JP6788453B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルに外方部材が固定される。また、車輪用軸受装置は、外方部材の内側に内方部材が配置され、外方部材と内方部材の間に転動体が介装されている。こうして、車輪用軸受装置は、転がり軸受構造を構成し、内方部材に取り付けられた車輪を回転自在としているのである。
ところで、このような車輪用軸受装置は、外方部材と内方部材の間に形成された環状空間に泥水等が侵入すると、転動体やその転走面が損傷して軸受寿命が短くなる。また、環状空間に封入されているグリースが漏出しても、転動体やその転走面が損傷して軸受寿命が短くなる。このため、車輪用軸受装置は、泥水等の侵入を防止するとともにグリースの漏出を防止すべく、環状空間を密封するシール部材を備えている。例えば特許文献1および特許文献2に記載の如くである。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、外方部材と、内方部材と、外方部材と内方部材の間に介装される転動体と、外方部材と内方部材の間に形成される環状空間を密封するシール部材と、を備えている。しかし、かかる車輪用軸受装置は、泥水が外方部材を伝ってシール部材に到達すると(図11の(A)に示す矢印F参照)、泥水に含まれる異物を噛み込んでシール部材が破損したり摩耗したりするという懸念があった。つまり、シール部材の密封性が低下するという問題があった。
そこで、特許文献2に記載の車輪用軸受装置は、泥水が外方部材を伝ってシール部材に到達するのを防ぐよう、外方部材に外嵌される堰部材を具備している。しかし、かかる車輪用軸受装置は、泥水が堰部材を乗り越えてシール部材に到達する場合があり(図11の(B)に示す矢印F参照)、シール部材が破損したり摩耗したりするという懸念があった。つまり、シール部材の密封性が低下するという問題があった。
加えて、車体が旋回している場合においては、旋回方向外側の車体の車輪(右旋回の場合は左側車輪、左旋回の場合は右側車輪)に大きな荷重が掛かることとなる。すると、旋回方向外側の車輪を支持する車輪用軸受装置にも、大きな荷重が掛かることとなる。また、車輪用軸受装置を構成する外方部材は、鍛造型の形状(抜き勾配)からアウター側の肉厚が薄くならざるを得ず、更にはアウター側端部に拡径部が形成される。このため、外方部材の剛性は、インナー側よりもアウター側で低くなってしまうのである。従って、車輪用軸受装置に大きな荷重が掛かると、外方部材のアウター側開口端が略楕円形状に変形し、転走面(外側転走面)の真円度が劣化してしまうという問題もあった。
特開2014−219100号公報 特開2011−7272号公報
本発明は、シール部材の密封性が低下する問題を防止し、かつ外側転走面の真円度の劣化を抑えることができる車輪用軸受装置の提供を目的とする。ひいては、転動体やその転走面(外側転走面)の損傷を防いで軸受寿命の低下を防ぐことができる車輪用軸受装置の提供を目的とする。
第一の発明は、
内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、を備えた車輪用軸受装置において、
前記外方部材のアウター側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の排水溝を設けるとともに、
前記外方部材の前記排水溝よりもアウター側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の肉厚部を設け、
前記肉厚部は、その軸方向断面で斜辺となる部位を有しており、前記斜辺がアウター側からインナー側へ下るように傾斜している、ものである。
第二の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記肉厚部は、前記内方部材の回転軸に対する前記斜辺の傾きが5°以上である、ものである。
第三の発明は、第一又は第二の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記肉厚部は、前記排水溝の最低部分から前記上辺までの高さが3mm以上である、ものである。
第四の発明は、第一から第三のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
前記肉厚部は、前記外方部材のアウター側に形成された前記外側転走面と外周までの厚さが6.5mm以上である、ものである。
第五の発明は、第一から第四のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
前記外方部材の前記排水溝よりもインナー側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の肉薄部を設け、
前記肉薄部は、前記外方部材のアウター側に形成された前記外側転走面における外周から深さが1mm以上である、ものである。
第六の発明は、第一から第五のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
前記肉厚部は、前記上辺が前記外方部材のアウター側端部からアウター側に形成された前記外側転走面の溝底最深部分を軸方向で越える範囲まで設けられている、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材のアウター側の外周に内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の排水溝を設けるとともに、外方部材の排水溝よりもアウター側の外周に内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の肉厚部を設けている。そして、肉厚部は、その軸方向断面で斜辺となる部位を有しており、斜辺がアウター側からインナー側へ下るように傾斜している。かかる車輪用軸受装置によれば、肉厚部が泥水を堰止めて排水溝へ案内するので、泥水が外方部材を伝ってシール部材に到達するのを防ぎ、シール部材の密封性が低下するという懸念を払拭できる。また、外方部材のアウター側の外周に肉厚部が設けられるので、外方部材のアウター側開口端の変形量が低減し、外側転走面の真円度が劣化するのを抑えることができる。ひいては、転動体やその外側転走面の損傷を防いで軸受寿命の低下を防ぐことができる。
本発明に係る車輪用軸受装置において、肉厚部は、内方部材の回転軸に対する斜辺の傾きが5°以上である。かかる車輪用軸受装置によれば、泥水が肉厚部を乗り越えにくくなるので、泥水が外方部材を伝ってシール部材に到達するのを防ぎ、シール部材の密封性が低下するという懸念を払拭できる。
本発明に係る車輪用軸受装置において、肉厚部は、排水溝の最低部分から上辺までの高さが3mm以上である。かかる車輪用軸受装置によれば、泥水が肉厚部を乗り越えにくくなるので、泥水が外方部材を伝ってシール部材に到達するのを防ぎ、シール部材の密封性が低下するという懸念を払拭できる。
本発明に係る車輪用軸受装置において、肉厚部は、外方部材のアウター側に形成された外側転走面と外周までの厚さが6.5mm以上である。かかる車輪用軸受装置によれば、外方部材のアウター側に形成された外側転走面における剛性が向上するので、外側転走面の真円度が劣化するのを抑えることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置において、肉薄部は、外方部材のアウター側に形成された外側転走面における外周から深さが1mm以上である。かかる車輪用軸受装置によれば、外方部材の剛性を確保しつつ肉厚部を設けたことによる重量増加を最小限に抑制することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置において、肉厚部は、上辺が外方部材のアウター側端部からアウター側に形成された外側転走面の溝底最深部分を軸方向で越える範囲まで設けられている。かかる車輪用軸受装置によれば、外方部材のアウター側端部からアウター側に形成された外側転走面までにおける剛性が向上するので、外側転走面の真円度が劣化するのを抑えることができる。
車輪用軸受装置の全体構成を示す斜視図。 車輪用軸受装置の全体構成を示す断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。 第一実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 ハブボルトの交換作業を示す図。 耐泥水性能に傾き角度が及ぼす影響を示す図。 耐泥水性能に高さ寸法が及ぼす影響を示す図。 第二実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 第三実施形態である車輪用軸受装置の要部構造を示す拡大断面図。 従来の車輪用軸受装置の一部構造を示す拡大断面図。
以下に、図1から図4を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置1について説明する。なお、図2は、図1におけるA−A断面図である。図3および図4は、図2における一部領域の拡大図である。
車輪用軸受装置1は、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)と、転動体6と、シール部材7(以降「インナー側シール部材7」とする)と、シール部材10(以降「アウター側シール部材10」とする)と、を具備する。ここで、インナー側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、アウター側とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。
外方部材2は、転がり軸受構造の外輪部分を構成するものである。外方部材2は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。外方部材2のインナー側端部には、拡径部2aが形成されている。また、外方部材2のアウター側端部には、拡径部2bが形成されている。更に、拡径部2aと拡径部2bの間には、環状に外側転走面2cと外側転走面2dが互いに平行となるように形成されている。なお、外側転走面2cと外側転走面2dには、高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。外方部材2の外周には、ナックル取り付けフランジ2eが一体的に形成されている。ナックル取り付けフランジ2eには、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の回転軸Lを中心とする同心円上に周方向等配置でタップ穴2fが設けられている。
内方部材3は、転がり軸受構造の内輪部分を構成するものである。内方部材3は、ハブ輪4と内輪5で構成されている。
ハブ輪4は、略円筒形状に形成されたS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪4のインナー側端部には、小径段部4aが形成されている。小径段部4aには、その端部を径方向外側へ折り曲げることで内輪5の軸方向位置を固定するカシメ部分4bが形成されている。また、ハブ輪4のアウター側端部には、開口部4cが形成されている。更に、ハブ輪4の外周には、環状に内側転走面4dが形成されている。内側転走面4dは、外方部材2の外側転走面2dに対向する。なお、ハブ輪4は、小径段部4aから内側転走面4dを経てシールランド部(後述する軸面部4eと曲面部4fと側面部4gで構成される)まで高周波焼入れが施され、表面硬さが58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。ハブ輪4の外周には、車輪取り付けフランジ4hが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ4hには、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の回転軸Lを中心とする同心円上に周方向等配置でボルト穴4iが設けられ、それぞれのボルト穴4iにハブボルト40が圧入されている。
内輪5は、略円筒形状に形成されたSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。内輪5の外周には、環状に内側転走面5aが形成されている。つまり、内輪5は、ハブ輪4の小径段部4aに嵌合され、小径段部4aの外周に内側転走面5aを構成している。内側転走面5aは、外方部材2の外側転走面2cに対向する。なお、内輪5は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。
転動体6は、転がり軸受構造の転動部分を構成するものである。転動体6は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。ボール列6aは、複数の転動体6が保持器によって環状に保持されたものである。ボール列6aは、内輪5に形成されている内側転走面5aと、それに対向する外方部材2の外側転走面2cと、の間に転動自在に収容されている。一方で、ボール列6bも、複数の転動体6が保持器によって環状に保持されたものである。ボール列6bは、ハブ輪4に形成されている内側転走面4dと、それに対向する外方部材2の外側転走面2dと、の間に転動自在に収容されている。なお、ボール列6aとボール列6bのそれぞれの転動体6には、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となるように硬化処理されている。
インナー側シール部材7は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのインナー側端部を密封するものである。インナー側シール部材7は、円環状のスリンガ8と円環状のシールリング9で構成されている。
スリンガ8は、内輪5の外周に嵌合(外嵌)される。
スリンガ8は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。スリンガ8は、円環状に切り出された鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が直角に折り曲げられた形状に形成されている。これにより、スリンガ8は、円筒状の嵌合部8aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部8bと、が形成されている。嵌合部8aと側板部8bは、互いに垂直に交わっており、嵌合部8aは、内輪5の外周面に沿って圧入嵌合している。また、側板部8bは、外方部材2に向かって延び、後述する芯金91の側板部91bに対向している。
シールリング9は、外方部材2の拡径部2aに嵌合(内嵌)される。シールリング9は、芯金91と弾性部材であるシールゴム92で構成されている。
芯金91は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金91は、円環状に切り出された鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が直角に折り曲げられた形状に形成されている。これにより、芯金91は、円筒状の嵌合部91aと、その端部から内方部材3(内輪5)に向かって延びる円板状の側板部91bと、が形成されている。嵌合部91aと側板部91bは、互いに略垂直に交わっており、嵌合部91aは、拡径部2aの内周面に沿って圧入嵌合している。また、側板部91bは、内方部材3(内輪5)に向かって延び、前述したスリンガ8の側板部8bに対向している。なお、嵌合部91aと側板部91bには、弾性部材であるシールゴム92が加硫接着されている。
シールゴム92は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム92には、シールリップであるラジアルリップ92a、内側アキシアルリップ92bおよび外側アキシアルリップ92cが形成されている。また、シールゴム92には、芯金91の嵌合部91aを回り込むように端縁シール部92dが形成されている。
このように、インナー側シール部材7は、スリンガ8とシールリング9が対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ92aは、油膜を介してスリンガ8の嵌合部8aに接触する。また、内側アキシアルリップ92bは、油膜を介してスリンガ8の側板部8bに接触する。そして、外側アキシアルリップ92cも、油膜を介してスリンガ8の側板部8bに接触する。このようにして、インナー側シール部材7は、泥水等の侵入を防止するとともにグリースの漏出を防止しているのである。なお、端縁シール部92dを形成したのは、外方部材2と芯金91の嵌合部分(外方部材2と芯金91が接している部分を指す:以降同じ)に水が侵入して腐食しないように考慮したものである。
アウター側シール部材10は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのアウター側端部を密封するものである。アウター側シール部材10は、円環状のシールリング11で構成されている。
シールリング11は、外方部材2の拡径部2bに嵌合(内嵌)される。シールリング11は、芯金111と弾性部材であるシールゴム112で構成されている。
芯金111は、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)で構成されている。芯金111は、円環状に切り出された鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面が複雑に折り曲げられた形状に形成されている。これにより、芯金111は、円筒状の嵌合部111aと、その一端から内方部材3(ハブ輪4)に向かって延びる円板状の側板部111bと、が形成されている。嵌合部111aと側板部111bは、互いに湾曲しながら交わっており、嵌合部111aは、拡径部2bの内周面に沿って圧入嵌合している。また、側板部111bは、内方部材3(ハブ輪4)に向かって延び、ハブ輪4の曲面部4fおよび側面部4gに対向している。なお、嵌合部111aと側板部111bには、弾性部材であるシールゴム112が加硫接着されている。
シールゴム112は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム112には、シールリップであるラジアルリップ112a、内側アキシアルリップ112bおよび外側アキシアルリップ112cが形成されている。また、シールゴム112には、拡径部2bの内周に接するように端縁シール部112dが形成されている。
このように、アウター側シール部材10は、シールリング11とハブ輪4が対向するように配置される。このとき、ラジアルリップ112aは、油膜を介してハブ輪4の軸面部4eに接触する。また、アキシアルリップ112bは、油膜を介してハブ輪4の曲面部4fに接触する。そして、外側アキシアルリップ112cも、油膜を介してハブ輪4の側面部4gに接触する。このようにして、アウター側シール部材10は、泥水等の侵入を防止するとともにグリースの漏出を防止しているのである。なお、端縁シール部112dを形成したのは、外方部材2と芯金111の嵌合部分(外方部材2と芯金111が接している部分を指す)に水が侵入して腐食しないように考慮したものである。
次に、図5および図6を用いて、第一実施形態である車輪用軸受装置1の要部構造について説明する。図5は、図2における領域Rを拡大した図である。図6は、ハブボルト40の交換作業を示している。
第一実施形態である車輪用軸受装置1において、外方部材2は、内方部材3(ハブ輪4と内輪5)の回転軸Lを中心とする略円筒形状となっている。外方部材2のアウター側の外周には、内方部材3の回転軸Lを中心とする略円環形状の排水溝2gが設けられている。また、外方部材2の排水溝2gよりもアウター側の外周には、内方部材3の回転軸Lを中心とする略円環形状の肉厚部2hが設けられている。つまり、外方部材2のアウター側の外周には、排水溝2gが全周にわたって形成され、この排水溝2gのアウター側に肉厚部2hが全周にわたって形成されている。但し、排水溝2gや肉厚部2hは、完全な円環状である必要はなく、周方向の一部を欠いていても良い。例えば、外方部材2の下半分側で欠いていても良い。
ここで、排水溝2gは、その軸方向断面が略矩形状若しくは略円弧形状となっている。また、肉厚部2hは、その軸方向断面が略台形状となっており、この略台形状の上辺2iと斜辺2jのうち、斜辺2jがアウター側からインナー側へ下るように傾斜している。このため、泥水は、肉厚部2hまで伝うことなく排水溝2gに流れ落ちるほか(図5に示す矢印Fa参照)、肉厚部2hの傾斜面2jを伝って排水溝2gに流れ落ちることとなる(図5に示す矢印Fb参照)。また、軸方向断面が略台形状以外の略三角形状等でも良い。
ところで、肉厚部2hは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾きが5°以上となっている。これは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾き角度θをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、傾き角度θが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。図7に示すように、横軸を傾き角度θとし、縦軸を耐泥水性能比(「1」のときに従来と同じ性能であることを示し、「1」よりも大きな値であれば従来よりも高い性能であることを示す)とした場合、傾き角度θが5°以上で著しく改善することが分かる。なお、傾き角度θを5°以上とするのは、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
更に、肉厚部2hは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さが3mm以上となっている。これは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さ寸法Hをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、高さ寸法Hが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。図8に示すように、横軸を高さ寸法Hとし、縦軸を耐泥水性能比(「1」のときに従来と同じ性能であることを示し、「1」よりも大きな値であれば従来よりも高い性能であることを示す)とした場合、高さ寸法Hが3mm以上で著しく改善することが分かる。なお、高さ寸法Hを3mm以上とするのは、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
このように、車輪用軸受装置1は、外方部材2のアウター側の外周に内方部材3の回転軸Lを中心とする略円環形状の排水溝2gを設けるとともに、外方部材2の排水溝2gよりもアウター側の外周に内方部材3の回転軸Lを中心とする略円環形状の肉厚部2hを設けている。そして、肉厚部2hは、その軸方向断面が略台形状となっており、この略台形状の上辺2iと斜辺2jのうち、斜辺2jがアウター側からインナー側へ下るように傾斜している。かかる車輪用軸受装置1によれば、肉厚部2hが泥水を堰止めて排水溝2gへ案内するので、泥水が外方部材2を伝ってシール部材10(アウター側シール部材10)に到達するのを防ぎ、シール部材(10)の密封性が低下するという懸念を払拭できる。また、外方部材2のアウター側の外周に肉厚部2hが設けられるので、外方部材2のアウター側開口端の変形量が低減し、外側転走面2dの真円度が劣化するのを抑えることができる。ひいては、転動体6やその外側転走面2dの損傷を防いで軸受寿命の低下を防ぐことができる。
また、肉厚部2hは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾きが5°以上である。かかる車輪用軸受装置1によれば、泥水が肉厚部2hを乗り越えにくくなるので、泥水が外方部材3を伝ってシール部材10(アウター側シール部材10)に到達するのを防ぎ、シール部材(10)の密封性が低下するという懸念を払拭できる。
更に、肉厚部2hは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さが3mm以上である。かかる車輪用軸受装置1によれば、泥水が肉厚部2hを乗り越えにくくなるので、泥水が外方部材2を伝ってシール部材10(アウター側シール部材10)に到達するのを防ぎ、シール部材(10)の密封性が低下するという懸念を払拭できる。
加えて、肉厚部2hは、その外縁部分にハブボルト40の案内溝2kが形成されている。より詳細には、肉厚部2hの外縁部分が円弧状に切り欠かれることにより、ハブボルト40を通すための案内溝2kが形成されている。
このような設計とすることで、本車輪用軸受装置1は、泥水が乗り越えにくくなることを考慮して肉厚部2hの高さ寸法を大きくしても、外方部材2と内方部材3を分解することなく、ハブボルト40の交換作業が可能となる。
加えて、本車輪用軸受装置1は、五つのハブボルト40を有しており、それぞれ回転軸Lを中心とする位相角が72°ごととなる位置に設けられている。そのため、肉厚部2hの外縁部分には、周方向に五ヶ所の案内溝2kが、それぞれ回転軸Lを中心とする位相角が72°ごととなる位置に形成されている。但し、倍数である10ヶ所に案内溝2kが設けられていても良い。このとき、案内溝2kは、それぞれ回転軸Lを中心とする位相角が36°ごととなる位置に形成される。また、車輪用軸受装置1は、五つのハブボルト40を有しているが、例えば四つのハブボルト40を有するものとし、それぞれ回転軸Lを中心とする位相角が90°ごととなる位置に設けられるとしても良い。この場合、四ヶ所の案内溝2kが、それぞれ回転軸Lを中心とする位相角が90°ごととなる位置に形成される。但し、倍数である8ヶ所に案内溝2kが設けられるとしても良い。
このような設計とすることで、本車輪用軸受装置1は、全ての案内溝2kに全てのハブボルト40の位置を重ねることができるので、ハブボルト40の交換作業が容易となる。
次に、図9を用いて、第二実施形態である車輪用軸受装置1の要部構造について説明する。図9は、図2における領域Rを拡大した図に相当する。
第二実施形態である車輪用軸受装置1においても、外方部材2のアウター側の外周に略円環形状の排水溝2gと肉厚部2hが設けられている。排水溝2gは、軸方向断面が略矩形状若しくは略円弧形状となっている。また、肉厚部2hは、その軸方向断面が略台形状となっており、この略台形状の上辺2iと斜辺2jのうち、斜辺2jがアウター側からインナー側へ下るように傾斜している。但し、本実施形態においては、斜辺2jが外側転走面2dの最底部分における外周(外側転走面2dの最底部分から径方向外側へ延長した仮想線と交わる外周を指す)に形成されている。
ところで、肉厚部2hは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾き角度θが5°以上となっている。これは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾き角度θをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、傾き角度θが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。また、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
更に、肉厚部2hは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さが3mm以上となっている。これは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さ寸法Hをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、高さ寸法Hが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。また、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
このため、第二実施形態である車輪用軸受装置1においても、第一実施形態である車輪用軸受装置1と同様に、肉厚部2hが泥水を堰止めて排水溝2gへ案内するので、泥水が外方部材2を伝ってシール部材10(アウター側シール部材10)に到達するのを防ぎ、シール部材(10)の密封性が低下するという懸念を払拭できる。また、外方部材2のアウター側の外周に肉厚部2hが設けられるので、外方部材2のアウター側開口端の変形量が低減し、外側転走面2dの真円度が劣化するのを抑えることができる。ひいては、転動体6やその外側転走面2dの損傷を防いで軸受寿命の低下を防ぐことができる。
更に、肉厚部2hは、外側転走面2dの最底部分から当該最底部分における外周(外側転走面2dの最底部分から径方向外側へ延長した仮想線と交わる外周を指す)までの高さが6.5mm以上となっている。これは、外側転走面2dの最底部分から当該最底部分における外周までの厚さ寸法Tをパラメータとし、解析によって見出された結果である。具体的に説明すると、厚さ寸法Tが異なる外方部材2を用い、外側転走面2dにおける変形量を計測する解析によって見出された結果である。
このように、車輪用軸受装置1において、肉厚部2hは、外方部材2のアウター側に形成された外側転走面2dの最底部分から当該最底部分における外周までの厚さが6.5mm以上である。かかる車輪用軸受装置1によれば、外方部材2のアウター側に形成された外側転走面2dにおける剛性が向上するので、外側転走面2dの真円度が劣化するのを抑えることができる。
更に、本実施形態においては、外方部材2の排水溝2gよりもインナー側の外周に内方部材3の回転軸Lを中心とする略円環形状の肉薄部2mが設けられている。肉薄部2mは、外側転走面2dの最底部分における外周(外側転走面2dの最底部分から径方向外側へ延長した仮想線と交わる外周を指す)から深さが1mm以上となっている。これは、外側転走面2dの最底部分における外周から深さ寸法Dをパラメータとし、解析によって見出された結果である。具体的に説明すると、厚さ寸法Tが異なる外方部材2を用い、肉薄部2mにおける変形量を計測する解析によって見出された結果である。
このように、車輪用軸受装置1において、肉薄部2mは、外側転走面2dの最底部分における外周から深さが1mm以上である。かかる車輪用軸受装置1によれば、外方部材2の剛性を確保しつつ肉厚部2hを設けたことによる重量増加を最小限に抑制することができる。
次に、図10を用いて、第三実施形態である車輪用軸受装置1の要部構造について説明する。図10は、図2における領域Rを拡大した図に相当する。
第三実施形態である車輪用軸受装置1においても、外方部材2のアウター側の外周に略円環形状の排水溝2gと肉厚部2hが設けられている。排水溝2gは、軸方向断面が略矩形状若しくは略円弧形状となっている。また、肉厚部2hは、その軸方向断面が略台形状となっており、この略台形状の上辺2iと斜辺2jのうち、斜辺2jがアウター側からインナー側へ下るように傾斜している。但し、本実施形態においては、上辺2iが外側転走面2dの最底部分における外周(外側転走面2dの最底部分から径方向外側へ延長した仮想線と交わる外周を指す)に形成されている。
ところで、肉厚部2hは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾き角度θが5°以上となっている。これは、内方部材3の回転軸Lに対する斜辺2jの傾き角度θをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、傾き角度θが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。また、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
更に、肉厚部2hは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さが3mm以上となっている。これは、排水溝2gの最底部分から上辺2iまでの高さ寸法Hをパラメータとし、実験によって見出された結果である。具体的に説明すると、高さ寸法Hが異なる外方部材2を用い、一定量の泥水が肉厚部2hを乗り越えるか否か、および乗り越えた泥水量を計測する実験によって見出された結果である。また、外方部材2のアウター側開口端の変形量を計測する解析によって見出された結果でもある。
このため、第三実施形態である車輪用軸受装置1においても、第一実施形態である車輪用軸受装置1と同様に、肉厚部2hが泥水を堰止めて排水溝2gへ案内するので、泥水が外方部材2を伝ってシール部材10(アウター側シール部材10)に到達するのを防ぎ、シール部材(10)の密封性が低下するという懸念を払拭できる。また、外方部材2のアウター側の外周に肉厚部2hが設けられるので、外方部材2のアウター側開口端の変形量が低減し、外側転走面2dの真円度が劣化するのを抑えることができる。ひいては、転動体6やその外側転走面2dの損傷を防いで軸受寿命の低下を防ぐことができる。
更に、肉厚部2hは、上辺2iが外方部材2のアウター側端部から外側転走面2dの最底部分を越える範囲(外側転走面2dの最底部分から径方向外側へ延長した仮想線を越える範囲)まで設けられている。これは、外方部材2のアウター側の剛性向上を意図したものである。
このように、車輪用軸受装置1において、肉厚部2hは、上辺2iが外方部材2のアウター側端部からアウター側に形成された外側転走面2dの最底部分を越える範囲まで設けられている。かかる車輪用軸受装置1によれば、外方部材2のアウター側端部からアウター側に形成された外側転走面2dまでにおける剛性が向上するので、外側転走面2dの真円度が劣化するのを抑えることができる。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c 外側転走面
2d 外側転走面
2g 排水溝
2h 肉厚部
2i 上辺
2j 斜辺
2k 案内溝
2m 肉薄部
3 内方部材
4 ハブ輪
4a 小径段部
4d 内側転走面
5 内輪
5a 内側転走面
6 転動体
6a ボール列
6b ボール列
7 シール部材
8 スリンガ
9 シールリング
10 シール部材
11 シールリング
40 ハブボルト
L 内方部材の回転軸

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に介装された複列の転動体と、を備えた車輪用軸受装置において、
    前記外方部材のアウター側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の排水溝を設けるとともに、
    前記外方部材の前記排水溝よりもアウター側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の肉厚部を設け、
    前記肉厚部は、その軸方向断面で上辺と斜辺となる部位を有しており、前記斜辺がアウター側からインナー側へ下るように傾斜し、かつ、前記上辺が前記外方部材のアウター側端部からアウター側に形成された前記外側転走面の溝底最深部分を軸方向で越える範囲まで設けられている、ことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記肉厚部は、前記内方部材の回転軸に対する前記斜辺の傾きが5°以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記肉厚部は、前記排水溝の最底部分から前記上辺までの高さが3mm以上である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記肉厚部は、前記外方部材のアウター側に形成された前記外側転走面と外周までの厚さが6.5mm以上である、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外方部材の前記排水溝よりもインナー側の外周に前記内方部材の回転軸を中心とする略円環形状の肉薄部を設け、
    前記肉薄部は、前記外方部材のアウター側に形成された前記外側転走面における外周から深さが1mm以上であるとともに前記排水溝の最底部分よりも厚い、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
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