JP2013088665A - 加熱装置、画像形成装置および後処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストの低減を図りつつ、任意の領域に光沢を付与することが可能な加熱装置、画像形成装置および後処理装置を提供する。
【解決手段】トナー像を担持した用紙Sを、加熱回転体と当該加熱回転体に圧着する加圧回転体とにより形成されるニップ部に進入させて加熱および加圧により定着する定着装置60により定着された用紙Sを加熱するサーマルヘッド70と、用紙S1の任意の領域(例えば、写真画像の領域)を加熱するようにサーマルヘッド70を制御する制御部80とを備える。これにより、従来技術とは異なり、光沢付与剤を使用せずに、用紙S1の写真画像の領域を部分的かつ選択的に再加熱(再定着)することができるため、コストの低減を図りつつ、写真画像の領域に光沢を付与することができる。特にオフセット印刷並みの画像品質が求められるプロダクションプリント市場に用いることは好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】トナー像を担持した用紙Sを、加熱回転体と当該加熱回転体に圧着する加圧回転体とにより形成されるニップ部に進入させて加熱および加圧により定着する定着装置60により定着された用紙Sを加熱するサーマルヘッド70と、用紙S1の任意の領域(例えば、写真画像の領域)を加熱するようにサーマルヘッド70を制御する制御部80とを備える。これにより、従来技術とは異なり、光沢付与剤を使用せずに、用紙S1の写真画像の領域を部分的かつ選択的に再加熱(再定着)することができるため、コストの低減を図りつつ、写真画像の領域に光沢を付与することができる。特にオフセット印刷並みの画像品質が求められるプロダクションプリント市場に用いることは好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真プロセスにより形成された画像の光沢度を調整する加熱装置、画像形成装置および後処理装置に関する。
一般に、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置では、像担持体(感光ドラム等)の表面が所定の電位に帯電され、これに画像露光が施されて静電潜像が形成される。そして、この感光ドラム表面の潜像が現像手段により現像剤(トナー)を用いて現像され、トナー画像として可視化される。得られたトナー画像が感光ドラムに搬送された用紙に転写され、トナー画像を担持した用紙が定着装置に搬送され、定着装置により用紙上の未定着トナー画像が加熱定着されて、用紙上に画像が形成される。
ところで、用紙上に形成されたトナー画像によっては、領域を分けて異なる光沢を付与したい場合がある。例えば、写真画像の光沢を文字画像より高くすることが好まれる場合である。
従来、トナー画像の特定領域に部分的かつ選択的に所望の光沢を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術は、通常の画像形成プロセスに設けられている定着器の下流側に、さらに第2の定着器を設け、トナー画像の特定領域を部分的かつ選択的に再加熱することで所望の光沢を付与する技術である。
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、加熱定着処理を行う前に光沢付与剤(透明トナー)を付与することによって、光沢度を向上させている。つまり、光沢の付与を、光沢付与剤を使用して行っているため、コストが高くなってしまうという問題があった。
本発明は、コストの低減を図りつつ、任意の領域に光沢を付与することが可能な加熱装置、画像形成装置および後処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る加熱装置は、用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部と、
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部と、
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る後処理装置は、用紙上にトナー像を形成する画像形成装置に接続可能であり、当該用紙に対して所定の後処理を行う後処理装置であって、
前記用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部であって、前記用紙の任意の領域を加熱するように制御部により制御される前記加熱部が、前記画像形成装置から供給された用紙を加熱するように設けられていることを特徴とする。
前記用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部であって、前記用紙の任意の領域を加熱するように制御部により制御される前記加熱部が、前記画像形成装置から供給された用紙を加熱するように設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、コストの低減を図りつつ、任意の領域に光沢を付与することが可能な加熱装置、画像形成装置および後処理装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体上に形成されたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写体に転写(一次転写)し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体上に形成されたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写体に転写(一次転写)し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、CMYKの4色に対応する感光体を中間転写体の走行方向に直列配置し、中間転写体に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、搬送部50、定着装置60、加熱部として機能するサーマルヘッド70、および制御部(図示せず)を備えている。なお、サーマルヘッド70および制御部は、加熱装置として機能する。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置を有しており、CPUで所定の制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1の制御を行う。制御部は、操作表示部20により入力されたジョブ情報に従って画像形成装置1の画像形成動作を制御する。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11および原稿画像走査装置(スキャナー)12等を備えて構成される。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることができる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22に対して、各種の指示および設定のための入力操作を行うことができる。これら指示・設定の情報は、ジョブ情報として制御部により扱われる。ジョブ情報としては、用紙サイズ、プリント枚数等がある。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備えている。例えば、画像処理部30は、制御部の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
また、画像処理部30は、公知の画像認識技術を用いて、入力画像データに基づく入力画像の中から写真画像の領域を判別し、判別した領域の(入力画像における)位置を示す位置情報を制御部に出力する。本実施の形態では、画像処理部30は、所定面積の領域内に含まれる色数が予め定めた値以上の場合に写真画像の領域であると判断する。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、および中間転写ユニット42等を備えている。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示および説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414およびドラムクリーニング装置415等を備えている。
感光体ドラム413は、例えばアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、各色成分の現像剤(例えば、小粒径のトナーと磁性体とからなる二成分現像剤)を収容しており、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレードを有する。一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、ドラムクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
中間転写ユニット42は、中間転写体となる中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、二次転写ローラー423、駆動ローラー424、従動ローラー425およびベルトクリーニング装置426等を備えている。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、駆動ローラー424および従動ローラー425に張架される。中間転写ベルト421は、駆動ローラー424の回転により矢印A方向に一定速度で走行する。一次転写ローラー422によって、中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接されると、中間転写ベルト421に各色トナー像が順次重ねて一次転写される。そして、中間転写ベルト421が二次転写ローラー423によって用紙Sに圧接されると、中間転写ベルト421に一次転写されたトナー像が用紙Sに二次転写される。
ベルトクリーニング装置426は、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有する。二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、ベルトクリーニングブレードによって掻き取られ、除去される。
定着装置60は、搬送されてきた用紙Sをニップ部で加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着装置60は、定着ユニット61とエア分離ユニット62を備えて構成されるエア分離式の定着装置である。
搬送部50は、給紙部51、搬送機構52および排紙部53等を備えている。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、用紙の坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙(規格用紙、特殊用紙)Sが予め設定された種類ごとに収容される。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー52a等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構52により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー52aが配設されたレジスト部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着装置60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー53aを備えた排紙部53により機外に排紙される。
サーマルヘッド70は、用紙Sの搬送方向において定着装置60の下流側に配置され、用紙Sの幅方向(用紙Sの搬送方向と直交する方向)に直線上に配置された複数の発熱体を有する。複数の発熱体は、例えば300[dpi(dot per inch)]の密度で配置される。サーマルヘッド70は、制御部の制御を受けて、定着装置60によりトナー像が定着された用紙Sを加熱する。
なお、サーマルヘッド70は、用紙Sの種類に応じてトナー像の定着性が異なるため、用紙Sを加熱する際の供給熱量を変えるようにするのが好ましい。例えば、用紙Sが厚紙である場合、厚紙の熱容量は大きいため、サーマルヘッド70は、高い供給熱量で用紙Sを加熱する。一方、用紙Sが薄紙である場合、薄紙の熱容量は小さいため、サーマルヘッド70は、低い供給熱量で用紙Sを加熱する。
制御部は、画像処理部30から出力された位置情報に基づいて、定着された用紙Sにおいて写真画像の領域(特許請求の範囲の「任意の領域」に対応する領域)を加熱するように制御する。この結果、トナー画像が形成された用紙Sにおいて、写真画像の領域にのみ光沢がさらに付与されることとなる。
次に、図2を参照して、画像形成装置1の制御ブロック図について説明する。図2に示すように、画像形成装置1は、定着装置60、サーマルヘッド70および制御部80を備えて構成されている。
制御部80は、CPU90、ROM(Read Only Memory)91、RAM(Random Access Memory)92およびサーマル駆動部93を備えて構成されている。
CPU90は、ROM91に格納されているシステムプログラムおよび各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM92に展開し、RAM92に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を制御する。
ROM91は、CPU90により実行される各種プログラムを記憶する。RAM92は、揮発性のメモリであって、CPU90により実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有し、その情報を一時的に記憶する。本実施の形態では、RAM92は、画像処理部30から出力された位置情報を一時的に記憶する。
サーマル駆動部93は、CPU90から出力される制御信号を受けて、サーマルヘッド70の駆動を制御する。具体的には、サーマル駆動部93は、RAM92に記憶されている位置情報に基づいて、定着装置60によりトナー像が定着された用紙Sにおいて写真画像の領域を加熱するように制御する。この結果、トナー画像が形成された用紙Sにおいて、写真画像の領域にのみ光沢がさらに付与されることとなる。
以上詳しく説明したように、第1の実施の形態では、用紙S上に定着されたトナー像を加熱するサーマルヘッド70と、用紙Sの任意の領域(写真画像の領域)を加熱するようにサーマルヘッド70を制御する制御部80とを備えている。
このように構成した第1の実施の形態によれば、従来技術とは異なり、光沢付与剤を使用せずに、用紙Sの写真画像の領域を部分的かつ選択的に再加熱(再定着)することができるため、コストの低減を図りつつ、写真画像の領域に光沢を付与することができる。特に、出力画像そのものが商品であり、オフセット印刷並みの画像品質が求められるプロダクションプリント市場において、上記効果を奏する画像形成装置1を用いることは好ましい。
また、第1の実施の形態では、用紙Sを再加熱する手段として、短い時間で加熱温度に達し、供給熱量の制御が高精度で行えるサーマルヘッド70を採用している。これにより、所望の領域に必要な分だけ選択的に光沢を付与する処理を高精度で行うことができる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した制御部80のサーマルヘッド70に対する制御動作の変形例である。図3は、本発明に係る第2の実施の形態を示す画像形成装置1の動作例を説明する図である。本実施の形態は、用紙S上においてトナー像の定着温度が所定温度未満の領域を部分的に加熱するようにサーマルヘッド70を制御する点が第1の実施の形態と異なる。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した制御部80のサーマルヘッド70に対する制御動作の変形例である。図3は、本発明に係る第2の実施の形態を示す画像形成装置1の動作例を説明する図である。本実施の形態は、用紙S上においてトナー像の定着温度が所定温度未満の領域を部分的に加熱するようにサーマルヘッド70を制御する点が第1の実施の形態と異なる。
上記動作を行う目的は、以下の通りである。すなわち、定着装置60が備える無端状の定着ベルトの周長が用紙Sの搬送方向長さより短い場合、定着ベルトの同一ポイントが用紙Sの同一面上を2度以上通過する。この場合、用紙Sの進入によって奪われた定着ベルトの熱が2周目までに回復することができず、1周目と2周目との間において温度差(定着ベルトの表面温度の温度差)が生じる。この温度差が大きいと、用紙S上のトナー画像において光沢ムラ(光沢段差)が発生するという問題が発生する。
この問題を解決するための対策として、用紙Sの搬送方向長さより定着ベルトの周長を長くすることが考えられる。しかし、設備コストの向上、定着ベルトの消費電力増大および定着装置の大型化といった別の問題が生じてしまい、上記問題を解決するための有効な対策とは言えない。また、別の対策として、用紙Sの同一面上を定着ベルトが2周以上しても温度低下が生じないようなヒート設計を行うことが考えられる。しかし、定着部16におけるヒートサイクル設計が複雑化して設計コストが向上するといった別の問題が生じてしまい、上記問題を解決するための有効な対策とは言えない。
そこで、本発明に係る第2の実施の形態では、以下の構成を採用して、定着ベルトの表面温度の温度差に起因する光沢ムラ(光沢段差)の発生を防止するようにしている。
第2の実施の形態において、制御部80のROM91には、定着ベルトの周長を示すベルト周長情報があらかじめ格納されている。
制御部80のサーマル駆動部93は、図3(a)に示すように、用紙Sがサーマルヘッド70を矢印方向(搬送方向)に通過する際、ROM91に保持しているベルト周長情報および、操作表示部20により入力されたジョブ情報に含まれる用紙サイズ(これらの情報は、特許請求の範囲の「領域情報」に対応)に基づいて、用紙S上において定着ベルトの2周目に係る領域Bを加熱するようにサーマルヘッド70を制御する。領域Bは、用紙Sの領域Aの進入によって奪われた定着ベルトの熱が2周目までに回復することができず、定着装置60によりトナー像が定着される際の定着温度が所定温度未満の領域である。
具体的には、サーマル駆動部93は、用紙サイズからベルト周長を減算した値(用紙S上において定着ベルトの1周目に係る領域Aと2周目に係る領域Bとの境の位置)から用紙Sの搬送方向における後端位置までの領域を領域Bとして特定する。そして、サーマル駆動部93は、用紙Sの搬送速度を考慮しながら、用紙Sの領域Bがサーマルヘッド70を通過するタイミングで用紙S上に定着されたトナー像を加熱させる。
図3(b)は、サーマルヘッド70が用紙S上に定着されたトナー像を加熱する場合、用紙Sの搬送方向における先端からの距離と、加熱の際における供給熱量との関係を示す図である。図3(b)に示すように、サーマル駆動部93は、用紙S上において定着ベルトの1周目に係る領域Aから2周目に係る領域Bに切り替わるタイミング(切替タイミング)で供給熱量が大きくなるようにサーマルヘッド70を制御する。なお、用紙S上において定着ベルトの1周目に係る領域A(定着温度が所定温度以上の領域)に対しても熱量を供給しているのは、定着ベルトの2周目に係る領域Bで大きな熱量を供給するための加熱準備を行うウォームアップ処理が必要だからである。
以上詳しく説明したように、第2の実施の形態では、用紙S上においてトナー像の定着温度が所定温度未満の領域を特定する情報に基づいて、用紙S上の当該領域を加熱するようにサーマルヘッド70を制御している。このように構成した第2の実施の形態によれば、大幅なコストアップや装置の大型化、消費電力の増大を抑えつつ、定着ベルトの1周目に係る領域Aと2周目に係る領域Bとの間における温度差が小さくなり、用紙S上のトナー画像において光沢ムラ(光沢段差)が発生することを防止することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した制御部80のサーマルヘッド70に対する制御動作の変形例である。図4は、本発明に係る第3の実施の形態を示す画像形成装置1の動作例を説明する図である。本実施の形態は、サーマルヘッド70の上流に位置して、トナー像が定着された用紙Sを挟持搬送する搬送部(搬送ローラ100)に挟持される用紙S上の領域を特定する領域以外の領域を加熱するようにサーマルヘッド70を制御する点が第1の実施の形態と異なる。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態で説明した制御部80のサーマルヘッド70に対する制御動作の変形例である。図4は、本発明に係る第3の実施の形態を示す画像形成装置1の動作例を説明する図である。本実施の形態は、サーマルヘッド70の上流に位置して、トナー像が定着された用紙Sを挟持搬送する搬送部(搬送ローラ100)に挟持される用紙S上の領域を特定する領域以外の領域を加熱するようにサーマルヘッド70を制御する点が第1の実施の形態と異なる。
上記動作を行う目的は、以下の通りである。すなわち、排紙ローラ100は連続通紙により蓄熱し、排紙ローラ100が用紙Sと接する領域と接しない領域との間では、当該排紙ローラ100の蓄熱に起因する温度差が生じる。この温度差が大きいと、用紙S上のトナー画像においてスジ状の光沢ムラ(光沢段差)が発生するという問題が発生する。
この問題を解決するための対策として、排紙ローラ100の蓄熱を防ぐことが可能な冷却機構を新たに設置することが考えられる。しかし、設備コスト向上、冷却機構分の消費電力増大および装置の大型化といった別の問題が生じてしまい、上記問題を解決するための有効な対策とは言えない。
そこで、本発明に係る第3の実施の形態では、以下の構成を採用して、排紙ローラ100の蓄熱に起因する光沢ムラ(光沢段差)の発生を防止するようにしている。
第3の実施の形態において、制御部80のROM91には、用紙Sの幅方向における排紙ローラ100の配置位置を示す配置位置情報があらかじめ格納されている。
制御部80のサーマル駆動部93は、図4(a)に示すように、用紙Sが定着装置60の後段に配置されたサーマルヘッド70を矢印方向(搬送方向)に通過する際、ROM91に保持している配置位置情報および操作表示部20により入力されたジョブ情報に含まれる用紙サイズ(これらの情報は、特許請求の範囲の「領域情報」に対応)に基づいて、用紙S上において排紙ローラ100が用紙Sと接する(つまり、排紙ローラ100により挟持される)領域B以外の領域Aを加熱するようにサーマルヘッド70を制御する。
図4(b)は、サーマルヘッド70が用紙S上に定着されたトナー像を加熱する場合、用紙Sの幅方向における一端からの距離と、加熱の際における供給熱量との関係を示す図である。図4(b)に示すように、サーマル駆動部93は、排紙ローラ100が用紙Sと接する領域B以外の領域Aに対して大きい供給熱量で加熱するようにサーマルヘッド70を制御する。
以上詳しく説明したように、第3の実施の形態では、サーマルヘッド70の上流に位置して、トナー像が定着された用紙Sを挟持搬送する搬送ローラ100に挟持される用紙S上の領域Bを特定する情報に基づいて、用紙S上において当該領域B以外の領域Aを加熱するようにサーマルヘッド70を制御する。このように構成した第3の実施の形態によれば、大幅なコストアップや装置の大型化、消費電力の増大を抑えつつ、排紙ローラ100が用紙Sと接する領域Bと接しない領域Aとの間における温度差が小さくなり、用紙S上のトナー画像においてスジ状の光沢ムラ(光沢段差)が発生することを防止することができる。
なお、上記第1〜3の実施の形態では、用紙S上に定着されたトナー像を加熱する手段としてサーマルヘッド70を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。要は、用紙Sの任意の領域を加熱するように制御可能な複数の発熱体を有するものであれば何でも良い。
また、上記第1〜3の実施の形態では、サーマルヘッド70は定着装置60の後段、すなわち画像形成装置1内に配置する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、サーマルヘッド70を、画像形成装置1に接続可能であり、用紙Sに対して所定の後処理(例えば、ステープルを用いた綴じ処理、折り処理等)を行う後処理装置110内の用紙搬送路H0上における出口部の前に配置するようにしても良い。つまり、後処理装置110は、画像形成装置1から供給された用紙Sを加熱するように設けられているサーマルヘッド70を有する。この場合、サーマルヘッド70は、制御部80の制御を受けて、定着装置60によりトナー像が定着された用紙Sを加熱する。
図5に示すように、後処理装置110は、用紙搬送路H0、H1、H2、固定排紙皿120a、昇降排紙台120b、後処理部130および制御部140を備えて構成されている。なお、制御部140の一部または全部の機能を画像形成装置1の制御部80に組み込むように構成しても良い。
制御部140は、CPU等の演算装置を有しており、CPUで所定の制御プログラムを実行することにより、後処理装置110の制御を行う。制御部140は、画像形成装置1の画像形成動作に連動する後処理装置110の後処理動作を、画像形成装置1から転送されたジョブ情報に従って制御する。
用紙搬送路H0は、画像形成装置1から排出された用紙Sを後処理装置110の内部に導入するために、画像形成装置1の排紙部53に対向配置された入口部を有する用紙搬送路である。用紙搬送路H0は、その出口部にて用紙搬送路H1、H2に分岐する。
用紙搬送路H1は、後処理の対象とならない用紙Sを搬送して固定排紙皿120aに排出する排紙路である。用紙搬送路H2は、後処理の対象となる用紙Sを搬送して後処理部130に供給する用紙搬送路である。
後処理部130は、用紙Sに対して平綴じ処理を行うよう構成されている。より具体的には、後処理部130は、用紙Sを積載して用紙束を形成し、この用紙束に対し平綴じ処理を行って冊子を形成し、この冊子を昇降排紙台120bに排出する。図5に示すように、昇降排紙台120bは用紙搬送方向における下流側が上向きに傾斜しており、冊子は傾斜して積載される。また昇降排紙台120bは、冊子が排出される毎に下降して大量の冊子を積載することができる。
また、上記第1〜3の実施の形態において、画像形成装置1は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿に対応する入力画像データに基づいて用紙Sに画像を形成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置1は、図示しない通信部を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピュータ)から送信された入力画像データを受信し、当該受信したデジタル画像データに基づいて用紙Sに画像を形成しても良い。
その他、上記第1〜3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
70 サーマルヘッド
80 制御部
110 後処理装置
70 サーマルヘッド
80 制御部
110 後処理装置
Claims (9)
- 用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部と、
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えた加熱装置。 - 前記加熱部は、前記用紙の幅方向に配列された複数の発熱体を有するサーマルヘッドである請求項1に記載の加熱装置。
- 前記制御部は、前記用紙上において前記トナー像の定着温度が所定温度未満の領域を特定する領域情報に基づいて、前記用紙上の当該領域を加熱するように前記加熱部を制御する請求項1または2に記載の加熱装置。
- 前記制御部は、前記加熱部の上流に位置して、前記トナー像が定着された前記用紙を挟持搬送する搬送部に挟持される前記用紙上の領域を特定する領域情報に基づいて、前記用紙上において当該領域以外の領域を加熱するように前記加熱部を制御する請求項1または2に記載の加熱装置。
- 用紙上にトナー像を形成する画像形成装置に接続可能であり、当該用紙に対して所定の後処理を行う後処理装置であって、
前記画像形成装置から供給された用紙を加熱するように設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の前記加熱部を有する後処理装置。 - 用紙上に定着されたトナー像を加熱する加熱部と、
前記用紙の任意の領域を加熱するように前記加熱部を制御する制御部とを備えた画像形成装置。 - 前記加熱部は、前記用紙の幅方向に配列された複数の発熱体を有するサーマルヘッドであることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記用紙上において前記トナー像の定着温度が所定温度未満の領域を特定する領域情報に基づいて、前記用紙上の当該領域を加熱するように前記加熱部を制御する請求項6または7に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記トナー像が定着された前記用紙を挟持搬送する搬送部に挟持される前記用紙上の領域を特定する領域情報に基づいて、前記用紙上において当該領域以外の領域を加熱するように前記加熱部を制御する請求項6または7に記載の画像形成装置。
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JP2011229898A JP2013088665A (ja) | 2011-10-19 | 2011-10-19 | 加熱装置、画像形成装置および後処理装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2017003908A (ja) * | 2015-06-15 | 2017-01-05 | 株式会社リコー | 定着装置、及び、画像形成装置 |
JP2019101242A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | コニカミノルタ株式会社 | 画像後処理方法、画像後処理装置及び画像形成装置 |
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2011
- 2011-10-19 JP JP2011229898A patent/JP2013088665A/ja active Pending
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