JP6768317B2 - 記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は記録媒体に関する。
近年、インクジェット方式の画像記録方法を用いて、記録媒体に画像を記録した記録物を、屋外に掲示する場合がある。屋外掲示用途で用いられる記録媒体は、従来の記録媒体と同等のインク吸収性を維持しつつも、従来の記録媒体以上に、インク受容層の耐傷性及び耐水性が高いことが求められる。
従来、インク受容層の耐傷性や耐水性を改善する技術として、アクリル樹脂やウレタン樹脂などの水不溶性の樹脂をインク受容層に含有させた記録媒体が知られている。特許文献1には、アクリル系樹脂エマルジョンとポリビニルアルコールとシリカとメラミン系架橋剤とを特定の比率で含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性が改善することが記載されている。特許文献2には、シリカとアクリル樹脂及び/又はウレタン樹脂と水溶性アルミニウム塩とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性及び耐傷性が改善することが記載されている。特許文献3には、シリカと水不溶性分散型カチオン性アクリル樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性が改善することが記載されている。特許文献4には、水不溶性樹脂と顔料と水溶性カチオン樹脂と界面活性剤とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、インク吸収性、耐水性、表面強度が改善することが記載されている。特許文献5には、樹脂フィルム上に、非晶質シリカと水不溶性樹脂と水溶性樹脂とを含有するインク受容層を有する記録媒体によって、耐水性、強度が改善することが記載されている。
特開2000−318304号公報 特開2002−052812号公報 特開2001−001629号公報 特開2001−105717号公報 特開平10−272832号公報
本発明者らの検討によると、特許文献1〜5に記載の記録媒体では、インク受容層の耐傷性及び耐水性は改善されるものの、本発明で求めるレベルには達していなかった。
本発明の目的は、インク吸収性、耐傷性及び耐水性に優れる記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明の一態様によれば、基材とインク受容層とを有し、前記インク受容層が、無機粒子及びバインダーを含有し、かつ、水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下であり、前記バインダーが、アクリル樹脂ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、無機粒子の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下であり、前記インク受容層中における前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、30質量%以上70質量%以下である記録媒体が提供される。
本発明によれば、インク吸収性、耐傷性及び耐水性に優れる記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが検討したところ、屋外掲示用途でも用いることができるような耐水性を得るためには、インク受容層のバインダーとして、一般的に用いられている親水性樹脂を少なくし(インク受容層が、水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下)、代わりに、疎水性が高く、加水分解のしにくいバインダー、具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有する必要があることを見出した。上記の特許文献1は、水溶性樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)を多く含むために耐水性が十分なレベルに達していなかった。また、ポリエステル樹脂やポリエステル変性ウレタン樹脂をバインダーとして用いると、疎水性は高いものの、加水分解しやすいために耐水性が低くなってしまう。
しかしながら、アクリル樹脂やポリカーボネート変性ウレタン樹脂やポリエーテル変性ウレタン樹脂をバインダーとして用いた場合、無機粒子を結着する能力が低く、記録媒体のインク受容層は傷に弱いもの、即ち、耐傷性が低いものになってしまったり、インク吸収性が低いものになってしまったりする場合があった。本発明者らが検討したところ、これは無機粒子自体にアクリル樹脂やポリカーボネート変性ウレタン樹脂やポリエーテル変性ウレタン樹脂といった疎水性バインダーが吸収されてしまい、本来のバインダーとしての機能を示さなくなってしまうことが原因であることが分かった。より詳細には、以下の現象が起きていると推測される。
無機粒子は1次粒子同士が集合することで、多数の1次粒子からなる2次粒子となる。更に、この2次粒子同士をバインダーによって結着することで、インク受容層は形成されている。上述の疎水性バインダーの吸収現象は、無機粒子の1次粒子間の細孔に、疎水性バインダーが吸収される現象である。その結果、2次粒子同士を結着するバインダーが減り、インク受容層に外力がかかった際に2次粒子同士が乖離しやすくなるため、耐傷性が低くなる。また、記録媒体のインク吸収性は、無機粒子の1次粒子間の細孔及び2次粒子間の細孔(1次粒子間の細孔よりも大きい)が、インク中の液体分を吸収することで発現する。しかしながら、上述の疎水性バインダーの吸収現象の結果、無機粒子の1次粒子間の細孔が疎水性バインダーによって埋まってしまうため、記録媒体のインク吸収性も低くなってしまうのである。
本発明者らが検討したところ、一般的に、疎水性バインダーの吸収に関わる無機粒子の1次粒子間の細孔の大きさ(細孔分布測定をした際の細孔半径)が、7nm以上であることが分かった。即ち、無機粒子の1次粒子間の細孔の大きさが、7nmより小さい場合には、細孔が小さいために疎水性バインダーが吸収されにくい。そこで、疎水性バインダーの吸収に関わる無機粒子の1次粒子間の細孔、即ち、細孔半径が7nm以上の細孔の割合が少ない程、上述の疎水性バインダーの吸収現象が抑制され、耐傷性及びインク吸収性を向上することができるはずであると考え、本発明に至ったのである。このとき、細孔分布測定をした際の細孔半径が7nm以上としてしまうと、上述の2次粒子間の細孔(1次粒子間の細孔よりも大きい)も含まれてしまう。そこで、疎水性バインダーの吸収に影響のない、2次粒子間の細孔を除き、無機粒子の1次粒子間の細孔のみをカウントできるように、便宜上、細孔分布測定をした際の細孔半径の上限を「20nm」と設定している。この上限「20nm」は、本発明者らが種々の無機粒子について検討を行った結果、実験的に得られた数値であり、上限をこの値にすることで、一般的な無機粒子について無機粒子の1次粒子間の細孔のみをカウントできることを確認している。
本発明の一態様においては、上記「疎水性バインダーの吸収に関わる無機粒子の1次粒子間の細孔、即ち、細孔半径が7nm以上の細孔の割合」を、(記録媒体の7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計)/(記録媒体の0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計)×100(体積%)で表している。そして、種々の記録媒体について検討を行った結果、記録媒体の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下であることによって、インク吸収性、耐傷性及び耐水性の全てを高いレベルで達成できることを見出したのである。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果、即ち、インク吸収性、耐傷性及び耐水性の全てを高いレベルで達成することが可能となる。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、基材と、少なくとも1層のインク受容層とを有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。
(記録媒体の表面粗さ)
記録媒体の表面粗さは、記録媒体に求める光沢の度合いで適宜調整をすればよい。以下、代表的なものについて、好ましい条件を記載する。尚、記録媒体の表面粗さを調整する方法としては、例えば、基材の表面を特定の凹凸を有するロールで押し付け、その上にインク受容層用を形成するための塗工液(以下、「インク受容層用塗工液」という)を塗工する方法や、記録媒体の表面に特定の凹凸を有するロールで押し付ける方法などが挙げられる。また、インク受容層に含有させる無機粒子の粒径によって表面粗さを制御したり、インク受容層表面に更に無機粒子を含む層を設け、その層中の無機粒子の粒径や層の被覆率で表面粗さを制御したりしてもよい。
(1)光沢紙
記録媒体を光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは0.13μm以下であることが好ましく、更には、0.05μm以上であることがより好ましく、0.10μm以上であることが特に好ましい。
(2)半光沢紙
記録媒体を半光沢紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは5.0μm以下であることが好ましく、更には、0.1μm以上であることがより好ましく、0.50μm以上であることが特に好ましい。
(3)マット紙
記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、更には、1.0μm以上5.0μm以下であることがより好ましい。また、記録媒体をマット紙とする場合、記録媒体の表面のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の二乗平均平方根傾斜R△qが0.3μm以上であることが好ましく、更には、0.5μm以上であることがより好ましい。
以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<基材>
基材としては、基紙のみから構成されるもの、プラスチックフィルムのみから構成されるもの、クロスのみから構成されるものが挙げられる。また、基材として複数の層を設けたものを用いても良い。具体的には、基紙と樹脂層を有するもの、即ち、樹脂被覆基材が挙げられる。本発明においては、樹脂被覆基材、プラスチックフィルム、クロスを基材として用いることが好ましい。樹脂被覆基材における樹脂層は、基紙の片面のみに設けられていてもよいが、両面に設けられていることが好ましい。
本発明において、基材の膜厚は、50μm以上400μm以下であることが好ましく、更には、70μm以上200μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基材の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基材の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基材の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
(1)樹脂被覆基材
(基紙)
基紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしては広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹溶解パルプ(LDP)、針葉樹溶解パルプ(NDP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)などが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
本発明において、基紙の膜厚は、50μm以上130μm以下であることが好ましく、更には、90μm以上120μm以下であることがより好ましい。尚、本発明において、基紙の膜厚は、以下の方法で算出する。まず、記録媒体の断面をマイクロトームで切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡で観察する。そして、基紙の任意の100点以上の膜厚を測定し、その平均値を基紙の膜厚とする。尚、本発明におけるその他の層の膜厚も同様の方法で算出するものとする。
本発明において、基紙のJIS P 8118で規定される紙密度は、0.6g/cm以上1.2g/cm以下であることが好ましい。更には、0.7g/cm以上1.2g/cm以下であることがより好ましい。
(樹脂層)
本発明において、基紙が樹脂で被覆されている場合は、樹脂層は基紙の表面の一部を被覆するように設けられていればよいが、樹脂層の被覆率(樹脂層で被覆された基紙の表面の面積/基紙の表面の全面積)が70%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、更には、100%であること、即ち、基紙の表面の全面が樹脂層で被覆されていることが特に好ましい。
また、本発明において、樹脂層の膜厚は、20μm以上60μm以下であることが好ましく、更には、樹脂層の膜厚は、35μm以上50μm以下であることがより好ましい。樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、両面の樹脂層の膜厚がそれぞれ上記範囲を満足することが好ましい。
樹脂層に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。本発明において、ポリオレフィン樹脂とは、モノマーとしてオレフィンを用いた重合体を意味する。具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの単重合体や共重合体が挙げられる。ポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
本発明において、樹脂層は、不透明度や白色度や色相を調整するために、白色顔料や蛍光増白剤や群青などを含有してもよい。中でも、不透明度を向上することができるため、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料としては、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。本発明において、樹脂層中の白色顔料の含有量は、3g/m以上30g/m以下であることが好ましい。尚、樹脂層を基紙の両面に設ける場合は、2つの樹脂層中の白色顔料の合計の含有量が、上記範囲を満足することが好ましい。また、樹脂層中の、白色顔料の含有量は、樹脂の含有量に対して、25質量%以下であることが好ましい。25質量%より大きいと、白色顔料の分散安定性が十分に得られない場合がある。
本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さRaは、0.12μm以上0.18μm以下であることが好ましく、更には、0.13μm以上0.15μm以下であることがより好ましい。
また、本発明において、樹脂層のJIS B 0601:2001で規定される粗さ曲線要素の平均長さRSmは、0.01mm以上0.20mm以下であることが好ましく、更には、0.04mm以上0.15mm以下であることがより好ましい。
(2)プラスチックフィルム
本発明において、プラスチックは、分子量10,000以上の高分子を50質量%以上成分として含んでいるものを意味し、プラスチックフィルムとはプラスチックをフィルム状に加工したものを意味する。プラスチックフィルムに用いられるプラスチックは熱可塑性プラスチックであり、具体的には、ビニル系プラスチック、ポリエステル系プラスチック、セルロースエステル系プラスチック、ポリアミド系プラスチック、耐熱エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
ビニル系プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニデリン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリプロピレン、フッ素系樹脂が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。セルロースエステル系プラスチックとしては、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレートが挙げられる。ポリアミド系プラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12が挙げられる。耐熱エンジニアリングプラスチックとしては、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
本発明においては、耐久性とコストの観点から、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
また、本発明においては前記のプラスチックに薬品処理や表面コート、内添などの処理を施すことによって不透明度を高めた合成紙も、プラスチックフィルムとして使用することもできる。ここでいう薬品処理とは、プラスチックフィルムの表面をアセトン、メチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に浸漬させることにより膨潤層を発生させ、メタノールなどの別の有機溶剤によって膨潤層を乾燥凝固させる方法が挙げられる。表面コートとは、炭酸カルシウムや酸化チタンなどの白色顔料及び結合剤からなる層をプラスチックの表面に形成させる方法が挙げられる。また、内添とは、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料を充てん剤としてプラスチック内に混入する方法がある。更には、ポリブチレンテレフタレート微粒子やポリカーボネート微粒子、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などを添加することにより、プラスチック内に空隙を形成することによって不透明度を高めた発泡プラスチックフィルムも使用することができる。
本発明において、プラスチックフィルムの膜厚は、50μm以上300μm以下であることが好ましく、75μm以上135μm以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムに用いるプラスチックのガラス転移点は、−20℃以上150℃以下であることが好ましく、−20℃以上80℃以下であることがより好ましい。尚、本発明におけるガラス転移点は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7112:1999で規定されるプラスチック密度は、0.6g/cm以上1.5g/cm以下であることが好ましく、0.7g/cm以上1.4g/cm以下であることがより好ましい。
本発明において、プラスチックフィルムのJIS K 7209:2000で規定される吸水率は5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
また、プラスチックフィルムの場合、表面酸化処理による表面処理を行うことにより、インク受容層とプラスチックフィルムとの密着性を向上することが出来る。
表面酸化処理としてはコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理が挙げられ、これらを単独もしくは組み合わせて行うことが出来る。この中で好ましいのではオゾン処理であり、処理量として10〜200W・分/mより好ましくは50〜150W・分/m範囲で処理を行うことが好ましい。
(3)クロス
本発明において、クロスは、多数の繊維を薄く広い板状に加工したものを意味する。繊維の種類としては天然繊維や天然繊維の性質を持った材質やプラスチックから再生される再生繊維、石油などの高分子を原料とする合成繊維が挙げられる。天然繊維としては、木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミヤが挙げられる。また再生繊維としてはアセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステルが挙げられる。また、合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリウレタンが挙げられる。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は単層でもよいし、2層以上の複層でもよい。また、インク受容層は、上記基材の片面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。
本発明の一態様において、記録媒体の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下である必要がある。
基材の片面における、インク受容層の膜厚は、15μm以上60μm以下であることが好ましく、25μm以上50μm以下であることがより好ましく、30μm以上45μm以下であることが特に好ましい。また、インク受容層用塗工液の塗工量は、5g/m以上40g/m以下であることが好ましい。インク受容層用塗工液の塗工量が上記範囲内であることで、インク吸収性の向上と、塗工液の塗工安定性の向上が両立できる。
以下、インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層は無機粒子を含有する。
本発明において、インク吸収性、耐傷性及び耐水性の観点から、無機粒子の吸油量が、150ml/100g以上240ml/100g以下であることが好ましい。無機粒子の吸油量が上記範囲内であることで、インク吸収性、耐傷性及び耐水性を更に向上させることができる。特に、本発明者らが検討したところ、無機粒子が疎水性バインダーを吸収する量は、無機粒子の吸油量に大きく依存し、無機粒子の吸油量はインク受容層の吸収量と相関することが分かった。すなわち、無機粒子の吸油量が240ml/100g以下であることによって、疎水性バインダーが無機粒子に吸収されにくくなり、バインダーとしての機能を十分に担保することができる。
尚、本発明において、吸油量は、JIS K 5101−13−1に規定される「精製あまに油法」に準じて測定されるものを意味する。
また、無機粒子のBET比表面積が、380m/g以上であることが好ましい。無機粒子のBET比表面積を380m/g以上とすることで、疎水性バインダーと無機粒子との接触面積が広くなるため、両者の相互作用が更に高まり、高い耐傷性を達成することができる。
本発明において、BET比表面積は、BET法で求められる比表面積であり、BET法は試料表面に大きさの分かっている分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。本発明においては、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
本発明において、インク受容層に含有される無機粒子の吸油量及びBET比表面積は、記録媒体から測定することができる。具体的には、インク受容層の一部を掻き取り、600℃の温度で2時間加熱する。このインク受容層の一部を加熱することによって得られた残存物を、インク受容層に含有される無機粒子とみなすことができる。
本発明において、記録媒体の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下となるためには、無機粒子の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下であることが好ましい。
また、本発明において、記録媒体の、2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0.2ml/g以上であることが好ましい。係る構成を満足するためには、無機粒子の、2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0.4ml/g以上であることが好ましい。
本発明において、無機粒子は、分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられてもよい。分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、1μm以上20μm以下が好ましく、更には、3μm以上9μm以下がより好ましい。尚、分散状態での無機粒子の平均二次粒子径は、レーザー回折法によって測定される体積平均二次粒子径である。
本発明において、インク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、40質量%以上90質量%以下であることが好ましく、更には、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるシリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるシリカは、その製法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、湿式法により得られるシリカ(以下、「湿式法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。湿式法シリカとしては、沈降法シリカやゲル法シリカが挙げられる。
ゲル法シリカの製造方法としては、一例として以下の方法で製造できる。
まず、SiO濃度が10〜20質量%となるように珪酸塩と無機酸とを反応させて生成したシリカヒドロゾルをゲル化する。なお、珪酸塩としては、珪酸ナトリウム,珪酸カリウム,珪酸アンモニウム等が挙げられるが、工業的には珪酸ナトリウムが多く使われている。また、無機酸としては、硫酸,硝酸,塩酸等が挙げられるが、一般的には硫酸が用いられる。
次いで、上記工程により得られたシリカヒドロゲルを水洗すると、シリカヒドロゲルに含まれる無機酸塩が除去される。
上記シリカヒドロゲルに対して水熱処理を行うことで、平均細孔径および吸油量を調整することができる。上記シリカヒドロゲルに対し、pH2〜10、温度20〜100℃の水で水熱処理すると、平均細孔径および吸油量が増大する。水熱処理に用いる水のpH、温度及び時間の設定に応じて、シリカゲルの平均細孔径および吸油量が調整される。なお、シリカゲルの物性のバランスを考慮すればpH2〜8、温度40〜90℃で水熱処理することが望ましい。
次にこのシリカヒドロゲルを、数μmの平均粒子径を持つシリカ粒子となるようにボールミルなどで粉砕して粒状とし、温度100〜1000℃で、1〜100秒間乾燥することにより、本発明のシリカ粒子を製造することが出来る。
(バインダー)
本発明において、インク受容層はバインダーを含有する。本発明において、バインダーとは、無機粒子を結着し、被膜を形成することができる材料を意味する。そして、本発明において、バインダーは、アクリル樹脂及びウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有する。
更に、本発明においては、インク受容層が、(1)水溶性樹脂を含有しない、又は、(2)前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下である必要がある。即ち、インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する水溶性樹脂の含有量が、0質量%以上20質量%以下である必要がある。更には、0質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。このことは、得られた記録媒体を用いて、以下の方法により判定することができる。尚、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルアルコール誘導体などが挙げられる。
先ず、記録媒体のインク受容層を10g掻き取り、1,000g以上の温水(水温が80℃)に投入し、撹拌する。その後、この液体を濾過し、固形分を乾燥させ、質量を測る(Xgとする)。このとき、10(g)−X(g)で算出される値が、掻き取ったインク受容層10g中に含まれる水溶性樹脂の含有量とする。
次に同様に記録媒体のインク受容層を10g掻き取り、600℃の温度で2時間加熱し、残存物の質量を測る(Ygとする)このとき、10(g)−Y(g)で算出される値が掻き取ったインク受容層10g中に含まれるバインダーの含有量である。
したがって、(10(g)−X(g))/(10(g)−Y(g))によって、「バインダー中の水溶性樹脂の含有量」が得られる。この値が、0質量%以上20質量%以下であれば、上記水溶性樹脂の規定を満足すると判定する。
本発明において、アクリル樹脂及びウレタン樹脂は、インク受容層塗工液において樹脂粒子の状態(エマルションの状態)で用いられることが好ましい。
本発明においては、インク吸収性の観点から、インク受容層中の、バインダーの含有量が、無機粒子の含有量に対して、100質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。また、インク受容層の結着性の観点から、上記比率は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
本発明において、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂およびポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂のガラス転移点は、20℃以下であることが好ましい。なお、これらの樹脂のガラス転移点は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC法)により測定することができる。樹脂のガラス転移点が上記範囲内であることで、樹脂と無機粒子との結着力が強くなり、耐傷性を向上させることができる。
また、本発明において、得られる画像の発色性の観点から、アクリル樹脂、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂およびポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される樹脂はカチオン性樹脂であることが好ましく、インク受容層用塗工液の塗工安定性の観点からノニオン性樹脂であることが好ましい。
(1)アクリル樹脂
本発明において、アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルの重合体を意味する。(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして用いるのであれば、単重合体でも、その他のモノマーとの共重合体であってもよい。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。また、メタクリル酸エステルとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、などが挙げられる。また、その他のモノマーと共重合してもよい。(メタ)アクリル酸エステルと共重合することができるその他のモノマーとしては、ビニル系モノマーが挙げられる。具体的に、ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン類及びその誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾン、ビニルスルホン酸などのビニルエーテル類及びその誘導体が挙げられる。
本発明においては、アクリル樹脂が、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの共重合体であることが好ましい。中でも、ガラス転移温度が比較的高いメタクリル酸エステルとガラス転移温度が比較的低いアクリル酸エステルとの共重合体は、最終的に得られるアクリル樹脂のガラス転移点をその共重合比率によって制御ができるためより好ましい。
(2)ウレタン樹脂(ポリカーボネート変性ウレタン樹脂、ポリエーテル変性ウレタン樹脂)
本発明において、ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を有する樹脂を意味する。本発明においては、バインダーがウレタン樹脂を含む場合は、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種である必要がある。以下、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂をまとめて単に「ウレタン樹脂」ともいう。
具体的にウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールと鎖延長剤とを反応させることによって得られる化合物であることが好ましい。具体的に、ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートなどが挙げられる。また、ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートなどのポリカーボネート系ポリオールが挙げられる。鎖延長剤としては、エチレングリコールなどの低分子グリコール、低分子ジアミン、低分子アミノアルコールなどの活性水素原子を含有する化合物を使用することができる。これらは1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。
(3)その他のバインダー
本発明において、インク受容層がバインダーとしてその他の材料を含有してもよい。特に、本発明においては、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有することが、インク吸収性をより向上する観点から好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体に占める、エチレンに由来するユニット(エチレン重合部分)の割合が、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。上記割合が30質量%より大きいと、バインダーとしての結合力が十分に得られない場合がある。また、上記割合が10質量%より小さいと、親水性の高い酢酸ビニルに由来するユニットの割合が多くなるため、耐水性の向上効果が十分に得られない場合がある。
また、インク受容層中のバインダー全体の含有量に占めるエチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきたもの以外のその他の添加剤を含有してもよい。具体的には、架橋剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、インク定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
中でも、架橋剤としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、チタン系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、ホウ酸塩、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物などが挙げられる。
また、インク定着剤として、上記アクリル樹脂やウレタン樹脂以外のカチオン性樹脂や、多価金属塩を含有することが好ましい。
カチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物などが挙げられる。多価金属塩としては、カルシウム化合物、マグネシウム化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、アルミニウム化合物などが挙げられる。中でも、カルシウム化合物が好ましく、特に、硝酸カルシウム・4水和物がより好ましい。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を調製する工程、及び、インク受容層用塗工液を基材に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
本発明の記録媒体において、基材にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、インク受容層用塗工液を調製する。そして、基材に上記塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、ロールコーター、ブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビアコーター、リバースコーター、トランスファーコーター、ダイコーター、キスコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。
また、インク受容層用塗工液の塗工に先立ち、基材の塗工液を塗工する面に表面処理剤を含有する表面処理液を付与してもよい。そうすることにより、塗工液の基材への濡れ性が高まり、インク受容層と基材との密着性を向上させることができる。この場合、表面処理剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂やシランカップリング剤などが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適且組み合わせて用いることができる。また、表面処理液中には、本発明の効果を損なわない範囲で、無機粒子を含有させてもよい。無機粒子としては、上記で列挙したものを用いることができる。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
[記録媒体の作製]
<基材の用意>
基材1として、ポリプロピレン合成紙であるニューユポFGS110(ユポコーポレション製)を用意した。また、ポリプロピレンフィルムの表面にコロナ処理(100W・分/m)を施した後、アクリル樹脂を含有する表面処理液を、上記フィルムのコロナ処理を施した面に乾燥後固形分3g/mとなるように塗布し、乾燥させたものを基材2とした。
<無機粒子分散液の調製>
純水中に、表1に記載の無機粒子を添加した後、ミキサーで30分間撹拌し、固形分の含有量が15.0質量%である無機粒子分散液を調製した。
また、用いた無機粒子の吸油量(ml/100g)を精製あまに油法によって測定した。更に、自動比表面積/細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いた窒素吸着法によって、用いた無機粒子のBET比表面積(m/g)、細孔分布を測定し、2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計(ml/g)、及び、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計の、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対する割合(体積%)をそれぞれ算出した。この結果も表1に示す。尚、表中の無機粒子(何れも湿式法シリカ)の製品名及び製造メーカーは以下の通りである。
ミズカシルP−50(水澤化学製)
ミズカシルP−73(水澤化学製)
ミズカシルP−707(水澤化学製)
サイロイド72(グレース製)
サイロイドC503(グレース製)
サイリシア430(富士シリシア化学製)
サイリシア440(富士シリシア化学製)
SILYSIA440(SILYSIAMONT S.p.A製)
NIPGEL CY−200(東ソーシリカ製)
NIPGEL E−75(東ソーシリカ製)
NIPGEL AY−603(東ソーシリカ製)
NIPGEL BZ−400(東ソーシリカ製)
また、合成シリカ1は、シリカヒドロゲルに対して水熱処理を行う際の水のpH、温度及び処理時間を調整することによって、表1の物性を満たすように作製された。
Figure 0006768317
<記録媒体の作製>
以下の方法により各記録媒体を作製した。得られた記録媒体について、自動比表面積/細孔分布測定装置トライスター3000(島津製作所製)を用いた窒素吸着法によって、得られた記録媒体のBET比表面積(m/g)、細孔分布を測定し、2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計(ml/g)、及び、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計の、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対する割合(体積%)をそれぞれ算出した。この結果を表2に示す。
(記録媒体1の作製)
カチオン性アクリル樹脂 モビニール7820(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)16.93部、硝酸カルシウム・4水和物0.95部、無機粒子分散液76.19部、水5.93部を加えて、固形分20質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m)が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体1を得た。
(記録媒体2〜5の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液2〜5にした以外は同様にして、各記録媒体を得た。
(記録媒体6の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂を、ノニオン性アクリル樹脂 モビニール7720(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)16.93部にした以外は同様にして、記録媒体6を得た。
(記録媒体7の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂 ハイドランWLS210(DIC製;固形分濃度35質量%、Tg:−15℃)21.77部、水1.09部にした以外は同様にして、記録媒体7を得た。
(記録媒体8の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部を、アクリル樹脂 ボンロンT−733(三井化学社製;固形分濃度49質量%、Tg:23℃)16.93部にした以外は同様にして、記録媒体8を得た。
(記録媒体9の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、ポリエーテル変性ウレタン樹脂 ハイドランWLS201(DIC製;固形分濃度35質量%、Tg:−50℃)21.77部、水1.09部にした以外は同様にして、記録媒体9を得た。
(記録媒体10の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂16.93部、水5.93部を、カチオン性アクリル樹脂13.33部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 スミカフレックス355HQ(住化ケムテックス製;固形分濃度55質量%)3.64部、水3.03部にした以外は同様にして、記録媒体10を得た。
(記録媒体11の作製)
上記(記録媒体10の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、無機粒子分散液4にした以外は同様にして、記録媒体11を得た。
(記録媒体12の作製)
上記(記録媒体11の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体 スミカフレックス355HQを、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E(日本合成製;固形分濃度55質量%)にした以外は同様にして、記録媒体12を得た。
(記録媒体13の作製)
上記(記録媒体12の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液4を、無機粒子分散液3にした以外は同様にして、記録媒体13を得た。
(記録媒体14の作製)
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂14.81部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E1.73部、水6.31部にした以外は同様にして、記録媒体14を得た。
(記録媒体15の作製)
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂8.47部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E6.93部、水7.47部にした以外は同様にして、記録媒体15を得た。
(記録媒体16の作製)
上記(記録媒体12の作製)において、カチオン性アクリル樹脂4.23部、エチレン−酢酸ビニル共重合体 モビニール109E10.39部、水8.23部にした以外は同様にして、記録媒体16を得た。
(記録媒体17の作製)
上記(記録媒体4の作製)において、基材1を基材2に変更した以外は同様にして、記録媒体17を得た。
(記録媒体18の作製)
上記(記録媒体12の作製)において、基材1を基材2に変更した以外は同様にして、記録媒体18を得た。
(記録媒体19〜25の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、それぞれ無機粒子分散液6〜12にした以外は同様にして、各記録媒体19〜25を得た。
(記録媒体26の作製)
カチオン性アクリル樹脂 モビニール7820(日本合成製;固形分濃度45質量%、Tg:4℃)11.43部、ポリビニルアルコール PVA124(クラレ製;固形分濃度14質量%)12.24部、硝酸カルシウム・4水和物0.86部、無機粒子分散液68.57部、水6.9部を加えて、固形分18質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m)が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体26を得た。尚、記録媒体26のインク受容層中のバインダーの含有量に対する水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)の含有量は25質量%である。
(記録媒体27の作製)
ポリエステル変性ウレタン樹脂 NS310X(高松油脂製;固形分濃度14質量%)40.82部、硝酸カルシウム・4水和物0.71部、無機粒子分散液57.14部、水1.33部を加えて、固形分15質量%のインク受容層用塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材1に、乾燥塗工量(g/m)が25g/mとなるように塗工し、115℃の熱風で乾燥し、記録媒体27を得た。
(記録媒体28の作製)
上記(記録媒体26の作製)において、インク受容層用塗工液に用いるカチオン性アクリル樹脂11.43部を12.19部に変更し、ポリビニルアルコール12.24部を9.80部に変更し、水6.9部を8.59部に変更した以外は同様にして、記録媒体28を得た。
なお、記録媒体28のインク受容層中のバインダーの含有量に対する水溶性樹脂(ポリビニルアルコール)の含有量は20質量%である。
(記録媒体29の作製)
上記(記録媒体1の作製)において、インク受容層用塗工液に用いる無機粒子分散液1を、無機粒子分散液13に変更した以外は同様にして、記録媒体29を得た。
Figure 0006768317
※1:7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計の、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対する割合
※2:2nm以上10nm以下の細孔半径における細孔容積の合計
また、表2における細孔容積の割合の単位の「%」は「体積%」である。
[評価]
本発明においては、下記の各評価項目の評価基準のAA〜B−を好ましいレベルとし、Cを許容できないレベルとした。また、実施例8は参考例1と読み替えるものとする。
(耐傷性)
各記録媒体のインク受容層が形成されている側の面に、黒紙 ニューカラーR(リンテック製)を75g/cmの荷重をかけて押し付け、学振型摩擦堅牢度試験機AB−301 COLOR FASTNESS RUBBING TESTER(テスター産業製)にて20回往復させた。試験前後の黒紙の表面(記録媒体に押し付けた側の面)の光学濃度の変化率を光学反射濃度計500分光濃度計(X−Rite製)を用いて測定した。尚、光学濃度の変化率が大きい程、黒紙に削れたインク受容層が付着していることになるため、記録媒体の耐傷性が低いことを意味する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示す。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上35%未満であった
B−:光学濃度の変化率が35%以上45%未満であった
C:光学濃度の変化率が45%以上であった。
(耐水性)
各記録媒体を、80℃の温水中に5時間浸漬後乾燥させた。乾燥後の記録媒体の耐傷性を、上記と同様の方法で測定した。尚、光学濃度の変化率が大きい程、水に濡れた後の耐傷性が低くなるため、記録媒体の耐水性が低いことを意味する。評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に示す。
A:光学濃度の変化率が20%未満であった
B:光学濃度の変化率が20%以上40%未満であった
C:光学濃度の変化率が40%以上であった。
(インク吸収性)
各記録媒体に、インクジェット記録装置を用いて、140%デューティのシアンインクのベタ画像を記録し、得られた画像におけるインクの溢れを目視で観察し、以下の評価基準で評価した。尚、インクジェット記録装置としてはimagePROGRAF iPF6400(キヤノン製)を用い、インクタンクPFI−106(キヤノン製)を装着して記録した。記録条件は、温度:23℃、相対湿度:50%とした。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度1200dpi×1200dpiで1/1200インチ×1/1200インチの単位領域に約4.5ngのインクを1滴付与する条件で記録された画像を、記録デューティが100%であると定義するものである。評価結果を表3に示す。
AA:インクの溢れがほとんど見られなかった
A:インクの溢れが僅かに見られた
B:インクの溢れが見られた
C:インクの溢れが顕著に見られた。
Figure 0006768317

Claims (19)

  1. 基材とインク受容層とを有する記録媒体であって、
    前記インク受容層が、
    無機粒子及びバインダーを含有し、かつ、
    水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が20質量%以下であり、
    前記バインダーが、アクリル樹脂ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及びポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記無機粒子の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下であり、
    前記インク受容層中における前記バインダーの含有量が、前記無機粒子の含有量に対して、30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記記録媒体の、7nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計が、0nm以上20nm以下の細孔半径における細孔容積の合計に対して、25体積%以下である請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記アクリル樹脂前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が、カチオン性樹脂である請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 前記アクリル樹脂前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が、ノニオン性樹脂である請求項1または2に記載の記録媒体。
  5. 前記アクリル樹脂前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂のガラス転移点が、20℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の記録媒体。
  6. 前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂のガラス転移点が、4℃以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録媒体。
  7. 前記バインダーが、更にエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の記録媒体。
  8. 前記バインダーが、前記アクリル樹脂、前記ポリカーボネート変性ウレタン樹脂及び前記ポリエーテル変性ウレタン樹脂から選択される少なくとも1種からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の記録媒体。
  9. 前記無機粒子が、湿式法シリカである請求項1〜のいずれか1項に記載の記録媒体。
  10. 前記インク受容層が、多価金属塩を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の記録媒体。
  11. 前記記録媒体の、細孔半径が2nm以上10nm以下における、細孔容積の合計が、0.2ml/g以上である請求項1〜10のいずれか1項に記載の記録媒体。
  12. 前記無機粒子の吸油量が、150ml/100g以上240ml/100g以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の記録媒体。
  13. 前記無機粒子の吸油量が、200ml/100g以上240ml/100g以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の記録媒体。
  14. 前記無機粒子のBET比表面積が、380m/g以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の記録媒体。
  15. 前記無機粒子のBET比表面積が、380m/g以上754m/g以下である請求項1〜14のいずれか1項に記載の記録媒体。
  16. 前記インク受容層中における前記無機粒子の含有量は、前記インク受容層の全質量に対して40質量%以上90質量%以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載の記録媒体。
  17. 前記インク受容層は、前記水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が15質量%以下である請求項1〜16のいずれか1項に記載の記録媒体。
  18. 前記インク受容層は、前記水溶性樹脂を含有しない、又は、水溶性樹脂を含有する場合は、前記インク受容層中の前記バインダーの含有量に対する前記水溶性樹脂の含有量が10質量%以下である請求項1〜17のいずれか1項に記載の記録媒体。
  19. 前記記録媒体は、インクジェット用記録媒体である請求項1〜18のいずれか1項に記載の記録媒体。
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