JP6768317B2 - 記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明者らが検討したところ、屋外掲示用途でも用いることができるような耐水性を得るためには、インク受容層のバインダーとして、一般的に用いられている親水性樹脂を少なくし(インク受容層が、水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下)、代わりに、疎水性が高く、加水分解のしにくいバインダー、具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有する必要があることを見出した。上記の特許文献1は、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)を多く含むために耐水性が十分なレベルに達していなかった。また、ポリエステル樹脂やポリエステル変性ウレタン樹脂をバインダーとして用いると、疎水性は高いものの、加水分解しやすいために耐水性が低くなってしまう。
本発明の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
記録媒体の表面粗さは、記録媒体に求める光沢の度合いで適宜調整をすればよい。以下、代表的なものについて、好ましい条件を記載する。尚、記録媒体の表面粗さを調整する方法としては、例えば、基材の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、その上にインク受容層用を形成するための塗工液(以下、「インク受容層用塗工液」という)を塗工する方法や、記録媒体の表面に特定の凹凸を有するロールで押し付ける方法などが挙げられる。また、インク受容層に含有させる無機粒子の粒径によって表面粗さを制御したり、インク受容層表面に更に無機粒子を含む層を設け、その層中の無機粒子の粒径や層の被覆率で表面粗さを制御したりしてもよい。
記録媒体を光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは0.13μm以下であることが好ましく、更には、0.05μm以上であることがより好ましく、0.10μm以上であることが特に好ましい。
記録媒体を半光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは5.0μm以下であることが好ましく、更には、0.1μm以上であることがより好ましく、0.50μm以上であることが特に好ましい。
記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、更には、1.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。また、記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜R△qが0.3μm以上であることが好ましく、更には、0.5μm以上であることがより好ましい。
基材としては、基紙のみから構成されるもの、プラスチックフィルムのみから構成されるもの、クロスのみから構成されるものが挙げられる。また、基材として複数の層を設けたものを用いても良い。具体的には、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、樹脂被覆基材が挙げられる。本発明においては、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、クロスを基材として用いることが好ましい。樹脂被覆基材における樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
本発明において、プラスチックは、分子量10,000以上の高分子を50質量%以上成分として含んでいるものを意味し、プラスチックフィルムとはプラスチックをフィルム状に加工したものを意味する。プラスチックフィルムに用いられるプラスチックは熱可塑性プラスチックであり、具体的には、ビニル系プラスチック、ポリエステル系プラスチック、セルロースエステル系プラスチック、ポリアミド系プラスチック、耐熱エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
本発明において、クロスは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものを意味する。繊維の種類としては天然繊維や天然繊維の性質を持った材質やプラスチックから再生される再生繊維、石油などの高分子を原料とする合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミヤが挙げられる。また再生繊維としてはアセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルが挙げられる。また、合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられる。
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。
本発明において、インク受容層は無機粒子を含有する。
本発明において、インク吸収性、耐傷性及び耐水性の観点から、無機粒子の吸油量が、150ml/100g以上240ml/100g以下であることが好ましい。無機粒子の吸油量が上記範囲内であることで、インク吸収性、耐傷性及び耐水性を更に向上させることができる。特に、本発明者らが検討したところ、無機粒子が疎水性バインダーを吸収する量は、無機粒子の吸油量に大きく依存し、無機粒子の吸油量はインク受容層の吸収量と相関することが分かった。すなわち、無機粒子の吸油量が240ml/100g以下であることによって、疎水性バインダーが無機粒子に吸収されにくくなり、バインダーとしての機能を十分に担保することができる。
ゲル法シリカの製造方法としては、一例として以下の方法で製造できる。
本発明において、インク受容層はバインダーを含有する。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。そして、本発明において、バインダーは、アクリル樹脂及びウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有する。
したがって、(10(g)−X(g))/(10(g)−Y(g))によって、「バインダー中の水溶性樹脂の含有量」が得られる。この値が、0質量%以上20質量%以下であれば、上記水溶性樹脂の規定を満足すると判定する。
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明においては、バインダーがウレタン樹脂を含む場合は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種である必要がある。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて単に「ウレタン樹脂」ともいう。
本発明において、インク受容層がバインダーとしてその他の材料を含有してもよい。特に、本発明においては、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有することが、インク吸収性をより向上する観点から好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体に占める、エチレンに由来するユニット(エチレン重合部分)の割合が、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。上記割合が30質量%より大きいと、バインダーとしての結合力が十分に得られない場合がある。また、上記割合が10質量%より小さいと、親水性の高い酢酸ビニルに由来するユニットの割合が多くなるため、耐水性の向上効果が十分に得られない場合がある。
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<基材の用意>
基材1として、ポリプロピレン合成紙であるニューユポFGS110(ユポコーポレション製)を用意した。また、ポリプロピレンフィルムの表面にコロナ処理(100W・分/m2)を施した後、アクリル樹脂を含有する表面処理液を、上記フィルムのコロナ処理を施した面に乾燥後固形分3g/m2となるように塗布し、乾燥させたものを基材2とした。
純水中に、表1に記載の無機粒子を添加した後、ミキサーで30分間撹拌し、固形分の含有量が15.0質量%である無機粒子分散液を調製した。
ミズカシルP−50(水澤化学製)
ミズカシルP−73(水澤化学製)
ミズカシルP−707(水澤化学製)
サイロイド72(グレース製)
サイロイドC503(グレース製)
サイリシア430(富士シリシア化学製)
サイリシア440(富士シリシア化学製)
SILYSIA440(SILYSIAMONT S.p.A製)
NIPGEL CY−200(東ソーシリカ製)
NIPGEL E−75(東ソーシリカ製)
NIPGEL AY−603(東ソーシリカ製)
NIPGEL BZ−400(東ソーシリカ製)
また、合成シリカ1は、シリカヒドロゲルに対して水熱処理を行う際の水のpH、温度及び処理時間を調整することによって、表1の物性を満たすように作製された。
以下の方法により各記録媒体を作製した。得られた記録媒体について、自動比表面積/細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いた窒素吸着法によって、得られた記録媒体のBET比表面積(m2/g)、細孔分布を測定し、2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計(ml/g)、及び、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計の、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対する割合(体積%)をそれぞれ算出した。この結果を表2に示す。
カチオン性アクリル樹脂 モビニール7820(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)16.93部、硝酸カルシウム・4水和物0.95部、無機粒子分散液76.19部、水5.93部を加えて、固形分20質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m2)が25g/m2となるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体1を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液2〜5にした以外は同様にして、各記録媒体を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂を、ノニオン性アクリル樹脂 モビニール7720(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)16.93部にした以外は同様にして、記録媒体6を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂 ハイドランWLS210(DIC製;固形分濃度35質量%、Tg:−15℃)21.77部、水1.09部にした以外は同様にして、記録媒体7を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部を、アクリル樹脂 ボンロンT−733(三井化学社製;固形分濃度49質量%、Tg:23℃)16.93部にした以外は同様にして、記録媒体8を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、ポリエーテル変性ウレタン樹脂 ハイドランWLS201(DIC製;固形分濃度35質量%、Tg:−50℃)21.77部、水1.09部にした以外は同様にして、記録媒体9を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、カチオン性アクリル樹脂13.33部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 スミカフレックス355HQ(住化ケムテックス製;固形分濃度55質量%)3.64部、水3.03部にした以外は同様にして、記録媒体10を得た。
上記(記録媒体10の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、無機粒子分散液4にした以外は同様にして、記録媒体11を得た。
上記(記録媒体11の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体 スミカフレックス355HQを、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E(日本合成製;固形分濃度55質量%)にした以外は同様にして、記録媒体12を得た。
上記(記録媒体12の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液4を、無機粒子分散液3にした以外は同様にして、記録媒体13を得た。
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂14.81部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E1.73部、水6.31部にした以外は同様にして、記録媒体14を得た。
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂8.47部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E6.93部、水7.47部にした以外は同様にして、記録媒体15を得た。
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂4.23部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E10.39部、水8.23部にした以外は同様にして、記録媒体16を得た。
上記(記録媒体4の作製)において、基材1を基材2に変更した以外は同様にして、記録媒体17を得た。
上記(記録媒体12の作製)において、基材1を基材2に変更した以外は同様にして、記録媒体18を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液6〜12にした以外は同様にして、各記録媒体19〜25を得た。
カチオン性アクリル樹脂 モビニール7820(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)11.43部、ポリビニルアルコール PVA124(クラレ製;固形分濃度14質量%)12.24部、硝酸カルシウム・4水和物0.86部、無機粒子分散液68.57部、水6.9部を加えて、固形分18質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m2)が25g/m2となるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体26を得た。尚、記録媒体26のインク受容層中のバインダーの含有量に対する水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)の含有量は25質量%である。
ポリエステル変性ウレタン樹脂 NS310X(高松油脂製;固形分濃度14質量%)40.82部、硝酸カルシウム・4水和物0.71部、無機粒子分散液57.14部、水1.33部を加えて、固形分15質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m2)が25g/m2となるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体27を得た。
上記(記録媒体26の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂11.43部を12.19部に変更し、ポリビニルアルコール12.24部を9.80部に変更し、水6.9部を8.59部に変更した以外は同様にして、記録媒体28を得た。
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、無機粒子分散液13に変更した以外は同様にして、記録媒体29を得た。
※2:2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計
また、表2における細孔容積の割合の単位の「%」は「体積%」である。
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のAA〜B−を好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。また、実施例8は参考例1と読み替えるものとする。
各記録媒体のインク受容層が形成されている側の面に、黒紙 ニューカラーR(リンテック製)を75g/cm2の荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(テスター産業製)にて20回往復させた。試験前後の黒紙の表面(記録媒体に押し付けた側の面)の光学濃度の変化率を光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定した。尚、光学濃度の変化率が大きい程、黒紙に削れたインク受容層が付着していることになるため、記録媒体の耐傷性が低いことを意味する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示す。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上35%未満であった
B−:光学濃度の変化率が35%以上45%未満であった
C:光学濃度の変化率が45%以上であった。
各記録媒体を、80℃の温水中に5時間浸漬後乾燥させた。乾燥後の記録媒体の耐傷性を、上記と同様の方法で測定した。尚、光学濃度の変化率が大きい程、水に濡れた後の耐傷性が低くなるため、記録媒体の耐水性が低いことを意味する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示す。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった。
各記録媒体に、インクジェット記録装置を用いて、140%デューティのシアンインクのベタ画像を記録し、得られた画像におけるインクの溢れを目視で観察し、以下の評価基準で評価した。尚、インクジェット記録装置としてはimagePROGRAF iPF6400(キヤノン製)を用い、インクタンクPFI−106(キヤノン製)を装着して記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に約4.5ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。評価結果を表3に示す。
AA:インクの溢れがほとんど見られなかった
A:インクの溢れが僅かに見られた
B:インクの溢れが見られた
C:インクの溢れが顕著に見られた。
Claims (19)
- 基材とインク受容層とを有する記録媒体であって、
前記インク受容層が、
無機粒子及びバインダーを含有し、かつ、
水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下であり、
前記バインダーが、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
前記無機粒子の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下であり、
前記インク受容層中における前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする記録媒体。 - 前記記録媒体の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下である請求項1に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が、カチオン性樹脂である請求項1または2に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が、ノニオン性樹脂である請求項1または2に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂のガラス転移点が、20℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂のガラス転移点が、4℃以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記バインダーが、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記バインダーが、前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記無機粒子が、湿式法シリカである請求項1〜8のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記インク受容層が、多価金属塩を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記記録媒体の、細孔半径が2nm以上10nm以下における、細孔容積の合計が、0.2ml/g以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記無機粒子の吸油量が、150ml/100g以上240ml/100g以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記無機粒子の吸油量が、200ml/100g以上240ml/100g以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記無機粒子のBET比表面積が、380m2/g以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記無機粒子のBET比表面積が、380m2/g以上754m2/g以下である請求項1〜14のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記インク受容層中における前記無機粒子の含有量は、前記インク受容層の全質量に対して40質量%以上90質量%以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記インク受容層は、前記水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が15質量%以下である請求項1〜16のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記インク受容層は、前記水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が10質量%以下である請求項1〜17のいずれか1項に記載の記録媒体。
- 前記記録媒体は、インクジェット用記録媒体である請求項1〜18のいずれか1項に記載の記録媒体。
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