JP6774505B2 - パターンの製造方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子の製造方法および画像表示装置の製造方法 - Google Patents

パターンの製造方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子の製造方法および画像表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パターンの製造方法に関する。より詳しくは、ネガ型感光性組成物を用いたフォトリソグラフィ法でのパターンの製造方法に関する。また、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子の製造方法および画像表示装置の製造方法に関する。
フォトリソグラフィ法を用いたパターンの製造方法においては、支持体上に感光性組成物を適用して感光性組成物層を形成する工程と、感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光する工程と、露光後の感光性組成物層を現像する工程とを含んでいる。
フォトリソグラフィ法を用いたパターンの製造方法においては、感光性組成物として、ポジ型感光性組成物を用いるか、または、ネガ型感光性組成物を用いるかによってパターン形成の方式が異なる。すなわち、ポジ型感光性組成物は、露光エネルギーが閾値を超えると現像液に対する溶解性が急激に増加するものである。このため、感光性組成物としてポジ型感光性組成物を用いた場合においては、感光性組成物層に対してマスクを介して露光して、露光部における感光性組成物層の現像液に対する溶解性を高めたのち、露光部の感光性組成物層を現像液を用いて除去してパターンを形成している(例えば、特許文献1〜4参照)。
一方、ネガ型感光性組成物は露光エネルギーに応じて反応が徐々に進行し、現像液に対する溶解性が低下する。このため、感光性組成物としてネガ型感光性組成物を用いた場合においては、感光性組成物層に対してマスクを介して露光して、露光部における感光性組成物層の現像液に対する溶解性を低下させたのち、未露光部の感光性組成物層を現像液を用いて除去してパターンを形成している(例えば、特許文献5参照)。
特開2012−003152号公報 特開2014−206729号公報 特開2010−237426号公報 特開2002−313696号公報 特開2015−52753号公報
ネガ型感光性組成物を用いてパターンを製造する場合、ネガ型感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光するが、この時マスクで覆われた部分においても、マスクを透過した微量の光によって反応が進行することがあった。このため、露光エネルギーを最適露光エネルギーよりも高めて露光を行うと、マスクで覆われた部分においても反応が進行して現像液に対する溶解性が低下し、得られるパターンの線幅が所望の値よりも太くなったり、パターン間に残渣が生じることがあった。ここで、最適露光エネルギーとは、マスクの設計寸法どおりのパターンを形成できる露光エネルギーの条件のことである。
よって、本発明の目的は、プロセスウインドウ、特に露光エネルギーの許容範囲(マージン)や焦点深度の許容範囲(マージン)が広いパターンの製造方法、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子の製造方法および画像表示装置の製造方法を提供することにある。
ネガ型感光性組成物を用いたパターン形成におけるプロセスウインドウを改善する試みは、従来は、組成物の処方の検討や、現像条件の検討について主に行われていたが、マスクの光学濃度に関する検討はこれまで行われていなかった。本発明者は種々検討の結果、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上のマスクを用いて露光を行うことで上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を提供する。
<1> 支持体上にネガ型感光性組成物を適用してネガ型感光性組成物層を形成する工程と、
ネガ型感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光する工程と、
未露光部のネガ型感光性組成物層を除去して現像する工程と、
を含むパターンの製造方法であって、
マスクは、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上である、パターンの製造方法。
<2> マスクは、波長365nmの光に対する光学濃度が3.6以上である、<1>に記載のパターンの製造方法。
<3> マスクは、クロムおよびクロム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>または<2>に記載のパターンの製造方法。
<4> ネガ型感光性組成物は、光重合開始剤およびラジカル重合性化合物を含む、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<5> ネガ型感光性組成物は、着色剤を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<6> ネガ型感光性組成物は、透明粒子を含む、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<7> ネガ型感光性組成物は、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<8> 露光において、露光照度が5000〜50000W/mである、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<9> 露光において、酸素濃度が21%以上である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<10> 現像において、ネガ型感光性組成物層に対して現像液をスプレー塗布する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法。
<11> <1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法を含むカラーフィルタの製造方法。
<12> 複数色の画素を有するカラーフィルタの製造方法であって、複数色の画素のうち少なくとも1色の画素を<1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法を用いて形成する、カラーフィルタの製造方法。
<13> <1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法を含む固体撮像素子の製造方法。
<14> <1>〜<10>のいずれか1つに記載のパターンの製造方法を含む画像表示装置の製造方法。
本発明によれば、露光エネルギーの許容範囲(マージン)や、焦点深度の許容範囲(マージン)などのプロセスウインドウの広いパターンの製造方法を提供することが可能になった。また、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子の製造方法および画像表示装置の製造方法を提供することが可能になった。
露光装置の一実施形態を模式的に示す説明図である。 試験例5におけるアンダーカット幅を示す説明図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基を包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光を意味するのみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含まれる。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の合計量をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アリル」は、アリルおよびメタリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程を意味するだけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。
<パターンの製造方法>
本発明のパターンの製造方法は、
支持体上にネガ型感光性組成物を適用してネガ型感光性組成物層を形成する工程(以下、ネガ型感光性組成物層形成工程ともいう)と、
ネガ型感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光する工程(以下、露光工程ともいう)と、
未露光部のネガ型感光性組成物層を除去して現像する工程(以下、現像工程ともいう)と、
を含むパターンの製造方法であって、
マスクは、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上であることを特徴とする。
本発明によれば、露光工程において、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上のマスクを用いるので、ネガ型感光性組成物層におけるマスクで覆われた部分(未露光部)における遮光性が高く、露光エネルギーを高めて露光を行っても未露光部における硬化を効果的に抑制できる。すなわち、ネガ型感光性組成物層におけるマスクで覆われた部分(未露光部)と、マスクから露出した部分(露光部)における光コントラストを向上させることができる。このため、本発明によれば、露光エネルギーの許容範囲(マージン)を広げることができる。また、未露光部の硬化を効果的に抑制できるため、パターン間における残渣の発生を効果的に抑制することもできる。更には、露光時において、焦点がずれた場合であってもパターンの線幅の太りなどを抑制でき、焦点深度(DOF)の許容範囲(マージン)を広げることもできる。これは、マスクの遮光部からの光の透過量が極めて少ないので、フォーカスがずれた時の光が結像に悪影響を与えないためであると推測される。また、上記のマスクを用いることにより、マスク周縁部における未露光部のネガ型感光性組成物層の硬化も効果的に抑制でき、矩形性に優れたパターンが得られやすい。
本発明において用いるマスクは、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上であり、3.7以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、5以上であることが更に好ましい。上限は、特に限定はなく、8.0以下であることが好ましく、7.5以下であることがより好ましく、7以下であることが更に好ましい。例えば、マスクの光学濃度が7以下であればブランクス加工時のプロセス負荷軽減(マスク作製しやすい)という効果が期待できる。
なお、光学濃度(OD:Optical Density)とは、吸収度合を対数で表示した値であって、以下の式で定義される値である。
OD(λ)=Log10[T(λ)/I(λ)]
λは、波長を表し、T(λ)は、波長λにおける透過光量を表し、I(λ)は波長λにおける入射光量を表し、OD(λ)は、波長λにおける光学濃度を表す。
本発明において、マスクの光学濃度の値は、波長365nmの光における値であることが好ましい。つまり、マスクは、波長365nmの光に対する光学濃度が3.6以上であることが好ましい。
本発明において用いられるマスクの材質としては、特に限定は無い。例えば、クロム、クロム化合物、タンタル、タンタル化合物(TaN、TaO等)などが挙げられ、クロムおよび/またはクロム化合物が好ましい。クロム化合物としては、酸化クロム、窒化クロム、クロムを含む合金が挙げられ、酸化クロムが好ましい。
マスクの一例として、クロム膜と酸化クロム膜との積層膜が挙げられる。例えば、この積層膜においては、クロム膜の膜厚を調整することで、光学濃度を調整することができる。例えば、クロム膜の膜厚を厚くすることで光学濃度を高めることができ、クロム膜の膜厚を薄くすることで光学濃度を低下させることができる。
マスクの製造方法としては特に限定は無く、従来公知の方法を用いることができる。例えば、スパッタリング法、蒸着法(真空蒸着、化学気相蒸着、物理蒸着など)、めっき等の方法で支持体上にマスク材料の層を形成し、この層に対してエッチングを行ってパターンを形成して製造することができる。
本発明のパターンの製造方法において用いるネガ型感光性組成物は、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物であることが好ましい。すなわち、本発明のパターンの製造方法によって製造されるパターンは、カラーフィルタの画素であることが好ましい。ここで、未露光部と露光部の光コントラストを向上させる方法として、輪帯照明など投影レンズの技術を用いて露光を行う方法や、ハーフトーンのフォトマスクを用いる方法が知られている。しかし、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物においては、これらの技術を適用した場合、光の透過部が重合に寄与し、逆にプロセスウインドウを狭めるため、逆効果である。カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物は、着色剤や、透明粒子などを含んでいる場合もあるため、露光時の照明条件によるコントラスト向上には限界がある。なぜなら、着色剤などの成分によって、照射された光が膜中で散乱するためであると考えられる。本発明においては、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物を用いた場合であっても、露光エネルギーの許容範囲(マージン)などを広げることができる。また、カラーフィルタの画素はパターン寸法に関し、精密であることが求められている。本発明においては、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物を用いた場合であっても、露光エネルギーの許容範囲(マージン)を広げることができるので、露光時における露光エネルギーの大きさにばらつきが生じても、設計通りのパターンを形成することができる。このため、本発明のパターンの製造方法は、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物を用いてカラーフィルタの画素を形成する際において特に効果的である。
以下、本発明のパターンの製造方法の各工程について詳細に説明する。
ネガ型感光性組成物層形成工程では、支持体上にネガ型感光性組成物を適用してネガ型感光性組成物層を形成する。ネガ型感光性組成物を適用する支持体としては、特に限定は無く、用途に応じて適宜選択できる。例えば、ガラス基板、シリコン基板などが挙げられる。また基板(例えば、シリコン基板)上に、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることもできる。パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成してもよく、撮像素子非形成面側(裏面)に形成してもよい。固体撮像素子用基板における各撮像素子間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。また、支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。また、支持体には隔壁が設けられていてもよい。隔壁としては、ネガ型感光性組成物から得られるパターンよりも屈折率の小さい材料で形成されていることが好ましい。隔壁によってパターンから、隣のパターンへの光の漏れ出しを抑制することができる。隔壁の材質の具体例としては、種々の無機材料や有機材料を用いることができる。例えば、有機材料としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、有機SOG(Spin On Glass)系樹脂、シロキサン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。無機材料としては、多孔質シリカ、多結晶シリコン、コロイダルシリカ粒子、酸化シリコン、窒化シリコン、タングステンやアルミニウムなどの金属材料などが挙げられる。
支持体上へのネガ型感光性組成物の適用方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の方法を用いることができる。ネガ型感光性組成物層の膜厚としては、0.1〜10μmが好ましく、0.2〜5μmがより好ましく、0.2〜3μmがさらに好ましい。
支持体上に形成したネガ型感光性組成物層は、乾燥(プリベーク)してもよい。低温プロセスによりパターンを形成する場合は、プリベークを行わなくてもよい。プリベークを行う場合、プリベーク温度は、120℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、105℃以下が更に好ましい。下限は、例えば、50℃以上とすることができ、80℃以上とすることもできる。プリベーク時間は、10秒〜300秒が好ましく、40〜250秒がより好ましく、80〜220秒がさらに好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等で行うことができる。
露光工程では、ネガ型感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光する。本発明においては、露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上のマスクを用いる。例えば、ネガ型感光性組成物層に対し、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のパターンを有するマスクを介して露光することで、パターン状に露光することができる。これにより、露光部を硬化することができる。また、ネガ型感光性組成物層におけるマスクで覆われた部分(未露光部)においては、ネガ型感光性組成物層の硬化を効果的に抑制できる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光エネルギー)は、例えば、0.03〜2.5J/cmが好ましく、0.05〜1.0J/cmがより好ましい。
露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下(酸素濃度20体積%)で行う他に、大気よりも酸素濃度が低い雰囲気下で行ってもよく、大気よりも酸素濃度が高い雰囲気下で行ってもよい。露光時における酸素濃度としては、15体積%以上であることが好ましく、21体積%以上であることがより好ましい。上限は、50体積%以下であることが好ましい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、1000〜100000W/mが好ましく、5000〜50000W/mがより好ましい。露光照度が上記範囲であれば、良好なパターンの解像度が得られやすい。
また、露光工程において、露光は、連続して複数回に分割して行ってもよい。露光を分割することで分割された1回の露光当り(例えば、第1露光、第2露光、第3露光のそれぞれ)の露光量が減少する。光重合開始剤とラジカル重合性化合物とを含むネガ型感光性組成物を用いた場合を例に挙げて説明すると、露光を分割することで分割された露光当りの露光量が減少するため、ネガ型感光性組成物層中のラジカルなどの横方向への拡散を抑制することができると考えられる。また、同一座標で時間間隔を置いて更に追加露光(第2露光、第3露光等)することにより、露光エリアのネガ型感光性組成物層中の中心近傍のラジカルが露光余熱により保持された状態もしくは酸素による失活が進行しない状態で更に露光される(ラジカル発生を促進する)。そのため、支持体方向へのラジカル拡散が促進され、支持体への密着性が向上すると考えられる。また、露光エリア周辺近傍では第1露光で発生したラジカルは、ネガ型感光性組成物層中及びその層表面の酸素により失活しており、横方向の拡散が抑制されるものと考えられる。第2の露光においても同様の現象が発生するものと考えられる。このため、パターンの線幅の太り(露光量が多いときの線幅の太りや、焦点がずれたときの線幅の太りなど)などをより効果的に抑制することができる。
図1は、本発明において用いられる露光装置の一実施形態を模式的に示す説明図である。図1に示したように、この露光装置においては、特定の光源(図示せず)から発せられた光がコンデンサーレンズ1及びレチクル5を介して、プロジェクションレンズ(投影レンズ)2に入射する。図示しないが、コンデンサーレンズ1の前または後に、所定のパターンを付したマスクが設置され、所定のパターンとされた光がプロジェクションレンズ2に到達するようにされていてもよい。ここで、コンデンサーレンズ側の開口数がNAとされ、プロジェクションレンズ側の開口数がNAとされている。プロジェクションレンズ(投影レンズ)2を透過した光は、ワーク4へと照射される。なお、プロジェクションレンズの出射側の開口数をNAとする。なお、単にNAと表記するときには、このNAを意味する。
開口数NAは0.5以上であることが好ましく、0.55以上であることがより好ましく、0.6以上であることが特に好ましい。上限は特になく、一括露光方法でのステッパーではNA:0.65以下であることが実際的である。一般的に解像力は、k×λ/NA(k:光学常数、λ:波長)という関係に立つと解される。したがって、NAが大きくなるに従い限界解像力が向上する。一方で、焦点深度(DOF)は、DOF=k・λ/NAという関係になる。NAが大きくなるほどDOFは小さくなる。kは露光装置の照明条件により変動する値であり、固定的なものではない。
開口数NAとNAとの比率(NA/NA)であるコヒーレンスファクターσは、0.9以下であることが好ましく、0.6以下であることがより好ましく、0.5以下であることが特に好ましい。下限は特になく、0.38以上であることが実際的である。コヒーレントファクタ(σ)が小さいと、結像する像のコントラストが向上する。このコントラスト向上はDOFの向上に寄与すると考えられる。
なお、本説明では、一括露光機の説明をおこなったが、レチクルとステージが同期してスキャン露光する、スキャニングステッパーや、マスクパターンと1:1で像転写する露光機(プロキシミテイー露光、一括投影露光装置)などにも適用することができる。
現像工程では、未露光部のネガ型感光性組成物層を除去して現像する。未露光部のネガ型感光性組成物層の除去は、現像液を用いて行うことができる。現像液としては、下地の固体撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。また、残渣除去性を向上させるため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像液としては、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ性水溶液のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液には、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。界面活性剤の例としては、後述のネガ型感光性組成物の欄で説明する界面活性剤が挙げられ、ノニオン系界面活性剤が好ましい。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後、純水で洗浄(リンス)することが好ましい。また、現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されず、例えば1.5〜100倍の範囲に設定することができる。
現像方法としては、公知の方法を利用できる。例えば、浸漬現像、パドル現像、シャワー現像、スプレー現像、超音波現像、ディップ現像等が挙げられる。なかでも、重合が弱い部分を除去する効果が高く、パターン間の残渣を抑制したり、矩形性の良いパターンが得られやすいという理由からスプレー現像が好ましい。また、スプレー現像は、露光エネルギーのマージンや、焦点深度のマージンなどのプロセスウインドウをより広げることもできる。ここで、スプレー現像とは、N、空気などの気体などにより圧力を加えた現像液をノズルから吐出して、ターゲット上に現像液をスプレー塗布して現像を行う方法である。スプレー現像では、ノズルから吐出されたスプレー状の現像液がターゲット上に液盛りされるとともに、スプレー圧によってターゲットが現像される。
スプレー現像における現像液の流量、現像液と気体との流量比、スプレー圧などは適宜調整できる。例えば、現像液の流量としては、100〜500mL/minであることが好ましく、150〜400mL/minであることがより好ましく、200〜350mL/minであることが更に好ましい。また、現像液と気体との流量比としては、例えば、現像液:気体=1:1.5〜1:10であることが好ましく、1:2〜1:5であることがより好ましく、1:2.5〜1:4であることが更に好ましい。また、スプレー圧としては、3〜15Mpaが好ましく、5〜12Mpaがより好ましく、7〜9Mpaが更に好ましい。
現像後、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うこともできる。ポストベークは、膜(画素)の硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理である。ポストベークを行う場合、ポストベーク温度は、240℃以下が好ましく、230℃以下がより好ましく、220℃以下が更に好ましく、200℃以下がより一層好ましく、190℃以下が特に好ましい。下限は特になく、効率的かつ効果的な処理を考慮すると、50℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。ポストベーク後の膜のヤング率は0.5〜20GPaが好ましく、2.5〜15GPaがより好ましい。ポストベークは、現像後の膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
ポストベークは、低酸素濃度の雰囲気下で行ってもよい。例えば、酸素濃度としては、19体積%以下であることが好ましく、15体積%以下であることがより好ましく、10体積%以下であることが更に好ましく、7体積%以下であることがより一層好ましく、3体積%以下であることが特に好ましい。下限は特になく、例えば10体積ppm以上とすることができる。
本発明においては、現像後、乾燥を施した後に露光(後露光ともいう)を行い、膜を硬化してもよい。この場合、最初の露光工程では、波長350nmを超え380nm以下の光(好ましくは、波長355〜370nmの光、特に好ましくはi線)で露光を行い、後露光は、波長254〜350nmの光(好ましくは波長254nmの光)で露光することが好ましい。後露光における露光量(露光エネルギー)としては、30〜4000mJ/cmが好ましく、50〜3500mJ/cmがより好ましい。露光光源としては、例えばオゾンレス水銀ランプが好ましい。また、後露光を行った後、更に、ポストベークを行ってもよい。
<ネガ型感光性組成物>
次に、本発明のパターンの製造方法において用いられるネガ型感光性組成物について説明する。本発明のパターンの製造方法において用いられるネガ型感光性組成物は、特に限定はなく、公知のネガ型感光性組成物を用いることができる。また、光により重合し像形成するフォトレジスト、ポリイミド樹脂組成物、ソルダーレジストなどにも適用することができる。ポリイミド樹脂を含むネガ型感光性組成物の具体例としては、特開2014−201695号公報に記載の組成物などが挙げられる。本発明のパターンの製造方法において用いられるネガ型感光性組成物は、ラジカル重合性化合物と光重合開始剤とを含む組成物であることが好ましい。以下、ネガ型感光性組成物に用いられる各成分について説明する。
<<ラジカル重合性化合物>>
本発明におけるネガ型感光性組成物は、ラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。ラジカル重合性化合物としては、モノマー、プレポリマー、オリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよいが、モノマーが好ましい。ラジカル重合性化合物の分子量は、100〜3000が好ましい。上限は、2000以下がより好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上がより好ましく、250以上が更に好ましい。
ラジカル重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜0108、特開2013−29760号公報の段落0227、特開2008−292970号公報の段落番号0254〜0257に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
ラジカル重合性化合物は、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬(株)製、NKエステルA−DPH−12E;新中村化学工業(株)製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコール残基を介して結合している構造(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。また、ラジカル重合性化合物として、KAYARAD RP−1040、DPCA−20(日本化薬(株)製)を使用することもできる。
また、ラジカル重合性化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシ変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることも好ましい。3官能の(メタ)アクリレート化合物の市販品としては、アロニックスM−309、M−310、M−321、M−350、M−360、M−313、M−315、M−306、M−305、M−303、M−452、M−450(東亞合成(株)製)、NKエステル A9300、A−GLY−9E、A−GLY−20E、A−TMM−3、A−TMM−3L、A−TMM−3LM−N、A−TMPT、TMPT(新中村化学工業(株)製)、KAYARAD GPO−303、TMPTA、THE−330、TPA−330、PET−30(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、酸基を有する化合物を用いることもできる。このようなラジカル重合性化合物を用いることで、現像時に未露光部のラジカル重合性化合物が除去されやすく、現像残渣の発生をより効果的に抑制できる。酸基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられ、カルボキシル基が好ましい。酸基を有するラジカル重合性化合物の市販品としては、アロニックスM−510、M−520、TO−2349(以上、東亞合成(株)製)等が挙げられる。
酸基を有するラジカル重合性化合物の好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、より好ましくは5〜30mgKOH/gである。ラジカル重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であれば、現像液に対する溶解性が良好であり、40mgKOH/g以下であれば、製造や取扱い上、有利である。
ラジカル重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有するラジカル重合性化合物は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、アルキレンオキシ基を有するラジカル重合性化合物を用いることもできる。アルキレンオキシ基を有するラジカル重合性化合物は、エチレンオキシ基および/またはプロピレンオキシ基を有するラジカル重合性化合物であることが好ましく、エチレンオキシ基を有するラジカル重合性化合物であることがより好ましく、エチレンオキシ基を4〜20個有する3〜6官能(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。アルキレンオキシ基を有するラジカル重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ基を4個有する4官能(メタ)アクリレートであるSR−494、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能(メタ)アクリレートであるKAYARAD TPA−330などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載されたエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載された分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物を用いることも好ましい。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学(株))製などが挙げられる。
ラジカル重合性化合物の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対し、0.1〜50質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、5質量%以上が特に好ましい。上限は、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。ラジカル重合性化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計が上記範囲となることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明におけるネガ型感光性組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、ラジカル重合性化合物の重合を開始させる能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する化合物であってもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン化合物などが挙げられる。光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物、および、3−アリール置換クマリン化合物が好ましく、オキシム化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましい。光重合開始剤としては、特開2014−130173号公報の段落0065〜0111の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379(商品名:いずれもBASF社製)などが挙げられる。α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、IRGACURE−TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
オキシム化合物としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2016−21012号公報に記載の化合物を用いることができる。オキシム化合物の具体例としては、例えば、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、および2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232に記載の化合物、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等を用いることもできる。市販品ではIRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−309、TRONLY TR−PBG−305(常州強力電子新材料有限公司(CHANGZHOU TRONLY NEW ELECTRONIC MATERIALS CO.,LTD)製)、アデカアークルズNCI−930、アデカオプトマーN−1919(特開2012−14052号公報の光重合開始剤2)(以上、(株)ADEKA製)を用いることができる。
また上記以外のオキシム化合物として、カルバゾール環のN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号に記載の化合物、国際公開2009/131189号公報に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許第7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有し、g線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報に記載の化合物などを用いてもよい。好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0274〜0306を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明は、光重合開始剤としてフルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。本発明は、光重合開始剤として、ベンゾフラン骨格を有するオキシム化合物を用いることもできる。具体例としては、国際公開2015/036910号公報に記載の化合物OE−01〜OE−75が挙げられる。本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。本発明は、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012、0070〜0079に記載の化合物、特許第4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載の化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)などが挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。

オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、360nm〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物がより好ましい。また、オキシム化合物は、365nmおよび405nmの吸光度が高い化合物が好ましい。
オキシム化合物の365nmまたは405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
光重合開始剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。光重合開始剤の含有量が上記範囲であれば、良好な感度と良好なパターン形成性が得られる。ネガ型感光性組成物は、光重合開始剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。光重合開始剤を2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<着色剤>>
本発明におけるネガ型感光性組成物は、着色剤を含むことができる。着色剤を含むネガ型感光性組成物は、カラーフィルタの着色画素などの形成に好ましく用いることができる。
着色剤は、染料および顔料のいずれでもよく、両者を併用してもよい。顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を挙げることができる。顔料の平均粒子径は、0.01〜0.1μmが好ましく、0.01〜0.05μmがより好ましい。着色剤としては、顔料が好ましく、有機顔料がより好ましい。
無機顔料としては、カーボンブラックおよびチタンブラック等の黒色顔料;鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属の酸化物、金属錯塩等が挙げられる。
有機顔料として、以下を挙げることができる。
カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214(以上、黄色顔料);
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73(以上、オレンジ色顔料);
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279(以上、赤色顔料);
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37,58,59(以上、緑色顔料);
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42,58,59(以上、紫色顔料);
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80(以上、青色顔料)。
また、緑色顔料として、分子中のハロゲン原子数が平均10〜14個であり、臭素原子数が平均8〜12個であり、塩素原子数が平均2〜5個であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を用いることも可能である。具体例としては、国際公開2015/118720号公報に記載の化合物が挙げられる。
また、青色顔料として、リン原子を有するアルミニウムフタロシアニン化合物を用いることもできる。具体例としては、特開2012−247591号公報の段落番号0022〜0030、特開2011−157478号公報の段落番号0047に記載の化合物などが挙げられる。
これら有機顔料は、単独で用いてもよく、種々組合せて用いてもよい。
染料としては、例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、米国特許第4808501号明細書、米国特許第5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている染料が挙げられる。化学構造として区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリアリールメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等が挙げられる。
また、着色剤として色素多量体を用いてもよい。色素多量体は、溶剤に溶解して用いられる染料であることが好ましいが、粒子を形成していてもよい。色素多量体が粒子である場合は、色素多量体を溶剤などに分散して用いられる。粒子状態の色素多量体は、例えば乳化重合によって得ることができる。粒子状態の色素多量体としては、例えば、特開2015−214682号公報に記載されている化合物が挙げられる。また、色素多量体として、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報、特開2015−028144号公報、特開2015−030742号公報等に記載されている化合物を用いることもできる。
また、黄色着色剤として、特開2013−54339号公報の段落番号0011〜0034に記載のキノフタロン化合物、特開2014−26228号公報の段落番号0013〜0058に記載のキノフタロン化合物などを用いることもできる。
また、着色剤として、下記式(I)で表されるアゾ化合物およびその互変異性構造のアゾ化合物から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、Zn2+およびCu2+を少なくとも含む金属イオンと、下記式(II)で表される化合物とを含む金属アゾ顔料を用いることもできる。

式中、RおよびRはそれぞれ独立して、OHまたはNRであり、RおよびRはそれぞれ独立して、=Oまたは=NRであり、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である。

式中R11〜R13は、それぞれ独立して水素原子またはアルキル基である。
上記の金属アゾ顔料は、金属アゾ顔料の全金属イオンの1モルを基準として、Zn2+およびCu2+を合計で95〜100モル%含有することが好ましく、98〜100モル%含有することがより好ましく、99.9〜100モル%含有することが更に好ましく、100モル%であることが特に好ましい。また、上記の金属アゾ顔料中のZn2+とCu2+とのモル比は、Zn2+:Cu2+=199:1〜1:15であることが好ましく、19:1〜1:1であることがより好ましく、9:1〜2:1であることが更に好ましい。
上記の金属アゾ顔料は、更にZn2+およびCu2+以外の二価もしくは三価の金属イオン(以下、他の金属イオンともいう)を含んでいてもよい。他の金属イオンとしては、Ni2+、Al3+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd2+、Nd3+、Sm2+、Sm3+、Eu2+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Yb2+、Yb3+、Er3+、Tm3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Mn2+、Y3+、Sc3+、Ti2+、Ti3+、Nb3+、Mo2+、Mo3+、V2+、V3+、Zr2+、Zr3+、Cd2+、Cr3+、Pb2+、Ba2+が挙げられる。これらの他の金属イオンの量は、金属アゾ顔料の全金属イオンの1モルを基準として、5モル%以下であることが好ましく、2モル%以下であることがより好ましく、0.1モル%以下であることが更に好ましい。
上記の金属アゾ顔料は、上記アニオンと金属イオンとで構成される金属アゾ化合物と、上記式(II)で表される化合物とで付加体が形成されていることが好ましい。付加体とは、分子集合体を意味すると理解される。これらの分子間の結合は、例えば、分子間相互作用によるものであってもよく、ルイス酸−塩基相互作用によるものであってもよく、配位結合または鎖結合によるものであってもよい。また、付加体は、ゲスト分子がホスト分子を構成する格子に組み込まれている包接化合物(クラスレート)のような構造であっても良い。また、付加体は、複合層間結晶(格子間化合物を含む)のような構造であってもよい。複合層間結晶とは、少なくとも2つの要素からなる化学的な非化学量論的結晶化合物のことである。また、付加体は、2つの物質が共同結晶を形成し、第一の成分の規則的な格子の位置に第二の成分の原子が位置しているような混合置換結晶であってもよい。
上記の金属アゾ顔料は、物理的混合物であってもよく、化学的複合化合物であってもよい。好ましくは、物理的混合物である。物理的混合物の好ましい例としては、以下の1)、2)が挙げられる。
1)上記アニオンとZn2+とで構成される金属アゾ化合物と、式(II)で表される化合物との付加体1と、上記アニオンとCu2+とで構成される金属アゾ化合物と、式(II)で表される化合物との付加体2の物理的混合物。
2) 1)の物理的混合物において、更に、上記アニオンと、Zn2+およびCu2+以外の二価もしくは三価の金属イオンとで構成される金属アゾ化合物と、式(II)で表される化合物との付加体3を含む物理的混合物。
上記の金属アゾ顔料については、特開2017−171914号公報の段落番号0011〜0062、0139〜0190の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
着色剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。上限については特に制限はなく、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
<<透明粒子>>
本発明におけるネガ型感光性組成物は、透明粒子を含むことができる。透明粒子を含むネガ型感光性組成物は、カラーフィルタの白色(無色)画素などの形成に好ましく用いることができる。
透明粒子としては、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、Nb、In、PおよびSから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物の粒子が挙げられ、Ti、Zr、Sn、AlおよびSiから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物の粒子であることが好ましい。具体的には、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化タングステン(セシウム酸化タングステンなどのタングステンを含む複合酸化物を含む)、酸化ニオブ、酸化銅、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化マグネシウムの粒子が挙げられる。中でも、二酸化チタン、酸化錫、酸化インジウムおよび二酸化ジルコニウムの粒子が好ましく、二酸化チタンおよび二酸化ジルコニウムの粒子がより好ましい。また、酸化チタンとしては、ルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタン、アモルファス型酸化チタンが挙げられ、ルチル型酸化チタンが好ましい。また、上記の酸化物は、表面処理剤で表面処理されていることも好ましい。表面処理剤としては、無機化合物、有機化合物が挙げられる。無機化合物と有機化合物とを併用してもよい。表面処理剤の具体例としては、ポリオール、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、非晶質シリカ、含水シリカ、アルカノールアミン、ステアリン酸、オルガノシロキサン、酸化ジルコニウム、ハイドロゲンジメチコン、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。
透明粒子の形状は特に制限はない。例えば、等方性形状(例えば、球状、多面体状等)、異方性形状(例えば、針状、棒状、板状等)、不定形状等の形状が挙げられる。
透明粒子の1次粒子の重量平均径は、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、80nm以下であることが更に好ましい。下限値は特になく、1nm以上であることが好ましい。透明粒子の重量平均径の測定方法は、JIS K 0062:1992に準ずる。
透明粒子の波長500nmにおける屈折率は、1.64以上であることが好ましく、1.8〜3.0であることがより好ましく、1.8〜2.8であることが更に好ましい。透明粒子の屈折率の測定方法は、JIS K 0062:1992に準ずる。
透明粒子は市販品を用いてもよい。例えば、二酸化チタンとしては、TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)、TTO−55(C)など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)(以上、商品名、石原産業(株)製)、MTシリーズ(MT−01、MT−05など)(テイカ(株)製、商品名)などが挙げられる。酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、セシウム酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化インジウムの市販品としては、後述する実施例に記載の製品などが挙げられる。
透明粒子の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
<<樹脂>>
ネガ型感光性組成物は、樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途、バインダーの用途で配合される。なお、主に顔料などの粒子を分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で樹脂を使用することもできる。
ネガ型感光性組成物において、樹脂の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対し、1〜95質量%であることが好ましい。下限は、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。上限は、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下がさらに好ましい。
(分散剤)
本発明におけるネガ型感光性組成物は、樹脂として分散剤を含むことが好ましい。特に、顔料などの粒子を含む場合においては、分散剤を含むことが好ましい。分散剤は、酸性分散剤(酸性樹脂)、塩基性分散剤(塩基性樹脂)が挙げられる。
ここで、酸性分散剤(酸性樹脂)とは、酸基の量が塩基性基の量よりも多い樹脂を表す。酸性分散剤(酸性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、酸基の量が70モル%以上を占める樹脂が好ましく、実質的に酸基のみからなる樹脂がより好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)が有する酸基は、カルボキシル基が好ましい。酸性分散剤(酸性樹脂)の酸価は、5〜105mgKOH/gが好ましい。
また、塩基性分散剤(塩基性樹脂)とは、塩基性基の量が酸基の量よりも多い樹脂を表す。塩基性分散剤(塩基性樹脂)としては、酸基の量と塩基性基の量の合計量を100モル%としたときに、塩基性基の量が50モル%を超える樹脂が好ましい。塩基性分散剤が有する塩基性基は、アミンが好ましい。
分散剤としては、例えば、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。
高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。高分子分散剤は、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子を好ましい構造として挙げることができる。また、特開2011−070156号公報の段落番号0028〜0124に記載の分散剤や特開2007−277514号公報に記載の分散剤も好ましく用いられる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
樹脂(分散剤)は、グラフト共重合体を用いることもできる。グラフト共重合体の詳細は、特開2012−255128号公報の段落番号0025〜0094の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。グラフト共重合体の具体例としては、下記の樹脂や、特開2012−255128号公報の段落番号0072〜0094に記載の樹脂が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
また、樹脂(分散剤)として、主鎖および側鎖の少なくとも一方に窒素原子を含むオリゴイミン系分散剤を用いることもできる。オリゴイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する繰り返し単位と、原子数40〜10,000の側鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖および側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はない。
オリゴイミン系分散剤については、特開2012−255128号公報の段落番号0102〜0174の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれる。オリゴイミン系分散剤の具体例としては、例えば、特開2012−255128号公報の段落番号0168〜0174に記載の樹脂を挙げることができる。
分散剤は市販品を用いることもできる。例えば、特開2012−137564号公報の段落番号0129に記載された製品を分散剤として用いることもできる。なお、上記分散剤の欄で説明した樹脂は、分散剤以外の用途で使用することもできる。例えば、バインダーとして用いることもできる。
分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して1〜200質量部が好ましい。下限は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。上限は、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明におけるネガ型感光性組成物は、樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、現像性やパターン形成性が向上する。なお、アルカリ可溶性樹脂は、分散剤やバインダーとして用いることもできる。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ溶解を促進する基を有する樹脂の中から適宜選択することができる。アルカリ溶解を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシル基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。アルカリ可溶性樹脂が有する酸基の種類は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜100,000が好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、1,000〜20,000が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合樹脂が好ましい。また、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましい。例えば、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、部分エステル化マレイン酸等のモノマーに由来する繰り返し単位を有する共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有するポリマーに酸無水物を付加させたポリマーが挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとの共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなどが挙げられる。ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。また、他のモノマーとして、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーが挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体を好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のモノマーとを共重合した共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。また、市販品としては、例えばFF−426(藤倉化成社製)などを用いることもできる。
アルカリ可溶性樹脂としては、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いることもできる。重合性基としては、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂は、重合性基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂等が有用である。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂の市販品としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(カルボキシル基含有ポリウレタンアクリレートオリゴマー、Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)、アクリキュアーRD−F8((株)日本触媒製)、DP−1305(富士ファインケミカルズ(株)製)などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(ED1)で示される化合物および特開2010−168539号公報の式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分を重合してなるポリマーを含むことも好ましい。
式(ED1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
エーテルダイマーを含むモノマー成分を重合してなるポリマーとしては、例えば下記構造のポリマーが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。

式(X)において、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Rは、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
上記式(X)において、Rのアルキレン基の炭素数は、2〜3が好ましい。また、Rのアルキル基の炭素数は1〜10が好ましい。Rのアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。Rで表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂は、特開2012−208494号公報の段落番号0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の段落番号0685〜0700)の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、特開2012−32767号公報の段落番号0029〜0063に記載の共重合体(B)および実施例で用いられているアルカリ可溶性樹脂、特開2012−208474号公報の段落番号0088〜0098に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−137531号公報の段落番号0022〜0032に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2013−024934号公報の段落番号0132〜0143に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2011−242752号公報の段落番号0092〜0098および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−032770号公報の段落番号0030〜0072に記載のバインダー樹脂を用いることもできる。これらの内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、30〜500mgKOH/gが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上が更に好ましい。上限は、400mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下が更に好ましく、150mgKOH/g以下が一層好ましく、120mgKOH/g以下が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、1〜95質量%が好ましい。下限は、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。上限は、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。本発明のネガ型感光性組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合は、その合計が上記範囲となることが好ましい。
(その他の樹脂)
本発明におけるネガ型感光性組成物は、樹脂として上述した分散剤やアルカリ可溶性樹脂の欄で説明した樹脂以外の樹脂(その他の樹脂ともいう)を含有することができる。その他の樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルホスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、シロキサン樹脂などが挙げられる。ポリイミド樹脂としては、特開2014−201695号公報に記載された樹脂などが挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。その他の樹脂は、これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
<<エポキシ基を有する化合物>>
ネガ型感光性組成物はエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ化合物ともいう)を含有することもできる。エポキシ化合物としては、エポキシ基を1分子内に1〜100個有する化合物であることが好ましい。下限は、2個以上がより好ましい。上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。
エポキシ化合物は、エポキシ当量(=エポキシ化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることが更に好ましい。
エポキシ化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)でもよい。エポキシ化合物の重量平均分子量は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下がさらに好ましく、5000以下が一層好ましく、3000以下がより一層好ましい。
エポキシ化合物としては、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもできる。これらの内容は、本明細書に組み込まれる。市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、jER825、jER827、jER828、jER834、jER1001、jER1002、jER1003、jER1055、jER1007、jER1009、jER1010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、jER806、jER807、jER4004、jER4005、jER4007、jER4010(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、jER152、jER154、jER157S70、jER157S65(以上、三菱化学(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(日本化薬(株)製)等が挙げられる。脂肪族エポキシ樹脂としては、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE3150、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、(株)ダイセル製)、デナコール EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)等が挙げられる。その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、jER1031S(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
ネガ型感光性組成物がエポキシ化合物を含有する場合、エポキシ化合物の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対し、0.1〜40質量%が好ましい。下限は、例えば0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。エポキシ化合物は、1種単独であってもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、合計が上記範囲となることが好ましい。
<<溶剤>>
ネガ型感光性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤は有機溶剤が好ましい。溶剤は、各成分の溶解性やネガ型感光性組成物の塗布性を満足すれば特に制限はない。
有機溶剤の例としては、例えば、以下の有機溶剤が挙げられる。エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、アルキルオキシ酢酸アルキル(例えば、アルキルオキシ酢酸メチル、アルキルオキシ酢酸エチル、アルキルオキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−アルキルオキシプロピオン酸メチル、3−アルキルオキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−アルキルオキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−アルキルオキシプロピオン酸メチル、2−アルキルオキシプロピオン酸エチル、2−アルキルオキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸メチル及び2−アルキルオキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等が挙げられる。エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等が挙げられる。ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm以下、10質量ppm以下、あるいは1質量ppm以下とすることができる)。
有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。有機溶剤を2種以上組み合わせて用いる場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
本発明において、有機溶剤は、過酸化物の含有率が0.8mmol/L以下であることが好ましく、過酸化物を実質的に含まないことがより好ましい。また、金属含有量の少ない有機溶剤を用いることが好ましく、例えば有機溶剤の金属含有量は、10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて有機溶剤の金属含有量が質量ppt(parts per trillion)レベルのものを用いてもよく、そのような高純度溶剤は例えば東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
溶剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分が5〜80質量%となる量が好ましい。下限は10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
<<硬化促進剤>>
ネガ型感光性組成物は、パターンの硬度を向上させる目的や、硬化温度を下げる目的で、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤としては、チオール化合物などが挙げられる。
チオール化合物としては、分子内に2個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物などが挙げられる。多官能チオール化合物は、安定性、臭気、解像性、現像性、密着性等の改良を目的として添加してもよい。多官能チオール化合物は、2級のアルカンチオール類であることが好ましく、下記式(T1)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
式(T1)

(式(T1)中、nは2〜4の整数を表し、Lは2〜4価の連結基を表す。)
上記式(T1)において、Lは炭素数2〜12の脂肪族基であることが好ましい。上記式(T1)において、nが2であり、Lが炭素数2〜12のアルキレン基であることがより好ましい。多官能チオール化合物の具体例としては、下記の構造式(T2)〜(T4)で表される化合物が挙げられ、式(T2)で表される化合物が好ましい。チオール化合物は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、硬化促進剤は、メチロール系化合物(例えば特開2015−34963号公報の段落番号0246において、架橋剤として例示されている化合物)、アミン類、ホスホニウム塩、アミジン塩、アミド化合物(以上、例えば特開2013−41165号公報の段落番号0186に記載の硬化剤)、塩基発生剤(例えば、特開2014−55114号公報に記載のイオン性化合物)、イソシアネート化合物(例えば、特開2012−150180号公報の段落番号0071に記載の化合物)、アルコキシシラン化合物(例えば、特開2011−253054号公報に記載のエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物)、オニウム塩化合物(例えば、特開2015−34963号公報の段落番号0216に酸発生剤として例示されている化合物、特開2009−180949号公報に記載の化合物)などを用いることもできる。
ネガ型感光性組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して0.3〜8.9質量%が好ましく、0.8〜6.4質量%がより好ましい。
<<顔料誘導体>>
本発明におけるネガ型感光性組成物が顔料を含む場合においては、ネガ型感光性組成物は更に顔料誘導体を含有することが好ましい。顔料誘導体としては、発色団の一部分を、酸性基、塩基性基またはフタルイミドメチル基で置換した構造を有する化合物が挙げられる。顔料誘導体を構成する発色団としては、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、フタロシアニン系骨格、アントラキノン系骨格、キナクリドン系骨格、ジオキサジン系骨格、ペリノン系骨格、ペリレン系骨格、チオインジゴ系骨格、イソインドリン系骨格、イソインドリノン系骨格、キノフタロン系骨格、スレン系骨格、金属錯体系骨格等が挙げられ、キノリン系骨格、ベンゾイミダゾロン系骨格、ジケトピロロピロール系骨格、アゾ系骨格、キノフタロン系骨格、イソインドリン系骨格およびフタロシアニン系骨格が好ましく、アゾ系骨格およびベンゾイミダゾロン系骨格がより好ましい。顔料誘導体が有する酸性基としては、スルホ基、カルボキシル基が好ましく、スルホ基がより好ましい。顔料誘導体が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましく、三級アミノ基がより好ましい。顔料誘導体の具体例としては、後述の実施例に記載の化合物が挙げられる。また、特開2011−252065号公報の段落番号0162〜0183に記載の化合物も挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
ネガ型感光性組成物が顔料誘導体を含有する場合、顔料誘導体の含有量は、顔料100質量部に対し、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がさらに好ましい。顔料誘導体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<界面活性剤>>
ネガ型感光性組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用でき、塗布性をより向上できるという理由からフッ素系界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、更に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が上記範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、F172、F173、F176、F177、F141、F142、F143、F144、R30、F437、F475、F479、F482、F554、F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、SC−101、SC−103、SC−104、SC−105、SC−1068、SC−381、SC−383、S−393、KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物、特開2011−132503号公報の段落番号0117〜0132に記載の化合物を用いることもできる。フッ素系界面活性剤としてブロックポリマーを用いることもでき、具体例としては、例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造で、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられ、これらを用いてもよい。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位とを含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができ、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。下記の式中、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。

上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。
フッ素系界面活性剤として、エチレン性不飽和結合を有する基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および段落番号0289〜0295に記載された化合物が挙げられる。市販品としては、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718−K、RS−72−K等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、プルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2(BASF社製)、テトロニック304、701、704、901、904、150R1(BASF社製)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、NCW−101、NCW−1001、NCW−1002(和光純薬工業(株)製)、パイオニンD−6112、D−6112−W、D−6315(竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(日信化学工業(株)製)などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、W004、W005、W017(裕商(株)製)、サンデットBL(三洋化成(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、0.001〜0.2質量%が好ましく、0.0015〜0.1質量%がより好ましく、0.002〜0.05質量%が更に好ましい。界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。2種類以上含む場合は合計量が上記範囲であることが好ましい。
<<シランカップリング剤>>
ネガ型感光性組成物は、シランカップリング剤を含有することができる。本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および/または縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられる。
シランカップリング剤は、ビニル基、エポキシ基、スチレン基、メタクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、および、イソシアネート基から選ばれる少なくとも1種の基と、アルコキシ基とを有するシラン化合物が好ましい。シランカップリング剤の具体例としては、例えば、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−602)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−603)、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−602)、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−903)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、KBE−903)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−503)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)等が挙げられる。シランカップリング剤の詳細については、特開2013−254047号公報の段落番号0155〜0158の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
ネガ型感光性組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。ネガ型感光性組成物は、シランカップリング剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。シランカップリング剤を2種以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合禁止剤>>
ネガ型感光性組成物は、重合禁止剤を含有することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン塩(アンモニウム塩、第一セリウム塩等)等が挙げられる。
ネガ型感光性組成物が重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、0.01〜5質量%が好ましい。ネガ型感光性組成物は、重合禁止剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
ネガ型感光性組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤は、共役ジエン系化合物が好ましい。紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、UV−503(大東化学(株)製)などが挙げられる。また、紫外線吸収剤として、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、トリアジン化合物などを用いることができる。具体例としては特開2013−68814号公報に記載の化合物が挙げられる。また、ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
ネガ型感光性組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、ネガ型感光性組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。また、紫外線吸収剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他添加剤>>
ネガ型感光性組成物には、必要に応じて、各種添加剤、例えば、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加剤としては、特開2004−295116号公報の段落番号0155〜0156に記載の添加剤を挙げることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、酸化防止剤としては、例えばフェノール化合物、リン系化合物(例えば特開2011−90147号公報の段落番号0042に記載の化合物)、チオエーテル化合物などを用いることができる。市販品としては、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブシリーズ(AO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−50F、AO−60、AO−60G、AO−80、AO−330など)が挙げられる。酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。ネガ型感光性組成物は、特開2004−295116号公報の段落番号0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落番号0081に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
用いる原料等によりネガ型感光性組成物中に金属元素が含まれることがあるが、欠陥発生抑制等の観点で、ネガ型感光性組成物中の第2族元素(カルシウム、マグネシウム等)の含有量は50質量ppm以下であることが好ましく、0.01〜10質量ppmがより好ましい。また、ネガ型感光性組成物中の無機金属塩の総量は100質量ppm以下であることが好ましく、0.5〜50質量ppmがより好ましい。
<ネガ型感光性組成物の調製方法>
ネガ型感光性組成物は、上述した各成分を混合することによって調製することができる。ネガ型感光性組成物の調製に際しては、ネガ型感光性組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分をそれぞれ有機溶剤に溶解または分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。また、ネガ型感光性組成物が顔料を含む場合においては、顔料を分散させるプロセスを含むことが好ましい。顔料を分散させるプロセスにおいて、顔料の分散に用いる機械力としては、圧縮、圧搾、衝撃、剪断、キャビテーションなどが挙げられる。これらプロセスの具体例としては、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化、超音波分散などが挙げられる。また「分散技術大全、株式会社情報機構発行、2005年7月15日」や「サスペンション(固/液分散系)を中心とした分散技術と工業的応用の実際 総合資料集、経営開発センター出版部発行、1978年10月10日」に記載のプロセス及び分散機を好適に使用することが出来る。また、顔料を分散させるプロセスにおいては、ソルトミリング工程による顔料の微細化処理を行ってもよい。ソルトミリング工程に用いられる素材、機器、処理条件等は例えば特開2015−194521号公報、特開2012−046629号公報に記載のものを使用することができる。
ネガ型感光性組成物の調製にあたり、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているフィルタであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン(例えばナイロン−6、ナイロン−6,6)等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量のポリオレフィン樹脂を含む)等の素材を用いたフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度、超高分子量の高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、より好ましくは0.05〜0.5μm程度である。
また、フィルタとしては、ファイバ状のろ材を用いたフィルタを用いることも好ましい。ファイバ状のろ材としては、例えばポリプロピレンファイバ、ナイロンファイバ、グラスファイバ等が挙げられる。ファイバ状のろ材を用いたフィルタとしては、具体的にはロキテクノ社製のSBPタイプシリーズ(SBP008など)、TPRタイプシリーズ(TPR002、TPR005など)、SHPXタイプシリーズ(SHPX003など)のフィルタカートリッジが挙げられる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、各フィルタでのろ過は、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
例えば、上述した範囲内で異なる孔径のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社(DFA4201NXEYなど)、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)または株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
また、第1のフィルタでのろ過は、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタでろ過を行ってもよい。第2のフィルタとしては、第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
ネガ型感光性組成物の含水率は、通常3質量%以下であり、0.01〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましい。含水率は、カールフィッシャー法にて測定することができる。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した本発明のパターンの製造方法を含む。カラーフィルタにおける画素の種類としては、用途により異なるが、例えば、赤、緑、青、マゼンタ、黄、シアンなどの着色画素、白色(無色)画素、黒画素などが挙げられる。また、カラーフィルタは、赤外線カットフィルタや赤透過フィルタをさらに有していてもよい。カラーフィルタとしては、単色の画素からなるカラーフィルタであってもよいが、複数色の画素を有するカラーフィルタであることが好ましい。また、複数色の画素を有するカラーフィルタにおいて、異なる色の画素が隣接していることが好ましい。
複数色の画素を有するカラーフィルタにおいては、各色の画素におけるパターン寸法に関し、精密であることが求められている。各画素のパターン寸法などにばらつきが生じると製品不良の原因となる。本発明のパターンの製造方法によれば、露光エネルギーの許容範囲(マージン)を広げることができるので、露光時における露光エネルギーにばらつきが生じても、設計通りのパターンを形成し易い。このため、本発明のパターンの製造方法は、複数色の画素を有するカラーフィルタを製造する際に特に効果的である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は画素サイズが小さいカラーフィルタを製造する場合において、より効果的である。画素の幅は特に制限されず、例えば、5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましく、1μm以下であることがより一層好ましく、0.8μm以下であること特に好ましい。下限値は特になく、100nm以上であることが実際的である。ベイヤーパターンの画素として言えば、平面視において、5μm四方以下であることが好ましく、3μm四方以下であることがより好ましく、2μm四方以下であることがさらに好ましく、1μm四方以下であることがより一層好ましく、0.8μm四方以下であることが特に好ましい。下限値は特になく、100nm四方以上であることが実際的である。また、本発明の効果がより一層際立つことから、各画素は隣接していることが好ましい。
画素の厚みは、例えば、0.3μm以上とすることが好ましく、0.5μm以上とすることがより好ましく、0.75μm以上とすることが特に好ましい。上限としては、2μm以下とすることが好ましく、1.5μm以下とすることがより好ましく、1μm以下とすることが特に好ましい。
<固体撮像素子および画像表示装置の製造方法>
本発明のパターンの製造方法を用いて、固体撮像素子、画像表示装置などを製造することもできる。
固体撮像素子の構成としては、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はなく、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極と、フォトダイオードおよび転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口した遮光膜と、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜と、デバイス保護膜上に、カラーフィルタと、を有する構成である。更に、デバイス保護膜上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。また、カラーフィルタは、隔壁により例えば格子状に仕切られた空間に、各画素を形成する膜が埋め込まれた構造を有していてもよい。この場合の隔壁は各画素に対して低屈折率であることが好ましい。このような構造を有する固体撮像素子の例としては、特開2012−227478号公報、特開2014−179577号公報に記載の装置が挙げられる。また、CMOSイメージセンサとしては、受光部を形成したのちに反転させて配線層と接合させてできる裏面照射型イメージセンサも挙げられる。
画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などが挙げられる。画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男編集、(株)工業調査会、1994年発行)」に記載されている。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量基準である。
<ネガ型感光性組成物の調製>
下記表に記載の組成比(質量部)となるように各原料を混合して感光性組成物1、2を製造した。
上記表に記載の原料は以下である。
(Green顔料分散液)
C.I.ピグメントグリーン58を7.55質量部と、C.I.ピグメントイエロー185を1.89質量部と、顔料誘導体Aを0.94質量部と、分散剤D−1を3.7質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を65.7質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Green顔料分散液を調製した。
顔料誘導体A:以下に示す構造の化合物

分散剤D−1:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。側鎖に付記した数値は、繰り返し数を示す。酸価=50mgKOH/g、Mw=24000)
(Blue顔料分散液)
C.I.ピグメントブルー15:6を10.2質量部と、C.I.ピグメントバイオレット23を1.27質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を24.42質量部と、シクロヘキサノンを14.62質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルを1.03質量部と、分散剤D−2を2.54質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、3時間、混合および分散して、Blue顔料分散液を調製した。
分散剤D−2:下記構造の樹脂(重量平均分子量=14000、主鎖に付記した数値はモル比である)
(樹脂)
P−1:ACA230AA((株)ダイセル製、Mw=14000、酸価=37mgKOH/g)
P−2:アクリキュアーRD−F8((株)日本触媒製)
(ラジカル重合性化合物)
M−1:NKエステルA−TMMT(新中村化学工業(株)製)
M−2:アロニックスTO−2349(東亞合成(株)製)
M−3:NKエステルA−DPH−12E(新中村化学工業(株)製)
(界面活性剤)
S−1:パイオニンD−6315(竹本油脂社製、ノニオン系界面活性剤)
S−2:下記混合物(Mw=14000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。)
(光重合開始剤)
I−1、I−2:下記構造の化合物
重合禁止剤:p−メトキシフェノール
エポキシ化合物:EHPE3150((株)ダイセル製)
(溶剤)
酢酸ブチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<試験例1> パターンの製造方法
200mm(8inch)シリコンウエハをホットプレートにて、200℃で、1分間加熱処理した。次いで、このシリコンウエハ上に、CT−4000L(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)をポストベーク後に膜厚が0.1μmになるように塗布した。更に220℃のホットプレートで5分間加熱(ポストベーク)して下塗り層を形成し、下塗り層付シリコンウエハ基板を得た。各感光性組成物1、2を、ポストベーク後に膜厚が0.6μmになるように下塗り層付シリコンウエハの下塗り層上に塗布し、感光性組成物層を形成した。そして、この感光性組成物層を、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA5510iZs(Canon(株)製)を使用して、パターンを有するマスクを通して下記の露光条件で露光を行った。
次いで、露光後の感光性組成物層に対し、以下の現像条件でスプレー現像を行った後、220℃のホットプレートを用いて300秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、パターンを製造した。
[露光条件]
露光波長:365nm(i線)
露光照度:10000W/m
露光時の雰囲気:空気(O濃度21体積%)
照明条件:NA/σ=0.57/0.40
縮小投影倍率:1/4縮小
フォーカス:ベストフォーカス(フォーカスオフセット0.0μm)。なお、焦点深度(DOF)特性から、CD(Critical Dimension)とパターン形状の最も良好なフォーカス設定値をベストフォーカスとした。
マスク:下記のマスク1〜7からなるマスク(ターゲット線幅1.0μmベイヤーパターン、マスクバイアス0.0μm)
露光エネルギー:50mJ/cmから5mJ/cmおきに露光エネルギーを増やして、最適露光エネルギー(Eopt)を検査した。なお、最適露光エネルギーとは、マスクの設計寸法どおりのパターンを形成できる露光エネルギーの条件のことである。
[マスクの種類]
マスク1:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=730Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=2.7)
マスク2:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=1050Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=3.5)
マスク3:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=1130Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=3.7)
マスク4:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=1300Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=4.0)
マスク5:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=1550Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=5.0)
マスク6:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=1800Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=6.0)
マスク7:CrとCrOの積層体(Cr/CrO=2050Å/300Å、波長365nmにおける光学濃度(OD値)=7.0)
なお、マスクの光学濃度(OD値)は、以下の条件で測定した。
装置:V−7200(日本分光株式会社製)
リファレンス:Cr及びCrOを蒸着していないガラス基板
測定モード:波長スキャン
測定波長領域:230nm〜700nm
重水素(D2)ランプ:ON
ハロゲン(WI)ランプ:ON
[現像条件] スプレー現像
露光後の感光性組成物層を有するシリコンウエハを、現像機(ACT8 東京エレクトロン社製)の現像ユニットに搬送し、スピンチャック上に設置した。シリコンウエハを回転させながら、その回転中心の上方より感光性組成物層に対して23℃の現像液(CD−1040、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をNとの2流体にて10秒間スプレー状に塗布した(N流量5〜10L/分、現像液流量=150mL/分、ノズル高さ=シリコンウエハから20mm)。次いで、回転装置を停止させて60秒間静止して現像を行った。これらの一連の処理を合計2回行った後、回転装置を作動させてシリコンウエハを回転数2000rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水をストレートノズルからシャワー状に供給してリンス処理(30秒)を行ない、次いで、20秒間スピン乾燥した。
<試験例2>
試験例1のパターン製造方法において、感光性組成物1を用い、現像条件を以下に変更してパドル現像を行った以外は試験例1と同様にしてパターンを製造した。
[現像条件] パドル現像
露光後の感光性組成物層を有するシリコンウエハを、スピン・シャワー現像機(DW−30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置した。回転装置を作動させてシリコンウエハを回転させながら、その回転中心の上方より感光性組成物層に対して23℃の現像液(CD−1040、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をストレートノズルから10秒間吐出して塗布した。次いで、回転装置を停止させて60秒間静置して現像(パドル現像)を行なった。これらの一連の処理を合計2回行った後、回転装置を作動させてシリコンウエハを回転数2000rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水をストレートノズルからシャワー状に供給してリンス処理(30秒)を行ない、次いで、20秒間スピン乾燥した。
<焦点深度(DOF)マージンの評価>
最適露光量(Eopt)において焦点深度(DOF)をベストフォーカスからずらして、得られるパターンの線幅変動がマスクの設計寸法±5%(=0.95〜1.05μm)に収まる焦点深度の幅を求めた。
<残渣およびパターン形状の評価>
線幅測定用電子顕微鏡S9260A(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて20000倍に拡大して観察し、パターン間の残渣およびパターン形状をそれぞれ観察し、以下の基準で測定した。
(残渣の評価)
A:パターン間に残渣が無い。
B:パターン間に残渣が微量存在する。
C:パターン間に残渣がやや多く存在する。
D:パターン間の残渣が多い。
(パターン形状の評価)
A:パターンのエッジのラフネスが良好である。
B:パターンのエッジのラフネスが良好であるがAよりは劣る。
C:パターンのエッジのラフネスが良好であるがBよりは劣る。
D:パターンのエッジのラフネスが悪い。
OD値が2.7のマスクを使用した場合、パターンエッジ近傍をパターンの線幅と定義したが、残渣が多く、実用レベルではなかった。
また、現像方法としてスプレー現像を用いた場合においては、パドル現像を用いた場合に比べて、露光エネルギーのマージン、DOFマージン、パターン形状が良好であった。
上記の表において、露光エネルギー1とは、パターンの線幅がマスクの設計寸法×95%(=0.95μm)の値を発現するときの露光エネルギー(mJ/cm)であり、露光エネルギー2とは、パターンの線幅がマスクの設計寸法×105%(=1.05μm)の値を発現するときの露光エネルギー(mJ/cm)である。露光エネルギー1と露光エネルギー2との差が大きいほど露光エネルギーのマージンが広いことを意味する。
上記表に示す通り、光学濃度(OD値)が3.6以上のマスクを用いた試験例は、露光エネルギーのマージンおよびDOFマージンが広く、優れていた。また、パターン間の残渣が少なく、更にはパターン形状も優れていた。
また、現像方法としてスプレー現像を用いた試験例1群においては、パドル現像を用いた試験例2群よりも残渣の発生が抑制でき、更には矩形性に優れたパターンが得られやすかった。
<試験例3>
試験例1のパターン製造方法において、感光性組成物1を用い、露光時における露光照度および露光時の酸素濃度をそれぞれ下記の表に記載の条件に変化させた以外は試験例1と同様にしてパターンを製造し、解像性を評価した。マスクの設計寸法どおりのパターンを形成できる露光エネルギー(最適露光エネルギー(Eopt))と、以下の式から求めたΔ露光エネルギーとを求めて、解像性を評価した。なお、マスクの設計寸法は、1.0μmとした。
Δ露光エネルギー=|パターンの線幅がマスクの設計寸法×105%(=1.05μm)の値を発現するときの露光エネルギー(mJ/cm)−パターンの線幅がマスクの設計寸法×95%(=0.95μm)の値を発現するときの露光エネルギー(mJ/cm)|
A:Δ露光エネルギーが200mJ/cm以上であり、かつEoptが50〜500mJ/cmの範囲である。
B:Δ露光エネルギーが100mJ/cm以上200mJ/cm未満であり、かつEoptが50〜500mJ/cmの範囲である。
C:Δ露光エネルギーが50mJ/cm以上100mJ/cm未満であり、かつEoptが50〜500mJ/cmの範囲である。
D:Δ露光エネルギーが50mJ/cm未満であり、かつEoptが50〜500mJ/cmの範囲である。
E:Eoptが50mJ/cm未満であるか、または、500mJ/cmを超える。
F:目標の寸法を形成できない。





上記表に示す通り、光学濃度(OD値)が3.6以上のマスクを用いた試験例においては、露光エネルギーのマージンが広かった。また、解像性に優れていた。一方、光学濃度(OD値)が2.7のマスクを用いた試験例においては、残渣が多く、実用レベルでないと判断したため、Fの評価とした。
<試験例4>
(カラーフィルタの製造)
幅0.1μm、高さ0.4μmの遮光膜(タングステン遮光膜)が形成されたイメージセンサ用基板上の遮光膜間に、緑、青および赤の各色の画素を形成して、加工精度を確認した。画素のルールは1.0μm四方とし、画素間遮光膜の寸法は0.1μmとした。
上記の遮光膜が形成された基板上に、各色の画素形成用の組成物を、ポストベーク後に膜厚が0.6μmになるように塗布して、感光性組成物層を形成した。そして、この感光性組成物層を、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、以下の条件で露光を行った。なお、各色の画素形成用組成物の露光時には、900nmのアライメント波長を使用して基材の位置を検出した。検出対象は画素の下層に設置しているタングステンマーク、もしくは基材に刻印されているシリコンの凹凸マークを使用した。
次いで、試験例1と同じ条件でスプレー現像を行った後、220℃のホットプレートを用いて300秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、パターンを製造した。このとき、熱収縮を抑制するために、酸素濃度の低い(酸素濃度:100ppm)密閉型ホットプレートを使用した。
遮光膜間に、各色の画素が埋め込まれたカラーフィルタを製造できた。
[使用した画素形成用の組成物]
緑色画素形成用の組成物:上述した感光性組成物1
青色画素形成用の組成物:上述した感光性組成物2
赤色画素形成用の組成物:SR2000S(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)
[露光条件]
露光波長:365nm(i線)
露光照度:250000W/m
露光時の雰囲気:空気(O濃度35体積%)
照明条件:NA/σ=0.57/0.50
縮小投影倍率:1/4縮小
フォーカス:ベストフォーカス
マスク:上述したマスク5からなるマスク(ターゲット線幅1.0μmベイヤーパターン、マスクバイアス0.0μm、マスクの波長365nmにおける光学濃度(OD値)=5.0)
露光エネルギー:緑色画素形成用の組成物の場合は250mJ/cm、青色画素形成用の組成物の場合は320mJ/cm、赤色画素形成用の組成物の場合は350mJ/cm
(マイクロレンズの形成)
上記の方法で製造して得られたカラーフィルタ上に、特開2016−74797の試験101の組成物を用い、塗布および乾燥した後、熱焼結(220℃×5分)の処理を行ってレンズ材料層を形成した(膜厚1.0μm)。このレンズ材料層に対し、以下の条件にて、レンズ材料層上にマスクを形成した。
[マスク形成条件]
感光性フォトレジスト:GKR−5113(商品名;富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)
形成膜厚:0.7μm
パターンサイズ:1.0μm四方、ポジ残し部0.8μm、スペース部0.2μmで形成。
露光エネルギー:46mJ/m(NA/σ:0.63/0.65)
プレベーク/露光後加熱/ポストベーク:120℃×90秒/110℃×90秒/155℃×60秒
次いで、以下の条件でエッチング処理を行いカラーフィルタ上にマイクロレンズを形成した。マイクロレンズのパターンは、ピッチ方向と対角方向とのいずれにもレンズ間のギャップが無いアレイが形成されていた。
[エッチング条件]
ドライエッチング装置:U−621((株)日立ハイテクノロジーズ製)
ガス流量:CF/C=350(mL/分)/50(mL/分)
バイアス:高周波(RF)パワー:1000W
アンテナバイアス:400W
ウエハバイアス:400W
電極高さ:68mm
圧力:2.0Pa
エッチング時間:500秒
基板温度:20℃
本実施形態例では、カラーフィルタの像形成性が向上し、フレアや混色など発生が抑制される。したがって撮像装置の画質の向上が図られる。
本発明は赤、緑、青で構成されるカラーフィルタのみではなく、可視光に透明であり屈折率制御で集光をコントロールするホワイト画素、可視光を遮光して近赤外領域の透過性をコントロールする赤外線透過フィルタの画素を有する撮像装置にも好適に適用できる。
<試験例5>
[チタンブラック(A−1)の製造]
平均粒径15nmの酸化チタンMT−150A(商品名:テイカ(株)製)を100g、BET表面積300m/gのシリカ粒子AEROPERL(登録商標)300/30(エボニック製)を25g、及び、分散剤Disperbyk190(商品名:ビックケミー社製)を100g秤量し、イオン電気交換水71gを加えてKURABO製MAZERSTAR KK−400Wを使用して、公転回転数1360rpm、自転回転数1047rpmにて20分間処理することにより均一な混合物水溶液を得た。この水溶液を石英容器に充填し、小型ロータリーキルン(株式会社モトヤマ製)を用いて酸素雰囲気中で920℃に加熱した。その後、窒素で雰囲気を置換し、同温度でアンモニアガスを100mL/minで5時間流すことにより窒化還元処理を実施した。終了後回収した粉末を乳鉢で粉砕し、Si原子を含み、粉末状の比表面積73m/gのチタンブラックA−1〔チタンブラック粒子及びSi原子を含む被分散体〕を得た。
[チタンブラック分散物(TB分散液1)の調製]
下記組成1に示す成分を、攪拌機(IKA社製EUROSTAR)を使用して、15分間混合し、分散物aを得た。
(組成1)
上記チタンブラック(A−1)・・・25質量部
特定樹脂1のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量%溶液・・・25質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)・・・50質量部
特定樹脂1:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値は質量%であり、側鎖に付記した数値は繰り返し単位の数である。重量平均分子量=30000、酸価=60mgKOH/g、グラフト鎖の原子数(水素原子を除く)は117)。特定樹脂1は、特開2013−249417号公報の記載を参照して合成した。
得られた分散物aに対し、寿工業(株)製のウルトラアペックスミルUAM015を使用して下記条件にて分散処理を行い、チタンブラック分散物(以下、TB分散液1と表記する。)を得た。
(分散条件)
・ビーズ径:直径0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・ミル周速:8m/sec
・分散処理する混合液量:500g
・循環流量(ポンプ供給量):13kg/hour
・処理液温度:25〜30℃
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・パス回数:90パス
[黒色感光性組成物の調製]
下記組成を混合することで、黒色感光性組成物を得た。この黒色感光性組成物を用いて1.5μmの膜を形成したところ、得られた膜の波長365nmの光学濃度は2.7であった。光学濃度はマスクの光学濃度と同様の方法で測定した。
・TB分散液1・・・58.93質量部
・アルカリ可溶性樹脂(アクリキュアーRD−F8、(株)日本触媒製、固形分40%、溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル)・・・10.545質量部
・光重合開始剤(下記構造の化合物)・・・1.38質量部

・重合性化合物(KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製、6官能重合性化合物(エチレン性不飽和基の量:10.4mmol/g)、及び、5官能重合性化合物(エチレン性不飽和基の量:9.5mmol/g)の混合物)・・・6.82質量部
・界面活性剤(メガファックF−780、DIC(株)製)・・・0.02質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート・・・5.48質量部
・シクロヘキサノン・・・16.76質量部
(評価基板の作製)
基板の種類:8インチ(20.32cm)の反射防止膜付きガラスウエハ上に、黒色感光性組成物を、ポストベーク後に膜厚が1.5μmとなるように塗布して黒色感光性組成物層を形成した。そして、この黒色感光性組成物層を、90℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA5510iZs(Canon(株)製)を使用して、パターンを有するマスクを通して下記の露光条件で露光を行った。
次いで、露光後の感光性組成物層に対し、試験例1と同じ条件でスプレー現像を行った。その後、150℃のホットプレートを用いて10分間加熱処理(ポストベーク)を行い、パターンを製造した。このとき、熱収縮を抑制するために、酸素濃度の低い(酸素濃度:100ppm)密閉型ホットプレートを使用した。
[露光条件]
露光波長:365nm
露光照度:30000W/m
露光時の雰囲気:空気(O濃度21体積%)雰囲気またはO濃度40体積%の雰囲気
照明条件:NA/σ=0.57/0.40
縮小投影倍率:1/4縮小
フォーカス:−0.9μm〜+0.9μm、0.3μmピッチでパターンを作製し、ベストフォーカスはフォカスオフセット+0.3μmであると判断し、断面観察は+0.3μmを評価した。
マスク:上記のマスク1〜5(ターゲット線幅10μmラインパターン、マスクバイアス0.0μm)
露光エネルギー:500mJ/cm
(アンダーカット幅の測定)
得られたパターンについて断面観察(観測倍率20,000倍)を行い、アンダーカット幅を測定した。測定装置として走査顕微鏡(S4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いた。アンダーカット幅は、パターンの断面観察において、パターンのひさしの先端からパターンの底部の基板からはがれている領域の幅(図2の矢印線の幅)を測定した。アンダーカット幅は、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。
上記表に示されるように、光学濃度が3.6以上のマスクを用いることでアンダーカットの発生を効果的に抑制できた。また、露光時の酸素濃度を高めることにより、アンダーカットをさらに効果的に抑制することができた。
<試験例6>
(感光性組成物101、感光性組成物201、感光性組成物301、感光性組成物401、感光性組成物501、感光性組成物601の製造)
下記表に記載の組成比(質量部)となるように各原料を混合して各感光性組成物を製造した。
(感光性組成物102〜105の製造)
Green顔料分散液101の代わりに同量のGreen顔料分散液102〜105を用いた以外は感光性組成物101と同様の方法で感光性組成物102〜105を製造した。
(感光性組成物202〜205の製造)
Green顔料分散液201の代わりに同量のGreen顔料分散液202〜205を用いた以外は感光性組成物201と同様の方法で感光性組成物202〜205を製造した。
(感光性組成物302〜305の製造)
Yellow顔料分散液101の代わりに同量のYellow顔料分散液102〜105を用いた以外は感光性組成物301と同様の方法で感光性組成物302〜305を製造した。
(感光性組成物402〜405の製造)
Yellow顔料分散液101の代わりに同量のYellow顔料分散液102〜105を用いた以外は感光性組成物401と同様の方法で感光性組成物402〜405を製造した。
(感光性組成物502〜505の製造)
Yellow顔料分散液101の代わりに同量のYellow顔料分散液102〜105を用いた以外は感光性組成物501と同様の方法で感光性組成物502〜505を製造した。
(感光性組成物602〜605の製造)
Yellow顔料分散液101の代わりに同量のYellow顔料分散液102〜105を用いた以外は感光性組成物601と同様の方法で感光性組成物602〜605を製造した。
得られた各感光性組成物について試験例1〜3と同様の評価を行ったところ、いずれも良好な結果が得られた。
各感光性組成物に用いた原料は以下の通りである。
(Green顔料分散液101)
C.I.ピグメントグリーン58を8.5質量部と、C.I.ピグメントイエロー150を4.6質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.3質量部と、上述した分散剤D−1を5.1質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を80.4質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Green顔料分散液101を調製した。
(Green顔料分散液102)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料3の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液101と同様の方法でGreen顔料分散液102を調製した。
(Green顔料分散液103)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料10の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液101と同様の方法でGreen顔料分散液103を調製した。
(Green顔料分散液104)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料15の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液101と同様の方法でGreen顔料分散液104を調製した。
(Green顔料分散液105)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料29の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液101と同様の方法でGreen顔料分散液105を調製した。
(Green顔料分散液201)
C.I.ピグメントグリーン36を8.5質量部と、C.I.ピグメントイエロー150を4.6質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.3質量部と、上述した分散剤D−1を5.1質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を80.4質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Green顔料分散液201を調製した。
(Green顔料分散液202)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料3の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液201と同様の方法でGreen顔料分散液202を調製した。
(Green顔料分散液203)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料10の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液201と同様の方法でGreen顔料分散液203を調製した。
(Green顔料分散液204)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料15の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液201と同様の方法でGreen顔料分散液204を調製した。
(Green顔料分散液205)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料29の顔料を用いた以外は、Green顔料分散液201と同様の方法でGreen顔料分散液205を調製した。
(Yellow顔料分散液101)
C.I.ピグメントイエロー150を11.3質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.6質量部と、上述した分散剤D−1を3.9質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を83.2質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Yellow顔料分散液101を調製した。
(Yellow顔料分散液102)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料3の顔料を用いた以外は、Yellow顔料分散液101と同様の方法でYellow顔料分散液102を調製した。
(Yellow顔料分散液103)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料10の顔料を用いた以外は、Yellow顔料分散液101と同様の方法でYellow顔料分散液103を調製した。
(Yellow顔料分散液104)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料15の顔料を用いた以外は、Yellow顔料分散液101と同様の方法でYellow顔料分散液104を調製した。
(Yellow顔料分散液105)
C.I.ピグメントイエロー150の代わりに、特開2017−171914号公報の試料29の顔料を用いた以外は、Yellow顔料分散液101と同様の方法でYellow顔料分散液105を調製した。
(Red顔料分散液101)
C.I.ピグメントレッド254を11.6質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.4質量部と、以下に示す分散剤D−3を4.5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を82.5質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Red顔料分散液101を調製した。
分散剤D−3:下記構造の樹脂(主鎖に付記した数値はモル比である。側鎖に付記した数値は、繰り返し数を示す。Mw=24000)
(Red顔料分散液201)
C.I.ピグメントレッド264を11.6質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.4質量部と、上述した分散剤D−3を4.5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を82.5質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Red顔料分散液201を調製した。
(Red顔料分散液301)
C.I.ピグメントレッド177を11.6質量部と、上述した顔料誘導体Aを1.4質量部と、上述した分散剤D−3を4.5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を82.5質量部とを混合し、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))を用いて、3時間、混合および分散して、Red顔料分散液301を調製した。
(樹脂)
P−2:上述した樹脂P−2
(ラジカル重合性化合物)
M−1,M−3:上述したラジカル重合性化合物M−1,M−3
M−4:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
(界面活性剤)
S−2:上述した界面活性剤S−2
S−3:KF6001(信越化学工業(株)製、シロキサン系界面活性剤)
(光重合開始剤)
I−3:IRGACURE OXE02(BASF製、オキシム系開始剤)
(紫外線吸収剤)
U−1:UV−503(大東化学(株)製)
重合禁止剤:p−メトキシフェノール
エポキシ化合物:EHPE3150((株)ダイセル製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
1:コンデンサーレンズ
2:プロジェクションレンズ
4:ワーク
5:レチクル

Claims (15)

  1. 支持体上にネガ型感光性組成物を適用してネガ型感光性組成物層を形成する工程と、
    前記ネガ型感光性組成物層に対してパターンを有するマスクを介して露光する工程と、
    未露光部のネガ型感光性組成物層を除去して現像する工程と、
    を含むパターンの製造方法であって、
    前記マスクは、前記露光に用いる波長の光に対する光学濃度が3.6以上であり、
    前記ネガ型感光性組成物は、着色剤を含む、パターンの製造方法。
  2. 前記パターンの製造方法によって製造されるパターンがカラーフィルタの画素である、請求項1に記載のパターンの製造方法。
  3. 前記マスクは、前記露光に用いる波長の光に対する光学濃度が6以上である、請求項1又は2に記載のパターンの製造方法。
  4. 前記マスクは、波長365nmの光に対する光学濃度が3.6以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  5. 前記マスクは、クロムおよびクロム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  6. 前記ネガ型感光性組成物は、光重合開始剤およびラジカル重合性化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  7. 前記ネガ型感光性組成物は、透明粒子を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  8. 前記ネガ型感光性組成物は、カラーフィルタの画素形成用のネガ型感光性組成物である、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  9. 前記露光時において、露光照度が5000〜50000W/mである、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  10. 前記露光時において、酸素濃度が21%以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  11. 前記現像において、前記ネガ型感光性組成物層に対して現像液をスプレー塗布する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターンの製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターンの製造方法を含むカラーフィルタの製造方法。
  13. 複数色の画素を有するカラーフィルタの製造方法であって、前記複数色の画素のうち少なくとも1色の画素を請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターンの製造方法を用いて形成する、カラーフィルタの製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターンの製造方法を含む固体撮像素子の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターンの製造方法を含む画像表示装置の製造方法。
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