JP5805262B1 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の制御装置において、制御応答性を損なうことなく、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限を抑制することを目的とする。また、電動機の中性点電位の変動をできるだけ抑えた速度安定性の良い電動機の制御装置の提供を目的とする。【解決手段】PWM制御信号に応じてインバータ20のスイッチング動作を制御することによりインバータに入力される直流電源電圧を変換して電動機10の出力トルクを制御する電動機の制御装置であって、最終指令値演算部は、デッドタイムとPWM制御信号のキャリア周波数に基づいて出力指令限界値を演算して、各相毎のデッドタイム補償指令値と出力指令限界値とを比較し、デッドタイム補償指令値が出力指令限界値を超えている相がある場合、当該超えている相のデッドタイム補償指令値と出力指令限界値との差に基づいて各相毎の最終指令値を補正することを特徴とする電動機の制御装置。【選択図】図12

Description

本発明は、インバータ駆動される電動機の制御装置に関し、より特定的には、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限の抑制に関するものである。
従来より、3相モータの駆動装置として電圧形PWMインバータが用いられている。一般に、電圧形PWMインバータは、高電位側スイッチング素子(上側スイッチ、上SWとも呼ぶ)と低電位側スイッチング素子(下側スイッチ、下SWとも呼ぶ)とからなる逆変換回路を備える。
各相の上側スイッチと下側スイッチとは、同時にオンするとショートするため、原則として、一方がオンのとき他方がオフとなるようスイッチングする。しかし、オン/オフの切換に微小時間の遅れが生ずるため、上下スイッチが共にオフする時間を設けることで、瞬間的に同時にオンすることを防止している。この「上下スイッチの短絡を防止するための時間」をデッドタイムという。
このデッドタイムの期間は、各相の電流(相電流とも呼ぶ)の向きにより出力電圧が変わるため、デッドタイム期間の出力を考慮せずにスイッチング素子へのPWM制御信号を生成すると、相電流の向きによっては、所望の出力電圧から誤差が生じる。このため、デッドタイムによって生じる出力電圧誤差を補償する処理(デッドタイム補償処理と呼ぶ)が一般的に実行される。
具体的には、電流が電動機に流れ込む向きの場合(電流を正とする)、デッドタイムの間は出力電圧が低電位側の電圧となる、すなわち、上SWがオフ、下SWがオンと同等の出力となる。この場合、上SWをオンしている期間分だけ出力がなされるため、上SW用デューティを補正する必要はない。
一方、電流が電動機から流れ出す向きの場合(電流を負とする)、デッドタイムの間は出力電圧が高電位側の電圧となる、すなわち、上SWがオン、下SWがオフと同等の出力となる。この場合、上SWをオンしている期間だけでなくデッドタイムの期間も出力がなされるため、上SW用デューティを補正する必要がある。詳細には、上SWのオン期間をデッドタイム分減少させるよう、上SW用デューティをデッドタイムに相当するデューティ分だけ減少させる。
なお、単にデューティと記した場合、上SW用デューティを意味するものとする。
上述のデッドタイム補償処理により、電源電圧と出力電圧指令値の関係から求まるデューティ指令値(基本デューティ指令値と称す)が補償されることにより、設定されるデューティ指令値範囲が変化する。例えば、出力電圧指令値の範囲と電源電圧が同じであるような場合、基本デューディ指令値の範囲は0%〜100%である。ここで、デッドタイム補償処理により、設定されるデューティ指令値範囲は電流の向きに応じて以下のようになる。なお、DTはデッドタイムを、CTはキャリア周期である。
電流が正の場合:0〜100%
電流が負の場合:(-2×DT÷CT×100)〜(1-2×DT÷CT)×100%
すなわち、設定されうるデューティ指令値の全範囲は、
(-2×DT÷CT×100)〜100% となる。
上述のように、デッドタイム補償処理によりPWM制御信号は所望の出力電圧が得られるようデューティ指令値が変更される。一方、以下に示すように、デッドタイムを確保したPWM制御信号を生成するために、許容されるデューティ指令値範囲は制限される。この許容されるデューティ指令値範囲は、PWM制御信号の生成方法によって異なる。
ここで、一般的に用いられる、上昇速度と下降速度とが互いに等しい2等辺三角形形状の三角波をPWM基準信号(キャリア、三角波指令値と呼ぶ)とする三角波比較方式を用いたPWM制御信号生成方法を、図1を用いて説明する。図1では、デューティと出力電圧が正の相関をとるよう、三角波指令値はキャリア周期において下向きの三角形状となるよう設定されている。さらに、デッドタイムを生成するため、デューティ0%〜100%の振幅の三角波指令値C1と、三角波指令値C1を下方向に(200×デッドタイムDT÷キャリア周期CT)[%]だけシフトした三角波指令値C2を作成する。そして、三角波指令値C1に基づいて上SWのオン/オフの切り替えを制御し、三角波指令値C2に基づいて下SWのオン/オフを制御することにより、デッドタイムを設けている。具体的には、上SWについては、デューティが三角波指令値C1を上回ったときオンし、デューティが三角波指令値C1を下回ったときオフする。一方、下SWについては、デューティが三角波指令値C2を上回ったときオフし、デューティが三角波指令値C2を下回ったときオンする。これにより、キャリア周期の中心から対称にオンおよびオフ期間が設定されたセンターアライン型PWMと呼ばれるPWM制御信号が生成できる。
図1に示すPWM制御信号の生成方法では、キャリア更新タイミングの前後で上側スイッチ用制御信号にデッドタイムDTのオフ期間を確保する必要がある。そのため、この方式で出力可能な最大デューティのPWM制御信号は、図2(a)に示すPWM制御信号となる。すなわち、出力可能な最大デューティは図1、図2(a)を参照して、(1-2×DT÷CT)×100[%]である。一方、この方式で出力可能な最小デューティのPWM制御信号は、図2(b)に示すPWM制御信号となる。すなわち、出力可能な最小デューティは図1、図2(b)を参照して、(-2×DT÷CT×100)[%]である。
従って、図1に示すPWM制御信号の生成方法では、設定できるデューティ指令値範囲は、(-2×DT÷CT×100)〜(1-2×DT÷CT)×100[%]である。
さらに、図1とキャリア更新タイミングが異なるPWM制御信号生成方法について、図3を用いて説明する。図3では、デューティと出力電圧が正の相関をとるよう、三角波指令値はキャリア周期において上向きの三角形状となるよう設定されている。上下SWのオン/オフの制御は図1と同じ方法で行われる。この方法においても、キャリア周期の中心から対象にオンおよびオフ期間が設定されたセンターアライン型PWMと呼ばれるPWM制御信号が生成できる。なお、図3で示されるPWM制御信号に関して、キャリア更新タイミング時における上下スイッチのオンオフ状態が、図1で示されるPWM制御信号と反転している。
図3に示すPWM制御信号の生成方法では、キャリア更新タイミングの前後で下側スイッチ用制御信号にデッドタイムDTのオフ期間を確保する必要がある。そのため、この方式で出力可能な最小デューティのPWM制御信号は、図4(a)に示すPWM制御信号となる。すなわち、出力可能な最小デューティは図3、図4(a)を参照して、0[%]である。一方、この方式で出力可能な最大デューティのPWM制御信号は、図4(b)に示すPWM制御信号となる。すなわち、出力可能な最大デューティは図3、図4(b)を参照して、100[%]である。
従って、図3に示すPWM制御信号の生成方法では、設定できるデューティ指令値範囲は、0〜100[%]である。
以上から、デッドタイム補償処理によって設定されうるデューティ指令値の範囲のうち、PWM制御信号生成が不可能なデューティ範囲がある。この範囲においては、PWM制御信号生成が可能なデューティにクリップされることが一般的な手法であり、このような場合、該当する相の出力電圧が所望の出力電圧通りとならない。その結果、U相V相W相の線間電圧が歪み、それに伴い電動機に通電される電流にも歪みが生じ、トルクリップルが生じたり、振動や騒音が生じたりする。
以上のように、スイッチング素子のデッドタイムを確保するため、キャリア周期に占めるデッドタイムの割合に応じて、許容されるデューティ指令値範囲は制限される。特に、キャリア周波数が高周波化され、キャリア周期が短くなる場合、スイッチング素子の動作速度が同じであると、1回あたりのスイッチングにおけるデッドタイムは変わらないために、高周波化しない場合と比較してキャリア周期におけるデッドタイムの割合が増加することになる。その結果、出力できなくなるPWM制御信号のデューティ範囲が増え、インバータの出力可能な出力電圧範囲がより制限されてしまうという問題がある。
例えば、キャリア周波数をモータの回転速度と同期して変化させるようにスイッチング制御する同期PWM方式では、モータ回転速度が高速となるとキャリア周期が短くなるため、出力可能な出力電圧範囲がより制限されることとなる。すなわち、モータの高速回転領域で出力可能な最大トルクが制限されることとなる。
そこで、特許第5303030号公報(特許文献1)には、電圧変換装置の制御装置について、デッドタイムによって発生する電圧変換装置の出力電圧制限により目標出力が出力できない場合に、出力可能電圧範囲を拡大するようスイッチング素子のキャリア周波数を低下させる技術が開示されている。
この技術によれば、デッドタイムによって発生する電圧変換装置の出力電圧制限により出力電圧が制限される場合においても、スイッチング素子のキャリア周波数を低下させることでキャリア周期におけるデッドタイムの割合を低下させ、出力可能電圧範囲を拡大し出力電圧が制限されないようにできる。
また、特許第5333422号公報(特許文献2)には、電力変換装置について、各スイッチング素子のオン時間がデッドタイムに基づいて決定される所定時間未満となる相がある場合に、各スイッチング素子のオン時間が所定時間以上となるように全相のスイッチングのオンおよびオフの切り替えを制御して、各相の出力電圧の平均値(以下、中性点電位と呼ぶ)を変更する技術が開示されている。より具体的には、各スイッチング素子のオン時間が前記所定時間未満となる場合には、各スイッチング素子のオン時間が所定時間以上となるように、2相変調から3相変調に切り替える技術が開示されている。
この技術によれば、各スイッチング素子のオン時間を所定時間以上とできるので、スイッチング素子をオンにする信号が出力されてからスイッチング素子がオンになるまでの立ち上がり時間の影響を受けることによる線間電圧の歪みを低減することができる。また、2相変調と3相変調を組み合わせることにより、電圧利用率を向上することができる。
特許第5303030号公報 特許第5333422号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、スイッチング素子のキャリア周波数を低下させるので、キャリア周波数と同期して制御演算を行う場合には、むだ時間に相当する制御演算周期が長くなることとなり、制御ゲインを高く設定できず制御応答性が悪化する。また、スイッチング素子のキャリア周期が長くなるため、スイッチング素子のオン継続時間またはオフ継続時間が長くなり、電流のリップルが増加して電動機のトルクリップルが増大する。
また、特許文献2に開示された手法によれば、スイッチング素子のオン時間が所定時間未満である場合に、各スイッチング素子のオン時間が所定時間以上となるように全相のスイッチングの制御を切り替えて中性点電位を変更するものであり、スイッチング素子のオン時間が所定時間未満であるかどうかに基づいているため、出力可能な出力電圧範囲であってもスイッチングの制御を切り替え中性点電位を変更する場合があり、モータの速度安定性を悪化させる場合がある。
また、モータのU相、V相を例にとって各相の関係に着目すると、出力電圧可能範囲である図5(a)に示すPWM制御信号であっても、特許文献2に開示される手法で各スイッチング素子のオン時間が所定時間以上になるように切り替えると、PWM制御信号はデッドタイムを確保して生成されないといけないため、図5(b)に示すように、U相とV相の補正量に差異が発生し、その結果、線間電圧に歪みが生じる場合がある。言い換えると、歪みを生じずに出力できる出力電圧範囲が制限される。この問題は、特に、デッドタイムのキャリア周期に占める割合が大きくなるキャリア周波数の高い場合に発生しやすくなる。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、電動機の制御装置において、制御応答性を損なうことなく、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限を抑制することを目的とする。また、電動機の中性点電位の変動をできるだけ抑えた速度安定性の良い電動機の制御装置の提供を目的とする。
本発明に係る電動機の制御装置は、高電位側に配置される複数の上側スイッチング素子と低電位側に配置される複数の下側スイッチング素子とを含むインバータと、前記インバータの同相の上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが同時にオンとならないようにデッドタイムを設けてスイッチング動作をさせるPWM制御信号を生成する制御指令演算部とを備え、
前記PWM制御信号に応じて前記インバータのスイッチング動作を制御することにより前記インバータに入力される直流電源電圧を変換して電動機の出力トルクを制御する電動機の制御装置であって、
前記制御指令演算部は、前記電動機のトルク指令に基づいて各相毎の基本出力指令値を演算する基本出力指令値演算部と、前記デッドタイムの影響により変化する出力電圧を打ち消すようなデッドタイム補償値に基づいて各相毎の前記基本出力指令値を変更して各相毎のデッドタイム補償指令値を演算するデッドタイム補償部と、各相毎の前記デッドタイム補償指令値が前記PWM制御信号として出力可能な指令値範囲内に入るように補正して各相毎の最終指令値として演算する最終指令値演算部と、前記最終指令値に基づいて前記PWM制御信号を生成するPWM信号生成部と、を有し、
前記最終指令値演算部は、前記デッドタイムと前記PWM制御信号のキャリア周波数に基づいて出力指令上限値を演算し、各相毎の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令上限値とを比較し、前記デッドタイム補償指令値が前記出力指令上限値より大きい相がある場合、当該大きい相の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令上限値との差を出力指令補正値として演算し、全相の前記デッドタイム補償指令値から前記出力指令補正値を減算した値を各相毎の前記最終指令値とするものでる。
また、本発明に係る電動機の制御装置は、高電位側に配置される複数の上側スイッチング素子と低電位側に配置される複数の下側スイッチング素子とを含むインバータと、前記インバータの同相の上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが同時にオンとならないようにデッドタイムを設けてスイッチング動作をさせるPWM制御信号を生成する制御指令演算部とを備え、
前記PWM制御信号に応じて前記インバータのスイッチング動作を制御することにより前記インバータに入力される直流電源電圧を変換して電動機の出力トルクを制御する電動機の制御装置であって、
前記制御指令演算部は、前記電動機のトルク指令に基づいて各相毎の基本出力指令値を演算する基本出力指令値演算部と、前記デッドタイムの影響により変化する出力電圧を打ち消すようなデッドタイム補償値に基づいて各相毎の前記基本出力指令値を変更して各相毎のデッドタイム補償指令値を演算するデッドタイム補償部と、各相毎の前記デッドタイム補償指令値が前記PWM制御信号として出力可能な指令値範囲内に入るように補正して各相毎の最終指令値として演算する最終指令値演算部と、前記最終指令値に基づいて前記PWM制御信号を生成するPWM信号生成部と、を有し、
前記最終指令値演算部は、各相毎の前記デッドタイム補償指令値と予め設定された出力指令下限値とを比較し、前記デッドタイム補償指令値が前記出力指令下限値より小さい相がある場合、当該小さい相の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令下限値との差を出力指令補正値として演算し、全相の前記デッドタイム補償指令値から前記出力指令補正値を減算した値を各相毎の前記最終指令値とするものである。
本発明によれば、制御応答性を損なうことなく、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限が抑制された電動機の制御装置を提供することができる。また、本発明によれば、電動機の中性点電位の変動をできるだけ抑えた速度安定性の良い電動機の制御装置を提供することができる。
実施の形態1に係るPWM制御信号生成方法を例示する図。 実施の形態1に係る最大および最小デューティのPWM制御信号を例示する図。 実施の形態2に係るPWM制御信号生成方法を例示する図。 実施の形態2に係る最大および最小デューティのPWM制御信号を例示する図。 特許文献2に開示された手法による課題を説明する図。 実施の形態1、実施の形態2に係わる電動機の制御装置を例示する構成図。 実施の形態1、実施の形態2に係わる制御部60の処理ブロックを例示する図。 実施の形態1、実施の形態2に係わるデューティ変換部70の処理ブロックを例示する図。 インバータにおける一般的なデューティ指令信号を説明する図。 実施の形態1に係るデューティ変換部70の処理の一例をフローチャートで説明する図。 実施の形態1に係るデューティ変換部70の処理の一例をフローチャートで説明する図。 実施の形態1に係るデューティ変換部70の処理による効果を例示する図。 実施の形態2に係るデューティ変換部70の処理の一例をフローチャートで説明する図。 実施の形態2に係るデューティ変換部70の処理による効果を例示する図。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態では、インバータ駆動される電動機の制御装置について説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図6に示すように、実施の形態1に係わる電動機の制御装置は、パルス幅変調(以下、「PWM」という。)により、電動機としてのモータ10を駆動制御するものである。モータ10は、例えば車載用の電動モータであって、電動ファン、オイルポンプ、ウォーターポンプ、車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング装置等に適用される。もちろん、車載用以外に電動モータに用いてもよい。
モータ10は、三相ブラシレスモータであり、いずれも図示しないロータおよびステータを有している。ロータは、円板状の部材であり、その表面に永久磁石が貼り付けられ、磁極を有している。ステータは、内部にロータを相対回転可能に収容している。ステータは、径内方向へ所定角度毎に突出する突出部を有し、この突出部に図6に示すU相コイル11、V相コイル12、およびW相コイル13が巻回されている。U相コイル11、V相コイル12、およびW相コイル13が「巻線」に対応している。
実施の形態1は、インバータ部20、回転角センサ30、電流検出部40、コンデンサ50、チョークコイル51、制御部60、バッテリ90等を備えている。インバータ部20は、3相電圧形PWMインバータであり、U相コイル11、V相コイル12、およびW相コイル13のそれぞれへの通電を切り替えるべく、6つのスイッチング素子21〜26がブリッジ接続されている。スイッチング素子21〜26は、電界効果トランジスタの一種であるMOSFETであるが、その他のトランジスタ、IGBT等を用いてもよい。以下、スイッチング素子21〜26をSW21〜26という。
3つのSW21〜23は、ドレインがバッテリ90の正極側に接続されている。また、SW21〜23のソースがそれぞれSW24〜26のドレインに接続されている。SW24〜26のソースは、バッテリ90の負極側に接続されている。
対になっているSW21とSW24との接続点は、U相コイル11の一端に接続している。対になっているSW22とSW25との接続点は、V相コイル12の一端に接続している。対になっているSW223とSW25との接続点は、W相コイル13の一端に接続している。
以下、高電位側に配置されるスイッチング素子であるSW21〜23を「上SW」、低電位側に配置されているスイッチング素子であるSW24〜26を「下SW」という。なお、本稿の実施の形態では、分かりやすさのため低電位側の電位を0Vとする。
電流検出部40は、U相電流検出部41、V相電流検出部42、およびW相電流検出部43から構成される。本実施形態では、U相電流検出部41、V相電流検出部42、およびW相電流検出部43は、シャント抵抗により構成される。以下、U相電流検出部41、V相電流検出部42、およびW相電流検出部43を、適宜電流検出部41〜43ともいう。U相電流検出部41は、U相コイル11に流れる電流を検出する。V相電流検出部42は、V相コイル12に流れる電流を検出する。W相電流検出部43はW相コイル13に流れる電流を検出する。電流検出部41〜43により検出された検出値(以下、「AD値」という。)は、増幅回路44を経由して制御部60を構成するレジスタに記憶される。なお、レジスタによるAD値の取得は、電流検出部41〜43について同時に行われる。
回転角センサ30(例えば、レゾルバ)は、モータ10に取り付けられており、モータ10のロータ位置を表す位置情報、具体的には、ロータの回転角を検出する。回転角センサ30によって検出されたロータの回転角は、電気角θに換算され、制御部60を構成するレジスタに記憶される。
コンデンサ50およびチョークコイル51は、バッテリ90とインバータ部20との間に配置され、パワーフィルタを構成している。これにより、バッテリ90を共有する他の装置から伝わるノイズを低減する。また、インバータ部20側からバッテリ90を共有する他の装置へ伝わるノイズを低減している。コンデンサ50は、電荷を蓄えることで、SW21〜26への電力供給を補助したり、サージ電流などのノイズ成分を抑制したりする。コンデンサ50の電圧Vconは、制御部60により取得される。
制御部60は、電力変換装置1全体の制御を司るものであって、マイコン67、図示しないレジスタ、駆動回路68等で構成される。図7に示すように、制御部60は、三相二相変換部62、制御器63、二相三相変換部64、デューティ変換部70、PWM信号生成部80等を有している。
三相二相変換部62は、電流検出部41〜43により検出されレジスタに記憶されたAD値を読み込み、読み込まれたAD値に基づいてU相電流Iu、V相電流Iv、およびW相電流Iwを算出する。算出された三相電流Iu、Iv、Iwおよび回転角センサ30から入力された電気角θに基づき、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqを算出する。
制御器63では、d軸電流指令値Id*およびq軸電流指令値Iq*と、d軸電流検出値Idおよびq軸電流検出値Iqとから、電流フィードバック演算を行い、d軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を算出する。より詳細には、d軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Idとの電流偏差ΔId、および、q軸電流指令値Iq*とq軸電流検出値Iqとの電流偏差ΔIqを算出し、電流指令値Id*、Iq*に追従させるべく、電流偏差ΔId、ΔIqが0に収束するように電圧指令値Vd*、Vq*を算出する。
二相三相変換部64では、制御器63で算出された電圧指令値Vd*、Vq*および電気角θに基づき、三相電圧指令値Vu1、Vv1、Vw1を算出する。なお、三相電圧指令値Vu1、Vv1、Vw1はインバータに入力される直流電源電圧、すなわち、コンデンサ50の電圧Vcon以下となるように設定されることが好ましい。
デューティ変換部70では、二相三相変換部64で算出された三相電圧指令値Vu1、Vv1、Vw1に基づき、デューティ指令値を算出する。デューティ変換部70は図8に示すように、デューティ換算部71、デッドタイム補償部72、最終指令デューティ演算部73で構成される。
まず、デューティ換算部71では、コンデンサ50の電圧Vconを参照しつつ、三相電圧指令値Vu1、Vv1、Vw1をデューティ換算値Vu2、Vv2、Vw2に換算する。
デッドタイム補償部72では、デッドタイムの影響により、コイル11〜13に印加される電圧が変化する変化量を打ち消すように、デッドタイムに基づく値であるデッドタイム補償量に基づいてデューティ換算値Vu2、Vv2、Vw2を変更し、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3を算出する。
最終指令デューティ演算部73では、デッドタイムを設けることにより制限されるデューティ上限値Vmaxを演算し、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3がデューティ上限値Vmaxより大きくなる場合には、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3をデューティ上限値Vmax以下となるよう補正し、調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4を算出する。さらに、PWM信号生成部80で生成できる下限値であるデューティ下限値Vminより小さい調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4については、デューティ下限値Vminに置き換えて、最終デューティ指令値Vu5、Vv5、Vw5を算出する。
デューティ変換部70における処理の詳細については後述する。なお、 三相二相変換部62、制御器63、二相三相変換部64、デューティ間残部71が請求項に記載される基本出力指令値演算部に該当し、デッドタイム補償部72が請求項に記載されるデッドタイム補償部に該当し、最終指令デューティ演算部73が請求項に記載される最終指令値演算部に該当する。
PWM信号処理部80は、デューティ変換部70から出力された最終デューティ指令値Vu5、Vv5、Vw5とPWM信号のキャリア信号であるPWM基準信号とを比較し、SW21〜26のオン/オフを制御している。図7では、U相上SW用信号をUH_SW、U相下SW用信号をUL_SW、V相上SW用信号をVH_SW、V相下SW用信号をVL_SW、W相上SW用信号をWH_SW、W相下SW用信号をWL_SWと表記している。なお、本実施形態では、上昇速度と下降速度とが互いに等しい2等辺三角形形状の三角波をPWM基準信号(三角波指令値と呼ぶ)とする三角波比較方式を用いる。
ここで、三角波比較方式によるPWM制御信号生成方法は図1に示した方法である。具体的には、デューティと出力電圧が正の相関をとるよう、三角波指令値はキャリア周期において下向きの三角形状となるよう設定されている。さらに、デッドタイムを生成するため、デューティ0%〜100%の振幅の三角波指令値C1と、三角波指令値C1を下方向に(200×デッドタイムDT÷キャリア周期CT)[%]だけシフトした三角波指令値C2を作成する。上SW21、22、23については、デューティが三角波指令値C1を上回ったときオンし、デューティが三角波指令値C1を下回ったときオフする。一方、下SW24、25、26については、デューティが三角波指令値C2を上回ったときオフし、デューティが三角波指令値C2を下回ったときオンする。これにより、キャリア周期の中心から対称にオンおよびオフ期間が設定されたセンターアライン型のPWM制御信号を生成する。なお、本実施の形態1におけるPWM制御信号は、キャリア更新タイミング前後において、上SW用制御信号にデッドタイム用のオフが確保される。
続いて、一般的なデューティ指令について、図9を参照して説明する。
図9(a)に示すように、デューティ指令信号は、振幅が略同一で、位相が互いに120°ずれた正弦波信号であるU相デューティDu指令信号、V相デューティDv指令信号およびW相デューティDw指令信号の3つの信号から構成される。デューティ指令信号の最大値と最小値との平均値はデューティ約50%に相当する。
PWM基準信号Pは、三角波信号であり、デューティ指令信号の正弦波の周期に比べ極めて短い。なお、図9(a)では、デューティ指令信号の1周期におけるPWM基準信号Pの数は模式的に図示してあり、実際にはPWM基準信号Pの周波数はもっと頻繁である。図9(b)は、図9(a)の領域Kを拡大し、PWM基準信号Pとデューティ指令信号との大小関係を模式的に示した説明図である。図9(b)を参照して、U相デューティDu指令信号、V相デューティDv指令信号およびW相デューティDw指令信号の位相が互いに120°ずれていることにより、キャリアの1周期でみるとデューティ指令値がU相V相W相で異なることが示される。なお、上述のデューティ指令信号は、本実施の形態では、デッドタイム補償部72で算出された補償デューティ指令値に相当する。
ところで、本実施の形態1におけるPWM信号生成方法では、図1、図2を参照して前述したように、(1-2×DT÷CT)×100〜100[%]のデューティ範囲がデッドタイムにより所望の出力が得られず、出力が歪む領域である。
そこで、本実施の形態では、補償デューティ指令値が上述の範囲であった場合でも出力の歪みを防止するよう、制御部60のデューティ変換部70において補償デューティ指令値を補正する最終指令デューティ演算部73を設けている。そこで、制御部60におけるデューティ変換部70の処理について、図10、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
デューティ換算部71の処理:
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、三相電圧指令値Vu1、Vv1、Vw1およびコンデンサ50の電圧Vconから、デューティ換算値Vu2、Vv2、Vw2を算出する。デューティ換算値Vu2、Vv2、Vw2は、以下の式(1)〜(3)により算出される。
Vu2=Vu1÷Vcon×100 …(1)
Vv2=Vv1÷Vcon×100 …(2)
Vw2=Vw1÷Vcon×100 …(3)
デッドタイム補償部72の処理:
S102では、U相電流検出部41により検出されるAD値に基づき、U相電流Iuが0未満か否かを判断する。なお、U相電流Iuが負である場合、コイル11から電流が流れ出し、U相電流Iuが正である場合、コイル11に電流が流れ込む。他の相電流についても同様である。
U相電流Iuが0未満である場合(S102:YES)、すなわちU相電流Iuが負である場合、S103へ移行する。U相電流Iuが0以上である場合(S102:NO)、すなわちU相電流Iuが正である場合、S104へ移行する。
U相電流Iuが負である場合(S102:YES)に移行するS103では、相電流が負のときデッドタイムの間は出力電圧がコンデンサ50の電圧Vconとなる、すなわち上SWがオン、下SWがオフと同等の出力となるため、これを補償すべくデッドタイム補償を行い、補償デューティ指令値Vu3を算出する。補償デューティ指令値Vu3は、以下の式(4)により算出される。
Vu3=Vu2-2×DT÷CT×100 …(4)
U相電流Iuが正である場合(S102:NO)に移行するS104では、相電流が正のときデッドタイムの間は出力電圧が低電位側すなわち0Vとなる、すなわち上SWがオフ、下SWがオンと同等の出力となるため、デューティ換算値Vu2 を補償する必要はない。従い、補償デューティ指令値Vu3は、以下の式(5)により算出される。
Vu3=Vu2 …(5)
S105では、V相電流検出部42により検出されるAD値に基づき、V相電流Ivが0未満か否かを判断する。
V相電流Ivが0未満である場合(S105:YES)、すなわちV相電流Ivが負である場合、S106へ移行する。V相電流Ivが0以上である場合(S105:NO)、すなわちV相電流Ivが正である場合、S107へ移行する。
V相電流Ivが負である場合(S105:YES)に移行するS106では、U相と同様の方法で、補償デューティ指令値Vv3は、以下の式(6)により算出される。
Vv3=Vv2-2×DT÷CT×100 …(6)
V相電流Ivが正である場合(S105:NO)に移行するS107では、U相と同様の方法で、補償デューティ指令値Vv3は、以下の式(7)により算出される。
Vv3=Vv2 …(7)
S108では、W相電流検出部43により検出されるAD値に基づき、W相電流Iwが0未満か否かを判断する。
W相電流Iwが0未満である場合(S108:YES)、すなわちW相電流Iwが負である場合、S109へ移行する。W相電流Iwが0以上である場合(S108:NO)、すなわちW相電流Iwが正である場合、S110へ移行する。
W相電流Iwが負である場合(S108:YES)に移行するS109では、U相と同様の方法で、補償デューティ指令値Vw3は、以下の式(8)により算出される。
Vw3=Vw2-2×DT÷CT×100 …(8)
W相電流Iwが正である場合(S108:NO)に移行するS110では、U相と同様の方法で、補償デューティ指令値Vw3は、以下の式(9)により算出される。
Vw3=Vw2 …(9)
なお、本実施の形態において、請求項に記載のデッドタイム補償量は、相電流が負の場合は(-2×DT÷CT×100)であり、相電流が正の場合は0である。
最終指令デューティ演算部73の処理:
S111では、PWM信号生成部で生成可能なデューティの上限値Vmaxを求める。本実施の形態では、デューティ上限値Vmaxは、以下の式(10)により算出される。
Vmax=(1-2×DT÷CT)×100 …(10)
S112では、U相の補償デューティ指令値Vu3とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vu3>Vmaxか否かを判断する。
Vu3>Vmaxであると判断された場合(S112:YES)、S113へ移行する。Vu3≦Vmaxであると判断された場合(S112:NO)、S114へ移行する。
Vu3>Vmaxであると判断された場合(S112:YES)に移行するS113では、補償デューティ指令値Vu3がデューティ上限値Vmax以下となるように補正する必要がある場合であり、補正量Vudfを算出する。補正量Vudfは、以下の式(11)により算出される。
Vudf=Vu3−Vmax …(11)
Vu3≦Vmaxであると判断された場合(S112:NO)に移行するS114では、補償デューティ指令値Vu3がデューティ上限値Vmax以下であり、PWM制御信号として生成可能なデューティであるため、補正する必要がない。従い、補正量Vudfは、以下の式(12)により算出される。
Vudf=0 …(12)
S115では、V相の補償デューティ指令値Vv3とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vv3>Vmaxか否かを判断する。
Vv3>Vmaxであると判断された場合(S115:YES)、S116へ移行する。Vv3≦Vmaxであると判断された場合(S115:NO)、S117へ移行する。
Vv3>Vmaxであると判断された場合(S115:YES)に移行するS116では、U相と同様の方法で、補正量Vvdfは、以下の式(13)により算出される。
Vvdf=Vv3−Vmax …(13)
Vv3≦Vmaxであると判断された場合(S115:NO)に移行するS117では、U相と同様の方法で、補正量Vvdfは、以下の式(14)により算出される。
Vvdf=0 …(14)
S118では、W相の補償デューティ指令値Vw3とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vw3>Vmaxか否かを判断する。
Vw3>Vmaxであると判断された場合(S118:YES)、S119へ移行する。Vw3≦Vmaxであると判断された場合(S118:NO)、S120へ移行する。
Vw3>Vmaxであると判断された場合(S118:YES)に移行するS119では、U相と同様の方法で、補正量Vwdfは、以下の式(15)により算出される。
Vwdf=Vw3−Vmax …(15)
Vw3≦Vmaxであると判断された場合(S118:NO)に移行するS120では、U相と同様の方法で、補正量Vwdfは、以下の式(16)により算出される。
Vwdf=0 …(16)
S121では、各相の補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3を補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfで補正し、デューティ上限値Vmax以下となる調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4を算出する。調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4は、以下の式(17)〜(19)により算出される。
Vu4=Vu3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(17)
Vv4=Vv3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(18)
Vw4=Vw3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(19)
式(17)〜(19)に示すように、U相V相W相の補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3から補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfを等しく減算するので、線間電圧は変化しない。従って、この調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4が出力可能な範囲であれば、所望の出力を得られる。
なお、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3が全てデューティ上限値Vmax以下であった場合には、補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfは全て0であり、実質補正が行われていないのと同等である。
S122では、PWM信号生成部で生成可能なデューティの下限値Vminを求める。本実施の形態では、デューティ下限値Vminは、以下の式(10)により算出される。
Vmin=-2×DT÷CT×100 …(20)
S123では、U相の調整デューティ指令値Vu4とデューティ下限値Vminを比較し、Vu4<Vminか否かを判断する。
Vu4<Vminであると判断された場合(S123:YES)、S124へ移行する。Vu4≧Vminであると判断された場合(S123:NO)、S125へ移行する。
Vu4<Vminであると判断された場合(S123:YES)に移行するS124では、調整デューティ指令値Vu4がPWM制御信号として生成不可能なデューティであるため、以下の式(21)に示すように、最終デューティ指令値Vu5はデューティ下限値Vminに設定される。
Vu5=Vmin …(21)
Vu4≧Vminであると判断された場合(S123:NO)に移行するS125では、調整デューティ指令値Vu4がPWM制御信号として生成可能なデューティであるため、変更する必要がない。従い、最終デューティ指令値Vu5は、以下の式(22)により算出される。
Vu5=Vu4 …(22)
S126では、V相の調整デューティ指令値Vv4とデューティ下限値Vminを比較し、Vv4<Vminか否かを判断する。
Vv4<Vminであると判断された場合(S126:YES)、S127へ移行する。Vv4≧Vminであると判断された場合(S126:NO)、S128へ移行する。
Vv4<Vminであると判断された場合(S126:YES)に移行するS127では、U相と同様の方法で、以下の式(23)に示すように、最終デューティ指令値Vv5はデューティ下限値Vminに設定される。
Vv5=Vmin …(23)
Vv4≧Vminであると判断された場合(S126:NO)に移行するS128では、U相と同様の方法で、最終デューティ指令値Vv5は、以下の式(24)により算出される。
Vv5=Vv4 …(24)
S129では、W相の調整デューティ指令値Vw4とデューティ下限値Vminを比較し、Vw4<Vminか否かを判断する。
Vw4<Vminであると判断された場合(S129:YES)、S130へ移行する。Vw4≧Vminであると判断された場合(S129:NO)、S131へ移行する。
Vw4<Vminであると判断された場合(S129:YES)に移行するS130では、U相と同様の方法で、以下の式(25)に示すように、最終デューティ指令値Vw5はデューティ下限値Vminに設定される。
Vw5=Vmin …(25)
Vw4≧Vminであると判断された場合(S129:NO)に移行するS131では、U相と同様の方法で、最終デューティ指令値Vw5は、以下の式(26)により算出される。
Vw5=Vw4 …(26)
図10、図11のフローチャートに示す処理による各相デューティの変化を図12に模式的に示す。図12でAと示された期間は、デューティが100%近傍、正確には、(1-2×DT÷CT)×100%〜100%の期間であって、デッドタイムの制約によりPWM制御信号を生成不可能な場合である。このような場合に各相のデューティ指令値を等しく低下させることで、PWM制御信号を生成可能なデューティに変更する。各相のデューティ指令値を等しく低下させているので、線間電圧は各相のデューティ指令値を低下させる前と変わらない。また、本実施例ではデューティが0%近傍、正確には、(-2×DT÷CT×100)%〜0%の範囲では補正が行われない。これは、本実施の形態のPWM信号生成方法では(-2×DT÷CT×100)%〜0%の範囲もPWM制御信号を生成可能であるからである。すなわち、本実施の形態で示す技術では、デッドタイムによる出力制限がかかる場合、正確には、デューティ指令値が(1-2×DT÷CT)×100%〜100%である場合のみ補正を行うロジックとなる。なお、各相のデューティ指令値を低下させるよう補正することによって、PWM制御信号が生成不可能となるデューティ下限値、具体的には(-2×DT÷CT×100)%を下回る場合には、該当する相のデューティ指令値をデューティ下限値にクリップする。また、図12に示すデューディ指令値は模式的に正弦波としているが、実際には正弦波にデッドタイム補償分のデューティ調整が加えられた波形となる。
以上のフローチャートに示す処理により、デッドタイム期間の出力を補償して算出された補償デューティ指令値がPWM制御信号として生成不可能な場合に限り、全相の補償デューディ指令値から等しく補正することができる。また、この補正によってデューティ指令値がPWM制御信号として生成不可能となる場合でも、できるかぎり所望の出力が得られるように制御できる。
以上の実施の形態1によれば、キャリア周期を変更することなく、デューティ指令値がデッドタイムによる出力不可となるデューティ上限値を超える場合に全相のデューティ指令値を等しく補正するので、制御応答性を損なうことなく、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限を抑制することができる。また、デューティ指令値がPWM制御信号を生成不可能となる値である場合のみ補正を行うので、電動機の中性点電位の変動をできるだけ抑えた速度安定性の良い電動機の制御装置を提供することができる。
なお、本実施の形態1では、出力指令値としてPWM制御信号のデューティを用いたが、PWM制御信号のデューティと相関のある値であればこれに限定されるものではない。例えば、各相の出力電圧指令値を出力指令値として用いても良い。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による電動機の制御装置は、実施の形態1の変形例であり、上下スイッチ用のPWM制御信号の生成方法が異なるものである。PWM制御信号の生成方法が異なることにより、PWM信号生成部で生成可能なデューティ範囲が異なり、デッドタイムによって出力制限されるデューティが変わる。従い、本実施の形態2では、係るPWM制御信号の生成方法を用いた場合において、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限を抑制する方法について説明する。
本実施の形態2の電動機の制御装置において、実施の形態1と異なる点は、PWM制御信号の生成方法および制御部60の処理、より具体的にはデューティ変換部70の処理であり、それ以外の処理および構成は実施の形態1と同じであるため説明を省略する。
本実施の形態2におけるPWM制御信号生成方法は、図3に示した方法である。具体的には、デューティと出力電圧が正の相関をとるよう、三角波指令値はキャリア周期において上向きの三角形状となるよう設定されている。さらに、デッドタイムを生成するため、デューティ0%〜100%の振幅の三角波指令値C1と、三角波指令値C1を下方向に(200×デッドタイムDT÷キャリア周期CT)[%]だけシフトした三角波指令値C2を作成する。上SW21、22、23については、デューティが三角波指令値C1を上回ったときオンし、デューティが三角波指令値C1を下回ったときオフする。一方、下SW24、25、26については、デューティが三角波指令値C2を上回ったときオフし、デューティが三角波指令値C2を下回ったときオンする。これにより、キャリア周期の中心から対称にオンおよびオフ期間が設定されたセンターアライン型のPWM制御信号を生成する。なお、本実施の形態2におけるPWM制御信号は、キャリア更新タイミング前後において、下SW用制御信号にデッドタイム用のオフが確保される。
ところで、本実施の形態2におけるPWM信号生成方法では、図3、図4を参照して前述したように、(-200×DT÷CT)〜0[%]のデューティ範囲がデッドタイムにより所望の出力が得られず、出力が歪む領域である。
そこで、本実施の形態2では、補償デューティ指令値が上述の範囲であった場合でも出力の歪みを防止するよう、制御部60のデューティ変換部70において補償デューティ指令値を補正する最終指令デューティ演算部73を設けている。そこで、制御部60におけるデューティ変換部の処理70について、以下に説明する。なお、デューティ換算部71およびデッドタイム補償部72は実施の形態1と同じであるため、説明を省略し、デューティ変換部70の最終指令デューティ演算部73について、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
最終指令デューティ演算部73の処理:
デューティ換算部71およびデッドタイム補償部72にて、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3が得られている。
S211では、PWM信号生成部で生成可能なデューティの下限値Vminを求める。本実施の形態2では、デューティ下限値Vminは、以下の式(30)により算出される。
Vmin=0 …(30)
S212では、U相の補償デューティ指令値Vu3とデューティ下限値Vminを比較し、Vu3<Vminか否かを判断する。
Vu3<Vminであると判断された場合(S212:YES)、S213へ移行する。Vu3≧Vminであると判断された場合(S212:NO)、S214へ移行する。
Vu3<Vminであると判断された場合(S212:YES)に移行するS213では、補償デューティ指令値Vu3がデューティ下限値Vmin以上となるように補正する必要がある場合であり、補正量Vudfを算出する。補正量Vudfは、以下の式(11)により算出される。
Vudf=Vu3−Vmin …(31)
Vu3≧Vminであると判断された場合(S212:NO)に移行するS214では、補償デューティ指令値Vu3がデューティ下限値Vmin以上であり、PWM制御信号として生成可能なデューティであるため、補正する必要がない。従い、補正量Vudfは、以下の式(12)により算出される。
Vudf=0 …(32)
S215では、V相の補償デューティ指令値Vv3とデューティ下限値Vminを比較し、Vv3<Vminか否かを判断する。
Vv3<Vminであると判断された場合(S215:YES)、S216へ移行する。Vv3≧Vminであると判断された場合(S215:NO)、S217へ移行する。
Vv3<Vminであると判断された場合(S215:YES)に移行するS216では、U相と同様の方法で、補正量Vvdfは、以下の式(33)により算出される。
Vvdf=Vv3−Vmin …(33)
Vv3≧Vminであると判断された場合(S215:NO)に移行するS217では、U相と同様の方法で、補正量Vvdfは、以下の式(34)により算出される。
Vvdf=0 …(34)
S218では、W相の補償デューティ指令値Vw3とデューティ下限値Vminを比較し、Vw3<Vminか否かを判断する。
Vw3<Vminであると判断された場合(S218:YES)、S219へ移行する。Vw3≧Vminであると判断された場合(S218:NO)、S220へ移行する。
Vw3<Vminであると判断された場合(S218:YES)に移行するS219では、U相と同様の方法で、補正量Vwdfは、以下の式(35)により算出される。
Vwdf=Vw3−Vmin …(35)
Vw3≧Vminであると判断された場合(S218:NO)に移行するS220では、U相と同様の方法で、補正量Vwdfは、以下の式(36)により算出される。
Vwdf=0 …(36)
S221では、各相の補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3を補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfで補正し、デューティ下限値Vmin以上となる調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4を算出する。調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4は、以下の式(37)〜(39)により算出される。
Vu4=Vu3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(37)
Vv4=Vv3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(38)
Vw4=Vw3−Vudf−Vvdf−Vwdf …(39)
式(37)〜(39)に示すように、U相V相W相の補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3から補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfを等しく減算するので、線間電圧は変化しない。従って、この調整デューティ指令値Vu4、Vv4、Vw4が出力可能な範囲であれば、所望の出力を得られる。
なお、補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfは0以下であるため、ここではデューティを大きくするよう補正している。また、補償デューティ指令値Vu3、Vv3、Vw3が全てデューティ下限値Vmin以上であった場合には、補正量 Vudf 、Vvdf、 Vwdfは全て0であり、実質補正が行われていないのと同等である。
S222では、PWM信号生成部で生成可能なデューティの上限値Vmaxを求める。本実施の形態では、デューティ上限値Vmaxは、以下の式(40)により算出される。
Vmax=100 …(40)
S223では、U相の調整デューティ指令値Vu4とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vu4>Vmaxか否かを判断する。
Vu4>Vmaxであると判断された場合(S223:YES)、S224へ移行する。Vu4≦Vmaxであると判断された場合(S223:NO)、S225へ移行する。
Vu4>Vmaxであると判断された場合(S223:YES)に移行するS224では、調整デューティ指令値Vu4がPWM制御信号として生成不可能なデューティであるため、以下の式(41)に示すように、最終デューティ指令値Vu5はデューティ上限値Vmaxに設定される。
Vu5=Vmax …(41)
Vu4≦Vmaxであると判断された場合(S223:NO)に移行するS225では
、調整デューティ指令値Vu4がPWM制御信号として生成可能なデューティであるため、変更する必要がない。従い、最終デューティ指令値Vu5は、以下の式(42)により算出される。
Vu5=Vu4 …(42)
S226では、V相の調整デューティ指令値Vv4とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vv4>Vmaxか否かを判断する。
Vv4>Vmaxであると判断された場合(S226:YES)、S227へ移行する。Vv4≦Vmaxであると判断された場合(S226:NO)、S228へ移行する。
Vv4>Vmaxであると判断された場合(S226:YES)に移行するS227では、U相と同様の方法で、以下の式(43)に示すように、最終デューティ指令値Vv5はデューティ上限値Vmaxに設定される。
Vv5=Vmax …(43)
Vv4≦Vmaxであると判断された場合(S226:NO)に移行するS228では、U相と同様の方法で、最終デューティ指令値Vv5は、以下の式(44)により算出される。
Vv5=Vv4 …(44)
S229では、W相の調整デューティ指令値Vw4とデューティ上限値Vmaxを比較し、Vw4>Vmaxか否かを判断する。
Vw4>Vmaxであると判断された場合(S229:YES)、S230へ移行する。Vw4≦Vmaxであると判断された場合(S229:NO)、S231へ移行する。
Vw4>Vmaxであると判断された場合(S229:YES)に移行するS230では、U相と同様の方法で、以下の式(45)に示すように、最終デューティ指令値Vw5はデューティ上限値Vmaxに設定される。
Vw5=Vmax …(45)
Vw4≦Vmaxであると判断された場合(S229:NO)に移行するS231では、U相と同様の方法で、最終デューティ指令値Vw5は、以下の式(46)により算出される。
Vw5=Vw4 …(46)
図13のフローチャートに示す処理による各相デューティの変化を図14に模式的に示す。図14でBと示された期間は、デューティが0%近傍、正確には、(-2×DT÷CT×100)%〜0%の期間であって、デッドタイムの制約によりPWM制御信号を生成不可能な場合である。このような場合に各相のデューティ指令値を等しく増加させることで、PWM制御信号を生成可能なデューティに変更する。各相のデューティ指令値を等しく増加させているので、線間電圧は各相のデューティ指令値を増加させる前と変わらない。また、本実施例ではデューティが100%近傍、正確には、(1-2×DT÷CT)×100%〜100%の範囲では補正が行われない。これは、本実施の形態のPWM信号生成方法では(1-2×DT÷CT)×100%〜100%の範囲もPWM制御信号を生成可能であるからである。すなわち、本実施の形態で示す技術では、デッドタイムによる出力制限がかかる場合、正確には、デューティ指令値が(-2×DT÷CT×100)%〜0%である場合のみ補正を行うロジックとなる。なお、各相のデューティ指令値を増加させるよう補正することによって、PWM制御信号が生成不可能となるデューティ上限値、具体的には100%を上回る場合には、該当する相のデューティ指令値をデューティ上限値にクリップする。また、図14に示すデューディ指令値は模式的に正弦波としているが、実際には正弦波にデッドタイム補償分のデューティ調整が加えられた波形となる。
以上のフローチャートに示す処理により、デッドタイム期間の出力を補償して算出された補償デューティ指令値がPWM制御信号として生成不可能な場合に限り、全相の補償デューディ指令値から等しく補正することができる。また、この補正によってデューティ指令値がPWM制御信号として生成不可能となる場合においても、できるかぎり所望の出力が得られるように制御できる。
以上の実施の形態2によれば、キャリア周期を変更することなく、デューティ指令値がデッドタイムによる出力不可となるデューティ下限値を下回る場合に全相のデューティ指令値を等しく補正するので、制御応答性を損なうことなく、デッドタイムによって発生する電動機の出力電圧制限を抑制することができる。また、デューティ指令値がPWM制御信号を生成不可能となる値である場合のみ補正を行うので、電動機の中性点電位の変動をできるだけ抑えた速度安定性の良い電動機の制御装置を提供することができる。
なお、本実施の形態2では、出力指令値としてPWM制御信号のデューティを用いたが、PWM制御信号のデューティと相関のある値であればこれに限定されるものではない。例えば、各相の出力電圧指令値を出力指令値として用いても良い。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、変形、省略することができる。
なお、各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
1 電力変換装置、 10 モータ(回転電機)、
11から13 コイル(巻線)、 20 インバータ部、
21から23 上SW(高電位側スイッチング素子)、
24から26 下SW(低電位側スイッチング素子)、
30 回転角センサ、 40 電流検出部、
50 コンデンサ、 51 チョークコイル、
60 制御部、 90 バッテリ、
DT デッドタイム、 CT キャリア周期。

Claims (14)

  1. 高電位側に配置される複数の上側スイッチング素子と低電位側に配置される複数の下側スイッチング素子とを含むインバータと、前記インバータの同相の上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが同時にオンとならないようにデッドタイムを設けてスイッチング動作をさせるPWM制御信号を生成する制御指令演算部とを備え、
    前記PWM制御信号に応じて前記インバータのスイッチング動作を制御することにより前記インバータに入力される直流電源電圧を変換して電動機の出力トルクを制御する電動機の制御装置であって、
    前記制御指令演算部は、前記電動機のトルク指令に基づいて各相毎の基本出力指令値を演算する基本出力指令値演算部と、前記デッドタイムの影響により変化する出力電圧を打ち消すようなデッドタイム補償値に基づいて各相毎の前記基本出力指令値を変更して各相毎のデッドタイム補償指令値を演算するデッドタイム補償部と、各相毎の前記デッドタイム補償指令値が前記PWM制御信号として出力可能な指令値範囲内に入るように補正して各相毎の最終指令値として演算する最終指令値演算部と、前記最終指令値に基づいて前記PWM制御信号を生成するPWM信号生成部と、を有し、
    前記最終指令値演算部は、前記デッドタイムと前記PWM制御信号のキャリア周波数に基づいて出力指令上限値を演算し、各相毎の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令上限値とを比較し、前記デッドタイム補償指令値が前記出力指令上限値より大きい相がある場合、当該大きい相の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令上限値との差を出力指令補正値として演算し、全相の前記デッドタイム補償指令値から前記出力指令補正値を減算した値を各相毎の前記最終指令値とする
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動機の制御装置において、
    前記PWM信号生成部は、前記上側スイッチング素子に対する前記PWM制御信号を、PWMキャリアが更新されるタイミングの前後の期間において、前記デッドタイムに応じた所定期間は少なくともオフ信号となるように生成する
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  3. 請求項またはに記載の電動機の制御装置において、 出力指令上限値は、
    上側スイッチング素子用のPWM制御信号のオンデューティ換算で、(1−2×DT÷CT)×100(%)[但し、DT:デッドタイム、CT:キャリア周期]
    となる出力指令値である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記最終指令値が、前記PWM信号生成部で生成可能な最小値である出力指令下限値より小さくなる相がある場合、当該小さくなる相の前記最終指令値を出力指令下限値とすることを特徴とする電動機の制御装置。
  5. 請求項に記載の電動機の制御装置において、
    前記出力指令下限値は、
    上側スイッチング素子用のPWM制御信号のオンデューティ換算で、(−2×DT÷CT)×100(%)[但し、DT:デッドタイム、CT:キャリア周期]
    となる出力指令値である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記各相毎の前記基本出力指令値は、前記直流電源電圧によって出力可能な最大値以下である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  7. 高電位側に配置される複数の上側スイッチング素子と低電位側に配置される複数の下側スイッチング素子とを含むインバータと、前記インバータの同相の上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが同時にオンとならないようにデッドタイムを設けてスイッチング動作をさせるPWM制御信号を生成する制御指令演算部とを備え、
    前記PWM制御信号に応じて前記インバータのスイッチング動作を制御することにより前記インバータに入力される直流電源電圧を変換して電動機の出力トルクを制御する電動機の制御装置であって、
    前記制御指令演算部は、前記電動機のトルク指令に基づいて各相毎の基本出力指令値を演算する基本出力指令値演算部と、前記デッドタイムの影響により変化する出力電圧を打ち消すようなデッドタイム補償値に基づいて各相毎の前記基本出力指令値を変更して各相毎のデッドタイム補償指令値を演算するデッドタイム補償部と、各相毎の前記デッドタイム補償指令値が前記PWM制御信号として出力可能な指令値範囲内に入るように補正して各相毎の最終指令値として演算する最終指令値演算部と、前記最終指令値に基づいて前記PWM制御信号を生成するPWM信号生成部と、を有し、
    前記最終指令値演算部は、各相毎の前記デッドタイム補償指令値と予め設定された出力指令下限値とを比較し、前記デッドタイム補償指令値が前記出力指令下限値より小さい相がある場合、当該小さい相の前記デッドタイム補償指令値と前記出力指令下限値との差を出力指令補正値として演算し、全相の前記デッドタイム補償指令値から前記出力指令補正値を減算した値を各相毎の前記最終指令値とする
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  8. 請求項に記載の電動機の制御装置において、
    前記PWM信号生成部は、前記下側スイッチング素子に対する前記PWM制御信号を、PWMキャリアが更新されるタイミングの前後の期間において、前記デッドタイムに応じた所定期間は少なくともオフ信号となるように生成する
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  9. 請求項またはに記載の電動機の制御装置において、
    前記出力指令下限値は、上側スイッチング素子用のPWM制御信号のオンデューティ換算で0[%]となる出力指令値である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  10. 請求項から請求項のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記最終指令値が、前記PWM信号生成部で生成可能な最大値である出力指令上限値より大きくなる相がある場合、当該大きくなる相の前記最終指令値を前記出力指令上限値とする
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  11. 請求項10に記載の電動機の制御装置において、
    前記出力指令上限値は、上側スイッチング素子用の前記PWM制御信号のオンデューティ換算で100[%]となる出力指令値である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  12. 請求項から請求項11のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記各相毎の基本出力指令値は、前記直流電源電圧によって出力可能な最小値以上である
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記基本出力指令値は、正弦波であり、各相毎の基本出力指令値の位相が互いに120°ずれている
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の電動機の制御装置において、
    前記デッドタイム補償値は、前記デッドタイムと相電流の極性と前記PWM制御信号のキャリア周波数によって演算されることを特徴とする電動機の制御装置。
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