JP2019163859A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナックルボルトの締付作業を行う際に、ナックルボルトの締付工具が堰部材に干渉するのを防ぐことができる車輪用軸受装置を提供する。また、ハブボルトの交換作業を行う際に、ハブボルトが堰部材に干渉するのを防ぐことができる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】外方部材2の車体取付フランジ2eに複数のボルト挿通穴2fが設けられて、それぞれのボルト挿通穴2fにナックルボルト34が挿通されており、ハブ輪31の車輪取付フランジ3hに複数のボルト圧入穴3iが設けられて、それぞれのボルト圧入穴3iにハブボルト33が圧入されている車輪用軸受装置1において、外方部材2のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部(堰部材7)を設け、堰部(堰部材7)には、ボルト挿通穴2fに挿通されるナックルボルト34の締付工具34Tを通すための切欠部7cが形成されている、とした。【選択図】図6
Description
本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来より、車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルやインホイールモータを構成するケースに外方部材が固定される。また、車輪用軸受装置は、外方部材の内側に内方部材が配置され、外方部材と内方部材の両転走面間に複数の転動体が介装されている。こうして、車輪用軸受装置は、転がり軸受構造を構成し、内方部材に取り付けられた車輪を回転自在としているのである。
ところで、このような車輪用軸受装置は、外方部材と内方部材によって形成された環状空間に泥水や砂塵等の異物が侵入すると、転走面や転動体等が損傷して軸受寿命が短くなる。また、環状空間に封入されているグリースが漏出しても、転走面や転動体等が損傷して軸受寿命が短くなる。このため、車輪用軸受装置は、泥水や砂塵等の異物の侵入を防止するとともにグリースの漏出を防止すべく、環状空間の両側開口端を塞ぐシール部材を備えている。
特許文献1に記載の車輪用軸受装置は、外方部材と、内方部材と、複数の転動体のほか、外方部材と内方部材によって形成された環状空間の両側開口端を塞ぐシール部材を備えている。しかし、このような車輪用軸受装置は、外方部材を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水、車輪に跳ね上げられた泥水等がシール部材に到達すると、泥水に含まれる異物を噛み込んでシール部材が破損したり摩耗したりしてしまう場合があった。つまり、シール部材の密封性が低下してしまう場合があった。
そこで、特許文献2に記載の車輪用軸受装置は、泥水がアウター側(ここで「アウター側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置の車輪側を表す)のシール部材に到達するのを防ぐよう、外方部材のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部が設けられている。しかし、このような車輪用軸受装置は、例えばナックルに取り付けられる際に、車体取付フランジのボルト挿通穴にナックルボルトを挿通してナックルのボルト締結穴に螺合する仕様があり、この仕様においてはナックルボルトの締付工具が堰部に干渉してしまうという問題があった(図19参照)。また、このような車輪用軸受装置は、車輪取付フランジのボルト圧入穴にハブボルトが圧入されており、ハブボルトの頭部が堰部に近接した状態となっている。そのため、ハブボルトを交換する際に、このハブボルトの頭部が堰部に干渉してしまうという問題もあった(図20参照)。
本発明は、ナックルボルトの締付作業を行う際に、ナックルボルトの締付工具が堰部に干渉するのを防ぐことができる車輪用軸受装置を提供するものである。また、ハブボルトの交換作業を行う際に、ハブボルトの頭部が堰部に干渉するのを防ぐことができる車輪用軸受装置を提供するものである。
第一の発明は、
内周に外側転走面が形成された外方部材と、
軸方向へ延びる小径段部が形成されたハブ輪および前記小径段部に嵌合される少なくとも一つの内輪からなり、外周に内側転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材の両転走面間に転動自在に介装される複数の転動体と、
前記外方部材と前記内方部材によって形成された環状空間の両側開口端を塞ぐシール部材と、を備え、
前記外方部材に車体取付フランジが形成されるとともに当該車体取付フランジに複数のボルト挿通穴が設けられて、それぞれの前記ボルト挿通穴にナックルボルトが挿通されており、
前記ハブ輪に車輪取付フランジが形成されるとともに当該車輪取付フランジの回転軸を中心とする同心円上に等間隔で複数のボルト圧入穴が設けられて、それぞれの前記ボルト圧入穴にハブボルトが圧入されている車輪用軸受装置において、
前記外方部材のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部を設け、
前記堰部には、前記ボルト挿通穴に挿通される前記ナックルボルトの締付工具を通すための切欠部が形成されている、ものである。
内周に外側転走面が形成された外方部材と、
軸方向へ延びる小径段部が形成されたハブ輪および前記小径段部に嵌合される少なくとも一つの内輪からなり、外周に内側転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材の両転走面間に転動自在に介装される複数の転動体と、
前記外方部材と前記内方部材によって形成された環状空間の両側開口端を塞ぐシール部材と、を備え、
前記外方部材に車体取付フランジが形成されるとともに当該車体取付フランジに複数のボルト挿通穴が設けられて、それぞれの前記ボルト挿通穴にナックルボルトが挿通されており、
前記ハブ輪に車輪取付フランジが形成されるとともに当該車輪取付フランジの回転軸を中心とする同心円上に等間隔で複数のボルト圧入穴が設けられて、それぞれの前記ボルト圧入穴にハブボルトが圧入されている車輪用軸受装置において、
前記外方部材のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部を設け、
前記堰部には、前記ボルト挿通穴に挿通される前記ナックルボルトの締付工具を通すための切欠部が形成されている、ものである。
第二の発明は、第一の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記車輪取付フランジを回転させて前記ボルト挿通穴と前記ボルト圧入穴の位相を合わせた場合、
前記切欠部は、前記ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側に前記ハブボルトの頭部が収まるように形成されている、ものである。
前記車輪取付フランジを回転させて前記ボルト挿通穴と前記ボルト圧入穴の位相を合わせた場合、
前記切欠部は、前記ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側に前記ハブボルトの頭部が収まるように形成されている、ものである。
第三の発明は、第二の発明に係る車輪用軸受装置において、
複数の前記切欠部が形成されており、
それぞれの前記切欠部は、前記ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側に前記ハブボルトの頭部が収まるように形成されている、ものである。
複数の前記切欠部が形成されており、
それぞれの前記切欠部は、前記ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側に前記ハブボルトの頭部が収まるように形成されている、ものである。
第四の発明は、第一から第三のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
前記堰部の外縁部分が弾性体で構成されており、
前記切欠部は、前記弾性体に形成されている、ものである。
前記堰部の外縁部分が弾性体で構成されており、
前記切欠部は、前記弾性体に形成されている、ものである。
第五の発明は、第一から第四のいずれかの発明に係る車輪用軸受装置において、
前記回転軸を水平とした際の当該回転軸と交わる上下方向線を想定した場合、
前記切欠部は、前記上下方向線に交わらない位置に形成されている、ものである。
前記回転軸を水平とした際の当該回転軸と交わる上下方向線を想定した場合、
前記切欠部は、前記上下方向線に交わらない位置に形成されている、ものである。
第六の発明は、第五の発明に係る車輪用軸受装置において、
前記堰部に径方向内端から径方向外端までの寸法が大きい高堰部分を有しており、
前記高堰部分は、前記上下方向線に交わる位置に形成されている、ものである。
前記堰部に径方向内端から径方向外端までの寸法が大きい高堰部分を有しており、
前記高堰部分は、前記上下方向線に交わる位置に形成されている、ものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第一の発明に係る車輪用軸受装置は、外方部材のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部が設けられている。そして、堰部には、ボルト挿通穴に挿通されるナックルボルトの締付工具を通すための切欠部が形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、ナックルボルトの締付作業を行う際に、ナックルボルトの締付工具が堰部に干渉するのを防ぐことができる。
第二の発明に係る車輪用軸受装置において、車輪取付フランジを回転させてボルト挿通穴とボルト圧入穴の位相を合わせた場合、切欠部は、ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側にハブボルトの頭部が収まるように形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、ハブボルトの交換作業を行う際に、ハブボルトの頭部が堰部に干渉するのを防ぐことができる。
第三の発明に係る車輪用軸受装置においては、複数の切欠部が形成されている。そして、それぞれの切欠部は、ボルト圧入穴を中心とする内接円の内側にハブボルトの頭部が収まるように形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、複数のハブボルトが同時に切欠部に重なるので、かかる交換作業を円滑に進めることができる。
第四の発明に係る車輪用軸受装置においては、堰部の外縁部分が弾性体で構成されている。そして、切欠部は、弾性体に形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、ナックルボルトの締付工具が堰部に干渉しても、堰部の変形等を防ぐことができる。また、ハブボルトの頭部が堰部に干渉しても、堰部の変形等を防ぐことができる。従って、かかる締付作業や交換作業を円滑に進めることができる。
第五の発明に係る車輪用軸受装置において、回転軸を水平とした際の当該回転軸と交わる上下方向線を想定した場合、切欠部は、上下方向線に交わらない位置に形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、外方部材の上方側においては、外方部材を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が切欠部を通ってアウター側のシール部材に到達しにくくなる。また、外方部材の下方側においては、車輪に跳ね上げられた泥水等が切欠部を通ってアウター側のシール部材に到達しにくくなる。従って、アウター側のシール部材の密封性が低下するのを抑制することができる。
第六の発明に係る車輪用軸受装置においては、堰部に径方向内端から径方向外端までの寸法が大きい高堰部分を有している。そして、高堰部分は、上下方向線に交わる位置に形成されている。かかる車輪用軸受装置によれば、外方部材の上方側においては、外方部材を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が堰部を乗り越えてアウター側のシール部材に到達しにくくなる。また、外方部材の下方側においては、車輪に跳ね上げられた泥水等が堰部を乗り越えてアウター側のシール部材に到達しにくくなる。従って、アウター側のシール部材の密封性が低下するのを更に抑制することができる。
まず、図1から図4を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置1について説明する。図1は、車輪用軸受装置1を示す斜視図である。図2は、車輪用軸受装置1の構造を示す断面図である。図3および図4は、車輪用軸受装置1の一部構造を示す断面図である。
車輪用軸受装置1は、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材2と、内方部材3と、転動体4と、インナー側シール部材5と、アウター側シール部材6と、を備える。なお、本明細書において、「インナー側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、「アウター側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。
外方部材2は、転がり軸受構造の外輪部分を構成するものである。外方部材2は、例えばS53C等の中高炭素鋼で構成されている。外方部材2のインナー側端部には、封止面2aが形成されている。また、外方部材2のアウター側端部には、封止面2bが形成されている。更に、外方部材2の内周には、二つの外側転走面2c・2dが形成されている。外側転走面2cは、後述する内側転走面3cに対向する。外側転走面2dは、後述する内側転走面3dに対向する。なお、外側転走面2c・2dには、例えば高周波焼入れが施され、表面硬度が58〜64HRCの範囲となっている。加えて、外方部材2の外周には、車体取付フランジ2eが一体的に形成されている。車体取付フランジ2eには、複数のボルト挿通穴2fが設けられている。
内方部材3は、転がり軸受構造の内輪部分を構成するものである。内方部材3は、ハブ輪31と内輪32で構成されている。
ハブ輪31は、例えばS53C等の中高炭素鋼で構成されている。ハブ輪31には、そのインナー側端部から軸方向中央部まで小径段部3aが形成されている。小径段部3aは、ハブ輪31の外径が小さくなった部分を指し、その外周面が回転軸Aを中心とする円筒形状となっている。また、ハブ輪31には、そのインナー側端部からアウター側端部まで貫かれた自在継手取付穴3bが形成されている。自在継手取付穴3bは、ハブ輪31の中心に設けられた貫通穴を指し、その内周面が凹部と凸部が交互に並ぶ凹凸形状(スプライン穴)となっている。但し、従動仕様については、自在継手取付穴3bが形成されていない。更に、ハブ輪31の外周には、内側転走面3cが形成されている。内側転走面3cは、前述した外側転走面2cに対向する。なお、小径段部3aから内側転走面3cを経てシールランド部(後述する軸面部3eと曲面部3fと側面部3gで構成される)までには、例えば高周波焼入れが施され、表面硬度が58〜64HRCの範囲となっている。加えて、ハブ輪31の外周には、車輪取付フランジ3hが一体的に形成されている。車輪取付フランジ3hには、回転軸Aを中心とする同心円上に等間隔(例えば位相角90°おきに四箇所)で複数のボルト圧入穴3iが設けられ、それぞれのボルト圧入穴3iにはハブボルト33が圧入されている。また、車輪取付フランジ3hには、同じく同心円上に等間隔(例えば位相角90°おきに四箇所)で複数の工具挿通穴3jが設けられている。
内輪32は、例えばSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。内輪32の外周には、封止面3kが形成されている。また、内輪32の外周には、内側転走面3dが形成されている。内輪32は、ハブ輪31の小径段部3aに嵌合(外嵌)されることにより、ハブ輪31の外周に内側転走面3dを構成する。内側転走面3dは、前述した内側転走面2dに対向する。なお、内輪32は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで58〜64HRCの範囲となっている。
転動体4は、転がり軸受構造の転動部分を構成するものである。転動体4は、例えばSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼で構成されている。インナー側の転動体列4Rは、複数の転動体4が保持器によって環状に配置されたものである。それぞれの転動体4は、外方部材2の外側転走面2dと内方部材3の内側転走面3dの間に転動自在に介装されている。一方で、アウター側の転動体列4Rも、複数の転動体4が保持器によって環状に配置されたものである。それぞれの転動体4は、外方部材2の外側転走面2cと内方部材3の内側転走面3cの間に転動自在に介装されている。なお、転動体4は、いわゆるズブ焼入れが施され、芯部まで62〜67HRCの範囲となっている。
インナー側シール部材5は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのインナー側端部を密封するものである。但し、インナー側シール部材5については、様々な仕様が存在しており、本願の仕様に限定するものではない。また、インナー側シール部材5の代わりにキャップが取り付けられる仕様や何も取り付けられない仕様も存在する。
インナー側シール部材5は、スリンガ51を含んでいる。スリンガ51は、内輪32の封止面3kに嵌合(外嵌)される。スリンガ51は、例えばSUS430やSUS304等のステンレス鋼板、あるいはSPCC等の冷間圧延鋼板で構成されている。スリンガ51は、円環状の鋼板がプレス加工によって変形され、軸方向断面が略L字状に折り曲げられた形状となっている。これにより、スリンガ51は、円筒状の嵌合部51aと、その端部から外方部材2に向かって延びる円板状の側板部51bと、が形成されている。
インナー側シール部材5は、シールリング52を含んでいる。シールリング52は、外方部材2の嵌合部2aに嵌合(内嵌)される。シールリング52は、芯金53とシールゴム54で構成されている。芯金53は、例えばSUS430やSUS304等のステンレス鋼板、あるいはSPCC等の冷間圧延鋼板で構成されている。芯金53は、円環状の鋼板がプレス加工によって変形され、軸方向断面が略L字状に折り曲げられた形状となっている。これにより、芯金53は、円筒状の嵌合部53aと、その端部から内輪32に向かって延びる円板状の側板部53bと、が形成されている。なお、嵌合部53aと側板部53bには、弾性体であるシールゴム54が例えば加硫接着で一体的に形成されている。
シールゴム54は、例えばNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム54に形成されたシールリップ54aは、その先端縁がスリンガ51の嵌合部51aに接触している。また、シールリップ54b・54cは、その先端縁がスリンガ51の側板部51bに接触している。このようにして、インナー側シール部材5は、泥水や砂塵等の異物が環状空間Sに侵入するのを防ぐとともに、グリースが環状空間Sから漏出するのを防いでいる。
アウター側シール部材6は、外方部材2と内方部材3の間に形成された環状空間Sのアウター側端部を密封するものである。但し、アウター側シール部材6については、様々な仕様が存在しており、本願の仕様に限定するものではない。
アウター側シール部材6は、外方部材2の嵌合部2bに嵌合(内嵌)される。アウター側シール部材6は、芯金62とシールゴム63で構成されている。芯金62は、例えばSUS430やSUS304等のステンレス鋼板、あるいはSPCC等の冷間圧延鋼板で構成されている。芯金62は、円環状の鋼板がプレス加工によって変形され、軸方向断面が略L字状に折り曲げられた形状となっている。これにより、芯金62は、円筒状の嵌合部62aと、その端部からハブ輪31に向かって延びる円板状の側板部62bと、が形成されている。なお、嵌合部62aと側板部62bには、弾性体であるシールゴム63が例えば加硫接着で一体的に形成されている。
シールゴム63は、例えばNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。シールゴム63に形成されたシールリップ63aは、その先端縁がハブ輪31の軸面部3eに接触している。また、シールリップ63bは、その先端縁がハブ輪31の曲面部3fに接触している。更に、シールリップ63cは、その先端縁がハブ輪31の側面部3gに接触している。このようにして、アウター側シール部材6は、泥水や砂塵等の異物が環状空間Sに侵入するのを防ぐとともに、グリースが環状空間Sから漏出するのを防いでいるのである。
次に、図5を用いて、車輪用軸受装置1の締結構造について説明する。図5は、車輪用軸受装置1の締結構造を示す断面図である。
車輪用軸受装置1は、パイロット2gと車体取付フランジ2eを用いて車体に取り付けられる。具体的に説明すると、車輪用軸受装置1は、円筒形状であるパイロット2gをナックルNの丸穴に嵌め合わせるとともに、車体取付フランジ2eの端面をナックルNの端面に当接させた状態で、ナックルボルト34を介して取り付けられる。このとき、ナックルボルト34は、車体取付フランジ2eのボルト挿通穴2fにアウター側から挿通され、ナックルNのボルト締結穴Nhに螺合される。従って、車輪用軸受装置1を取り付ける工程には、車体取付フランジ2eのボルト挿通穴2fにナックルボルト34を挿通し、これを締め付ける作業(締付作業)が含まれる。なお、車輪用軸受装置1は、インホイールモータを構成するケースに取り付けられる場合がある。この場合は、車体取付フランジ2eの端面をケースの端面に当接させた状態で、ケースボルトを介して取り付けられる。このとき、ケースボルトは、車体取付フランジ2eのボルト挿通穴2fにアウター側から挿通され、ケースのボルト締結穴に螺合される。
次に、図6および図7を用いて、第一実施形態に係る堰部材7について説明する。図6は、第一実施形態に係る堰部材7を示す断面図である。図7は、図6におけるB−B断面およびC−C断面を示す断面図である。なお、以下において、「径方向外側」とは、回転軸Aから遠ざかる方向を表し、「径方向内側」とは、回転軸Aへ近づく方向を表す。
堰部材7は、外方部材2のアウター側外周(アウター側端部における外周)に嵌合される。堰部材7は、例えばSUS430やSUS304等のステンレス鋼板、あるいはSPCC等の冷間圧延鋼板で構成されている。堰部材7は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略L字状に形成されている。これにより、堰部材7は、円筒状の嵌合部7aと、その端部から径方向外側へ向かって延びる円板状の立板部7bと、が形成されている。そして、立板部7bには、その外縁から径方向内側へ窪んだ切欠部7cが形成されている。但し、堰部材7は、堰部を構成するという事実以外について限定するものではない。例えば、材質や形状について限定するものではない。
図7の(A)に示すように、切欠部7cは、軸方向から見て円弧形状となっており、その内接円Vの中心がボルト挿通穴2fの中心に重なる(同軸となる)ように形成されている。内接円Vの直径Dは、ナックルボルト34の直径E(図9参照)よりも大きな値となっている。また、内接円Vの直径Dは、ナックルボルト34の締付工具34Tの直径F(図9参照)よりも大きな値となっている。更に、内接円Vの直径Dは、工具挿通穴3jの直径G(図9参照)と同じ若しくは僅かに大きな値となっている。従って、これらの関係は、D≧G>F>Eを満たしている。
同時に、図7の(B)に示すように、切欠部7cは、軸方向から見て円弧形状となっており、その内接円Vの中心がボルト圧入穴3iの中心に重なる(同軸となる)ように形成されている。内接円Vの直径Dは、ハブボルト33の頭部33hの直径H(図11参照)よりも大きな値となっている。従って、これらの関係は、D>Hを満たしている。なお、本車輪用軸受装置1においては、D≧G>F>H>Eを満たすように設計されているが、G>F>H>Eについては限定するものではない。
次に、図8および図9を用いて、ナックルボルト34の締付作業について説明する。図8は、ナックルボルト34の締付作業を示す斜視図である。図9は、ナックルボルト34の締付工具34Tが堰部材7に干渉しないことを示す断面図である。なお、ナックルボルト34の締付作業は、車輪取付フランジ3hを回転させてボルト挿通穴2fと工具挿通穴3jの位相を合わせて行われる。つまり、ボルト挿通穴2fの中心と工具挿通穴3jの中心が重なる(同軸となる)ように位相を合わせて行われる。このとき、工具挿通穴3jの中心と切欠部7cの中心も重なる(同軸となる)こととなる。
ナックルボルト34の締付作業は、締付工具34Tにナックルボルト34を装着し、工具挿通穴3jを介して車体取付フランジ2eのボルト挿通穴2fに挿通する。その後、締付工具34Tを回転させることにより、ナックルボルト34を回して締め付けるのである。なお、工具挿通穴3jの直径Gに対して締付工具34Tの直径Fは、わずかに小さい値なので、締付工具34Tが工具挿通穴3jの内周面に沿ってガタつくことなく案内される。
このように、本車輪用軸受装置1は、外方部材2のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部(本車輪用軸受装置1においては堰部材7を指す)が設けられている。そして、堰部(堰部材7)には、ボルト挿通穴2fに挿通されるナックルボルト34の締付工具34Tを通すための切欠部7cが形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、ナックルボルト34の締付作業を行う際に、ナックルボルト34の締付工具34Tが堰部(堰部材7)に干渉するのを防ぐことができる。
次に、図10および図11を用いて、ハブボルト33の交換作業について説明する。図10は、ハブボルト33の交換作業を示す斜視図である。図11は、ハブボルト33の頭部33hが堰部材7に干渉しないことを示す断面図である。なお、ハブボルト33の交換作業は、車輪取付フランジ3hを回転させてボルト挿通穴2fとボルト圧入穴3iの位相を合わせて行われる。つまり、ボルト挿通穴2fの中心とボルト圧入穴3iの中心が重なる(同軸となる)ように位相を合わせて行われる。このとき、ボルト圧入穴3iの中心と切欠部7cの中心も重なる(同軸となる)こととなる。
ハブボルト33の交換作業は、ハンマー等によってハブボルト33の先端を叩き、このハブボルト33の頭部33hを切欠部7cに通す。その後、車輪取付フランジ3hを回転させることにより、ハブボルト33を車体取付フランジ2eの窪んだ部分から抜き取るのである。そして、新たなハブボルト33を車体取付フランジ2eの窪んだ部分からボルト圧入穴3iに差し込み、車輪取付フランジ3hを回転させる。その後、新たなハブボルト33の頭部33hが切欠部7cを通るよう、ナット等を螺合していくことによって引き込んでいくのである。
このように、車輪用軸受装置1において、車輪取付フランジ3hを回転させてボルト挿通穴2fとボルト圧入穴3iの位相を合わせた場合、切欠部7cは、ボルト圧入穴3iを中心とする内接円Vの内側にハブボルト33の頭部33hが収まるように形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、ハブボルト33の交換作業を行う際に、ハブボルト33の頭部33hが堰部(堰部材7)に干渉するのを防ぐことができる。
加えて、第一実施形態に係る堰部材7の他の特徴点について説明する。図12は、第一実施形態に係る堰部材7の切欠部7cの位置を示す断面図である。具体的には、図2におけるI−I断面を示す断面図である。なお、図12には、重力が作用する方向に対して平行となり、かつ回転軸Aと交わる直線を上下方向線Lvとして表す。
車輪用軸受装置1は、四つのハブボルト33を有しており、それぞれ回転軸Aを中心とする位相角が90°ごととなる位置に設けられている。但し、倍数である8ヶ所に切欠部7cが設けられていてもよい。このとき、切欠部7cは、それぞれ回転軸Aを中心とする位相角が45°ごととなる位置に形成される。また、車輪用軸受装置1は、四つのハブボルト33を有しているが、例えば五つのハブボルト33を有するものとし、それぞれ回転軸Aを中心とする位相角が72°ごととなる位置に設けられるとしてもよい。但し、倍数である10ヶ所が設けられるとしてもよい。このとき、切欠部7cは、それぞれ回転軸Aを中心とする位相角が36°ごととなる位置に形成される。
このように、本車輪用軸受装置1においては、複数の切欠部3cが形成されている。そして、それぞれの切欠部7cは、ボルト圧入穴3iを中心とする内接円Vの内側にハブボルト33の頭部33hが収まるように形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、複数のハブボルト33が同時に切欠部7cに重なるので、かかる交換作業を円滑に進めることができる。
次に、図13および図14を用いて、第二実施形態に係る堰部材7について説明する。図13は、第二実施形態に係る堰部材7を示す断面図である。図14は、図13におけるB−B断面およびC−C断面を示す断面図である。なお、以下において、「径方向外側」とは、回転軸Aから遠ざかる方向を表し、「径方向内側」とは、回転軸Aへ近づく方向を表す。
堰部材7は、外方部材2のアウター側外周(アウター側端部における外周)に嵌合される。堰部材7は、例えばSUS430やSUS304等のステンレス鋼板、あるいはSPCC等の冷間圧延鋼板で構成されている。堰部材7は、円環状の鋼板がプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略L字状に形成されている。これにより、堰部材7は、円筒状の嵌合部7aと、その端部から径方向外側へ向かって延びる円板状の立板部7bと、が形成されている。なお、立板部7bには、弾性体であるプレートゴム71が例えば加硫接着で一体的に形成されている。
プレートゴム71は、例えばNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、HNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムで構成されている。あるいはABSやPVC等の樹脂で構成されていてもよい。そして、プレートゴム71には、その外縁から径方向内側へ窪んだ切欠部7cが形成されている。
図14の(A)に示すように、切欠部7cは、軸方向から見て円弧形状となっており、その内接円Vの中心がボルト挿通穴2fの中心に重なる(同軸となる)ように形成されている。なお、本実施形態においても、D≧G>F>Eを満たしている。
同時に、図14の(B)に示すように、切欠部7cは、軸方向から見て円弧形状となっており、その内接円Vの中心がボルト圧入穴3iの中心に重なる(同軸となる)ように形成されている。なお、本実施形態においても、D>Hを満たしている。
このように、本車輪用軸受装置1においては、堰部(堰部材7)の外縁部分が弾性体71で構成されている。そして、切欠部7cは、弾性体71に形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、ナックルボルト34の締付工具34Tが堰部(堰部材7)に干渉しても、堰部(堰部材7)の変形等(変形や破損)を防ぐことができる。また、ハブボルト33の頭部33hが堰部(堰部材7)に干渉しても、堰部(堰部材7)の変形等(変形や破損)を防ぐことができる。従って、かかる締付作業や交換作業を円滑に進めることができる。
次に、図15および図16を用いて、第三実施形態に係る堰部材7について説明する。図15は、第三実施形態に係る堰部材7の切欠部7cの位置を示す断面図である。具体的には、図2におけるI−I断面に相当する断面図である。図16は、堰部材7に沿って泥水が流れる状況を示す斜視図である。なお、ここでは、重力が作用する方向に対して平行となり、かつ回転軸Aに交わる直線を上下方向線Lvと定義する。また、上下方向線Lvに対して垂直となり、かつ回転軸Aに交わる直線を前後方向線Lhと定義する。更に、回転軸Aを中心とする位相角が上下方向線Lvから45°となる直線と前後方向線Lhから45°となる直線を傾斜方向線Lsと定義する。以下において、「外方部材2の上方側」とは、前後方向線Lhよりも上側を表し、「外方部材2の下方側」とは、前後方向線Lhよりも下側を表す。
図15に示すように、第三実施形態に係る堰部材7においては、周方向に四つの切欠部7cが形成されており、回転軸Aを中心とする位相角が90°となっている。但し、それぞれの切欠部7cが上下方向線Lvに交わらない位置に形成されている。つまり、それぞれの切欠部7cが傾斜方向線Lsに交わる位置若しくはその近傍に形成されている。このため、外方部材2を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が堰部材7に沿って流れるので、切欠部7cを通りにくくなる(図16の矢印参照)。また、車輪に跳ね上げられた泥水等も堰部材7に当たって流れ落ちるので、切欠部7cを通りにくくなる。
このように、本車輪用軸受装置1において、回転軸Aを水平とした際の当該回転軸Aと交わる上下方向線Lvを想定した場合、切欠部7cは、上下方向線Lvに交わらない位置に形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、外方部材2の上方側においては、外方部材2を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が切欠部7cを通ってアウター側のシール部材(アウター側シール部材6)に到達しにくくなる。また、外方部材2の下方側においては、車輪に跳ね上げられた泥水等が切欠部7cを通ってアウター側のシール部材(6)に到達しにくくなる。従って、アウター側のシール部材(6)の密封性が低下するのを抑制することができる。
次に、図17および図18を用いて、第四実施形態に係る堰部材7について説明する。図17は、第四実施形態に係る堰部材7の高堰部分7dの位置を示す断面図である。具体的には、図2におけるI−I断面に相当する断面図である。図18は、堰部材7に沿って泥水が流れる状況を示す斜視図である。なお、ここでは、重力が作用する方向に対して平行となり、かつ回転軸Aに交わる直線を上下方向線Lvと定義する。また、上下方向線Lvに対して垂直となり、かつ回転軸Aに交わる直線を前後方向線Lhと定義する。更に、回転軸Aを中心とする位相角が上下方向線Lvから45°となる直線と前後方向線Lhから45°となる直線を傾斜方向線Lsと定義する。以下において、「外方部材2の上方側」とは、前後方向線Lhよりも上側を表し、「外方部材2の下方側」とは、前後方向線Lhよりも下側を表す。
図17に示すように、第四実施形態に係る堰部材7においては、周方向に四つの切欠部7cが形成されており、回転軸Aを中心とする位相角が90°となっている。そして、第三実施形態に係る堰部材7と同じく、それぞれの切欠部7cが上下方向線Lvに交わらない位置に形成されている。但し、第四実施形態に係る堰部材7は、径方向内端から径方向外端までの寸法が大きい二つの高堰部分7dを有しており、それぞれの高堰部分7dが上下方向線Lvに交わる位置に形成されている。このため、外方部材2を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が高堰部分7dに堰き止められて堰部材7に沿って流れるので、切欠部7cを通りにくくなる(図18の矢印参照)。また、車輪に跳ね上げられた泥水等も堰部材7の高堰部分7dに当たって流れ落ちるので、切欠部7cを通りにくくなる。なお、高堰部分7dは、外方部材2の上方側若しくは下方側のいずれか一方に設けられているとしてもよい。
このように、本車輪用軸受装置1においては、堰部(堰部材7)に径方向内端から径方向外端までの寸法が大きい高堰部分7dを有している。そして、高堰部分7dは、上下方向線Lvに交わる位置に形成されている。かかる車輪用軸受装置1によれば、外方部材2の上方側においては、外方部材2を伝って流れる泥水や車体から流れ落ちた泥水等が堰部(堰部材7)を乗り越えてアウター側のシール部材(アウター側シール部材6)に到達しにくくなる。また、外方部材2の下方側においては、車輪に跳ね上げられた泥水等が堰部(堰部材7)を乗り越えてアウター側のシール部材(アウター側シール部材6)に到達しにくくなる。従って、アウター側のシール部材(アウター側シール部材6)の密封性が低下するのを更に抑制することができる。
本願における車輪用軸受装置1は、車体取付フランジ2eを有している外方部材2と、ハブ輪31に一つの内輪32が嵌合されている内方部材3と、で構成された内方部材回転仕様の第3世代構造としているが、これに限定するものではない。例えば、ハブ輪として形成された外方部材と、車体取付フランジを有している支持軸に一つの内輪が嵌合されている内方部材と、で構成された外方部材回転仕様の第3世代構造であってもよい。更に、車体取付フランジを有している外方部材と、一対の内方部材で構成され、この一対の内方部材がハブ輪の外周に嵌合される内方部材回転仕様の第2世代構造であってもよい。また、ハブ輪として形成された外方部材と、一対の内方部材で構成され、この一対の内方部材が支持軸の外周に嵌合される外方部材回転仕様の第2世代構造であってもよい。更に、車体取付フランジを有しているハウジングに圧入される外方部材と、一対の内方部材で構成され、この一対の内方部材がハブ輪の外周に嵌合される第1世代構造であってもよい。更に、内方部材としてハブ輪と自在継手が連結されており、車体取付フランジを有している外方部材と、ハブ輪と自在継手の嵌合体である内方部材と、で構成された第4世代構造であってもよい。
本発明は、各実施形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。例えば、各実施形態に係る堰部材7は、外方部材2のアウター側外周(アウター側端部における外周)に嵌合されるものであるが、アウター側のシール部材(アウター側シール部材6)を構成している芯金62やシールゴム63を外方部材2の径方向外側へ突出させ、この突出部分で堰部を構成したものも含む。
1 車輪用軸受装置
2 外方部材
2c 外側転走面
2d 外側転走面
2e 車体取付フランジ
2f ボルト挿通穴
3 内方部材
31 ハブ輪
32 内輪
33 ハブボルト
33h 頭部
34 ナックルボルト
34T 締付工具
3a 小径段部
3c 内側転走面
3d 内側転走面
3h 車輪取付フランジ
3i ボルト圧入穴
3j 工具挿通穴
4 転動体
5 シール部材(インナー側シール部材)
6 シール部材(アウター側シール部材)
7 堰部材(堰部)
71 弾性体
7a 嵌合部
7b 立板部
7c 切欠部
7d 高堰部分
A 回転軸
S 環状空間
V 内接円
Lv 上下方向線
2 外方部材
2c 外側転走面
2d 外側転走面
2e 車体取付フランジ
2f ボルト挿通穴
3 内方部材
31 ハブ輪
32 内輪
33 ハブボルト
33h 頭部
34 ナックルボルト
34T 締付工具
3a 小径段部
3c 内側転走面
3d 内側転走面
3h 車輪取付フランジ
3i ボルト圧入穴
3j 工具挿通穴
4 転動体
5 シール部材(インナー側シール部材)
6 シール部材(アウター側シール部材)
7 堰部材(堰部)
71 弾性体
7a 嵌合部
7b 立板部
7c 切欠部
7d 高堰部分
A 回転軸
S 環状空間
V 内接円
Lv 上下方向線
Claims (1)
- 内周に外側転走面が形成された外方部材と、
軸方向へ延びる小径段部が形成されたハブ輪および前記小径段部に嵌合される少なくとも一つの内輪からなり、外周に内側転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材の両転走面間に転動自在に介装される複数の転動体と、
前記外方部材と前記内方部材によって形成された環状空間の両側開口端を塞ぐシール部材と、を備え、
前記外方部材に車体取付フランジが形成されるとともに当該車体取付フランジに複数のボルト挿通穴が設けられて、それぞれの前記ボルト挿通穴にナックルボルトが挿通されており、
前記ハブ輪に車輪取付フランジが形成されるとともに当該車輪取付フランジの回転軸を中心とする同心円上に等間隔で複数のボルト圧入穴が設けられて、それぞれの前記ボルト圧入穴にハブボルトが圧入されている車輪用軸受装置において、
前記外方部材のアウター側外周に径方向外側へ突出する堰部を設け、
前記堰部には前記ナックルボルトと同数の切欠部が形成されており、
それぞれの前記切欠部は、軸方向から見て円弧形状となっており、その内接円の中心が前記ボルト挿通穴の中心に重なるとともに当該内接円の内側を前記ナックルボルトの締付工具が通るように形成され、かつ前記回転軸を水平とした際の当該回転軸と交わる上下方向線に対して交わらない位置に形成されている、ことを特徴とする車輪用軸受装置。
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-
2019
- 2019-05-13 JP JP2019090989A patent/JP2019163859A/ja active Pending
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