JP6201924B2 - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
一般的に、定着装置は、加熱された定着ローラー(定着回転体)と、これに圧接された加圧ローラー(加圧回転体)との間に形成されたニップ部に記録シートを通紙し、これを熱定着しながら前方へ搬送する構成となっているが、ニップ部で加熱され溶融状態となったトナーの粘着力により、記録シートが定着ローラーの表面に付着し、これにより、記録シートが定着ローラーから分離されないでジャム(分離ジャム)が発生し、最悪の場合には記録シートが定着ローラーに完全に巻き付いてしまい、メンテナンスに大変負担がかかる。
それにもかかわらず、記録シートとして薄紙もしくは薄紙コート紙などのコシのない用紙を使用した場合や、ベタ画像など記録シートへのトナーの付着量が多い場合には、やはり分離ジャムなどが発生するおそれが高くなる。
強制的なシート分離機構として、上記分離爪方式の代わりに、記録シートの先端と定着ローラーの周面との間に曲率分離によりわずかに生じた隙間に、ノズル先端から強く空気を吹き付けて、非接触で記録シートを強制的に分離させることにより、定着ローラーの周面に疵を発生させずに分離させる方法もあるが(以下、「エア式分離方式」という。)、当該空気流により常時定着ローラーから熱が奪われるため、定着ローラーを定着温度に維持するための消費電力がかさむという問題がある。
すなわち、図24(a)に示すように定着ローラー543と加圧ローラー544との間で形成されたニップ部Nを通過した記録シートSの先端部までの距離をレーザー変位センサー545で測定して巻き付き指標値を算出し、当該巻き付き指標値が所定値より大きくなってきたときに定着ローラー543の寿命により分離性が劣化したと判定し、ユーザーに警報を発すると共に、それ以降の記録シートSの通紙に対してシート分離機構を動作させて、記録シートSを強制的に分離させる構成が開示されている。
しかしながら、上記条件a,bの双方を満たすべく、記録シートへのレーザーの入射角度を直角に近付けつつ、ニップ部近くの記録シートのレーザー変位センサー545で測定しようとすると、図24(b)の二点鎖線で示すレーザー変位センサー545’のように加圧ローラー544と干渉してしまい、事実上は設置が困難である。
特に、最近では、生産性を向上させるため記録シートの搬送速度も高速化しており、記録シートの分離が不良であることの判定が遅れれば、シート分離機構の動作が間に合わずに、分離ジャムや定着ローラーへの巻き込みを事前に回避できない可能性が高い。
また、本発明に係る第2の態様は、第1と第2の回転体との間に形成されたニップ部にシートを通紙して搬送するシート搬送装置であって、前記ニップ部を通過したシートと、前記第1の回転体の表面との分離状態を判定する分離状態判定手段と、前記シートに、前記第1の回転体表面から分離する方向の力を作用させるシート分離手段と、前記分離状態判定手段の結果に応じて、前記シート分離手段によるシートに作用する力を制御する制御手段とを備え、前記分離状態判定手段は、前記ニップ部の通紙方向出口側を照明する照明手段と、エリアセンサーにより、前記ニップ部を通過したシート先端部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られた画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する取得手段と、を有し、前記取得されたシート先端の位置情報に基づき、シートと前記第1の回転体との分離状態を判定し、前記撮像手段は、複数枚のシートを連続して通紙する場合において、初期の段階では、ニップ部の伸びる方向と直交する方向における撮像範囲を第1の範囲に設定し、前記取得手段で得られたシート先端の位置が、所定の範囲内に収まると予測された場合には、撮像範囲を前記第1の範囲より前記ニップ部の伸びる方向と直交する方向において狭い第2の範囲に切り替えて、シート先端部を撮像し、前記制御手段は、前記分離状態判定手段の判定結果に応じて、前記第1の回転体表面から分離する方向にシートに作用する力を変えるように前記シート分離手段を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る第3の態様は、第1と第2の回転体との間に形成されたニップ部にシートを通紙して搬送するシート搬送装置であって、前記ニップ部を通過したシートと、前記第1の回転体の表面との分離状態を判定する分離状態判定手段と、前記シートに、前記第1の回転体表面から分離する方向の力を作用させるシート分離手段と、前記分離状態判定手段の結果に応じて、前記シート分離手段によるシートに作用する力を制御する制御手段とを備え、前記分離状態判定手段は、前記ニップ部の通紙方向出口側を照明する照明手段と、エリアセンサーにより、前記ニップ部を通過したシート先端部を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られた画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する取得手段と、を有し、前記取得されたシート先端の位置情報に基づき、シートと前記第1の回転体との分離状態を判定して、ニップ部の伸びる方向に沿ったシートの分離状態の分布を示す情報を取得し、前記シート分離手段は、シートに対し第1の回転体表面から分離させる方向に作用させる力を、シート幅方向の複数の箇所において独立して変更可能であり、前記制御手段は、前記分離状態の分布を示す情報に基づき、前記シート分離手段による各箇所におけるシートに作用する力を制御することを特徴とする。
また、前記ニップ部よりシートの搬送方向上流側において、シート先端の通過を検出する検出手段を有し、前記撮像手段は、ニップ部を通過したシート先端部を連続して撮像し、前記取得手段は、前記連続して撮像して得られた画像データのうち、前記検出手段によりシート先端を検出した時点を基準時刻として、当該基準時刻から所定時間経過後のタイミングで撮像された画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得するようにしてもよい。
また、通紙されるシートの当該通紙方向と直交する方向におけるシート幅に関する情報を取得するシート幅取得手段を備え、前記撮像手段は、前記シート幅の大きさに応じて、前記通紙方向と直交する方向における撮像範囲を切り替えて、シート先端部を撮像することを特徴としてもよい。
また、前記ニップ部を通過した後のシートを案内するシート搬送ガイドと、エリアセンサーからニップ部に至るまでの撮影光路の途中で、当該撮影光路を平行に変換する光学系を有し、前記シート搬送ガイドは、ニップ部におけるシート分離状態の判定対象となっている部位を撮影した平行な撮影光路を妨げないように複数本のリブが平行に配されたリブ状ガイド部を有することとしてもよい。
ここで、前記搬送系には、定着装置が含まれ、当該定着装置における定着回転体と加圧回転体が、それぞれ前記シート搬送装置における第1と第2の回転体に相当することを特徴としてもよい。
ここで、前記像担持回転体は、感光回転体であって、トナー像の記録シートへの転写後に感光回転体の電荷を除去するイレーサーランプを有し、前記イレーサーランプが、前記シート搬送装置における撮像用の照明手段を兼ねていることとしてもよい。
(1)複写機の全体構成
図1は、本実施の形態に係る複写機1の構成を説明するための概略図である。
同図に示すように、複写機1は、大きく分けて、イメージリーダー部(原稿読取装置)Aとプリンター部(画像形成装置)Bとからなる。
イメージリーダー部Aは、原稿画像を光学的に読み取って画像信号に変換するスキャナー部10、および、このスキャナー部10の上方に設けられた原稿搬送部(ADFユニット)11を備えている。
原稿搬送部11は、給紙トレイ11aにセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ繰り出して、プラテンガラス10a上の読取り位置R1まで搬送し、当該読取り位置R1でスキャナー部10により原稿画像が読み取られた後、原稿排出トレイ11c上に排出するものである。
ラインセンサー10dは、複数のCCD(Charge Coupled Device)を、主走査方向と平行な方向に直線状に配列してなり、入射された原稿からの反射光を電気信号に変換してプリンター部Bの制御部50に出力する。
プリンター部Bは、画像形成部20、給紙部30、定着部40、制御部50などからなり、上記イメージリーダー部Aで読み取った原稿画像や、ネットワークを介して他の端末から送信されてきた画像データに基づき、記録シート上に画像を形成するものである。
画像形成部20は、不図示の駆動源により矢印方向に周回駆動される中間転写ベルト26と、中間転写ベルト26の鉛直方向の走行面に沿って列設されたプロセスユニット20Y、20M、20C、20Kとを備えている。
これらのプロセスユニット20Y〜20Kは、使用されるトナーの色を除き、何れも同様の構成になっているので、代表してプロセスユニット20Yの構成についてのみ説明する。
感光体ドラム21Yは、帯電器22Yによって外周面が一様に帯電される。
露光器23Yは、イメージリーダー部Aで取得された画像データに基づき、レーザ光源を変調駆動して、帯電された感光体ドラム21Yの表面を露光走査する。これにより感光体ドラム21Yの外周面に静電潜像が形成される。
他のプロセスユニット20M、20C、20Kにおける感光体ドラム上に形成されたM色、C色、K色のトナー画像を、中間転写ベルト26上の同じ位置に重ねて転写することにより、カラー画像が形成される。
一方、給紙部30は、給紙カセット31〜33を有し、指定された給紙カセットから記録シートを繰り出し、タイミングを取って2次転写位置に搬送し、中間転写ベルト26上のトナー像が、記録シート上に2次転写される。
(2)定着部40の構成
図2は、定着部40の第1の実施形態の構成及び動作を説明するための断面構成図である。
さらに、厚さ30μmの耐熱性樹脂であるPFA(パーフルオロアルコキシ)のチューブを被覆して離型層を形成している。
異なった紙幅に対応するために、主加熱手段としてのハロゲンヒーターからなる中央部ヒータ423は消費電力が例えば1080Wに、端部ヒータ424は705Wに設定され、記録シートの異なる紙幅に対応させて軸方向に異なる発熱分布になるように配置してある。
定着ローラー43は、ステンレス等の金属により形成された芯金431を、耐熱性のシリコンゴムからなる弾性層432で被覆して形成されている。
さらにその上に、離型層として厚さ30μmのPFAでコーティングした樹脂層444を被覆している。
加圧ローラー44内にはハロゲンヒーターからなる加圧ローラー用ヒータ441が配設されている。
以上の構成において、不図示の駆動手段により加圧ローラー44が反時計方向に回転駆動され、定着ベルト41及び加熱ローラー42は時計方向に回転され、定着ローラー43は時計方向に従動回転されることにより、記録シートSが熱定着されつつ下流側に向けて搬送される。なお、定着ローラー43を駆動回転する構成としてもよい。
<エア式分離装置>
上記定着装置40において、加熱定着された記録シートSがニップ部Nを通過する際に、記録シートS上のトナー量によっては、定着ベルト41の周面に付着して分離状態が悪くなり分離ジャムが発生するおそれがあるので、記録シートSを定着ベルト41から確実に分離させる必要がある。
図2に示すように、エア式分離装置60は、ダクト本体62内にファン装置61を配し、このファン装置61を駆動させて、ダクト本体の先端のノズル部63から空気を吐出する構成となっている。なお、図2では、ダクト本体62の一部を切り欠いて内部のファン装置61が見えるようにしている。
通常、記録シートの周縁部には、数mm程度のマージン(画像が形成されない余白領域)が設けられているので、ニップ部Nを通過した記録シートSの先端のマージン部分が、記録シート自信のコシにより定着ベルト41表面から分離され、その隙間に空気を吹き付けることにより、記録シートSを定着ベルト41から分離させることが可能となる。
なお、ファン装置61の種類は、特に限定されず、軸流ファン、シロッコファンやクロスフローファン、或いはブロア等でもよい。空気流を発生するための手段はファン装置に限らずコンプレッサ、またはコンプレッサとファンの併用でも良いが、制御部50によって風量を調節可能である必要がある。
分離状態検出部49は、記録シートSの先端部と定着ベルト41との分離の状態(以下、単に「分離状態」という場合もある。)を検出するものであって、エリアセンサー45と照明ユニット46とからなる。
エリアセンサー45は、2点鎖線で示される記録シートの搬送路Stよりもやや下方からニップ部Nを撮像する方向に向けて配置される。
このようにエリアセンサー45を用いることにより、記録シートの先端部についてシート幅のほぼ全域を撮像することができ、これにより通紙される記録シートについての詳細な分離状態の判定が可能になる。
照明ユニット46は、少なくとも上記エリアセンサー45の撮像範囲と同じ範囲を照射できるように構成されているのが望ましい。照明ユニット46の光源として、耐久性と省エネルギー性の点で優れるLEDを使用するのが望ましい。例えば、1個のLEDと、その光線を拡散するレンズを組み合わせて構成してもよいし、複数のLEDを主走査方向に並べたLEDアレイを使用してもよい。
図3(a)に示すように、照明ユニット46がエリアセンサー45よりも下方の位置からニップ部Nに向けて光を照射しているので、定着ベルト41の表面のニップ部N付近に記録シートS先端の突出量に応じた影Dが生じ、次に述べるように記録シートSのエッジ検出が容易となる。
図4の上段は、記録シートSの先端が定着部40のニップ部Nを通過した直後の様子を示す中央断面図(概略)であり、いずれも記録シートS先端がニップ部を通過した後の同じタイミングでの様子を、記録シートSの分離状態に応じて、a.分離良好、b.分離不良気味、c.分離不良の3段階で示している。
左側の「a.分離良好」な場合には、記録シートSの先端がシート搬送方向に沿ってニップ部Nからほぼ直線上に突出しているので、その撮影画像における記録シートSの幅は小さく、影Dも比較的幅がある。なお、Eは、記録シートSの先端エッジを示す。
さらに、「c.分離不良」になると、撮影画像における記録シートSの幅がさらに広くなって、エッジEとニップ部Nとの距離が開く。
図5は、制御部50の主要な構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51、通信I/F(インターフェース)52、RAM(Random Access Memory)53、ROM(Read Only Memory)54、画像処理部55,画像メモリ56、エッジ検出部57、タイマー58などからなる。
また、CPU51は、通信I/F52により、LANなどの通信ネットワークを介して他の端末からプリントジョブを受け付ける。
外部端末から受信したプリントジョブのデータや、スキャナー部10で読み取られたR,G,Bの画像データは、画像処理部55で現像色であるY、C、M、Kの濃度データに変換されると共に、エッジ強調やスムージング処理などの公知の画像処理を受けた後、画像メモリ56内に格納される。
本実施の形態では、エリアセンサー45と照明ユニット46の相対的位置を、エリアセンサー45により記録シートS先端部の定着ベルト41周面への影Dが撮影できるように設定しているため、図4の下段の各撮影画像に示すように、記録シートSのエッジ部Eと影Dとの濃度の差が明確に現れる。
なお、エッジ検出の手法としては、上記に限定されるものではなく、その他の公知の技術を用いてもよいのはいうまでもない。例えば、ラプラシアンフィルターなどの空間フィルターを使用する方法でも構わない。
なお、この所定時間t1としては、分離状態の良否が確実に検出できるのに必要な量(例えば、10mm)だけ記録シート先端がニップ部Nより突出するまでの時間として予め決定されている。
CPU51は、スキャナー10で読み取った原稿の画像データや、通信I/F52を介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブの画像データに基づき、画像形成部20、給紙部30、定着装置40の動作を制御して、プリント動作を円滑に実行させる。
(6)エア式分離装置の駆動制御
図6は、制御部50により実行されるエア式分離装置60の駆動制御の内容を示すフローチャートであって、複写機1全体の動作を制御するメインのフローチャート(不図示)のサブルーチンとして実行される。なお、本実施の形態では、最大サイズの記録シートとしてA3サイズ縦通し(長辺がシート搬送方向と平行な向きとなるように給紙すること)で、かつ普通紙が使用されるものとし、エア式分離装置60は、風量をレベル1から3までの3段階に調節できるものとする。
記録シートSの先端が検出された場合には(ステップS11でYES)、エア式分離装置60の風量をレベル2に設定して駆動させる(ステップS12)。
そして、通紙センサー401による記録シートSの先端検出後t1秒経過したか否かを判定し(ステップS13)、もし、経過しておれば、照明ユニット46を所定時間だけONにしてニップ部Nの撮像範囲を照射する(ステップS14)。この所定時間は、撮像のためエリアセンサー45の露光に必要な時間であり、例えば、0.001秒程度である。
上記撮像データは一時的にRAM53内に格納され、エッジ検出部57において、上述したシート先端エッジ検出処理が実行される(ステップS16)。
本実施の形態では、シート先端エッジ検出処理において、シート幅方向(図4のx方向)において等分した18箇所の位置で、エッジ位置が検出されているものとし、これらの全てにおいて、分離状態が良好と判定された場合のみステップS17においてYESと判定されるものとする。
反対に、分離状態が良好でないと判定された場合には(ステップS17でNO)、ステップS19に移り、エア式分離装置60の風量を最大レベル3まで増加させて、送風による分離力を強化させる。
以上のように本実施の形態によれば、エリアセンサー45によって得られたニップ部N付近の撮影画像に基づきエッジを検出して分離状態の判定を行うので、従来のようにレーザー変位センサーで検出する場合に比べ、記録シートSの先端がニップ部Nを通過した直後の状態を正確に把握でき、判定精度に優れている。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
要するに、照明ユニット46は、記録シートSの先端がニップ部Nを通過直後に、記録シートSの先端の影を、記録シートSが付着して近付く側の回転体の周面に移すことができる方向(回転体に近付く記録シート先端部の背面を照らす方向)から光を照射し、エリアセンサー45は、記録シートSの先端部と当該先端部の影を撮影できるような相対的位置に配置されておればよい。
また、スペース的に可能であれば、例えば、図7に示すようにエリアセンサー45をシート搬送路Stよりやや斜め上方(15°程度)からニップ部Nを撮像し、照明ユニット46は、エリアセンサー45上方でエリアセンサー45にできるだけ近接した位置からニップ部Nを照射するようにしても構わない。
特に、「b.分離不良気味」の場合には、定着ベルト41の周面に沿ってやや上方に曲がった記録シート先端部の端面にほぼ正面から入射した照明ユニット46からの光が、当該端面で正反射に近い形で反射してエリアセンサー45に入射することになるので、撮像データにおいてその部分の輝度がひときわ高くなり、エッジ部を検出しやすくなる。
もちろん、この場合でも、記録シートSの先端部エッジの位置が、シートの分離状態によって変化するので、エッジ位置さえ検出できれば、シートの分離状態の判定が容易にできる。
このような不都合を回避するため、予め記録シートの幅に関する情報を取得して、その情報に基づき、制御部50で取得した撮影画像全体の画像データから記録シートのある範囲の画像データを切り出して、エッジ検出処理をするようにすればよい。
そこで、本変形例では、エリアセンサー45による撮像が可能な全範囲の画像のうち、エリアセンサー駆動部47を介して制御部50に取り込む画像データの範囲を、実際に通紙される記録シートのシート幅に合わせて変更できるようにしている。
周知の通り、本実施の形態でエリアセンサー45として使用している2次元CCDは、マトリクス状に配列された複数のフォトダイオードの電荷を、トランスファーゲートを介してそれぞれ対応する垂直転送用CCDに転送した後、垂直転送パルスごとに各列の垂直転送用CCD内の電荷を水平転送用CCDに向けて1画素分ずつ転送し、水平転送用CCDは、垂直転送用CCDから転送された電荷を水平転送パルスごとに1画素分ずつ水平方向に転送して電荷検出部に送出して出力する構成となっており、この垂直転送と水平転送を繰り返すことにより全画素に対応する電気信号を得ることができる。
図10は、本実施の形態における上記部分スキャンを実施するためのエリアセンサー駆動部47の構成例を示すブロック図である。
同図に示すように、エリアセンサー駆動部47は、パルス切替タイミング決定部471、トリガー信号発生部472、パルス発生部473、パルス切替部474、水平・垂直走査駆動回路475、信号処理部476とを有する。
パルス切替部474は、垂直転送パルス切替部4741、水平転送パルス切替部4742を備え、パルス切替タイミング決定部471で決定されたタイミングで、それぞれ部分スキャンすべき画素の電荷の転送時に使用されるべき通常の周期の垂直転送パルス、水平転送パルスと、それ以外の廃棄すべき画素の転送時に使用される高速の垂直転送パルス、水平転送パルスを切り替える。
信号処理部476は、エリアセンサー45から出力された映像信号を処理してデジタル信号に変換する。
なお、高速パルスで転送中に水平転送用CCDから掃き出された不要な画像信号は、エリアセンサー45内部の水平用電荷検出部に設けられたリセットゲートを介してリセットドレインに掃き出されるように構成されており、部分スキャンの対象となる画信号のみが信号処理部476に出力されるようになっている。
図11は、本変形例における画像データ取得処理(図6のステップS15に相当)のサブルーチンを示すフローチャートである。
そして、トリガー信号発生部472によりトリガー信号をオンにして(ステップS103)、パルス発生部473で基本パルスを発生させる。
パルス切替部474は、パルス切替タイミング決定部471で決定された切替タイミングに基づき、撮影画像のうち不要な範囲の画像に対応する区間については、垂直・水平転送パルスを高速に切り替えて、水平・垂直走査駆動回路475によりエリアセンサー45を駆動走査させ(ステップS104)、必要な範囲の画素の信号のみ信号処理部476で処理してデジタル信号に変換し、画像データとして制御部50に送信する(ステップS105)。
(3)上記(2)では、シート幅のサイズの変更に応じて、取得する撮像範囲を変更すべく部分スキャンを実行する構成にしたが、同一サイズの記録シートに対して、その分離状態の状況に応じてシート幅方向の撮像範囲を変更するようにしても構わない。
まず、記録シートSの水平方向の撮像範囲を中央の一部分(範囲W3)に設定する(ステップS201)。
そして通紙されるのが当該ジョブのうち最初の記録シートであるか否かを判定し(ステップS202)、もし、そうであれば(ステップS202でYES)、撮像範囲をW3のまま部分スキャンして撮影画像を取得する(ステップS206)。
もし、次に通紙される記録シートが1枚目ではなく、2枚目以降であって(ステップS202:NO)、かつ、前回通紙した記録シートの分離状態が良好ではない場合には(ステップS203:NO)、水平方向の撮像幅をシート幅のほぼ全域W1に拡大して撮像を実行する(ステップS204)。
ステップS204もしくはS206の撮像で得られた画像信号は、ステップS205で信号処理され、その後、図6のフローチャートにリターンする。
そして、一部の領域の分離状態が良好でなくなってきた場合には、記録シートSの幅方向における他の箇所においても分離状態が悪化する蓋然性があるので、シート幅全域を監視対象にして、より確実にジャムなどのトラブルの発生を防止するように構成されている。
すなわち、通常は、図14(a)のように垂直方向において、分離状態が最悪な状態であっても撮像できるように垂直方向における撮像幅を撮像可能な最大幅V1(第1の撮像幅)にしておき、分離状態が良好であると予測される場合には、図14(b)に示すように垂直方向における撮像範囲をV2(第2の撮像幅)まで狭めて部分スキャンするようにしている。
まず、エリアセンサー45による垂直方向の撮像幅を第1の撮像幅(V1)に設定する(ステップS301)。
そして、当該プリントジョブを開始してからK枚連続して分離状態が良好であったか否かを判定する(ステップS302)。
プリントジョブを開始してからK枚連続して分離状態が良好であったと判定された場合には(ステップS302:YES)、今後も分離状態が良好で記録シートSの先端が所定の範囲内に収まると予測されるので、エリアセンサー45の垂直方向の撮像幅を、第1の撮像幅よりも小さな第2の撮像幅(V2)に設定して撮像(部分スキャン)する(ステップS303)。
反対に、プリントジョブを開始してから分離状態が良好の判定がK枚連続してされていない場合には(ステップS302:NO)、安全のためエリアセンサー45の垂直方向の撮像幅を広い第1の撮像幅のままで撮像する(ステップS304)。
なお、本変形例において第1の撮像幅(V1)は、エリアセンサー45における垂直方向の最大の撮像幅としているが、記録シート先端部の分離状態が最悪の場合でも当該シート先端部を撮像できる範囲であれば、必ずしも最大幅である必要はない。
(5)上記実施の形態の形態では、エア式分離装置60のノズルの吹き出し口の定着ローラー43の軸方向における幅は、定着部40に通紙される最大シート幅とほぼ同じとし、分離状態の判定においてシート幅方向において1カ所でも分離状態が良好でないと判定された場合には、シート幅全体に分離用の空気を吹き付けるようにしたが、本変形例においては、分離の必要な箇所のみ空気を吹き付けるように構成している。
同図に示すように、本変形例に係るエア式分離装置60は、ダクト62の内部が、仕切り壁624、625により3つのサブダクト621、622、623に分割されると共に、それぞれのサブダクトの開口621A〜623Aに、ファン装置611〜613の送風口が連結されている。
さらに、各小ノズル631には、その空気吹き出し口を開閉する開閉機構が設けられている。
同図に示すように開閉機構64は、小ノズル631の先端開口部に揺動可能に設けられた蓋部材646と、この蓋部材646に取着された揺動レバー646aと、基端部が小ノズル631に対して支軸647aで揺動可能に軸支されると共に、ロッド部の先端が上記揺動レバー646aの端部にピン647bで連結されたアクチュエーター647とからなる。
なお、アクチュエーター647として、例えば、ソレノイドが利用されるがこれに限定されない。モーターとカム機構もしくはクランク機構を組み合わせて蓋部材646を揺動駆動する機構であればどのようなものでも構わない。
以下、説明の便宜上、各小ノズル631の幅に対応する、シート幅方向の区間を図16の左端から「P1〜P18」とする(図19参照)。
本実施の形態では、分離状態が良好でない場合のみ空気を吹き付けるものとし、図18のテーブルでは、分離状態が良好と判定された箇所に「1」(エア分離不要)、それ以外の場合には「2」(エア分離要)が格納されるようになっている。
図18のテーブルに基づき、各ファン装置611〜613の駆動および小ノズル631における開閉機構64による開閉動作が制御部50によって制御される。
図19(a)の場合には、記録シートのエッジ位置が、P9、P10の区間において上方に上がっており、この分離状態が良好といえないと判断され、P9、P10の区間に対応する小ノズル631が開放される。
さらに、図19(c)のように、分離状態が良好でない範囲が広がれば、その位置P5〜P12に対応する小ノズル631が開放されるように制御される。
なお、図19(a)、(b)の場合には、分離状態不良の範囲は、サブダクト622の範囲なので、ファン装置612(図16参照)のみ駆動させ、ファン装置611、613は駆動させる必要はない。図19(c)の場合には、ファン装置611、612の2台を駆動させる。
図20に示す例では、3個のラインセンサー45a〜45cをシート幅方向の両端部Pa、Pcと中央部Pbを撮像できる位置に配置し、それらの撮像結果からエッジを検出して、各位置における分離状態を判定するようにしており、1カ所でも分離状態が良好でなければ、エア式分離装置60を駆動してエア分離させるようにしている。この構成によれば、エリアセンサー45を使用する場合に比べ、低コスト化が可能であると共に、処理対象となる画素数も少ないので高速処理が可能である。
また、それほどシート幅サイズの大きな記録シートを使用しないプリンターにあっては、ラインセンサーが1個であってもよい。1個でも、例えば、シート幅方向の中央部を撮像する位置に配することにより、分離状態の劣化を有る程度は判定できるからである。
このときシート幅方向に対してほぼ中央に配されたエリアセンサー45には、スリットを通過してニップ部N付近に投影されたスリット光源の形状が、図21(b)に示すように加圧ローラー44上の投影部分J1と、記録シートSの先端部裏面への投影部分J2と定着ベルト41への投影部分J3の3つに分割されて撮像される。
このようなスリット光源によるニップ部Nの照射を、シート幅方向における複数の位置で行って、それらの撮像結果から各位置での分離状態を判定すればよい。
すなわち、投影部J2の記録シートSの影Dとのエッジ部の左端Ej2と投影部J3の記録シートSの影Dとのエッジ部の左端Ej3とのx方向における距離をdとすると、分離状態が悪いほど、記録シートSの先端が定着ベルト41の表面に張り付いているのでdの大きさは小さくなり、反対に分離状態が良好であると、記録シートSの先端と定着ベルト41の表面の距離が大きくなるので、dの値も大きくなる。
但し、このようにスリット光源の投影形状により、シート幅方向における複数の位置で分離状態を判定すると、シートの分離状態が全く同じであっても、エリアセンサー45からの撮像方向によって距離dの値が変化するので(光源とエリアセンサー45の位置関係にもよるが、スリット光源のニップ部Nへの投影位置がエリアセンサー45の正面に近いほどdが小さくなると考えられる。)、距離dについて各検出位置ごとに最適な閾値を予め求めて設定しておく方が望ましい。
(8)上記実施の形態では、定着部40のニップ部Nを通過した後の記録シートSを案内するガイド部材については、特に開示していないが、照明ユニット46によりニップ部Nの検出位置の照明と、当該照明された検出位置の撮像が可能な構成にしなければならない。そのため、少なくともニップ部Nに近い位置であって、照明光と撮影対象画像がエリアセンサー45へ入射するための通過部分は、透明なガラスまたは樹脂板などで形成することが考えられる。
そこで、本変形例では、撮像に必要な範囲についてはガイド面をリブで構成し、リブ同士の間の隙間からニップ部Nの検出ポイントを撮像できるように構成している。
図22(a)は、定着部40のニップ部下流側のガイド板80の構成を示す平面図であり、ここでは定着部40の要素として加圧ローラー44のみを開示している。
同図に示すように、金属もしくは耐熱性の樹脂などで形成されたガイド板80のうち、少なくとも分離状態の検出に必要な範囲には、エリアセンサー45の撮像レンズ451のレンズを中心にして放射線状に伸びる複数本のリブ81のみで形成している(以下、リブのみでガイドする部分を「リブ状ガイド部」という。)。
図22(b)は、図22(a)のG−G線における矢視断面図の概略を示す。
同図に示すように、リブ81の隙間から、垂直方向の幅V1の画像を撮像レンズ451を介してエリアセンサー45に取り込めるようになっている。
(8−2)リブを平行に配する構成
図23(a)は、リブ状ガイド部を、記録シートの通紙方向に平行に配設された複数本のリブ83で構成したガイド板82の構成例を示す概略平面図である。
このリブ83の本数およびその位置は、エリアセンサー45で撮像されるべきシート分離状態の判定位置の画像を遮らないように設計されている。
照明ユニット46についても、エリアセンサー45の近くに配し、上記凹面鏡84と同様な凹面鏡を設けて、ニップ部Nを照射するようにしてもよいが、本例では、凹面鏡84の下方に設置している。この場合の照明ユニット46は、単光源による拡散光では、加圧ローラー44の軸方向の両端に向かう光がリブ81に遮蔽されて検出位置を照射することができなくなるので、シート幅以上の長さの直管型の蛍光ランプもしくは、複数のLEDをリブ81間の隙間に対応する位置に配するなどして対応する。
図7のようなシート搬送路Stより上方にエリアセンサー45や照明ユニット46を配する場合には、上方のガイド板を、ガイド板80、82と同様な形状にする必要があることはいうまでもない。
(10)上記実施の形態においては、記録シートが、定着回転体である定着ベルト41側に付着する場合のみについて説明したが、両面印刷が可能な画像形成装置にあっては、第2面に形成されたトナー像の熱定着の際に、第1面に形成されたトナー像のトナーも再加熱されて多少粘着力が生じる。そして、第1面のトナー付着量が第2面のトナー付着量よりも比較的多い場合には、記録シートが加圧回転体側に付着するおそれもある。この場合には、記録シートのエッジの位置が規定位置よりも下方に変位するので、実施の形態と同様にして分離状態の良否の判定が可能である。そして、加圧回転体のニップ部Nの下流側の周面に沿って、上記実施の形態と同様なシート分離機構を設けておき、加圧回転体と記録シートの分離状態の良否判定に応じて、シート分離機構を動作させるようにすればよい。
(13)上記実施の形態では、画像形成装置における定着部について述べたが、分離ジャムの発生は、定着部のみならず、転写部などの他の搬送系においても生じ得る。
図1に示すような中間転写ベルトを使用しないモノクロ専用の画像形成装置にあっては、転写部が、像担持回転体としての感光体ドラム(感光回転体)の周面に形成されたトナー像を、転写ローラーとのニップに記録シートを通紙して転写する構成になっているので、この場合にも記録シートが感光体ドラムもしくは転写ローラーの周面に付着して分離ジャムが発生するおそれがある。
もっとも、この場合には、シート分離機構としてエア分離方式を採用しない方が望ましい。記録シート上の未定着のトナーが吹き飛ばされるおそれがあるからである。
さらに、本発明は、画像形成装置以外であっても、およそ一対の回転体のニップ部にシートを通紙して搬送する構成を有し、シートと回転体の周面との間に何らかの付着力が作用して分離ジャムなどのトラブルが発生するおそれがある一般的なシート搬送装置としても適用することが可能である。
10 画像形成部
20 給紙部
30 定着装置
40 定着部
401 通紙センサー
41 定着ベルト
42 加熱ローラー
43 定着ローラー
44 加圧ローラー
45 エリアセンサー
45a、45b、45c ラインセンサー
451 撮像用レンズ
46 照明ユニット
47 エリアセンサー駆動部
60 エア式分離装置
61、611、612、613 ファン装置
62 ダクト
621、622、623 サブダクト
63 ノズル部
631 小ノズル
64 開閉機構
80、82 ガイド板
81、83 ガイド用リブ
84 凹面鏡
Claims (16)
- 第1と第2の回転体との間に形成されたニップ部にシートを通紙して搬送するシート搬送装置であって、
前記ニップ部を通過したシートと、前記第1の回転体の表面との分離状態を判定する分離状態判定手段と、
複数枚のシートを連続して通紙する場合において、直近の一または複数枚のシートの通紙における分離状態の判定の履歴により、分離状態が悪化傾向にあるか否かを判定する悪化傾向判定手段と、
前記シートに、前記第1の回転体表面から分離する方向の力を作用させるシート分離手段と、
前記分離状態判定手段の結果に応じて、前記シート分離手段によるシートに作用する力を制御する制御手段と
を備え、
前記分離状態判定手段は、
前記ニップ部の通紙方向出口側を照明する照明手段と、
エリアセンサーにより、前記ニップ部を通過したシート先端部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する取得手段と、を有し、前記取得されたシート先端の位置情報に基づき、シートと前記第1の回転体との分離状態を判定し、
前記撮像手段は、
前記悪化傾向判定手段により、分離状態が悪化している傾向にあると判定されるまでは、前記シート幅方向における一部の範囲のみを撮像範囲とし、分離状態が悪化傾向にあると判定された後は、撮像範囲を前記一部の範囲よりもシート幅方向に広い範囲に切り替えて、シート先端部を撮像し、
前記制御手段は、
前記分離状態判定手段の判定結果に応じて、前記第1の回転体表面から分離する方向にシートに作用する力を変えるように前記シート分離手段を制御する
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 第1と第2の回転体との間に形成されたニップ部にシートを通紙して搬送するシート搬送装置であって、
前記ニップ部を通過したシートと、前記第1の回転体の表面との分離状態を判定する分離状態判定手段と、
前記シートに、前記第1の回転体表面から分離する方向の力を作用させるシート分離手段と、
前記分離状態判定手段の結果に応じて、前記シート分離手段によるシートに作用する力を制御する制御手段と
を備え、
前記分離状態判定手段は、
前記ニップ部の通紙方向出口側を照明する照明手段と、
エリアセンサーにより、前記ニップ部を通過したシート先端部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する取得手段と、を有し、前記取得されたシート先端の位置情報に基づき、シートと前記第1の回転体との分離状態を判定し、
前記撮像手段は、
複数枚のシートを連続して通紙する場合において、初期の段階では、ニップ部の伸びる方向と直交する方向における撮像範囲を第1の範囲に設定し、前記取得手段で得られたシート先端の位置が、所定の範囲内に収まると予測された場合には、撮像範囲を前記第1の範囲より前記ニップ部の伸びる方向と直交する方向において狭い第2の範囲に切り替えて、シート先端部を撮像し、
前記制御手段は、
前記分離状態判定手段の判定結果に応じて、前記第1の回転体表面から分離する方向にシートに作用する力を変えるように前記シート分離手段を制御する
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 第1と第2の回転体との間に形成されたニップ部にシートを通紙して搬送するシート搬送装置であって、
前記ニップ部を通過したシートと、前記第1の回転体の表面との分離状態を判定する分離状態判定手段と、
前記シートに、前記第1の回転体表面から分離する方向の力を作用させるシート分離手段と、
前記分離状態判定手段の結果に応じて、前記シート分離手段によるシートに作用する力を制御する制御手段と
を備え、
前記分離状態判定手段は、
前記ニップ部の通紙方向出口側を照明する照明手段と、
エリアセンサーにより、前記ニップ部を通過したシート先端部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する取得手段と、を有し、前記取得されたシート先端の位置情報に基づき、シートと前記第1の回転体との分離状態を判定して、ニップ部の伸びる方向に沿ったシートの分離状態の分布を示す情報を取得し、
前記シート分離手段は、シートに対し第1の回転体表面から分離させる方向に作用させる力を、シート幅方向の複数の箇所において独立して変更可能であり、
前記制御手段は、
前記分離状態の分布を示す情報に基づき、前記シート分離手段による各箇所におけるシートに作用する力を制御する
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記ニップ部よりシートの搬送方向上流側において、シート先端の通過を検出する検出手段を有し、
前記撮像手段は、
前記検出手段によりシート先端を検出した時点を基準時刻として、当該基準時刻から所定時間経過後を撮像タイミングとして、シート先端部を撮像する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記ニップ部よりシートの搬送方向上流側において、シート先端の通過を検出する検出手段を有し、
前記撮像手段は、
ニップ部を通過したシート先端部を連続して撮像し、
前記取得手段は、
前記連続して撮像して得られた画像データのうち、前記検出手段によりシート先端を検出した時点を基準時刻として、当該基準時刻から所定時間経過後のタイミングで撮像された画像データに基づいて、シート先端の位置情報を取得する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記撮像手段は、ニップ部よりシート搬送方向下流側の位置であって、ニップ部を通過したシート先端部が前記第1の回転体の周面に近付く場合に、そのシート先端部の背面側を撮像する位置に配されていると共に、
前記照明手段は、前記シート先端部の影を前記第1の回転体の周面に生じさせ、かつ、その写る影が、前記撮像手段より撮像されるような位置に配されている
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記撮像手段は、ニップ部よりシート搬送方向下流側の位置であって、ニップ部を通過したシート先端部が第1の回転体の周面に近付く場合に、そのシート先端の端面を撮像可能な位置に配されると共に、
前記照明手段は、前記シート先端の端面を照明する位置に配されている
ことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記照明手段は、スリットを介して照射するスリット光源であって、
前記分離状態判定手段は、前記スリット光源の、前記第1の回転体の周面およびシート先端部への投射光の撮影画像に基づき、前記分離状態を判定する
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 通紙されるシートの当該通紙方向と直交する方向におけるシート幅に関する情報を取得するシート幅取得手段を備え、
前記撮像手段は、前記シート幅の大きさに応じて、前記通紙方向と直交する方向における撮像範囲を切り替えて、シート先端部を撮像する
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記撮像手段は、2次元CCDであって、当該2次元CCDで撮像可能な全範囲より小さな範囲を、前記シートの分離状態の判定のための撮像範囲とする場合において、当該撮像可能な全範囲のうち前記判定のための撮像範囲以外の範囲の画素の電荷の転送パルスの周期を、前記判定のための撮像範囲の画素の電荷の転送パルスの周期よりも速くする
ことを特徴とする請求項1、2または9に記載のシート搬送装置。 - 前記ニップ部を通過した後のシートを案内するシート搬送ガイドを有し、
前記シート搬送ガイドは、ニップ部におけるシートの分離状態の判定対象となっている部位のエリアセンサーによる撮影光路を妨げないように、複数本のリブが放射状に配されたリブ状ガイド部を有する
ことを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 前記ニップ部を通過した後のシートを案内するシート搬送ガイドと、
エリアセンサーからニップ部に至るまでの撮影光路の途中で、当該撮影光路を平行に変換する光学系を有し、
前記シート搬送ガイドは、ニップ部におけるシート分離状態の判定対象となっている部位を撮影した平行な撮影光路を妨げないように複数本のリブが平行に配されたリブ状ガイド部を有する
ことを特徴とする請求項1から10までのいずれかに記載のシート搬送装置。 - 請求項1から12までのいずれかに記載のシート搬送装置を記録シートの搬送系として備える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記搬送系には、定着装置が含まれ、当該定着装置における定着回転体と加圧回転体が、それぞれ前記シート搬送装置における第1と第2の回転体に相当する
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。 - 前記搬送系には、転写装置が含まれ、当該転写装置におけるトナー像を担持する像担持回転体と当該トナー像を記録シート上に転写させる転写回転体が、それぞれ、前記シート搬送装置における第1と第2の回転体に相当する
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。 - 前記像担持回転体は、感光回転体であって、トナー像の記録シートへの転写後に感光回転体の電荷を除去するイレーサーランプを有し、
前記イレーサーランプが、前記シート搬送装置における撮像用の照明手段を兼ねている
ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
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