JP6822614B1 - 製パン用可塑性油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、低飽和脂肪酸含量、かつ低トランス酸含量でありながら、製造時の充填適性、生地への良好な練り込み適性を有する製パン用可塑性油脂組成物、及び当該可塑性油脂組成物を用いたパンの製造方法を提供することとした。構成脂肪酸中の炭素数20以上の飽和脂肪酸含量を制限しつつ、低トランス酸含量、かつ低飽和脂肪酸含量であるにも関わらず、SOS含量(なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、O: オレイン酸)を規定量含有することにより、特殊な製造条件に変更する事なく、パン生地への良好な練り込み適性を有する製パン用可塑性油脂組成物を調製できる。また、当該可塑性油脂組成物を用いることにより、内相のキメが細かく良好なボリュームのパンを調製できる。

Description

本発明は、低飽和脂肪酸含量、かつ低トランス酸含量の製パン用可塑性油脂組成物に関する。
従来、可塑性油脂組成物には、部分水素添加油脂が利用されてきた。しかし、部分水素添加油脂の製造工程中で生成するトランス脂肪酸含む油脂の摂取による健康被害が懸念されている。トランス脂肪酸残基を含む油脂の過剰摂取は、心筋梗塞などの冠動脈心疾患の危険因子となることから、多くの国がトランス脂肪酸の表示規制とトランス脂肪酸残基を多く含む部分水素添加油脂の使用規制を設けている。日本では、使用制限は設けられていないものの消費者の関心は高まっており、製菓、製パンメーカーからの部分硬化油を使用しない油脂組成物の要望が増加している。
また、飽和脂肪酸を多く含む油脂の摂取量が過剰である場合には、高脂血症や肥満につながる脂肪の体内蓄積を引き起こすリスクが指摘されている。それゆえ、消費者の安全、安心、嗜好性のニーズに対しては十分に応えられておらず、飽和脂肪酸の低減も強く望まれている。理論上では、油脂種の選択により飽和脂肪酸含量を低減した油脂組成物を得ることは可能であるが、飽和脂肪酸含量を低くしようとすればする程、多量の液状油を含有しなければならなくなってしまう。しかし、この油脂組成物でショートニング、マーガリンを製造したとしても良好な可塑性が得られず、練り込み適性を満足させることができていなかった。
このような状況下、例えば、特許文献1では、構成脂肪酸としてC20以上の飽和脂肪酸が5%以上である高融点油脂であるハイエルシン菜種の極度硬化油等を3〜50%配合することを特徴としている油脂組成物が開示されている。また、特許文献2では、冷却可塑化終了時の未だ流動性を有している状態の油脂組成物1に、油相の融点が油脂組成物1より低い油脂組成物2を、溶解した状態で添加、混合後、さらに冷却することによる、密閉型連続式掻き取りチューブ式冷却機を用いた可塑性油脂組成物の製造方法が開示されている。
特開2001−139983号公報 特開2010−106170号公報
本発明が解決しようとする課題は、低飽和脂肪酸含量、かつ低トランス酸含量でありながら、製造時の充填適性、及びパン生地への良好な練り込み適性を有する可塑性油脂組成物、及び当該可塑性油脂組成物を用いたパンの製造方法を提供することとした。
本発明者は、上記課題の解決に向け鋭意検討を行った。
特許文献1の油脂組成物では、飽和脂肪酸含量が35%以下であり、実質的にトランス脂肪酸を含まない、好適な可塑性を有すると記載されている。しかし、極度硬化油は、硬化という工程が消費者にネガティブなイメージを与えることに加え、ほぼすべての構成脂肪酸が飽和脂肪酸となるため、少量の配合でもパン、菓子の口溶けが損なわれる傾向があった。また、特許文献2の製造方法では、飽和脂肪酸の割合が25〜33質量%であるものの、通常の可塑性油脂の製造方法とは異なるために、実際の製造は煩雑であった。そもそも、特許文献1〜2に開示された油脂組成物等では、従来品に比べればトランス脂肪酸および飽和脂肪酸が低減化されてはいるものの、さらなる低減化の余地があった。
本発明者は引き続き検討を行ったところ、炭素数20以上の飽和脂肪酸含量を制限しつつ、低トランス酸含量、かつ低飽和脂肪酸含量であるにも関わらず、SOS含量(なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、O: オレイン酸)を規定量含有することにより、特殊な製造条件に変更する事なく、パン生地への良好な練り込み適性を有する可塑性油脂組成物を調製できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)下記(i)〜(vi)の条件をすべて満たすことを特徴とする、製パン用可塑性油脂組成物、
(i)構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が15.0〜21.0重量%、
(ii)構成脂肪酸中のトランス酸含量が1.0重量%未満、
(iii)構成脂肪酸中の炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が2.0重量%未満、
(iv)構成脂肪酸中のパルミチン酸/ステアリン酸の重量比が2.0未満、
(v)構成トリグリセリド組成におけるSOS含量が15.0重量%未満、
なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、O: オレイン酸を意味する。
(vi)下式で計算される10℃での硬さ(R値)が100〜3,000、
R=T/SAT × 10
なお、T: gfで表される食品の硬度、
SAT: 重量%で表される飽和脂肪酸含量を意味する。
(2)さらに、下記(vii)〜(ix)の条件を満たす、請求項1記載の製パン用可塑性油脂組成物、
(vii)極度硬化油を使用せず、
(viii)構成トリグリセリド組成におけるトリパルミチン酸含量が3.0重量%未満、
(ix)構成トリグリセリド組成におけるSOS含量が6.0重量%以上、
なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、O: オレイン酸を意味する。
(3)(1)又は(2)に記載の製パン用可塑性油脂組成物を使用した、パンの製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が非常に低いにも関わらず、製造時の充填適性、及びパン生地への良好な練り込み適性を有する可塑性油脂組成物を提供することができる。また、当該可塑性油脂組成物を用いることにより、内相のキメが細かく良好なボリュームのパンを提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、製パン用可塑性油脂組成物に関するものである。本発明でいうパンとは、コッペパン、食パン、菓子パン、ロール類(テーブルロール、バターロール、バンズ等)、バラエティーブレッド(レーズンパン、胚芽パン等)、ブリオッシュなどを例示する事ができる。可塑性油脂組成物の添加量は、対小麦粉100部に対して3〜25部程度で、生地に練り込んで使用するのが一般的である。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が15.0〜21.0重量%である。より好ましくは飽和脂肪酸含量が16.0〜20.5重量%であり、さらに好ましくは17.0〜20.0重量%である。なお、本発明において飽和脂肪酸とは、炭素数12以上の飽和脂肪酸であるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸を示す。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸中のトランス酸含量が1.0重量%未満である。より好ましくは構成脂肪酸のトランス酸含量が0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸中の炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が2.0重量%未満である。より好ましくは炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が1.5重量%以下であり、さらに好ましくは1.0重量%以下である。炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が2.0重量%以上である場合には、均一な組織とならないことがある。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸中の炭素数12以下の飽和脂肪酸含量が2.0重量%未満であることが好ましい。より好ましくは炭素数12以下の飽和脂肪酸含量が1.5重量%以下であり、さらに好ましくは1.0重量%以下である。炭素数12以下の飽和脂肪酸含量が2.0重量%以上である場合には、均一な組織とならないことがある。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成脂肪酸中のパルミチン酸/ステアリン酸の重量比(P/St)が2.0未満である。より好ましくは構成脂肪酸中のパルミチン酸/ステアリン酸の重量比が1.8重量%以下であり、さらに好ましくは1.6重量%以下である。構成脂肪酸中のパルミチン酸/ステアリン酸の重量比(P/St)が2.0以上である場合には、グレーニングを生じることがある。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成トリグリセリド組成におけるSOS含量が15.0重量%未満である。本発明においてSOSとは、POP、POSt、StOStの総和であり、より好ましくはSOS含量が6.0重量%以上、さらに好ましくは8.5重量%以上である。SOS含量が15.0重量%以上である場合には、グレーニングを生じることがある。なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、P: パルミチン酸、St: ステアリン酸、O: オレイン酸を意味する。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、下式で計算される10℃での硬さ(R値)が100〜 3,000gf であり、より好ましくは120 〜2,500gf、さらに好ましくは140 〜2,000gfである。
R=T/SAT× 10
なお、T: gfで表される食品の硬度であり、「RHEONERII」((株)山電製)を使用し、直径30mmの円板状(底面積:7.065cm、厚さ:8mm)のプランジャーを5cm/minの速度で測定した最大応力、
SAT: 重量%で表される飽和脂肪酸含量を意味する。
得られた可塑性油脂組成物は、まず一辺が5±1cmの立方体に切断し、10℃のインキュベーターへ入れ、24時間経過後に測定した。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、極度硬化油を使用しないことが好ましい。なお、本発明において極度硬化油とは、ヨウ素価を4以下になるまで硬化した油脂とする。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成トリグリセリド組成におけるトリパルミチン酸 (PPP)含量が3.0重量%未満であることが好ましい。より好ましくはPPP含量が2.7重量%未満であり、さらに好ましくは2.4重量%未満である。なお、P: パルミチン酸を意味する。
また、本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、構成トリグリセリド組成におけるトリ飽和脂肪酸グリセリド含量が前記トリパルミチン酸含量を含んで4.0重量%未満であることが好ましい。より好ましくはトリ飽和脂肪酸グリセリド含量が3.7重量%未満であり、さらに好ましくは3.4重量%未満である。なお、P: パルミチン酸を意味する。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物には、発明の効果が損なわれない範囲で、各種の油脂を使用することができる。具体的には、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、パーム油、菜種油、エゴマ油、カカオ脂、シア脂等の各種の植物性油脂及びそれらの分別油、エステル交換油等が例示できる。より好ましくは、上昇融点が10℃以下である液状植物油脂とSOS成分を含有する油脂を含有する。上昇融点が10℃以下である液状植物油脂としては、飽和脂肪酸含量が10重量%未満である、キャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックひまわり油、エゴマ油等を例示することができる。また、SOS成分を含有とする油脂しては、シア分別高融点部、サル分別高融点部、アランブラッキア分別高融点部、ココアバター分別高融点部、イリッペ分別高融点部、パーム分別油等を例示することができる。そのため、本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、3種類以上の油脂による調合油となる場合もある。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、上昇融点が10℃以下である液状植物油脂の比率が70〜90で調合することが好ましく、より好ましくは75〜85である。また、上昇融点が10℃以下である液状植物油脂が、2種類以上の油脂の調合油であっても構わない。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物は、必要に応じて乳化剤を添加しても良いが、消費者の健康志向を考慮して添加しない方が好ましい。乳化剤としては蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよび酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチンなどが挙げられる。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物において、上記の原料、添加物の他に、所望により、色素、抗酸化剤、香料などの油溶性成分を使用することができる。
本発明の製パン用可塑性油脂組成物の製造法については特に限定されないが、常法通り融解した油脂を混合攪拌し、パーフェクター、ボテーター、コンビネーターなどで急冷捏和することにより製造することができる。また、作業性を改善するために窒素ガスなどの不活性ガスを入れて製造することができる。
以下に本発明の実施例を示し、より詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。
パン練り込み用油脂組成物について、油脂中の脂肪酸、トリグリセリドの分析は液体クロマトグラフィー、及びガスクロマトグラフィーを用いて行った。また、トランス型不飽和脂肪酸は、AOCS Official Method Ce 1h−05の方法に準じて測定した。
ハイオレイックひまわり油(ヨウ素価: 83.3、飽和脂肪酸含量: 8.0重量%)81.0重量部とシアステアリン(ヨウ素価: 36.1、飽和脂肪酸: 65.1重量%)19.0重量部とを調合し、ホモミキサーにて混合しながら氷冷することにより実施例1の可塑性油脂組成物を得た。得られた可塑性油脂組成物は、ケースに充填し、5℃で5日間に保存後に各評価を行った。
なお、実施例で使用した油脂は常法に従い、すべて精製したものを完全融解して使用し、得られた調合油について脂肪酸、トリグリセリド組成を測定した結果を下表1にまとめた。
ハイオレイックひまわり油80.5重量部、パームソフトステアリン(ヨウ素価:38.7、飽和脂肪酸: 62.9重量%)11.0重量部とシアステアリン8.5重量部との調合油に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の可塑性油脂組成物を得た。ここで、パームソフトステアリンとは、パーム油を1段分別して得られるパームステアリンを更に分別した低融点部であり、高融点部はパームハードステアリンである。
ハイオレイックひまわり油80.5重量部、パームソフトステアリン8.5重量部とシアステアリン11.0重量部との調合油に代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の可塑性油脂組成物を得た。
ハイオレイックひまわり油86.5重量部とパームハードステアリン(ヨウ素価:11.4、飽和脂肪酸: 89.3重量%)13.5重量部との調合油に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の可塑性油脂組成物を得た。
ハイオレイックひまわり油84.0重量部、パームハードステアリン7.5重量部とシアステアリン8.5重量部との調合油に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の可塑性油脂組成物を得た。
ハイオレイックひまわり油81.0重量部とシアステアリンのランダムエステル交換油(ヨウ素価: 36.1、飽和脂肪酸: 65.1重量%)19.0重量部との調合油に代えた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の可塑性油脂組成物を得た。ここで、シアステアリンのランダムエステル交換油は、シアステアリンを、ナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行なうことにより得た。
参考例1として、一般的なショートニングであるパンパスパーミーBBLT30(不二製油株式会社製、ヨウ素価: 53.2、飽和脂肪酸: 49.7重量%)を使用した。
参考例2としては、オリーブオイル(ヨウ素価: 81.0、飽和脂肪酸: 14.5重量%)100.0重量部を使用した。
表1 配合
Figure 0006822614
次に、得られた可塑性油脂組成物を使用し、下表2のパン配合に従い、「パンの製造方法」、及び表3の製造条件で可塑性油脂組成物をパン生地に練り込み、焼成することによりコッペパンを調製した。
表2 パン生地の配合
Figure 0006822614
「パンの製造方法」
1.表2のパン配合において、まず可塑性油脂組成物以外の原料を下表3に記載の条件で練り上げた(ミキシング1)。
2.次に、各可塑性油脂組成物を添加して、更に練り上げた(ミキシング2)。
3.28℃、湿度75%の庫内にて60分間発酵させた後、75gずつに分割し、15分間ベンチタイムをとった。
4.コッペ状に成形し、38℃、湿度80%の庫内で60分間発酵させたパン生地を、上火220℃、下火190℃のオーブンで12分間焼成することによりコッペパンを得た。
表3 パンの製造方法
Figure 0006822614
※ミキシング1は可塑性油脂組成物添加前、ミキシング2は可塑性油脂組成物添加後。
「可塑性油脂組成物の評価方法」
表1の配合で調製した可塑性油脂組成物の10℃での硬さ(測定値及びR値)を下表4にまとめた。また、充填時の組織、練り込み適性について下記の評価基準に基づき、製パン素材の開発に従事し、日々、パンの試作を行っているパネラー5名により、1〜5の評点を合議にて決定した。この際、それぞれの評点が3点以上を合格とした。
充填品の組織)
5: グレーニングが無く、均一な組織でツヤもある。
4: グレーニングが無く、均一な組織だが、ツヤがない。
3: 均一な組織だが、少し組織が粗い。
2: 少しオイルオフが生じる。
1: オイルオフが生じ、液状。
練り込み適性)
5: 適度な硬さ、コシが有り、短時間で均一に練り込まれる。
4: 少し時間はかかるが、均一に練り込まれる。
3: 時間はかかるが、均一に練り込まれる。
2: 軟らかすぎて、均一に練り込まれない。
1: 液状のため、練り込まれない。
表4 可塑性油脂組成物の評価
Figure 0006822614
「コッペパンの評価方法」
表2の配合で焼成したコッペパンは、室温にて30分放置して、荒熱をとったあと、ポリエチレン袋に包装した。20℃で24時間保存した後、可塑性油脂組成物の際と同じパネラー5名により、ボリューム、内相の評価基準に基づき、1〜5の評点を合議にて決定した。この際、それぞれの評点が3点以上を合格とした。なお、比較例1〜3、及び参考例2は練り込み適性が劣るため、パン生地の調製までは行なったが、焼成はしなかった。
ボリューム)
5: 優れる。
4: やや優れる。
3: 通常。
2: やや劣る。
1: 明らかに劣る。
内相状態)
5: 気泡が均一で非常にキメの細かい
4: 比較的気泡が均一でキメが細かい
3: 通常程度
2: 内相のキメが粗い
1: 気泡が不均一でキメの粗い
表5 コッペパンの評価
Figure 0006822614
考察
比較例の可塑性油脂組成物は、充填品の組織が粗く、練り込み油脂として適正不足であった。一方、実施例として試作した可塑性油脂組成物は、全てグレーニングがなく、練り込み油脂として適正なものだった。また、液状の油脂を多用するパン製造において、製パン性を阻害すると知られている中、液状の油脂を多用しても良好なボリュームのパンが得られた。

Claims (3)

  1. 下記(i)〜(vi)の条件をすべて満たすことを特徴とする、製パン用可塑性油脂組成物。
    (i)構成脂肪酸中の飽和脂肪酸含量が15.0〜21.0重量%、
    (ii)構成脂肪酸中のトランス酸含量が1.0重量%未満、
    (iii)構成脂肪酸中の炭素数20以上の飽和脂肪酸含量が2.0重量%未満、
    (iv)構成脂肪酸中のパルミチン酸/ステアリン酸の重量比が2.0未満、
    (v)構成トリグリセリド組成におけるSOS含量が8.5重量%以上15.0重量%未満、
    なお、S: 炭素数が16〜18の飽和脂肪酸、O: オレイン酸を意味する。
    (vi)下式で計算される10℃での硬さ(R値)が100〜3,000、
    R=T/SAT × 10
    なお、T: gfで表される食品の硬度、SAT: 重量%で表される飽和脂肪酸含量を意味する。
  2. さらに、下記(vii)〜(ix)の条件を満たす、請求項1記載の製パン用可塑性油脂組成物。
    (vii)極度硬化油を使用せず、
    (viii)構成トリグリセリド組成におけるトリパルミチン酸含量が3.0重量%未満、
    (ix)エステル交換油脂を配合しない、
  3. 請求項1または2に記載の製パン用可塑性油脂組成物を使用した、パンの製造方法。
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