JP6841089B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、画像形成装置に関する。

一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置（プリンター、複写機、ファクシミリ等）は、帯電した感光体ドラム（像担持体）に対して、画像データに基づくレーザー光を照射（露光）することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムへ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接または間接的に用紙に転写させた後、定着ニップで加熱、加圧して定着させることにより用紙にトナー像を形成する。

ところで、定着ニップにおける用紙が通紙されない非通紙領域においては、定着ニップを通過する用紙に熱を奪われないため、定着部における非通紙領域の温度が上昇するという問題が発生する。この問題は、定着部における通紙可能な最大幅の用紙よりも小サイズの用紙を連続で通紙する場合に発生する。

この問題を解決するために、例えば、特許文献１には、冷却ファンを設けた構成が開示されている。この構成においては、用紙のサイズに応じて、冷却ファンにより定着部の非通紙部を冷却する。

特開２０１２−２３４０６７号公報

しかしながら、定着部において、用紙と定着部材とを分離させるための気流を発生させる分離部を設けた構成の場合、分離部に加えて定着部における非通紙領域を冷却するための冷却ファンを設けてしまうと、画像形成装置が大型化してしまうという問題があった。

本発明の目的は、分離部を設ける構成において、画像形成装置を大型化することなく、定着部における非通紙領域の温度が上昇することを抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。

本発明に係る画像形成装置は、
加圧部材との間で定着ニップを形成する回転可能な定着部材と、
前記定着部材から前記用紙を分離するための気流を前記定着ニップに向けて流す送風部と、
前記送風部から前記定着ニップの非通紙領域に向けて流れる前記気流の一部を前記定着部材側に向けて流すように、前記定着部材の軸方向における前記送風部の送風量を異ならせる制御を行う制御部と、
を備える。

本発明によれば、分離部を設ける構成において、画像形成装置を大型化することなく、定着部における非通紙領域の温度が上昇することを抑制することができる。

本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 最大通紙幅より小サイズの用紙が定着ニップを通過した後、再加熱された定着ベルトの軸方向の各位置における温度を示す図である。 ダクト部周辺の拡大図である。 ダクト部における先端部の断面図である。 ダクト部から流れ出る気流の方向を説明するための図である。 通紙領域における気流の方向を説明するための図である。 非通紙領域の第１間隔に対応する部分における気流の方向を説明するための図である。 非通紙領域における端の部分における気流の方向を説明するための図である。 気流の方向を変更した場合における、定着ベルトの軸方向の各位置における温度を示す図である。 画像形成装置における気流方向変更制御の動作例の一例を示すフローチャートである。

以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本実施の形態に係る画像形成装置１の全体構成を概略的に示す図である。図２は、本実施の形態に係る画像形成装置１の制御系の主要部を示す図である。

図１に示すように、画像形成装置１は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置１は、感光体ドラム４１３上に形成されたＹ（イエロー）、Ｍ（マゼンタ）、Ｃ（シアン）、Ｋ（ブラック）の各色トナー像を中間転写ベルト４２１に一次転写し、中間転写ベルト４２１上で４色のトナー像を重ね合わせた後、給紙トレイユニット５１ａ〜５１ｃから送出された用紙Ｓに二次転写することにより、画像を形成する。

また、画像形成装置１には、ＹＭＣＫの４色に対応する感光体ドラム４１３を中間転写ベルト４２１の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト４２１に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。

図２に示すように、画像形成装置１は、画像読取部１０、操作表示部２０、画像処理部３０、画像形成部４０、用紙搬送部５０、定着部６０および制御部１０１を備える。

制御部１０１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１０２、ＲＯＭ（Read Only Memory）１０３、ＲＡＭ（Random Access Memory）１０４等を備える。ＣＰＵ１０２は、ＲＯＭ１０３から処理内容に応じたプログラムを読み出してＲＡＭ１０４に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置１の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部７２に格納されている各種データが参照される。記憶部７２は、例えば不揮発性の半導体メモリ（いわゆるフラッシュメモリ）やハードディスクドライブで構成される。

制御部１０１は、通信部７１を介して、ＬＡＮ（Local Area Network）、ＷＡＮ（Wide Area Network）等の通信ネットワークに接続された外部の装置（例えばパーソナルコンピューター）との間で各種データの送受信を行う。制御部１０１は、例えば、外部の装置から送信された画像データ（入力画像データ）を受信し、この画像データに基づいて用紙Ｓに画像を形成させる。通信部７１は、例えばＬＡＮカード等の通信制御カードで構成される。

図１に示すように、画像読取部１０は、ＡＤＦ（Auto Document Feeder）と称される自動原稿給紙装置１１および原稿画像走査装置１２（スキャナー）等を備えて構成される。

自動原稿給紙装置１１は、原稿トレイに載置された原稿Ｄを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置１２へ送り出す。自動原稿給紙装置１１により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Ｄの画像（両面を含む）を連続して一挙に読み取ることが可能となる。

原稿画像走査装置１２は、自動原稿給紙装置１１からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をＣＣＤ（Charge Coupled Device）センサー１２ａの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部１０は、原稿画像走査装置１２による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部３０において所定の画像処理が施される。

図２に示すように、操作表示部２０は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Liquid Crystal Display）で構成され、表示部２１及び操作部２２として機能する。表示部２１は、制御部１０１から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部２２は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部１０１に出力する。

画像処理部３０は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部３０は、制御部１０１の制御下で、階調補正データ（階調補正テーブル）に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部３０は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部４０が制御される。

図１に示すように、画像形成部４０は、入力画像データに基づいて、Ｙ成分、Ｍ成分、Ｃ成分、Ｋ成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット４１Ｙ、４１Ｍ、４１Ｃ、４１Ｋ、中間転写ユニット４２等を備える。

Ｙ成分、Ｍ成分、Ｃ成分、Ｋ成分用の画像形成ユニット４１Ｙ、４１Ｍ、４１Ｃ、４１Ｋは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にＹ、Ｍ、Ｃ、又はＫを添えて示すこととする。図１では、Ｙ成分用の画像形成ユニット４１Ｙの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット４１Ｍ、４１Ｃ、４１Ｋの構成要素については符号が省略されている。

画像形成ユニット４１は、露光装置４１１、現像装置４１２、感光体ドラム４１３、帯電装置４１４、及びドラムクリーニング装置４１５等を備える。

感光体ドラム４１３は、例えばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体よりなる。

制御部１０１は、感光体ドラム４１３を回転させる駆動モーター（図示略）に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム４１３を一定の周速度で回転させる。

帯電装置４１４は、例えば帯電チャージャーであり、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム４１３の表面を一様に負極性に帯電させる。

露光装置４１１は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム４１３に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。その結果、感光体ドラム４１３の表面のうちレーザー光が照射された画像領域には、背景領域との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。

現像装置４１２は、二成分逆転方式の現像装置であり、感光体ドラム４１３の表面に各色成分の現像剤を付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。

現像装置４１２には、例えば帯電装置４１４の帯電極性と同極性の直流現像バイアス、または交流電圧に帯電装置４１４の帯電極性と同極性の直流電圧が重畳された現像バイアスが印加される。その結果、露光装置４１１によって形成された静電潜像にトナーを付着させる反転現像が行われる。

ドラムクリーニング装置４１５は、感光体ドラム４１３の表面に当接され、弾性体よりなる平板状のドラムクリーニングブレード等を有し、中間転写ベルト４２１に転写されずに感光体ドラム４１３の表面に残留するトナーを除去する。

中間転写ユニット４２は、中間転写ベルト４２１、一次転写ローラー４２２、複数の支持ローラー４２３、二次転写ローラー４２４、及びベルトクリーニング装置４２６等を備える。

中間転写ベルト４２１は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー４２３にループ状に張架される。複数の支持ローラー４２３のうちの少なくとも１つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、Ｋ成分用の一次転写ローラー４２２よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー４２３Ａが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー４２３Ａが回転することにより、中間転写ベルト４２１は矢印Ａ方向に一定速度で走行する。

中間転写ベルト４２１は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に高抵抗層を有する。中間転写ベルト４２１は、制御部１０１からの制御信号によって回転駆動される。

一次転写ローラー４２２は、各色成分の感光体ドラム４１３に対向して、中間転写ベルト４２１の内周面側に配置される。中間転写ベルト４２１を挟んで、一次転写ローラー４２２が感光体ドラム４１３に圧接されることにより、感光体ドラム４１３から中間転写ベルト４２１へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。

二次転写ローラー４２４は、駆動ローラー４２３Ａのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー４２３Ｂに対向して、中間転写ベルト４２１の外周面側に配置される。中間転写ベルト４２１を挟んで、二次転写ローラー４２４がバックアップローラー４２３Ｂに圧接されることにより、中間転写ベルト４２１から用紙Ｓへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。

一次転写ニップを中間転写ベルト４２１が通過する際、感光体ドラム４１３上のトナー像が中間転写ベルト４２１に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー４２２に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト４２１の裏面側、つまり一次転写ローラー４２２と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト４２１に静電的に転写される。

その後、用紙Ｓが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト４２１上のトナー像が用紙Ｓに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー４２４に二次転写バイアスを印加し、用紙Ｓの裏面側、つまり二次転写ローラー４２４と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Ｓに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Ｓは定着部６０に向けて搬送される。

ベルトクリーニング装置４２６は、二次転写後に中間転写ベルト４２１の表面に残留する転写残トナーを除去する。

定着部６０は、用紙Ｓの定着面、つまりトナー像が形成されている面側に配置される定着面側部材を有する上側定着部６０Ａ、用紙Ｓの裏面つまり定着面の反対の面側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部６０Ｂ、および加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Ｓを挟持して搬送する定着ニップが形成される。

定着部６０は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Ｓを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Ｓにトナー像を定着させる。定着部６０は、定着器Ｆ内にユニットとして配置される。

上側定着部６０Ａは、定着面側部材である無端状の定着ベルト６１、加熱ローラー６２および定着ローラー６３を有する。定着ベルト６１は、加熱ローラー６２と定着ローラー６３とによって張架されている。定着ベルト６１は、本発明の「定着部材」に対応する。

下側定着部６０Ｂは、裏面側支持部材である加圧ローラー６４を有する。加圧ローラー６４は、定着ベルト６１との間で用紙Ｓを挟持して搬送する定着ニップを形成している。加圧ローラー６４は、本発明の「加圧部材」に対応する。

また、定着部６０の下流側には、定着ベルト６１から用紙Ｓを分離させる機能を有する分離部２００が設けられている。分離部２００は、送風部２１０と、ダクト部２２０とを有する。

送風部２１０は、定着ベルト６１から用紙Ｓを分離させるための気流を発生させるファンである。ダクト部２２０は、送風部２１０が発生させた気流を定着ニップに向けて流すためのダクトである。

用紙搬送部５０は、給紙部５１、排紙部５２、及び搬送経路部５３等を備える。給紙部５１を構成する３つの給紙トレイユニット５１ａ〜５１ｃには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙Ｓ（規格用紙、特殊用紙）が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部５３は、レジストローラー対５３ａを含む複数の搬送ローラー対を有する。レジストローラー対５３ａが配設されたレジストローラー部は、用紙Ｓの傾きおよび片寄りを補正する。

給紙トレイユニット５１ａ〜５１ｃに収容されている用紙Ｓは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部５３により画像形成部４０に搬送される。画像形成部４０においては、中間転写ベルト４２１のトナー像が用紙Ｓの一方の面に一括して二次転写され、定着部６０において定着工程が施される。画像形成された用紙Ｓは、排紙ローラー５２ａを備えた排紙部５２により機外に排紙される。

ところで、図３に示すように、定着ニップにおける用紙Ｓが通紙されない非通紙領域においては、定着ニップを通過する用紙Ｓに熱を奪われないため、定着部６０における非通紙領域の温度が定着に必要な温度よりも上昇するという問題が発生する。この問題は、定着部６０における通紙可能な最大幅の用紙Ｓよりも小サイズの用紙Ｓを連続で通紙する場合に発生する。図３の横軸における軸方向位置は、定着ベルト６１における中央部を０とした場合における当該中央部に対する位置のずれ量を示している。

図３では、最大用紙幅より小サイズ（例えば、通紙幅２１０ｍｍのＡ４Ｓ）の用紙Ｓが定着ニップを通過した際、非通紙領域の温度が上昇する様子を示している。また、図３では、非通紙領域よりも外側においては、温度が減少しているが、これは、定着ベルト６１の内部の加熱ローラー６２内の加熱源における端の部分の配熱が弱くなっていることに起因する。

このように、定着ベルト６１の非通紙領域において温度が定着に必要な温度よりも上昇してしまうと、定着部６０における各部材の劣化につながるおそれがある。

そこで、本実施の形態では、制御部１０１は、送風部２１０から定着ニップの非通紙領域に向けて流れる気流の一部を定着ベルト６１側に向けて流すように、定着ベルト６１の軸方向における送風部２１０の送風量を異ならせる制御を行う。具体的には、制御部１０１は、定着部６０における最大用紙幅よりも小さい幅を有する用紙Ｓが定着ニップを通紙される際、定着ベルト６１における非通紙領域の範囲において、ダクト部２２０から流れる気流の方向を定着ベルト６１側に向けて流れるように気流の方向を変更する。

これにより、定着ベルト６１の非通紙領域における温度が上昇しすぎることを抑制することができる。以下、ダクト部２２０の詳細構成および本実施の形態に係る制御について説明する。

図４および図５に示すように、ダクト部２２０の先端部には、送風部２１０からの気流を定着ニップに向けて流す複数の開口２２１が形成されている。また、ダクト部２２０は、複数のリブ２２２と、開閉部材２２３とが設けられている。

複数の開口２２１は、ダクト部２２０の用紙Ｓの幅方向（図５における左右方向）に並んでそれぞれ設けられている。複数の開口２２１は、隣り合う２つの開口２２１の開口間隔が等間隔となるように形成されている。

複数のリブ２２２は、幅方向における開口２２１の両縁に対応する位置にそれぞれ配置されている。開口２２１の両縁に配置された２つのリブ２２２により、開口２２１から流れ出る気流の気流経路が形成される。

開閉部材２２３は、２つのリブ２２２により形成される気流経路と略同じ幅に形成されており、当該気流経路を開閉可能に構成されている。図４においては、開閉部材２２３は、気流経路を開放する位置に配置されている。なお、開閉部材２２３は、公知の移動機構により移動する。

開閉部材２２３が矢印の方向に移動すると、気流経路が閉塞される。これにより、図５に示すように、開口２２１に向けて流れる気流（矢印）が気流経路に進入しなくなるので、開閉部材２２３により閉塞された開口２２１から気流が流れ出なくなる。

また、制御部１０１は、気流が流れ出る第１開口２２１Ａと、気流が流れ出ない第２開口２２１Ｂとが交互に並ぶように開閉部材２２３を制御する。第１開口２２１Ａは、本発明の「気流開口」に対応する。

このようにすることで、図６に示すように、非通紙領域における、第２開口２２１Ｂを挟む２つの第１開口２２１Ａの第１間隔が、通紙領域における、２つの第１開口２２１Ａの第２間隔よりも広くなる。

言い換えると、制御部１０１は、非通紙領域において互いに隣り合う第１開口２２１Ａの第１間隔を、通紙領域において互いに隣り合う第１開口２２１Ａの第２間隔よりも広くする。これにより、第１間隔の部分において、気流Ｗが図示における上側、つまり、定着ベルト６１側に流れる。

具体的には、第１開口２２１Ａから流れ出る気流Ｗは、第１開口２２１Ａから広がるようにして流れ出る。２つの第１開口２２１Ａの間には、気流Ｗが流れ出ていないため、その部分は、第１開口２２１Ａの下側の部分に対して圧力損失が小さい状態となっている。

そのため、２つの第１開口２２１Ａから流れ出る気流Ｗ同士が衝突した際に、衝突した気流Ｗ同士が、圧力損失が小さい側に向かって回り込むことによって、気流Ｗが上側に向けて流される現象が発生する。

ところで、図６に示すように、通紙領域においては、２つの第１開口２２１Ａの間隔が第２間隔となっているため、第１開口２２１Ａから流れ出た気流が回り込むためのスペースが狭い。そのため、図７に示すように、定着ニップにおける用紙Ｓと定着ベルト６１との間に多くの気流Ｗが流れ、当該気流Ｗは用紙Ｓに沿って流れていくのに対し、定着ベルト６１側には気流Ｗが微少量しか流れない。そのため、非通紙領域において、通紙領域と同程度の気流Ｗを流すように構成すると、定着ベルト６１の端部の温度が上昇しすぎるおそれがある。

しかし、本実施の形態では、図６および図８に示すように、非通紙領域において、２つの第１開口２２１Ａの間隔が第１間隔となっているため、通紙領域と比較して、第１開口２２１Ａから流れ出た気流Ｗが回り込むためのスペースが確保される。そのため、多くの気流Ｗが上側に向けて回り込むため、定着ベルト６１の非通紙領域を効果的に冷却することができ、ひいては定着ベルト６１の非通紙領域の温度が上昇しすぎることを抑制することができる。

また、本実施の形態では、図６に示すように、非通紙領域であっても、ダクト部２２０の端から３つ分の開口は、第１開口２２１Ａとなっており、開閉部材２２３により閉塞されていない。この部分においては、図９に示すように、定着ベルト６１側には、気流Ｗが微少量しか流れない。これは、加熱ローラー６２における加熱源の配熱が端部の方が低くなっており（図３参照）、定着ベルト６１側に多くの気流Ｗを流すと、定着ベルト６１の端部温度が下がりすぎてしまうからである。

上記のような開口状態とすることにより、本実施の形態では、図１０に示すように、定着ベルト６１の軸方向の各位置における温度状態を、全てにおいて均一化させて、定着に必要な温度に近い状態とすることができる。

また、非通紙領域の部分において、第２開口２２１Ｂとなる部分が２箇所あるが、この２つの第２開口２２１Ｂ、つまり、２つの第１間隔となる部分の間の範囲に、定着ニップを用紙Ｓが通過した際に、定着ベルト６１における最大温度となる部分が含まれるようにすることが望ましい。このようにすることで、温度を下げたい部分に向けて定着ベルト６１側に気流を積極的に流すことができる。

ところで、用紙Ｓの幅によっては、非通紙領域の範囲が変動する。本実施の形態では、制御部１０１は、定着ニップを通過する用紙Ｓの幅に応じて、気流の方向が変更される範囲を変更する。例えば、非通紙領域の範囲が広くなれば、それに応じて、第１間隔が形成される部分の範囲を広げる一方、非通紙領域の範囲が狭くなれば、それに応じて、第１間隔が形成される部分の範囲を狭くする。このようにすることで、用紙Ｓの幅に合わせた適切な気流方向変更制御を行うことができる。

以上のように構成された画像形成装置１における気流方向変更制御の動作の一例について説明する。図１１は、画像形成装置１における気流方向変更制御の動作例の一例を示すフローチャートである。図１１における処理は、印刷ジョブの実行指示を受け付けたときに実行される。

なお、画像形成装置１は、印刷ジョブの実行指示を受け付けると、送風部２１０を動作させる一方、印刷ジョブが終了すると、送風部２１０を停止させる。また、印刷ジョブの開始時においては、非通紙領域の開口間隔は、例えば全て第２間隔に設定することができる。

図１１に示すように、制御部１０１は、用紙Ｓが小サイズ用紙であるか否かについて判定する（ステップＳ１０１）。判定の結果、用紙Ｓが小サイズ用紙である場合（ステップＳ１０１、ＹＥＳ）、制御部１０１は、非通紙領域の開口間隔の一部を第１間隔とする（ステップＳ１０２）。なお、ステップＳ１０２において、すでに非通紙領域の開口間隔の一部が第１間隔となっている場合、制御部１０１は非通紙領域の開口間隔を変更しない。

一方、用紙Ｓの小サイズ用紙ではない場合（ステップＳ１０１、ＮＯ）、制御部１０１は、非通紙領域の開口間隔を全て第２間隔とする（ステップＳ１０３）。なお、ステップＳ１０３において、すでに非通紙領域の開口間隔が全て第２間隔となっている場合、制御部１０１は非通紙領域の開口間隔を変更しない。

ステップＳ１０２およびステップＳ１０３の後、制御部１０１は、印刷ジョブが終了したか否かについて判定する（ステップＳ１０４）。判定の結果、印刷ジョブが終了していない場合（ステップＳ１０４、ＮＯ）、処理はステップＳ１０１に戻る。一方、印刷ジョブが終了した場合（ステップＳ１０４、ＹＥＳ）、本制御は終了する。

以上のように構成された本実施の形態によれば、分離部２００からの気流を利用して、定着部６０における非通紙領域の温度を冷却する。そのため、別途冷却ファンを設ける必要がなくなるため、画像形成装置１を大型化することなく、定着部６０における非通紙領域の温度が上昇することを抑制することができる。

また、本実施の形態では、２つの第１開口２２１Ａの間隔を広げることにより、気流が当該間隔の部分に回り込みやすくすることができる。そのため、２つの第１開口２２１Ａの間隔を広げない構成と比較して、より多くの気流を定着ベルト６１側に流すことができ、より効果的に定着ベルト６１の非通紙領域の温度が上昇することを抑制することができる。

なお、上記実施の形態では、ダクト部２２０の開口２２１に繋がる気流経路を閉塞することにより、開口２２１から気流が流れ出ないようにしていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ダクト部２２０の開口２２１を直接閉塞するようにしても良い。また、ダクト部２２０の先端部において、定着ベルト６１側を向く開口を別途形成して、当該開口を開放するようにしても良い。また、ダクト部２２０から流れ出る気流の経路を変更可能な構成としても良い。

また、上記実施の形態では、定着部材として加熱ローラー６２および定着ローラー６３に張架される定着ベルト６１を例示したが、本発明はこれに限定されず、定着ベルト６１を有さない構成の場合、定着ローラーを定着部材としても良い。

その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

１ 画像形成装置
６０ 定着部
６１ 定着ベルト
６４ 加圧ローラー
１０１ 制御部
２００ 分離部
２１０ 送風部
２２０ ダクト部
２２１ 開口
２２１Ａ 第１開口
２２１Ｂ 第２開口
２２２ リブ
２２３ 開閉部材

Claims (8)

1. 加圧部材との間で定着ニップを形成する回転可能な定着部材と、
   前記定着ニップを通過する用紙の幅方向に並ぶ複数の開口を備えるダクト部を有し、前記定着ニップを通過した用紙を前記定着部材から分離するための気流を前記定着ニップに向けて流す送風部と、
   前記複数の開口における一部の開口または該一部の開口に繋がる気流経路を開閉する開閉部材と、
   前記定着ニップにおける用紙の非通紙領域において、前記複数の開口のうち気流が流れる気流開口の互いに隣り合う第１間隔を、前記定着ニップにおける用紙の通紙領域において、前記複数の開口のうち気流が流れる気流開口の互いに隣り合う第２間隔より広げ、前記送風部から前記定着部材側に向けて流れる気流が、前記通紙領域より前記非通紙領域の方が多くなる様に前記開閉部材を制御する制御部と、を備える画像形成装置。
2. 前記制御部は、前記定着ニップにおける最大用紙幅よりも小さい幅を有する用紙が前記定着ニップを通紙される際、前記非通紙領域の範囲において、前記送風部から流れる一部の気流が前記定着部材側に向けて流れるように前記開閉部材を制御する、
   請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記第１間隔となる部分の間の範囲には、前記定着部材における最大温度となる部分が含まれる、
   請求項１または２に記載の画像形成装置。
4. 前記複数の開口は、前記用紙の幅方向における前記ダクト部の先端部に等間隔に並んでいる、
   請求項１〜３の何れか１項に記載の画像形成装置。
5. 前記ダクト部には、前記開口に繋がる気流経路を形成する一対のリブが、前記複数の開口のそれぞれに設けられ、
   前記開閉部材は、前記気流経路の入口を開閉可能に構成されている、
   請求項１〜４の何れか１項に記載の画像形成装置。
6. 前記制御部は、前記定着ニップを通過する用紙の幅に応じて、前記開閉部材を制御する、
   請求項１〜５の何れか１項に記載の画像形成装置。
7. 前記定着部材は、複数のローラーに張架される定着ベルトである、
   請求項１〜６の何れか１項に記載の画像形成装置。
8. 前記定着部材は、定着ローラーである、
   請求項１〜６の何れか１項に記載の画像形成装置。
   

Images