)は、図13のステップ144の処理の一例を示している。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ駆動回路の変形例である。 本発明の第3の実施の形態に係るモータ駆動回路の他の変形例である。 本発明の第4の実施の形態に係るモータ駆動回路の概略を示すブロック図である。 指令信号(DUTY)のデューティ比を徐々に上げていった場合のFETのゲート・ソース電圧(FET VGS)及びFETのドレイン・ソース電圧(FET VDS)の変化の一例を示した説明図である。
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るモータ駆動回路20を用いたモータユニット10の構成を示す概略図である。図1の本実施の形態に係るモータユニット10は、一例として車両用エアコンの送風に用いられる、いわゆるブロアモータのユニットである。
本実施の形態に係るモータユニット10は、ステータ14の外側にロータ12が設けられた、アウターロータ構造の三相モータに係るものである。ステータ14はコア部材に導線が巻かれた電磁石であって、U相、V相、W相の三相を構成している。
ステータ14のU相、V相、W相の各々は、後述するモータ駆動回路20の制御により、電磁石で発生する磁界の極性が切り替えられることにより、いわゆる回転磁界を発生する。
ロータ12の内側(図示せず)にはロータマグネットが設けられており、ロータマグネットは、ステータ14で生じた回転磁界に対応することにより、ロータ12を回転させる。
ロータ12にはシャフト16が設けられており、ロータ12と一体になって回転する。図1には示していないが、本実施の形態ではシャフト16には、いわゆるシロッコファン等の多翼ファンが設けられ、当該多翼ファンがシャフト16と共に回転することにより、車両用エアコンにおける送風が可能となる。
ステータ14は、上ケース18を介して、モータ駆動回路20に取り付けられる。モータ駆動回路20は、モータ駆動回路20の基板22と、基板22上の素子から生じる熱を放散するヒートシンク24とを備えている。
ロータ12、ステータ14及びモータ駆動回路20を含んで構成されるモータユニット10には、下ケース28が取り付けられる。
図2は、本実施の形態に係るモータ駆動回路20の概略を示すブロック図である。図2に記載のインバータ回路40は、FET44A〜44Fによってモータ52のステータ14のコイルに供給する電力をスイッチングする。例えば、FET44A、44DはU相のコイル14Uに、FET44B、44EはV相のコイル14Vに、FET44C、44FはW相のコイル14Wに、各々供給する電力のスイッチングを行う。
FET44A、44B、44Cの各々のドレインは、チョークコイル82を介して車載のバッテリ80の正極に接続されている。また、FET44D、44E、44Fの各々のソースはバッテリ80の負極に接続されている。
また、本実施の形態のモータ駆動回路20の基板上には、前述のインバータ回路40に加え、コンパレータ54、実回転数算出部56、指令回転数算出部58、PI制御部66、電圧補正部68及びFETドライバ70等が実装されている。指令回転数算出部58には、エアコンECU(Electronic Control Unit)78が接続されている。また、電圧補正部68には、AD変換部60Aとフィルタ62を介して、電源であるバッテリ80の実電圧の情報が入力される。AD変換部は、アナログ信号であるバッテリ80の実電圧値を8bitのデジタル信号に変換する回路であり、フィルタ62は、複数のデジタル信号の平均を算出することにより、デジタル化された実電圧値の平滑化を図る回路である。フィルタ62は、例えば、時系列順に取得した4つの実電圧値の平均を算出して、電圧補正部68に出力する。また、フィルタ62は、AD変換部60Aがサンプリングした新たな実電圧値のデータを取得すると、直前に平均を算出した4つのデータのうち、最も古いデータを破棄した残り3つのデータと、新たに取得したデータとで平均を算出してデータの平滑化を行う。以後、フィルタ62は、新たなデータを取得する毎に、最も古いデータを破棄して、新たなデータと残したデータとで平均値を算出する処理を継続する。
エアコンECU78は、車両用エアコンの電子制御ユニットであり、ユーザがエアコンECU78によりエアコンをオンにすると、モータ駆動回路20の制御により、モータ52が作動する。また、ユーザが車両用エアコンの風量を調節する場合は、エアコンECU78を介してモータ52(ロータ12)の回転速度を指示するための信号が入力される。
また、本実施の形態のモータ駆動回路20の基板上には、各構成を駆動させる電力を供給するための直流電源回路、インバータ回路40とモータ52のコイル14U、14V、14Wとを流れる電流(モータ電流)を検出する電流検出部、基板の温度を検出するサーミスタ等の素子が実装され、モータ電流が過大になった場合、または基板の温度が過大なった場合に、モータ52の回転速度を抑制する制御をする構成が実装されているが、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、シャフト16と同軸に設けられたセンサマグネット12Aの磁界をホール素子12Bが検出する。コンパレータ54は、ホール素子12Bのアナログ出力をデジタル信号に変換する装置であり、実回転数算出部は、コンパレータ54が出力したデジタル信号に基づいてロータ12の実回転速度を算出する。指令回転数算出部はエアコンECU78等からの指示に基づいた目標回転速度を算出する。本実施の形態では、目標回転速度は、略1000〜5000rpmである。
PI制御部66は、指令回転数算出部58が算出した目標回転速度と実回転数算出部56が算出した実回転速度とから、実回転速度を目標回転速度に変化させる場合にステータ14のコイルに印加する電圧をいわゆるPI制御によって算出する。PI制御部66は、目標回転速度と実回転速度との偏差と目標回転速度における電圧と実回転速度における電圧との偏差との比例関係に基づいて目標回転速度における電圧を算出する偏差比例部66Pを含む。また、PI制御部66は、上記の比例関係のみでは残留偏差が生じる場合に、かかる残留偏差を偏差積分によって解消する偏差積分部66Iを含む。
電圧補正部68は、PI制御部66から出力デューティ比が、フィルタ62から平滑化されたバッテリ80の実電圧が各々入力され、基準電圧に対する実電圧に応じて出力デューティ比を補正する電圧補償制御を行う。電圧補償制御によって算出された最終出力dutyは、FETドライバ70に入力される。
FETドライバ70は、電圧補正部68から入力された最終出力dutyに従って、インバータ回路40のスイッチングを制御するためのPWM信号を生成してインバータ回路40に出力する。
図3は、本実施の形態に係るモータ駆動回路20における不感帯処理の一例を示したフローチャートである。本実施の形態では、PI制御部66から電圧補正部68に入力された出力デューティ比が100%近く(一例として95%以上)になった場合に、AD変換部60Aで図3の処理が開始される。ステップ300では、バッテリ80の現在の実電圧値を取得して、8bitのデジタル信号に変換する。
ステップ302では、ステップ300で取得した現在の実電圧値のデジタル信号(現在データ)と、その直前に取得した実電圧のデジタル信号(過去データ)との差分を算出する。ステップ304では、差分が所定値未満か否かを判定する。ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306で現在データを破棄し、過去データを現在データのメモリアドレスに上書きする、すなわち過去データを現在データとして扱う。ステップ304で否定判定の場合には、ステップ308で現在データを採用する。ステップ306、308で現在データとして扱われたデータは、AD変換部60Aの後段のフィルタ62に出力される。
そしてステップ310では、現在データを過去データのメモリアドレスにコピーして新たな実電圧のデータのサンプリングに備え、処理をリターンする。
以上のように、本実施の形態では、インバータ回路40のFET44A〜44Fのスイッチング応答の非線形が問題となる、出力デューティ比が100%近くの場合、実電圧の微小な変動を無視する制御を行っている。実電圧の微小な変動に反応しない制御を本実施の形態では、不感帯処理と呼称する。
出力デューティ比が100%近くの場合で、かつ電源の実電圧が低い場合には、電圧補正により出力デューティ比をさらに上げる必要があるが、出力デューティ比が極めて大きくなると、FET44A〜44Fのスイッチング動作の間隔が極めて短くなる。かかる場合には、上述のスイッチング素子の動作の非線形性とあいまって、スイッチング素子が電圧補正された出力デューティ比に従ったパルスを出力できずモータの回転が不整になる、いわゆる回転ハンチングが生じるおそれがあった。
本実施の形態では、基準電圧に対する実電圧に応じて出力デューティ比を補正する電圧補償制御は継続するが、出力デューティ比が100%近くになった場合には、実電圧の微小な変動を無視することにより、FET44A〜44Fのスイッチング動作の間隔が現状よりも短くなることを抑制して、FET44A〜44Fのスイッチング動作の安定化を図り、モータ52の回転ハンチングを防止する。なお、実電圧の変動が大きい場合は、変動直後の実電圧に応じて電圧補償制御を実行する。実電圧の変動が大きい場合に変動後の実電圧に応じた電圧補償制御を実行しないと、モータ52の回転が意に反した変化をするおそれがあるからである。
図4(A)は、図3のステップ302の処理の一例を示し、図4(B)は図3のステップ310の処理の一例を示している。図4(A)に示したように、ステップ302では、現在データと過去データとの差分を算出する。図4(A)に示した場合、算出された差分は、2進数では100、10進数では4となる。また、図3のステップ304の所定値が10進数で「4」の場合、図4(A)に示した例では、図3のステップ304では否定判定をする。その結果、図3のステップ308では現在データを採用し、図3のステップ310では、図4(B)に示したように、現在データを過去データにコピーする。
図5(A)は、図3のステップ302の処理の他の例を示し、図5(B)は図3のステップ306の処理の一例を示し、図5(C)は、図3のステップ310の処理の他の例を示している。図5(A)に示したように、ステップ302では、現在データと過去データとの差分を算出する。図5(A)に示した場合、算出された差分は、2進数では11、10進数では3となる。また、図3のステップ304の所定値が10進数で「4」の場合、図5(A)に示した例では、図3のステップ304では肯定判定をする。その結果、図3のステップ306では、図5(B)に示したように現在データを破棄し、過去データを現在データに上書きし、図3のステップ310では、図5(C)に示したように、現在データを過去データにコピーする。
図6は、本実施の形態の変形例であるモータ駆動回路20Aを示している。本実施の形態では、図3に示した不感帯処理をAD変換部60Aで行ったが、本変形例では、実電圧のデータを平滑化するフィルタ62Aで不感帯処理を行う点が相違する。しかしながら、AD変換部60及びフィルタ62A以外の構成は、本実施の形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
ただし、本変形例では、複数の実電圧のデータの平均を算出してデータの平滑化を図るフィルタ62Aで不感帯処理を行うので、図3に示した処理は、以下のように行われる。
ステップ300では、AD変換部60からデジタル信号化されたバッテリ80の最新の実電圧値を取得すると共に、ホールドしていた過去データとの平均を算出して現在データを得る。
ステップ302では、ステップ300で算出した現在データ(最新の平均値)と、過去データ(直前の平均値)との差分を算出する。ステップ304では、差分が所定値未満か否かを判定する。ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306で現在データを破棄し、過去データを現在データのメモリアドレスに上書きする、すなわち過去データを現在データとして扱う。ステップ304で否定判定の場合には、ステップ308で現在データを採用する。ステップ306、308で現在データとして扱われたデータは、フィルタ62Aの後段の電圧補正部68に出力される。
そしてステップ310では、現在データを過去データのメモリアドレスにコピーして、処理をリターンする。
図7は本実施の形態の他の変形例であるにモータ駆動回路20Bを示している。図7に示したように、電圧補正部68の後段に不感帯処理部64を別途設け、不感帯処理部64で図3に示した不感帯処理を行って最終出力dutyを調整してもよい。図7に示した構成は、不感帯処理部64を別途設けた点と、AD変換部60が不感帯処理を実行しない点以外、その構成は上述の本実施の形態と同様なので詳細な説明は省略する。
ただし、図7に示した例では、電圧補正部68の後段にある不感帯処理部64で不感帯処理を行うので、図3に示した処理は、以下のように行われる。
ステップ300では、電圧補正部68から電圧補償されたデューティ比が入力される。ステップ302では、ステップ300で取得したデューティ比(現在データ)と、その直前に取得したデューティ比(過去データ)との差分を算出する。ステップ304では、差分が所定値未満か否かを判定する。ステップ304で肯定判定の場合には、ステップ306で現在データを破棄し、過去データを現在データのメモリアドレスに上書きすると共に、上書きした過去データを最終出力dutyとしてFETドライバに出力する。ステップ304で否定判定の場合には、ステップ308で現在データを採用すると共に、現在データを最終出力dutyとしてFETドライバに出力する。
そしてステップ310では、現在データを過去データのメモリアドレスにコピーして、処理をリターンする。
以上説明したように、本実施の形態では、出力デューティ比が100%近くになった場合には、AD変換部60A、フィルタ62A及び不感帯処理部64のいずれかで図3に示した不感帯処理を行っている。その結果、最終出力dutyの算出において実電圧の微小な変動を無視でき、FET44A〜44Fのスイッチング動作の安定化を図り、モータ52の回転ハンチングを防止することができる。
[第2の実施の形態]
続いて本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は、本実施の形態に係るモータ駆動回路120の概略を示すブロック図である。
第1の実施の形態では、現在データと過去データとの差分を算出した。しかしながら、四則演算が可能なように構成されたマイクロコンピュータであれば、第1の実施の形態のような演算は容易だが、マイクロコンピュータを有しないモータ制御用のコントローラICではその限りではない。第1の実施の形態のような演算処理を行うには、モータ制御用のコントローラを四則演算が可能なものに変更すること、または大規模なアルミ配線層の修正を要するが、かかるコントローラまたは修正費用はコスト高であるという問題点があった。
本実施の形態は、第1の実施の形態のような減算処理を行わずに、第1の実施の形態の不感帯処理に近似した処理を可能とし、低コストな半導体装置であっても、出力デューティ比が高い場合に、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させるようにする。
図8に示したように、本実施の形態は、疑似不感帯処理部74を有し、AD変換部60B及びフィルタ62Bが第1の実施の形態と相違するが、他の構成については第1の実施の形態と同様なので詳細な説明は省略する。本実施の形態では、AD変換部60B、フィルタ62B及び疑似不感帯処理部74の少なくともいずれか1つで後述する疑似不感帯処理を行う。後述するように、疑似不感帯処理は、第1の実施の形態で説明した不感帯処理よりも演算負荷が軽いので、AD変換部60B、フィルタ62B及び疑似不感帯処理部74の各々で実行してもよい。また、AD変換部60B、フィルタ62B及び疑似不感帯処理部74の各々で疑似不感帯処理を多重的に実行した場合、実電圧の変動の平滑化、又は出力デューティ比の変動の平滑化がなされ、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることに資する。
図9は、本実施の形態に係るモータ駆動回路120における疑似不感帯処理の一例を示したフローチャートである。本実施の形態では、PI制御部66から電圧補正部68に入力された出力デューティ比が100%近く(一例として95%以上)になった場合に、一例として、AD変換部60Aで図9の処理が開始される。ステップ100では、バッテリ80の現在の実電圧値を取得して、8bitのデジタル信号に変換する。
ステップ102では、ステップ100で取得した現在の実電圧値のデジタル信号(現在データ)の不感帯bitの1つ上位のbitと、その直前に取得した実電圧のデジタル信号(過去データ)の不感帯bitの1つ上位のbitと、を比較する。不感帯bitとは、変動を無視する下位のbitで、後述するように、本実施の形態では、「bit0」、「bit1」の下位のbitを不感帯bitとする。かかる場合は、後述するように、「bit2」がステップ102での比較対象である上位bitになる。
ステップ104では、現在データと過去データの各々の上位bitが同じか否かを判定する。ステップ104で肯定判定の場合には、ステップ106で過去データの不感帯bitを現在データの不感帯bitに上書きする。ステップ104で否定判定の場合には、ステップ108で現在データを採用する。ステップ306、308で現在データとして扱われたデータは、AD変換部60Bの後段のフィルタ62Bに出力される。
そしてステップ310では、現在データの不感帯bitを過去データの不感帯bitにコピーして、処理をリターンする。
図10(A)は、図9のステップ102、104の処理の一例を示し、図10(B)は図9のステップ106の処理の一例を示し、図10(C)は、図9のステップ110の処理の一例を示している。図10に示したように、一例として、不感帯bitは「bit0」及び「bit1」であり、上位bitは「bit2」である。図10(A)に示したように、ステップ102、104では、現在データの「bit2」と過去データの「bit2」とを比較する。図10(A)に示した場合は、上位bitである「bit2」が一致するので、図9のステップ104では肯定判定をする。
図10(B)に示したように、図9のステップ106では、過去データの不感帯bitを現在データの不感帯bitに上書きする。そして、図10(C)に示したように、図9のステップ110では、現在データ(として扱われるデータ)の不感帯bitと上位bitを過去データに上書きする。
図11(A)は、図9のステップ102、104の処理の他の例を示し、図11(B)は、図9のステップ110の処理の他の例を示している。図11(A)に示したように、図9のステップ102、104では、現在データの「bit2」と過去データの「bit2」とを比較する。図11(A)に示した場合は、上位bitである「bit2」が異なるので、図9のステップ104では否定判定をする。その結果、図9のステップ108で現在データが採用され、図9のステップ110では、採用された現在データの不感帯bitと上位bitを過去データに上書きする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、出力デューティ比が100%近くになった場合には、所定のbitを比較するという簡易な処理により、最終出力dutyの算出において実電圧の微小な変動を無視でき、FET44A〜44Fのスイッチング動作の安定化を図り、モータ52の回転ハンチングを防止することができる。
本実施の形態では、不感帯bitは「bit0」及び「bit1」である。不感帯bitを下位2桁に設定した場合、現在データの0〜3(10進法による)の変動は、電圧補償制御、最終出力dutyの算出において無視することになり、結果的に、第1の実施の形態の不感帯処理と同様の作用効果を奏することが可能となる。
所定のbitの比較は、四則演算ができないまたは演算のためには大規模なアルミ配線層の修正が必要な低コストな半導体装置でも小規模なアルミ配線層の変更で対応可能なので、モータ駆動回路のハードウェアを変更することなく、かつ低コストでモータのコイルに印加される電圧のデューティ比が高い場合でも、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることが可能になる。
[第3の実施の形態]
続いて本発明の第3の実施の形態について説明する。図12は、本実施の形態に係るモータ駆動回路220の概略を示すブロック図である。図12に示したように、本実施の形態は、AD変換部60Cが第1の実施の形態と相違するが、他の構成については第1の実施の形態と同様なので詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、出力デューティ比が100%近くの場合に、例えば、AD変換部60Cの分解能を低下させる分解能ダウン処理によって、バッテリ80の実電圧の微小な変動を無視する処理を行う。
図13は、本実施の形態に係るモータ駆動回路220における分解能ダウン処理の一例を示したフローチャートである。本実施の形態では、PI制御部66から電圧補正部68に入力された出力デューティ比が100%近く(一例として95%以上)になった場合に、一例として、AD変換部60Cで図13の処理が開始される。ステップ140では、バッテリ80の現在の実電圧値を取得して、8bitのデジタル信号に変換する。
ステップ142では、現在データの最下位bitを固定し、ステップ144では最下位bitを固定した現在データを過去データに上書きして処理をリターンする。
図14(A)は、図13のステップ142の処理の一例を示し、図14(B)は、図13のステップ144の処理の一例を示している。図14(A)に示したように、図13のステップ142では、現在データの最下位bitである「bit0」を「0」に固定する。最下位bitは「1」に固定してもよい。そして、図13のステップ144では、最下位bitを固定された現在データを過去データに上書きする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、出力デューティ比が100%近くになった場合には、最下位bitを固定するという簡易な処理により、最終出力dutyの算出において実電圧の微小な変動を無視でき、FET44A〜44Fのスイッチング動作の安定化を図り、モータ52の回転ハンチングを防止することができる。
最下位bitを固定した場合、現在データの0〜1の変動は、電圧補償制御、最終出力dutyの算出において無視することになり、実電圧等の微小な変動により、最終出力dutyが影響されることを防止できる。
最下位bitの固定は、四則演算ができない低コストな半導体装置でも対応可能なので、モータ駆動回路のハードウェアを変更することなく、かつ低コストでモータのコイルに印加される電圧のデューティ比が高い場合でも、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることが可能になる。
なお、本実施の形態に係る分解能ダウン処理は、図15に示した変形例であるモータ駆動回路220Aのように、AD変換部60ではなく、フィルタ62Cで実行してもよい。ただし、本変形例では、複数の実電圧のデータの平均を算出してデータの平滑化を図るフィルタ62Cで分解能ダウン処理を行うので、図13に示した処理は、以下のように行われる。
ステップ140では、AD変換部60からデジタル信号化されたバッテリ80の最新の実電圧値を取得すると共に、ホールドしていた過去データとの平均を算出して現在データを得る。
ステップ142では、現在データの最下位bitを固定し、ステップ144では最下位bitを固定した現在データを過去データに上書きして処理をリターンする。
また、本実施の形態では、図16に示した変形例であるモータ駆動回路220Bのように、電圧補正部68の後段に分解能ダウン処理部72を別途設け、この分解能ダウン処理部72で図13に示した分解能ダウン処理を行って最終出力dutyを調整してもよい。図16に示した構成は、分解能ダウン処理部72を別途設けた点と、AD変換部60が分解能ダウン処理を実行しない点以外、その構成は上述の本実施の形態と同様なので詳細な説明は省略する。
ただし、図16に示した例では、電圧補正部68の後段にある分解能ダウン処理部72で解能ダウン処理を行うので、図13に示した処理は、以下のように行われる。ステップ140では、電圧補正部68から電圧補償されたデューティ比が入力される。
ステップ142では、現在データである電圧補償されたデューティ比の最下位bitを固定し、ステップ144では最下位bitを固定した現在データを過去データに上書きして処理をリターンする。
以上説明したように、平滑化したデジタル信号、又は電圧補償制御後の出力デューティ比を示すデジタル信号の最下位bitを固定することにより、実電圧等の微小な変動により、最終出力dutyが影響されることを防止できる。
[第4の実施の形態]
続いて本発明の第4の実施の形態について説明する。図17は、本実施の形態に係るモータ駆動回路320の概略を示すブロック図である。図17に示したように、本実施の形態は、AD変換部60及び電圧補正部68Dが第1の実施の形態と相違するが、他の構成については第1の実施の形態と同様なので詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、出力デューティ比が100%近くの場合に、例えば、電圧補正部68Dにおける電圧補償制御のゲインを低下させる処理によって、バッテリ80の実電圧の微小な変動を無視する処理を行う。
本実施の形態に係る電圧補正部68Dは、基準電圧を8bitで扱っている。出力デューティ比が100%近くでない場合には、一例として、8bitのデータを下記のように処理して得られるゲインで電圧補償制御を実行する。
(1)128×出力デューティ比(出力デューティ比を7左シフト)
(2)32 ×出力デューティ比(出力デューティ比を5左シフト)
(3)16 ×出力デューティ比(出力デューティ比を4左シフト)
(4)8 ×出力デューティ比(出力デューティ比を3左シフト)
上記の128、32、16、8を加算することにより、10進法で184倍のゲイン係数を設定する。仮に、上記(2)の「出力デューティ比を5左シフト」の処理を停止することにより、電圧補償制御のゲインを低下させる。実際に上記(2)の処理を停止すると、128+16+8=152倍にゲインは低下する。(1)〜(4)の処理を実行した場合に対して約2割ゲインを低下させることができる。
電圧補償制御は、「(基準電圧/電源の実電圧)×出力デューティ比」という処理であるが、本実施の形態では、出力デューティ比が100%近くの場合に、上記の式の基準電圧に184倍のゲイン係数を乗算し、上記式の電源の実電圧に152倍のゲイン係数を乗算する。その結果、電源の実電圧の変動による電圧補償制御への影響を低下させることができる。
出力デューティ比が100%近くの場合に、電圧補償制御のゲインを低下させることにより、最終出力dutyの算出において実電圧の微小な変動を無視でき、FET44A〜44Fのスイッチング動作の安定化を図り、モータ52の回転ハンチングを防止することができる。
電圧補償制御のゲインを低下させる処理は、四則演算ができない低コストな半導体装置でも制御プログラムを若干変更することで対応可能なので、モータ駆動回路のハードウェアを変更することなく、かつ低コストでモータのコイルに印加される電圧のデューティ比が高い場合でも、電圧補償制御を継続しながらモータを安定して回転させることが可能になる。
10…モータユニット、12…ロータ、12A…センサマグネット、12B…ホール素子、14…ステータ、14U,14V,14W…コイル、16…シャフト、18…上ケース、20,20A,20B…モータ駆動回路、22…基板、24…ヒートシンク、28…下ケース、40…インバータ回路、44A,44B,44C,44D,44E,44F…FET、52…モータ、54…コンパレータ、56…実回転数算出部、58…指令回転数算出部、60,60A,60B,60C…AD変換部、62,62A,62B,62C…フィルタ、64…不感帯処理部、66…PI制御部、66I…偏差積分部、66P…偏差比例部、68,68D…電圧補正部、70…FETドライバ、72…分解能ダウン処理部、74…疑似不感帯処理部、78…エアコンECU、80…バッテリ、82…チョークコイル、96…範囲、120,220,220A,220B,320…モータ駆動回路

Claims (8)

  1. スイッチング応答が非線形性を有する複数の電界効果トランジスタで構成されたインバータ回路によってモータに印加する電圧を生成する駆動部と、
    デューティ比が閾値未満の場合に該デューティ比を電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正した第1デューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をすると共に、前記デューティ比が前記閾値以上で、かつ電源電圧の変動が所定値以内の場合には、該電源電圧の変動による影響を除外した第2デューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をする制御部と、
    を含むモータ駆動回路。
  2. 前記電源電圧の変動による影響を除外した第2デューティ比は、前記デューティ比を変動直前の電源電圧に対する前記基準電圧の比に応じて補正したデューティ比である請求項1に記載のモータ駆動回路。
  3. 前記制御部は、電源電圧の変動前後の電圧の差分に基づいて、前記電源電圧の変動が所定値以内か否かを判定する請求項1または2に記載のモータ駆動回路。
  4. 前記電源電圧の変動が所定値以内の場合は、前記電源電圧をデジタル変換したデジタル値の所定桁の下位ビットの値が同一の場合である請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動回路。
  5. 前記電源電圧の変動前後での前記電源電圧をデジタル変換した各々のデジタル値の最下位ビットを同じ値にして前記デューティ比を補正することにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する請求項1に記載のモータ駆動回路。
  6. 前記制御部は、前記デューティ比に、前記電源電圧に対する基準電圧の比で表されるゲイン係数を乗算して前記デューティ比を電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正し、前記ゲイン係数を小さくすることにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する請求項1に記載のモータ駆動回路。
  7. 前記制御部は、電源電圧に応じて補正する前のデューティ比が前記閾値以上で、かつ電源電圧が変動した際に、変動直前の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の所定桁の下位ビットと変動直後の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の所定桁の下位ビットとが同一の場合に、変動直前の電源電圧に応じて補正したデューティ比に従った電圧を前記駆動部に生成させる制御をする請求項1に記載のモータ駆動回路。
  8. 前記制御部は、前記デューティ比のデジタル値の最下位ビットと変動直後の電源電圧に対する基準電圧の比に応じて補正したデューティ比のデジタル値の最下位ビットと、を同じ値にすることにより、前記デューティ比の前記電源電圧の変動による影響を除外する請求項1に記載のモータ駆動回路。
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