JP6774615B2 - 多孔質シリカ、及びそれを含む消臭剤 - Google Patents

多孔質シリカ、及びそれを含む消臭剤 Download PDF

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本発明は、多孔質シリカ、それを含む消臭剤、及び多孔質シリカの製造方法に関する。より詳しくは、テンプレート由来の一次細孔をもつ粒子からなり、かつ前記粒子同士が結合することによる粒子間隙からなる二次細孔を有するために大きな比表面積を有し、また、導入した脂肪酸金属塩に由来する金属含有物質が担持されている多孔質シリカに関する。
金属含有多孔質シリカに関して、多くの研究が報告されている。たとえば、李賢英、上原雅人、榎本尚也、北條純一等の「J. Ceram. Soc. Japan, 109, [10], 818-822 (2001)」には、
(1)塩酸を添加したポリオキシエチレン[23]ラウリルエーテル水溶液にテトラエトキシシランとテトラエトキシチタンを滴下することによって、シリカとチタンを含有する多孔質体が生成すること、および
(2)メソポーラスシリカと硝酸亜鉛を混合した後に焼成することで酸化亜鉛を含有する多孔質体が生成すること
が記載されている。
また、特開平4−313348号公報には、有機金属化合物の有機溶液に担体を浸漬して有機化合物を担体に担持することで、金属または金属酸化物の担持触媒の製造方法が記載されている。
さらに、特開2002−187712号公報には、水混和性有機溶媒、アルキルアミンおよびケイ酸エステルあるいはケイ酸エステルと水混和性有機溶媒に可溶な金属塩との組み合わせを含む混合液に、攪拌下に水あるいは酸性水溶液を添加し、生成するシリカ−アルキルアミン複合生成物を球状粒子に成長させ、球状粒子中のアルキルアミンを除去することを特徴とする球状多孔質シリカ及至シリカ金属複合体粒子の製造方法が記載されている。
特開平4−313348号公報 特開2002−187712号公報
Xianying Li et al., J. Ceram. Soc. Japan, 109, [10], 818-822 (2001)
合成の際にSi以外の金属成分を導入する場合(特開2002−187712号公報)、ケイ酸エステルであるテトラエチルアルトシリケート(TEOS)と安定な均質溶液相を形成させるために、金属アルコキシドや直鎖アルキルアミンや水に可溶な限られた金属塩しか使用できないという課題がある。なお、金属アルコキシドは高価であり、またシリカ源との加水分解および縮合反応速度を調整する必要があり反応の制御が困難であるという課題がある。
また、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒドなどの臭気は、シリカ表面のシラノール基によって化学吸着することが知られているが、単位面積あたりのシラノール基数はほぼ一定であるため、単位重量あたりの消臭力を向上させるためには、比表面積の増加が必要である。
合成した多孔質体に後処理によって金属成分を導入する場合(特開平4−313348号公報)には、すでに完成した細孔内に金属が担持されることになるため、比表面積、細孔容積、細孔径小さい多孔質体となる課題がある。
本発明は、1次細孔が形成された粒子を含む多孔質シリカであって、前記粒子が、粒度が1〜100nmである金属含有物質を含み、比表面積が500m2/g以上である、多孔質シリカを提供する。
また、本発明は、前記多孔質シリカを含む消臭剤を提供する。
さらに、本発明は、水溶液に、脂肪酸金属塩、界面活性剤、及びシリカ源を添加して脂肪酸金属塩と界面活性剤とが混合したミセル構造表面に前記シリカ源を集積させ、
塩基性水溶液を分散液に添加して前駆体を成形し、前記前駆体においては、シリカの壁が形成されており、前記シリカの壁の内側に前記脂肪酸金属塩が局在し、
前記前駆体を濾過して乾燥し、
前記前駆体を焼成して前記ミセル構造中の前記界面活性剤を除去し、焼成の熱により生成された前記脂肪酸金属塩由来の金属含有物質を含む多孔質シリカの製造方法を提供する。
本発明の多孔質シリカは、金属を含有しないシリカ多孔質体では消臭が困難なメチルメルカプタンや硫化水素、ノネナールなどの臭気を効果的に消臭することができる。また、本発明の多孔質シリカは、比表面積が高くシリカ表面に多くのシラノール基を有していることに加え、1次細孔と2次細孔からなる複雑な細孔構造を有するため、アンモニアやトリメチルアミン、酢酸、イソ吉草酸などのシリカ表面へ化学吸着することが知られている臭気についても、大きな消臭速度と消臭容量を示す。
実施例2の断面のTEM画像を示す。 実施例4の断面のTEM画像を示す。 粒度分布の測定結果を示す。
本発明の多孔質シリカは、1次細孔が形成された粒子を含む多孔質シリカである。
前記粒子の1次細孔は、脂肪酸金属塩と界面活性剤をテンプレートとして用いて水溶液中でシリカ源の配列を行うことによって形成される。1次細孔は、一般的には1から20nmの細孔径を有していると考えられる。
界面活性剤は、好ましくは中性、陽イオン性のものであり、より好ましくはアルキルアンモニウム塩である。アルキルアンモニウム塩は、炭素数が8以上のものであればよいが、工業的な入手の容易さを鑑みると、炭素数が12から18のものがより好ましい。アルキルアンモニウム塩としては、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは50〜400mmol/L、より好ましくは50〜150mmol/Lである。界面活性剤は、水中でミセルをつくり、その表面にシリカ源を静電気的に集積させる分子鋳型として機能する。界面活性剤は焼成により消失して1次細孔を形成する。
脂肪酸金属塩は、好ましくは炭素原子数が8〜18の脂肪酸金属塩であり、より好ましくは炭素原子数が12〜18の脂肪酸金属塩である。脂肪酸金属塩としては、オクタン酸塩、ラウリン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられるがこれらに限定されない。また、脂肪酸金属塩の金属としては、亜鉛、銀、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、セリウム、ジルコニウムなどが挙げられる。前記金属は、好ましくは亜鉛、銀、銅、マンガン及びコバルトである。これらの脂肪酸金属塩は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶液中の脂肪酸金属塩の濃度は、界面活性剤濃度よりも薄くすることが好ましく、0.2〜5mmol/Lがより好ましい。脂肪酸金属塩は、水に不溶なため、疎水環境であるミセル内部に優先的に可溶化される。そのため、前記金属をミセル内部に局在させることができ、細孔内部に金属含有物質のナノ粒子を担持させることができる。
シリカ源は、好ましくはアルコキシシランである。ケイ素原子上の有機官能基は加水分解によって失われるため、合成物の構造に影響を与えない。ただし、有機官能基が嵩高いと加水分解速度が遅くなり、合成時間が長くかかってしまうので、好ましくはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。シリカ源は、より好ましくはテトラエトキシシランである。これらのシリカ源は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。水溶液中のシリカ源の濃度は、好ましくは0.2〜1.8mol/Lであり、より好ましくは0.2〜0.9mol/Lである。シリカ源としてケイ酸ナトリウムを単独もしくは併用して用いる場合、水溶液中200℃以下で20〜2時間加熱還流する操作をする。シリカ源は、加水分解(酸性又は中性で加速)した後、脱水縮合反応(塩基性で加速)によって連なって、シリカの壁をつくる。
本発明の多孔質シリカにおいては、前記粒子は、粒度が1〜100nmである金属含有物質を含む。前記粒度は、前記水溶液中の脂肪酸金属塩の濃度や脂肪酸の炭素鎖をコントロールすることにより調節することができる。
また、本発明の多孔質シリカにおいては、比表面積が500m2/g以上である。比表面積は、好ましくは1000m2/g以上であり、より好ましくは1200m2/g以上である。アンモニア、酢酸、アセトアルデヒドなどの臭気は、シリカ表面のシラノール基によって化学吸着することが知られているが、単位面積あたりのシラノール基数はほぼ一定であるため、単位重量あたりの消臭力を向上させるためには、比表面積を大きくする必要がある。
本発明の多孔質シリカは、前記粒子同士の結合による粒子間隔からなる二次細孔を有することが好ましい。粗大な二次細孔の存在により、内側に存在する一次細孔まで気体が急速に拡散する効果が期待でき、これが消臭容量と消臭速度の増加につながるためである。
本発明の多孔質シリカは、樹脂と混合して使用することができる。本発明の多孔質シリカは、シリカと金属含有物質から形成されているため耐熱性が高い。前記樹脂としては、溶融成形が可能な熱可塑性樹脂であれば従来公知のものをすべて使用でき、例えば低−、中−、又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等のオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタエート等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10等のポリアミド樹脂;ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。前記樹脂としては、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルを用いることが好適である。
本発明の多孔質シリカは、明度L*が80以上であることが好ましい。明度が大きいと本多孔質シリカを樹脂などに混練して用いる場合の着色を少なくすることができ、また顔料を混合することで好みの色に着色が可能になる。なお、本多孔質シリカの明度が小さく、着色が気になる場合は、金属量を減らすことで着色を抑えることができる。
本発明の消臭剤は前記多孔質シリカを含む。前記多孔質シリカと多孔質無機酸化物を混合して用いても構わない。多孔質無機酸化物としては、アルミニウム及び/又はケイ素酸化物であるゼオライトやシリカゲルやアルミナやセピオライトや球状シリカ、パーライト、活性炭(鉱物系活性炭など)などがある。前記ゼオライトは、合成ゼオライトであってもよく、天然ゼオライト(ホージャサイトなど)であってもよい。多孔質無機酸化物は、前記多孔質シリカの耐熱性が350℃以上であり、前記多孔質シリカの優れた耐熱性を損なわないように同温度域の耐熱性を有するものが好ましい。
本発明の消臭剤が優れた性能を示すことについて、以下のように推察している。
本発明の多孔質シリカは、細孔表面のシラノール基と1次細孔内部に担持された金属含有物質が、互いに干渉しない消臭部位となる。前駆体を形成するために脂肪酸金属塩と界面活性剤からなるミセル構造を用いることで、シリカの壁の内側に脂肪酸金属塩が局在する。これを焼成することで1次細孔内部に金属含有物質が導入され易くなる。塩基性、酸性、及びアルデヒド系の臭気成分は多孔質シリカ表面のシラノール基に吸着され、毛管凝縮により吸着した分子(臭気成分)が1次細孔内にトラップされる。さらに、アルデヒド系臭気成分は内部に存在する金属含有物質により酸化分解反応している。このような消臭機構によって、本発明は、後述する多孔質シリカに金属溶液をしみこませる方法(比較例2)や水に可溶な金属塩を用いて得られた前駆体を焼成する方法(比較例3)によって得られた消臭剤と比しても、混合臭気の消臭性(表2及び3)、又は繰り返し消臭性(表4)に優れている。
本発明の多孔質シリカの製造方法は、水溶液に、脂肪酸金属塩、界面活性剤、及びシリカ源を添加して脂肪酸金属塩と界面活性剤とが混合したミセル構造表面に前記シリカ源を集積させる工程を含む。例えば、室温以上100℃以下で前記脂肪酸金属塩と前記界面活性剤を1時間以上24時間以下で攪拌混合した後、前記シリカ源を添加することで、前記脂肪酸金属塩と前記界面活性剤との混合ミセルと前記シリカ源が分散する。更に30分以上室温で攪拌することで前記混合ミセル表面に前記シリカ源が集積した状態の分散液が得られる。水溶液は、水以外にエタノール、トルエンなどの有機溶媒を含んでいてもよい。
本発明の多孔質シリカの製造方法は、さらに、塩基性水溶液を分散液に添加して前駆体を成形する工程を含む。前記前駆体においては、シリカの壁が形成されており、前記シリカの壁の内側に前記脂肪酸金属塩が局在している。
塩基性水溶液としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどの水溶液が挙げられる。塩基性水溶液は、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。これらの塩基性水溶液は、単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基性水溶液は、好ましく分散液のpHが8〜14となるように、より好ましくは9〜11となるように添加する。塩基は、シリカ源の脱水縮合反応を加速させる。シリカ源が十分に加水分解した状態で、急激に溶液を塩基性にすることで、脱水縮合反応が一気に引き起される。これにより縮合部分の表面張力が上昇してシリカの壁が球状となり、さらに球体が幾重にも接合した形態となって、スピノーダル分解(相分離)が引き起こされる。化学架橋によってこれらの構造が凍結されて二次細孔が形成される。
本発明の多孔質シリカの製造方法は、さらに、前記前駆体を濾過して乾燥する工程を含む。前駆体の濾過は、例えば吸引ろ過で行い、ろ液のpHが7となるまで繰り返し行う。前駆体の乾燥は、例えば乾燥機、もしくは真空乾燥機で行い、十分に乾燥する。
本発明の多孔質シリカの製造方法は、さらに、前記前駆体を焼成して前記ミセル構造中の前記脂肪酸及び前記界面活性剤を除去する工程を含む。前駆体の焼成は、界面活性剤の分解温度以上で行い、好ましくは500〜600℃である。
脂肪酸金属は界面活性剤のミセル内部に内包された状態で担持されると考えられるため、焼成によって界面活性剤を消失させると、金属含有物質はシリカ多孔質体の細孔表面に優先的に分布すると考えられる。これにより、導入した金属含有物質が効果的に作用することが期待でき、消臭剤用途のみならず、触媒、分離剤、吸着剤などの他の工業用途にも利用できる。また、金属含有物質が細孔に内包されることで、金属含有物質本来の色がシリカの白色で覆われることとなり、一般的に有色金属を導入した場合に引き起こされる明度の低下が抑制でき、消臭剤の外観に優れる。
本発明の多孔質シリカは球状ではないため、樹脂に混練した際に細孔表面が均一に樹脂に覆われにくい。これは、不均一な粒子間隙の存在によって、迷路効果で樹脂が内部まで浸透しにくいためである。そのため、本発明の多孔質シリカを混練した樹脂成形体では、消臭剤への臭気の拡散速度が維持されやすく、樹脂混練後も消臭剤としての効果が維持されると期待できる。
(試験方法)
(比表面積)
マイクロメリティックス社製フローソーブII2300形を使用し、1点法で液体窒素温度にて測定した。
(色)
スガ試験機株式会社製SMカラーコンピューター(SM−4)を用いて明度L*値を測定した。
(金属含有量)
試料50mgを精確に量りとり、5mlの塩酸または硝酸で溶解した後に、水溶液中の金属濃度をThermo Scientific社製のICP−OESにて測定した。
(各種臭気消臭試験)
各種臭気を500ml用意した。初期濃度はアンモニア100ppm、ピリジン12ppm、トリメチルアミン28ppm、酢酸30ppm、イソ吉草酸38ppm、メチルメルカプタン8ppm、硫化水素4ppm、アセトアルデヒド14ppmとした。ここにサンプル50mgを入れて30分間攪拌した後、ガステック製ガス検知管を用いて各種ガスの濃度を測定し、初期濃度との比較から消臭率を算出した。
(高濃度アセトアルデヒド消臭試験)
初期濃度625ppmのアセトアルデヒドを500mlの三角フラスコに調製した。ここにサンプル100mgを加えて攪拌した後、ガステック製ガス検知管を用いて24時間後のアセトアルデヒド濃度を測定し、初期濃度との比較から消臭率を算出した。
(アセトアルデヒドの繰り返し消臭試験)
500mlの三角フラスコにサンプルを100mg入れたものを用意した。フラスコ内のアセトアルデヒド濃度が700ppmとなるように調製した(操作1)。ガステック製ガス検知管を用いて24時間後の残存アセトアルデヒド濃度を測定し(操作2)、これを1時間換気した(操作3)。操作1〜3を5回繰り返した。
(TEM)
Quetol 812(エポキシ樹脂)に包埋したのち、ウルトラミクロトームで超薄切し、カーボン真空蒸着をして、JOEL社製のJEM2010を用いて200kVで測定した。
(粒度分布測定)
測定にはMalvern Instruments Ltd製のゼータサイザーナノZSを用いた。分散媒(水)のRIは1.330、試料のRIは1.59、粘度は0.8872、試料の吸収率は0.010、温度は25℃に設定し、ポリスチレン製のディスポーザブルセルを用いて測定した。溶液の組成は、(A)ヘキサデシルアンモニウムクロリド:水:水酸化ナトリウム=0.225:125:0.225、(B)ヘキサデシルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:水:水酸化ナトリウム=0.225:0.0106:125:0.225、(C)テトラエトキシシラン:ヘキサデシルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0106:125:0.225とした。
(実施例1)
300mlビーカーに、水、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド及びステアリン酸亜鉛を加えて、100℃で1時間攪拌してステアリン酸亜鉛が均一に分散した水溶液を調製した。室温まで冷却した後、テトラエトキシシランを添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、合成物中のZn量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸亜鉛:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0094:125:0.196とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、80℃で真空乾燥した後、570℃で5時間加熱して有機成分を除去した。合成物の評価結果を表1に示す。また、各種臭気消臭試験の結果を表2に示す。
(実施例2)
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドの代わりにヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを用い、ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸マンガンを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で合成物を得た。混合溶液のモル比は、合成物中のMn量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸マンガン:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0111:125:0.225とした。合成物の評価結果を表1に示す。また、メチルメルカプタン消臭性能を表2に示す。また、断面のTEM画像を図1に示す。1〜20nmの均一な一次細孔(白い点)をもつ粒子が集合した構造となっている。また、粒子間隙からなる二次細孔(エポキシ樹脂が白くみえる(たとえば○で囲った箇所))をもっており、1〜100nmの金属含有物質の粒子(黒い箇所)が内包されている。なお、得られた合成物の表面は、断面のTEM画像でみられるような1〜100nmの金属含有物質の粒子は観測されなかった。
(実施例3)
ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸銀を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で合成物を得た。混合溶液のモル比は、合成物中のAg量が1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸銀:水:水酸化ナトリウム=1:0.209:0.0057:125:0.225とした。合成物の評価結果を表1に示す。また、メチルメルカプタン消臭性能を表2に示す。
(実施例4)
ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドの代わりにヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリドを用い、ステアリン酸亜鉛の代わりにステアリン酸コバルトを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で合成物を得た。混合溶液のモル比は、合成物中のCoが1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸コバルト:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:0.0106:125:0.225とした。合成物の評価結果を表1に示す。また、高濃度アセトアルデヒドの消臭性能を表3に示し、アセトアルデヒドの繰り返し消臭性能を表4に示す。また、断面のTEM画像を図2に示す。図2でも図1と同様の構造が確認できる。また、合成の各段階での粒度分布の測定結果を図3に示す。横軸はミセルの粒径であり、縦軸は散乱強度である。すなわち、図3はおよその存在確率を示している。界面活性剤だけの場合(A)に比べて、脂肪酸金属塩(B)、さらにアルコキシシラン(C)を加えていくと粒径が次第に大きくなることが確かめられた。これより、脂肪酸金属を可溶化したミセルの形成とシリカ源の集積が確認できた。
(実施例5)
ステアリン酸コバルトの代わりにオクタン酸コバルトを使用したこと以外は実施例4と同じ方法で合成物を得た。合成物の評価結果を表1に示す。また、高濃度アセトアルデヒドの消臭性能を表3に示す。
(実施例6)
200mlビーカーに、水、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及びステアリン酸銅を加えて、100℃で2時間攪拌してステアリン酸銅が均一に分散した水溶液を調製した。ケイ酸ナトリウムを20分かけて添加したのち、200℃で30分加熱還流した。室温まで冷却した後、テトラエトキシシランを添加して、均一になるまで攪拌した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液を加え、攪拌子を1000rpmで回転させて20時間攪拌した。混合溶液のモル比は、合成物中のCu量が0.1wt%となるように、テトラエトキシシラン:ケイ酸ナトリウム:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド:ステアリン酸銅:水:水酸化ナトリウム=1:0.011:0.225:0.0009:125:0.196とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、80℃で真空乾燥した後、570℃で5時間加熱して有機成分を除去した。合成物の評価結果を表1に示す。また、各種臭気消臭試験の結果を表2に示す。
(比較例1)
ステアリン酸亜鉛を加えないこと以外は実施例1と同じ方法で合成した。混合溶液のモル比は、テトラエトキシシラン:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド:水:水酸化ナトリウム=1:0.225:125:0.215とした。合成物の評価結果を表1に示す。また、各種臭気消臭試験の結果を表2に示す。
(比較例2)
100mlビーカーに83mmol/Lの硝酸コバルト水溶液5mlを調製し、市販のメソポーラスシリカ0.9g(Aldrich製MSU−F)を加え、100℃で真空乾燥後、350℃で6時間焼成した。合成物の評価結果を表1に示す。また、アセトアルデヒドの消臭性能を表3に示す。
(比較例3)
特許第4614196号に基づいて合成した。200mlビーカーに、テトラエトキシシラン加えて攪拌子を600rpmで回転させて攪拌し、エタノールに溶解した塩化コバルトを添加した。次いで、オクチルアミンを加えて10分間攪拌した後、塩酸水溶液を加え、さらにそのまま1時間攪拌した。混合溶液のモル比はテトラエトキシシラン:オクチルアミン:エタノール:塩化コバルト:塩酸:水=1:0.34:1.18:0.0105:0.034:38とした。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、100℃で真空乾燥後、600℃で1時間加熱して有機成分を除去した。合成物の評価結果を表1に示す。また、アセトアルデヒドの繰り返し消臭性能を表4に示す。
(比較例4)
市販の粉末消臭剤(ラサ工業製KD411G)を評価した。評価結果を表1に示す。また、アセトアルデヒドの繰り返し消臭性能を表4に示す。
表1
表2
表3
表4

Claims (6)

  1. 1次細孔が形成された粒子を含む多孔質シリカであって、前記1次細孔が形成された粒子が、粒度が1〜100nmである金属含有物質を含み、比表面積が500m2/g以上であり、前記金属含有物質が1次細孔内表面に局在して分布し、前記金属含有物質の粒子が内包されており、金属含有量が0.08wt%以上であり、前記金属が、亜鉛、銅、マンガン、及びコバルトからなる群より選ばれる1種以上である、多孔質シリカ。
  2. 前記1次細孔が形成された粒子同士の結合による粒子間隔からなる二次細孔を有する、請求項1に記載の多孔質シリカ。
  3. 明度L*が80以上である、請求項1又は2に記載の多孔質シリカ。
  4. 前記1次細孔の細孔径が1から20nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質シリカ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質シリカを含む消臭剤。
  6. 水溶液に、脂肪酸金属塩、界面活性剤、及びシリカ源を添加して脂肪酸金属塩と界面活性剤とが混合したミセル構造表面に前記シリカ源を集積させ、
    塩基性水溶液を分散液に添加して前駆体を成形し、前記前駆体においては、シリカの壁が形成されており、前記シリカの壁の内側に前記脂肪酸金属塩が局在し、
    前記前駆体を濾過して乾燥し、
    前記前駆体を焼成して前記ミセル構造中の前記界面活性剤を除去し、焼成の熱により生成された前記脂肪酸金属塩由来の金属含有物質を含む多孔質シリカの製造方法。
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