JP6221538B2 - シート状物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
それにより、第1の高分子弾性体をシート両表面側に多く内部に少なく配置させることができ、製品での第1の高分子弾性体の層を形成することができる。
(1)平均単繊維直径測定:
平均単繊維直径は、繊維質不織シート基材またはシート状物断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、繊維をランダムに100本選び、単繊維直径を測定して平均値を計算することにより算出した。
シート状物の断面構造は、シート状物断面のマイクロスコープを用い、カラー写真で倍率100倍で撮影し観察した。第2の高分子弾性体に含有した顔料により第1の高分子弾性体と第2の高分子弾性体の色相差により、層状構造を確認し、第1の高分子弾性体の層と第2の高分子弾性体の層みをそれぞれ10箇所ずつ測定し、その平均値を算出した。
示差走査熱量測定装置(RDC220(セイコー・インスツルメンツ))を用い、窒素雰囲気下、窒素流量20mL/分とし、第1の高分子弾性体乾式フィルム(熱風乾燥機を用いて、100℃の温度で5分間乾燥の条件で作製した)5mgを秤量して測定したDSCカーブから、算出した。
アクリル樹脂膜の圧縮弾性率は、JIS L1913(2005)6.12 圧縮弾性率測定に準じて測定した。まず、5cm×5cmの樹脂膜を5枚重ね、0.5kPaの初期荷重をかけ、初期厚みT0を測定する。次に、30kPaの荷重を1分間かけ、30kPaかけたときの厚みT1を測定する。その後、荷重を除き、1分間放置した後の再び0.5kPaの荷重をかけたときの厚みをT´0とし、次式より算出した。
・圧縮弾性率=(T´0−T1)/(T0−T1)×100(%)。
ポリプロピレンの不織布2gに対して、乾燥後の合計質量が5gとなるようにアクリル樹脂を付与した不織布の質量をW0gとし、恒温槽で液温90℃とした10質量%水酸化ナトリウム水溶液300mL中に、前記第1の高分子弾性体を付与した不織布を10分間浸漬した後、120℃の温度の熱風乾燥機で20分間乾燥した後の不織布質量をW1gとして、次式により求めた。
・質量減少率=(W0−W1)/(W0−2)×100(%)。
シート状物の柔軟性は、剛軟度により評価した。剛軟度は、JIS L1096(1999)8.19.4 D法(ハートループ法)に準じ、2cm×25cmの試験片を水平棒のつかみにハートループ状に取り付け(有効長:20cm)、1分経過後の水平棒の頂点部とループの最下点との距離L(mm)を剛軟度として測定した。剛軟度で6cm以上を柔軟性良好とした。
シート状物の反発感は、健康状態の良好な成人男性と成人女性各10名ずつ、計20名を評価者として、官能評価によって、下記のように5段階評価し、最も多かった評価を反発感とした。反発感は、3級〜5級を良好とした。
5級:シート状物を把持した時の反発感が非常にあり、良好である。
4級:5級と3級の間の評価である。
3級:シート状物を把持した時の反発感がややあり、まずまず良好である。
2級:3級と1級の間の評価である。
1級:シート状物を把持した時の反発感がなく、不良である。
(繊維質不織シート基材)
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分20質量%、島成分80質量%の複合比率で、島数16島/1フィラメント、平均単繊維直径21μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。このようにして得られた不織布を、98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間乾燥させ、繊維質不織シート基材とした。得られた繊維質不織シート基材は、目付が750g/m2、厚みが2.20mmであった。
Tgが−31℃のアクリル樹脂(日本ゼオン株式会社製“ボンコート”(登録商標)LX874)を固形分8質量%の水溶液に調整し、第1の高分子弾性体液を得た。第1の高分子弾性体の質量減少率は6%であった。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対する第1の高分子弾性体の付着量が15質量%となるように、アクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートを95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して5分間処理を行い、海島型複合繊維の海成分を除去した高分子弾性体と極細繊維からなる脱海シートを得た。脱海シートの平均単繊維直径は、4.4μmであった。
ケン化度が99%、重合度1400のPVA(日本合成化学株式会社製NM−14)を固形分10質量%の水溶液に調製し、PVA液を得た。
上記の脱海シートに上記のPVA液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVA付与シートを得た。
ポリオールにポリヘキサメチレンカーボネートを適用し、イソシアネートにジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを適用したポリカーボネート系自己乳化型ポリウレタン液の固形分100質量部に対して、感熱凝固剤として過硫酸アンモニウム(APS)2質量部を加え、顔料としてカーボンブラック1質量部を加え、水によって全体を固形分濃度10質量%に調製し、ポリウレタン樹脂液を得た。感熱凝固温度は72℃であった。
上記のPVA付与シートに、上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、100℃の温度の湿熱雰囲気下で5分間処理後、乾燥温度120℃の温度で5分間熱風乾燥させ、さらに150℃の温度で2分間乾熱処理を行うことにより、極細繊維質量に対する第2の高分子弾性体の付着量が15質量%となるように、ポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
上記のポリウレタン樹脂付与シートを、95℃の温度に加熱した水中に浸漬して10分処理を行い、付与したPVAを除去したシートを得た。
上記のPVAを除去したシートを、厚さ方向に半裁した。半裁性は、良好であった。
上記の半裁シートの半裁面の表面を、240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いて、3段研削によって起毛処理を行った。
上記の起毛シートを、サーキュラー染色機を用いて分散染料により染色し還元洗浄を行い、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂の層の厚みが300μmで、ポリウレタン樹脂の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物の柔軟性と反発感は、共に良好であった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
固形分濃度が5質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂液を得た。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対する第1の高分子弾性体の付着量が10質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVA付与シートを得た。
固形分濃度が13質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂液を得た。
上記のPVA付与シートに、上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、極細繊維質量に対する第2の高分子弾性体の付着量が20質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが150μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが650μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1より反発感は若干劣るものの、柔軟性は良好であった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
固形分濃度が10質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂液を得た。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対するアクリル樹脂の付着量が20質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂を付与したシートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVAを付与したシートを得た。
固形分濃度が7質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂液を得た。
上記のPVA付与シートに、上記の第2の高分子弾性体液を含浸させ、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が10質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが500μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが300μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1より柔軟性は若干劣るものの、反発感は良好であった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
固形分濃度が1質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂液を得た。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対するアクリル樹脂の付着量が2質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVAを付与したシートを得た。
固形分濃度が20質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂液を得た。
上記のPVA付与シートに、上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が28質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが50μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが750μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1より反発感は劣るものの、柔軟性は非常に良好であった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
固形分濃度が15質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、アクリル樹脂液を得た。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対するアクリル樹脂の付着量が28質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVA付与シートを得た。
固形分濃度が2質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂液を得た。
上記のPVA付与シートに、上記の第1の高分子弾性体液を含浸させ、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が2質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが700μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが100μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1より柔軟性は劣るものの、反発感は非常に良好であった。
アクリル樹脂の代わりに、Tgが58℃のSBR樹脂(JSR株式会社製SBR樹脂2507H、質量減少率8%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、次の表1に示す。得られたシート状物の断面観察では、SBR樹脂層の厚みが300μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1〜5より柔軟性と反発感が若干劣るものの、満足のいくレベルであった。
アクリル樹脂の代わりに、Tgが48℃のナイロン共重合体樹脂(住友精化株式会社製ナイロン共重合体樹脂“セポルジョン”(登録商標)PA200、質量減少率7%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表2に示す。得られたシート状物の断面観察では、ナイロン共重合体樹脂層の厚みが300μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物は、実施例1〜5より柔軟性と反発感が若干劣るものの、満足のいくレベルであった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
上記の繊維質不織シート基材に実施例1で得たアクリル樹脂液を含浸させ、実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材の島成分質量に対するアクリル樹脂の付着量が15質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
ケン化度が87%、重合度500のPVA(日本合成化学株式会社製GL−05)を固形分5質量%の水溶液に調製し、PVA液を得た。
上記の繊維質不織シート基材と上記のPVA水溶液を用いて、実施例1と同様にして繊維質不織シート基材の繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVA付与シートを得た。
ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタン(ゲル化点4.2ml)を固形分濃度12質量%に調整した30%DMF水溶液を得た。
上記脱海シートに上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、極細繊維に対するポリウレタン樹脂の付着量が15質量%となるように調整し、35℃の温度の水でポリウレタンを凝固させてDMFとPVAを同時に除去し、ポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表2に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが300μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物の柔軟性と反発感は、良好であった。
(繊維質不織シート基材)
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分50質量%、島成分50質量%の複合比率で、島数36島/1フィラメント、平均単繊維直径18μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。このようにして得られた不織布を、98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間乾燥させ、繊維質基材用不織布とした。得られた繊維質不織シート基材は、目付が600g/m2、厚みが1.80mmであった。
実施例1と同様にして、アクリル樹脂の付着量が15質量部%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートを95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して5分間処理を行い、海島型複合繊維の海成分を除去した高分子弾性体と極細繊維からなる脱海シートを得た。脱海シートの平均単繊維直径は、2.1μmであった。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVAを付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が15質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、次の表2に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが300μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物の柔軟性と反発感は、良好であった。
(繊維質不織シート基材)
海成分として、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを8mol%共重合したポリエチレンテレフタレートを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分60質量%、島成分40質量%の複合比率で、島数450島/1フィラメント、平均単繊維直径18μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。このようにして得られた不織布を、98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間乾燥させ、繊維質基材用不織布とした。得られた繊維質不織シート基材は、目付が700g/m2で、厚みが2.20mmであった。
実施例1と同様にして、アクリル樹脂の付着量が15質量部%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記のアクリル樹脂付与シートを95℃の温度に加熱した濃度10g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して10分間処理を行い、海島型複合繊維の海成分を除去した高分子弾性体と極細繊維からなる脱海シートを得た。脱海シートの平均単繊維直径は、0.5μmであった。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVAを付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が15質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、次の表2に示す。得られたシート状物の断面観察では、アクリル樹脂層の厚みが200μmで、ポリウレタン樹脂層の厚みが500μmの2層状構造が確認できた。得られたシート状物の柔軟性と反発感は、良好であった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして、繊維質不織シート基材を得た。
上記の繊維質不織シート基材に、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
実施例1と同様にして、脱海シートの繊維質量に対するPVAの付着量が10質量%のPVAを付与したシートを得た。
固形分濃度が20質量%となるように調製した以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂液を得た。
上記のPVA付与シートに、上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、極細繊維質量に対するポリウレタン樹脂の付着量が30質量%となるようにポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表3に示す。得られたシート状物の断面観察では、厚み800μmのポリウレタン樹脂層のみが確認できた。得られたシート状物の柔軟性は良好であったが、反発感はなく、実施例1〜8に対して、反発感に劣っており、満足のいくレベルではなかった。
(繊維質不織シート基材)
海成分として、ポリスチレンを用い、島成分として、ポリエチレンテレフタレートを用い、海成分20質量%、島成分80質量%の複合比率で、島数16島/1フィラメント、平均単繊維直径21μmの海島型複合繊維を得た。得られた海島型複合繊維を繊維長51mmにカットしてステープルとし、カードおよびクロスラッパーを通して繊維ウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布とした。このようにして得られた不織布を、98℃の温度の湯中に2分間浸漬させて収縮させ、100℃の温度で5分間乾燥させ、繊維質不織シート基材とした。
ケン化度が87%、重合度500のPVA(日本合成化学株式会社製GL−05)を固形分10質量%の水溶液に調製し、PVA液を得た。
上記の繊維質不織シート基材と上記のPVA水溶液を用いて、実施例1と同様にして繊維質不織シート基材の繊維質量に対するPVAの付着量が30質量%のPVAを付与したシートを得た。
上記のPVA付与シートをトリクロロエチレンに浸漬して、海島型複合繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。
ポリマージオールがポリエーテル系75質量%とポリエステル系25質量%とからなるポリウレタン(ゲル化点4.2ml)を固形分濃度12質量%に調整した30%DMF水溶液を得た。
上記脱海シートに上記のポリウレタン樹脂液を含浸させ、極細繊維に対するポリウレタン樹脂の付着量が30質量%となるように調整し、35℃の温度の水でポリウレタン樹脂液を凝固させてDMFとPVAを同時に除去し、ポリウレタン樹脂を付与したシートを得た。
実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、表3に示す。得られたシート状物の断面観察では、厚み800μmのポリウレタン樹脂層のみが確認できた。得られたシート状物の柔軟性は良好であったが、反発感はなく、実施例1〜8に対して、反発感に劣っており、満足のいくレベルではなかった。
(繊維質不織シート基材)
実施例1と同様にして繊維質不織シート基材を得た。
実施例4と同様にして、アクリル樹脂液を得た。
上記の繊維質不織シート基材に上記のアクリル樹脂液を含浸させ、140℃の温度で10分間加熱乾燥を行い、繊維質不織シート基材の島成分質量に対するアクリル樹脂の付着量が30質量%となるようにアクリル樹脂を付与したシートを得た。
上記の第1の高分子弾性体を付与したシートに、実施例1と同様にして脱海シートを得た。
上記の脱海シートに、実施例1と同様にして、シート状物を得た。得られたシート状物の評価結果を、次の表3に示す。得られたシート状物の断面観察では、厚み600μmのアクリル樹脂層のみが確認できた。得られたシート状物の反発感性は良好であったが、柔軟性はなく、実施例1〜9に比して、柔軟性に劣っており、満足のいくレベルではなかった。
B:繊維質不織シート基材の厚み方向の0〜30%の範囲
C:繊維質不織シート基材の厚み方向の0〜30%の範囲
Claims (4)
- 平均単繊維直径が0.3〜7.0μmの極細繊維が絡合されてなる不織布シートと、アクリル樹脂およびポリウレタン樹脂から構成されるシート状物あって、前記アクリル樹脂の圧縮弾性率が80%以上であり、前記アクリル樹脂および前記ポリウレタン樹脂が前記不織布シート内部の厚み方向に層状に配置されてなることを特徴とするシート状物。
- アクリル樹脂とポリウレタン樹脂の質量比率が、10:90〜90:10であることを特徴とする請求項1記載のシート状物。
- アクリル樹脂のガラス転移温度が100℃未満であることを特徴とする請求項2または2記載のシート状物。
- 極細繊維発現型繊維を主構成成分とする繊維質不織シート基材に、圧縮弾性率が80%以上であるアクリル樹脂を繊維質不織シートの両表面から厚み方向0〜30%の範囲に付与する工程、前記圧縮弾性率が80%以上であるアクリル樹脂が付与された繊維質不織シート基材から平均単繊維直径が0.3〜7.0μmの極細繊維を発現させる工程、および、前記極細繊維を発現させた繊維質不織シート基材にポリウレタン樹脂を付与する工程、からなることを特徴とするシート状物の製造方法。
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