JP5114925B2 - パン練り込み用油脂組成物 - Google Patents
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Description
中でもパンをソフトにする機能は重要で、このソフト化に対して、液状の油脂を高い割合で使用するほど効果が大きくなる事が知られている。 しかし液状の油脂は元来可塑性が無く、表面張力を有するので、割合が増えるほどパン生地中で薄膜状に広がらず、練り込み油脂としての機能を発揮する事が出来ないと非特許文献1のp107〜p108に示されている。換言すればパン生地中で液状の油脂は、油滴で存在しやすく、グルテン膜の形成を阻害し、伸展性に乏しく、ガス保持力の弱い生地にする作用を呈する。
そこで、パン練り込み用油脂は、非特許文献1のp104に示されるように、古くより添加された油脂が、パン生地の成型発酵工程中で固形である事が有効に働く為の必要条件であるとして、具体的にパンを作る使用温度に於ける固体脂指数が10〜30程度であり、油脂中の固体脂が約10〜30%が良いとしている。一般的には液状の油脂と硬化させた油脂を併用して使用し、安定した可塑性を有する油脂組成物をパン練り込み用油脂としてきた。
又、近年、油脂中のトランス型不飽和脂肪酸は取りすぎると動脈硬化などの心臓病になるリスクを高めるとの研究結果が得られ、欧米諸国では消費者に注意を喚起している。例えば、米国では製品ラベルにトランス型不飽和脂肪酸の含有量を表示する義務を2006年1月より実施しているし、デンマークでは更にトランス型不飽和脂肪酸を2%以上含む加工油脂の販売を禁止している。
日本では従来よりトランス型不飽和脂肪酸の摂取量が欧米より低い為、現時点では特に健康上の問題となることは無いとの見方であるが、それでもよりトランス型不飽和脂肪酸の低い油脂が要望されている。
これらの課題に対して、特許文献1では、液体油に25℃でのSFCが10以上になるように固体脂を併用させ、更にはジアセル酒石酸モノグリセリドを含有させて効果の向上を図ろうとなされている。 しかしながら、SFCが10以下である場合、つまり、固体脂の割合を減らすと製パン性に劣っていた。
特許文献2では、25℃でのSFCが3以下とし、ジアセル酒石酸モルグリセリドを含有させ、30〜55℃の高温で温調して使用することを特徴としており、乳化剤によってパンのソフトさを出すものであり、製パン作業性が悪かった。
特許文献3では、90〜98部の液性油、0.5〜5部の硬化された植物脂肪、0.5〜2部のレシチン、0.1〜2.5部の冷却ゲル化増粘剤を含むベーカリー脂肪組成物であるが、果物片を混合させたケーキバッターにおける果物片の底落ち防止に関するものであり、パンではなかった。以上のように、油脂本来の機能を追及したというより、乳化剤の使い方やハンドリングに着眼を置いたり、パンに関するものでないものであった。
即ち本発明の第1は、20℃で液状の油脂及びSSS型トリグリセリドのP/St(Pは炭素数16の飽和脂肪酸であり、Stは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸の総和である。)値が0.5以上であるパームステアリンからなり、20℃で液状の油脂を80重量%以上含み且つ前記パームステアリン由来のSSS型トリグリセリドを0.5 〜5重量%含むものであって、トランス型不飽和脂肪酸が5.0重量%未満である油脂組成物を使用し、乳化剤として卵黄レシチン、大豆レシチン及びリゾレシチンの中から1種または2種以上を選択して使用してなる、パン練り込み用の水中油型乳化物である。第2は、油脂分30〜75重量%である、第1記載のパン練り込み用の水中油型乳化物である。第3は、20℃で液状の油脂及びSSS型トリグリセリドのP/St(Pは炭素数16の飽和脂肪酸であり、Stは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸の総和である。)値が0.5以上であるパームステアリンからなり、20℃で液状の油脂を80重量%以上含み且つ前記パームステアリン由来のSSS型トリグリセリドを0.5 〜5重量%含むものであって、トランス型不飽和脂肪酸が5.0重量%未満である油脂組成物を使用し、乳化剤として卵黄レシチン、大豆レシチン及びリゾレシチンの中から1種または2種以上を選択して使用して水中油型乳化物に調製し、当該水中油型乳化物とパン生地とを混合しその後発酵するパンの製造法である。
本発明の20℃で液状の油脂とは、80℃で完全に融解し、100g容のビーカーに50g分取し、20℃に24時間静置した後、目視による観察で液体状態の油脂である。具体的には大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム低融点画分油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、好ましくは大豆油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、菜種油が好ましい。20℃で液状の油脂を75重量%以上、好ましくは80重量%以上含むのが好ましい。下限未満の場合はパンの口溶けが悪くなる。
ここでSSS型トリグリセリド中のSは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸残基を意味する。
ラウリン系油脂としては、例えばヤシ油、パーム核油、又はババス油が例示でき、本発明のSSS型トリグリセリドを含む油脂の供給源としては使用することは出来ない。
本発明のパン練り込み用油脂組成物においてはSSS型トリグリセリド中のP/St(Pは炭素数16の飽和脂肪酸であり、Stは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸の総和である。)の値がパンの口どけ感と相関があって、P/Stが高いのがパンの口どけ感が良いので好ましく0.1以上であり、更に好ましくは0.3以上であり、最も好ましくは0.5以上である。
ここで得られたパン練り込み用油脂組成物は、流動状を呈しているので、従来の液状の油脂のように、パン生地に練り込んだ際パン生地中で油滴で存在しグルテン膜の形成を阻害するような現象は起こり難い。これはSSS型トリグリセリドが含まれる事によって、塑性を生じパン生地中で薄膜状に広がりやすくなり、グルテン形成を成すと推察している。
中種製法では、パン生地の最終配合の原料、例えば、小麦粉、水、イースト及びイーストフードの其々を10割とした場合、小麦粉を3割から10割、水を2割から10割、イーストを1割から10割、イーストフードを3割から10割を最初に混合して中種生地を作成し、3℃から27℃の環境下で十分発酵させ、所定の時間が経過した後、本発明のパン練り込み用油脂組成物を始め、残りの原料を混合してパン生地と成していく方法である。
ストレート製法では、本発明のパン練り込み用油脂組成物を含むパン生地配合中の全ての原料を混合してパン生地と成していく方法である。
液種製法では、パン生地の最終配合の原料を其々10割とした場合、小麦粉を最大2割まで、水を3割から8割、イーストを0.1割から5割、イーストフード3割から10割を最初に混合して液種生地を作成し、3℃から27℃の環境下で発酵させ、所定の時間が経過した後、本発明のパン練り込み用油脂組成物を始め、残りの原料を混合してパン生地と成していく方法である。
一旦温調しパン生地に混合させる場合は、本発明のパン練り込み用油脂組成物を30℃〜50℃にコントロールするのが好ましい。これは温調が低い場合は、結晶析出が不均一になって分離してしまい均一混合に支障が出てしまう。逆に高すぎる場合は、熱によりパン生地は変性してしまい、更にはイースト菌の死滅まで招いてしまう恐れがある。
更に好ましくは、油脂が分散された水中油型乳化物として利用するのが好ましい。これは水中油型乳化物は元来パン生地への分散性に優れ、グルテン形成に支障をきたさないからである。ちなみに広く普及している可塑性油脂は、パン生地ミキシングの始めから添加すると、グルテンの表面を覆ってしまい、グルテンの水和を妨害し生地の形成を遅らせてしまう事から、添加のタイミングは生地が吸水しグルテンの結合が進んだ段階で行なわれており(非特許文献1 p107)、作業の煩雑さがある事が知られている。
蛋白質分が水中油型乳化物中、0.5〜15重量%であり、好ましくは1〜10重量%であり、最も好ましくは1〜7重量%含まれるのが良い。蛋白質が少ないと、安定な乳化物が得られず、又、多すぎると水中油型乳化物の粘度が高く調合が困難であるか、調合が出来たとしても安定な乳化物を得るのが難しくなる。
水中油型乳化物中の油脂分は、30〜75重量%が好ましく、健康志向を反映させて卵黄レシチンや大豆レシチン、リゾレシチンのような天然から採取される天然乳化剤を使用する場合は、30〜60重量%の油脂分が好ましい。しかし、合成乳化剤を使用する場合は75重量%の油脂分も可能である。水分量は、流動性を保つ為に必要な量存在すればよく、水分の量が増えると容器費や輸送費に無駄な経費を要するので極力少なくすることが望ましい。本発明に於いては水分量は20〜55重量%が好ましい。
中種製法では、パン生地の最終配合の原料、例えば、小麦粉、水、イースト及びイーストフードの其々を10割とした場合、小麦粉を3割から10割、水を2割から10割、イーストを1割から10割、イーストフードを3割から10割を最初に混合して、3℃から27℃の環境下で十分発酵させ、所定の時間が経過した後、本発明の水中油型乳化物を始め、残りの原料を混合してパン生地を調製していく方法である。
ストレート製法では、本発明の水中油型乳化物を含むパン生地中の全ての原料を混合してパン生地を調製していく方法である。
液種製法では、パン生地の最終配合の原料を其々10割とした場合、小麦粉を最大2割まで、水を3割から8割、イーストを0.1割から5割、イーストフード3割から10割を最初に混合し、3℃から27℃の環境下で発酵させ、所定の時間が経過した後、本発明の水中油型乳化物を始め、残りの原料を混合してパン生地を調製していく方法である。
パン練り込み用油脂組成物、パン練り込み用の水中油型乳化物の調製に際して使用した油脂について、油脂中のSSS型トリグリセリド量、SSS型トリグリセリド中のP/St値を表1に纏めた。分析は液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーを用いた。又、トランス型不飽和脂肪酸は、2005年にアプルーブされたAOCS Official Method Ce 1h−05の方法に準じて測定した。これらの結果も表1に纏めた。
各項目において極めて優れたものを(◎)、優れたものを(○)、やや劣るものを(△)、明らかに劣るものを(×)と評価した。
菜種油93.3部と、よう素価が42.5のパームステアリンで油脂中のSSS型トリグリセリドが22%含有している油脂6.7部を65℃以上で融解混合し、その後室温で徐冷し実験例1に基づく油脂組成物イ(SSS型トリグリセリド量:1.5重量%、トランス型不飽和脂肪酸:1.8重量%)を得た。
菜種油88.8部と、よう素価が42.5のパームステアリンで油脂中のSSS型トリグリセリドが22%含有している油脂11.2部を65℃以上で融解混合し、その後室温で徐冷し実験例2に基づく油脂組成物ロ(SSS型トリグリセリド量:2.5重量%、トランス型不飽和脂肪酸:1.8重量%)を得た。
菜種油98.9部、極度硬化菜種油1.1部を65℃以上で融解混合し、その後室温で徐冷し実験例3に基づく油脂組成物ハ(SSS型トリグリセリド量:1.1重量%、トランス型不飽和脂肪酸:1.8重量%)を得た。
ストレート製法の常法に従い、実験例1に基づく油脂組成物イを30℃に温調し均一に混合させ、それを配合させたコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表2に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部、イーストフード0.1部、イースト4.0部、水54.0部、油脂組成物イを8.4部加えて縦型ミキサーで低速5分、中速12分、高速1分ミキシングを行った。
発酵:60分 その後70gで分割した。
ベンチタイム:20分を取り、成型を行い速やかに天板に並べた。
ホイロ温度、湿度、時間:35℃ 70% 60分
焼成温度、時間:200℃ 11分焼成、放冷後包装をしコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表3に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例2に基づく油脂組成物ロを30℃に温調し均一に混合させ、それを配合させたコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表2に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部、イーストフード0.1部、イースト4.0部、水62.0部、油脂組成物ロを8.4部加えて、実施例1と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表3に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例3に基づく油脂組成物ハを30℃に温調し均一に混合させ、それを配合させたコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表2に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部、イーストフード0.1部、イースト4.0部、水62.0部、油脂組成物ハを8.4部加えて、実施例1と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表3に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、菜種油を配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表2に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部、イーストフード0.1部、イースト4.0部、水62.0部、菜種油を8.4部加えて、実施例1と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表3に纏めた。
実施例3によって作られたパン生地は、実施例1、2によって得られた生地よりベタツキが強い生地質で、得られたコッペパンはボリュームは優れているものの、バサツキ感が強く食感のソフトさ、口溶けでやや劣る結果となった。
一方、比較例1によって作られたパン生地は餅様のベッタリしたベタツキが有り、膜伸びが弱くもろく裂ける生地質で、得られたコッペパンはボリュームが全く無く、食感は硬く団子状で食感のソフトさ、口溶けで明らかに劣るものであった。
実験例1に基づく油脂組成物イを44.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え、65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌を行った。 その後、ホモゲナイザーで40Kg/cm2の均質化圧力をかけ、直ちに5℃に冷却した。 冷却後約24時間エージングして、水中油型乳化物Aを得た
実験例2に基づく油脂組成物ロを44.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え実験例4と同様な処理を行い、実験例5に基づく水中油型乳化物Bを得た。
菜種油77.5部と、ヨウ素価が42.5のパームステアリンで油脂中のSSS型トリグリセリドが22重量%含有している油脂22.5部を融解混合し実験1と同様に処理し油脂組成物(SSS型トリグリセリド量:4.9重量%、トランス型不飽和脂肪酸:1.8重量%)を得た。この油脂組成物を44.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え実験例4と同様な処理を行い、実験例6に基づく水中油型乳化物Cを得た。
菜種油44.0部、極度硬化パーム油0.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え、実験例4と同様な処理を行い、実験例7に基づく水中油型乳化物Dを得た。
菜種油44.0部、極度硬化菜種油0.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え、実験例4と同様な処理を行い、実験例8に基づく水中油型乳化物Eを得た。
菜種油44.0部、極度硬化パーム核油0.5部、卵黄レシチン0.5部を融解混合し油相とする。 次に脱脂粉乳4.0部、水51.0部を加え、実験例4と同様な処理を行い、比較実験例1に基づく水中油型乳化物Fを得た。
ストレート製法の常法に従い、実験例4で得られた水中油型乳化物Aをそのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
ミキシング:強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部、イーストフード0.1部、イースト4.0部、水54.0部、水中油型乳化物Aを18.7部加えて縦型ミキサーで低速5分、中速12分、高速1分ミキシングを行った。
発酵:60分 その後70gで分割した。
ベンチタイム:20分を取り、成型を行い速やかに天板に並べた。
ホイロ温度、湿度、時間:35℃ 70% 60分
焼成温度、時間:200℃ 11分焼成、放冷後包装をしコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例5で得られた水中油型乳化物Bをそのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
実験例5の水中油型乳化物Bを加える以外は、実施例4と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例6で得られた水中油型乳化物Cをそのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
実験例6の水中油型乳化物Cを加える以外は、実施例4と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例7で得られた水中油型乳化物Dをそのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
実験例7の水中油型乳化物Dを加える以外は、実施例4と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、実験例8で得られた水中油型乳化物Eを、そのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
実験例8の水中油型乳化物Eを加える以外は、実施例4と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
ストレート製法の常法に従い、比較実験例1の水中油型乳化物Fを、そのまま配合したコッペパンを製造した。
1.パン生地配合割合は表4に示した。
2.製造条件
比較実験例の水中油型乳化物Fを加える以外は、実施例4と同様の処理をしてコッペパンを得た。そのコッペパンの製パン作業性の評価、目視によるパンボリューム評価と、官能評価による食感のソフトさ、口溶けの良さの評価を表5に纏めた。
実施例6によって作られたパン生地は、薄く膜伸びしベタツキの少ない滑らかな伸展性を有した良好な生地質であり、得られたコッペパンはボリュームに極めて優れ、食感はソフトでフンワリしていたものの、口溶けにおいてはやや劣るものであった。これはSSS型トリグリセライドの割合が多すぎる事による、口溶け感の低下であった。
実施例7によって作られたパン生地は、薄く膜伸びするもののベタツキが多い生地質で、得られたコッペパンはボリュームでは極めて優れているものの、食感のソフトさ、口溶けに於いては実施例4、実施例5、実施例6で得られたコッペパンに比べ及ばないものあった。
実施例8によって作られたパン生地は、薄く膜伸びするもののベタツキが多い生地質で、得られたコッペパンはボリュームでは極めて優れているものの、食感のソフトさ、口溶けに於いては実施例4、実施例5で得られたコッペパンに比べやや劣るものであった。
一方、比較例2によって作られたパン生地は、餅様のベッタリしたベタツキが有り、膜伸びが弱くもろく裂ける生地質で、得られたコッペパンはボリュームが全く無く、食感は硬く団子状で食感のソフトさ、口溶けで明らかに劣るものであった。
Claims (3)
- 20℃で液状の油脂及びSSS型トリグリセリドのP/St(Pは炭素数16の飽和脂肪酸であり、Stは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸の総和である。)値が0.5以上であるパームステアリンからなり、20℃で液状の油脂を80重量%以上含み且つ前記パームステアリン由来のSSS型トリグリセリドを0.5 〜5重量%含むものであって、トランス型不飽和脂肪酸が5.0重量%未満である油脂組成物を使用し、乳化剤として卵黄レシチン、大豆レシチン及びリゾレシチンの中から1種または2種以上を選択して使用してなる、パン練り込み用の水中油型乳化物。
- 油脂分30〜75重量%である、請求項1記載のパン練り込み用の水中油型乳化物。
- 20℃で液状の油脂及びSSS型トリグリセリドのP/St(Pは炭素数16の飽和脂肪酸であり、Stは炭素数14、16、18、20、22、24の飽和脂肪酸の総和である。)値が0.5以上であるパームステアリンからなり、20℃で液状の油脂を80重量%以上含み且つ前記パームステアリン由来のSSS型トリグリセリドを0.5 〜5重量%含むものであって、トランス型不飽和脂肪酸が5.0重量%未満である油脂組成物を使用し、乳化剤として卵黄レシチン、大豆レシチン及びリゾレシチンの中から1種または2種以上を選択して使用して水中油型乳化物に調製し、当該水中油型乳化物とパン生地とを混合しその後発酵するパンの製造法。
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