JP6795802B2 - 耐熱ガスバリアフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

耐熱ガスバリアフィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱ガスバリアフィルムおよびその製造方法に関する。
近年の携帯電話やタブレット端末等のデジタル家電機器の普及により、収納性や携帯性、軽量性に優れる柔軟(フレキシブル)なデバイスの開発が進められている。そのようなデバイスは、通常、柔軟性の高い薄膜状基板の上に配線材料等によって電子デバイスを作製することで構成される。その電子デバイス用の基板に求められる性能としては、300℃程度以上の高温プロセスに対する耐熱性、水蒸気や酸素に対するガス遮蔽性、製造工程における加熱/冷却に対する寸法安定性等が要求される。基板材料については、その良好な柔軟性から、有機樹脂について検討されているが、多くの樹脂の耐熱性が200℃程度であり、現状では300℃以上の耐熱性を有するポリイミド樹脂などに限られるという問題があった。さらにポリイミド樹脂については、水蒸気バリア性や寸法安定性が悪く、デバイスとしての利用は限定されていた。
このような有機樹脂の短所を補うため、無機化合物と複合化することにより耐熱性と寸法安定性などを改善する試みが行われている。無機化合物としてシリカや層状粘土鉱物などが用いられているが、特に層状粘土鉱物を有機樹脂と複合化する技術が開示されている(特許文献1)。成膜性に優れた層状粘土鉱物を用いることにより、柔軟性を有し、かつ耐熱性とガス遮蔽性、寸法安定性、不燃性などを有する薄膜材料が提供される。本技術では、有機樹脂が主成分である層状粘土鉱物のバインダとして役割を果たしているが、耐熱性を目的とする場合は、耐熱性の高い樹脂を用いることが必要であり、石油由来の樹脂のうち、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂などの利用が不可欠である。また、生物由来の樹脂としてリグニンを用いることもできる。そのため、リグニンを用いたリグニン由来エポキシ樹脂組成物(特許文献2)を用いる技術が開示されている。しかし、得られる膜の透湿度は膜厚約20μmで2.0 g/m2/day程度であり、高い透湿度を有しているとはいえなかった。
特許第5099412号公報 特許第4304251号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、耐水性で、200℃を超える高温度条件下で使用できる新しい粘土鉱物を主体としたガスバリア膜を開発することを目標として、鋭意研究を積み重ねる過程で、改質リグニンを用い、必要に応じて架橋剤を用いることにより、自立膜として利用可能な機械的強度、熱安定性を備えながら、かつ高い透湿度と平滑性、電気絶縁性を有する膜材が得られるとの知見を得た。
本発明は、リグニンと粘土鉱物からなる耐熱ガスバリアフィルムについて、200℃以上の耐熱性と長時間にわたる高い水蒸気透過度を有する膜を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の発明を提供する。
(1)ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物とからなる耐熱ガスバリアフィルム。
(2)粘土鉱物がリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである上記(1)に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(3)粘土鉱物が、230℃以上の温度で加熱処理をしたリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである上記(2)に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(4)改質リグニンが、カルボキシル基を付加したポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンである上記(1)に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(5)改質リグニンと粘土鉱物の重量比が、20重量部対80重量部から40重量部対60重量部の範囲である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(6)改質リグニンが架橋剤を含む上記(1)〜(5)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(7)架橋剤がイソシアネート化合物、ピロメリット酸無水物、オキサゾリン基含有樹脂、またはポリカルボジイミド樹脂である上記(6)に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(8)改質リグニンと架橋剤の重量比が90重量部対10重量部から50重量部対50重量部の範囲である上記(6)または(7)に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(9)200℃、2時間の加熱において形態を保持できる耐熱性を有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(10)水蒸気バリア性として透湿度 2g/m2/day 未満のガスバリア性を有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(11)フィルムの膜厚が3〜100μmである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルム。
(12)ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物を、分散媒である溶剤に混合し、均一な分散液を得た後、この分散液を支持体に塗布し、ついで溶剤を蒸発させて除去して膜状固形分を得、加熱することにより耐熱ガスバリアフィルムを得ることを特徴とする耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
(13)粘土鉱物がリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである上記(12)に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
(14)改質リグニンが、カルボキシル基を付加したポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンである上記(12)に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
(15)分散液がさらに架橋剤を含む上記(12)〜(14)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
(16)膜状固形分の加熱が150〜800℃の範囲で行われる上記(12)〜(15)のいずれかに記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
本発明により、200℃以上の耐熱性と熱寸法安定性、高いガス遮蔽性、電気絶縁性を有する、柔軟な膜材料を提供できる。本発明の膜材料は、例えば、電子デバイス用のフレキシブル基板として用いられるばかりでなく、包装材や木材の不燃化などにも用いられるという格別の効果が奏される。
本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、粘土鉱物を主要構成成分とする高い透湿度を有する材料であって、好適には耐水化処理した粘土鉱物と改質リグニン、または粘土鉱物と改質リグニン、架橋剤から構成され;粘土の全固体に対する重量比が60%以上であり;自立膜として利用可能な機械的強度と十分な平滑性を有する。
本発明では、粘土鉱物と改質リグニン、必要に応じて少量の架橋剤を、溶剤に混合し、ダマを含まない均一な分散液を得た後、この分散液を、表面が平坦な支持体に塗布し、分散媒である溶剤を乾燥・加熱により除去して膜状の固形分とし、必要に応じて乾燥・加熱・冷却するなどの方法により支持体から剥離し、さらに加熱することにより作製する。結果として、粘土結晶が配向した、柔軟性に優れ、透湿度に優れ、耐熱性も高い改質リグニン−粘土膜が得られる。
すなわち、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物とからなる。
粘土鉱物としては、天然あるいは合成物、好適には、例えば、ベントナイト、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイトのうちの1種以上、更に好適には、それらの天然あるいは合成物の何れかあるいはそれらの混合物が例示される。
これらの粘土鉱物は、その層間イオンをリチウムイオン、プロトンまたはアンモニウムイオンなどに交換することによってより好適に用いられる。
また、粘土鉱物の層間イオンをリチウム化した粘土鉱物を、加熱処理することによって層間のリチウムが粘土八面体層内に移動させ、層間のイオン成分が減少することにより耐水性を付与するのがさらに好適である。使用する粘土鉱物としては、ベントナイト、モンモリロナイト、バイデライト、スチーブンサイトが好ましい。この耐水性の向上は、層間のイオン性物質のうちリチウムイオンを50パーセント以上にすることによって顕著に現れる。温度条件は、通常、200℃以上であることが好ましく、300℃以上であることが更に好ましく、350℃以上であることが最適である。800℃を超えると粘土が劣化するため好ましくない。熱処理時間は、20分以上24時間以内である。低温の場合は、より長時間処理が必要になる傾向がある。
加熱処理については、支持体から分離された膜状固形分に対して加熱処理を行っても良いが、膜を調製する前にリチウム化した粘土鉱物原料に対して加熱処理を行うことがより好ましい。温度条件は上記の条件でよいが、400℃、2時間が特に好ましく用いられる。
また、上記のリチウム交換型ベントナイトに代えて、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトを用いることもできる。加えて、滑石(タルク)を加えても良い。タルクを添加することにより、放熱性や電気絶縁性が向上する。
また、加熱処理後の粘土鉱物(以下、耐水粘土)は、溶媒の分散液とすることでより好ましく用いられる。この場合、粘土鉱物と溶媒を混合した後、さらに撹拌機などにより分散させることが好ましい。得られる粘土鉱物分散液中の固形物の濃度は、5重量パーセントから40重量パーセントであり、好ましくは、10重量パーセントから20重量パーセントである。粘土鉱物の濃度が薄過ぎる場合、乾燥に時間がかかり過ぎるという問題がある。また、粘土鉱物の濃度が濃過ぎる場合、粘土鉱物が良好に分散しないため、ダマが発生しやすく、均一な膜ができないという問題がある。加えて、粘土鉱物の濃度が濃過ぎる場合、乾燥時に収縮によるクラックや表面荒れ、膜厚の不均一性等が生じるという問題がある。
溶媒としては、水と有機溶媒、アンモニアの混合溶液もしくは水とアミン化合物の混合溶液が好ましく、前者で用いられる有機溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドが好適に用いられる。後者で用いられるアミン化合物としては、トリエタノールアミンが好適に用いられる。撹拌機は、できるだけ激しく分散できる装置であれば特に限定されるものではないが、攪拌翼を備えた攪拌装置、振とう攪拌装置、ホモジナイザー等を用いる方法が好ましい。
本発明で用いる改質リグニンとしては、ポリエチレングリコール鎖がリグニンの骨格に結合したものが用いられる。ポリエチレングリコール鎖をリグニンに結合させる方法としては、エポキシ基を有するポリエチレングリコールを用いた誘導体化の方法、リグニンを含む黒液にポリエチレングリコールを溶解し処理する方法、ポリエチレングリコールを媒体とした酸加溶媒分解法などが例示されるが、本発明においては、酸加溶媒分解法により得られた改質リグニンが好適に用いられる。ここで反応に用いられるポリエチレングリコールの分子量は200から600のものが好ましい。改質リグニンを製造する原料となる植物バイオマスは特に限定されるものではないが、スギ、ヒノキ等の針葉樹材、カバ、ミズナラ等の広葉樹材、あるいは、稲わら、バガス、タケ等の草本系バイオマスが用いられる。酸加溶媒分解は、これら植物バイオマスのチップあるいは粉砕物に、好適には、約5重量倍のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールに対して0.1〜0.9%の硫酸を加え、約140℃で60〜90分間加温して行われる。反応物を好ましくは0.1〜0.2Mの薄い苛性ソーダ溶液で希釈した後、不溶解のパルプ成分を濾過により取り除き、濾液を硫酸等で酸性化することで沈澱物を生成させる。その沈殿物を濾過もしくは遠心分離で取り除いた物質が改質リグニンとして利用される。
加えて、改質リグニンとして極性基を付加した改質リグニンも好適に用いられる。極性基はカルボキシル基、アミノ基、水酸基が好適に用いられ、より好適にはカルボキシル基が用いられる。改質リグニンとしては、ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンが好適に用いられる。
また、本発明で用いる架橋剤としては、イソシアネート化合物、ピロメリット酸無水物が用いられる。加えて、市販の樹脂系架橋剤が用いられ、例えば、ジイソシアン酸-4,4’-ジフェニルメタン、オキサゾリン基含有樹脂「エポクロス」(登録商標)、ポリカルボジイミド樹脂の一種である水性樹脂用架橋剤「カルボジライト」(登録商標)などが好適に用いられる。架橋剤は必要に応じて使用するが、使用する際の架橋剤の全固体に対する重量割合は、20重量パーセント未満であり、好ましくは3重量パーセントから15重量パーセントである。架橋剤の使用により、高い透湿度をさらに長期間保持させ得る。
加えて、本発明の耐熱ガスバリアフィルムの強度を保持するため、耐熱性樹脂を添加してもよい。耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等が例示される。
本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、極性基を付加していてもよいポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物と、あるいはそれらに加えてさらに架橋剤を、分散媒である溶剤に混合し、均一な分散液を得た後、この分散液を支持体に塗布し、ついで溶剤を蒸発させて除去して膜状固形分を得、必要に応じて乾燥・加熱・冷却等の方法により支持体から剥離し、さらに加熱することにより得られる。
粘土鉱物、改質リグニン、および架橋剤を混合する方法として、粘土鉱物の水分散液を改質リグニン、架橋剤を含む溶液に加える方法、もしくは、耐水粘土の分散液を改質リグニンと架橋剤を含む溶液に加える方法などが例示される。
改質リグニン、および粘土鉱物の重量比は、好適には20重量部対80重量部から40重量部対60重量部の範囲である。また、改質リグニンと架橋剤の重量比は、好適には90重量部対10重量部から50重量部対50重量部の範囲である。
さらに、耐熱性樹脂とタルクを添加する場合には、改質リグニンおよび粘土鉱物の重量比を上記の範囲で保持しつつ、タルクの重量比については10重量部から30重量部、耐熱性樹脂については10重量部から50重量部の範囲で添加することが望ましい。
改質リグニンおよび架橋剤を含む溶液を秤量して、上記粘土鉱物あるいは耐水粘土分散液に加え、粘土鉱物あるいは耐水粘土、および改質リグニン、架橋剤を含む混合液を調製する。この場合、改質リグニンおよび架橋剤を混合するための溶媒としては、粘土鉱物を分散する溶媒と混和する有機溶媒を用いることができ、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキサンが例示される。また、改質リグニンおよび架橋剤を混合するための溶媒として水とアミン化合物の混合溶媒を用いることもできる。アミン化合物の濃度としては、0.1 mol/Lから0.0001 mol/Lであり、0.01から0.001mol/Lが好ましく、0.006から0.002mol/Lがより好ましく用いられる。アミン化合物としては、トリエタノールアミンが例示される。これらの溶媒を用いると、粘土鉱物及び改質リグニン、架橋剤は分離することなく混合する。混合液中の全固体に対する重量割合は、30%未満であり、好ましくは3%〜20%である。
さらに、粘土鉱物、改質リグニン、添加剤からなる混合液を強制的に撹拌させ、均一な分散液を作製することが好適である。均一な分散液を得る方法としては、できるだけ激しく撹拌できる方法であれば特に限定されるものではないが、攪拌翼を備えた攪拌装置、振とう攪拌装置、ホモジナイザー等を用いる方法があり、特に、小さなダマをなくすためには、分散の最終段階でホモジナイザーを用いる方法が好ましい。ダマが分散液に残存している場合、分散液を濾器により濾すことより均一分散液とすることができる。次に、分散液を必要に応じ脱気処理する。脱気処理の方法としては、例えば、真空引き、加熱、遠心などによるがあるが、真空引きを含む方法がより好ましい。分散、濾し、脱泡の工程は1回でも複数回繰り返してもよい。
次に、分散液を支持体表面に一定厚みで塗布する。ついで、分散媒である溶剤をゆっくりと蒸発させ、残部を膜状に成形する。支持体としては、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ガラスなどが好適に用いられる。このようにして形成された膜状固形物は、好適には、例えば、真空乾燥、凍結真空乾燥及び加熱蒸発法の何れか、あるいはこれらの方法を組み合わせて乾燥される。
さらに、得られた膜状固形物を加熱する。この際の温度条件は、温度条件は、通常、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることが更に好ましく、250℃以上であることが最適である。800℃を超えると粘土が劣化するため好ましくない。熱処理時間は、20分以上24時間以内である。低温の場合は、より長時間処理が必要になる傾向がある。
本発明の膜の厚さについては、分散液に用いる固体重量を増減することによって、任意の厚さの膜を得ることができる。厚みについては、膜が厚くなることによって、柔軟性が低下するという問題があり、また、後述するように耐水粘土粒子を高度に配向させることが困難となるため、厚みは0.2ミリメートル以下であることが望ましい。
本発明において、耐水粘土粒子の積層を高度に配向させるとは、耐水粘土粒子の単位構造層(厚さ約1ナノメートルから1.5ナノメートル)を、層面の向きを一にして積み重ね、層面に垂直な方向に、高い周期性を持たせることを意味する。このような耐水粘土粒子の配向を得るためには、耐水粘土粒子及び改質リグニン、架橋剤を含む、希薄で均一な分散液を支持体に塗布し、分散媒である液体をゆっくりと蒸発させ、耐水粘土粒子が緻密に積層した膜状に成形することが重要である。
得られた膜は、膜厚が3〜100μm、好適には10〜30μmであり、透湿度は好適には2 g/m2/day未満であり、面積は100×40cm以上に大面積化することが可能であり、高耐熱性を有し、表面平坦性は1μm以下である。すなわち、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、200℃、2時間の加熱において形態を保持できる耐熱性を有し、室温から300℃までに線膨張係数が20ppm/K未満の熱寸法安定性を有し、体積抵抗率で1×1014Ω・cm以上、表面抵抗率で1×1015Ω以上の電気絶縁性を有し、また、水蒸気バリア性として透湿度 2g/m2/day 未満のガスバリア性を長期間維持し得る。
線膨張係数を測定する手法としては、熱機械分析装置により測定する方法が知られている。熱機械分析装置によって得られるデータは試料の寸法変化量であり、圧縮方式、針入れ方式、引張方式などが用いられるが、いずれの方法を用いても良い。また、体積抵抗率もしくは表面抵抗率を測定する手法としては、4探針法もしくは4端子法を用いた抵抗率測定が知られているが、いずれの方法を用いてもよい。
透湿度を測定する手法としては、感湿センサ法(Lyssy法)、カップ法(JIS Z0208-1976)、赤外センサ法(モコン法)が知られている。この中でもカップ法は、透湿カップに吸湿剤/塩化カルシウム(無水)を封入し、一定間隔の秤量操作を繰り返し、カップの質量増加を水蒸気の透過量として評価を行う手法であり、比較的簡便な操作で1 g/m2/day前後の透湿度を測定可能という長所がある。加えて、ドライガスバリア性を測定する手法には、差圧法である圧力法(JIS K7126-1, JIS Z1707)、等圧法である酸素電解センサ法(JIS K7126-2付属書A)、ガスクロマトグラフ法(JIS K7126-2付属書B)、大気圧イオン化質量分析器API-MS法、差圧式質量分析法がある。差圧式質量分析法には、水素やヘリウムを含む様々なガスのバリア性を測定することができること、測定下限が10-3 cc/m2/day atmオーダーと低くハイバリアの測定に有利であること、トレーサビリティの確保された方法で校正することが可能であることという長所がある。
本発明のリグニン−粘土膜である耐熱ガスバリアフィルムは、粘土粒子の積層が高度に配向し、支持体から分離した自立膜として用いることが可能であり、柔軟性に優れ、ピンホールが存在せず、気体・液体のバリア性を保持することを可能とするものである。また、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、例えば、はさみ、カッター等で、容易に、円、正方形、長方形などの任意の大きさ、形状に、切り取ることができる。
また、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、電気絶縁性の粘土鉱物を主成分とすることから電気絶縁膜として広範に用いることが可能である。
したがって、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、200℃、好適には300℃以上の高温条件下で柔軟性に優れ、室温から300℃までの熱寸法安定性に優れており、また、水蒸気バリア性に優れた自立膜として、広範に使用することができ、化学的に安定で、耐水性を保つことが可能な、柔軟な包装材料・封止材料・絶縁材料などとして用いることができる。
さらに、本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)用基板フィルム、有機EL用基板フィルム、電子ペーパー用基板フィルム、電子デバイス用封止フィルム、PDP(プラズマディスプレイ)用フィルム、LED用フィルム、光通信用部材、各種機能性フィルムの基板フィルム、ICタグ用フィルム、その他電子機器用フレキシブルフィルム、燃料電池用封止フィルム、太陽電池用フィルム、食品包装用フィルム、飲料包装用フィルム、医薬品包装用フィルム、日用品包装用フィルム、工業製品包装用フィルム、その他各種製品包装用フィルム等として用いることが可能である。
本発明の耐熱ガスバリアフィルムは、柔軟性、加工性に優れていることから、ロールトゥーロールプロセスの適用も可能と考えられる。
上記耐熱ガスバリアフィルムは他部材に貼り付けて多層膜として利用することもできる。つまり、リグニン−粘土複合膜を他の材料から作製された膜と多層化することにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、及び機械的強度を向上させることが可能である。このような多層化の事例として、例えば、リグニン−粘土膜とプラスチック膜としてポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、フッ素樹脂フィルム等を接着剤によって貼り合わせて多層化した膜が例示される。多層膜として、本発明のリグニン−粘土膜を金属ホイル、プラスチックフィルム、紙などと多層化したものが例示される。また、プラスチックフィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドが例示される。表面コーティングされる材料としては、金属、金属酸化物、セラミックス、プラスチック、プラスチック発泡材、木材、石膏ボード、ゴムなどが例示される。本発明のリグニン−粘土膜の表面コーティングにより、耐食性、耐候性、水蒸気バリア性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、防炎性等を向上させることが可能である。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
改質リグニンとして、分子量200のポリエチレングリコールを溶媒とした酸加水溶媒分解法で得られたものを用いた。
リチウム交換型精製ベントナイト(「クニピアM」:クニミネ工業株式会社)を400℃で2時間加熱した。その後、アセトニトリルとアンモニアの水溶液に分散した。このときに分散濃度は20%であった。さらにその分散液を万能混合機にて5時間混合し「クニピアM」の再分散液を得た。
「クニピアM」の再分散液(40g)に蒸留水(40g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。この際混合条件は、同装置の混合モードで2000rpm、20分間であった。得られた分散液を一晩静置した。静置後さらに自転公転ミキサーにて混合した。この際の混合条件は、混合モードで2000rpm、10分間であった。混合後、N-メチル-2-ピロリドン(108g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。この際の混合条件は6000rpmであった。混合後、改質リグニンの20%NMP分散液(10 g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。この際の混合条件は4000rpmであった。混合後、氷水で20℃以下まで冷やし、さらに自転公転ミキサーにて混合した。この際の混合条件は2000rpm、5分間であった。得られた分散液を目開き53μmの篩に通し、自転公転ミキサーにて混合した。この際混合条件は、混合モードで2000rpm、2分間であった。その後、自転公転ミキサーにてさらに混合した。この際の混合条件は、脱泡モードで2200rpm、10分間であった。15分静置した後、さらに自転公転ミキサーで混合した。この際、混合条件は、脱泡モードで2200rpm,10分間であった。最終的に得られた分散液をPET(ポリエチレンテレフタレート)シート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。この際キャスティングナイフのクリアランスを0.7 mmであった。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で300℃、2時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約20μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンとクニピアMの割合は、改質リグニン:「クニピアM」=20重量部:80重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法により測定した。測定時間24時間での透過度は0.88 g/m2/dayであった。測定をさらに48時間後、71時間後、168時間後、408時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.1、1.2、1.6、3.3 g/m2/dayであった。
得られた膜について熱重量分析を行ったところ、200℃までの加熱で重量減少が1.4重量部であり、200℃から300℃までの重量減少が0.2重量部であった。200℃までの減少は付着した水の脱着に由来するものと考えられた。200℃から300℃までの範囲での重量減少は少なく、また膜成分の分解による重量減少は観察されなかった。
また、改質リグニン粘土複合膜の差圧式質量分析法による水素、ヘリウムの透過度評価を行った。当該膜を試料室に設置した後、真空排気し、80℃で5時間以上加熱脱ガスした。その後、改質リグニン粘土複合膜の温度を40℃で一定とし、検出側をターボ分子ポンプで真空排気することにより10-6 Pa以下とし、暴露側には試験ガスを0.1気圧充填した。暴露側から検出側に、透過した試験ガスを四極子形質量分析計で計測した。質量分析計を、校正された定量ガス導入素子を用いて“その場”校正することで、ガス透過度を定量化した。差圧式質量分析法により測定された改質リグニン粘土複合膜の水素及びヘリウムの透過度は、0.69 cc/m2/day及び0.91 cc/m2/dayであった。
加えて、原子間力顕微鏡により得られた平均の粗さは、280nmであり、十分な平滑性を有していた。また、熱機械分析装置により得られた線膨張係数は、室温から300℃の範囲で7 ppm/Kであった。
比較例1
市販リグニン(東京化成工業株式会社、リグニン(脱アルカリ))を用い、実施例1と同様の条件により厚み約20μmのリグニン粘土複合膜を得た。得られた膜の水蒸気透過度は、測定時間24時間で1.1 g/m2/dayであった。測定をさらに48時間後、168時間後、214時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.6、23、36 g/m2/dayであった。市販リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度は、改質リグニン粘土複合膜より劣っており、また、計時的に劣化が顕著であった。
また、差圧式質量分析法により測定された水素及びヘリウムの透過度は、0.87 cc/m2/day及び0.94 cc/m2/dayであった。水素及びヘリウムの透過度は、改質リグニン粘土複合膜より劣っていた。
実施例2
実施例1と同様の条件により、改質リグニンと「クニピアM」の比率がそれぞれ30重量部:70重量部、40重量部:60重量部の粘土複合膜を作成した。膜厚は、約30μmであった。得られた膜の水蒸気透過度を測定したところ、30重量部:70重量部の粘土複合膜の25時間、1027時間、1862時間後の透湿度は0.99、1.1、2.0 g/m2/dayであった。また、40重量部:60重量部の粘土複合膜の309時間、1029時間、1768時間後の透湿度は、1.7、2.5、3.7 g/m2/dayであった。
実施例3
実施例1と同様の分散液を調製し、PETシートに同様の条件で延伸し、室温で乾燥を行った。PETシートから膜を分離した後、電気炉で230℃、10時間加熱した。この加熱処理により、膜厚約20μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。
改質リグニン粘土複合膜のカップ法により測定された水蒸気透過度(JIS Z0208-1976)は測定時間24時間で1.8 g/m2/dayであった。
実施例4
改質リグニンとして、実施例1と同じ、分子量200のポリエチレングリコールを溶媒とした酸加水溶媒分解法で得られたものを用いた。
リチウム交換型精製ベントナイト(「クニピアM」)を400℃で2時間加熱した。その後、アセトニトリルとアンモニアの水溶液に分散した。このときに分散濃度は20%であった。さらにその分散液を万能混合機にて5時間混合し「クニピアM」の再分散液を得た。
「クニピアM」の再分散液(35g)に20%アセトニトリル水溶液(61g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、20%改質リグニン分散液15g(リグニン3.0g、アセトニトリル7.2g、水4.8g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、氷水で20℃以下まで冷やし、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。この際キャスティングナイフのクリアランスを0.4 mmであった。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約20μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンとクニピアMの割合は、改質リグニン:クニピアM=30重量部:70重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間22時間での透過度は1.7 g/m2/dayであった。測定をさらに94時間後、500時間後、1027時間後、1842時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.4、4.0、4.4、5.6 g/m2/dayであった。
実施例5
実施例4と同様の条件により、改質リグニンと「クニピアM」の比率がそれぞれ25重量部:75重量部、40重量部:60重量部、50重量部:50重量部の粘土複合膜を作成した。膜厚は、約20μmであった。得られた膜の水蒸気透過度を測定したところ、25重量部:75重量部の粘土複合膜の23時間、497時間、1002時間、2010時間後の透湿度は3.0、5.2、5.8、6.7 g/m2/dayであった。また、40重量部:60重量部の粘土複合膜の21時間、1005時間、1961時間後の透湿度は、1.5、1.6、2.7 g/m2/dayであり、50重量部:50重量部の粘土複合膜の粘土複合膜の21時間、496時間、1000時間、1505時間後の透湿度は、2.1、3.3、3.6、3.8 g/m2/dayであった。
実施例6
リチウム交換型精製ベントナイト(「クニピアM」)を400℃で2時間加熱した。その後、アセトニトリルとアンモニアの水溶液に分散した。このときに分散濃度は20%であった。さらにその分散液を万能混合機にて5時間混合し「クニピアM」の再分散液を得た。
「クニピアM」の再分散液(28g)に20%アセトニトリル水溶液(63.4g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、20%改質リグニン分散液12g(リグニン2.4g、アセトニトリル5.76g、水3.84g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、架橋剤としてオキサゾリン基含有樹脂「エポクロス」(登録商標)WS-700(株式会社日本触媒、以下、「エポクロス」)2.4gを加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、氷水で20℃以下まで冷やし、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。この際キャスティングナイフのクリアランスを0.4 mmであった。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約20μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニン、「エポクロス」と「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「エポクロス」:「クニピアM」=28重量部:7重量部:65重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は1.5 g/m2/dayであった。測定をさらに497時間後、1001時間後、2010時間後に測定したところ、それらの透過度は、3.3、3.6、4.9 g/m2/dayであった。
実施例7
実施例6と同じ条件で、改質リグニン、「エポクロス」と「クニピアM」の割合を、改質リグニン:「エポクロス」:「クニピアM」=26重量部:13重量部:61重量部の比率で作製した。得られた膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は1.1 g/m2/dayであった。測定をさらに497時間後、1001時間後、2010時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.84、1.94、2.52 g/m2/dayであった。
実施例8
実施例6及び実施例7で得られた膜について、PETシートから膜を分離した後、電気炉で200℃、48時間加熱した膜を作製した。得られた膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。改質リグニン:「エポクロス」:「クニピアM」=26重量部:13重量部:61重量部の粘土複合膜の透過度を、20時間後、519時間後、1839時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.5、5.1、6.1 g/m2/dayであった。また、28重量部:7重量部:65重量部の粘土複合膜の透過度を、21時間後、496時間後、1576時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.7、5.6、7.4 g/m2/dayであった。
実施例9
実施例4と同様の改質リグニンと「クニピアM」分散液を使用した。「クニピアM」の再分散液(28g)に20%アセトニトリル水溶液(54.7g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、20%改質リグニン分散液10.8g(リグニン2.16g、アセトニトリル5.18g、水3.46g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。混合後、架橋剤としてポリカルボジイミド樹脂「カルボジライト」(登録商標)V-02(日清紡ケミカル株式会社、以下、「カルボジライト」)0.6g自転公転ミキサーにて混合した。混合後、氷水で20℃以下まで冷やし、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。この際キャスティングナイフのクリアランスを0.4 mmであった。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約20μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニン、「カルボジライト」と「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「カルボジライト」:「クニピアM」=27重量部:3重量部:70重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は1.8 g/m2/dayであった。測定をさらに1024時間後、2129時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.7、2.6 g/m2/dayであった。
実施例10
実施例6と同じ条件で、改質リグニン、「カルボジライト」と「クニピアM」の割合を、改質リグニン:「カルボジライト」:「クニピアM」=24重量部:6重量部:70重量部の比率で作製した。得られた膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は1.7 g/m2/dayであった。測定をさらに1024時間後、2129時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.7、2.5g/m2/dayであった。
実施例11
実施例9及び実施例10で得られた膜について、PETシートから膜を分離した後、電気炉で200℃、48時間加熱した膜を作製した。得られた膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。改質リグニン:「カルボジライト」:「クニピアM」=27重量部:3重量部:70重量部の粘土複合膜の透過度を、28時間後、478時間後、1175時間後に測定したところ、それらの透過度は、3.7、9.1、12 g/m2/dayであった。また、24重量部:6重量部:70重量部の粘土複合膜の透過度を、28時間後、478時間後、1175時間後に測定したところ、それらの透過度は、6.3、12、15 g/m2/dayであった。
実施例12
「クニピアM」の20%再分散液(40g)に蒸留水(40g)を加え、自転公転ミキサーにて混合した。得られた分散液を一晩静置した。静置後さらに自転公転ミキサーにて混合した。混合後、N-メチル-2-ピロリドン(108g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、改質リグニンとジイソシアン酸-4,4’-ジフェニルメタンの分散液10 g(改質リグニン2g、ジイソシアン酸-4,4’-ジフェニルメタン1g、NMP12g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、氷水で20℃以下まで冷やし、さらに自転公転ミキサーにて混合した。得られた分散液を目開き53μmの篩に通し、自転公転ミキサーにて混合した。15分静置した後、さらに自転公転ミキサーで混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。この際キャスティングナイフのクリアランスを0.7 mmであった。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で300℃、2時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約30μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:ジイソシアン酸-4,4’-ジフェニルメタン:「クニピアM」=18重量部:9重量部:73重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は2.8 g/m2/dayであった。測定をさらに2015時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.8 g/m2/dayであった。
実施例13
Na型精製ベントナイト(「クニピア-F」)(100g)を、0.5M酢酸アンモニウム水溶液(1700g)に添加し、1時間攪拌することでイオン交換反応を実施した。攪拌後、反応液のろ過を行った。得られたろ過ケーキに対し、60%IPA-40%水混合液(1.5kg)にて通液洗浄しアンモニウム型ベントナイトケーキを得た。さらに固形分濃度が20%となるように蒸留水を加え、混練することでアンモニウム型ベントナイト分散液を得た。
アンモニウムイオン交換ベントナイトの分散液(60g)に蒸留水(175g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、20%改質リグニン分散液15g(リグニン3g、トリエタノールアミン4.48g、水7.52gを混合して調製、その際、トリエタノールアミンの濃度を0.004 mol/Lになるよう調整した)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、氷水で液温が20℃以下になるまで冷やし、自転公転ミキサーにて混合した。その後、分散液を目開き53μmの篩に通し、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約26μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイトの割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=20重量部:80重量部であった。
得られた膜は、加熱前の形態を保持しており、柔軟性とハンドリング性を有する膜であった。また、改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間64時間での透過度は0.35g/m2/dayであった。測定をさらに1250時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.43g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率および堆積抵抗率は、それぞれ、2.23×1015Ω、4.76×1014Ωcmであった。
実施例14
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。この加熱処理により、膜厚は約32μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は0.28g/m2/dayであった。さらに2345時間後に測定したところ、透過度は、0.55g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率および堆積抵抗率は、それぞれ、4.05×1015Ω、3.13×1014Ωcmであった。
実施例15
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約32μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間186時間での透過度は0.27g/m2/dayであった。さらに5274時間後に測定したところ、透過度は、0.27g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率および堆積抵抗率は、それぞれ、1.74×1015Ω、4.72×1014Ωcmであった。
実施例16
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約35μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間66時間での透過度は0.12g/m2/dayであった。さらに4506時間後に測定したところ、透過度は、0.41g/m2/dayであった。
実施例17
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で180℃、96時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は約31μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間93時間での透過度は0.15g/m2/dayであった。さらに928時間後に測定したところ、透過度は、0.19g/m2/dayであった。
実施例18
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で180℃、72時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は29μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間47時間での透過度は0.30g/m2/dayであった。さらに556時間後に測定したところ、透過度は、0.47g/m2/dayであった。
実施例19
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で160℃、96時間加熱した。この加熱処理により、膜厚は31μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間90時間での透過度は0.41g/m2/dayであった。さらに424時間後に測定したところ、透過度は、0.54g/m2/dayであった。
実施例20
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。膜厚は44μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=40重量部:60重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間499時間での透過度は0.58 g/m2/dayであった。測定をさらに2164時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.90 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、3.64×1015Ω、5.99×1014Ωcmであった。
実施例21
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で220℃、24時間加熱した。膜厚は25μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=40重量部:60重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間41時間での透過度は0.67 g/m2/dayであった。測定をさらに2164時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.90 g/m2/dayであった。
実施例22
実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。膜厚は45μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=50重量部:50重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間41時間での透過度は1 g/m2/dayであった。測定をさらに2164時間後に測定したところ、それらの透過度は、1 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、3.81×1015Ω、6.37×1014Ωcmであった。
実施例23
アンモニウムイオン交換ベントナイトの分散液(52.5g)に蒸留水(140.8g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、20%改質リグニン分散液15g(リグニン3g、トリエタノールアミン4.48g、水7.52gを混合して調製、その際、トリエタノールアミンの濃度を0.004 mol/Lになるよう調整した)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、架橋剤として「エポクロス」(濃度24.9%)6.02gを加え、ホモジナイザーにて混合した。氷水で液温が20℃以下になるまで冷やし、自転公転ミキサーにて混合した。その後、分散液を目開き53μmの篩に通し、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。膜厚は36μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「エポクロス」の割合は、改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間47時間での透過度は0.66 g/m2/dayであった。測定をさらに2922時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.85 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、1.77×1015Ω、5.34×1014Ωcmであった。加えて、熱機械分析装置により得られた線膨張係数は室温から300℃の範囲で10 ppm/Kであり、原子間力顕微鏡により得られた平均の粗さは49 nmであった。
実施例24
改質リグニン50gと無水フタル酸10.93g、ピリジン8.82gをテトラヒドロフラン337mLに溶解し、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。その後エバポレーターにて減圧乾燥した後、さらに真空乾燥を行い、テトラヒドロフランを除去した。得られた粉末を乳鉢でよくすり潰し、ビーカーに移して、蒸留水100mLに分散した。その後、1時間激しく攪拌し、濾過によって分離後、固形分を減圧乾燥・真空乾燥することにより、カルボキシル基付加改質リグニンを得た(以下、C-改質リグニン)。
C-改質リグニン、アンモニウムイオン交換ベントナイトを用い、実施例13と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。膜厚は27μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間23時間での透過度は1.59 g/m2/dayであった。測定をさらに665時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.63 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、1.94×1015Ω、5.89×1014Ωcmであった。
実施例25
C-改質リグニン、アンモニウム交換型ベントナイト、及び「エポクロス」を用い、実施例23と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は27μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中のC-改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「エポクロス」の割合は、C-改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間21時間での透過度は0.28 g/m2/dayであった。測定をさらに2345時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.55 g/m2/dayであった。
実施例26
C-改質リグニン、アンモニウム交換型ベントナイト、及び「エポクロス」を用い、実施例23と同様の条件にて分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。膜厚は28μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中のC-改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「エポクロス」の割合は、C-改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間88時間での透過度は1.68 g/m2/dayであった。測定をさらに1431時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.81 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、3.24×1015Ω、7.31×1014Ωcmであった。
実施例27
C-改質リグニン、アンモニウム交換型ベントナイト、及び「カルボジライト」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。膜厚は24μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中のC-改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「カルボジライト」の割合は、C-改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト:「カルボジライト」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.71 g/m2/dayであった。測定をさらに2660時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.31 g/m2/dayであった。
また、得られた膜の表面抵抗率及び体積抵抗率は、それぞれ、2.38×1015Ω、6.17×1014Ωcmであった。
実施例28
C-改質リグニン、アンモニウム交換型ベントナイト、及び「カルボジライト」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。膜厚は23μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中のC-改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「カルボジライト」の割合は、C-改質リグニン:アンモニウム交換型ベントナイト:「カルボジライト」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間23時間での透過度は0.89 g/m2/dayであった。測定をさらに569時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.07 g/m2/dayであった。
実施例29
リチウム交換型ベントナイト(「クニピアM」)と改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。膜厚は28μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=20重量部:80重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.46 g/m2/dayであった。測定をさらに2684時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.49 g/m2/dayであった。
実施例30
リチウム交換型ベントナイト(「クニピアM」)と改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、24時間加熱した。膜厚は25μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンとクニピアMの割合は、改質リグニン:クニピアM=20重量部:80重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間23時間での透過度は1.51 g/m2/dayであった。測定をさらに2202時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.78 g/m2/dayであった。
実施例31
リチウム交換型ベントナイト(「クニピアM」)と改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は28μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間113時間での透過度は0.05 g/m2/dayであった。測定をさらに5202時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.52 g/m2/dayであった。
実施例32
「クニピアM」の20%水分散液(45g)に蒸留水(199g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、改質リグニン(6g)を加え、ホモジナイザーにて混合した。混合後、氷水で液温が20℃以下になるまで冷やし、自転公転ミキサーにて混合した。その後、分散液を目開き53μmの篩に通し、さらに自転公転ミキサーにて混合した。最終的に得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。延伸した分散液を室温で乾燥した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、36時間加熱した。膜厚は28μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=40重量部:60重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間70時間での透過度は0.22 g/m2/dayであった。測定をさらに3119時間後に測定したところ、それらの透過度は、2.34 g/m2/dayであった。
実施例33
「クニピアM」とC-改質リグニン、「エポクロス」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は26μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中のC-改質リグニンとアンモニウム交換型ベントナイト、「エポクロス」の割合は、C-改質リグニン:「クニピアM」:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.14 g/m2/dayであった。測定をさらに5729時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.16 g/m2/dayであった。
実施例34
「クニピアM」とC-改質リグニン、「エポクロス」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で200℃、48時間加熱した。膜厚は38μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアM」:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間48時間での透過度は1.66 g/m2/dayであった。測定をさらに5296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.64 g/m2/dayであった。
実施例35
「クニピアM」とC-改質リグニン、「カルボジライト」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は28μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアM」:「カルボジライト」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間71時間での透過度は0.51 g/m2/dayであった。測定をさらに5296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.64 g/m2/dayであった。
実施例36
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液と改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は29μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=20重量部:80重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間91時間での透過度は0.18 g/m2/dayであった。測定をさらに5296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.57 g/m2/dayであった。
実施例37
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液、改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は37μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.67 g/m2/dayであった。測定をさらに5489時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.49 g/m2/dayであった。
実施例38
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液、改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は31μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=40重量部:60重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間91時間での透過度は0.16 g/m2/dayであった。測定をさらに5296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.50 g/m2/dayであった。
実施例39
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液、改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。その際、添加する20%改質リグニン分散液中のトリエタノールアミン濃度を0.0005mol/Lとした。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は39μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間113時間での透過度は0.33 g/m2/dayであった。測定をさらに2586時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.51 g/m2/dayであった。
実施例40
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液、改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で220℃、48時間加熱した。膜厚は42μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の改質リグニンと「クニピアM」の割合は、改質リグニン:「クニピアM」=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間89時間での透過度は0.09 g/m2/dayであった。測定をさらに2609時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.19 g/m2/dayであった。
実施例41
実施例9に記載した「クニピアM」の再分散液、改質リグニン、「エポクロス」を用い、実施例23と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は25μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、改質リグニン:「クニピアM」:「エポクロス」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間91時間での透過度は0.08 g/m2/dayであった。測定をさらに5296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.45 g/m2/dayであった。
実施例42
ベントナイト(「クニピアF」)と実施例24で用いたC-改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、36時間加熱した。膜厚は24μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」=20重量部:80重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間25時間での透過度は0.99 g/m2/dayであった。測定をさらに2302時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.16 g/m2/dayであった。
実施例43
ベントナイト(「クニピアF」)と実施例24で用いたC-改質リグニンを用い、実施例13と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、36時間加熱した。膜厚は26μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」=30重量部:70重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間66時間での透過度は0.74 g/m2/dayであった。測定をさらに4194時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.88 g/m2/dayであった。
実施例44
「クニピアF」とC-改質リグニン、「カルボジライト」を用い、実施例24と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、36時間加熱した。膜厚は30μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」:「カルボジライト」=20重量部:70重量部:10重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間95時間での透過度は1.16 g/m2/dayであった。測定をさらに2113時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.56 g/m2/dayであった。
実施例45
「クニピアF」とC-改質リグニン、「カルボジライト」を用い、実施例24と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、36時間加熱した。膜厚は23μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」:「カルボジライト」=27重量部:70重量部:3重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.40 g/m2/dayであった。測定をさらに2296時間後に測定したところ、それらの透過度は、0.66 g/m2/dayであった。
実施例46
「クニピアF」とC-改質リグニン、「カルボジライト」を用い、実施例24と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、24時間加熱した。膜厚は26μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」:「カルボジライト」=27重量部:70重量部:3重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は0.85g/m2/dayであった。測定をさらに3691時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.70 g/m2/dayであった。
実施例47
「クニピアF」とC-改質リグニン、「エポクロス」を用い、実施例24と同様の条件にて、分散液を調製した。得られた分散液をPETシート上に載せ、キャスティングナイフを用いて延伸した。乾燥後、PETシートから膜を分離し、電気炉で250℃、30時間加熱した。膜厚は24μmの改質リグニン粘土複合膜を得た。複合膜中の割合は、C-改質リグニン:「クニピアF」:「カルボジライト」=27重量部:70重量部:3重量部であった。改質リグニン粘土複合膜の水蒸気透過度をカップ法(JIS Z0208-1976)により測定した。測定時間24時間での透過度は1.13 g/m2/dayであった。測定をさらに3259時間後に測定したところ、それらの透過度は、1.83 g/m2/dayであった。
本発明によれば、200℃以上の耐熱性と高いガス遮蔽性を有する、柔軟な膜材料を提供できる。本発明の膜材料は、例えば、電子デバイス用のフレキシブル基板として用いられるばかりでなく、包装材や木材の不燃化などにも用いられるという格別の効果が奏される。

Claims (15)

  1. ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物とからなる耐熱ガスバリアフィルム。
  2. 粘土鉱物がリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである請求項1に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  3. 粘土鉱物が、230℃以上の温度で加熱処理をしたリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである請求項2に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  4. 改質リグニンが、カルボキシル基を付加したポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンである請求項1に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  5. 改質リグニンと粘土鉱物の重量比が、20重量部対80重量部から40重量部対60重量部の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  6. 改質リグニンが架橋剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  7. 架橋剤がイソシアネート化合物、ピロメリット酸無水物、オキサゾリン基含有樹脂、またはポリカルボジイミド樹脂である請求項6に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  8. 改質リグニンと架橋剤の重量比が90重量部対10重量部から50重量部対50重量部の範囲である請求項6または7に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  9. 水蒸気バリア性として、JIS Z0208−1976に従うカップ法で測定して、168時間後までの透湿度が、2g/m2/day 未満のガスバリア性を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  10. フィルムの膜厚が3〜100μmである請求項1〜のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルム。
  11. ポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンと粘土鉱物を、分散媒である溶剤に混合し、均一な分散液を得た後、この分散液を支持体に塗布し、ついで溶剤を蒸発させて除去して膜状固形分を得、加熱することにより耐熱ガスバリアフィルムを得ることを特徴とする耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
  12. 粘土鉱物がリチウム、プロトンまたはアンモニウムイオン交換型ベントナイトである請求項11に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
  13. 改質リグニンが、カルボキシル基を付加したポリエチレングリコールにより修飾された改質リグニンである請求項11に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
  14. 分散液がさらに架橋剤を含む請求項11〜13のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
  15. 膜状固形分の加熱が150〜800℃の範囲で行われる請求項11〜14のいずれか1項に記載の耐熱ガスバリアフィルムの製造方法。
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