JP6833918B2 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータの群管理システムに関する。
エレベータの利用者が多く、かつ、利用者の大部分が出発基準階から乗り込む時間帯(出勤時間帯など)では、乗りかご毎に運転可能な階床を制限する「ゾーン分割運転」が適用される。ゾーン分割運転では、乗りかごが昇降路を1周するのに要する平均時間を短縮することができ、時間当たりに輸送可能な人数を増加させることができる。
通常、ゾーン分割運転では、低層かごは低層階と出発基準階の間、高層かごは高層階と出発基準階の間を運転する。つまり、低層かごと高層かごで、それぞれに運転サービスする階床を分けていた。ところが、このような方法では、低層階を利用する利用者と高層階を利用する利用者の割合が変化すると、低層かご・高層かごの混雑率に大きな偏りが生じ、全ての乗りかごが十分に活用されない状況になる。
このような状況は、乗場で上下方向の呼びを登録する一般的な群管理システムだけでなく、乗場にて直接行先階を指定可能な乗場行先階登録装置(HDC:Hall Destination Controller)を備えたエレベータシステムでも同様である。このようなエレベータシステムを「行先階制御システム(DCS:Destination Control System)」と呼ぶ。
特開2000−191247号公報 特開平5−201630号公報
上述したDCSにおいて、ゾーン分割によるかご間の混雑の偏在を是正する方法として、交通需要に応じてゾーンを動的に変更する方法が一般的である。しかしながら、各階床の利用実績に基づいてゾーンを適宜変更する方法であるため、運転制御に遅れが伴う。このため、不規則に利用者の行先階が変化するような場合には有効ではない。
本発明が解決しようとする課題は、高層階へ向かう利用者と低層階へ向かう利用者のバランスが変化したときでも、低層かごと高層かごとの間で混雑の大きな偏りを伴わずに運転サービスを継続できるエレベータの群管理システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの群管理システムは、複数の階床を少なくとも低層ゾーンと高層ゾーンとに分け、上記低層かごは低層階と出発基準階の間をサービス運転し、上記高層かごは高層階と、低層階と出発基準階を含む全階床を運転サービスする。上記エレベータの群管理システムは、乗場で利用者の行先階を有する行先呼びを登録する登録手段と、この登録手段によって新たな行先呼びが登録された際に、既に割当済みの呼びも含めて上記各乗りかごの運行を予測する運行予測手段と、この運行予測手段の予測結果として得られる待ち時間の予測値と乗車時間の予測値に基づいて上記各乗りかごの評価値を算出し、その評価値から上記新たな行先呼びを割り当てる乗りかごを決定する割当評価手段とを備える。
上記割当評価手段は、上記待ち時間の予測値に対する重み付けが上記乗車時間の予測値よりも大きく設定され、上記乗車時間の予測値が長くなるほど、評価が大きくなる評価式を用いて上記各乗りかごを評価し、上記新たな行先呼びの出発階または行先階が上記高層ゾーンに含まれる場合には、上記各乗りかごの中で上記低層かごを割当候補から除外することを特徴とする。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。 図2は同実施形態における乗場行先階登録装置の一例を示す図である。 図3は同実施形態における乗場行先階表示装置の一例を示す図である。 図4は一般的なゾーン分割運転を説明するための図である。 図5は同実施形態におけるゾーン分割運転を説明するための図である。 図6は同実施形態における仮割当を説明するための図である。 図7は同実施形態における評価式によって算出される評価値をグラフ化した図である。 図8は同実施形態における評価式を説明するための呼び登録のタイムスケジュールを示す図である。 図9は同実施形態における高層かごに対する評価値を説明するための一例を示す図である。 図10は上記図9の例で仮割当なしの運行スケジュールで得られる予測待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図11は上記図9の例で仮割当ありの運行スケジュールで得られる予測待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図12は同実施形態における低層かごに対する評価値を説明するための一例を示す図である。 図13は上記図12の例で仮割当なしの運行スケジュールで得られる予測待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図14は上記図12の例で仮割当ありの運行スケジュールで得られる予測待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図15は同実施形態における混雑時における低層かごに対する評価値を説明するための一例を示す図である。 図16は上記図15の例で仮割当なしの運行スケジュールで得られる予測待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図17は上記図15の例で仮割当ありの運行スケジュールで得られる予待ち時間と予測乗車時間,評価値を示す図である。 図18は同実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。 図19は上記図18のステップS15で実行される割当かご選定処理を示すフローチャートである。 図20は上記図19のステップS23,25で実行される運行予測評価処理を示すフローチャートである。 図21は第2の実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。 図22は変形例として4つのゾーンに分けて各号機を運転する構成を示す図である。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図であり、複数台の乗りかごが群管理された構成が示されている。なお、乗りかごの台数は任意であり、少なくとも2台以上あれば良い。図中の21a,21b…はエレベータ制御装置(号機制御装置あるいはかご制御装置とも言う)、22a,22b…は乗りかごである。
エレベータ制御装置21a,21b…は、各号機の乗りかご22a,22b…に対応して設けられている。エレベータ制御装置21aは、A号機の乗りかご22aの運転制御を行う。具体的には、エレベータ制御装置21aは、乗りかご22aを昇降動作させるための図示せぬモータ(巻上機)の制御やドアの開閉制御などを行う。B号機のエレベータ制御装置21bも同様である。これらのエレベータ制御装置21a,21b…は、コンピュータによって構成される。乗りかご22a,22b…は、モータ(巻上機)の駆動により昇降路内を昇降動作する。
ここで、本実施形態は、各階の乗場に乗場行先階登録装置(HDC)11が設置されたフルDCSを想定している。「フルDCS」とは、エレベータ(乗りかご)が運転サービスする全ての階の乗場に乗場行先階登録装置11が設置された形態の群管理エレベータシステムのことである。乗場行先階登録装置11は、乗場で利用者の行先階を含む行先呼びを登録するための登録装置である。行先呼びには、出発階(呼び登録階)と利用者の行先階の情報が含まれる。
図2に示すように、乗場行先階登録装置11は、利用者の行先階を入力するための操作部11aと、操作部11aによって入力された行先階に向かう乗りかご(割当かご)を利用者に知らせるための表示部11bとを有する。「割当かご」とは、呼びが割当てられた乗りかごのことであり、「割当号機」とも言う。「呼びが割当てられた」とは、乗りかごに対し、運転サービスする呼びが予約されることを意味する。なお、行先階の入力方法としては、テンキーの操作によるものが一般的であるが、例えばICカードなどを用いた方法であっても良い。また、乗場行先階登録装置11は、乗場から離れた場所に設置されていても良い。
図2の例では、利用者が入力した行先階が13階であり、その行先階に対してA号機の乗りかご22aが割り当てられたことが表示されている。利用者は、この表示に従ってA号機の乗場で待機することになる。
利用者が円滑に割当かごに乗車できるように、図3に示すように、乗場13には乗場ドア14の近傍に乗場行先階表示装置(HDI)12が設置されている。乗場行先階表示装置12は、乗りかごの行先階を所定の時間、表示するための装置である。上記「所定の時間」とは、乗場行先階表示装置12の設置階において、その乗りかごの行先階へ向けた応答を完了するまでの間である。図3の例では、A号機の行先階として7階、11階、13階が表示されている。このような表示により、利用者は乗りかごの行先階を確認した上で乗車できる。
なお、図3の例では、A号機の乗場行先階表示装置12だけが示されているが、実際には各号機毎に乗場行先階表示装置12が設置されており、それぞれに対応した乗りかごの行先階が表示される。
群管理制御装置31は、乗りかご22a,22b…の運転を統括的に制御する装置である。群管理制御装置31は、エレベータ制御装置21a,21b…と同様にコンピュータによって構成される。本実施形態において、この群管理制御装置31には、DCSに関する構成要素として、かご状態取得部32、運行予測部33、割当制約データ記憶部34、割当評価部35、割当管理部36、割当出力部37が備えられている。
かご状態取得部32は、エレベータ制御装置21a,21b…を通じて乗りかご22a,22b…の現在の運行状態情報(現在位置・運転方向・停止等)を取得する。
運行予測部33は、新たな行先呼びが登録された際に、その行先呼びと割当管理部36に蓄えられた呼び・割当を用いて、乗りかご22a,22b…の運行を予測し、その予測結果から待ち時間と乗車時間を算出する。「新たな行先呼び」とは、割当かごを決める対象となる行先呼びのことである。
なお、待ち時間は、乗場で行先呼びが登録されてから乗りかごが当該行先呼びの出発階(呼び登録階)に応答するまでの時間である。乗車時間は、乗りかごが出発階に応答してから利用者の行先階に到着するまでの時間である。待ち時間+乗車時間=サービス時間である。DCSでは、予め行先階がわかっているので、待ち時間に加え、乗車時間も考慮して割当評価を行っている。
割当制約データ記憶部34は、後述する高層ゾーンと低層ゾーンに関する階床情報や乗りかごの運転範囲に関する情報が割当制約データとして記憶されている。
割当評価部35は、運行予測部33から予測結果として得られる待ち時間と乗車時間に基づいて、評価対象の行先呼びを乗りかご22a,22b…のそれぞれに割り当てた場合の評価値を算出する。詳しくは、割当評価部35は、下記の(1)式に示す評価式に従って評価値を算出する。
{(1.0−r)×待ち時間の予測値+r×乗車時間の予測値} ……(1)
“r”は待ち時間と乗車時間の重みの比率を決める重み付け係数である。ここでは、乗車時間に対して重み付け係数rが設定され、0〜1の値を取る。待ち時間に対する重み付け係数は(1.0−r)で表される。後述するように、上記評価式は、乗車時間に対して2乗の項を有する点に特徴がある。なお、2乗に限らず、2以上のべき乗であれば良い。
割当評価部35は、上記(1)式によって得られた評価値に基づいて、乗りかご22a,22b…の中で最も評価の高い乗りかごに当該呼びを割り当てる。なお、評価値は、その値が小さいほど、評価が高いことを意味している。したがって、評価値が最も小さい乗りかごが割当かごとして選ばれることになる。また、割当評価部35は、後述するゾーン分割運転において、新たな行先呼び(割当要求呼び)の出発階または行先階が高層ゾーンに含まれる場合に低層ゾーンを運転する乗りかごを割当候補から除外する機能(割当除外機能)を備えている。
割当管理部36は、新たな行先呼びが登録される度に、その行先呼びを、当該行先呼びが割り当てられた乗りかご(割当かご)と関連付けて、割当かごが行先階に到着するまでの間保持する。
割当出力部37は、エレベータ制御装置21a,21b…の中の割当かごに対応したエレベータ制御装置に割当信号を出力して、その割当かごを当該行先呼びの出発階に応答させ、さらに、出発階応答後に当該行先呼びの行先階に応答させる。また、割当出力部37は、乗場行先階表示装置12に割当かごの情報を送って、乗場行先階登録装置12の表示部12bに表示させる。
[ゾーン分割運転]
次に、本実施形態におけるゾーン分割運転について、理解を容易にするため、一般的なゾーン分割運転と比較して説明する。
図4は一般的なゾーン分割運転を説明するための図である。図中の三角印は、行先呼びの出発階が、矢印で示す方向で出発する場合に担当できる乗りかごであることを示す。丸印は、行先呼びの行先階として担当できる乗りかごであることを示す。行先呼びが割り当てられる乗りかごは、その行先呼びが上記の三角印と丸印の両方を満たす乗りかごに限定され、それらの乗りかごが割当候補となる。
例えば、出発基準階から他の階床に向かう利用者が多い時間帯(出勤時間帯など)では、複数台の乗りかごを低層ゾーンと高層ゾーンとに分けて運転する「ゾーン分割運転」が実施される。なお、低層ゾーンを運転する乗りかごのことを「低層かご」、高層ゾーンを運転する乗りかごのことを「高層かご」と呼ぶ。低層ゾーン内の各階床を「低層階」、高層ゾーン内の各階床を「高層階」と呼ぶ。
一般的には、図4に示すように、低層かごは低層階と出発基準階の間、「高層かご」は高層階と出発基準階の間を運転する。つまり、低層かごと高層かごは、出発基準階だけが共通であり、その他は低層階と高層階で分担して運転している。この方法では、低層階を利用する利用者と高層階を利用する利用者の割合が変化すると、低層かご・高層かごの混雑率に大きな偏りが生じ、全ての乗りかごが十分に活用されない状況になる。
例えば、7階建の建物において、1階が出発基準階、2−4階が低層階、5−7階が高層階、20人乗りの低層かごと高層かごが2台ずつ有する群管理システムを考える。それぞれの乗りかごが昇降路を1周するのに要する時間を約2分とすると、出発基準階の1階から平均的に1分あたり低層階へ20人、高層階へ20人が移動できる。
ここで、出発基準階発−低層階行が毎分15人、出発基準階発−高層階行が毎分15人であれば、低層かご、高層かごともに出発基準階を出発したときの平均的な混雑率は約75%である。したがって、低層・高層の利用者のバランスが取れていると状況といえる。
しかし、全体の利用者の発生密度が毎分30人であっても、例えば低層行が20人、高層行が10人となった場合には、低層行は100%、高層行は50%の混雑率となり、混雑に偏りが出る。さらに偏りが強くなると、高層行は輸送力に余裕があるのに、低層行は積み残しが頻発するなどして、システム全体として十分な輸送能力を発揮できなくなる。
図5は本実施形態におけるゾーン分割運転を説明するための図である。図4と同様に図中の丸印は、その階を行先呼びの行先階として担当できる乗りかごであることを示す。三角印は、その階を三角の方向へ出発する出発階とする行先呼びを担当できる乗りかごであることを示す。行先呼びが割り当てられる乗りかごは、上記丸印と三角印の条件を両方とも満たす乗りかごである。
本実施形態のゾーン分割運転では、図5に示すように、低層かごは低層階と出発基準階の間だけを運転サービスし、高層階での乗車/降車はないものとする。一方、高層かごは、高層階だけでなく、低層階と出発基準階を含む全階床を運転サービスする。この場合、高層階を出発階または行先階とする行先呼びは、常に高層かごに割り当てられる。一方、低層階と出発基準階を出発階または行先階とする行先呼びは、低層かごと高層かごのいずれにも割り当てられる可能性がある。
ここで、本実施形態では、高層階利用者は乗車時間が低層階利用者よりも長くなる傾向にあることに着目し、乗車時間が長い割当を持つ乗りかごに、低層階のみの追加割当をしづらくする評価関数を用いる。これが上記(1)式に示した2乗項を有する評価式である。この評価式を用いて、高層階を出発階または行先階とする行先呼びが割当済みの乗りかごに対しは、低層階のみの行先呼びを追加割当しづらくし、結果的に、低層階利用者の行先呼びを低層かごに優先的に割り当てられるようにする。
ただし、低層階利用者の行先呼びが低層かごだけに集中すると、低層かごの停車回数が増え、各利用者の乗車時間が非常に長くなる可能性がある。このため、低層かごの混雑が激しいときは、低層階利用者の行先呼びを高層かごにも割り当てられるようにする。これにより、高層かご・低層かごの間で、混雑の極端な偏りを避けて、運転サービスを継続できるようになる。
[割当評価]
次に、本実施形態における割当評価について説明する。
乗りかごの評価値は、「仮割当ありの評価値」−「仮割当なしの評価値」で求められる。したがって、仮割当ありの場合と仮割当なしの場合に分けて運行予測を行い、それぞれの場合の評価値を求める必要がある。
図6にその様子を示す。
例えば、A,B,C号機が割当候補だったとする。新たな呼びを割り当てる際、将来の想定として考えられるケースは、A号機に仮割当した場合、B号機に仮割当した場合、C号機に仮割当した場合の3通りである。それぞれのケースで、運行スケジュールは仮割当した号機のみ変化する。運行スケジュールの変化に伴う群管理性能の変化は、仮割当しなかった場合に考えられるサービス性能と、仮割当した場合に考えられるサービス性能の差と考えることができる。したがって、各号機を対象に、「仮割当をせず既存の呼び・割当だけに従った運行予測による評価値」と、「仮割当を行った運行予測による評価値」を求め、それらの評価値の差を各号機の評価値とすれば良い。
ここで、任意の乗りかご(c)に対する評価値をf(c)とすると、上記(1)式の評価式は以下のように表される。
f(c)=「仮割当ありの評価値」−「仮割当なしの評価値」
=Σ{(1.0−r)×待ち時間の予測値+r×乗車時間の予測値
−Σ{(1.0−r)×待ち時間の予測値+r×乗車時間の予測値 …(2)
待ち時間と乗車時間の予測値は、新たな行先呼びを仮割当した場合の乗りかご(c)の待ち時間と乗車時間の予測値を示す。待ち時間と乗車時間の予測値は、新たな行先呼びを仮割当しない場合の乗りかご(c)の待ち時間と乗車時間の予測値を示す。
なお、評価対象とする呼びは、新たな行先呼びが登録されてから乗りかごが行先階で到着するまでの呼びとする。すなわち、「仮割当なしの評価値」として評価対象とする呼びは、割当かごに出力済みの呼びのうち、行先階で応答する前の呼びである。「仮割当ありの評価値」として評価対象とする呼びは、「仮割当なしの評価値」として評価対象とした呼びに、新たに登録され、これから割当かごを決める対象となる呼びを加えたものとなる。
・評価式の仕組み
低層階利用者の行先呼びが新たに登録されたとき、通常の需要状況であれば、高層かごよりも低層かごに当該行先呼びが割り当てられやすいことを説明する。
図7は本実施形態における評価式によって算出される評価値をグラフ化した図である。上記(1)式に示した評価式は2乗項を持つため、評価値の変化が指数関数で表される。図中のΔe1は低層かごの評価値の変化、Δe2は高層かごの評価値の変化を示している。
すなわち、図7に示すように、例えば新たな行先呼びの追加割当によって、低層かごでは乗車時間が20秒→30秒に変化し、高層かごでは乗車時間が40秒→50秒に変化したとする。同じ10秒の時間変化であっても、評価値の変化で見ると、Δe1よりもΔe2が大きくなる。つまり、高層かごの評価値の方が悪くなる(評価値は値が小さいほど、評価がいいため)。したがって、新たな行先呼びが登録された場合に、低層かごに割り当てられる可能性が高くなる。
評価式の仕組みについて、具体例を用いてさらに詳しく説明する。
いま、図8に示すようなタイムスケジュールで、No.1の呼びと、No.2の呼びが乗場で登録された場合を想定して説明する。No.2の呼びが登録された時刻を今現在とすると、No.1の呼びは既に登録済みの行先呼びであり、No.2の呼びは追加割当の行先呼びとなる。
高層かごに対する評価値の算出方法を図9乃至図11に示す。
図9に示すように、例えばNo.1の呼びが登録されてから10秒後に、任意の高層かごが当該呼びの出発階(1階)に応答し、その50秒後に当該呼びの行先階(7階)に到着すると予測したとする。また、No.1の呼びの10秒後に、No.2の呼びが新たに登録され、そのNo.2の呼びに対しては28秒後に行先階(3階)に到着し、既に割当済みのNo.1の呼びに対しては66秒後に行先階(7階)に到着すると予測したとする。
No.2の呼びが登録されたとき、高層かごに仮割当しない場合の運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図10のようになる。ただし、r=0.4とする。また、仮割当ありの運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図11のようになる。これにより、高層かごにNo.2の呼びを割り当てた場合の評価値は、1357−784=573となる。
低層かごに対する評価値の算出方法を図12乃至図14に示す。低層かごでは、低層階を行先呼びとした既割当しかない。
図12に示すように、例えばNo.1の呼びが登録されてから10秒後に、任意の低層かごが当該呼びの出発階(1階)に応答し、その30秒後に当該呼びの行先階(5階)に到着すると予測したとする。また、No.1の呼びの10秒後に、No.2の呼びが新たに登録され、そのNo.2の呼びに対しては28秒後に行先階(3階)に到着し、既に割当済みのNo.1の呼びに対しては46秒後に行先階(5階)に到着すると予測したとする。
No.2の呼びが登録されたとき、低層かごに仮割当しない場合の運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図13のようになる。ただし、r=0.4とする。また、仮割当ありの運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図14のようになる。これにより、低層かごにNo.2の呼びを割り当てた場合の評価値は、871−400=471となる。
ここで、出発基準階から低層階へ向かう行先呼びの割当が低層かごに1件、出発基準階から高層階へ向かう行先呼びの割当が高層かごに1件とする。それぞれ割当済みである状況で、出発基準階から低層階へ向かう割当済みの行先呼びの行先階よりも低い階を行先階とする。このような条件で、出発基準階を出発階とする新たな行先呼びが登録されたときに行う割当処理であれば、低層かごの評価値(471)の方が高層かごの評価値(573)よりも小さくなる。したがって、低層かごに新たな行先呼びが割当出力されることになる。
・低層ゾーン混雑時
低層ゾーンの混雑が著しい場合には、同じ状況であっても、高層かごに新たな行先呼びが割当出力されることがある。この様子を図15乃至図17に示す。
例えば、図15に示すように、低層かごに1F→5Fの行先呼びが既割当として10件あるとする(No.1〜10)。これらの呼びが登録されてから10秒後に、任意の低層かごが当該呼びの出発階(1階)に応答し、30秒後に当該呼びの行先階(5階)に到着すると予測したとする。ここで、No.11の呼びが新たに登録され、No.11の呼びに対しては28秒後に行先階(3階)に到着し、既に割当済みのNo.1−10の呼びに対しては46秒後に行先階(5階)に到着すると予測したとする。なお、高層かごについては、図9〜図11に示した状況と同様であるとする。
仮割当なしの運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図16のようになる。ただし、r=0.4とする。また、仮割当ありの運行スケジュールでは、予測待ち時間と予測乗車時間,評価値は図17のようになる。この場合の評価値は7144−4000=3144であり、高層かごの評価値(573)の方が小さい。なお、高層かごの評価値(573)は、図9〜図11に示した状況から算出されている。したがって、高層かごに新たな行先呼びが割当出力されることになる。
なお、高層需要が全くない状況で運行している場合は、高層・低層の区別に関係なく、全ての乗りかごが平等に扱われて割当出力されるようになる。すなわち、高層階で乗車または降車する利用者に対する割当候補から低層かごを除外する制約に該当する呼びがないため、全ての呼びに対し、全ての乗りかごが割当候補となる。これにより、全ての乗りかごが平等に扱われて割当出力されるようになる。
・高層ゾーン混雑時の対策
高層利用者が低層利用者よりも多くなると、高層かごに偏って運転する状況になる。このような事態を下げるためには、高層側の方が低層側よりもやや負荷が軽くなるように、高層ゾーンと低層ゾーンの境目を予め決めておくことが好ましい。この場合、高層階の階床数を低層階の階床数よりも少なくすることで、高層側の負荷を低減できる。
・ゾーンの見直し
なお、建物の交通需要が階床毎に大きく異なる場合は、以下のように決めても良い。
高層の利用者発生頻度÷(高層かごの台数×高層かごの定員÷高層かごの平均周回時間間)が、低層の利用者発生頻度÷(低層かごの台数×低層かごの定員÷低層がこの平均周回時間)よりも1割程度小さくなるように、高層ゾーンと低層ゾーンの境目を決めておく。
上記の値は、高層・低層それぞれの乗りかごの混雑率を簡易的に求めたものであり、群管理システムが各乗りかごを運行しながら計測して得ることができる。また、高層ゾーンと低層ゾーンの境目となる階を見直すことで、普段の高層・低層の分担を調整できる。
このような見直しを自動的に行うことも可能である。
例えば、高層かごの混雑率が低層かごの1.2倍よりも高い場合は、高層ゾーンと低層ゾーンの境目となる階床を1階床上げ、低層かごの混雑率が高層かごの1.2倍よりも高い場合は、高層ゾーンと低層ゾーンの境目となる階床を1階床下げるようにしても良い。
このような階床の動的な切替は、例えば1日単位など、ある程度期間を取り、混雑率等の情報を集めて行う必要があるため、長期的な低層かごと高層かごの需要のバランスを取ることに寄与する。一方で、日内の小刻みな需要の変化に対しては、割当処理の度に、高層・低層どちらの乗りかごに呼びを割当てるかを判断する説明した処理(図9〜図17)により、迅速に対応でき、短期的な低層かごと高層かごの需要バランス確保に寄与する。
[動作説明]
次に、本実施形態の動作について説明する。
図18は本実施形態におけるエレベータの群管理システムの動作を示すフローチャートである。なお、後述する図19および図20に示すフローチャートを含め、これらのフローチャートで示される処理は、コンピュータである群管理制御装置31が予め記憶された割当制御プログラムを読み込むことにより実行される。
任意の階の乗場に設置された乗場行先階登録装置11の操作により、新たな行先呼びが登録された場合を想定する。図18に示すように、新たな行先呼びが登録されると(ステップS11のYes)、群管理制御装置31によって以下のような処理が実行される。
すなわち、群管理制御装置31に備えられた割当評価部35は、まず、新たな行先呼びの出発階または行先階が高層ゾーンに含まれるか否かを判断する(ステップS12)。なお、現在のゾーン分割による高層ゾーンと低層ゾーンの階床情報は、割当制約データ記憶部34に記憶されている。また、高層ゾーンを運転する乗りかご(高層かご)と、低層ゾーンを運転する乗りかご(低層かご)に関する情報も割当制約データ記憶部34に記憶されている。
ここで、新たな行先呼びの出発階と行先階の一方でも高層ゾーンに含まれる場合には(ステップS12のYes)、割当評価部35は、当該行先呼びを高層かごに割当可能か否かを判断する(ステップS13)。例えば、全ての高層かごが点検中などの理由により、群管理の対象となっていない場合は、割当不可と判断する。
高層かごに割当可能であれば(ステップS13のYes)、割当評価部35は、割当候補から低層かごを除外して(ステップS14)、高層かごだけの候補から割当かごを選定する(ステップS15)。これは、図5に示したように、高層ゾーン内の運転サービスは高層かごだけで行うためである。なお、割当評価部35が割当候補から低層かごを除外する場合、運行予測部33は、割当候補から除外された乗りかごに対しては、運行予測を行う必要がない。
一方、新たな行先呼びの出発階と行先階のどちらも高層ゾーンに含まれない場合(ステップS12のNo)、割当評価部35は、低層かごおよび高層かごの両方を割当候補にして割当かごを選定する(ステップS15)。その際、乗車時間を2乗する評価式を用いることで、図9乃至図14で説明したような割当かごの傾向が生まれるので、低層かごが優先的に割当出力されることになる。なお、上記ステップS13において、割当不可と判断された高層かごは、上記ステップS15でも引き続き割当候補にはならない。
次に、上記ステップS15で実行される割当かご選定処理について説明する。
図19は割当かご選定処理を示すフローチャートである。いま、乗りかご22a,22b…の中で評価対象とする乗りかごを「かごc」とする(ステップS21)。
割当評価部35は、まず、かごcが割当候補に含まれているか否かを判断する(ステップS22)。かごcが割当候補に含まれている場合には(ステップS22のYes)、割当評価部35は、新たな行先呼び(割当要求の呼び)をかごcに仮割当せずに運行予測した場合の評価値と、当該行先呼びをかごcに仮割当して運行予測した場合の評価値をそれぞれに求め、これらの値を保存しておく(ステップS23−S26)。なお、ステップS23,25で実行される運行予測評価処理については、後に図20を参照して説明する。
上記ステップS22−S26の処理を評価対象とするかごcの台数分繰り返し行い、行先呼びを仮割当しない場合の評価値と仮割当した場合の評価値をそれぞれに求めていく。このかごcのループを終了すると(ステップS27)、割当評価部35は、上記(2)式に従って、f(c)=「仮割当ありの評価値」−「仮割当なしの評価値」が最小となる乗りかごを割当かごとして決定する(ステップS28)。
次に、上記ステップS23,25で実行される運行予測評価処理について説明する。
図20は運行予測評価処理を示すフローチャートである。この運行予測評価処理において、上記(1)式に示した評価式を用いる。
まず、評価値の合計値M=0に初期化しておく(ステップS31)。運行予測部33によって、かごcの運行状態情報(現在位置・運転方向・停止等)から各呼びに応答する時刻を予測する(ステップS32)。上記各呼びには、割当要求呼びの他に、既に割当済みの呼びが含まれる。ここで、上記各呼びのそれぞれについて、以下のようなループ処理を開始する(ステップS33)。
すなわち、上記各呼びの1つを評価対象呼びとした場合に、運行予測部33によって、その評価対象呼びをかごcに割り当てた場合の運行予測から待ち時間の予測値と乗車時間の予測値を算出する(ステップS34)。割当評価部35は、ここで得られた待ち時間の予測値と乗車時間の予測値を上記(1)式に示した評価式に代入して、当該評価対象呼びの評価値を算出する(ステップS35)。割当評価部35は、ここで得られた評価値を合計値Mに加算する(ステップS36)。
上記ステップS34−S36の処理を全ての呼びについて繰り返し行い、それぞれの評価値を合計値Mに加算していく。この呼びのループが終了すると(ステップS37)、割当評価部35は、最終的に得られた合計値Mを今回の予測全体の評価値とする(ステップS38)。これにより、上記ステップS23であれば、新たな行先呼び(割当要求の呼び)をかごcに仮割当せずに運行予測した場合の評価値が得られ、上記ステップS25であれば、当該行先呼びをかごcに仮割当して運行予測した場合の評価値が得られることになる。
このように第1の実施形態によれば、乗車時間の予測値が長い乗りかご(高層かご)に対する割当を抑制する評価式を用いて各乗りかごを評価し、高層階の行先呼びが登録された場合には低層かごを割当候補から除外する。これにより、低層階の行先呼びが高層かごに対して割当出力されることを抑え、低層利用者の行先呼びを低層かごに優先的に割り当てる環境を自然に作ることができる。ここで、「高層階の行先呼び」は、出発階と行先階の一方でも高層階とする行先呼びであり、「低層階の行先呼び」は、出発階と行先階の両方が低層階(出発基準階を含む)とする行先呼びである。
また、利用者が低層ゾーンに集中した場合(つまり、高層ゾーンの利用者が少ない場合)は、低層利用者の行先呼びが高層かごにも割当出力されるので、高層かごを無駄にせずに、全ての乗りかごを有効に使って運転サービスを継続できる。
したがって、例えばエレベータの納品後に建物の交通需要が変化した場合に、ゾーン分けを動的に変更しなくても、低層かごと高層かごとの間で混雑の大きな偏りを伴わずに運転サービスを継続でき、かつ、乗りかごの周回に要する時間を短縮して輸送能力を上げることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、高層かごに一時的に利用者が集中した場合に備えて、群管理制御装置31に以下のような機能を持たせておく。
(1)割当候補から低層かごを外して高層ゾーンへ行かせない運転制御は、例えば出勤時間帯など、特定の時間帯のみとする。
(2)低層ゾーンに対して高層ゾーンが一方的に混雑しているような状況のときは、割当候補から低層かごを除外する処理を行わずに、すべての乗りかごを割当候補として評価する。
図21は第2の実施形態に係るエレベータの群管理システムの構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態における図1の構成と同じ部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略するものとする。第2の実施形態では、図1の構成に加え、群管理制御装置31に高層階状況検出部38が備えられている。
高層階状況検出部38には、例えば出勤時間帯など、高層階が混雑することが予め予想される特定の時間帯が設定されている。なお、アップピーク時(出発基準階から上の階へ向かう利用者が多い時間帯)に低層・高層に分けるのは、高層階のみが混雑するからではなく、エレベータシステム全体が混雑するためである。
ここで、高層階状況検出部38は、上記特定の時間帯になったときに、割当評価部35に通知する機能を有する。これにより、上記特定の時間帯のとき、割当評価部35は、新たな行先呼び(つまり割当かごを決める対象となる行先呼び)の出発階または行先階が上記高層ゾーンに含まれる場合に、上記ステップS14に示した割当候補から低層かごを除外する処理を行う。その結果、乗りかごの周回を早めて、輸送力を拡大できる。一方、特定の時間帯以外の平常時には、割当評価部35は、すべての乗りかごを割当候補として評価する。その結果、待ち時間の短縮を期待できる。
また、高層階状況検出部38は、かご状態取得部32から得られる乗りかご22a,22b…の運行状態情報に基づいて、低層ゾーンに対して高層ゾーンが混雑している状況を検出する。
具体的には、高層階状況検出部38は、高層かごの積載荷重と低層かごの積載荷重を検出する。なお、積載荷重の検出方法としては、乗りかごに設置された図示せぬ荷重センサを用いるか、あるいは、乗りかごに利用者の行先呼びを割り当てた回数から積載荷重を推測することでも良い。ここで、高層かごの周回あたりの最大荷重値が予め設定された混雑レベル以上であり、かつ、低層かごの周回あたりの最大荷重値が上記混雑レベルを下回っているときは、高層階状況検出部38は、高層ゾーン(高層階)が混雑していると判断する。
別の方法として、高層階状況検出部38は、高層かごと低層かごの周回時間を比較することでも良い。すなわち、高層かごの周回時間が予め設定された高層標準時間以上長くなっており、かつ、低層かごの周回時間が低層標準時間未満の場合は、高層階状況検出部38は、高層ゾーン(高層階)のみが混雑していると判断する。
高層ゾーン(高層階)が混雑している状況のとき、割当評価部35は、新たな行先呼び(つまり割当かごを決める対象となる行先呼び)の出発階または行先階が上記高層ゾーンに含まれる場合に、上記ステップS14に示した割当候補から低層かごを除外する処理を行わずに、すべての乗りかごを割当候補として評価する。
このように第2の実施形態によれば、高層かごに一時的に利用者が集中した場合でも、低層かごと高層かごとの間で混雑の大きな偏りを伴わずに運転サービスを継続できる。
(変形例)
なお、上記第1の実施形態では、複数の階床を低層ゾーンと高層ゾーンとに分け、複数の乗りかごを低層かごと高層かごとに分けて分割運転を行う場合を想定して説明したが、例えば図22に示すように、4つのゾーンに分けて各号機を運転する構成としても良い。図22の例では、A〜D号機がそれぞれに異なるゾーンを運転する。各ゾーンは出発基準階を含み、それぞれに運転可能な階床数が段階的に異なる。
このようなゾーン分割運転でも、新たな行先呼びが登録された際に、その行先呼びの出発階または行先階が高層ゾーンに含まれる場合に、低層ゾーンを運転するA号機を割当候補から除外し、上記(1)式に示した関数式を用いて、B〜D号機のいずれかを割当出力することで、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、図22の例では、例えば出発基準階が1階、A号機のサービス範囲が1〜4F、B号機が1〜5F、C号機が1〜6F、D号機が1〜7Fのとき、下記のような割当になる。
・1F発4F行の行先呼びは、A〜D号機全て割当可能
・1F発5F行の行先呼びは、B〜D号機のみ割当可能
・1F発6F行の行先呼びは、C〜D号機のみ割当可能
・1F発7F行の行先呼びは、D号機のみ割当可能。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、高層階へ向かう利用者と低層階へ向かう利用者のバランスが変化したときでも、低層かごと高層かごとの間で混雑の大きな偏りを伴わずに運転サービスを継続できるエレベータの群管理システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…乗場行先階登録装置(HDC)、12…乗場行先階表示装置(HDI)、13…乗場、14…乗場ドア、21a,21b…エレベータ制御装置、22a,22b…乗りかご、31…群管理制御装置、32…かご状態取得部、33…運行予測部、34…割当制約データ記憶部、35…割当評価部、36…割当管理部、37…割当出力部、38…高層階状況検出部。

Claims (7)

  1. 複数の階床を少なくとも低層ゾーンと高層ゾーンとに分け、複数の乗りかごを少なくとも低層かごと高層かごとに分け、上記低層かごは低層階と出発基準階の間をサービス運転し、上記高層かごは高層階と、低層階と出発基準階を含む全階床を運転サービスするエレベータの群管理システムにおいて、
    乗場で利用者の行先階を有する行先呼びを登録する登録手段と、
    この登録手段によって新たな行先呼びが登録された際に、既に割当済みの呼びも含めて上記各乗りかごの運行を予測する運行予測手段と、
    この運行予測手段の予測結果として得られる待ち時間の予測値と乗車時間の予測値に基づいて上記各乗りかごの評価値を算出し、その評価値から上記新たな行先呼びを割り当てる乗りかごを決定する割当評価手段とを具備し、
    上記割当評価手段は、
    上記待ち時間の予測値に対する重み付けが上記乗車時間の予測値よりも大きく設定され、上記乗車時間の予測値が長くなるほど、評価が大きくなる評価式を用いて上記各乗りかごを評価し、上記新たな行先呼びの出発階または行先階が上記高層ゾーンに含まれる場合には、上記各乗りかごの中で上記低層かごを割当候補から除外することを特徴とするエレベータの群管理システム。
  2. 上記評価式は、上記乗車時間の予測値をべき乗して評価する項を有することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  3. 上記高層ゾーンの階床数は、上記低層ゾーンの階床数よりも少なく設定されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  4. 上記割当評価手段は、
    上記高層ゾーンが混雑することが予め予想される特定の時間帯のときに、上記新たな行先呼びの出発階または行先階が上記高層ゾーンに含まれる場合には、上記低層かごを割当候補から除外する処理を実行することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  5. 上記低層ゾーンに対して上記高層ゾーンが混雑している状況を検出する高層階状況検出手段をさらに具備し、
    上記割当評価手段は、
    上記高層階状況検出手段によって上記高層ゾーンが混雑している状況が検出されているとき上記低層かごを割当候補から除外する処理を行わずに、上記各乗りかごの全てを割当候補として評価することを特徴とする請求項1記載のエレベータの群管理システム。
  6. 上記高層階状況検出手段は、
    上記高層かごの周回あたりの最大荷重値が予め設定された混雑レベル以上であり、かつ、上記低層かごの周回あたりの最大荷重値が上記混雑レベルを下回っているときは、上記高層ゾーンが混雑していると判断することを特徴とする請求項5記載のエレベータの群管理システム。
  7. 上記高層階状況検出手段は、
    上記高層かごの周回時間が予め設定された高層標準時間以上長く、かつ、上記低層ゾーンを運転する乗りかごの周回時間が低層標準時間未満の場合は、上記高層ゾーンだけが混雑していると判断することを特徴とする請求項5記載のエレベータの群管理システム。
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