JP6753264B2 - 検査装置、検査方法及びプログラム - Google Patents

検査装置、検査方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、検査装置、検査方法及びプログラムに関する。
従来、印刷物の検品は人手によって行われてきたが、近年オフセット印刷の後処理として、検品を行う装置が用いられている。このような検品装置では、欠陥の存在しないことが確認されているマスター画像を生成し、このマスター画像と検査対象の印刷物の読取画像の対応する部分を比較し、これらの差分の程度により印刷物の欠陥を判別している(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、読取画像は、印刷時や読取時の物理特性の影響を受けるため、読取画像の濃度をマスター画像の濃度と完全に一致させることは難しい。従って、上述したようなマスター画像と読取画像との比較による検査においては、読取画像の濃度とマスター画像の濃度との差異をある程度許容して検査を行う必要がある。
特に、読取画像では、印刷時や読取時の物理特性の影響により、エッジがぼやけやすい傾向にあるため、エッジの近傍領域においては、読取画像の濃度とマスター画像の濃度との差異が大きくなりやすい。
このため、マスター画像と読取画像との比較によりエッジの近傍領域を検査する際には、濃度の差異の許容範囲を広くしないと、非欠陥箇所を欠陥と誤判定してしまうおそれがあるが、濃度の差異の許容範囲を広くしてしまうと、欠陥箇所を非欠陥と誤判定してしまうおそれもある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、エッジの近傍領域の検査精度を高めることができる検査装置、検査方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様にかかる検査装置は、印刷物の生成元の元画像を取得し、当該元画像に基づいて、検査基準となるマスター画像を生成するマスター画像生成部と、前記印刷物を読み取った読取画像を取得する読取画像取得部と、前記マスター画像からエッジ領域を抽出するエッジ領域抽出部と、前記エッジ領域の近傍領域を抽出する近傍領域抽出部と、前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する濃度変化量判定部と、前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内である場合、前記マスター画像の前記近傍領域に対応する前記読取画像の領域である対応領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する統計量算出部と、前記統計量に基づいて、前記対応領域における欠陥の有無を判定する第1欠陥判定部と、を備える。
本発明によれば、エッジの近傍領域の検査精度を高めることができる。
図1は、第1実施形態に係る検査装置を含む画像検査システムの構成の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る検査装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図3は、第1実施形態に係るDFE、エンジンコントローラ、プリントエンジン、検査装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 図4は、第1実施形態に係る比較検査の態様の一例を示す図である。 図5は、第1実施形態に係るプリントエンジン及び検査装置の機械的な構成並びに用紙の搬送経路の一例を示す図である。 図6は、第1実施形態に係るマスター画像生成部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図7は、第1実施形態に係る検査制御部の機能構成の一例を示す図である。 図8は、第1実施形態に係る検査動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、第1実施形態に係るエッジ付近の一例を示す模式図である。 図10は、図9のエッジ上の画素Eを基点として、当該エッジに直交する方向での区間A−A’を構成する読取画像上の画素の画素値とマスター画像上の画素の画素値との一例を示す図である。 図11は、第1実施形態に係るエッジ近傍判定部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図12は、第1実施形態に係るエッジ近傍欠陥判定動作の一例を示すフローチャートである。 図13は、第1実施形態に係るマスター画像の例を示す図である。 図14は、第1実施形態に係るエッジ抽出結果の一例を示す図である。 図15は、第1実施形態に係るエッジ近傍領域の判定態様の一例を示す図である。 図16は、第1実施形態に係るエッジ近傍領域の判定態様の一例を示す図である。 図17は、第1実施形態に係るエッジ近傍領域の判定結果の一例を示す図である。 図18は、第1実施形態に係る欠陥の発生例を示す図である。 図19は、第1実施形態に係る画素値に応じた画素数の集計結果の一例を示す図である。 図20は、第1実施形態に係る画素値に応じた画素数の集計結果の一例を示す図である。 図21は、第1実施形態に係る近傍領域判定動作の一例を示すフローチャートである。 図22は、第1実施形態に係る近傍領域判定態様の一例を示す図である。 図23は、第2実施形態に係るエッジ近傍判定部の機能構成の一例を示すブロック図である。 図24は、第2実施形態に係るエッジ近傍欠陥判定動作の一例を示すフローチャートである。 図25は、第2実施形態に係る分割動作の一例を示すフローチャートである。 図26は、第2実施形態に係る分割手法の一例の説明図である。 図27は、第2実施形態に係る分割手法の一例の説明図である。 図28は、第2実施形態に係る分割手法の一例の説明図である。 図29は、第2実施形態に係る分割手法の一例の説明図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。第1実施形態においては、画像形成出力による出力結果を読み取った読取画像とマスター画像とを比較することにより出力結果を検査する検査装置を含む画像検査システムを例として説明する。そのようなシステムにおいて、マスター画像のエッジに隣接する領域に余白領域やベタ領域がある場合に、その領域における欠陥判定を好適に行うことが第1実施形態に係る特徴である。図1は、第1実施形態に係る画像検査システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る画像検査システムは、DFE(Digital Front End)1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5を含む。DFE1は、受信した印刷ジョブに基づいて、印刷物の生成元の元画像、即ち出力対象画像であるビットマップデータを生成し、生成したビットマップデータをエンジンコントローラ2に出力する画像処理装置である。
エンジンコントローラ2は、DFE1から受信したビットマップデータに基づいてプリントエンジン3を制御して画像形成出力を実行させる。また、エンジンコントローラ2は、DFE1から受信したビットマップデータを、プリントエンジン3による画像形成出力の結果を検査装置4が検査する際の基準となるマスター画像を生成するための情報として検査装置4に送信する。
プリントエンジン3は、エンジンコントローラ2の制御に従い、ビットマップデータに基づいて記録媒体である用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成装置である。尚、記録媒体としては、上述した用紙の他、フィルム、プラスチック等のシート状の材料で、画像形成出力の対象物となるものであれば採用可能である。
検査装置4は、エンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータに基づいてマスター画像を生成する。そして、検査装置4は、プリントエンジン3が出力した用紙の紙面、即ち記録媒体上を読取装置で読み取って生成した読取画像を上記生成したマスター画像と比較することにより、出力結果の検査を行う画像検査装置である。
検査装置4は、出力結果に欠陥があると判断した場合、欠陥として判定されたページを示す情報をエンジンコントローラ2に通知する。これにより、エンジンコントローラ2によって欠陥ページの再印刷制御が実行される。
また、第1実施形態に係る検査装置4は、マスター画像を解析することによりマスター画像におけるエッジ部分及びその近傍における余白領域やベタ領域を抽出し、その領域における読取画像の検査をマスター画像との比較とは別に行う機能を有する。そのような機能が、第1実施形態に係る要旨の1つである。
インタフェース端末5は、検査装置4による欠陥判定結果を確認するためのGUI(Graphical User Interface)や、検査におけるパラメータを設定するためのGUIを表示するための情報処理端末であり、PC(Personal Computer)等の一般的な情報処理端末によって実現される。
ここで、第1実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5を構成するハードウェアについて、図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態に係る検査装置4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2においては、検査装置4のハードウェア構成を示すが、他の装置についても同様である。
図2に示すように、第1実施形態に係る検査装置4は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等の情報処理装置と同様の構成を有する。即ち、第1実施形態に係る検査装置4は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、検査装置4全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが検査装置4の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが検査装置4に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
専用デバイス80は、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4において、専用の機能を実現するためのハードウェアであり、プリントエンジン3の場合は、画像形成出力対象の用紙を搬送する搬送機構や、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。また、エンジンコントローラ2、検査装置4の場合は、高速に画像処理を行うための専用の演算装置である。このような演算装置は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成される。また、紙面上に出力された画像を読み取る読取装置も、専用デバイス80によって実現される。
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されているプログラムや、HDD40又は光学ディスク等の記録媒体からRAM20に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、第1実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3、検査装置4及びインタフェース端末5の機能を実現する機能ブロックが構成される。
図3は、第1実施形態に係るDFE1、エンジンコントローラ2、プリントエンジン3及び検査装置4の機能構成の一例を示すブロック図である。図3においては、データの送受信を実線で、用紙の流れを破線で示している。図3に示すように、第1実施形態に係るDFE1は、ジョブ情報処理部101及びRIP処理部102を含む。また、エンジンコントローラ2は、データ取得部201、エンジン制御部202、ビットマップ送信部203を含む。また、プリントエンジン3は、印刷処理部301を含む。また、検査装置4は、読取装置400、読取画像取得部401、マスター画像生成部402、検査制御部403及び差分画像生成部404を含む。
ジョブ情報処理部101は、DFE1外部からネットワークを介して入力される印刷ジョブや、オペレータの操作によりDFE1内部に格納された画像データに基づいて生成される印刷ジョブに基づき、画像形成出力の実行を制御する。画像形成出力の実行に際して、ジョブ情報処理部101は、印刷ジョブに含まれる画像データに基づき、RIP処理部102にビットマップデータを生成させる。
RIP処理部102は、ジョブ情報処理部101の制御に従い、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいてプリントエンジン3が画像形成出力を実行するためのビットマップデータを生成する。ビットマップデータは、画像形成出力するべき画像を構成する各画素の情報である。
第1実施形態に係るプリントエンジン3は、CMYK(Cyan,Magenta,Yellow,Key plate)各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する。これに対して、一般的に、印刷ジョブに含まれる画像のデータは、一画素が256階調等の多階調で表現された多値画像である。そのため、RIP処理部102は、印刷ジョブに含まれる画像データを多値画像から少値画像に変換して、CMYK各色二値のビットマップデータを生成し、エンジンコントローラ2に送信する。
データ取得部201は、DFE1から入力されるビットマップデータを取得し、エンジン制御部202及びビットマップ送信部203夫々を動作させる。エンジン制御部202は、データ取得部201から転送されたビットマップデータに基づき、プリントエンジン3に画像形成出力を実行させる。ビットマップ送信部203は、データ取得部201が取得したビットマップデータを、マスター画像生成の為に検査装置4に送信する。
印刷処理部301は、エンジンコントローラ2から入力されるビットマップデータを取得し、印刷用紙に対して画像形成出力を実行し、印刷物を出力する画像形成部である。第1実施形態に係る印刷処理部301は、電子写真方式の一般的な画像形成機構によって実現されるが、インクジェット方式等の他の画像形成機構を用いることも可能である。
読取装置400は、印刷処理部301によって印刷が実行されて出力された印刷物を読み取り、読取画像を出力する画像読取部である。読取装置400は、例えば印刷処理部301によって出力された印刷用紙の、検査装置4内部における搬送経路に設置されたラインスキャナであり、搬送される印刷用紙の紙面上を走査することによって紙面上に形成された画像を読み取る。
読取装置400によって生成された読取画像が検査装置4による検査の対象となる。読取画像は、画像形成出力によって出力された用紙の紙面を読み取って生成された画像であるため、出力結果を示す画像となる。読取画像取得部401は、印刷用紙の紙面が読取装置400によって読み取られて生成された読取画像を取得する。読取画像取得部401が取得した読取画像は、比較検査のために差分画像生成部404に入力される。尚、差分画像生成部404への読取画像の入力は検査制御部403の制御によって実行される。その際、検査制御部403が読取画像を取得してから差分画像生成部404に入力する。
マスター画像生成部402は、上述したようにエンジンコントローラ2から入力されたビットマップデータを取得し、当該ビットマップデータに基づいて、マスター画像を生成する。マスター画像生成部402によるマスター画像の生成処理については後に詳述する。
検査制御部403は、検査装置4全体の動作を制御する制御部であり、検査装置4に含まれる各構成は検査制御部403の制御に従って動作する。差分画像生成部404は、読取画像取得部401から入力される読取画像とマスター画像生成部402が生成したマスター画像との差分を示す差分画像を生成する。差分画像生成部404は、膨大な計算量を迅速に処理するために上述したASICによって構成される。
差分画像生成部404においては、上述したようにRGB各色8bitで表現された200dpiの読取画像及びマスター画像を対応する画素毎に比較し、夫々の画素毎に上述したRGB各色8bitの画素値の差分値を算出する。そのようにして算出した差分値と閾値との大小関係に基づき、検査制御部403は、読取画像における欠陥の有無を判断する。
尚、読取画像とマスター画像との比較に際して、差分画像生成部404は、図4に示すように、所定範囲毎に分割されたマスター画像を、分割された範囲に対応する読取画像に重ね合わせて各画素の画素値、即ち濃度の差分算出を行う。このような処理は、検査制御部403が、重ね合わせる範囲の画像をマスター画像及び読取画像夫々から取得し、差分画像生成部404に入力することによって実現される。
更に、検査制御部403は、分割された範囲を読取画像に重ね合わせる位置を縦横にずらしながら、即ち、読取画像から取得する画像の範囲を縦横にずらしながら、算出される差分値の合計値が最も小さくなる位置を正確な重ね合わせの位置として決定すると共に、その際に算出された各画素の差分値を比較結果として採用する。そのため、差分画像生成404は、各画素の差分値と共に、位置合わせの位置として決定した際の縦横のずれ量を出力することが可能である。
図4に示すように方眼状に区切られている夫々のマスが、上述した各画素の差分値を合計する所定範囲である。また、図4に示す夫々の分割範囲のサイズは、例えば、上述したようにASICによって構成される差分画像生成部404が一度に画素値の比較を行うことが可能な範囲に基づいて決定される。
このような処理により、読取画像とマスター画像とが位置合わせされた上で差分値が算出される。このように算出された差分値が所定の閾値と比較されることにより、画像の欠陥が判定される。また、例えば、読取画像全体とマスター画像全体とで縮尺に差異があったとしても、図4に示すように範囲毎に分割して位置合わせを行うことにより、縮尺の際による影響を低減することが可能となる。
また、図4に示すように分割された夫々の範囲において、隣接する範囲の位置ずれ量は比較的近いことが予測される。従って、分割された夫々の範囲についての比較検査を行う際、隣接する領域の比較検査によって決定された位置ずれ量を中心として上述した縦横にずらしながらの計算を行うことにより、縦横にずらしながら計算を行う回数を少なくしても、正確な重ね合わせ位置による計算が実行される可能性が高く、全体として計算量を減らすことが出来る。
また、第1実施形態に係る検査制御部403は、上述したように、マスター画像を解析することによってマスター画像におけるエッジ部分及びその近傍における余白領域やベタ領域を抽出する。そして、抽出した領域に対応する読取画像中の領域に対してマスター画像との比較とは異なる検査を行う。この機能については後に詳述する。
次に、プリントエンジン3及び検査装置4の機械的な構成及び用紙の搬送経路について、図5を参照して説明する。図5に示すように、第1実施形態に係るプリントエンジン3に含まれる印刷処理部301は、無端状移動手段である搬送ベルト11に沿って各色の感光体ドラム12Y、12M、12C、12K(以降、総じて感光体ドラム12とする)が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ13から給紙される用紙(記録媒体の一例)に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト11に沿って、この搬送ベルト11の搬送方向の上流側から順に、感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kが配列されている。
各色の感光体ドラム12の表面においてトナーにより現像された各色の画像が、搬送ベルト11に重ね合わせられて転写されることによりフルカラーの画像が形成される。そのようにして搬送ベルト11上に形成されたフルカラー画像は、図中に破線で示す用紙の搬送経路と最も接近する位置において、転写ローラ14の機能により、経路上を搬送されてきた用紙の紙面上に転写される。
紙面上に画像が形成された用紙は更に搬送され、定着ローラ15にて画像を定着された後、検査装置4に搬送される。また、両面印刷の場合、片面上に画像が形成されて定着された用紙は反転パス16に搬送され、反転された上で再度転写ローラ14の転写位置に搬送される。
読取装置400は、検査装置4内部における用紙の搬送経路において、印刷処理部301から搬送された用紙の夫々の面を読み取り、読取画像を生成して検査装置4内部の情報処理装置によって構成される読取画像取得部401に出力する。また、読取装置400によって紙面が読み取られた用紙は検査装置4内部を更に搬送され、排紙トレイ410に排出される。尚、図5においては、検査装置4における用紙の搬送経路において、用紙の片面側にのみ読取装置400が設けられている場合を例としているが、用紙の両面の検査を可能とするため、用紙の両面側に夫々読取装置400を配置しても良い。
次に、第1実施形態に係るマスター画像生成部402の機能構成について説明する。図6は、マスター画像生成部402の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、マスター画像生成部402は、少値多値変換処理部421、解像度変換処理部422、色変換処理部423及び画像出力処理部424を含む。尚、第1実施形態に係るマスター画像生成部402は、図2において説明した専用デバイス80、即ち、ASICとして構成されたハードウェアが、ソフトウェアの制御に従って動作することにより実現される。
少値多値変換処理部421は、有色/無色で表現された二値画像に対して少値/多値変換処理を実行して多値画像を生成する。第1実施形態に係るビットマップデータは、プリントエンジン3に入力するための情報であり、プリントエンジンはCMYK(Cyan,Magenta,Yellow,Key plate)各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する。これに対して検査対象の画像である読取画像は、基本三原色であるRGB(Red,Green,Blue)各色多階調の多値画像であるため、少値多値変換処理部421により先ず二値画像が多値画像に変換される。多値画像としては、例えばCMYK各8bitで表現された画像を用いることができる。
少値多値変換処理部421は、少値/多値変換処理として、8bit拡張処理、平滑化処理を行う。8bit拡張処理は、0/1の1bitであるデータを8bit化し、「0」は「0」のまま、「1」は「255」に変換する処理である。平滑処理は、8bit化されたデータに対して平滑化フィルタを適用し、画像を平滑化する処理である。
尚、第1実施形態においては、プリントエンジン3がCMYK各色二値の画像に基づいて画像形成出力を実行する場合を例とし、マスター画像生成部402に少値多値変換処理部421が含まれる場合を例とするが、これは一例である。即ち、プリントエンジン3が多値画像に基づいて画像形成出力を実行する場合は、少値多値変換処理部421は省略可能である。
また、プリントエンジン3が1bitではなく2bit等の少値の画像に基づいて画像形成出力を行う機能を有する場合もあり得る。その場合、8bit拡張処理の機能を変更することにより対応することができる。即ち、2bitの場合、階調値は0、1、2、3の4値である。従って、8bit拡張に際しては、「0」は「0」、「1」は「85」、「2」は「170」、「3」は「255」に変換する。
解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を、検査対象の画像である読取画像の解像度に合わせるように解像度変換を行う。第1実施形態においては、読取装置400は200dpiの読取画像を生成するため、解像度変換処理部422は、少値多値変換処理部421によって生成された多値画像の解像度を200dpiに変換する。また、第1実施形態に係る解像度変換処理部422は、解像度変換に際して、印刷処理部301によって出力される用紙の収縮等を考慮して予め定められた倍率に基づいて解像度変換後の画像のサイズを調整する。
色変換処理部423は、解像度変換処理部422によって解像度が変換された画像を取得して階調変換及び色表現形式の変換を行う。階調変換処理は、印刷処理部301によって紙面上に形成される画像の色調及び読取装置400によって読み取られて生成される画像の色調に、マスター画像の色調を合わせるための色調の変換処理である。
このような処理は、例えば、様々な階調色のカラーパッチを含む画像が印刷処理部301によって紙面上に形成され、その用紙を読み取って生成された読取画像における各カラーパッチの階調値と、夫々のカラーパッチを形成するための元の画像における階調値とが関連付けられた階調変換テーブルを用いて行われる。即ち、色変換処理部423は、このような階調変換テーブルに基づき、解像度変換処理部422が出力した画像の各色の階調値を変換する。
色表現形式の変換処理は、CMYK形式の画像をRGB形式の画像に変換する処理である。上述したように、第1実施形態に係る読取画像はRGB形式の画像であるため、色変換処理部423は、階調変換処理のされたCMYK形式の画像をRGB形式に変換する。この色表現形式の変換処理は、RGB形式の各色の値をCMYK形式の各色の値に基づいて算出するための計算式を用いて実行される場合の他、上述した階調変換処理と同様に、CMYK形式の値とRGB形式の値とが関連付けられた変換テーブルに基づいて実行される。
尚、CMYK形式の値とRGB形式の値とが関連付けられた変換テーブルであって、上述した階調変換が考慮された変換テーブルを用いることにより、上述した階調変換及び色表現形式の変換を同時に実行することも可能である。そのような処理により、処理負荷を低減することが可能である。
色変換処理部423までの処理により、画素毎にRGB各色8bit(合計24bit)で表現された200dpiの多値画像が生成される。
画像出力処理部424は、色変換処理部423までの処理によって生成されたマスター画像を出力する。これにより、検査制御部403が、マスター画像生成部402からマスター画像を取得する。
次に、第1実施形態に係る検査制御部403の機能構成について説明する。図7は、第1実施形態に係る検査制御部403の機能構成の一例を示すブロック図である。また、図8は、第1実施形態に係る検査制御部403による1ページ分の画像検査の動作の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、第1実施形態に係る検査制御部403は、情報入力部431、差分画像取得部432、第2欠陥判定部433、コントローラ通信部434及びエッジ近傍判定部500を含む。
第1実施形態に係る検査制御部403においては、図8に示すように、まず情報入力部431が、マスター画像生成部402からマスター画像を取得し(S801)、読取画像取得部401から読取画像を取得する(S802)。S801の処理とS802の処理とは前後関係に制約はないため、逆の順序で実行されても良いし並列して実行されても良い。
マスター画像及び読取画像を取得した情報入力部431は、図4において説明したように、マスター画像及び読取画像から夫々所定範囲の画像を抽出して差分画像生成部404に入力することにより、差分画像生成部404は、読取画像を構成する各画素とマスター画像を構成する各画素との差分値を示す差分画像を生成する(S803)。
S803の処理により生成された差分画像を差分画像取得部432が取得する。差分画像取得部432が取得した差分画像に基づき、第2欠陥判定部433によって欠陥判定が実行される(S804)。
S804においては、第2欠陥判定部433が、差分画像を構成する各画素の値と予め設定された閾値とを比較することにより、夫々のページ(印刷物)に欠陥が含まれるか否かを判定する。また、欠陥として判定された画素のラベリング処理等を行うことにより、欠陥位置の特定や、欠陥種類の特定等を行って欠陥判定の結果を示す情報を生成する。
また、エッジ近傍判定部500が、情報入力部431から読取画像及びマスター画像を取得し、エッジ近傍欠陥判定を行う(S805)。S805におけるエッジ近傍欠陥判定処理については後に詳述する。尚、S803、S804の処理とS805の処理とは、逆の順番で実行されても良いし、並行して実行されても良い。欠陥判定処理及びエッジ近傍欠陥判定処理が完了すると、コントローラ通信部434が、欠陥判定結果及びエッジ近傍欠陥判定結果に基づいて再印刷要求や装置動作の停止要求等のエンジン制御を実行する(S806)。このような処理により、第1実施形態に係る画像検査動作が完了する。
次に、S805のエッジ近傍欠陥判定動作について説明する。上述したように、マスター画像と読取画像とを比較することによる欠陥検査は、第2欠陥判定部433によって行われる。これに対して、エッジ近傍判定部500は、画像のエッジ近傍に絞ってより詳細な検査を行う。
上述したように、第2欠陥判定部433による欠陥判定は、差分画像に対して閾値を適用することにより行われる。これに対して、読取画像では、印刷時や読取時の物理特性の影響により、エッジがぼやけやすい傾向にあるため、エッジの近傍領域においては、読取画像とマスター画像との画素値の差分値が大きくなりやすい。
ここで、エッジの近傍領域においては、読取画像とマスター画像との画素値の差分値が大きくなりやすい理由について具体的に説明する。図9に、余白領域とベタ領域の境界付近(即ち、エッジ付近)の模式図の一例を示し、図10に、図9のエッジ上の位置Eを基点として、当該エッジに直交する方向での読取画像上の画素の画素値とマスター画像上の画素の画素値との一例を示す。なお、図10では、横軸が画素の位置を示し、縦軸が画素値を示し、実線がマスター画像上での画素値変化を示し、点線が読取画像上での画素値変化を示している。
マスター画像はビットマップデータから生成されるため、エッジに直交する方向での画素値変化が急峻になるが、読取画像は印刷時や読取時の物理特性の影響によりエッジがぼやけるため、エッジに直交する方向での画素値変化がゆるやかになる。このため、エッジ勾配区間は、図10に示すように、読取画像では位置Eを中心とした区間A−A’、マスター画像では位置Eを中心とした区間Am−Am’となり、読取画像の方がマスター画像よりも長い区間にわたってエッジの勾配が現れる。
この結果、例えば、位置Amにおけるマスター画像の画素値はP1、読取画像の画素値はP2となり、位置Amにおけるマスター画像と読取画像との画素値の差はP2−P1となる。但し、この差は、欠陥により生じるものではなく、マスター画像と読取画像との生成手法の差異により生じる誤差であるため、検査においては許容しなければならない。
このため、マスター画像と読取画像との比較によりエッジの近傍領域を検査する際には、濃度の差異の許容範囲を広くしないと、非欠陥箇所を欠陥と誤判定してしまうおそれがあるが、濃度の差異の許容範囲を広くしてしまうと、欠陥箇所を非欠陥と誤判定してしまうおそれもある。
また、図4において説明したように一定の範囲毎に比較検査を行う場合、比較検査を行う範囲については一度に処理を行うため、単一の閾値を適用することとなるが、比較検査を行う範囲にエッジ部分と共にベタ領域が含まれる場合もある。
ベタ領域については、エッジ部分に比べ、読取画像における印刷時や読取時の物理特性の影響が少なく、また、人間の目視において欠陥が認識されやすいため、閾値を小さい値に設定して細かい欠陥も厳格に抽出することが好ましい。従って、比較検査を行う範囲にエッジ部分とベタ領域が含まれる場合には、好適な閾値の設定が難しい。第1実施形態に係るエッジ近傍判定部500は、このような課題に対応して、エッジ近傍におけるベタ領域の欠陥を好適に検知するための処理を行う。
図11は、第1実施形態に係るエッジ近傍判定部500の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。情報入力部431からエッジ近傍判定部500に対して読取画像及びマスター画像が入力される。入力されたマスター画像は、エッジ領域抽出部501、濃度変化量判定部503に夫々入力される。また、読取画像は、統計量算出部504に入力される。統計量算出部504には、差分画像取得部432が取得したマスター画像と読取画像との位置ずれ量も入力される。
エッジ領域抽出部501は、マスター画像からエッジ領域を抽出する。具体的には、エッジ領域抽出部501は、入力されたマスター画像に対してフィルタを適用し、画像の濃度が急峻に変化する領域であるエッジ領域を抽出する。第1実施形態に係るエッジ領域抽出部501は、ラプラシアンフィルタを用いてエッジ抽出を行うが、他のエッジ抽出方法を用いることも可能である。
近傍領域抽出部502は、エッジ領域抽出部501により抽出されたエッジ領域の近傍領域を抽出する。具体的には、近傍領域抽出部502は、エッジ領域抽出部501によって抽出されたエッジ領域に相当する画素から一定範囲内の領域を抽出する。第1実施形態に係る近傍領域抽出部502は、夫々のエッジ画素を中心としてエッジ領域に直行する方向に所定範囲の画素を参照して近傍領域として判定する。詳細は後述する。
濃度変化量判定部503は、近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する。具体的には、濃度変化量判定部503は、近傍領域抽出部502によって抽出された近傍領域について、連続した画素の領域をラベリングし、夫々のラベルに相当する領域を解析する。これにより、濃度変化量判定部503は、夫々のラベルに相当する領域が、トナーやインク等の顕色剤の付与されていない余白領域、又は濃度変化が所定範囲であり一様な濃度のベタ領域であるか否かを判定する。余白領域、ベタ領域はいずれも含まれる画素の濃度変化量が所定の範囲内であって濃度が一様な一様領域である。
統計量算出部504は、マスター画像の近傍領域に対応する読取画像の領域である対応領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する。具体的には、統計量算出部504は、近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内である場合、統計量を算出する。詳細には、統計量算出部504は、濃度変化量判定部503によって近傍領域が余白領域又はベタ領域と判定された場合、近傍領域に対応する読取画像中の領域を参照し、その領域に含まれる画素の濃度の統計量として、画素の濃度の分散値を算出する。この分散値は、領域に含まれる画素の濃度の分散態様を解析するために用いられる。
第1欠陥判定部505は、統計量算出部504によって算出された統計量に基づいて、対応領域における欠陥の有無を判定する。具体的には、第1欠陥判定部505は、統計量算出部504によって算出された分散値に対して閾値を適用する。これにより、濃度変化量判定部503によって余白領域又はベタ領域として判定されたにも関わらず濃度がばらついている場合には、欠陥が発生していると判断することが可能となる。なお、対応領域が余白領域であるかベタ領域であるかに応じて、閾値の値を異ならせてもよい。一般的に、対応領域がベタ領域の場合、ノイズやムラが加わるため、余白領域よりも画素値のばらつきが大きくなり、分散値も大きくなる。このため、対応領域がベタ領域である場合の閾値を余白領域である場合の閾値よりも大きくしてもよい。
次に、第1実施形態に係るエッジ近傍判定部500の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。図12に示すように、まずはエッジ領域抽出部501が、入力されたマスター画像に基づいてエッジ抽出を行う(S1001)。図13は、第1実施形態に係るマスター画像の例であり、図14は、それに基づいてエッジ抽出処理が行われた場合の抽出結果の例を示す図である。エッジ領域抽出部501が上述したようにラプラシアンフィルタを用いてマスター画像のフィルタリング処理を行うことにより、図13に示すようなマスター画像から図14に示すようなエッジが抽出される。
続いて、近傍領域抽出部502が、エッジ領域抽出部501によるエッジの抽出結果に基づき、エッジの近傍領域の判定処理を行う(S1002)。上述したように、第1実施形態に係る近傍領域抽出部502は、夫々のエッジ画素を基点として、所定の方向に隣接する所定数の画素を抽出し、抽出した画素で構成される領域を近傍領域とする。
図15は、x方向に画素を参照した場合の近傍領域の判定結果を示す図である。また、図16は、y方向に画素を参照した場合の近傍領域の判定結果を示す図である。図15及び図16に示すような判定結果が統合され、図17に示すような近傍領域の判定結果が得られる。
このようにして近傍領域が特定されると、濃度変化量判定部503はその特定結果を参照し、エッジの近傍領域として特定されている画素のうち、夫々連続した画素領域をラベリングする(S1003)。図17の例においては、マスター画像中に含まれる図形の枠の外側において近傍領域a〜dが夫々ラベリングされ、図形の枠の内側において近傍領域eがラベリングされる。
S1003の処理により複数のラベルを生成すると、濃度変化量判定部503は、1つずつラベルを選択し(S1004)、選択したラベルの画素領域が、余白領域か否かを判断する(S1005)。S1005において濃度変化量判定部503は、選択したラベルの画素領域に含まれる全画素のうち所定割合以上の画素の画素値が余白を示す値であれば、その領域が余白領域であると判断する。この所定割合は例えば95%である。また、余白を示す値は濃度変化量判定部503が予め保持している。ここで参照される画素値としては、RGB各色の値の合計値や、輝度値を用いることが出来る。
S1005の判断の結果、選択したラベルの画素領域が余白領域ではなかった場合(S1005/NO)、次に濃度変化量判定部503は、対象の領域がベタ領域であるか否かを判定する(S1006)。S1006において濃度変化量判定部503は、選択したラベルの画素領域に含まれる全画素のうち所定割合以上の画素の画素値が同一であれば、その領域がベタ領域であると判断する。この所定割合は例えば95%である。
尚、S1006において濃度変化量判定部503は、所定割合以上の画素の画素値が完全に同一である場合に限らず、画素値が所定の値の範囲内に収まる場合にベタ領域と判定しても良い。S1006の判断の結果、ベタ領域ではなかった場合(S1006/NO)、選択したラベルの画素領域に対応する読取画像の対応領域については検査不要と判断する。
S1005の判断の結果、余白領域であった場合(S1005/YES)、又はS1006の判断の結果、ベタ領域であった場合(S1006/YES)、濃度変化量判定部503は、選択したラベルの画素領域を示す情報を統計量算出部504に通知する。これにより、統計量算出部504は、通知された情報から、選択したラベルの画素領域に対応する読取画像の対応領域を参照し、画素値の統計量として分散値を算出する(S1007)。
上述したように、統計量算出部504には、マスター画像と読取画像との位置ずれ量が入力される。従って、統計量算出部504は、濃度変化量判定部503から通知された情報に対して位置ずれ量を適用し、読取画像において位置合わせされた対応領域の画素値を参照する。
統計量算出部504によって算出された分散値は第1欠陥判定部505に入力される。第1欠陥判定部505は、入力された分散値を予め定められた閾値と比較する(S1008)。これにより、エッジ近傍の領域であって且つ余白領域又はベタ領域と判定された領域が、マスター画像の解析結果の通り画素値のばらつきの少ない余白領域又はベタ領域であるか否かが判断される。なお、分散値が予め定められた閾値を超える場合に、対応領域に欠陥が生じていると判定される。
濃度変化量判定部503は、S1003の処理により生成したラベルの全てについて処理が完了するまでS1004からの処理を繰り返し(S1009/NO)、全ラベルについて処理が完了したら(S1009/YES)、処理を終了する。このような処理により、第1実施形態に係るエッジ近傍欠陥判定処理が完了する。
図18は、図17に示す近傍領域bにおいて画像に欠陥が生じている場合の例を示す図である。図18に示すようなエッジ近傍における欠陥の発生態様の場合、第2欠陥判定部433における欠陥判定においては、読取画像におけるエッジのぼやけを考慮して、濃度の差異の許容範囲を広くした欠陥判定を行うと、欠陥を非欠陥と誤判定してしまう場合がある。
これに対して、エッジ近傍判定部500による判定においては、図18に示すように近傍領域bの画素値の分散が解析されて判定が行われるため、エッジの近傍領域における読取画像の濃度とマスター画像の濃度との差異に影響されることなく、欠陥を判定することが出来る。図19は、欠陥が発生していない場合において、近傍領域bの画素値の統計をグラフ化した図である。図19に示すように、欠陥が発生していない場合、画素値の統計は、特定の画素値を中心とした狭い範囲に分布する。
これに対して、図20は、図18に示すように欠陥が発生している場合において、近傍領域bの画素値の統計をグラフ化した図である。図20に示すように、欠陥が発生している場合、画素値の統計は、欠陥が発生していない場合の画素値と、欠陥に対応する画素値との複数個所に分布する。このような画素値の分布が分散値として現れ、エッジ近傍における余白領域やベタ領域における欠陥を好適に判断することが可能となる。
次に、第1実施形態に係る近傍領域抽出部502によるエッジ近傍判定動作について、図21を参照して説明する。図21に示すように、近傍領域抽出部502は、図14に示すように抽出されたエッジ画素のうち1つを選択し(S1901)、次に、画素を順番に参照していく方向を選択する(S1902)。
第1実施形態において画素を順番に参照していく方向とは、xプラス方向、xマイナス方向、yプラス方向、yマイナス方向の4種類である。参照方向を選択すると、近傍領域抽出部502は、S1901において選択したエッジ画素を始点として、選択した方向に参照対象の画素を1画素移動する(S1903)。そして、近傍領域抽出部502は、1画素移動した結果、エッジ画素からの移動量が最大移動数に達したか否かを判断する(S1904)。
S1904において判断される最大移動数とは、例えば20画素である。即ち、第1実施形態においては、エッジ画素の上下左右20画素分が、エッジ近傍としての抽出対象となる。最大移動数に達していない場合(S1904/NO)、次に近傍領域抽出部502は、移動した先の画素がエッジ画素であるか否か判定する(S1905)。
図14に示すようなエッジ画素の判断結果として、各画素にはエッジ画素であるか否かのフラグ(以降、「エッジフラグ」とする)が設定されている。従って、近傍領域抽出部502は、S1905において、エッジフラグを参照することにより判断を行う。その結果、エッジ画素ではなかった場合(S1905/NO)、近傍領域抽出部502は、参照中の画素についてエッジ近傍領域として抽出対象であることを示すフラグ(以降、「近傍フラグ」とする)を設定し(S1906)、S1903からの処理を繰り返す。
S1904において最大移動数に到達した場合(S1904/YES)、又はS1905においてエッジ画素であった場合(S1905/YES)、近傍領域抽出部502は、現在選択中の参照方向は終了であると判断する。そして、近傍領域抽出部502は、全ての参照方向について処理が完了するまでS1902からの処理を繰り返し(S1907/NO)、全ての参照方向について処理が完了したら(S1907/YES)、処理を終了する。このような処理により、第1実施形態に係る近傍領域抽出部502による処理が完了する。
S1905の判断により、近傍領域抽出部502は、S1901において選択された基点となるエッジ画素から所定の方向に隣接する所定数の画素において他のエッジ画素が含まれている場合、その他のエッジ画素までの間の画素に対して近傍フラグを設定する。
図22は、第1実施形態に係るエッジフラグ及び近傍フラグの設定態様を示す図である。第1においては、太い点線で囲まれた画素が、S1901において選択されたエッジ画素である。そして、S1902においてxマイナス方向が選択され、その結果、図中の矢印に示すように、選択中のエッジ画素から左方向に順番に近傍フラグとして“1”が設定されている。
以上説明したように、第1実施形態に係る検査装置4は、エッジの近傍領域が余白領域又はベタ領域である場合、読取画像における画素値の統計量を算出することにより、欠陥を判定する。従って、エッジの近傍領域の検査を高精度に行うことができる。
尚、第1実施形態においては、エッジの近傍領域について分散値を算出し、その算出結果の値に対して閾値を適用することによって欠陥を判定する場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、余白領域又はベタ領域として判定された領域に対応する読取画像上の領域が、判定通り余白領域又はベタ領域であるか否かを判定する方法であれば他の態様であっても適用可能である。
例えば、図19、図20に示すような画素値に対する画素数の集計結果を求め、その結果が図20に示すように複数の画素値を中心として分布していれば、欠陥ありと判断しても良い。換言すると、画素の濃度毎の画素数を示す濃度分布を算出し、当該濃度分布において極大値が複数ある場合に、対応領域に欠陥が生じていると判定することが出来る。
また、第1実施形態においては、読取画像とマスター画像とを比較することにより画像が意図した通り形成されているか否かを判断する検査装置4においてエッジ近傍判定部500が設けられている場合を例として説明した。これは、上述したようにマスター画像及び読取画像を用いるという点で効率的な構成であるが必須ではなく、エッジ近傍判定部500の機能を有する画像処理装置を検査装置4とは別個に設けても良い。その場合であっても、マスター画像及び読取画像が入力されることにより、上記と同様の機能を実現可能である。
また、第1実施形態においては、図21、図22において説明したように、エッジ画素を中心として、エッジ画素に隣接している領域をエッジの近傍領域として抽出する場合を例として説明した。しかしながらこれは一例であり、例えばエッジ画素から1画素、2画素のように数画素の間隔を空けて図22に示すように順番に隣接画素を参照して近傍領域として判定しても良い。これにより、エッジに隣接した画素であって、エッジとして抽出されないながらも濃度値の変化が生じている画素を除外することが出来る。
また、第1実施形態においては、図12のS1006においてベタ領域でないと判定された場合には、選択中のラベルに対応する領域を判断対象としない場合を例として説明した。ここで、図21において説明したように、近傍領域として抽出される最大の範囲は、第1実施形態の場合20画素である。これに対して例えば10画素の範囲であればS1005において余白と判定され、又はS1006においてベタと判定される場合もあり得る。
従って、S1006においてベタ領域でないと判定された場合に、濃度変化量判定部503は、対象の領域を縮小してS1005からの処理を繰り返しても良い。この場合、抽出された領域の元となったエッジ画素側を基点として、20画素分の領域であったところを10画素分に縮小する等の態様を用いることが可能である。つまり、所定数を小さくして、近傍領域を再抽出する。
また、第1実施形態においては、図15〜図17において説明したように、x方向及びy夫々について近傍領域として判定された領域を統合して以降の処理を行う場合を例として説明した。この他、x方向、y方向の夫々について個別にS1003以降の処理を行っても良い。この場合、図15の状態、図16の状態夫々についてS1003以降の処理が実行される。これにより、x方向、y方向の方向別に欠陥を検知することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、マスター画像のエッジの近傍領域に対応する読取画像の対応領域の統計量により、対応領域における欠陥の有無を判定する手法について説明した。
しかしながら、読取画像には印刷や読取時のランダムなノイズや一定方向のむらが存在するため、対応領域の幅、高さ、及び面積の少なくともいずれかが大きいほど、対応領域内の画素値のばらつきが大きくなる傾向にある。このため、第1実施形態で説明した手法では、対応領域が大きいほど統計量(分散値)が大きくなり、対応領域に欠陥が存在しないにもかかわらず、欠陥があると誤判定されてしまうおそれがある。
従って第2実施形態では、上述の課題を解決する手法について説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
図23は、第2実施形態に係るエッジ近傍判定部500の詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。図23に示すように、第2実施形態のエッジ近傍判定部500は、統計量算出部1504、第1欠陥判定部1505、及び分割部1506が、第1実施形態と相違する。
分割部1506は、近傍領域抽出部502により抽出された近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であると濃度変化量判定部503により判定された場合、近傍領域が分割要件を満たすか否かを判定し、分割要件を満たす場合、近傍領域を複数の分割領域に分割する。なお、分割要件は、近傍領域の第1方向における長さが第1の条件を満たすこと、近傍領域の第2方向における長さが第2の条件を満たすこと、及び近傍領域の面積の大きさが第3の条件を満たすことの少なくともいずれかが成立することである。例えば、近傍領域の第1方向における長さが第1の条件を満たすことは、近傍領域の幅が幅の閾値以上であることが挙げられる。また例えば、近傍領域の第2方向における長さが第2の条件を満たすことは、近傍領域の高さが高さの閾値以上であることが挙げられる。また例えば、近傍領域の面積が第3の条件を満たすことは、近傍領域の面積が面積の閾値以上であることが挙げられる。なお、分割手法の詳細については、後述する。
統計量算出部1504は、分割部1506により分割された分割領域毎に、当該分割領域に対応する読取画像の領域である対応分割領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する。なお、統計量については、第1実施形態同様、分散値とすればよい。
第1欠陥判定部1505は、対応分割領域毎に、当該対応分割領域の統計量に基づいて、当該対応分割領域における欠陥の有無を判定する。
次に、第2実施形態に係るエッジ近傍判定部500の動作について図24のフローチャートを参照して説明する。S1001〜S1006までの処理は、図12と同様である。
S1005の判断の結果、余白領域であった場合(S1005/YES)、又はS1006の判断の結果、ベタ領域であった場合(S1006/YES)、分割部1506は、余白領域又はベタ領域である近傍領域が分割要件を満たすか否かを判定し、分割要件を満たす場合、近傍領域を複数の分割領域に分割する(S1011)。
S1011の処理により近傍領域を複数の分割領域に分割すると、分割部1506は、1つずつ分割領域を選択し、選択した分割領域を示す情報を統計量算出部1504に通知する(S1012)。これにより、統計量算出部1504は、通知された情報から、選択した分割領域に対応する読取画像の対応分割領域を参照し、画素値の統計量として分散値を算出する(S1007)。
統計量算出部1504によって算出された分散値は第1欠陥判定部1505に入力される。第1欠陥判定部1505は、入力された分散値を予め定められた閾値と比較する(S1008)。なお、分散値が予め定められた閾値を超える場合に、対応分割領域に欠陥が生じていると判定される。
分割部1506は、S1011の処理により分割した分割領域の全てについて処理が完了するまでS1012からの処理を繰り返し(S1013/NO)、全分割領域について処理が完了したら(S1013/YES)、S1009へ進む。S1009の処理は、図12と同様である。
次に、第2実施形態に係る分割部1506の動作について図25のフローチャートを参照して説明する。なお、図25に示す例では、分割要件は、近傍領域のx軸方向の長さ(幅)がx軸方向の長さの閾値以上であること、及び近傍領域のy軸方向の長さ(高さ)がy軸方向の長さの閾値以上であることの少なくともいずれかが成立することである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
また、図25に示す例では、図26に示す近傍領域1031、1032を例に取り説明する。近傍領域1031は、図26に示すエッジ領域1011の近傍領域の一例であり、近傍領域1032は、図26に示すに示すエッジ領域1012の近傍領域の一例である。
例えば、図27に示すように、図26に示すマスター画像に対応する読取画像において、+x方向に向かって画素値が低くなるようなむらが生じているとする。この場合、読取画像では、区間xa−xbよりも区間xa−xcの方が画素値のばらつきが大きくなる。このため、近傍領域1031に対応する対応領域、近傍領域1032に対応する対応領域のいずれにおいても欠陥が生じていなくても、近傍領域1031に対応する対応領域よりも近傍領域1032に対応する対応領域の方が、分散値が大きくなり、欠陥が生じていると誤判定されてしまう可能性がある。このため、近傍領域1032については、y軸方向に分割する。これにより、分割領域では、x軸方向の長さが短くなり、分割領域に対応する分割対応領域では、画素値のばらつきを抑えることができる。
まず、分割部1506は、近傍領域のx軸方向の長さを算出する(S2501)。近傍領域1031の場合、x軸方向の長さはxb−xaとなり、近傍領域1032の場合、x軸方向の長さはxc−xaとなる。
続いて、分割部1506は、近傍領域のx軸方向の長さが、x軸方向の長さの閾値であるxth以上であるか否かを判定し(S2502)、閾値xth以上の場合(S2502/YES)、x軸方向での分割数を算出し(S2503)、算出した分割数で近傍領域を分割する(S2504)。なお、分割数は、分割領域のx軸方向の長さが閾値xth以上となるよう、近傍領域のx軸方向の長さを閾値xthで除算した値を切り上げた値とすればよい。一方、閾値xth未満の場合(S2502/No)、S2503、S2504の処理は行われない。
ここで、閾値xthは、xb−xa<xth<xc−xaであるものとする。このため、近傍領域1031の場合、xb−xa<xthとなり、x軸方向での分割は行われない。一方、近傍領域1032の場合、xth<xc−xaとなり、x軸方向での分割が行われる。例えば、(xc−xa)/xthが2.8の場合、分割部1506は、近傍領域1032を3つに分割する。
続いて、分割部1506は、近傍領域のy軸方向の長さを算出する(S2505)。
続いて、分割部1506は、近傍領域のy軸方向の長さが、y軸方向の長さの閾値以上であるか否かを判定し(S2506)、閾値以上の場合(S2506/YES)、y軸方向での分割数を算出し(S2507)、算出した分割数で近傍領域を分割する(S2508)。なお、分割数は、分割領域のy軸方向の長さが閾値以上となるよう、近傍領域のy軸方向の長さを閾値で除算した値を切り上げた値とすればよい。一方、閾値未満の場合(S2506/No)、S2507、S2508の処理は行われない。
なお、読取画像のx軸方向とy軸方向とでは、むらの様子が異なることを考慮して、x軸方向の長さの閾値とy軸方向の長さの閾値とを異なる値としてもよい。但し、x軸方向の長さの閾値とy軸方向の長さの閾値とを同一の値としてもよい。
また、近傍領域は矩形以外の領域であってもよい。ここで、図28に示す近傍領域1222を例に取り説明する。近傍領域1222は、図28に示すエッジ領域1212の近傍領域の一例である。なお、図28に示す例では、分割要件は、近傍領域の面積の大きさが面積の閾値以上であることが成立することである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。
ここで、近傍領域1222の面積(画素数)がS、面積の閾値がSthであり、Sth<Sであるものとする。この場合、分割部1506は、近傍領域1222の面積が閾値Sth未満となるように分割すればよい。
なお、図28に示す例において、分割要件は、近傍領域のx軸方向の長さ(幅)がx軸方向の長さの閾値以上であること、及び近傍領域の面積の大きさが面積の閾値以上であることの少なくともいずれかが成立することとしてもよい。
ここで、近傍領域1222のx軸方向の長さがL、x軸方向の長さの閾値がLthであり、Lth<Lであるものとする。この場合、分割部1506は、近傍領域1222のx軸方向の長さが閾値Lth未満となるように分割する。
図29に、近傍領域1222をx軸方向で3分割した例を示す。なお、近傍領域1222の形状上、近傍領域1222は、分割領域1301〜1305の5つに分割され、各分割領域の大きさは異なっている。このため分割部1506は、分割領域1301〜1305それぞれについて、面積が閾値Sth以上であれば、閾値Sth未満となるように分割すればよい。
ここでは、x軸方向での分割判断を行った後に、面積での分割判断を行う例について説明したが、逆の順序で行ってもよい。
以上のように第2実施形態によれば、近傍領域が大きい場合、近傍領域を複数の分割領域に分割し、複数の分割領域にそれぞれ対応する複数の分割対応領域に対し、統計量(分散値)を求めて欠陥判定を行うため、エッジの近傍領域の検査精度をより高めることができる。
1 DFE
2 エンジンコントローラ
3 プリントエンジン
4 検査装置
5 インタフェース端末
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 HDD
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 専用デバイス
90 バス
11 搬送ベルト
12、12Y、10M、12C、12K 感光体ドラム
13 給紙トレイ
14 転写ローラ
15 定着ローラ
16 反転パス
101 ジョブ情報処理部
102 RIP処理部
201 データ取得部
202 エンジン制御部
203 ビットマップ送信部
301 印刷処理部
400 読取装置
401 読取画像取得部
402 マスター画像生成部
403 検査制御部
404 差分画像生成部
410 排紙トレイ
421 少値多値変換処理部
422 解像度変換処理部
423 色変換処理部
424 画像出力処理部
431 情報入力部
432 差分画像取得部
433 第2欠陥判定部
434 コントローラ通信部
500 エッジ近傍判定部
501 エッジ領域抽出部
502 近傍領域抽出部
503 濃度変化量判定部
504、1504 統計量算出部
505、1505 第1欠陥判定部
1506 分割部
特開2014−155113号公報

Claims (12)

  1. 印刷物の生成元の元画像を取得し、当該元画像に基づいて、検査基準となるマスター画像を生成するマスター画像生成部と、
    前記印刷物を読み取った読取画像を取得する読取画像取得部と、
    前記マスター画像からエッジ領域を抽出するエッジ領域抽出部と、
    前記エッジ領域の近傍領域を抽出する近傍領域抽出部と、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する濃度変化量判定部と、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内である場合、前記マスター画像の前記近傍領域に対応する前記読取画像の領域である対応領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する統計量算出部と、
    前記統計量に基づいて、前記対応領域における欠陥の有無を判定する第1欠陥判定部と、
    を備える検査装置。
  2. 前記濃度変化量判定部は、前記近傍領域が顕色剤の付与されていない余白領域又は濃度が一様なベタ領域であるか否かを判定する請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記統計量は、分散値であり、
    前記第1欠陥判定部は、前記分散値が閾値を超える場合に、前記対応領域に欠陥が生じていると判定する請求項1又は2に記載の検査装置。
  4. 前記統計量は、画素の濃度毎の画素数を示す濃度分布であり、
    前記第1欠陥判定部は、前記濃度分布において極大値が複数存在する場合に、前記対応領域に欠陥が生じていると判定する請求項1又は2に記載の検査装置。
  5. 前記近傍領域抽出部は、前記エッジ領域を構成する画素毎に、当該画素を基点として、所定の方向に隣接する所定数の画素を抽出し、抽出した画素で構成される領域を前記近傍領域とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の検査装置。
  6. 前記近傍領域抽出部は、前記所定の方向に隣接する所定数の画素内に他のエッジ領域を構成する画素が含まれている場合、前記エッジ領域を構成する画素を基点として、所定の方向に隣接する前記他のエッジ領域を構成する画素までの画素を抽出する請求項5に記載の検査装置。
  7. 前記近傍領域抽出部は、前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内でない場合、前記所定数を小さくして、前記近傍領域を再抽出する請求項5又は6に記載の検査装置。
  8. 前記マスター画像と前記読取画像との差分を示す差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記差分画像に基づいて、前記印刷物における欠陥の有無を判定する第2欠陥判定部と、
    を更に備える請求項1〜7のいずれか1つに記載の検査装置。
  9. 前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内である場合、前記近傍領域が分割要件を満たすか否かを判定し、前記分割要件を満たす場合、前記近傍領域を複数の分割領域に分割する分割部を更に備え、
    前記統計量算出部は、前記分割領域毎に、当該分割領域に対応する前記読取画像の領域である対応分割領域を構成する画素の濃度の統計量を算出し、
    前記第1欠陥判定部は、前記対応分割領域毎に、当該対応分割領域の前記統計量に基づいて、当該対応分割領域における欠陥の有無を判定する請求項1〜8のいずれか1つに記載の検査装置。
  10. 前記分割要件は、前記近傍領域の第1方向における長さが第1の条件を満たすこと、前記近傍領域の第2方向における長さが第2の条件を満たすこと、及び前記近傍領域の面積の大きさが第3の条件を満たすことの少なくともいずれかが成立することである請求項9に記載の検査装置。
  11. 印刷物の生成元の元画像を取得し、当該元画像に基づいて、検査基準となるマスター画像を生成するマスター画像生成ステップと、
    前記印刷物を読み取った読取画像を取得する読取画像取得ステップと、
    前記マスター画像からエッジ領域を抽出するエッジ領域抽出ステップと、
    前記エッジ領域の近傍領域を抽出する近傍領域抽出ステップと、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する濃度変化量判定ステップと、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内である場合、前記マスター画像の前記近傍領域に対応する前記読取画像の領域である対応領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する統計量算出ステップと、
    前記統計量に基づいて、前記対応領域における欠陥の有無を判定する第1欠陥判定ステップと、
    を含む検査方法。
  12. 印刷物の生成元の元画像を取得し、当該元画像に基づいて、検査基準となるマスター画像を生成するマスター画像生成ステップと、
    前記印刷物を読み取った読取画像を取得する読取画像取得ステップと、
    前記マスター画像からエッジ領域を抽出するエッジ領域抽出ステップと、
    前記エッジ領域の近傍領域を抽出する近傍領域抽出ステップと、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する濃度変化量判定ステップと、
    前記近傍領域を構成する画素の濃度の変化量が前記所定の範囲内である場合、前記マスター画像の前記近傍領域に対応する前記読取画像の領域である対応領域を構成する画素の濃度の統計量を算出する統計量算出ステップと、
    前記統計量に基づいて、前記対応領域における欠陥の有無を判定する第1欠陥判定ステップと、
    をコンピュータ実行させるためのプログラム。
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