JP2012090460A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電圧のリプルがある場合でもモータ電流の脈動を抑制して安定駆動を確保した位置センサレス正弦波通電が可能な同期モータのモータ制御装置を提供する。
【解決手段】PI演算部11で算出されたデューティ基準値に応じて、デューティ基準値が所定の閾値よりも小さい場合には、デューティ基準値補正部18は、デューティ基準値を補正する。一方、デューティ基準値が所定の閾値以上である場合には、デューティ基準値を補正することなく、回転数補正部16は、ゼロクロス点信号を検出した時間からの経過時間に従う回転数補正率に従って目標回転数を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流を直流に変換するコンバータとその直流を交流に変換するインバータとからなる電力変換器の制御装置に係り、特にインバータにより同期モータを位置センサを用いることなく可変速駆動したとき、コンバータによる整流に起因する整流脈動に伴うビート現象を抑制するのに好適なモータ制御装置に関する。
永久磁石同期モータは、保守性、制御性、耐環境性に優れており、高効率、高出力の運転が可能であるため広く利用されている。また、永久磁石を使用しない同期リラクタンスモータも安価でリサイクルが容易なモータとして盛に研究されている。
永久磁石同期モータや同期リラクタンスモータ等の同期モータを高性能制御するためには、ロータの位置に応じた電流を流すことが重要となる。そのため、一般的にモータ制御装置には、ホール素子、エンコーダ、レゾルバ等のロータの位置を検出する位置センサが用いられ、位置検出情報による自制運転(速度フィードバック運転)が行われている。
しかし、位置センサを用いる場合、装置の小形化を妨げる大きな要因となるだけでなく、位置センサの信号を伝える複数本の配線や受信回路が必要となるため、信頼性、作業性、価格等で問題があった。
上記問題に鑑み、位置情報に基づかず、速度指令のみに基づく他制運転(速度オープンループ運転)を行い、モータ電圧とモータ電流の位相差を制御することにより高性能な正弦波駆動を実現する方式が、例えば特開2001―112287号公報で開示されている。
ここで、中間に直流ステージを有するコンバータ・インバータの電力変換器において、コンバータの交流電源が特に単相の場合、直流に変換された直流電圧には整流に起因する交流電源周波数の2倍の脈動周波数成分が含まれる。なお、その脈動周波数成分は直流ステージに設けられる平滑コンデンサの容量を大きくすることにより低減することが可能であるが、完全には低減することができず、また、平滑コンデンサの体格の増大で装置としての小型軽量化が阻害されることになるため、平滑コンデンサの容量は小さいものが用いられる。
そして、上記の脈動周波数成分を有した直流電圧をインバータにより可変周波数・可変電圧の交流に変換し、それを交流モータ等の負荷に給電した場合、インバータ出力電圧およびモータ電流には、インバータ動作周波数成分の他に上記脈動周波数とインバータ動作周波数との差の成分及び和の成分が含まれることになる。それら成分のうち、動作周波数と脈動周波数が接近すると低周波成分となる当該差の成分は、モータにおいて低周波数に対するインピーダンスが小さいため、この成分によって大きな脈動電流が流れ、モータ発生トルクが脈動するといったビート現象が発生する可能性がある。
図9は、直流電圧の波形と、U相モータ電流との関係を説明する図である。なお、交流電源は200V、周波数は50Hzであり、4極同期モータを3200rpmで上記方式を採用して駆動した場合の波形が示されている。
図9(a)に示されるように直流電圧に電源の2倍の周波数のリプルが発生する。すなわち、交流電源周波数が50Hzの場合100Hzのリプルが発生する。
ここで、モータの回転数3200rpm時のインバータの出力周波数は、4極モータであるため、106.7Hzとなる。このように、インバータの周波数が直流電圧のリプルの周波数に近づくと、図9(b)に示されるようにインバータ出力側のモータ電流に大きな脈動が発生し、モータの回転が不安定となるため、振動、騒音が増大し、効率が悪化する。
このビート現象を抑制する方式として、例えば特開2008−167568号公報が挙げられる。同公報によるビート現象の抑制方式は、交流電圧の電源周波数から演算した脈動周波数の設定値とインバータの電流検出値とから、直流電圧の脈動周波数を推定し、得られた脈動周波数の推定値と電流検出値とを用いて、インバータの出力電圧を補正することでビート現象を抑制するものである。
特開2001―112287号公報 特開2008−167568号公報
しかしながら、上記特許文献2には、特許文献1に示すような同期モータの位相差制御に対して、上記ビート現象を抑制することに関する記載はなく、又、その他の刊行物にもその技術に関するものは見当たらない。
そのため、特許文献1に示すような同期モータの位相差制御において、小容量の平滑コンデンサを用いた電力変換器を用いた場合には、直流電圧のリプルが発生し、モータ電流の脈動が発生し、モータの回転が不安定となるため、振動、騒音が増大し、効率が悪化する可能性がある。
本発明の目的は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、直流電圧のリプルがある場合でもモータ電流の脈動を抑制して安定駆動を確保した位置センサレス正弦波通電が可能な同期モータのモータ制御装置を提供することである。
本発明のある局面に従うモータ制御装置は、単相交流電源を入力として直流電圧に整流する整流回路と、整流回路と接続され、整流回路で得られた直流電圧を複数相の交流電圧に変換して同期モータを駆動するインバータと、直流電圧を検出する直流電圧検出部と、同期モータに流れる複数相のうちのいずれかの特定相のモータ電流を検出してモータ電流信号を出力するモータ電流検出部と、単相交流電源の交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出部と、インバータを制御するためのパルス幅変調信号を生成する制御装置とを備える。制御装置は、回転数の設定のための回転数指令値が与えられたことに応じて、同期モータを駆動するための駆動波データを複数相の各相ごとに作成する駆動波データ作成手段と、駆動波データ作成手段によって作成された駆動波データから特定相の位相情報を検出し、モータ電流検出部から出力されたモータ電流信号との位相差を検出して位相差情報を出力する位相差検出手段と、位相差検出手段から出力される位相差情報を目標の値に制御するためのデューティ基準値を算出する位相差制御手段と、駆動波データ作成手段で作成された駆動波データと、デューティ基準値とに基づいてパルス幅変調信号を生成するPWM信号作成手段と、ビート現象を抑制するために補正する補正部とを含み、補正部は、デューティ基準値に応じて、直流電圧検出部で検出された直流電圧の脈動に応じて位相差制御手段で算出されたデューティ基準値あるいは、ゼロクロス点検出部におけるゼロクロス点の検出からの経過時間に従う同期モータの回転数指令値を補正する。
好ましくは、補正部は、デューティ基準値が所定値未満である場合には、直流電圧検出部で検出された直流電圧の脈動に応じて位相差制御手段で算出されたデューティ基準値を補正する。
好ましくは、補正部は、デューティ基準値が所定値以上である場合には、回転数指令値を補正する。
本発明のモータ制御装置は、同期モータに流れる電流波形の脈動を抑制する補正部を含み、補正部は、デューティ基準値に応じて、直流電圧検出部で検出された直流電圧の脈動に応じて位相差制御手段で算出されたデューティ基準値あるいは、ゼロクロス点検出部におけるゼロクロス点の検出からの経過時間に従う同期モータの回転数指令値を補正する。デューティ基準値に応じて、デューティ基準値を補正あるいは回転数を補正することにより電流波形の脈動を抑制して、振幅が一定の安定した波形を検出することが可能となり、安定に同期モータを駆動でき、振動、騒音を低減し、効率の悪化も抑制できる。
本発明の実施の形態に従うモータ制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態に従うモータ制御装置のデューティ基準値を補正する方式について説明する図である。 モータ制御装置のデューティ基準値を補正する別の図である。 本発明の実施の形態に従うモータ制御装置の回転数補正を実行する場合を説明する図である。 本発明の実施の形態に従うモータ制御装置の回転数補正を説明する図である。 本発明の実施の形態に従う回転数補正率データテーブルの数値を説明する図である。 本発明の実施の形態に従う回転数補正による直流電圧波形とU相モータ電流との関係を説明する図である。 直流電圧波形とU相モータ電流との関係を説明する別の図である。 直流電圧の波形と、U相モータ電流との関係を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を附してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に従うモータ制御装置のブロック図である。
図1を参照して、モータ制御装置は、ステータに複数相(3相)のコイルとロータに永久磁石とを備えた同期モータ1と、インバータ2と、コンバータ回路3と、交流電源4と、電流センサ5と、モータ電流検出アンプ部6と、ゼロクロス点検出部30と、電圧センサ31と、電圧センサ32と、直流電圧検出部19と、マイクロコンピュータであるコントローラ7とから構成されている。
同期モータ1は、インバータ2によって駆動され、インバータ2にはコンバータ回路3から交流電源4の交流電圧を直流に変換して与えられる。
具体的には、コンバータ回路3は、ダイオード全波整流回路20と、母線間の平滑コンデンサ21と、リアクトル22を含む。
リアクトル22は、コンバータ回路3に供給される交流電源の力率を改善する目的で設けられたものである。このコンバータ回路3により、交流電源4の交流電圧が直流電圧に変換されてインバータ2に供給される。
電流センサ5は、モータコイル端子U,V,W各相の中で特定相(図1ではU相)に流れるモータ電流aを検出する。電流センサ5で検出されたモータ電流は、モータ電流検出アンプ部6に与えられる。
そして、モータ電流検出アンプ部6において、所定量増幅し、そして、オフセット加算したモータ電流信号bがコントローラ7に与えられる。
また、電圧センサ31は、交流電源4の電圧を検出する。電圧センサ31で検出された交流電圧は、ゼロクロス点検出部30に与えられる。そして、ゼロクロス点検出部30は、電圧センサ31で検出された交流電圧をモニタリングして0Vを跨ぐ際にゼロクロス点信号を生成してコントローラ7に与える。
さらに、電圧センサ32は、コンバータ回路3からインバータ2に供給される直流電源の直流電圧を検出する。電圧センサ32で検出された直流電圧は、直流電圧検出部19に与えられる。そして、直流電圧検出部19は、電圧センサ32で検出された直流電圧をモニタリングして直流電圧の電圧レベルを示す電圧信号をコントローラ7に与える。
コントローラ7は、位相差検出部8と、目標位相差情報格納部9と、加算部10と、PI演算部11と、回転数設定部12と、正弦波データテーブル13と、正弦波データ作成部14と、PWM作成部15と、回転数補正部16と、回転数補正率データテーブル17と、デューティ基準値補正部18との各処理をソフト的に行なう。本実施例においては、特開2001−112287号公報に記載される位相差制御方式と同様の方式により位相差制御を実行する。
位相差検出部8は、モータ電流検出アンプ部6から与えられたモータ電流信号bを所定のタイミングでA/D変換して取り込み、2個所のモータ駆動電圧位相期間ごとにサンプリングした各電流のサンプリングデータを積算してモータ電流信号面積とし、2つのモータ電流信号面積の面積比を位相差情報として出力する。
目標とする位相差情報は目標位相差情報格納部9に格納される。目標位相差情報と位相差情報との誤差データは加算部10によって算出される。
PI演算部11は、算出された誤差データに対して比例誤差データおよび積分誤差データを算出してデューティ基準値を出力する。なお、加算部10とPI演算部11とによって位相差制御部が構成される。
デューティ基準値補正部18は、直流電圧検出部19で生成された電圧信号をA/D変換して取り込み、検出された直流電圧の電圧レベルに応じて、PI演算部11で算出されたデューティ基準値を補正し、補正後デューティ基準値をPWM作成部15に出力する。
回転数設定部12は、同期モータ1の目標とする回転数指令を設定し、正弦波データテーブル13は所定のデータ個数のテーブルを含む。
回転数補正率データテーブル17は、目標とする回転数に対する補正率データを格納したものである。
回転数補正部16は、回転数補正率データテーブルからゼロクロス点検出部30により生成されたゼロクロス点信号の経過時間に応じた補正率データを抽出して、これを用いて回転数設定部12により設定された回転数を補正して、補正後回転数を正弦波データ作成部14に出力する。
正弦波データ作成部14は、回転数補正部16から出力された補正後回転数と時間経過に従って正弦波データテーブル13からモータコイル端子U,V,W各相に対応した正弦波データを読出すとともに、U相の正弦波データからU相のモータ駆動電圧位相情報cを出力する。
PWM作成部15は正弦波データと補正後デューティ基準値とから各相ごとにインバータ2の駆動素子にPWM波形を出力する。
なお、電流センサ5はコイルとホール素子で構成されたいわゆる電流センサでもよく、カレントトランスでもよい。
また、本例においては、U相について検出する場合について説明するが、1相だけでなく各相のモータ電流を検出するとさらに高精度にすることができる。さらに、正弦波データの作成は正弦波データテーブル13をもとに作成せずに、演算によって作成してもかまわない。
さらに、各構成要素8〜18の構成要素はコントローラ7でソフト的に処理されるようにしたが、特にこれに限ることなく同様の処理をしていればハード構成で構成してもよい。
なお、モータの駆動波形は正弦波とした場合についての構成であるが、正弦波形にすることで滑らかなモータ電流の供給が可能となるために振動、騒音が少なくできる。しかしながら、これに限らず、モータロータの磁束に合せたモータ電流が得られるような駆動波形を通電すれば、より高効率な駆動が可能となる。
2個所のモータ駆動電圧位相期間で検出された2つのモータ電流信号面積は、位相差検出部8で面積比が計算され、この結果が位相差情報とされる。この位相差情報と目標位相差情報との誤差量に対してPI演算部11でPI演算が行なわれる。PI演算部11の演算結果であるデューティ基準値は、デューティ基準値補正部18で補正され、PWM作成部15は、補正後デューティ基準値と別途回転数補正部16からの補正後回転数から求まる正弦波データとから、その都度の出力デューティ比を計算してPWM信号を作成し、インバータ2を介してモータコイルに印加することで同期モータ1が駆動される。
すなわち、モータ駆動電圧(出力デューティ)に対するモータ電流位相差を一定に制御するための位相差制御フィードバックループによって駆動電圧の大きさ(PWMデューティのデューティ幅)を決定し、同期モータ1を所望の回転数で回転させるために所望の周波数で出力される正弦波データによって回転数を決定する。これによって、所望の位相差,所望の回転数でモータを駆動・制御することができる。
なお、モータ起動時は各相に強制的に通電し、回転磁界を与えていき、強制励磁で行ない、通常駆動時に上記方法で制御を行なえばよい。
ここで、この発明の位相差制御によって同期モータが駆動・制御できることは特開2001−112287号公報に記載されるとおりである。
上述の如く、本実施形態では、図9(a)で説明したように直流電圧にリプルが発生する可能性がある。
したがって、図9(b)で説明したように、インバータ出力側のモータ電流に大きな脈動が発生し、位相差制御が不安定となる可能性がある。そのため、モータの回転が不安定となるため、振動、騒音が増大し、効率が悪化する可能性がある。
本実施の形態に従うモータ制御装置においては、デューティ基準値を補正することによりモータ電流の脈動を抑制する方式について以下に説明する。
最初に、補正前デューティ基準値が所定の閾値A未満の場合について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に従うモータ制御装置のデューティ基準値を補正する方式について説明する図である。なお、ここでは、デューティ基準値がデューティ基準値最大値よりも充分小さい場合が示されている。
図2(a)を参照して、ここでは、交流電圧波形が示されている。なお、交流電源4は200V,周波数は50Hzである。
図2(b)には、図2(a)の交流電圧波形に対する直流電圧波形が示されている。
上述したように、小容量の平滑コンデンサが用いられた場合が示されており、平滑コンデンサの容量がリプルを完全になくすほど大きくないため、直流電圧波形には、リプルが発生している場合が示されている。すなわち、上述したように交流電源の2倍の周波数100Hzのリプルが発生する。
上述したように当該リプルの発生により同期モータ1に印加されるモータ電圧にもリプルが発生し、インバータ出力側のモータ電流に大きな脈動が発生する。
本発明の実施の形態に従うモータ制御装置においては、同期モータに印加されるモータ電圧に発生するリプルを打ち消すようにデューティ基準値を補正する。
PI演算部11で算出されたデューティ基準値と直流電圧とを乗算したものが同期モータ1に印加されるモータ電圧の振幅に相当する。
したがって、直流電圧にリプルが発生する場合、当該リプルに応じてデューティ基準値を補正すれば同期モータ1に印加されるモータ電圧の振幅を一定にすることができる。
本発明の実施の形態においては、図1のデューティ基準値補正部18において、直流電圧検出部19でA/D変換により検出した直流電圧検出値と基準直流電圧(例えば280V)と補正前デューティ基準値とを用いて補正後デューティ基準値を計算し、出力する。
具体的には、デューティ基準値を次式に基づいて補正する。
補正後デューティ基準値=補正前デューティ基準値×基準直流電圧/直流電圧検出値・・・式(1)
図2(c)は、補正前デューティ基準値と補正後デューティ基準値を示したものである。
図2(c)に示されるように、補正前デューティ基準値の波形は一定であるが、補正後デューティ基準値は、直流電圧のリプルに応じてリプルを打ち消す波形となる。
図2(d)には、直流電圧にデューティ基準値を乗じた同期モータ1に印加されるモータ電圧の振幅が示されている。
図2(d)に示されるように、補正前のモータ電圧の振幅は、直流電圧のリプルの影響を受けた波形となっているが、補正後のモータ電圧の振幅は、リプルを打ち消す補正後デューティ基準値が乗算されるため、一定の振幅値に設定されることになる。
同期モータに印加されるモータ電圧の振幅をデューティ基準値を補正することにより、補正してリプルを打ち消すことによりモータ電流に発生する大きな脈動を抑制し、位相差制御を安定して実行することが可能となる。
なお、この場合には、デューティ基準値を補正することによりビート現象を抑制するため後述する回転数補正は実行しない。
後述するが、補正前デューティ基準値が所定の閾値Aよりも小さい場合には、回転数補正部16は、回転数補正量をゼロとし、実質、回転数補正を行わず、デューティ基準値の補正のみを行って、ビート現象を抑制する。
次に、補正前デューティ基準値が所定の閾値A以上の場合について説明する。
インバータ2に与えられるPWM信号のオンオフ比であるデューティ比は100%:0%が最大である。したがって、デューティ基準値には最大値があり、デューティ基準値最大値を超えるデューティ基準値を取ることはできない。
図3は、モータ制御装置のデューティ基準値を補正する別の図である。なお、ここでは、補正前のデューティ基準値が図2の場合よりも大きく、補正前デューティ基準値が閾値A以上である場合について説明する。
図3(a),(b)には、図2(a),(b)で説明したのと同様に、交流電圧波形、および交流電源の2倍の周波数100Hzのリプルの直流電圧波形が示されている。
図3(c)は、補正前デューティ基準値と補正後デューティ基準値とが示されている。
図3(c)に示されるように、補正前デューティ基準値がデューティ基準値最大値である。
この場合、デューティ基準値を上式(1)に従う方式に基づいて補正すると、デューティ基準値最大値を超えることができないため超える値についてはデューティ基準値最大値に張り付くことになる。
図3(d)には、直流電圧にデューティ基準値を乗じた同期モータ1に印加されるモータ電圧の振幅が示されている。
図3(d)に示されるように、補正前のモータ電圧の振幅は、直流電圧のリプルの影響を受けた波形となっており、また、補正後デューティ基準値により補正されたモータ電圧の振幅も、直流電圧の変動を完全に打ち消すことができず、中途半端な補正となり、ビート現象を抑制することはできない。
つまり、デューティ基準値の補正で直流電圧の変動を打ち消し、ビート現象を抑制するためには、補正後デューティ基準値は、デューティ基準値最大値に張り付くことなくデューティ基準値最大値以下で直流電圧のリプルに応じてリプルを打ち消す波形となる必要がある。
そこで、本発明の実施の形態に従うモータ制御装置においては、補正前デューティ基準値が閾値A以上である場合、具体的には、次式(1)に基づいて補正後デューティ基準値がデューティ基準値最大値を超える可能性がある場合には、デューティ基準値の補正を行うことなく、回転数補正によりビート現象を抑制する。なお、この場合には、デューティ基準値補正部18におけるデューティ補正は行わず、回転数補正のみを行ってビート現象を抑制する。
次に、回転数補正によりビート現象を抑制する場合について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に従うモータ制御装置の回転数補正を実行する場合を説明する図である。なお、ここでは、補正前のデューティ基準値が図2の場合よりも大きく、補正前デューティ基準値が閾値A以上である場合について説明する。
図4(a),(b)には、図2(a),(b)で説明したのと同様に、交流電圧波形、および交流電源の2倍の周波数100Hzのリプルの直流電圧波形が示されている。
図4(c)は、補正前デューティ基準値が示されている。
図4(c)に示されるように、補正前デューティ基準値が閾値A以上である場合であるため、デューティ基準値の補正は行われない。
図4(d)には、直流電圧にデューティ基準値を乗じた同期モータ1に印加されるモータ電圧の振幅が示されている。
図5は、本発明の実施の形態に従うモータ制御装置の回転数補正を説明する図である。
図5(a)を参照して、ここでは、交流電圧波形が示されている。なお、交流電源4は200V、周波数は50Hzである。モータの回転数指令値(補正前回転数)は3200rpmとしている。モータの回転数指令値(補正前回転数)が3200rpmの場合のインバータの出力周波数は、4極モータであるため106.7Hzである。
図5(b)には、図5(a)の交流電圧波形に対する直流電圧波形が示されている。
上述したように、小容量の平滑コンデンサが用いられた場合が示されており、平滑コンデンサの容量がリプルを完全になくすほど大きくないため、直流電圧波形には、リプルが発生している場合が示されている。すなわち、上述したように交流電源の2倍の周波数100Hzのリプルが発生する。
図5(c)には、図5(a)の交流電圧波形に対するゼロクロス点信号が示されている。具体的には、ゼロクロス点検出部30が交流電源4をモニタリングして交流電圧波形において、交流電圧が0を跨ぐゼロクロス点信号を出力する。
本実施の形態においては、このゼロクロス点信号の立ち上がりエッジが発生した時点を0として、この時点からの経過時間をマイクロコンピュータであるコントローラ7で計測する。
回転数補正部16は、回転数補正率データテーブル17を読み出してこの時間経過に従う補正率データを抽出し、回転数設定部12で設定された目標回転数に対して補正率データを乗算して計算された値を補正した目標回転数(補正後回転数)として正弦波データ作成部14に出力する。
図6は、本発明の実施の形態に従う回転数補正率データテーブルの数値を説明する図である。
図6を参照して、補正率データテーブルとして、経過時間と回転数補正率とのデータテーブルが示されている。
具体的には10msを一周期として、0.2ms毎の数値が示されている。
当該回転数補正率データテーブルの数値は、モータ電流の脈動を低減し、モータが安定して駆動できる値を予め実験により求めたものである。
図5(d)は、0%を基準とした場合の図6の補正率データに基づく回転数補正率データ線である。
図5(d)に示されるように、回転数補正率データ線は、直流電圧波形に合わせたデータ線である。
例えば、補正前回転数が3200rpmで、経過時間7.0msの場合は、図6より補正率データが1.90%であるため、回転数補正値は、3200rpm×1.90%=60.8rpmとなる。
すなわち、本例においては、ゼロクロス点信号を検出して、ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジが発生した時点を0として、この直流電圧波形に合わせた回転数補正率に設定する。
直流電圧波形に合わせた回転数補正率に設定することにより、電流波形について脈動を抑制して、振幅が一定の安定した波形を検出することが可能となる。
図5(e)は、補正前回転数と補正後回転数とを説明する図である。
回転数補正率データ線に従って補正後回転数が補正されている場合が示されている。
図7は、本発明の実施の形態に従う回転数補正による直流電圧波形とU相モータ電流との関係を説明する図である。
図7(a)を参照して、図9(a)にも示されるように直流電圧にリプルが発生するが、上記で説明した方式に従って目標回転数を補正することにより、図7(b)に示されるようにモータ電流の脈動を大幅に低減することが可能である。これにより、モータの安定駆動が実現でき、振動、騒音を低減し、効率の悪化も抑制できる。
図8は、直流電圧波形とU相モータ電流との関係を説明する別の図である。
ここでは、デューティ基準値が閾値Aよりも小さい場合に、デューティ基準値を補正するとともに、上記の方式に従って回転数補正も実行した場合である。デューティ基準値を補正するとともに、回転数補正の両方を実行した場合には、補正しすぎの状態となり、ビート現象を抑制することができていない。
本実施の形態に従うモータ制御装置では、デューティ基準値に従って補正方式を切り替え、デューティ基準値が閾値Aよりも小さい場合にはデューティ基準値を補正し、デューティ基準値が閾値A以上の場合には回転数補正によって、ビート現象を抑制し、振動、騒音を低減し、効率の悪化を抑制することができる。
上述の如く、本実施の形態に従うモータ制御装置では、インバータの母線間には小容量のコンデンサを用いることが可能となり、その場合に直流電圧に大きなリプルが発生している条件においても、モータの安定駆動が実現でき、振動、騒音を低減し、効率の悪化も抑制できる。また、モータの出力を精度良く制御できる。
また、インバータの母線間に従来の平滑コンデンサよりもかなり小容量のコンデンサ、例えば従来の半分程度の容量の小容量のコンデンサを用いることで、小型、軽量、低コストなインバータ装置を実現することが可能である。
また、検出した交流電圧/電流位相差情報を用いてインバータ制御を行うことで、低騒音、低振動、高効率である正弦波通電をはじめとする180度通電によるモータ駆動において、ロータ位置を検知するセンサを用いず、安定な回転を行うことが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 同期モータ、2 インバータ、3 コンバータ回路、4 交流電源、5 電流センサ、6 モータ電流検出アンプ部、7 コントローラ、8 位相差検出部、9 目標位相差情報格納部、10 加算部、11 PI演算部、12 回転数設定部、13 正弦波データテーブル、14 正弦波データ作成部、15 PWM作成部、16 回転数補正部、17 回転数補正率データテーブル、18 デューティ基準値補正部、19 直流電圧検出部、20 ダイオード全波整流回路、21 平滑コンデンサ、22 リアクトル、30 ゼロクロス点検出部。

Claims (3)

  1. 単相交流電源を入力として直流電圧に整流する整流回路と、
    前記整流回路と接続され、前記整流回路で得られた直流電圧を複数相の交流電圧に変換して同期モータを駆動するインバータと、
    前記直流電圧を検出する直流電圧検出部と、
    前記同期モータに流れる複数相のうちのいずれかの特定相のモータ電流を検出してモータ電流信号を出力するモータ電流検出部と、
    前記単相交流電源の交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出部と、
    前記インバータを制御するためのパルス幅変調信号を生成する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    回転数の設定のための回転数指令値が与えられたことに応じて、前記同期モータを駆動するための駆動波データを前記複数相の各相ごとに作成する駆動波データ作成手段と、
    前記駆動波データ作成手段によって作成された駆動波データから特定相の位相情報を検出し、前記モータ電流検出部から出力されたモータ電流信号との位相差を検出して位相差情報を出力する位相差検出手段と、
    前記位相差検出手段から出力される位相差情報を目標の値に制御するためのデューティ基準値を算出する位相差制御手段と、
    前記駆動波データ作成手段で作成された駆動波データと、前記デューティ基準値とに基づいて前記パルス幅変調信号を生成するPWM信号作成手段と、
    前記同期モータに流れる電流波形の脈動を抑制するための補正部とを含み、
    前記補正部は、デューティ基準値に応じて、前記直流電圧検出部で検出された前記直流電圧の脈動に応じて前記位相差制御手段で算出された前記デューティ基準値あるいは、前記ゼロクロス点検出部におけるゼロクロス点の検出からの経過時間に従う前記同期モータの回転数指令値を補正する、モータ制御装置。
  2. 前記補正部は、前記デューティ基準値が所定値未満である場合には、前記直流電圧検出部で検出された前記直流電圧の脈動に応じて前記位相差制御手段で算出された前記デューティ基準値を補正する、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記補正部は、前記デューティ基準値が所定値以上である場合には、回転数指令値を補正する、請求項1に記載のモータ制御装置。
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