JP6835652B2 - 自動二輪車の転倒検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車の転倒検出装置に関し、特に加速度センサを用いた自動二輪車の転倒検出装置に関する。
特許文献1には、車体が傾斜していない直立状態のときに地面に垂直な方向である第1の検出方向の加速度を検出する縦置きセンサと、第1の検出方向と直角な方向である第2の検出方向の加速度を検出する横置きセンサとを有する自動二輪車の転倒検出装置が開示されている。
この装置では、(横置きセンサ出力)÷(縦置きセンサ出力)の計算結果に基づいて車両が転倒したか否かを判定する。これにより、縦置きセンサ及び横置きセンサにノイズを生じても、縦置きセンサと横置きセンサとの変動が相互に打ち消し合うことにより、加速度センサで予め設定した検出角度において車両が転倒したか否かを精度良く判定することができる、とされている。
特許第4773504号公報
しかしながら、特許文献1では、加速度センサの出力である検出信号をA/D変換した値を車両が転倒したか否かの判定に用い、A/D変換幅に基づく変換誤差を低減することで車両が転倒したか否かの判定精度を高めている。従って、特許文献1では、加速度センサの検出値である出力のノイズ自体を低減することについては格別な配慮がなされておらず、自動二輪車が転倒したか否かの判定精度の向上には依然として課題が残されていた。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加速度センサの出力のノイズ自体を低減することにより、自動二輪車が転倒したか否かの判定精度を向上することができる自動二輪車の転倒検出装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の自動二輪車の転倒検出装置は、車体の傾斜角に基づいて自動二輪車が転倒したか否かを検出する転倒検出装置であって、車体が傾斜していない直立状態のときに鉛直方向と鋭角となる交差角で交差する2つの検出軸を有し、各検出軸に沿って車幅方向の左右下方に向かう検出方向で、車体の傾斜角の算出に用いられる車体の加速度をそれぞれ検出する加速度センサを備え、加速度センサは、自動二輪車のエンジンを制御する制御ユニットに設けられ、制御ユニットは、加速度センサが検出した各加速度に基づいて自動二輪車が転倒したか否かを判定する判定手段として機能し、判定手段は、制御ユニットを水平に載置したときの各検出軸の交差角と、交差角の期待値との差を各検出軸の交差角のずれとして特定し、特定した交差角のずれに基づいて加速度センサが検出した各加速度を補正し、補正後の各加速度を自動二輪車が転倒したか否かの判定に使用する
好ましくは、各検出軸の交差角はそれぞれ45°である。
好ましくは、判定手段は、加速度センサが検出した各加速度の両方が所定の加速度範囲内であるとき、各加速度に基づき車体の傾斜角を算出し、算出した傾斜角が所定の上限閾値以上となるとき、自動二輪車が転倒したと判定する。
好ましくは、判定手段は、加速度センサが検出した各加速度の少なくとも1つが加速度範囲外であり、且つ加速度範囲外の状態の時間が所定時間以上継続したとき、各加速度に基づき車体の傾斜角を算出し、算出した傾斜角が上限閾値以上となるとき、自動二輪車が転倒したと判定する。
好ましくは、判定手段は、自動二輪車が転倒したと判定したとき、エンジンを停止する。
ましくは、判定手段は、加速度センサが検出した複数の各加速度を加重平均し、加重平均後の各加速度を自動二輪車が転倒したか否かの判定に使用する。
好ましくは、加速度センサは、車体の傾斜角に基づいて移動可能なガスが充填された矩形空間を有する筐体と、矩形空間に配置され、ガスを加熱するヒータと、矩形空間に配置され、ヒータで加熱されたガスの温度を検出する温度センサとを備え、温度センサによりヒータで加熱されたガスの熱移動を検知することで各検出軸に沿う車体の各加速度を検出するガス式加速度センサであって、ガス式加速度センサは、車体が傾斜していない直立状態のときに矩形空間の隅部にガスが分布する傾きで車体に配置される。
好ましくは、加速度センサは、基板と、基板に固定される固定極板と、固定極板と対向配置され、車体の傾斜角に基づいて移動可能な可動極板とを備え、固定極板と可動極板との距離の変化を検知することで各検出軸に沿う車体の各加速度を検出する静電容量式加速度センサであって、静電容量式加速度センサは、車体が傾斜していない直立状態のときに固定極板及び可動極板が各検出軸に沿う傾きで車体に配置される。
本発明の自動二輪車の転倒検出装置によれば、加速度センサの出力のノイズ自体を低減することにより、自動二輪車が転倒したか否かの判定精度を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る自動二輪車の転倒検出装置を示す構成図である。 図1の加速度センサの検出軸及び検出方向を示す図である。 図2の加速度センサの一例を具現化したガス式加速度センサを示す図である。 図2の加速度センサの別の一例を具現化した静電容量式加速度センサを示す図である。 図1のECUが実行する転倒判定制御を示すフローチャートである。 図5のステップS2における車体の傾斜角θiの算出手法についての説明図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態に係る自動二輪車の転倒検出装置について説明する。
図1は自動二輪車の転倒検出装置を示す構成図である。自動二輪車1のエンジン2は、例えば排気量50ccの4サイクル単気筒ガソリンエンジンであり、自動二輪車の走行用動力源である。以下、自動二輪車1は、車両1とも称し、また、車両1が転倒する際の傾斜角に関する記述は車体との表現を適宜用いている。
車両1の転倒検出装置4は、エンジン2を制御するECU(制御ユニット)6、及びECU6内に設けられた加速度センサ8等から構成されている。ECU6は、プロセッサを有し、後述の転倒判定制御を実現するプログラムをプロセッサによって実行することで、判定手段として機能する。加速度センサ8は、転倒検出装置4において車体の傾斜角θiに基づいて車両1が転倒したか否かを判定するために用いられる。詳しくは、ECU6は、後述する転倒判定制御を実行することにより、加速度センサ8が検出した各加速度Accに基づいて傾斜角θiを算出し、この算出した傾斜角θiに基づいて車両1が転倒したか否かを判定する。
図2は加速度センサ8の検出軸及び検出方向を示す概念図である。図2は、車体が傾斜していない直立状態において加速度センサ8を車両1の前面から見た場合を示している。車高方向Dhは鉛直方向Yと同一であり、車幅方向Dwは水平方向Xと同一である。加速度センサ8は2つの検出軸10A、10Bを有している。各検出軸10A、10Bは、車体が傾斜していない直立状態のときに鉛直方向Yと鋭角となる交差角θc、換言すると、0°より大きく90°よりも小さい交差角θcで交差する。
図2の場合、交差角θcは45°である。そして、加速度センサ8は、車体が直立状態のとき、各検出軸10A、10Bに沿って車幅方向Dhの左右下方に向かう検出方向で車体の加速度Accをそれぞれ検出する。つまり、各検出軸10A、10Bの図2に矢印で示す向きが検出方向であり、加速度Accは左右下方が増大(+)する方向となり、左右上方が減少(−)する方向となる。
図3は、加速度センサ8の一例を具現化したガス式加速度センサ8Aを示す図である。図3は、図2の場合と同様に、車体が傾斜していない直立状態において本実施形態のガス式加速度センサ8Aを車両1の前面から見た場合を示している。車高方向Dhは鉛直方向Yと同一であり、車幅方向Dwは水平方向Xと同一である。なお、ガス式加速度センサ8Aは公知であるため、その説明は本実施形態の説明に必要な範囲に限定し、原理等の詳細な説明は省略する。
ガス式加速度センサ8Aは、車両1の前面から見て4つの角部12aを有する矩形の筐体12を備えている。筐体12には、車体の傾斜角θiに基づいて移動可能なガスGが充填された矩形空間14が形成されている。矩形空間14には、4つの隅部14aが形成されている。矩形空間14の中央にはガスGを加熱するヒータ16が配置されている。また、矩形空間14の各隅部14aには、ヒータ16で加熱されたガスGの温度を検出する温度センサ18がそれぞれ配置されている。
ガス式加速度センサ8Aは、各温度センサ18によってヒータ16で加熱されたガスGの熱移動、ひいては温度分布を検出することにより、矩形空間14におけるガスGの位置や移動速度を特定し、車体が傾斜するときの各検出軸10A、10Bに沿う車体の各加速度Accを検出する。
ここで、図3に示すように、ガス式加速度センサ8Aでは、車体が傾斜していない直立状態のとき、筐体12の対向する一対の角部12aが鉛直方向Y、すなわち車高方向Dhに位置付けられている。
換言すると、本実施形態のガス式加速度センサ8Aは、矩形空間14の最下の隅部14aにガスGが分布する傾きで車体に配置されている。これにより、車体が直立状態のときに車体が多少横揺れしたとしても、ガスGは水平方向Xに過度に移動することなく隅部14aに安定して位置付けられ、ひいてはガス式加速度センサ8Aの各加速度Accの出力(検出値)が安定する。
これに対し従来のガス式加速度センサは、一般に、車体が傾斜していない直立状態のときにガス式加速度センサ8Aを図3で見て45°回転した傾きで車体に配置される。この場合には、筐体12の隣り合う角部12aは水平方向X、すなわち車幅方向Dwに位置付けられ、矩形空間14の下部の隣り合う隅部14a間にガスGが分布する。
また、各検出軸10A、10Bは、それぞれ水平方向X、鉛直方向Yに沿って位置付けられる。従って、この従来の場合には、車体が直立状態のときに少しでも横揺れすると、ガスGは水平方向Xに移動し易くなり、ガス式加速度センサ8Aの各加速度Accの出力は車体の横揺れによるノイズが加味された不安定な値となる。
図4は、加速度センサ8の別の一例を具現化した静電容量式加速度センサ8Bを示す図である。図4は、図2、図3の場合と同様に、車体が傾斜していない直立状態において本実施形態の静電容量式加速度センサ8Bを車両1の前面から見た場合を示している。車高方向Dhは鉛直方向Yと同一であり、車幅方向Dwは水平方向Xと同一である。なお、静電容量式加速度センサ8Bは公知であるため、その説明は本実施形態の説明に必要な範囲に限定し、原理等の詳細な説明は省略する。
静電容量式加速度センサ8Bは、基板20と、基板20に固定される固定電極22と、車体の傾斜角θiに基づいて移動可能な可動電極24とを備えている。可動電極24は、基板20の中央に位置付けられ、可動電極24の外周から放射状に多数の可動極板24aが突き出ている。各可動極板24aは各検出軸10A、10Bに平行に延設されている。
また、可動電極24は、4つのバネ部24cにより基板20に固定されている。各バネ部24cは可動電極24の鉛直方向Yの上下と、水平方向Xの左右とに配置され、これより可動電極24の上下左右における所定範囲の移動が許容される。一方、固定電極22は、基板20に固定された多数の固定極板22aを有する。固定極板22aは可動極板24aとそれぞれ対向配置され、各検出軸10A、10Bに平行に延設されている。
そして、静電容量式加速度センサ8Bは、固定極板22aと可動極板24aとの距離の変化を検知することで、車体が傾斜するときの各検出軸10A、10Bに沿う車体の各加速度Accを検出する。このように、本実施形態の静電容量式加速度センサ8Bは、車体が傾斜していない直立状態のときに固定極板22a及び可動極板24aが各検出軸10A、10Bに沿う傾きで車体に配置されている。
このような固定極板22a及び可動極板24aの配置により、可動電極24の重力と、可動電極24の重力に抗するバネ部24cの弾性力との双方は、鉛直方向Yに沿って作用することとなる。従って、車体が直立状態のときに多少横揺れしたとしても、可動極板24aは水平方向Xに過度に移動することなく安定して位置付けられ、ひいては静電容量式加速度センサ8Bの各加速度Accの出力が安定する。
これに対し従来の静電容量式加速度センサは、一般に、車体が傾斜していない直立状態のときに静電容量式加速度センサ8Bを図4で見て45°回転した傾きで車体に配置される。この場合には、可動電極24の重力は鉛直方向Yの下方に作用するのに対し、バネ部24cの弾性力は鉛直方向Y及び水平方向Xと45°で交差する方向に作用する。
また、各検出軸10A、10Bは、それぞれ水平方向X、鉛直方向Yに沿って位置付けられる。従って、この従来の場合には、車体が直立状態のときに少しでも横揺れすると、可動電極24ひいては可動極板24aが水平方向Xに移動し易くなり、静電容量式加速度センサ8Bの各加速度Accの出力は車体の横揺れによるノイズが加味された不安定な値となる。
なお、各加速度Accの出力は、車両1の悪路での走行や段差等による衝撃で、車体の縦揺れによるノイズが加味された不安定な値となる可能性もある。これに対し本実施形態では、後述のリミット処理(図5のステップS1、S3)や加重平均処理により当該ノイズの低減を可能としている。
以下、図5を参照して、ECU6が実行する転倒判定制御のフローチャートについて説明する。この転倒判定制御では、各検出軸10A、10Bのそれぞれの交差角θcが45°であることを前提とし、このときの加速度センサ8が検出した各加速度Accに基づいて傾斜角θiを算出することにより車両1が転倒したか否かが判定される。
詳しくは、本制御が開始されると、先ずステップS1では、加速度センサ8が検出した各検出軸10A、10Bの各加速度Accの両方が0mGよりも大きく1500mGよりも小さい所定加速度範囲内であるか否かを判定する。ステップS1の判定は、車両1が路面の段差等を通過する際の振動によって受けた急激な加速度Accの増減を車両1の転倒の判定対象から除外するために行われる。また、上述した所定加速度範囲は、各検出軸10A、10Bのそれぞれの交差角θcが45°であることに基づいて決定される。
判定結果がYesであるとき、つまり、各検出軸10A、10Bの各加速度Accの両方が0mG<Acc<1500mGであることが成立するとき、車両1が転倒する際に発生する重力の作用方向、すなわち、図2で示した各検出軸10A、10Bの+方向のベクトルとなる各加速度Accが加速度センサ8で検出され、ステップS2に移行する。
一方、判定結果がNoであるとき、つまり、各検出軸10A、10Bの各加速度Accの少なくとも1つが0mG<Acc<1500mGであることが成立しないとき、車両1が転倒する際に発生する重力の作用方向とは反対方向、すなわち、図2で示した各検出軸10A、10Bの−方向のベクトルとなる各加速度Accが検出されたものと判定し、ステップS3に移行する。この場合は、車両1が傾斜している、又は、路面の段差を一時的に通過した際などが想定される。
ステップS2では、後述する手法により車体の傾斜角θiを算出し、ステップS4に移行する。
ステップS3では、各加速度Accが所定加速度範囲外の状態の時間t1が0.5秒となる所定時間以上継続するか否かを判定する。
判定結果がYesであるとき、ステップS2に移行して車体の傾斜角θiを算出した後、ステップS4に移行する。一方、判定結果がNoであるとき、車両1が一時的に傾斜した、又は、路面の段差を一時的に通過したものと判定し、再びステップS1に戻って各加速度Accが所定加速度範囲内であるか否かを判定する。
ステップS4では、ステップS2で算出した車体の傾斜角θiが所定の上限閾値である65°以上であるか否かを判定する。判定結果がYesであるとき、ステップS5に移行する。一方、判定結果がNoであるとき、傾斜角θiから判断して車両1は転倒していないと判定し、再びステップS1に戻って各加速度Accが所定加速度範囲内であるか否かを判定する。
ステップS5では、予め設定された時間(例えば3秒)以上、ステップS4の判定結果がYesとなっているか否かを判定する。判定結果がYesであるとき、車体1が転倒していると判定し、本制御を終了する。車体1が転倒していると判定した後は、ECU6は、エンジン2を停止する等の処理を行うことにより、車両1の転倒時における車輪への運転者や接触物の巻き込み等を防止し、安全を確保する。一方、判定結果がNoであるとき、車両1は転倒していないと判定し、再びステップS1に戻って各加速度Accが所定加速度範囲内であるか否かを判定する。
図6は、ステップS2における車体の傾斜角θiの算出手法についての説明図である。図6は、車両1が転倒した場合において加速度センサ8を車両1の前面から見た場合を示している。車高方向Dhは鉛直方向Yと交差し、車幅方向Dwは水平方向Xと交差している。図6の場合、加速度センサ8は、検出軸10Aにおいて+方向のベクトルAとなる加速度Accを検出し、検出軸10Bにおいて−方向のベクトルBとなる加速度Accを検出しており、これらの加速度AccのベクトルA、Bの合成は鉛直方向Yの下方に向かうベクトルCとして表されている。
そして、ECU6は、ベクトルA、Bを形成する各加速度Accの逆正接関数によって、ベクトルC、換言すると鉛直方向Yと、検出軸10Aとの交差角を算出角Δθiとして算出する。算出角Δθiは、例えば図6の場合には20°である。さらに、ECU6は、この算出角Δθi(20°)と、検出軸10Aと車高方向Dhと交差角θc(45°)との和を傾斜角θi(65°)として算出する。このときに算出した傾斜角θiは、図5に示した転倒判定制御のステップS4の上限閾値(65°)以上であるため、車両1が転倒していると判定される。
さらに、転倒判定制御では、制御開始前の初期設定において、交差角θcの補正処理を行っている。具体的には、ECU6は、ECU6を水平に載置したときの各検出軸10A、10Bの各加速度Accのベクトルに基づいて、そのときの各検出軸10A、10Bの交差角θcを、実測値として算出する。この交差角θcの実測値は、ECU6により実行される学習処理により算出される。
そして、算出した交差角θcの実測値と、交差角θcの期待値として予め定められた角度(45°)との差を各検出軸10A、10Bの交差角θcのずれとして特定し、この特定した交差角θcのずれに基づいて、加速度センサ8が検出した各加速度Accを、交差角θcのずれが無かった場合に検出されるはずの各加速度Accに補正する。すなわち、加速度センサ8が検出した各加速度Accのベクトルを、交差角θcのずれの角度で分解することで、交差角θcのずれが無かった場合に検出されるはずの各加速度Accを算出する。そして、この補正後の各加速度Accを転倒判定制御のステップS1の判定、及び、ステップS2における車体の傾斜角θiの算出に使用する。
さらに、転倒判定制御では、加速度Accのフィルタ処理を行っている。具体的には、加速度センサ8が検出した複数の各加速度Accを加重平均し、加重平均後の各加速度Accを転倒判定制御のステップS1の判定、及び、ステップS2における車体の傾斜角θiの算出に使用する。詳しくは、転倒判定制御で使用する各加速度Accは、今回検出した加速度Acc(n)に所定の重みWGTを乗じた値と、前回検出した加速度Acc(n−1)に(1−重みWGT)の値を乗じた値とを加算することで算出される。重みWGTは、0より大きく1より小さい範囲で規定され、例えば0.5の値が適用される。
以上のように本実施形態の車両1の転倒検出装置4では、加速度センサ8は、車体が傾斜していない直立状態のときに鉛直方向Yと鋭角となる交差角θcで交差する2つの検出軸10A、10Bを有する。そして、加速度センサ8は、各検出軸10A、10Bに沿って車幅方向Dwの左右下方に向かう検出方向で車体の加速度Accをそれぞれ検出する。このように、車体が直立状態のときの各検出軸10A、10Bを鉛直方向Y及び水平方向Xに沿って位置付けるのではなく、鉛直方向Y及び水平方向Xに交差させて位置付けることにより、加速度センサ8をその出力が安定する姿勢で車両1に設置することができ、車体が直立状態のときに多少横揺れしたとしても、加速度センサ8の出力は安定し、車体の横揺れによるノイズの影響を受け難い。
具体的には、車体が直立状態のとき、図3に示したガス式加速度センサ8Aの場合にはガスGの分布は安定し、また、図4で示した静電容量式加速度センサ8Bの場合には可動極板24aが安定して位置付けられ、ひいては各加速度Accが過度に変動することが抑制される。従って、本実施形態では、加速度センサ8の出力のノイズ自体を低減することができるため、転倒判定制御における判定精度を向上することができる。
また、転倒判定制御では、ステップS1で加速度センサ8が検出した各検出軸10A、10Bの各加速度Accの両方が所定加速度範囲内であると判定した場合、ステップS2において車体の傾斜角θiを算出し、その後のステップS4にて傾斜角θiが上限閾値以上となる場合には車体1が転倒していると判定する。本実施形態では、このような二段階の判定手順を採用したことにより、車両1が路面の段差を一時的に通過した場合等の転倒以外の状況を的確に排除することができるため、転倒判定制御における判定精度をさらに向上することができる。
また、転倒判定制御では、ステップS1で加速度センサ8が検出した各検出軸10A、10Bの各加速度Accの少なくとも1つが所定加速度範囲外であると判定した場合であっても、ステップS3において、各加速度Accの少なくとも1つが所定加速度範囲外の状態が所定時間以上継続した場合に限り、ステップS2において車体の傾斜角θiを算出し、その後のステップS4、S5にて傾斜角θiが上限閾値以上である状態が所定時間の間、継続している場合には車体1が転倒していると判定する。
従って、例えば、車両1が路面の段差を通過することにより各加速度Accが−方向になったものの、その状態が所定時間続く場合には、傾斜角θiに応じて車両1が転倒したものと判定可能となる。これにより、例えば、車両1が複雑な姿勢にて横転した後に転倒した状況等を排除しないで、幅広い状況において車両1の転倒を検出することができる。
また、転倒判定制御では、交差角θcの補正処理を行った後の各加速度Accを判定に用いることにより、転倒判定制御の判定精度をさらに向上することができる。
また、転倒判定制御では、各加速度Accの加重平均によるフィルタ処理を行った後の各加速度Accを判定に用いることにより、車両1が路面の段差を通過する際の振動により一時的に増加した加速度Accを車両1が転倒したものとして誤検出することを防止することができる。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、検出軸10A、10Bの鉛直方向Yとの交差角θcは鋭角であれば45°に限定されない。また、転倒判定制御で用いられる加速度Accの加速度範囲、算出角Δθi、傾斜角θiの上限閾値、所定時間t1等の値は、加速度センサ8や転倒検出装置4の仕様に応じて種々の変更が可能である。また、加速度センサ8の種類は、具体例として挙げたガス式加速度センサ8Aや静電容量式加速度センサ8Bに限定されない。
1 自動二輪車(車両、車体)
2 エンジン
4 転倒検出装置
6 ECU(制御ユニット、判定手段)
8 加速度センサ
8A ガス式加速度センサ(加速度センサ)
8B 静電容量式加速度センサ(加速度センサ)
10A、10B 検出軸
12 筐体
14 矩形空間
14a 隅部
16 ヒータ
18 温度センサ
20 基板
22a 固定極板
24a 可動極板

Claims (8)

  1. 車体の傾斜角に基づいて自動二輪車が転倒したか否かを検出する転倒検出装置であって、
    前記車体が傾斜していない直立状態のときに鉛直方向と鋭角となる交差角で交差する2つの検出軸を有し、前記各検出軸に沿って車幅方向の左右下方に向かう検出方向で、前記車体の傾斜角の算出に用いられる前記車体の加速度をそれぞれ検出する加速度センサを備え
    前記加速度センサは、前記自動二輪車のエンジンを制御する制御ユニットに設けられ、
    前記制御ユニットは、前記加速度センサが検出した前記各加速度に基づいて前記自動二輪車が転倒したか否かを判定する判定手段として機能し、
    前記判定手段は、前記制御ユニットを水平に載置したときの前記各検出軸の前記交差角と、前記交差角の期待値との差を前記各検出軸の前記交差角のずれとして特定し、特定した前記交差角のずれに基づいて前記加速度センサが検出した前記各加速度を補正し、補正後の前記各加速度を前記自動二輪車が転倒したか否かの判定に使用する、自動二輪車の転倒検出装置。
  2. 前記各検出軸の前記交差角はそれぞれ45°である、請求項1に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  3. 記判定手段は、前記加速度センサが検出した前記各加速度の両方が所定の加速度範囲内であるとき、前記各加速度に基づき前記車体の傾斜角を算出し、算出した前記傾斜角が所定の上限閾値以上となるとき、前記自動二輪車が転倒したと判定する、請求項1又は2に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  4. 前記判定手段は、前記加速度センサが検出した前記各加速度の少なくとも1つが前記加速度範囲外であり、且つ前記加速度範囲外の状態の時間が所定時間以上継続したとき、前記各加速度に基づき前記車体の傾斜角を算出し、算出した前記傾斜角が前記上限閾値以上となるとき、前記自動二輪車が転倒したと判定する、請求項3に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  5. 前記判定手段は、前記自動二輪車が転倒したと判定したとき、前記エンジンを停止する、請求項4に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記加速度センサが検出した複数の前記各加速度を加重平均し、加重平均後の前記各加速度を前記自動二輪車が転倒したか否かの判定に使用する、請求項1からの何れか一項に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  7. 前記加速度センサは、
    前記車体の傾斜角に基づいて移動可能なガスが充填された矩形空間を有する筐体と、
    前記矩形空間に配置され、前記ガスを加熱するヒータと、
    前記矩形空間に配置され、前記ヒータで加熱されたガスの温度を検出する温度センサと
    を備え、前記温度センサにより前記ヒータで加熱された前記ガスの熱移動を検知することで前記各検出軸に沿う前記車体の各加速度を検出するガス式加速度センサであって、
    前記ガス式加速度センサは、前記車体が傾斜していない直立状態のときに前記矩形空間の隅部に前記ガスが分布する傾きで前記車体に配置される、請求項1からの何れか一項に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
  8. 前記加速度センサは、
    基板と、
    前記基板に固定される固定極板と、
    前記固定極板と対向配置され、前記車体の傾斜角に基づいて移動可能な可動極板と
    を備え、前記固定極板と前記可動極板との距離の変化を検知することで前記各検出軸に沿う前記車体の各加速度を検出する静電容量式加速度センサであって、
    前記静電容量式加速度センサは、前記車体が傾斜していない直立状態のときに前記固定極板及び前記可動極板が前記各検出軸に沿う傾きで前記車体に配置される、請求項1からの何れか一項に記載の自動二輪車の転倒検出装置。
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