JP2015158228A - 密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置 - Google Patents

密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い密封性能を維持させる密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】芯金12とシール部材13を有する環状のシール板10と、これに対向配置され、円筒部11aと立板部11bを有するスリンガ11を備えたパックシールで、シール部材13が、径方向外方に傾斜して形成され、立板部11bに摺接する一対のサイドリップ13a、13bと、径方向内方に傾斜して形成されたグリースリップ13cを備えた密封装置7において、グリースリップ13cの先端部に折り返し部17が形成され、この折り返し部17が、スリンガ11の円筒部11aの端面16に摺接するリップ先端部17aと、内輪3の外径面3cに径方向すきまを介して対向配置される屈曲部17bを有し、軸受部の内圧が上昇した時、折り返し部17が弾性変形し、屈曲部17bの先端が外径面3cに摺接して2点接触になる。【選択図】図3

Description

本発明は、軸受空間を密封する密封装置、特に、雨水や泥水等の異物が多量に存在する環境下においても長期間充分な密封性を有する密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置に関するものである。
従来から自動車等の車輪を支持する車輪用軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ輪を複列の転がり軸受を介して回転自在に支承するもので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造上の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が、従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式が一般的に採用されている。また、車輪用軸受装置には、懸架装置を構成するナックルとハブ輪との間に複列アンギュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合させた第1世代と称される構造から、外方部材の外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付フランジが形成された第2世代構造、また、ハブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成された第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内側転走面が直接形成された第4世代構造とに大別されている。
こうした車輪用軸受装置では、軸受内部に封入されたグリースの漏れを防止すると共に、雨水や泥水等に直接曝される環境下にあるため、この雨水や泥水等が軸受内部に浸入しないように強固な密封性を有する密封装置が装着されている。近年、こうした厳しい環境下で使用されるこの種の車輪用軸受装置において、さらなる長寿命化が要求されるようになっている。なお、密封装置の中でも特に密封性を高めたものとして、シールリップを備えたシール部材が固定側部材となる外方部材に装着され、シールリップが内方部材に装着されたスリンガに摺接されている、所謂パックシールが一般的に使用されている。
従来から、密封性を高めた車輪用軸受の密封装置に関しては種々提案されているが、こうした密封装置の代表的な一例を図10に示す。この密封装置50は、シール部材51と、スリンガ52とを備え、シール部材51は、芯金部材53と、弾性部材54とからなる。芯金部材53は環状で、断面L字状に形成され、筒状の固定部55と、径方向延在部56からなる。固定部55は、外輪(図示せず)の内周面に内嵌され、径方向延在部56は、固定部55の内周面における軸方向の端部から径方向内方に延在している。
一方、スリンガ52は環状で、断面L字状に形成され、筒状の固定部57と、この固定部57に繋がるフランジ部58とを有する。固定部57の内周面59は、内輪(図示せず)の外径面に外嵌されて固定されている。フランジ部58は、固定部57の外径面の軸方向外方側の端部から径方向外方に延在している。
弾性部材54はゴム材からなり、環状で、芯金部材53の固定部55の内周面全面と、その固定部55の内周面に繋がる径方向延在部56の軸方向外方側の端面全面とを覆うように、芯金部材53に固着されている。この弾性部材54は、基部60と、第1アキシアルリップとしての芯金固定部側リップ61と、第1アキシアルリップとしてのスリンガ固定部側リップ62と、第2アキシアルリップ63とを有する。
基部60は、芯金部材53の固定部55の内周面および径方向延在部56の軸方向外方側の端面に沿うように配置されている。この基部60は、固定部55の内周面および径方向延在部56の外方側の端面に固着されている。
芯金固定部側リップ61およびスリンガ固定部側リップ62の夫々は、基部60から延在して、スリンガ52のフランジ部58に摺動し、芯金固定部側リップ61は、基部60から径方向の芯金部材53の固定部側かつ軸方向外方側に延在して、フランジ部58に摺動している。スリンガ固定部側リップ62は、芯金固定部側リップ61の径方向のスリンガ52の固定部57側に、芯金固定部側リップ61に対して径方向に間隔をおいて位置し、フランジ部58に摺動している。
弾性部材54が、スリンガ52から力を受けていない状態において、第1部分64の径方向内方の表面65は凹面である一方、第2部分66の径方向内方の表面67は円錐面になっている。
第2アキシアルリップ63は、基部60の径方向の最内方かつ軸方向の最内方から、径方向の内方かつ軸方向の外方に斜めに延在し、第2アキシアルリップ63の径方向の内方の先端部における軸方向の外方の角部は、スリンガ52の固定部57の軸方向の端面68に接触している。
ここで、軸受部の温度上昇に伴って転動体配置空間内の気圧が上昇した場合、第2アキシアルリップ63が、スリンガ52の固定部57の端面に軸方向に押圧されて、第2アキシアルリップ63と、スリンガ52の固定部57の端面との間で、気密な密閉が実現され、転動体配置空間内の空気や潤滑剤が外部に漏れ出ることを確実に防止できる。したがって、長期に亘って密封性能が低下し難い密封装置50を提供することができる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−74588号公報
然しながら、こうした従来の密封装置50では、軸受部の温度上昇に伴って転動体配置空間内の気圧が上昇し、過大な内圧が発生した場合、第2アキシアルリップ(グリースリップ)63が反転し、密封性能が低下してしまうという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軸受部の内圧が上昇した時、グリースリップが内輪の外径面とスリンガの端部の2点で接触して反転を防止し、密封性能が低下するのを防止すると共に、通常の内圧が小さい時は、グリースリップが内輪の外径面と非接触でスリンガの端部のみに接触してトルクの増大させることなく、内圧が大きい時のみグリースリップの2点接触になる構造を着想したもので、高い密封性能を維持させる密封装置およびこれを備えた車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガで構成され、前記シール板が、外方部材の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材を備え、前記スリンガが、内方部材に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を備えると共に、前記シール部材がグリースリップを備えた密封装置において、前記グリースリップが、その先端部に折り返し部が形成され、この折り返し部がリップ先端部と屈曲部を有し、これらのリップ先端部と屈曲部が、それぞれ前記スリンガの円筒部の端部と前記内方部材の外径面に摺接して2点接触になるように構成されている。
このように、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガで構成され、シール板が、外方部材の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材を備え、スリンガが、内方部材に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を備えると共に、シール部材がグリースリップを備えた密封装置において、グリースリップが、その先端部に折り返し部が形成され、この折り返し部がリップ先端部と屈曲部を有し、これらのリップ先端部と屈曲部が、それぞれスリンガの円筒部の端部と内方部材の外径面に摺接して2点接触になるように構成されている。すなわち、従来、径方向外側から径方向内側に向かうリップがスリンガ端面と接触しており、内圧が過剰に付加された場合、リップがスリンガ端面を径方向外側に滑り、スリンガから脱落(反転)する可能性があるのに対し、本発明では、内圧によりリップ全体が軸受外方側に移動し、屈曲部が内方部材と接触して2点接触となるため、リップ先端だけではなく、屈曲部からも反転に対する反力および滑り摩擦を受けるため、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇してもグリースリップが反転するのを防止し、密封性能を向上させた密封装置を提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記グリースリップにおける前記折り返し部の屈曲部が前記内方部材の外径面に径方向すきまを介して対向配置され、軸受部の内圧が小さい時は、当該外径面と非接触になるように構成されていれば、軸受トルクが増大して接触部が昇温したりリップ摩耗が促進したりするのを抑制すると共に、内圧が大きい時のみグリースリップが2点接触し、密封性能を向上させることができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記グリースリップにおける前記折り返し部の屈曲部が、軸受内方側の内傾斜面と軸受外方側の外傾斜面を備え、これらの両傾斜面の交差角部が前記内方部材の外径面に摺接するラジアルリップを構成し、前記内方部材の外径面に対する前記内傾斜面の傾斜角が前記外傾斜面の傾斜角よりも大きく設定されていれば、接触部のリップ面圧が、軸受外方側よりも軸受内方側で大きくなって耐圧性が高くなり、軸受内圧に対して、軸受内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記スリンガにおける前記円筒部の端面が傾斜面を有し、この傾斜面に前記グリースリップのリップ先端部が摺接されると共に、前記傾斜面が内径に向って漸次、端面に対する前記グリースリップのリップ先端部のシメシロが小さくなるように設定されていれば、グリースリップが端面に接触した時に反転するのを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記スリンガにおける前記円筒部の端部に径方向外方に折曲された鍔部を有し、この鍔部の側面に前記グリースリップのリップ先端部が摺接されていれば、グリースリップが端面に接触した時に反転するのを防止することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記スリンガの円筒部の端部内径に段差部が形成され、前記グリースリップにおける前記折り返し部のリップ先端部が前記段差部の内周面に摺接されていれば、折り返し部のリップ先端部が段差部に接触した時に反転するのを防止することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記スリンガの円筒部の端部に拡径部が形成され、前記グリースリップにおける前記折り返し部のリップ先端部が前記拡径部の内周面に摺接されていれば、折り返し部のリップ先端部が拡径部の内周面に接触した時に反転するのを防止することができる。
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置で構成されている。
このように、外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置を備えた車輪用軸受装置において、密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置で構成されているので、軸受トルクが増大して接触部が昇温したりリップ摩耗が促進したりするのを抑制すると共に、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇してもグリースリップが反転するのを防止し、密封性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る密封装置は、互いに対向配置された環状のシール板とスリンガで構成され、前記シール板が、外方部材の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材を備え、前記スリンガが、内方部材に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を備えると共に、前記シール部材がグリースリップを備えた密封装置において、前記グリースリップが、その先端部に折り返し部が形成され、この折り返し部がリップ先端部と屈曲部を有し、これらのリップ先端部と屈曲部が、それぞれ前記スリンガの円筒部の端部と前記内方部材の外径面に摺接して2点接触になるように構成されている。すなわち、従来、径方向外側から径方向内側に向かうリップがスリンガ端面と接触しており、内圧が過剰に付加された場合、リップがスリンガ端面を径方向外側に滑り、スリンガから脱落(反転)する可能性があるのに対し、本発明では、内圧によりリップ全体が軸受外方側に移動し、屈曲部が内方部材と接触して2点接触となるため、リップ先端だけではなく、屈曲部からも反転に対する反力および滑り摩擦を受けるため、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇してもグリースリップが反転するのを防止し、密封性能を向上させた密封装置を提供することができる。
また、本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置で構成されているので、軸受トルクが増大して接触部が昇温したりリップ摩耗が促進したりするのを抑制すると共に、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇してもグリースリップが反転するのを防止し、密封性の向上を図った車輪用軸受装置を提供することができる。
本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の一方の密封装置を示す縦断面図である。 (a)は、図2の密封装置のグリースリップ部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の内圧上昇時を示す要部拡大図である。 (a)は、図3(a)のA部拡大図、(b)は、図3(b)のB部拡大図である。 (a)は、図3(a)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、図3(a)の他の変形例を示す要部拡大図である。 本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図6の一方の密封装置を示す縦断面図である。 図7の密封装置のグリースリップ部を示す要部拡大図である。 図8の変形例を示す要部拡大図 従来の密封装置を示す要部断面図である。
互いに対向配置され、断面がL字状に形成された環状のシール板と、断面がL字状に形成されたスリンガとからなるパックシールで構成され、前記シール板が、固定側部材となる外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合され、前記嵌合部の先端部を覆うように回り込んで接合されたシール部材を備え、前記スリンガが、回転側部材となる内輪の外径に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を備えると共に、前記シール部材が、径方向外方に傾斜して形成され、前記スリンガの立板部に摺接するサイドリップと、このサイドリップの内径側に径方向内方に傾斜して形成されて形成されたグリースリップと、を備えた密封装置において、前記グリースリップが、その先端部に折り返し部が形成され、この折り返し部が、前記スリンガの円筒部の端面に摺接するリップ先端部と、前記内輪の外径面に径方向すきまを介して対向配置される屈曲部を有し、軸受部の内圧が上昇した時、前記折り返し部が弾性変形し、前記屈曲部の先端が前記内輪の外径面に摺接して2点接触になるように構成されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の一方の密封装置を示す断面図、図3(a)は、図2の密封装置のグリースリップ部を示す要部拡大図、(b)は、(a)の内圧上昇時を示す要部拡大図、図4(a)は、図3(a)のA部拡大図、(b)は、図3(b)のB部拡大図、図5(a)は、図3(a)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、図3(a)の他の変形例を示す要部拡大図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受1は車輪用軸受装置に用いられる第1世代と称されるもので、内周に複列の外側転走面2a、2aが一体に形成された外方部材(外輪)2と、外周に前記複列の外側転走面2a、2aに対向する内側転走面3aが一体に形成された一対の内輪(内方部材)3、3と、両転走面間に収容された複列の転動体(ボール)4、4と、これらの転動体4、4を転動自在に保持する保持器5、5と、外方部材2と一対の内輪3、3との間に形成された環状空間の開口部に装着された密封装置6、7とを備えている。
外方部材2はSUJ2(JIS G 4805)等の高炭素クロム軸受鋼、あるいは浸炭鋼からなる。高炭素クロム軸受鋼の場合は820〜860℃でズブ焼入れされた後、160〜200℃で焼戻しされ、58〜64HRCの範囲に芯部まで硬化処理されている。また、浸炭鋼の場合は、表面が58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。一方、内輪3も外方部材2と同様、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼、あるいは浸炭鋼からなり、高炭素クロム軸受鋼の場合は58〜64HRCの範囲に芯部まで硬化処理され、浸炭鋼の場合は、表面が58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。また、転動体4はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで62〜67HRCの範囲に硬化処理されている。
この車輪用軸受1は、一対の内輪3、3の小径側(正面側)端面3b、3bが突き合された状態でセットされ、所謂背面合せタイプの複列のアンギュラ玉軸受を構成している。また、密封装置6、7によって、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、車輪用軸受1として転動体4にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体4に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。
密封装置6、7のうちアウター側の密封装置6は、固定側部材となる外方部材2のアウター側端部の内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金8と、この芯金8に加硫接着により一体に接合され、合成ゴム等で形成されたシール部材9とからなる一体型のシールで構成されている。
また、インナー側の密封装置7は、図2に拡大して示すように、互いに対向配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板10と、断面が略L字状に形成されたスリンガ11とからなる複合型のシール、所謂パックシールで構成されている。シール板10は、外方部材2に装着される芯金12と、この芯金12に加硫接着により一体に接合されたシール部材13とからなる。
芯金12は、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成されている。この芯金12は、外方部材2に圧入され、端部が僅かに縮径されて薄肉に形成された円筒状の嵌合部12aと、この嵌合部12aから径方向内方に延びる内径部12bとを備えている。そして、嵌合部12aの先端部を覆うようにシール部材13が回り込んで接合され、所謂ハーフメタル構造をなしている。これにより、適切な嵌合力を確保することができると共に、シール部材13の圧着により嵌合面から泥水等が浸入するのを防止して気密性を高めることができる。
シール部材13は、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延びる一対のサイドリップ13a、13bと、このサイドリップ13a、13bの内径側に径方向内方に傾斜して延びるグリースリップ13cを有している。そして、シール部材13は芯金12の嵌合部12aの端部外表面から内径部12bの内縁まで回り込んで固着されている。なお、シール部材13の材質としては、NBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、EPM、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)等をはじめ、耐熱性、耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
一方、スリンガ11はフェライト系のステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼板等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、内輪3の外径面3cに圧入される円筒部11aと、この円筒部11aから径方向外方に延びる立板部11bを備えている。そして、立板部11bのインナー側の側面から端部の外径面に亙って磁気エンコーダ14が加硫接着等で一体に接合されている。磁気エンコーダ14はゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。この磁気エンコーダ14の外径面はシール板10の円筒部と僅かな径方向すきまを介して対峙され、ラビリンスシール15が形成されている。
ここで、シール部材13のサイドリップ13a、13bは立板部11bのアウター側(軸受内方側)の側面に所定の軸方向シメシロを介して摺接されると共に、グリースリップ13cが円筒部11aの端面16に所定の軸方向シメシロを介して摺接されている。
シール板10のインナー側(軸受外方側)の端面とスリンガ11の立板部11bのインナー側の側面が略面一に設定されると共に、これらの面が外方部材2の端面2bおよび内輪3の大径側端面(大端面)3dとそれぞれ面一に設定されている。これにより、密封装置7を外方部材2と内輪3との間に装着して位置決め固定する際、簡単な圧入治具で対応することができ、組立性を向上させることができると共に、位置決め精度を高めることができ、所望の密封性を確保することができる。なお、ここでいう「略面一」の略とは、例えば、設計の狙い値であって実質的に段差がない状態、すなわち、加工誤差等によって生じる段差は当然許容されるべきものである。
シール部材13のグリースリップ13cは、シール部材13の内径部に円筒状に形成された基部13dの軸受内方側(アウター側)の端部から径方向内方に延び、軸受内方側に傾斜して形成されている。基部13dはスリンガ11の円筒部11aと僅かな径方向すきまを介して対向し、ラビリンスシール18が形成されている。グリースリップ13cは、図3(a)に拡大して示すように、先端部に折り返し部17が形成されている。この折り返し部17は、スリンガ11の円筒部11aの端面16に摺接する、アキシアルリップとなるリップ先端部17aと、内輪3の外径面3cに僅かな径方向すきまを介して対向する、ラジアルリップとなる屈曲部17bを有している。
本実施形態では、通常の軸受部の内圧が小さい時は、グリースリップ13cの屈曲部17bが内輪3の外径面3cと非接触で、リップ先端部17aのみがスリンガ11の円筒部11aの端面16に接触するように構成されている。一方、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇した時、この折り返し部17が、図3(b)に示すように、内圧によって弾性変形し、リップ先端部17aが円筒部11aの端面16に接触すると共に、屈曲部17bの先端が内輪3の外径面3cに摺接して2点接触になるように構成されている。これにより、通常時の軸受部の内圧が小さい時は、軸受トルクが増大して接触部が昇温したりリップ摩耗が促進したりするのを抑制すると共に、内圧が大きい時のみグリースリップ13cが2点接触して折り返し部17の反転を防止し、密封性能を向上させた密封装置7を提供することができる。
なお、ここでは、通常時、グリースリップ13cの屈曲部17bが内輪3の外径面3cと非接触となり、軸受部の内圧が上昇した時、折り返し部17が弾性変形し、リップ先端部17aが円筒部11aの端面16に接触すると共に、屈曲部17bの先端が内輪3の外径面3cに摺接して2点接触になるように設定したが、これに限らず、通常時に、軸受トルクが過度に大きくならない程度に、屈曲部17bの先端が内輪3の外径面3cに僅かな緊迫力で摺接して2点接触になるように設定しても良い。
屈曲部17bは、図4(a)に示すように、軸受内方側の内傾斜面19と軸受外方側の外傾斜面20を備えている。そして、これらの両傾斜面19、20の交差角部が内輪3の外径面3cに摺接するラジアルリップを構成している。ここでは、内輪3の外径面3cに対する内傾斜面19の傾斜角αが外傾斜面20の傾斜角βよりも大きく設定されている(α>β)。これにより、(b)に模式的に示すように、接触部のリップ面圧が、軸受外方側(β側)よりも軸受内方側(α側)で大きくなって耐圧性が高くなり、軸受内圧に対して、軸受内部に封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止することができる。
なお、ここでは、シール部材13の複数のシールリップが、一対のサイドリップ13a、13bとグリースリップ13cで構成されたものを例示したが、これに限らず複数のシールリップで構成されていれば良く、例えば、図示はしないが、単一のサイドリップとダストリップおよびグリースリップで構成されたものであっても良い。
図5(a)に、前述したスリンガ11の変形例を示す。このスリンガ21は、内輪3の外径面3cに圧入される円筒部21aの端面22が傾斜面を有している。この傾斜面は内径に向って漸次、端面22に対するグリースリップ13cのリップ先端部17aのシメシロが小さくなるように設定されている。これにより、軸受部の内圧が高くなってグリースリップ13cが弾性変形した時、あるいは、グリースリップ13cが端面22に接触した時に反転するのを防止することができる。
また、図5(b)に、前述したスリンガ11の他の変形例を示す。このスリンガ23は、内輪3の外径面3cに圧入される円筒部23aの端部に径方向外方に折曲された鍔部24を有している。これにより、円筒部23aの端面24aが大きくなり、グリースリップ13cが端面24aに接触した時に反転するのを防止することができる。
図6は、本発明に係る密封装置を備えた車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図7は、図6の一方の密封装置を示す縦断面図、図8は、図7の密封装置のグリースリップ部を示す要部拡大図、図9は、図8の変形例を示す要部拡大図である。なお、この車輪用軸受装置は、前述した車輪用軸受1(図1)と基本的には軸受部の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
この車輪用軸受装置は駆動輪側の第3世代と称され、内方部材25と外方部材26、および両部材25、26間に転動自在に収容された複列の転動体4、4とを備えている。内方部材25は、ハブ輪27と、このハブ輪27に圧入固定された内輪3とからなる。
ハブ輪27は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ28を一体に有し、この車輪取付フランジ28の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト28aが植設されている。また、ハブ輪27の外周には一方(アウター側)の内側転走面27aと、この内側転走面27aから軸方向に延びる円筒状の小径段部27bが形成され、内周にはトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)27cが形成されている。内輪3は外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成され、ハブ輪27の小径段部27bに所定のシメシロを介して圧入固定されている。
ハブ輪27は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、アウター側の内側転走面27aをはじめ、後述するシール29のシールランド部となる車輪取付フランジ28のインナー側の基部28bから小径段部27bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、車輪取付フランジ28の基部28bの耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ28に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有することになり、ハブ輪27の強度・耐久性が向上する。
外方部材26は、外周に車体(図示せず)に取り付けられるための車体取付フランジ26bを一体に有し、内周に前記内方部材25の内側転走面27a、3aに対向する複列の外側転走面26a、26aが一体に形成されている。この外方部材26は、ハブ輪27と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面26a、26aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、それぞれの転走面26a、27aと26a、3a間に複列の転動体4、4が収容され、保持器5、5によりこれら複列の転動体4、4が転動自在に保持されている。
また、外方部材26と内方部材25との間に形成される環状空間の開口部には密封装置29、30が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、転動体4にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受で構成された車輪用軸受装置を例示したが、これに限らず、転動体4に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受で構成されていても良い。また、ここでは、ハブ輪27の外周に直接内側転走面27aが形成された第3世代構造を例示したが、図示はしないが、ハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入固定された第2世代構造であっても良い。
本実施形態では、アウター側の密封装置29は、芯金31と、この芯金31に一体に加硫接着されたシール部材32とからなる一体型の密封装置で構成され、シール部材32は、断面が円弧状に形成された車輪取付フランジ28のインナー側の基部28bに摺接するサイドリップ32aとダストリップ32bおよびグリースリップ32cを備えている。
一方、インナー側の密封装置30は、図7に拡大して示すように、互いに対向配置され、断面が略L字状に形成された環状のシール板33と、断面略L字状に形成されたスリンガ34とからなるパックシールで構成されている。この密封装置30は、基本的には前述した密封装置7(図2)とグリースリップ13cとスリンガ11の接触部の構成が異なるだけで、その他同一部品同一部位あるいは同様の機能を有する部品や部位には同じ符号を付して重複した説明を省略する。
シール板33は、外方部材26に装着される芯金12と、この芯金12に加硫接着により一体に接合されたシール部材35とからなる。シール部材35は、NBR等の合成ゴムからなり、径方向外方に傾斜して延びる一対のサイドリップ13a、13bと、このサイドリップ13a、13bの内径側に径方向内方に傾斜して延びるグリースリップ35aを有している。そして、シール部材35は芯金12の嵌合部12aの端部外表面から内径部12bの内縁まで回り込んで固着されている。
スリンガ34はフェライト系のステンレス鋼板や防錆処理された冷間圧延鋼板等の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて断面略L字状に形成され、円筒部34aと、この円筒部34aから径方向外方に延びる立板部11bを備えている。
ここで、グリースリップ35aは、図8に拡大して示すように、リップ先端に折り返し部36が形成されている。この折り返し部36は、ラジアルリップとなるリップ先端部36aと、内輪3の外径面3cに僅かな径方向すきまを介して対向する屈曲部17bを有している。
一方、スリンガ34の円筒部34aの端部内径には段差部37が形成されている。そして、グリースリップ35aにおける折り返し部36のリップ先端部36aがスリンガ34における円筒部34aの段差部37の内周面に所定の径方向シメシロを介して摺接されている。これにより、折り返し部36のリップ先端部36aが段差部37に接触した時に反転するのを防止することができる。
本実施形態では、前述した実施形態と同様、通常の軸受部の内圧が小さい時は、グリースリップ35aの屈曲部17bが内輪3の外径面3cと非接触で、リップ先端部36aのみがスリンガ34の円筒部34aの段差部37に接触するように構成されている。一方、車両の運転中に軸受部が昇温して内圧が上昇した時、この折り返し部36が内圧によって弾性変形し、リップ先端部36aが円筒部34aの段差部37に接触すると共に、屈曲部17bの先端が内輪3の外径面3cに摺接して2点接触になるように構成されている。これにより、通常時の軸受部の内圧が小さい時は、軸受トルクが増大して接触部が昇温したりリップ摩耗が促進したりするのを抑制すると共に、内圧が大きい時のみグリースリップ35cが2点接触して折り返し部36の反転を防止し、密封性能を向上させることができる。
図9に、前述したスリンガ34の変形例を示す。このスリンガ38は、内輪3の外径面3cに圧入される円筒部38aの端部に拡径部39がプレス加工により形成されている。そして、グリースリップ35aにおける折り返し部36のリップ先端部36aがスリンガ38における円筒部38aの拡径部39の内周面39aに所定の径方向シメシロを介して摺接されている。これにより、折り返し部36のリップ先端部36aが拡径部39の内周面39aに接触した時に反転するのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る密封装置は、第1乃至第3世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
1 車輪用軸受
2、26 外方部材
2a、26a 外側転走面
2b 外方部材の端面
3 内輪
3a、27a 内側転走面
3b 内輪の小径側端面
3c 内輪の外径面
3d 内輪の大径側端面
4 転動体
5 保持器
6、29 アウター側の密封装置
7、30 インナー側の密封装置
8、12、31 芯金
9、13、32、35 シール部材
10、33 シール板
11、21、23、34、38 スリンガ
11a、21a、23a、34a、38a 円筒部
11b 立板部
12a 嵌合部
12b 内径部
13a、13b、32a サイドリップ
13c、32c、35a グリースリップ
13d 基部
14 磁気エンコーダ
15、18 ラビリンスシール
16、22、24a 円筒部の端面
17、36 折り返し部
17a、36a リップ先端部
17b 屈曲部
19 屈曲部の内傾斜面
20 屈曲部の外傾斜面
25 内方部材
27 ハブ輪
27b 小径段部
28 車輪取付フランジ
28a ハブボルト
28b 車輪取付フランジのインナー側の基部
32b ダストリップ
37 段差部
39 拡径部
39a 拡径部の内周面
50 密封装置
51 シール部材
52 スリンガ
53 芯金部材
54 弾性部材
55 芯金部材の固定部
56 径方向延在部
57 スリンガの固定部
58 フランジ部
59 固定部の内周面
60 弾性部材の基部
61 芯金固定部側リップ
62 スリンガ固定部側リップ
63 第2アキシアルリップ
64 第1部分
65 第1部分の径方向内方の表面
66 第2部分
67 第2部分の径方向内方の表面
68 スリンガの固定部の軸方向の端面
69 屈曲部
α 内傾斜面の傾斜角
β 外傾斜面の傾斜角

Claims (8)

  1. 互いに対向配置された環状のシール板とスリンガで構成され、
    前記シール板が、外方部材の端部に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部の端部から径方向内方に延びる内径部からなる芯金、およびこの芯金に加硫接着により一体に接合されたシール部材を備え、
    前記スリンガが、内方部材に圧入される円筒部、およびこの円筒部から径方向外方に延びる立板部を備えると共に、
    前記シール部材がグリースリップを備えた密封装置において、
    前記グリースリップが、その先端部に折り返し部が形成され、この折り返し部がリップ先端部と屈曲部を有し、これらのリップ先端部と屈曲部が、それぞれ前記スリンガの円筒部の端部と前記内方部材の外径面に摺接して2点接触になるように構成されていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記グリースリップにおける前記折り返し部の屈曲部が前記内方部材の外径面に径方向すきまを介して対向配置され、軸受部の内圧が小さい時は、当該外径面と非接触になるように構成されている請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記グリースリップにおける前記折り返し部の屈曲部が、軸受内方側の内傾斜面と軸受外方側の外傾斜面を備え、これらの両傾斜面の交差角部が前記内方部材の外径面に摺接するラジアルリップを構成し、前記内方部材の外径面に対する前記内傾斜面の傾斜角が前記外傾斜面の傾斜角よりも大きく設定されている請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 前記スリンガにおける前記円筒部の端面が傾斜面を有し、この傾斜面に前記グリースリップのリップ先端部が摺接されると共に、前記傾斜面が内径に向って漸次、端面に対する前記グリースリップのリップ先端部のシメシロが小さくなるように設定されている請求項1に記載の密封装置。
  5. 前記スリンガにおける前記円筒部の端部に径方向外方に折曲された鍔部を有し、この鍔部の側面に前記グリースリップのリップ先端部が摺接されている請求項1に記載の密封装置。
  6. 前記スリンガの円筒部の端部内径に段差部が形成され、前記グリースリップにおける前記折り返し部のリップ先端部が前記段差部の内周面に摺接されている請求項1に記載の密封装置。
  7. 前記スリンガの円筒部の端部に拡径部が形成され、前記グリースリップにおける前記折り返し部のリップ先端部が前記拡径部の内周面に摺接されている請求項1に記載の密封装置。
  8. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に嵌合された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と内方部材との間に形成される環状空間の開口部を密封する密封装置と、を備えた車輪用軸受装置において、
    前記密封装置が、前記請求項1乃至7いずれかに記載の密封装置で構成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
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