JP6827945B2 - 乳酸カルシウムによる糖アルコール糖衣の糖衣形成促進方法 - Google Patents

乳酸カルシウムによる糖アルコール糖衣の糖衣形成促進方法 Download PDF

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Description

本発明は乳酸カルシウムによる、糖アルコール糖衣の糖衣時間短縮に関する。より詳細には、乳酸カルシウムによる糖アルコール結晶化促進に基づく糖衣形成時間の短縮に関する。
糖アルコールによる糖衣の中でもマルチトールによる糖衣は代表的なシュガーレス糖衣として知られ、その優れた吸湿安定性から、スクロースに代わる糖衣として広くおこなわれている。マルチトールは、マルトースを水素添加し、そのカルボニル基を還元して得られる糖アルコールである。マルチトールのカロリーはスクロースの1/2で甘味は80〜90%であり、またその味質はスクロースと類似しているため、低カロリー甘味料としてスクロースの代替品として広く用いられている。
しかしながら、マルチトールは過飽和となった溶液から結晶が析出するまでの時間がスクロースに比べて遅いことから、マルチトールによるハード糖衣においては、糖衣液から結晶を析出させる工程で時間がかかり、その結果糖衣錠を完成するまでに時間を要するため、これまでにも糖衣工程の時間短縮が試みられている。
たとえば、特開平7−132051号公報では、硬質コーティングを容易にかつ迅速に形成可能な改良された硬質コーティング方法について開示されており(段落0001)、具体的には、非常に純度の高い多価アルコールのパウダーと、その可溶性乾燥材料に関して同じ多価アルコールを半分以上含む結晶化可能なシロップを各サイクルに際して組み合わせることによって課題を解決しているが(段落0032)、各サイクルにパウダーを添加する工程を組み入れなければならないこと、出来上がった糖衣錠の表面は平滑性に欠け、吸湿しやすくかつクランチ性がないといった問題点があった。
特開平7−132051号公報
本発明はマルチトールに代表される糖アルコールによる硬質糖衣の糖衣形成の所要時間を短縮し、かつ平滑で実用上十分な強度の糖衣層を形成することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、糖アルコール糖衣液の成分として乳酸カルシウムを加えることにより、糖衣液の展延性の向上に伴い糖衣層の平滑性が改善されるばかりでなく、マルチトールなどの糖アルコールの結晶化速度の上昇を確認し、糖衣工程に要する時間を大幅に短縮することができることを見出した。
なお、本発明では、糖アルコール糖衣液に乳酸カルシウムを用いることを特徴とするが、通常のスクロースによる糖衣に対して乳酸カルシウムを用いる例は、糖衣層の改良を目的として広く行われている(例えば、特公昭48−37815号公報、特許第2759802号明細書、特開平4−261118号公報など)。しかしながら、スクロースによる糖衣において乳酸カルシウムを用いることの効果は、スクロースの微細な結晶を析出させることにより強固な糖衣層を形成させることである。
乳酸カルシウムは水溶性のカルシウム塩である。一般的に、物質の結晶化を行う際その溶液に別の物質の溶液を添加した場合、その物質が結晶の析出を阻害するため結晶化速度が遅くなる。実際、乳酸カルシウムを添加した場合としない場合におけるスクロース糖衣の所要時間を測定したところ、乳酸カルシウムを添加したものの方が糖衣錠作成までにおよそ10%多くの時間を要した(後述の比較例3、4参照)。
一方、糖アルコール糖衣における問題点に、長時間を要する点がある。これはマルチトールなどの糖アルコールの結晶化速度が遅いことによるものである。従来、結晶化速度の上昇のため、結晶核などの固体を添加する方法が行われてきた。
しかしながら本発明者らが鋭意検討を行った結果、マルチトールなどの糖アルコール糖衣液に乳酸カルシウムを溶解して糖衣を行うと、予想に反し、糖アルコールの結晶化促進作用があり、糖衣時間を従来の半分程度にまで短縮できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
なお、糖類と乳酸カルシウム他を含む糖衣液に関する従来技術は存在したが(例えば、特開2002−179559号公報、特許第2759802号明細書など)、乳酸カルシウムによるマルチトールなどの糖アルコールの結晶化促進効果を示唆したものはなく、ひいては糖アルコール糖衣の糖衣形成促進に言及したものはなかった。
すなわち、本発明は第一に、乳酸カルシウムを用いた糖アルコール糖衣の糖衣形成促進方法である。
第二に、糖衣液に乳酸カルシウムを含有する、上記第一に記載の糖衣形成促進方法である。
第三に、乳酸カルシウムの含有量が糖衣液の1〜10重量%である、上記第一または第二に記載の糖衣形成促進方法である。
第四に、乳酸カルシウムを含有する糖アルコール糖衣形成促進用組成物である。
本願発明で使用する糖アルコールは糖衣層の形成が可能であればその形態は問わない。例えば、マルチトールの場合は結晶品、含蜜結晶品、液状品のいずれの形態でも使用可能であるが、糖衣層の平滑性、強度の観点から、固形分換算で90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上の純度のものが有利に使用できる。また、本発明における糖アルコールとしては、上述のマルチトールのほか、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルツロース還元物などが挙げられる。
本発明で使用する乳酸カルシウムは、結晶品、液状品のいずれの形態でも使用可能であるが、操作性の観点から、結晶品を利用するのが好ましい。
また、本発明における乳酸カルシウムの含有量は、糖衣液の1〜10重量%であることが好ましい。含有量が10重量%以下であれば、溶液粘度が低く保たれ操作性が良好となる。一方、1重量%以上であれば良好な平滑性および使用可能な糖衣層強度を有する糖衣層が得られる。
さらに、本発明において糖衣液中に、アラビアガム、ゼラチン、プルラン、キサンタンガム、ヒドロキシメチルセルロース、食物繊維などの増粘剤や、加工澱粉を用いることも可能である。
本発明によると、マルチトールなどの糖アルコールの結晶化速度の上昇により、糖アルコール糖衣の糖衣工程に要する時間を大幅に短縮でき、かつ平滑で実用上十分な強度の糖衣層を形成することができる。
以下実施例を挙げてさらに具体的に本発明を説明するが、本発明の技術範囲は以下の例に制限されるものではない。また特に断りのない限り乳酸カルシウムは五水和物としての含有量を示す。
本発明では以下の原料を使用した。
(1)糖衣層基材
結晶マルチトール: レシス(三菱商事フードテック株式会社製)
微粉マルチトール: レシス微粉(三菱商事フードテック株式会社製)
結晶キシリトール: キシリット(三菱商事フードテック株式会社製)
微粉キシリトール: キシリット微粉(三菱商事フードテック株式会社製)
乳酸カルシウム(五水和物): 乳酸カルシウム(昭和化工株式会社製)
結晶スクロース: グラニュ糖ME(大日本明治製糖株式会社製)
微粉スクロース: MGP粉糖(株式会社徳倉製)
(2)糖衣層配合剤
アラビアガム: アラビアゴム末(関東化学株式会社製)
酸化デンプン: 下記調製品を使用
(3)芯材原料
粉末マルチトール: アマルティMR(三菱商事フードテック株式会社製)
ステアリン酸マグネシウム: ステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)
本発明では以下の装置を使用した。
打錠機: VIRGO 0512SS2AZ(株式会社菊水製作所製)
糖衣機: No.16D−S(株式会社菊水製作所製)
Vミキサー: Vミキサー(池田理科株式会社製)
(酸化デンプンの調製)
タピオカデンプン(日本食品化工株式会社製)1kgに水2kgを加えて懸濁液として30℃に加温した。その懸濁液に3%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調整し、有効塩素を13%含む次亜塩素酸ナトリウム溶液150mlを加えて1時間酸化処理を行った後、塩酸にて中和後、水洗・脱水・乾燥を行い酸化タピオカデンプンを調製した。得られた酸化タピオカデンプン30重量部と馬鈴薯澱粉(試薬1級、関東化学株式会社製)70重量部を混合し酸化デンプンとした。
(芯材の作成)
本発明で用いた芯材は、下記のように作成した。
アマルティMR100重量部に滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを2.5重量部加え、剤型8mm糖衣R、単位重量180mg、杵たて数4本、回転数40rpm、打錠圧770kgfの条件で打錠を行い、芯材を製造した。
(糖衣液の調製)
1試験区あたり300gの糖衣液を調製した。500mL容ビーカーに表1〜7の各実施例および各比較例に示す質量比の3倍の質量(g)の糖衣液成分を採り混合した。精製水を加え全体に混合後、湯煎で加熱溶解した。精製水を加え300gとし、60℃に保温したものを糖衣液とした。
(糖衣工程I、温風送風条件)
以下の工程I−1〜I−7(工程I−2とI−3についてはそれぞれの実施例、比較例で指定した回数、表1−表3参照)を行い温風送風条件下糖衣を行った。
(工程I-1)
糖衣パンに芯材300gを投入し、30rpmで回転しながら糖衣液8gを添加し、引き続いて微粉マルチトール(比較例3、比較例4においては微粉スクロース)1gを添加し4分無風で糖衣液を展延させた後、45℃の温風を2分送風し糖衣液を乾燥させる操作を2回繰り返した。
(工程I-2)
糖衣液7gを添加し、4.5分無風で糖衣液を展延させた後、45℃の温風を2分送風し糖衣液を乾燥させる操作を指定回数繰り返した。
(工程I-3)
糖衣液9gを添加し、6分無風で糖衣液を展延させた後、45℃の温風を2分送風し糖衣液を乾燥させる操作を指定回数繰り返した。
(工程I-4)
糖衣層を平滑にするため糖衣液6gを添加し、6分無風で糖衣液を展延させた後、送風機のヒーターを切った状態で6分送風(22℃)し糖衣液を乾燥させる操作を2回(比較例1のみ25回)繰り返した。
(工程I-5)
糖衣液の添加量を6g、4g、3g、1.5gの順で変化させ、それぞれ12分、10分、8分、6分無風で乾燥させた。
(工程I-6)
糖衣パンの回転速度を12rpmに変え、糖衣液を1g添加し、糖衣パンの回転を30秒停止した。その後、糖衣パンを1回転させた後5秒停止させる操作を5回繰り返したのち、開口部を湿らせたペーパータオルで覆い8分40秒回転させた。
(工程I-7)
糖衣錠を別の糖衣パンに移し、糖衣パンを30rpmで回転させ、カルナバワックスを糖衣錠の総重量に対し0.03%添加したのち30分回転させる操作を2回繰り返した。
なお、工程I-2においては、比較的少量の糖衣液を用い、錠剤の周辺部が糖衣層でおおわれるまで糖衣を行い、その後、工程I-3において糖衣液の量を増やし、糖衣率35%を目標に糖衣をおこなった。ここで、それぞれの実施例、比較例における糖衣液物性は異なり、1回の操作における糖衣層形成量は実施例、比較例ごとに異なるため、一定の糖衣率を得るためには、操作の繰り返し回数は実施例、比較例ごとに異なるものとなった。
(糖衣工程II、室温送風条件)
以下の工程II−1〜II−5(工程II−2とII−3についてはそれぞれの実施例、比較例で指定した回数、表4−表7参照)を行い室温送風条件下糖衣を行った。
(工程II-1)
糖衣パンに芯材300gを投入し、30rpmで回転しながら糖衣液4gを添加し、引き続いて微粉マルチトール(若しくは微粉キシリトール)1gを添加し、1分無風で糖衣液を乾燥させた後、室温の風(22℃)を9分送風し、糖衣液を乾燥させる操作を5回繰り返した。
(工程II-2)
糖衣液4gを添加し、4分間無風で糖衣液を展延させた後、室温(22℃)の風を4分間送風し、糖衣液を乾燥させる操作を指定回数繰り返した。
(工程II-3)
糖衣液4gを添加し、6分間無風で糖衣液を展延させた後、室温(22℃)の風を2分間送風し糖衣液を乾燥させる操作を指定回数繰り返した。
(工程II-4)
糖衣パンの回転速度を12rpmに変え、糖衣液の添加量を1.5gとし、糖衣パンの回転を30秒停止した。その後、糖衣パンを1回転させた後5秒停止させる操作を5回繰り返したのち、開口部を湿らせたペーパータオルで覆い8分40秒回転させた。
(工程II-5)
糖衣錠を別の糖衣パンに移し、糖衣パンを30rpmで回転させ、カルナバワックスを糖衣錠の総重量に対し0.03%添加したのち30分回転させる操作を2回繰り返した。
また、実施例および比較例で得られた糖衣錠の評価は、糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度の各項目により行った。
ここで、本発明における糖衣速度とは、1分あたりの素錠への糖衣率であり、糖衣時間と糖衣率から算出した。
糖衣率とは素錠重量に対する糖衣層重量の百分率で、素錠および糖衣錠のそれぞれ10錠の重量を3回ずつ測定して算出する。
本発明における糖衣時間とは、糖衣工程開始から艶出し工程前まで(工程I−1から工程I−6まで、または工程II−1から工程II−4まで)に要した作業時間である。
本発明における75度光沢度とは、光沢度計(Gloss Meter VG2000(日本電色工業株式会社製))にて測定した値(JIS−Z8741−1983)である。5検体測定しその平均値を測定値とした。
(乳酸カルシウム+アラビアガムを用いたマルチトール糖衣、温風送風条件)
表1に示す糖衣液を用いて、表1の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品1)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表1に示す。
[比較例1]
(マルチトール糖衣 工程I−4(25回)、温風送風条件)
表1に示す糖衣液を用いて、表1の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品1)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表1に示す。本比較例においてのみ工程I−4について25回繰り返した。(本比較例以外の温風送風条件での実施例、比較例における工程I−4の繰り返し回数は2回。)
[比較例2]
(マルチトール糖衣 工程I−4(2回)、温風送風条件)
表1に示す糖衣液を用いて、表1の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品2)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表1に示す。
Figure 0006827945
比較品1に示すマルチトール糖衣においては錠剤表面を平滑にするために、工程(工程I−4)を25回繰り返す必要がある。一方、本発明に係る実施品1においては、錠剤表面を平滑にするための工程(工程I−4)を簡略化でき、糖衣時間の大幅な短縮がなされていたにもかかわらず、表面の平滑性の指標である75度光沢度については実施品1のほうが優れていた。実施品1と同じ製造方法で、乳酸カルシウムを用いない比較品2では糖衣時間も長く、75度光沢度も実施品に比べはるかに劣るものであった。このことから乳酸カルシウムを用いることにより、糖アルコールによる糖衣の時間短縮および光沢度の向上が認められた。
[比較例3]
(スクロース糖衣、温風送風条件)
表2に示す糖衣液を用いて、表2の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品3)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表2に示す。
[比較例4]
(乳酸カルシウムを用いたスクロース糖衣、温風送風条件)
表2に示す糖衣液を用いて、表2の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品4)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表2に示す。
Figure 0006827945
比較例3及び比較例4では乳酸カルシウムを用いることによるスクロース糖衣への影響を示しているが、乳酸カルシウムを用いた比較例4は乳酸カルシウムを用いない比較例3に比べ、平滑性の指標である75度光沢度は低下しており、さらに糖衣時間も長時間要していた。
スクロース糖衣液に乳酸カルシウムを用いることによりスクロース糖衣の改良を行った従来の技術は、スクロースに乳酸カルシウムを用いることにより、スクロースの微細結晶が生成することに基づいているものであり、乳酸カルシウムを用いることにより、マルチトールなどの糖アルコールの結晶化を促進する知見に基づいた本発明とは異なる技術的背景を有している。
したがって乳酸カルシウムをスクロース糖衣液に用いた場合に得られる効果と、マルチトールなどの糖アルコール糖衣液に用いた場合ではその効果は異なり、糖衣所要時間を短縮し、かつ平滑で実用上十分な強度の糖衣層を得るという本発明の効果とは異なることが明らかとなった。
(乳酸カルシウムを1重量%用いたマルチトール糖衣、温風送風条件)
表3に示す糖衣液を用いて、表3の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品2)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表3に示す。
(乳酸カルシウムを10重量%用いたマルチトール糖衣、温風送風条件)
表3に示す糖衣液を用いて、表3の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品3)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表3に示す。
[比較例5]
(乳酸カルシウムを0.5重量%用いたマルチトール糖衣、温風送風条件)
表3に示す糖衣液を用いて、表3の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程I(温風送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品5)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表3に示す。
Figure 0006827945
実施例2、実施例3における乳酸カルシウムの使用量はそれぞれ糖衣液の1重量%、10重量%であり、本発明を良好に実施することができた。乳酸カルシウムの使用量が10重量%の場合は、糖衣液の粘度は低く操作性に影響はなかった。また1重量%の場合は比較例5と比べ、十分な光沢度が認められた。
(乳酸カルシウム+アラビアガムを用いたマルチトール糖衣、室温送風条件)
表4に示す糖衣液を用いて、表4の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品4)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表4に示す。
[比較例6]
(一般的なマルチトール糖衣、室温送風条件)
表4に示す糖衣液を用いて、表4の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品6)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表4に示す。
Figure 0006827945
室温送風条件での糖衣は温風送風条件より糖衣層の形成に長時間要する。本発明に係る実施品4は、比較品6と比べ糖衣時間の短縮がなされていたにもかかわらず、表面の平滑性の指標である75度光沢度については実施品4のほうが優れていた。このことから乳酸カルシウムを用いることにより、糖アルコールによる糖衣の時間短縮および光沢度の向上が認められた。
(乳酸カルシウム+酸化デンプンを用いたマルチトール糖衣、室温送風条件)
表5に示す糖衣液を用いて、表5の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品5)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表5に示す。
[比較例7]
(酸化デンプンを用いたマルチトール糖衣、室温送風条件)
表5に示す糖衣液を用いて、表5の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品7)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表5に示す。
Figure 0006827945
糖衣層配合剤を酸化デンプンとした系においても、アラビアガムを用いた系と同様に乳酸カルシウムによる糖衣時間短縮および光沢度の向上が認められた。
(乳酸カルシウム+アラビアガムを用いたキシリトール糖衣、室温送風条件)
表6に示す糖衣液を用いて、表6の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品6)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表6に示す。
[比較例8]
(アラビアガムを用いたキシリトール糖衣、室温送風条件)
表6に示す糖衣液を用いて、表6の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品8)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表6に示す。
Figure 0006827945
キシリトールを糖衣層基材とした系においても、マルチトールを糖衣層基材とした系と同様に乳酸カルシウムによる糖衣時間短縮および光沢度の向上が認められた。
(乳酸カルシウム+酸化デンプンを用いたキシリトール糖衣、室温送風条件)
表7に示す糖衣液を用いて、表7の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(実施品7)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表7に示す。
[比較例9]
(酸化デンプンを用いたキシリトール糖衣、室温送風条件)
表7に示す糖衣液を用いて、表7の糖衣工程指定回数に指定した繰り返し回数で糖衣工程II(室温送風条件)を実施し、糖衣錠(比較品9)を得た。得られた糖衣錠の糖衣速度、糖衣時間、75度光沢度を表7に示す。
Figure 0006827945
キシリトールを糖衣層基材とした系においても、糖衣層配合剤の種類に関わらず、マルチトールを糖衣層基材とした系と同様に乳酸カルシウムによる糖衣時間短縮および光沢度の向上が認められた。

Claims (4)

  1. 乳酸カルシウムを用いたマルチトール糖衣の糖衣形成促進方法。
  2. マルチトール含有糖衣液に乳酸カルシウムを含有する、請求項1に記載の糖衣形成促進方法。
  3. 乳酸カルシウムの含有量がマルチトール含有糖衣液の1〜10重量%である、請求項1または2に記載の糖衣形成促進方法。
  4. 乳酸カルシウムを含有するマルチトール糖衣形成促進用組成物。
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