JP6790795B2 - シート状物 - Google Patents
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Description
(1)立毛面に非連続な樹脂層が形成されており、前記非連続な樹脂層のシート状物表面に占める割合(面積)が10〜90%であること、
(2)前記の非連続な樹脂層が2層以上で構成されていること、
(3)前記の非連続な樹脂層に分子量が300以上100,000以下である耐光剤が固形分として0.5〜10質量%含まれており、かつ、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトおよびフッ素化マイカからなる群から選ばれた少なくとも一種類である多孔質無機フィラーが固形分として0.1〜10質量%含まれていること。
(1)立毛面に非連続な樹脂層が形成されており、前記非連続な樹脂層のシート状物表面に占める割合(面積)が10〜90%であること、
(2)前記の非連続な樹脂層が2層以上で構成されていること、
(3)前記の非連続な樹脂層に分子量が300以上100,000以下である耐光剤が固形分として0.5〜10質量%含まれており、かつ、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトおよびフッ素化マイカからなる群から選ばれた少なくとも一種類である多孔質無機フィラーが固形分として0.1〜10質量%含まれていること。
(1)極細繊維の平均単繊維直径:
シート状物の表皮シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、円形または円形に近い楕円形の繊維をランダムに100本選び、単繊維直径を測定して100本の平均値を計算することにより算出した。異型断面の極細繊維を採用した場合には、極細繊維の外接円の直径を単繊維直径とし、同様に算出した。
シート状物の平面方向および機械方向に垂直な断面を切り出し、断面が歪まないように試料台に設置した。続いて、走査型電子顕微鏡(SEM、キーエンス社製VE−7800)を用いて、シート状物の試料片の断面を200倍の倍率で異なる箇所について10枚撮影した。これらの各撮影像から、断面に並行な方向を水平とし、断面の立毛層側を上とし、他方の面を下としたときの、樹脂層の最高位置z1と、樹脂層の最低位置z2の2点間距離を取得し、樹脂層の総厚みを算出した。さらに、算出して得られた10個の値の平均値を樹脂層の総厚みとした。
シート状物に対し、スガ試験機器社製のキセノンウェザーメーターを用いて、波長が300〜400nmの光を放射照度150W/m2、ブラックパネル温度73±3℃、槽内温度38℃、相対湿度50±5%で、144時間光照射する強制劣化処理を施した後、照射後のシート状物の変退色度合いをJIS L0804(2004)の変退色用グレースケールを用いて級判定する。判定は、0.5刻みの1〜5級までの9段階の級判定で行い、n数を3とし、最も良い等級と最も悪い等級を除いた残りの等級を評価結果とした。例えば、n=3の級判定が、3級、3級および4級であれば評価結果は3級であり、3級、4級および4級であれば評価結果は4級となる。本発明では、3級以上を合格とした。
シート状物の直径80cmのサンプルを、3枚採取する。ガラス霞み促進試験装置(ウインドウスクリーンフォギングテスター WF−2、スガ社製)で、80℃×3時間加熱してフォギングテストを行う。次に、フォギングテスト後のガラスプレート(110mm×110mmの正方形状、厚さ3mm)の反射率を、ハロゲンランプを光源とする変角光沢計(スガ社製;UGV−5)で測定する。測定角(入射角及び受光角)は60度で、サンプルを90度ずつ回転させて、1つのサンプルにつき4回(90度の4回で360度分)測定し、得られた各データをR1、R2、R3およびR4として、次式によりフォギングテスト後の反射率Rを算出する。
・R=(R1 +R2 +R3 +R4 )/4。
・耐フォギング性(%)=R/R0×100
すなわち、ここで、R0、R2、R3およびR4は、フォギングテスト後のガラスプレートの反射率(%)であり、RはR1、R2、R3およびR4の平均値であり、R0はフォギングテスト前のガラスプレートの反射率(%)である。本発明では、n数を3(サンプル3枚)として平均値を算出し、小数点以下は四捨五入した。評価判定は、耐フォギング性が90%以上を合格とした。
シート状物の表面触感を、対象者10名の官能検査により評価した。天然ヌバックの緻密でウェットな触感と比較し、8名以上が、緻密でウェットな触感を有すると判定したものを(二重丸:◎)、5〜7名が判断したものを(一重丸:〇)、3〜4名が判定したものを(三角:△)、2名以下が判断したものを(×)と各々区分した。二重丸と一重丸を合格とした。この判定では、天然ヌバック調の触感を有するものが高い判定となる。
シート状物の表面立毛感を、対象者10名の官能検査により評価した。天然スエードの立毛感と比較し、8名以上が、スエード調の立毛感を有すると判定したものを(二重丸:◎)、5〜7名が判断したものを(一重丸:〇)、3〜4名が判定したものを(三角:△)、2名以下が判断したものを(×)と各々区分した。二重丸と一重丸を合格とした。この判定では、天然スエード調の触感を有するものが高い判定となる。
評価するシート状物について、任意の1か所から直径120mmの大きさで円形状の試験片を1枚採取し、ASTM D3884の6.1項のテーバ摩耗試験法によって試験を行った。試験は、CS#10摩耗輪により、4.9Nで1000回転摩耗を行った後、シート状物表面の摩耗状態を観察し、試験前の表面状態と比較して、異常の程度を、次の評価に従い等級を判定した。本発明の評価においては、3級〜5級を合格とした。
・5級…試験前の状態と差が認められない。
・4級…わずかに表面樹脂層部の割れ、剥がれが認められるが、殆ど目立たない。
・3級…明らかに表面樹脂層部の割れ、剥がれが認められるが、目立たない。
・2級…やや著しい表面樹脂層部の割れ、剥がれがある。
・1級…著しく表面樹脂層部の割れ、剥がれがある。
<原綿>
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてポリスチレンを用い、島数が16島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率80/20で溶融紡糸した後、延伸し捲縮加工し、その後、51mmの長さにカットして海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパー工程を経て積層ウェブ(不織布)を形成し、織物貼り合わせ後の急激な幅変化による織物しわを抑えるために100本/cm2のパンチ本数でニードルパンチした。別に、固有粘度(IV)が0.65の単成分からなる単糸で、撚数が2500T/mからなるマルチフィラメント(84dtex、72フィラメント)を緯糸に用い、固有粘度(IV)が0.65の単成分からなる単糸で、撚数が2500T/mからなるマルチフィラメント(84dtex、72フィラメント)を経糸として用い、織密度が経97本/2.54cmで、緯76本/2.54cmである平織物を製織した。得られた平織物を、前記の積層ウェブ(不織布)の上下に積層した。
前記の工程で得られた積層シートを、96℃の温度の熱水で処理して収縮させた後、PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥することにより、積層シートの質量に対するPVA質量が7.6質量%のシート基体を得た。このようにして得られたシート基体を、トリクロロエチレン中に浸漬して海成分のポリスチレンを溶解除去し、平均単繊維繊度が4.4μmからなる極細繊維と平織物が絡合してなる脱海シートを得た。このようにして得られた極細繊維からなる不織布と平織物とからなる脱海シートを、固形分濃度を12%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いで、DMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、島成分からなる極細繊維と前記の平織物の合計質量に対するポリウレタン質量が27質量%の繊維構造物の前駆体シートを得た。
固形分濃度25%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に、次いでポリウレタン固形分質量比、ベンゾトリアゾール系の分子量448の耐光剤(BASF製 TINUVINN 234)を4質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを2質量%含有するように溶液を調整し、前記の工程で得られた繊維構造の立毛面にロータリーコーティング手法を3度繰り返し、非連続に表面が被覆された3層構造で厚み0.2mmのポリウレタン樹脂層を形成せしめた。また、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の繊維構造物表面に占める割合は60%であった。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿>
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてポリスチレンを用い、島数が100島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率80/20で溶融紡糸した後、延伸し捲縮加工し、その後、51mmの長さにカットして海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が0.3μmで、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の布帛表面に占める割合は、70%のシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿>
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてポリスチレンを用い、島数が8島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率80/20で溶融紡糸した後、延伸し捲縮加工し、その後、51mmの長さにカットして海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が7.0μmの繊維構造物を得た。
固形分濃度25%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に、次いでポリウレタン固形分質量比、ベンゾトリアゾール系の分子量316の耐光剤(BASF製 TINUVINN 326)を6質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを3質量%含有するように溶液を調整し、前記の工程で得られた繊維構造物の立毛面にロータリーコーティング手法を3度繰り返し、非連続に表面が被覆された3層構造で厚み0.2mmのポリウレタン樹脂層を形成せしめた。また、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の繊維構造物表面に占める割合は、60%であった。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて極細繊維の平均単繊維直径が大きいため、若干表面触感と立毛感は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ち、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿>
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてポリスチレンを用い、島数が36島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率55/45で溶融紡糸した後、延伸し捲縮加工し、その後、51mmの長さにカットして海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成し、織物貼り合わせ後の急激な幅変化による織物しわを抑えるために100本/cm2のパンチ本数でニードルパンチした。別に、固有粘度(IV)が0.78のPETと固有粘度(IV)が0.51のPETからなる複合比(質量%)50:50からなるサイドバイサイド型複合糸で、撚数1500T/mからなるマルチフィラメント(56dtex、12フィラメント)を緯糸に用い、固有粘度(IV)が0.65の単成分からなる単糸で撚数2500T/mからなるマルチフィラメント(84dtex、72フィラメント)を経糸として用い、織密度が経69本/2.54cm、緯83本/2.54cmである平織物を製織した。得られた平織物を、前記の積層ウェブの上下に積層した。
前記の工程で得られた積層シートを、96℃の温度の熱水で処理して収縮させた後、PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥することにより、積層シート質量に対するPVA質量が4.0質量%のシート基体を得た。このようにして得られたシート基体を、トリクロロエチレン中に浸漬して海成分のポリスチレンを溶解除去し、平均単繊維繊度が2.1μmからなる極細繊維と平織物が絡合してなる脱海シートを得た。このようにして得られた極細繊維からなる不織布と平織物とからなる脱海シートを、固形分濃度12%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に浸漬し、次いで、DMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、島成分からなる極細繊維と前記の平織物の合計質量に対するポリウレタン質量が20質量%の繊維構造物の前駆体シートを得た。
固形分濃度25%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に、次いでポリウレタン固形分質量比、ベンゾトリアゾール系の分子量448の耐光剤(BASF製 TINUVINN 234)を4質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを2質量%含有するように溶液を調整し、前記の工程で得られた繊維構造物の立毛面にグラビアコーティング手法を2度繰り返し、非連続に表面が被覆された2層構造で厚み0.2mmのポリウレタン樹脂層を形成せしめた。また、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の布帛表面に占める割合は、30%であった。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.3μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
固形分濃度25%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に、次いでポリウレタン固形分質量比、ベンゾフェノン系の分子量326の耐光剤(BASF製 CHIMASSORB 81)を6質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを3質量%含有するように溶液を調整し、前記の工程で得られた繊維構造物の立毛面にロータリーコーティング手法を3度繰り返し、非連続に表面が被覆された3層のポリウレタン樹脂層を形成せしめた。また、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の繊維構造物表面に占める割合は、60%であった。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.2μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
固形分濃度25%に調整したポリウレタンのDMF(ジメチルホルムアミド)溶液に、次いでポリウレタン固形分質量比、ベンゾトリアゾール系の分子量225の耐光剤(ADEKA製 LA−32)を8質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを4質量%含有するように溶液を調整し、前記の工程で得られた繊維構造物の立毛面にロータリーコーティング手法を3度繰り返し、非連続に表面が被覆された3層構造で厚み0.2mmのポリウレタン樹脂層を形成せしめた。また、表面は樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の繊維構造物表面に占める割合は、60%であった。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて耐光剤の分子量が小さいため、耐フォギング性は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.3μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン固形分質量比と、多孔質無機フィラーをサポナイトにしたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と、天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性、と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.3μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン固形分重量比、ベンゾトリアゾール系の分子量448の耐光剤(BASF製 TINUVIN 234)を1質量%含有にしたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて耐光剤の添加量が少ないため、耐光性は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.4μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン固形分質量比、ベンゾトリアゾール系の分子量448の耐光剤(BASF製 TINUVIN 234)を10質量%含有し、さらにポリウレタン固形分質量比と、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを5質量%含有にしたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて耐光剤の添加量が多いため、耐摩耗性は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.4μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン固形分質量比、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを0.1重量%含有にしたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて多孔質無機フィラーの添加量が少ないため、耐フォギング性は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.3μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン固形分質量比と、多孔質無機フィラーのモンモリナイトを10質量%含有にしたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、実施例1に比べて多孔質無機フィラーの添加量が多いため、表面触感は若干劣るが、天然のヌバック皮革の触感と天然のスエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性と耐フォギング性に優れており、良好であった。結果を表1に示す。
<原綿>
島成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてポリスチレンを用い、島数が8島の海島型複合用口金を用いて、島/海質量比率80/20で溶融紡糸した後、延伸し捲縮加工し、その後、51mmの長さにカットして海島型複合繊維の原綿を得た。
上記の海島型複合繊維の原綿を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が8.5μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、耐光性と耐フォギング性に優れているものの、極細繊維の平均単繊維直径が大きすぎたため、天然のヌバック皮革の触感は有しておらず、天然のスエード皮革の立毛感にも劣るものであった。結果を表1に示す。
<原綿〜積層ウェブ(不織布)および織編物との積層シート>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.2μmの極細繊維発生型繊維からなる不織布と熱収縮性の織物からなる積層シートを得た。
エンドレスサンドペーパーで研削せず、表層部に立毛面を形成させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、繊維構造物を得た。
実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感を有し、耐光性と耐フォギング性に優れているものの、表層部に立毛面を形成させなたったため、天然のスエード皮革の立毛感は全くなく、従来の合成皮革に近い、触感に劣るものであった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.1μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ロータリーコーティング手法で均一な3層構造で、厚みが0.2mmのポリウレタン樹脂層を形成せしめ、表面を樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが規則かつ連続に配置させたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、スエード皮革の立毛感を有し、耐光性と耐フォギング性に優れているものの、樹脂部分と立毛部分とが規則かつ連続に配置させたため、樹脂層の割れが発現し、天然のヌバック皮革の触感が劣るものであった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.0μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
非連続に表面が被覆された1層のポリウレタン樹脂層を形成せしめたこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。また、表面は、樹脂層部分が島状に点在しており、樹脂部分と立毛部分とが不規則かつ非連続に配置されており、樹脂部分の布帛表面に占める割合は、8%であった。このようにして得られたシート状物は、耐光性と耐フォギング性に優れているものの、樹脂部分の布帛表面に占める割合が低すぎたため、天然のヌバック調の表面感、触感を得ることができず、むしろスエード皮革の立毛感が強く、さらには耐摩耗性にも劣るものであった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が3.9μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン樹脂に多孔質無機フィラーを含有しないこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感と、スエード皮革の立毛感を持ちながら、さらには耐光性を有しているが、ポリウレタン樹脂に多孔質無機フィラーを含有しなかったため、耐フォギング性に劣るものであった。結果を表1に示す。
<原綿〜繊維構造物>
実施例1と同様にして、極細繊維の平均単繊維直径が4.1μmの繊維を用いてなる繊維構造物を得た。
ポリウレタン樹脂に耐光剤と多孔質無機フィラーを含有しないこと以外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このようにして得られたシート状物は、天然のヌバック皮革の触感とスエード皮革の立毛感を有しているものの、ポリウレタン樹脂に耐光剤および、多孔質無機フィラーを含有しなかったため、耐光性と耐フォギング性に劣るものであった。結果を表1に示す。
2:樹脂部
Claims (5)
- 平均単繊維直径が0.1〜8μmの極細繊維からなる繊維構造物であって、前記繊維構造物の少なくとも一面が立毛を有しており、下記の(1)〜(3)を全て満足することを特徴とするシート状物。
(1)立毛面に非連続な樹脂層が形成されており、前記非連続な樹脂層のシート状物表面に占める割合(面積)が10〜90%であること、
(2)前記非連続な樹脂層が2層以上で構成されていること、
(3)前記非連続な樹脂層に、分子量が300以上100,000以下である耐光剤が固形分として0.5〜10質量%含まれており、かつ、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトおよびフッ素化マイカからなる群から選ばれた少なくとも一種類である多孔質無機フィラーが固形分として0.1〜10質量%含まれていること。 - 前記非連続な樹脂層が3層構造であることを特徴とする請求項1に記載のシート状物。
- 前記非連続な樹脂層の総厚みが、0.001〜0.4mmであることを特徴とする請求項1または2記載のシート状物。
- 繊維構造物が、内部に高分子弾性体を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物。
- 繊維構造物が、内部に織編物からなる補強布を含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物。
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