JP6813384B2 - 樹脂組成物、硬化物の製造方法、硬化物、フレキシブル基板、及びフレキシブルディスプレイ - Google Patents

樹脂組成物、硬化物の製造方法、硬化物、フレキシブル基板、及びフレキシブルディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブル基板ないしフレキシブルディスプレイに好適な樹脂組成物、硬化物の製造方法及び硬化物に関する。
ポリイミド樹脂は、優れた耐熱性、機械的強度、及び絶縁性や、低誘電率等の特性を有するため、種々の素子や、多層配線基板等の電子基板のような電気・電子部品において、絶縁材や保護材として広く使用されている。
例えば、特許文献1には、太陽電池基板に好適なポリイミド樹脂膜が記載されている。
また、ポリイミド樹脂膜は屈曲性に優れ、フレキシブル基板ないしフレキシブルディスプレイに好適である。
ポリイミド樹脂膜をフレキシブル基板ないしフレキシブルディスプレイに適用する場合、屈曲性のみならず、高度の透過率、及び表面平滑性が要求されている。
国際公開第2013/147009号
特許文献1に記載の調製例2−2においては、ポリイミド前駆体溶液として、重量平均分子量が約15万の酢酸セルロースを含ませる系が開示されている。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、ポリイミドの前駆体を含む溶液にこのような分子量の高いセルロース化合物を含有させると、硬化物について、屈曲性等の機械的強度は得られるものの、表面平滑性や光線透過性が損なわれる傾向があることを見出している。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、機械的強度と、表面平滑性と、光線透過性とのバランスに優れる硬化物を与える樹脂組成物、硬化物の製造方法、及び硬化物の提供、並びに該硬化物を含むフレキシブル基板ないしはフレキシブルディスプレイの提供を目的とする。
本発明者らは、ポリアミック酸、及び特定の重量平均分子量を有するセルロース化合物を含有する樹脂組成物を用いることにより、機械的強度と、表面平滑性と、光線透過性とのバランスに優れる硬化物を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明の第1の態様は、下記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸、重量平均分子量が6万以下であるセルロース化合物、及び有機溶剤を含有する樹脂組成物である。
Figure 0006813384
(上記式(1)中、Aは4価の有機基であり、Bは2価の有機基である。)
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程、及び、
上記塗膜を70〜550℃において加熱する加熱工程を含む、硬化物の製造方法である。
本発明の第3の態様は、第1の態様に係る樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明の第4の態様は、第3の態様に係る硬化物を含むフレキシブル基板である。
本発明の第5の態様は、第3の態様に係る硬化物を含むフレキシブルディスプレイである。
本発明の樹脂組成物は、機械的強度と、表面平滑性と、光線透過性とのバランスに優れる硬化物を与えることができる。
また、本発明によれば、該樹脂組成物を用いた硬化物の製造方法及び硬化物を提供することができ、また、該硬化物を含むフレキシブル基板ないしはフレキシブルディスプレイを提供することができる。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<樹脂組成物>
第1の態様に係る樹脂組成物は、上記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸、重量平均分子量が6万以下であるセルロース化合物、及び有機溶剤を含有する。
第1の態様に係る樹脂組成物を用いて形成される硬化物が、機械的強度と、表面平滑性と、光線透過性とのバランスに優れる理由は定かではないが、セルロース化合物が特定範囲の分子量を有することにより、樹脂組成物中の溶解性が向上して透過率が向上し、かつポリアミド形成時のポリアミック酸の閉環反応により生じる水分子を上記セルロース化合物が吸水することにより、表面粗さが低減して表面平滑性を向上することができるものと推測される。
[ポリアミック酸]
上記式(1)中、Aは4価の有機基であり、Aの炭素原子数としては6〜50が好ましく、6〜30がより好ましい。Bは2価の有機基であり、Bの炭素原子数は2〜50が好ましく、2〜40がより好ましく、6〜40が更に好ましい。
A及びBは、それぞれ、脂肪族基であっても、芳香族基であっても、これらの構造を組合せた基であってもよい。
A及びBは、炭素原子、及び水素原子の他に、ハロゲン原子、酸素原子、及び硫黄原子を含んでいてもよい。A及びBが酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含む場合、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子は、含窒素複素環基、−CONH−、−NH−、−N=N−、−CH=N−、−COO−、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−S−及び−S−S−から選択される基として、A及びBに含まれてもよく、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−S−及び−S−S−から選択される基として、A及びBに含まれることがより好ましい。
上記式(1)中のAが脂肪族基の場合、Aは脂環式基を含むことが好ましく、単環式、ビシクロ環式、トリシクロ環式、テトラシクロ環式及びスピロ環式よりなる群から選択される少なくとも1つの脂環式基を含むことが好ましい。
上記式(1)中のAが脂肪族基の場合、Aは下記式(2)で表されることが好ましい。
Figure 0006813384
(上記式(2)中、Rb1、Rb2、及びRb3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基及びフッ素原子からなる群より選択される1種を示し、mは0〜12の整数を示し、*は結合手を示す。)
上記式(2)中のRb1として選択され得るアルキル基は、炭素原子数が1〜10のアルキル基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数をこのような範囲に調整することで、ポリアミック酸からポリイミドへの変換反応を円滑に進めることができる。Rb1がアルキル基である場合、その炭素原子数は、耐熱性に優れるポリイミド樹脂を得やすい点から、1〜6が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
b1がアルキル基である場合、当該アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記式(2)中のRb1としては、得られるポリイミド樹脂が耐熱性に優れる点から、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基がより好ましい。テトラカルボン酸二無水物成分の入手や精製が容易である点から、式(2)中のRb1は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
式(2)中の複数のRb1は、テトラカルボン酸二無水物成分の精製が容易であることから、同一の基であることが好ましい。
式(2)中のmは0〜12の整数を示す。mの値をこの範囲に設定することで、テトラカルボン酸二無水物成分の精製を容易にすることができる。
テトラカルボン酸二無水物成分の精製をより容易にする点から、mの上限は5が好ましく、3がより好ましい。
テトラカルボン酸二無水物成分の化学的安定性の点から、mの下限は1が好ましく、2がより好ましい。
式(2)中のmは、2又は3が特に好ましい。
式(2)中のRb2、及びRb3として選択され得るアルキル基は、Rb1として選択され得るアルキル基と同様である。
b2、及びRb3は、テトラカルボン酸二無水物成分の精製が容易である点から、水素原子、又は炭素原子数1〜10(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3)のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
上記式(1)中のAが芳香族基の場合、好適な具体例としては、4価のベンゼン基(例えば、1,2,4,5−ベンゼン基)4価のビフェニル基(例えば、3,3’,4,4’−ビフェニル基、2,3,3’,4’−ビフェニル基、2,2’,6,6’−ビフェニル基)、4価のベンゾフェノン基(例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン基)、4価のジフェニルエーテル基(例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテル基)、及び4価のジフェニルスルホン基(例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン基)等が挙げられる。これらの中では、価格、入手容易性等から、4価のベンゼン基(例えば、1,2,4,5−ベンゼン基)4価のビフェニル基(例えば、3,3’,4,4’−ビフェニル基、及び4価のジフェニルエーテル基(例えば、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテル基)が好ましい。
上記式(1)中のBとしての有機基の炭素原子数の下限値は2が好ましく、6がより好ましく、上限値として50が好ましく、30がより好ましい。
Bは、脂肪族基であってもよいが、1以上の芳香環を含む有機基であることが好ましい。
Bが1以上の芳香環を含む有機基である場合、当該有機基は、1の芳香族基そのものであってもよく、2以上の芳香族基が、脂肪族炭化水素基及びハロゲン化脂肪族炭化水素基や、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子等のヘテロ原子を含む結合を介して結合された基であってもよい。Bに含まれる、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子等のヘテロ原子を含む結合としては、−CONH−、−NH−、−N=N−、−CH=N−、−COO−、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−S−、及び−S−S−等が挙げられ、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−S−、及び−S−S−が好ましい。
B中の窒素原子と結合する芳香環はベンゼン環であることが好ましい。B中の窒素原子と結合する環が2以上の環を含む縮合環である場合、当該縮合環中の窒素原子と結合する環はベンゼン環であることが好ましい。
また、Bに含まれる芳香環は、芳香族複素環であってもよい。
Bが芳香族環を含む有機基である場合、樹脂組成物を用いて形成される硬化物の耐熱性の点から、当該有機基は下記式(3)〜(6)で表される基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006813384
(式(3)〜(6)中、R11は、水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素原子数1〜4のアルキル基、及び炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基よりなる群から選択される1種を示す。式(6)中、Qは、9,9−フルオレニリデン基、又は、式:−C−、−CONH−C−NHCO−、−NHCO−C−CONH−、−O−C−CO−C−O−、−OCO−C−COO−、−OCO−C−C−COO−、−OCO−、−O−、−S−、−CO−、−CONH−、−SO−、−C(CF−、−C(CH−、−CH−、−O−C−C(CH−C−O−、−O−C−C(CF−C−O−、−O−C−SO−C−O−、−C(CH−C−C(CH−、−O−C10−O−、−O−C−C−O−、及び−O−C−O−で表される基よりなる群から選択される1種を示す。
Qの例示における、−C−はフェニレン基であり、m−フェニレン基、及びp−フェニレン基が好ましく、p−フェニレン基がより好ましい。また、−C10−は、ナフタレンジイル基であり、ナフタレン−1,2−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,3−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、及びナフタレン−2,7−ジイル基が好ましく、ナフタレン−1,4−ジイル基、及びナフタレン−2,6−ジイル基がより好ましい。)
式(3)〜(6)中のR11としては、形成される硬化物の耐熱性の観点から、水素原子、水酸基、フッ素原子、メチル基、エチル基、又はトリフルオロメチル基がより好ましく、水素原子、水酸基、又はトリフルオロメチル基が特に好ましい。
式(6)中のQとしては、形成される硬化物の耐熱性の点から、9,9−フルオレニリデン基、−O−C−O−、−C(CF−、−O−、−C(CH−、−CH−、又は−O−C−C(CH−C−O−、−CONH−が好ましく、−O−C−O−、−C(CF−又は−O−が特に好ましい。
また、Bとしては、鎖状の脂肪族基及び/又は芳香族環を有していてもよいケイ素原子含有基を採用することができる。このようなケイ素原子含有基としては、典型的には、以下に示される基を用いることができる。
Figure 0006813384
また、得られる硬化物の機械特性をさらに向上させる観点から、Bとして、以下の式(Si−1)で表される基も好ましく用いることができる。
Figure 0006813384
(式(Si−1)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、単結合又はメチレン基、炭素原子数2〜20のアルキレン基、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン基、又は炭素原子数6〜20のアリーレン基等であり、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数20以下のアミノ基を含む基、−O−R18で表される基(R18は炭素原子数1〜20の炭化水素基)、炭素原子数2〜20の1以上のエポキシ基を含む有機基であり、lは、3〜50の整数である。)
式(Si−1)中のR12及びR13における、炭素原子数2〜20のアルキレン基としては、耐熱性、残留応力の観点から炭素原子数2〜10のアルキレン基が好ましく、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR12及びR13における、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン基としては、耐熱性、残留応力の観点から炭素原子数3〜10のシクロアルキレン基が好ましく、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR12及びR13における、炭素原子数6〜20のアリーレン基としては、耐熱性、残留応力の観点から炭素原子数6〜20の芳香族基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR14、R15、R16、及びR17における炭素原子数1〜20のアルキル基としては、耐熱性と残留応力の観点から炭素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR13、R15、R16、及びR17における炭素原子数3〜20のシクロアルキル基としては、耐熱性、残留応力の観点から炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR14、R15、R16、及びR17における炭素原子数6〜20のアリール基としては、耐熱性、残留応力の観点から炭素原子数6〜12のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
式(Si−1)中のR14、R15、R16、及びR17における炭素原子数20以下のアミノ基を含む基としては、アミノ基、置換したアミノ基(例えば、ビス(トリアルキルシリル)アミノ基)等が挙げられる。
式(Si−1)中のR14、R15、R16、及びR17における−O−R18で表される基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基、プロペニルオキシ基(例えば、アリルオキシ基)、及びシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
中でも、R14、R15、R16、及びR17として、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基である。
式(Si−1)で表される基は、両末端にアミノ基を有するケイ素含有化合物を酸無水物に対して作用させることで導くことができる。このようなケイ素含有化合物の具体例としては、両末端アミノ変性メチルフェニルシリコーン(例えば信越化学社製の、X−22−1660B−3(数平均分子量4,400程度)及びX−22−9409(数平均分子量1,300程度))、両末端アミノ変性ジメチルシリコーン(例えば信越化学社製の、X−22−161A(数平均分子量1,600程度)、X−22−161B(数平均分子量3,000程度)及びKF8012(数平均分子量4,400程度);東レダウコーニング製のBY16−835U(数平均分子量900程度);並びにJNC社製のサイラプレーンFM3311(数平均分子量1000程度))等が挙げられる。
(ポリアミック酸の調製)
上記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸は、溶剤中で、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを反応させることにより得られる。ポリアミック酸の合成原料となるテトラカルボン酸二無水物、及びジアミン化合物は、酸無水物基とアミノ基との反応によりポリアミック酸を形成可能なものであって、所定の構造を与えるものであれば特に限定されない。
ポリアミック酸を合成する際の、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、ジアミン化合物を0.50〜1.50モル用いるのが好ましく、0.60〜1.30モル用いるのがより好ましく、0.70〜1.20モル用いるのが特に好ましい。
テトラカルボン酸二無水物は、所定の構造を与えるものであれば、従来からポリアミック酸の合成原料として使用されているテトラカルボン酸二無水物から適宜選択することができる。テトラカルボン酸二無水物は、脂肪族テトラカルボン酸二無水物であっても、芳香族テトラカルボン酸二無水物であってもよい。テトラカルボン酸二無水物は、2種以上を組合せて用いてもよい。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、(4H,8H)−デカハイドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]−ペンタデカン−5,6,12,13−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
特に、上記式(1)中のAが上記式(2)で表される場合の脂肪族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、例えば、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(別名「ノルボルナン−2−スピロ−2’−シクロペンタノン−5’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物」)、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物(別名「ノルボルナン−2−スピロ−2’−シクロヘキサノン−6’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物」)、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロプロパノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロブタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘプタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロオクタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロノナノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロウンデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロドデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロトリデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロテトラデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロペンタノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロヘキサノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の好適な具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中では、価格、入手容易性等から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物が好ましい。
ジアミン化合物は、所定の構造を与えるものであれば、従来からポリアミック酸の合成原料として使用されているジアミンから適宜選択することができる。ジアミン化合物は、芳香族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであってもよいが、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の点から、芳香族ジアミンが好ましい。ジアミン化合物は、2種以上を組合せて用いてもよい。
ジアミン化合物は、下記式(7)で表されることが好ましい。ジアミン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
N−B−NH・・・(7)
(式中、Bは、上記式(1)におけるBと同義である。)
式(7)中のBとしては、下記式(8)〜(11)で表される基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006813384
(式(8)〜(11)中、R11は、水素原子、フッ素原子、クロロ原子、ブロモ原子、水酸基、炭素原子数1〜5のアルキル基、及び炭素原子数1〜5のフッ素化アルキル基よりなる群から選択される1種を示す。式(11)中、Q’は、9,9−フルオレニリデン基、又は、式:−C−、−O−C−CO−C−O−、−O−、−S−、−CO−、−C(CF−、−C(CH−、−CH−、−O−C−C(CH−C−O−、−O−C−C(CF−C−O−、−C(CH−C−C(CH−、−O−C−C−O−、及び−O−C−O−で表される基よりなる群から選択される1種を示す。)
式(8)〜(11)の定義の説明において、−C−で表される基は、o−フェニレン基でも、m−フェニレン基でも、p−フェニレン基でもよく、m−フェニレン基、及びp−フェニレン基が好ましく、p−フェニレン基がより好ましい。
式(8)〜(11)中のR11としては、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の観点から、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、又はトリフルオロメチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
式(11)中のQ’としては、得られるポリイミド樹脂の耐熱性と、溶媒への溶解性とのバランスの観点から、9,9−フルオレニリデン基、−C−、−O−C−O−、−O−、−C(CH−、−CH−、又は−O−C−C(CH−C−O−が好ましく、−O−C−O−又は−O−が特に好ましい。
式(7)で表される化合物の好適な具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン、p−ジアミノベンゼン、m−ジアミノベンゼン、o−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスアニリン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、4,4’’−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等が挙げられる。
また、ジアミン化合物としては、下記式(b1a)で示される化合物や式(b1b)で示される化合物も好ましく用いることができる。
Figure 0006813384
(式(b1a)中、RF10〜RF12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Zは独立にスルホン結合、カルボン酸エステル結合、又はカルボン酸アミド結合である。)
Figure 0006813384
(式(b1b)中、RF13、及びRF14は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Zは独立にスルホン結合、カルボン酸エステル結合、又はカルボン酸アミド結合である。)
上記の式(b1a)で表される化合物としては、下記式(b1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006813384
(式(b1−1)中、RF10〜RF12は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Zは独立に酸素原子又はNHである。)
また、式(b1b)で表される化合物としては、下記式(b1−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006813384
(式(b1−2)中、RF13、及びRF14は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Zは酸素原子又はNHである。)
式(b1a)、式(b1b)、式(b1−1)、及び式(b1−2)中のRF10〜RF14は置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。得られるポリイミド樹脂の耐熱性と、溶媒への溶解性とのバランスの観点から、RF10〜RF14は、それぞれ独立に下記式(b3)〜(b6)で表される基のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
Figure 0006813384
(式(b3)〜(b6)中、Rb11は、水素原子、フッ素原子、クロロ原子、ブロモ原子、水酸基、炭素原子数1〜5のアルキル基、及び炭素原子数1〜5のフッ素化アルキル基よりなる群から選択される1種を示す。式(b6)中、Qは、9,9−フルオレニリデン基、又は、式:−C−、−CONH−C−NHCO−、−NHCO−C−CONH−、−O−C−CO−C−O−、−OCO−C−COO−、−OCO−C−C−COO−、−OCO−、−O−、−S−、−CO−、−CONH−、−SO−、−C(CF−、−C(CH−、−CH−、−O−C−C(CH−C−O−、−O−C−C(CF−C−O−、−O−C−SO−C−O−、−C(CH−C−C(CH−、−O−C−C−O−、及び−O−C−O−で表される基よりなる群から選択される1種を示す。)
式(b3)〜(b6)の定義の説明において、−C−で表される基は、o−フェニレン基でも、m−フェニレン基でも、p−フェニレン基でもよく、m−フェニレン基、及びp−フェニレン基が好ましく、p−フェニレン基がより好ましい。
式(b3)〜(b6)中のRb11としては、得られるポリイミド樹脂の耐熱性の観点から、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、又はトリフルオロメチル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
式(b6)中のQとしては、得られるポリイミド樹脂の耐熱性と、溶媒への溶解性とのバランスの観点から、9,9−フルオレニリデン基、−C−、−O−C−O−、−O−、−C(CH−、−CH−、又は−O−C−C(CH−C−O−、−CONH−、が好ましく、−O−C−O−又は−O−が特に好ましい。
式(b3)〜(b6)で表される基の中では、より耐熱性に優れるポリイミド樹脂を得やすい点から、式(b5)又は式(b6)で表される基がより好ましく、式(b6)で表される基が特に好ましい。
上記のRF10〜RF14としては、下記式で表される基が好ましい。
Figure 0006813384
上記の基の中でも、RF10〜RF14としては、下記式で表される基がより好ましい。
Figure 0006813384
上記の基の中でも、RF11、RF12、及びRF13としては、下記式で表される基が特に好ましい。
Figure 0006813384
上記式(b1a)で表される化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
Figure 0006813384
上記の式(b1b)で表される化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006813384
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応は、通常、有機溶剤中で行われる。テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応に使用される有機溶剤は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物を溶解させることができ、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンと反応しないものであれば特に限定されない。これらの有機溶剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応に用いる有機溶剤の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;乳酸エチル、乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート等のエーテル類が挙げられる。
これらの有機溶剤の中では、生成するポリアミック酸やポリイミド樹脂の溶解性から、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア等の含窒素極性溶剤が好ましい。
本実施形態で得られるポリアミック酸の重量平均分子量は、硬化条件やポリイミド樹脂の使用用途等に応じ適宜設定することができるが、たとえば、5000以上であり、7500以上が好ましく、10000以上がより好ましい。一方、ポリミック酸の重量平均分子量は、例えば100000以下であり、80000以下が好ましく、75000以下がより好ましい。
この重量平均分子量について、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の配合量や、溶媒や反応温度等の反応条件を調整して、上述の範囲に設定すればよい。
(ポリイミド樹脂)
上記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸を加熱等することにより、下記式(12)で表される構造単位を有するポリイミド樹脂を得ることができる。
ここでの加熱に際しては、適宜、硬化を促進する触媒を加えても良い。
Figure 0006813384
(式(12)中、A及びBは上記式(1)と同義である。)
上記式(12)で表される構造単位を有するポリイミド樹脂の重量平均分子量は、ポリイミド樹脂の使用用途等に応じ適宜設定することができるが、たとえば、5000以上であり、7500以上が好ましく、10000以上がより好ましい。一方、式(12)で表される構造単位を有するポリイミド樹脂の重量平均分子量は、例えば100000以下であり、80000以下が好ましく、75000以下がより好ましい。
この重量平均分子量について、前述のポリアミック酸を得る際のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の配合量や、溶媒や反応温度等の反応条件を調整して、上述の範囲に設定すればよい。
[セルロース化合物]
第1の態様に係る樹脂組成物に含有されるセルロース化合物は、重量平均分子量が6万以下であり、重量平均分子量が5万以下であることが好ましく、重量平均分子量が4万5千以下であることがより好ましい。
本明細書において質量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値である。
上記重量平均分子量であることにより、樹脂組成物中におけるセルロース化合物の溶解性が向上し、形成される硬化物の透過率を損なうことなく、硬化物の表面粗さを低減し表面平滑性を向上することができる。
上記重量平均分子量の下限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、1000以上が挙げられ、3000以上が好ましく、1万以上がより好ましい。
上記セルロース化合物としては、セルロースが有する水酸基のうちの少なくとも一部がヒドロキシアルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のヒドロキシアルコキシ基、より好ましくは炭素原子数2〜5のヒドロキシアルコキシ基、更に好ましくは炭素原子数2〜4のヒドロキシアルコキシ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のアルコキシ基、より好ましくは炭素原子数1〜5のアルコキシ基、更に好ましくは炭素原子数2〜4のアルコキシ基)、アシロキシ基(好ましくは炭素原子数1〜10のアシロキシ基、より好ましくは炭素原子数1〜5のアシロキシ基、更に好ましくは炭素原子数2〜4のアシロキシ基)等の任意の基で置換されているセルロース化合物が挙げられる。
上記セルロース化合物としては、セルロースが有する水酸基のうちの少なくとも一部がヒドロキシアルコキシ基で置換されているヒドロキシアルキルセルロースであることが好ましく、セルロースが有する水酸基のうちの少なくとも40%以上がヒドロキシアルコキシ基で置換されているヒドロキシアルキルセルロースであることがより好ましく、セルロースが有する水酸基のうちの少なくとも50〜80%がヒドロキシアルコキシ基で置換されているヒドロキシアルキルセルロースであることが更に好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
市販のヒドロキシプロピルセルロースとしては、セルニー(登録商標)SSL(NISSO社製)等が挙げられる。
樹脂組成物中の上記セルロース化合物の含有量の下限値としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、上記ポリアミック酸100質量部に対して0.01質量部以上が挙げられ、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましい。
一方、樹脂組成物中の上記セルロース化合物の含有量は、本発明の効果の観点から、上記ポリアミック酸100質量部に対して1.5質量部以下であることが好ましく、1.3質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることが更に好ましい。
[含窒素芳香族化合物]
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化速度を適切に制御する観点で、含窒素芳香族化合物を含んでいてもよい。
この含窒素芳香族化合物は、公知の化合物の中から適宜選択できるが、分子中にイミダゾール骨格を含む化合物が好ましく用いられる。
このような分子中にイミダゾール骨格を含む化合物としては、たとえば以下の式(B)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006813384
(式(B)中、Arは置換基を有してもよい芳香族基であり、Rb1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基であり、Yは、以下の式(B−y)で表されるイミダゾール環又は水素原子であり、Zは、以下の式(B−y)で表されるイミダゾール環又は−ORb3で表される基であり、Y又はZのいずれかは当該イミダゾール環であり、
Figure 0006813384
は、Yが当該イミダゾール環である場合、単結合であり、Zが当該イミダゾール環である場合、炭素−炭素二重結合であり、Rb3は、水素原子又は有機基である。)
Figure 0006813384
(式(B−y)中、*は上記式(B)におけるY又はZに隣接する炭素原子と結合する結合手を表し、Rb2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基である。)
式(B)中、Arは、置換基を有してもよい芳香族基である。Arは、置換基を有しない芳香族基であってもよい。置換基を有してもよい芳香族基は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基でもよく、置換基を有してもよい芳香族複素環基でもよい。
Arを構成する芳香族炭化水素基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族炭化水素基は、単環式の芳香族基であってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が縮合して形成されたものであってもよく、2以上の芳香族炭化水素基が単結合により結合して形成されたものであってもよい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、フェナンスレニル基が好ましい。
Arを構成する芳香族複素環基の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。芳香族複素環基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましい。
Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、及び有機基が挙げられる。芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が複数の置換基を有する場合、当該複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が置換基を有する場合、置換基の個数としては、通常、4以下であり、3以下が好ましく、2以下であってもよく、1であってもよい。
Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基がハロゲン原子である場合、当該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選択することができる。
Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基が有機基である場合、当該有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
Arを構成する芳香族基が隣接する炭素原子上に置換基を有する場合、隣接する炭素原子上に結合する2つの置換基はそれが結合して環状構造を形成してもよい。環状構造としては、脂肪族炭化水素環や、ヘテロ原子を含む脂肪族環が挙げられる。
Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基が有機基である場合、当該有機基に含まれる結合は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。式(B)で表される化合物の耐熱性の観点から、ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、アミノ結合(−NR−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
Arが有する置換基が炭化水素基以外の置換基である場合、当該炭化水素基以外の置換基の種類は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。炭化水素基以外の置換基の具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアルミ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
Arを構成する芳香族炭化水素基、又は芳香族複素環基が有する置換基としては、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアリール基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアリールオキシ基、炭素原子数1〜12のアリールアミノ基、及びハロゲン原子が好ましい。
Arとしては、式(B)で表される化合物を安価且つ容易に合成でき、有機溶剤に対する溶解性が良好であることから、それぞれ置換基を有してもよいフェニル基、フリル基、及びチエニル基が好ましい。
式(B)中、Rb1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基である。
b1がハロゲン原子である場合、当該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選択することができる。
b1が有機基である場合、有機基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基がより好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、及びフェナンスレニル基が好ましく、フェニル基、及びナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましく、フリル基、及びチエニル基がより好ましい。
式(B)中、Yは、上述した式(B−y)で表されるイミダゾール環又は水素原子である。式(B−y)については後述する。
式(B)中、Zは、式(B−y)で表されるイミダゾール環又は−ORb3で表される基である。
このRb3は水素原子又は有機基である。Rb3が有機基である場合、有機基としては、アルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
b3として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
式(B)中、Y又はZのいずれかは式(B−y)で表されるイミダゾール環である。(B)イミダゾール基含有化合物は、Yが当該イミダゾール環である場合、典型的には後述の式(B2)で示される化合物であり、Zが当該イミダゾール環である場合、典型的には後述の式(B1)で示される化合物となる。
式(B)中、
Figure 0006813384
は、Yが式(B−y)で表されるイミダゾール環である場合、単結合であり、Zが当該イミダゾール環である場合、炭素−炭素二重結合である。
式(B−y)中、*は式(B)におけるY又はZに隣接する炭素原子と結合する結合手を表す。
式(B−y)中、Rb2は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、これらの原子又は基のいずれかがイミダゾール環に結合する。
b2がハロゲン原子である場合、当該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選択することができる。
b2が有機基である場合、当該有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基及びアラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、イミダゾール環と縮合する環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。本明細書において、「ヘテロ原子」とは、特に他の記載をしない限り、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子を意味する。
b2が有機基である場合、有機基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、及び芳香族複素環基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基がより好ましい。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アンスリル基、及びフェナンスレニル基が好ましく、フェニル基、及びナフチル基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。芳香族複素環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、及びベンゾイミダゾリル基が好ましく、フリル基、及びチエニル基がより好ましい。
b2が有機基である場合、有機基のイミダゾール環上での結合位置は、2位、4位、5位のいずれも好ましく、2位がより好ましい。
式(B)で示される化合物としては、具体的には、式(B1)又は式(B2)で示されるイミダゾール基含有化合物が好ましく用いられる。
(式(B1)で示される化合物)
本実施形態の樹脂組成物に含ませることのできる分子内にイミダゾール骨格を含む化合物は、一態様として、以下の式(B1)で示される。
Figure 0006813384
(式(B1)中、Rb1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基であり、Rb2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、Arは置換基を有してもよい芳香族基である。)
式(B1)中の、Rb1、Rb2及びArは、それぞれ式(B)で示したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
樹脂組成物に含ませることのできる式(B1)で示される化合物の中でも、本実施形態においては、有機溶剤に対する溶解性、ポリアミック酸に対する相溶性の観点から、以下の式(B1−1)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006813384
(式(B1−1)中、Rb1及びRb2は、式(B1)で示したものと同義であり、Rb4〜Rb7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基であり、Rb8は、水素原子又は有機基である。)
式(B1−1)中、Rb1及びRb2は、上記式(B1)で示したものと同義であり、従って、式(B)で示したものと同義である。
式(B1−1)中、Rb4〜Rb7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基である。
b4〜Rb7がハロゲン原子である場合、当該ハロゲン原子は、前述の式(B)におけるArを置換してもよいハロゲン原子と同様のハロゲン原子を採用することができる。
b4〜Rb7が有機基である場合、当該有機基は、前述の式(B)におけるArを置換してもよい有機基と同様の有機基を採用することができる。
式(B1−1)中、Rb8は、水素原子又は有機基であるが、この中でも、Rb8は、有機基であることが好ましく、これにより、ポリアミック酸に対する相溶性や、有機溶剤に対する溶解性を一段と向上させることができる。Rb8を構成する有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられるが、これらの中でも、アルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
式(B1−1)中、Rb8として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基が好ましい。
式(B1)で表される化合物の好適な具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006813384
(式(B2)で示される化合物)
本実施形態の組成物に含ませることのできる分子内にイミダゾール骨格を含む化合物は、一態様として、以下の式(B2)で示される。
Figure 0006813384
(式(B2)中、Rb1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基であり、Rb2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基であり、Rb3は、水素原子又は有機基であり、Arは置換基を有してもよい芳香族基である。)
式(B2)中の、Rb1、Rb2、Rb3、及びArは、それぞれ式(B)で示したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
本実施形態の組成物に含ませることのできる式(B2)で示されるイミダゾール基含有化合物の中でも、有機溶剤に対する溶解性、ポリアミック酸に対する相溶性の観点から、以下の式(B2−1)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006813384
(式(B2−1)中、Rb1、Rb2、及びRb3は、式(B2)で示したものと同義であり、Rb4〜Rb7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基であり、Rb8は、水素原子又は有機基である。)
式(B2−1)中、Rb1、Rb2、及びRb3は、上記式(B2)で示したものと同義であり、従って、式(B)で示したものと同義である。
式(B2−1)中、Rb4〜Rb8は、式(B1−1)で示されるそれぞれと同様のものを採用することができる。
式(B2−1)中、Rb8は、水素原子又は有機基である。
この中でも、Rb8は、有機基であることが好ましく、これにより、ポリアミック酸に対する相溶性や、有機溶剤に対する溶解性を一段と向上させることができる。Rb8を構成する有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、及びアラルキル基等が挙げられるが、これらの中でも、アルキル基が好ましい。当該アルキル基は、直鎖アルキル基であっても、分岐鎖アルキル基であってもよい。当該アルキル基の炭素原子数は特に限定されないが、1〜20が好ましく、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
b8として好適なアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチル−n−ヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、及びn−イコシル基が挙げられる。
これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基が好ましい。
式(B2)で表される化合物の好適な具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 0006813384
本実施形態の樹脂組成物中における含窒素芳香族化合物の含有量の下限値は、特に限定されないが、ポリアミック酸100質量部に対してたとえば3質量%以上であり、好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上であり、12質量%以上であってもよい。一方、本実施形態の樹脂組成物中における含窒素芳香族化合物の含有量の上限値は、特に限定されないが、ポリアミック酸100質量部に対してたとえば50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下、いっそう好ましくは35質量%以下である。
[有機溶剤]
第1の態様に係る樹脂組成物に含有される有機溶剤としては、固体を含むペーストであってもよく、溶液であってもよい。均質で平滑な硬化物を形成しやすい点で、樹脂組成物は溶液であることが好ましい。溶剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
有機溶剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で、特に限定されない。好適な有機溶剤の例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ピリジン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)等の含窒素極性溶剤;β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、及びε−カプロラクトン等のラクトン系極性溶剤;ジメチルスルホキシド;ヘキサメチルホスホリックトリアミド;アセトニトリル;乳酸エチル、及び乳酸ブチル等の脂肪酸エステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブアセテート、及びエチルセルソルブアセテート、グライム等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒が挙げられる。
有機溶剤は、また、下記式(S1)で表される化合物を含むのが好ましい。
Figure 0006813384
(式(S1)中、RS1及びRS2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基であり、RS3は下記式(S1−1)又は下記式(S1−2):
Figure 0006813384
で表される基である。式(S1−1)中、RS4は、水素原子又は水酸基であり、RS5及びRS6は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基である。式(S1−2)中、RS7及びRS8は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数1〜3のアルキル基である。)
式(S1)で表される化合物のうち、RS3が式(S1−1)で表される基である場合の具体例としては、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N−エチル,N,2−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチル−2−メチルプロピオンアミド、N,N,2−トリメチル−2−ヒドロキシプロピオンアミド、N−エチル−N,2−ジメチル−2−ヒドロキシプロピオンアミド、及びN,N−ジエチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド等が挙げられる。
式(S1)で表される化合物のうち、RS3が式(S1−2)で表される基である場合の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、N,N,N’,N’−テトラエチルウレア等が挙げられる。
式(S1)で表される化合物の例のうち、特に好ましい化合物としては、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレアが好ましい。N,N,2−トリメチルプロピオンアミドの大気圧下での沸点は175℃であって、N,N,N’,N’−テトラメチルウレアの大気圧下での沸点は177℃である。このように、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレアは、モノマー成分及びポリアミド酸を溶解可能な溶媒の中では比較的沸点が低い。
このため、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレアから選択される少なくとも1種を含む有機溶剤を含有する樹脂組成物を用いると、硬化物時の加熱において、生成する硬化物中に有機溶剤が残存しにくく、得られる硬化物の引張伸度の低下等を招きにくい。
さらに、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレアは、EU(欧州連合)でのREACH規則において、有害性が懸念される物質であるSVHC(Substance of Very High Concern;高懸念物質)に指定されていないように、有害性が低い物質である点でも有用である。
有機溶剤中の、式(S1)で表される化合物の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。有機溶剤の質量に対する式(S1)で表される化合物の比率は、典型的には、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。
樹脂組成物中の有機溶剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。有機溶剤の含有量は、樹脂組成物中の固形分含有量に応じて適宜調整される。樹脂組成物中の固形分含有量は、例えば、1〜80質量%であり、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
(その他の成分)
上記樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、上記成分以外にその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分の例としては、塩基発生剤成分、モノマー等の重合性成分、界面活性剤、可塑剤、粘度調整剤、消泡剤、及び着色剤等が挙げられる。
<樹脂組成物の特性>
本実施形態の樹脂組成物は、以下の特性を有することが好ましい。
(表面平滑性)
上記樹脂組成物を以下の条件で硬化させたときに得られる膜厚13μmの硬化物について、JIS B 0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が150Å以下となることが好ましく、140Å以下となることがより好ましく、130Å以下となることが更に好ましく、120Å以下となることがとりわけ好ましい。
(条件)
まず、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、常圧(1気圧)から13Paまで減圧する。いったん常圧に戻した後、空気雰囲気下80℃において10分間加熱し、次いで、酸素濃度100ppmの条件下(好ましくはN、Ar等の不活性ガス雰囲気下)360℃において30分間加熱して膜厚13μmの硬化物を得る。
(透過率)
上記樹脂組成物を以下の条件で硬化させたときに得られる膜厚13μmの硬化物について、測定される波長450nm又は550nmにおける透過率が60%以上となることが好ましく、70%以上となることがより好ましく、80%以上となることが更に好ましい。
(条件)
まず、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、常圧(1気圧)から13Paまで減圧する。いったん常圧に戻した後、空気雰囲気下80℃において10分間加熱し、次いで、酸素濃度100ppmの条件下(好ましくはN、Ar等の不活性ガス雰囲気下)360℃において30分間加熱して膜厚13μmの硬化物を得る。
<硬化物の製造方法>
本発明の第2の態様に係る硬化物の製造方法は、第1の態様に係る樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程、及び、
上記塗膜を70〜550℃において加熱する加熱工程を含む。
使用される基材の材質は、基材上に塗布された樹脂組成物を加熱する際に、熱劣化や変形が生じないものであれば特に限定されない。また、基材の形状も、樹脂組成物を塗布可能であれば特に限定されない。基材の例としては、絶縁されるべき電極や配線が形成された、半導体素子等の電子素子や多層配線基板等の中間製品や、種々の基板が挙げられる。基材が基板である場合の、好適な基板の材質としては、ガラス;シリコン;アルミニウム(Al);アルミニウム−ケイ素(Al−Si)、アルミニウム−銅(Al−Cu)、アルミニウム−ケイ素−銅(Al−Si−Cu)等のアルミニウム合金;チタン(Ti);チタン−タングステン(Ti−W)等のチタン合金;窒化チタン(TiN);タンタル(Ta);窒化タンタル(TaN);タングステン(W);窒化タングステン(WN);銅が挙げられる。
半導体素子等の電子素子や多層配線基板等を基材として用いて、基材上に硬化物を形成することによって、電子素子や多層配線基板に絶縁膜を形成することができる。また、板状の基板を基材として用いて、硬化物を形成することによって、硬化膜を得ることができる。基板上に形成される硬化膜は、基板上で、そのまま使用されてもよいし、基板から剥離させた状態で使用されてもよい。
塗膜形成工程では、上述の樹脂組成物を基材の表面に塗布して、塗膜を形成する。塗布方法としては、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、ダイコート等が挙げられる。塗膜の厚さは、特に限定されない。典型的には、塗膜の厚さは、例えば、0.1〜1000μmであり、2〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。塗膜の厚さは、塗布方法や樹脂組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
加熱工程では、上記塗膜を70〜550℃において加熱する。
上記加熱によりポリアミック酸は、閉環してポリイミド樹脂に変化し得る。
上記加熱温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは120〜400℃、更に好ましくは150〜350℃に設定される。このような範囲の温度で樹脂組成物を加熱することにより、樹脂組成物成分や生成するポリイミド樹脂の熱劣化や熱分解を抑制しつつ、硬化物を形成することができる。
また、樹脂組成物の加熱を高温で行う場合、多量のエネルギーの消費や、高温での処理設備の経時劣化が促進される場合があるため、樹脂組成物の加熱を低めの温度(「低温ベーク」ということがある。)で行うことも好ましい。具体的には、樹脂組成物を加熱する温度の上限を、例えば220℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、さらに好ましくは160℃以下、さらにより好ましくは150℃以下にすることができる。このような比較的低温で加熱する場合であっても、本発明においては、比較的短時間の加熱で十分にポリイミド樹脂を生成させることができる。
また、このように低温ベークを施すことにより、ポリアミック酸の高分子量化を進めることができ、好ましくは分子量分布をあまり広げることなく高分子量化を進めることができる。
加熱時間は、塗膜の組成、厚さ等にもよるが、下限値として、例えば0.5時間、好ましくは1時間、より好ましくは1.5時間、上限値として、例えば8時間、好ましくは7時間、より好ましくは6時間とすることができる。かかる加熱時間は、前述の高温での処理時間と低温ベークとの処理時間との合算値として定義することができる。例えば130〜150℃、代表的には140℃で加熱する場合にも適用することができる。
水分除去及び製造効率の観点から、上記加熱工程の前に、さらに上記塗膜を10〜100Paまで減圧する減圧(乾燥)工程を含むことが好ましい。この減圧(乾燥)工程の始点は、典型的には大気圧からである。
<硬化物>
本発明の第3の態様に係る硬化物は、第1の態様に係る樹脂組成物を硬化してなる。
上記硬化物は、JIS B 0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が150Å以下であることが好ましく、140Å以下であることがより好ましく、130Å以下であることが更に好ましく、120Å以下となることがとりわけ好ましい。
また、上記硬化物は、波長450nm又は550nmにおける透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。
硬化物が膜である場合、膜厚は、例えば、0.1〜1000μmであり、2〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。
上記硬化物の熱膨張係数(CTE)は20ppm/K以下であることが好ましい。このような熱膨張係数が上記範囲であると、熱膨張係数の範囲が5〜20ppm/Kである金属や無機物と組み合わせて複合化した場合にも熱履歴で剥がれが生じ難い傾向にある。また、上記硬化物は、熱履歴で剥がれが生じることをより十分に抑制するといった観点や、さらには寸法安定性をより向上させることができるといった観点からは、熱膨張係数が−20〜20ppm/Kであることがより好ましく、0〜15ppm/Kであることがさらに好ましい。なお、このような熱膨張係数が上記下限以上であることにより、剥がれやカールが発生し難い傾向にある。
上記硬化物の破断伸びとしては、3〜40%であることが好ましく、5〜35%であることがより好ましく、8〜32%であることが更に好ましい。
上記硬化物の弾性係数としては、1〜5GPaであることが好ましく、1.2〜4%であることがより好ましく、1.5〜3%であることが更に好ましい。
上記硬化物は、透過率及び表面平滑性に特に優れ、また、熱膨張率も小さく、破断伸び及び弾性係数も良好である。そのため、これらの特性が要求される用途に好適である。上記硬化物の具体的な用途としては、例えば、電子回路基板部材、半導体デバイス、リチウムイオン電池部材、太陽電池部材、燃料電池部材、ガス分離膜部材、モーター巻線、エンジン周辺部材、塗料、光学部品、放熱基材及び電磁波シールド基材、サージ部品等における接着剤や封止材、絶縁材料、基板材料、又は保護材料等が挙げられ、また、ディスプレイ材料等に使用されているガラスの代替として用いることができ、例えば、自動車用リフレクターの他、ディスプレイ用のフレキシブルフィルム、低透湿膜等にも好適である。
<フレキシブル基板、フレキシブルディスプレイ>
本発明の第4の態様に係るフレキシブル基板は、第3の態様に係る硬化物を含む。
第3の態様に係る硬化物は、屈曲性及び絶縁性に優れたものとなりやすく、フレキシブル基板において、絶縁層として好適に用いることができる。フレキシブル基板として、具体的には、例えば、上記硬化物と、この硬化物上に設けられた、銅箔等の金属箔とを備えるものが挙げられる。
本発明の第5の態様に係るフレキシブルディスプレイは、第3の態様に係る硬化物を含む。
第3の態様に係る硬化物は、上述のように屈曲性及び絶縁性に優れるのみならず、透過率及び表面平滑性に特に優れる。したがって、フレキシブルディスプレイに好適に適用し得る。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
[ポリアミック酸の調製]
撹拌機、撹拌羽根、還流冷却機、窒素ガス導入管を備えたセパラブルフラスコに、以下に示される構造のテトラカルボン酸二無水物と、N−メチル−2−ピロリドンとを仕込み、窒素ガス導入管よりフラスコ内に窒素を導入し、フラスコ内を窒素雰囲気とした。次いで、フラスコを氷浴に浸し、内容物を撹拌しながら、p−フェニレンジアミンのN−メチル−2−ピロリドン溶液を、テトラカルボン酸二無水物に対して1.0モル量、徐々に滴下した。
滴下終了後、50℃で20時間、反応させてポリアミック酸を含む溶液を得た。なお、以下に示される構造のテトラカルボン酸二無水物は、国際公開第2011/099518号の合成例1、実施例1及び実施例2に記載された方法に従って調製しており、また、ここでの溶液の調製は得られるポリアミック酸の固形分濃度が、15質量%となるように調整した。
Figure 0006813384
<樹脂組成物の調製>
このようにして得られたポリアミック酸の溶液に対して、以下の式で示される分子内にイミダゾール骨格を有する化合物(化合物1)を、窒素雰囲気下で、ポリアミック酸100質量部とした場合に対して30質量部加えた。
Figure 0006813384
続いて、ヒドロキシプロピルセルロース(セルニー(登録商標)SSL;NISSO社製)を、ポリアミック酸を100質量部とした場合に対して0.1質量部を加えた。次いで、反応液を、25℃で12時間撹拌して、ヒドロキシプロピルセルロースとポリアミック酸とを含む実施例1の樹脂組成物を得た。
ヒドロキシプロピルセルロースの種類(セルニー(登録商標)SSL又はセルニー(登録商標)SL(いずれもNISSO社製))、使用量を下記表1に示すように変更する以外は実施例1と同様にして実施例2、3、比較例1及び2の樹脂組成物を調製した。
セルニー(登録商標)SSLは重量平均分子量4万程度であり、セルニー(登録商標)SLは重量平均分子量10万程度である。
<試験>
各実施例及び比較例の樹脂組成物を用いて硬化膜を形成し下記試験を行い評価した。
(表面粗さ及び透過率)
まず、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、常圧から13Paまで減圧した。いったん常圧に戻した後、空気雰囲気下80℃において10分間加熱し、次いで、酸素濃度100ppmの条件下360℃において30分間加熱して膜厚13μmの硬化膜を得た。
得られた硬化膜について、JIS B 0601に従い、表面粗さ測定機(商品名「E−35B」、東京精密(株)製)を用いて、算術平均粗さ(Ra)を測定した。
(透過率)
得られた硬化膜について、測定装置として日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて、JIS K7361−1(1997年発行)に準拠し、波長450nm及び550nmの透過率(%)を測定した。
(熱膨張係数(CTE))
まず、各実施例及び比較例の樹脂組成物を用いて、縦:76mm、横:52mm、厚み:13μmの大きさの硬化膜を得た。そして、このようにして得られた硬化膜を試料として用い、測定装置として熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、50℃〜200℃における前記試料の縦方向の長さの変化を測定して、50℃〜200℃の温度範囲における1℃(1K)あたりの長さの変化の平均値を測定した。そして、このようにして測定した平均値を、硬化膜の熱膨張係数の値として採用した。
(破断伸び)
まず、SD型レバー式試料裁断器(株式会社ダンベル製の裁断器(型式SDL−200))に、株式会社ダンベル製の商品名「スーパーダンベルカッター(型:SDMK−1000−D、JIS K7139(2009年発行)のA22規格に準拠)」を取り付けて、硬化膜の大きさが、全長:75mm、タブ部間距離:57mm、平行部の長さ:30mm、肩部の半径:30mm、端部の幅:10mm、中央の平行部の幅:5mm、厚み:13μmとなるように裁断して、ダンベル形状の試験片(厚みを13μmにした以外はJIS K7139 タイプA22(縮尺試験片)の規格に沿った試験片)を、測定試料として調製した。
次いで、テンシロン型万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製の型番「UCT−10T」)を用いて、測定試料を掴み具間の幅が57mm、掴み部分の幅が10mm(端部の全幅)となるようにして配置した後、荷重フルスケール:0.05kN、試験速度:5mm/分の条件で測定試料を引っ張る引張試験を行って、破断伸びの値を測定した。
上記の試験は、JIS K7162(1994年発行)に準拠した試験である。
また、破断伸びの値(%)は、試験片の平行部の長さ(=平行部の長さ:30mm)をLとし、破断するまでの試験片の平行部の長さ(破断した際の試験片の平行部の長さ:30mm+α)をLとして、下記式:
[破断伸び(%)]={(L−L)/L}×100
を計算して求めた。
(弾性係数)
「DCM−SA2」(製品名、MTSシステムズ・コーポレーション製)を用いて硬化膜(膜厚13μm)の弾性係数を測定した。
上記各項目の試験の結果を下記表1に示す。
Figure 0006813384
上記表1に示した結果から明らかなように、セルロース化合物を含有しない比較例1及びセルロース化合物の重量平均分子量が本発明の範囲外の比較例2は表面粗さが大きく表面平滑性に劣り、透過率及び表面平滑性の両立を達成し得ないことがわかる。
一方、実施例1〜3はいずれも、透過率及び表面平滑性を両立していることがわかる。
ポリアミック酸100質量部に対してセルロース化合物の含有量が1.5質量部以下の実施例1及び2は透過率及び表面平滑性に特に優れることがわかる。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸、重量平均分子量が6万以下であるセルロース化合物、及び有機溶剤を含有する樹脂組成物であって、前記セルロース化合物が、セルロースが有する水酸基のうちの少なくとも一部がヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基で置換されているセルロース化合物である、樹脂組成物
    Figure 0006813384
    (上記式(1)中、Aは脂環式基を含む4価の有機基であり、Bは2価の有機基である。)
  2. 下記式(1)で表される構造単位を有するポリアミック酸、重量平均分子量が6万以下であるセルロース化合物、及び有機溶剤を含有する樹脂組成物。
    Figure 0006813384
    (上記式(1)中、Aは脂環式基を含む4価の有機基であり、前記脂環式基は、トリシクロ環式、テトラシクロ環式及びスピロ環式よりなる群から選択される少なくとも1つの脂環式基であり、Bは2価の有機基である。)
  3. 前記セルロース化合物は、ヒドロキシアルキルセルロースである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セルロース化合物の含有量は、前記ポリアミック酸100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記樹脂組成物を以下の条件で硬化させたときに得られる膜厚13μmの硬化物について、JIS B 0601に準拠して測定される算術平均粗さ(Ra)が150Å以下となる、請求項1〜の何れか1項に記載の樹脂組成物。
    (条件)
    まず、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、13Paまで減圧する。いったん常圧に戻した後、空気雰囲気下80℃において10分間加熱し、次いで、酸素濃度100ppmの条件下360℃において30分間加熱して膜厚13μmの硬化物を得る。
  6. 前記樹脂組成物を以下の条件で硬化させたときに得られる膜厚13μmの硬化物について、測定される波長450nmにおける透過率が70%以上となる、請求項1〜の何れか1項に記載の樹脂組成物。
    (条件)
    まず、前記樹脂組成物を基材上に塗布し、13Paまで減圧する。いったん常圧に戻した後、空気雰囲気下80℃において10分間加熱し、次いで、酸素濃度100ppmの条件下360℃において30分間加熱して膜厚13μmの硬化物を得る。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程、及び、
    前記塗膜を70〜550℃において加熱する加熱工程を含む、硬化物の製造方法。
  8. 前記加熱工程の前に、さらに前記塗膜を10〜100Paまで減圧する減圧工程を含む、請求項に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜の何れか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  10. 請求項に記載の硬化物を含む、フレキシブル基板。
  11. 請求項に記載の硬化物を含む、フレキシブルディスプレイ。
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