以下に、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例についてその構成を示す断面図である。
図示の撮像装置は、例えば、レンズ交換可能な一眼レフカメラ(以下単にカメラと呼ぶ)であり、カメラ本体1、交換レンズユニット(以下単に交換レンズと呼ぶ)2、およびストロボ装置(以下ストロボと呼ぶ)3などの発光装置を有している。そして、ストロボ(以下フラッシュと呼ぶこともある)3はカメラ本体1に着脱可能である。なお、また、ストロボ3はカメラ本体1にビルトインされてもよい。
カメラ本体1には、撮像素子12が備えられており、この撮像素子12は、例えば、CMOS又はCCDセンサーなどのエリア蓄積型の撮像素子である。撮像素子12の前面側には光学ローパスフィルター11が配置され、光学ローパスフィルター11の前にはメカニカルシャッター10が配置されている。
メカニカルシャッター10の前段には半透過性の主ミラー13が配置されている。そして、メカニカルシャッター10と主ミラー13との間には第1の反射ミラー14が配置されている。これら主ミラー13および第1の反射ミラー14は、撮影の際には、図中上方に跳ね上がる。つまり、主ミラー13および第1の反射ミラー14は、撮影の際には、交換レンズ2の光軸から退避する。
第1の反射ミラー14で反射した光の光軸上には、近軸的結像面15が規定され、この近軸的結像面15は第1の反射ミラー14に関して撮像素子12の結像面と共役な位置にある。
第2の反射ミラー16は第1の反射ミラー14で反射した光を反射して、焦点検出用センサー(AFセンサー)20に導く。第2の反射ミラー16と焦点検出用センサー20との間には、赤外カットフィルター17、絞り18、および2次結像レンズ19が配置されている。なお、絞り18には2つの開口部が形成されている。焦点検出用センサー20は、例えば、CMOS又はCCDなどのエリア蓄積型光電変換素子を備えている。
図2は、図1に示す焦点検出用センサー20の一例についてその構成を示す図である。
焦点検出用センサー20は、図1に示す絞り18の2つの開口部にそれぞれ対応する受光センサー部20Aおよび20Bを有している。そして、これら受光センサー部20Aおよび20Bはそれぞれ多数の受光部に分割されている。
さらに、図示はしないが、焦点検出用センサー20は信号蓄積および信号処理用の周辺回路などが備えられ、これら周辺回路は受光センサー部20Aおよび20Bとともに、同一チップ上に集積されている。
なお、第1の反射ミラー14、第2の反射ミラー16、赤外カットフィルター17、絞り18、2次結像レンズ19、および焦点検出用センサー20までを1つの構成とする。そして、この構成によって、撮影画面における任意の位置で所謂像ずれ方式による焦点検出を行うことができる(特開平9−184965号公報参照)。
再び図1を参照して、主ミラー13の上方には、拡散性を有するピント板21が配置され、ピント板21の上側にはペンタプリズム22が配置されている。そして、プリズム22を通過した光は接眼レンズ23に入射する。
プリズム22の近傍には第3の反射ミラー24が配置され、第3の反射ミラー24で反射した光は集光レンズ25を介して測光用センサー26に導かれる。なお、測光用センサー26は被写体の輝度を示す輝度情報を得るためのものである。そして、測光用センサー26は、例えば、CMOS又はCCDなどのエリア蓄積型光電変換素子を有している。
図3は、図1に示す測光用センサー26の受光面を複数の領域に分割した測光領域を示す図である。
測光用センサー26はその受光面が複数の領域に分割されて、複数の測光領域が規定されている。そして、測光用センサー26は、測光領域毎に被写体に関する輝度情報を出力する。図示の例では、受光面は5行×7列の35個の測光領域に分割されており、測光領域PD1〜PD35が形成されている。
なお、図示はしないが、測光用センサー26は受光画素部の他に信号増幅および信号処理用の周辺回路などが同一チップ上に集積されている。
再び図1を参照して、図示のカメラにおいては、ピント板21、ペンタプリズム22、および接眼レンズ23によってファインダー光学系が形成される。測光用センサー(AEセンサー)26には主ミラー13によって反射され、さらにピント板21によって拡散された光の一部が入射する。
図4は、図1に示すファインダー光学系のファインダー視野において測光用センサー26の視野と焦点検出用センサー20の焦点検出領域との対応の一例を示す図である。
図示のように、焦点検出領域としてS0〜S6の合計7領域が示されている。これら焦点検出領域S0〜S6はそれぞれ測光領域PD18、PD17、PD19、PD16、PD20、PD11、およびPD25に対応した位置に配置される。
再び図1を参照して、カメラ本体1には交換レンズ(撮影レンズともいう)2を取り付けるためのマウント部27が設けられている。そして、このマウント部27には撮影レンズ2と通信を行うための接点部28が形成されている。
交換レンズ2は光学レンズ30a〜30eを備えるとともに、絞り31を有している。さらに、交換レンズ2の後端面には、カメラ本体1と通信を行うためのレンズ接点部32が設けられるとともに、交換レンズ2をカメラ本体1に取り付けるためのマウント部33が設けられている。
カメラ本体1にはストロボ3を装着するための接続部29が備えられており、ストロボ3に備えられた取り付け部38を接続部29に接続することによってストロボ3がカメラ本体1に取り付けられる。ストロボ3は、発光部であるキセノン管34を備えるとともに、反射笠35、および集光用のフレネルレンズ36を備えている。さらに、ストロボ3はキセノン管34による発光量をモニターするためのモニターセンサー37を有している。
図5は、図1に示すカメラ本体1に取り付けられるストロボの他の例を示す図である。
図示のストロボ4は、発光部であるLED光源81、反射笠82、および集光用のフレネルレンズ83を備えるとともに、LED光源81の発光量をモニターするためのモニターセンサー84を備えている。そして、ストロボ4は取り付け部85によってカメラ本体1に取り付けられる。
図6は、図1に示すカメラにおける制御系統の一例を説明するためのブロック図である。なお、図6において、図1に示す構成要素と同一の構成要素については同一の参照番号を付す。
カメラ本体1には、カメラ制御部41が備えられている。カメラ制御部41は、例えば、演算装置(ALU)、ROM、RAM、A/Dコンバータ、タイマー(Timer)、およびシリアル通信ポート(SPI)を内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。そして、カメラ制御部41はカメラ全体の制御を行う。
焦点検出用センサー(AFセンサー)20および測光用センサー(AEセンサー)26の出力信号は、カメラ制御部41に備えられたA/Dコンバータの入力端子に入力される。
信号処理回路43は、カメラ制御部41の制御下で撮像素子12を駆動制御して、読み出しゲインを設定する。そして、信号処理回路43は撮像素子12の出力である画像信号(撮像信号)をA/D変換した後、所定の信号処理を行って画像データとする。さらに、信号処理回路43は、画像データを記録する際には、圧縮処理又は合成処理などの所定の画像処理を行う。なお、信号処理回路43は画像データにおいて目および口などの特徴部位を抽出して人間の顔を検出する機能を有している。さらには、信号処理回路43は画像データから表示用画像を生成する。
メモリ44は、例えば、DRAMであり、信号処理回路43による信号処理の際のワーク用メモリとして用いられる。さらに、メモリ44は、表示器45に画像を表示する際のVRAMとして用いられる。
表示器45は、例えば、TFT液晶パネル又は有機ELパネルで構成されており、表示器45には各種の撮影情報および撮像の結果得られた画像が表示される。そして、カメラ制御部41は表示器45を点灯制御する。記憶部46は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、信号処理回路43は画像データを記憶部46に記憶する。
図示のように、カメラ制御部41には第1のモータードライバ47、レリーズスイッチ(SW)49、シャッター駆動部42、およびライブビュー開始スイッチ(LVSW)50が接続されている。第1のモータードライバ47は、カメラ制御部41の制御下で、主ミラー13および第1の反射ミラー14のアップ・ダウン、そして、メカニカルシャッター10のチャージを行うための第1のモーター48を駆動する。
シャッター駆動部42は、カメラ制御部41の制御下でメカニカルシャッター10を駆動する。レリーズSW49はカメラ制御部41に対して撮影開始を指示するためのスイッチである。LVSW50は撮像素子12から出力された画像(スルー画像)を表示器45に逐次表示するライブビューを開始させる際に用いられるスイッチである。
カメラ本体1に備えられた接点部28は、カメラ制御部41に備えられたSPIに接続される。さらに、カメラ本体1に備えられた接続部29は、カメラ制御部41に備えられたSPIに接続される。
交換レンズ2には、レンズ制御部51が備えられている。レンズ制御部51は、例えば、ALU、ROM、RAM、タイマー、およびSPIを内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。
第2のモータードライバ52は、レンズ制御部51の制御下で、焦点調節を行うための第2のモーター53を駆動する。第3のモータードライバ54は、レンズ制御部51の制御下で絞り31の駆動するための第3のモーター55を駆動する。
レンズ制御部51には、距離検出部(距離エンコーダー)56およびズーム検出部(ズームエンコーダー)57が接続されている。距離エンコーダー56は焦点調節レンズ(つまり、フォーカスレンズ)の繰り出し量、つまり、被写体距離を示す被写体距離情報を得る。ズームエンコーダー57は交換レンズ2に備えられたズームレンズの移動に応じて撮影の際に焦点距離を示す焦点距離情報を得る。レンズ接点部32はレンズ制御部51に備えられたSPIに接続される。
交換レンズ2がカメラ本体1に装着されると、接点部28とレンズ32とが接続される。これによって、レンズ制御部51はカメラ制御部41とデータ通信が可能となる。そして、レンズ制御部51は、焦点検出および露出演算を行うために必要なレンズ固有の光学情報、被写体距離情報、および焦点距離情報をカメラ制御部41に送る。
カメラ制御41は焦点検出および露出演算によって得られた焦点調節情報および絞り情報をレンズ制御部51に送る。レンズ制御部51は焦点調節情報に応じて第2のモータードライバ52を制御するとともに、絞り情報に応じて第3のモータードライバ54を制御する。
ストロボ3には、ストロボ制御部61が備えられている。ストロボ制御部61は、例えば、ALU、ROM、RAM、タイマー、およびSPI(ともに図示せず)を内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。昇圧部62は発光部34であるキセノン管の発光に必要な300V程度の高圧電圧を生成するとともに、当該高圧電圧による充電を行う。
ストロボ3がカメラ本体1に装着されると、取り付け部38と接続部29とが接続された状態でストロボ制御部61はカメラ制御部41とのデータ通信が可能となる。当該データ通信には、ストロボ3が発光可能な最大発光量(ガイドナンバー情報)および最小発光量minGが含まれる。ストロボ制御部61は、カメラ制御部41の制御下で昇圧部62を制御して発光部(キセノン管)34の発光開始および発光停止を行う。ストロボ制御部61は、カメラ制御部41から発光量指示を受けると、当該発光量指示に応じて発光部34による発光を開始する。そして、ストロボ制御部61はモニターセンサー37で検出された光量に基づいて発光部34を停止制御する。
図7は、図5に示すストロボの制御系統の一例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、ストロボ3を第1のストロボ3と呼び、ストロボ4を第2のストロボ4と呼ぶ。
第2のストロボ4には、ストロボ制御部91が備えられている。ストロボ制御部91は、例えば、ALU、ROM、RAM、タイマー、およびSPI(ともに図示せず)を内蔵するワンチップマイクロコンピュータである。昇圧部92は発光部であるLED光源81の発光に必要な発光用電圧を生成する。
第2のストロボ4がカメラ本体1に装着されると、取り付け部85と接続部29とが接続された状態でストロボ制御部91はカメラ制御部41とのデータ通信が可能となる。当該データ通信には、第2のストロボ4が発光可能な最大発光量(ガイドナンバー情報)および最小発光量minGが含まれる。ストロボ制御部91は、カメラ制御部41の制御下で昇圧部92を制御してLED光源81の発光開始および発光停止を行う。ストロボ制御部91は、カメラ制御部41から発光量指示を受けると、当該発光量指示に応じてLED光源81による発光を開始する。そして、ストロボ制御部91はモニターセンサー84で検出された光量に基づいてLED光源81を停止制御する。
図8は、図5に示すカメラにおける撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のフローチャートに係る処理は、カメラ制御部41の制御下で行われる。
いま、カメラに備えられた電源スイッチ(図示せず)がオンされると、カメラ制御部41が動作可能となる。そして、カメラ制御部41はストロボ制御部61から充電情報および最小発光情報minGを含むストロボ情報(フラッシュ情報ともいう)を得る(ステップS101)。続いて、カメラ制御部41はレンズ制御部51から測距および測光に必要なレンズ情報を得る(ステップS102)。
次に、カメラ制御部41はLVSW50が操作されているか、つまり、LVSW50がオンであるか否かを判定する(ステップS103)。LVSW50がオフであると(ステップS103において、NO)、カメラ制御部41は焦点検出用センサー20を制御して電荷蓄積(信号蓄積)を行う。そして、信号蓄積が終了すると、カメラ制御部41は焦点検出用センサー20に蓄積された信号(つまり、電荷)を読み出す(ステップS104)。カメラ制御部41は信号電荷をA/D変換して焦点検出用データを得て、焦点検出用データに対してシェーディング補正などのデータ補正を行う。
次に、カメラ制御部41はレンズ情報および焦点検出用データに応じて焦点検出領域毎に焦点検出を行って焦点検出結果を得る(ステップS105)。そして、カメラ制御部41は、焦点検出領域S0〜S6において合焦させるべき焦点検出領域を決定する。焦点検出領域の決定に当たっては、例えば、カメラ制御部41はユーザーに指定された焦点検出領域を合焦させるべき焦点検出領域として決定する。なお、カメラ制御部41は、主被写体領域を合焦させるべき焦点検出領域として決定するようにしてもよい。
カメラ制御部41は合焦させるべき焦点検出領域における焦点検出結果に応じて合焦状態とするためのレンズ移動量を算出する。そして、カメラ制御部41は、当該レンズ駆動量をレンズ制御部51に送る。レンズ制御部51は、レンズ駆動量に基づいて第2のモータードライバ52を制御して第2のモーター53によって焦点調節用レンズを駆動する(ステップS105)。これによって、交換レンズ2は主被写体に対して合焦状態となる。この際、焦点調節用レンズの駆動によって被写体距離情報が変化するので、レンズ制御部51はレンズ情報を更新する。
続いて、カメラ制御部41は交換レンズ2が主被写体に対して合焦状態になった状態において、焦点検出領域S0〜S6における焦点検出結果であるデフォーカス量(デフォーカス情報ともいう)を算出する。なお、焦点検出領域(測距領域)に対するデフォーカス量をDF(n)とする。n=0〜6のいずれかの整数である。
その後、カメラ制御部41は測光用センサー26について蓄積制御および信号読み出し制御を行う(ステップS106)。これによって、測光用センサー26は所定の時間の電荷蓄積を行って信号電荷を出力する。カメラ制御部41は当該信号電荷をA/D変換して測光用データとしてRAMに格納する。ここでは、カメラ制御部41は受光部PD1〜PD35から信号電荷を読み出してA/D変換を行って輝度情報を得る。そして、カメラ制御部41はレンズ情報に基づいて輝度情報を補正して、受光部毎に測光用データである被写体輝度情報を得る。
次に、カメラ制御部41は、RAMに格納した測光用データに基づいて、後述するようにして、所定の露出演算処理を行うとともに、ストロボ(フラッシュ)を発光するか否を判定する判定処理(フラッシュ発光判定処理)を行う(ステップS107)。
図9は、図8に示す露出演算およびフラッシュ発光判定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、カメラ制御部41は受光部毎の被写体輝度情報(測光用データ)を、焦点調節の際に合焦させた焦点検出領域に重点をおく重み付け演算を行って、画像全体の輝度を算出する(ステップS201)。ここでは、この輝度を被写体輝度Bvとする。そして、カメラ制御部41はストロボ情報(フラッシュ情報)から最小発光量minGを得る(ステップS202)。
続いて、カメラ制御部41は最小発光量minGと所定の閾値Gthとを比較して、minG≦Gth(閾値以下)であるか否かを判定する(ステップS203)。なお、第1のストロボ3では、発光部にキセノン管34が用いられているので、最小発光量minGは比較的大きく、最小発光量minG>閾値Gthとなる。一方、第2のストロボ4においては、発光部にLED光源が用いられているので、最小発光量minGは比較的小さく、最小発光量≦閾値となる。
最小発光量minG>閾値Gthであると(ステップS203において、NO)、カメラ制御部41は、第1のプログラム線図を選択して(選択撮影条件)露出を求めるとともに、フラッシュ発光を決定する(ステップS204)。
図10は、第1のプログラム線図(第1の撮影条件)の一例を示す図である。
図10において、横軸は被写体輝度Bvを示し、縦軸は被写体輝度Bvに応じて決定されるシャッター速度TV1、絞り値AV1、および撮影感度SV1を示す。つまり、図10においては、被写体輝度Bvとシャッター速度TV1、絞り値AV1、および撮影感度SV1との関係が規定されている。いま、被写体輝度Bvが4の場合には、撮影感度SV1はISO感度100相当である。また、シャッター速度TV1が1/60秒、絞り値AV1が2.8において適正露出となる。
被写体輝度Bvが4よりも明るい場合に撮影感度SV1をISO感度100相当とままとする。この場合、シャッター速度TV1を1/60秒から被写体輝度Bvが1段上がる毎に0.5段、絞り値AV1を2.8から被写体輝度Bvが1段上がる毎に0.5段絞ることによって適正露出となる。これらの条件においてはフラッシュ撮影(ストロボ撮影)を行わずに自然光のみによって撮影を行う。被写体輝度Bvが4未満においては、シャッター速度TV1は1/60秒に固定される。
図示のように、被写体輝度Bvが4未満で1以上においては、絞り値AV1は2.8に固定される。この際には、撮影感度SV1をISO感度100相当から800相当まで適宜変更(上げる)ことによって適正露出とする。この条件下においてもフラッシュ撮影を行わず、自然光のみによって撮影を行う。
被写体輝度Bvが1未満となるとフラッシュ撮影が行われる。被写体輝度Bvが1未満で0以上においては、撮影感度SV1をISO感度800相当に固定し、絞り値AV1を4.0から2.8に変化させる。被写体輝度Bvが0未満の場合には、絞り値AV1を2.8に固定する。この際、被写体輝度Bvが0未満で−1以上であると撮影感度SV1をISO800からISO1600まで変化させる。なお、被写体輝度Bvが−1未満である場合には、撮影感度SV1をISO1600相当に固定する。
第1のプログラム線図を用いる場合には、ストロボの最小発光量が高いので、夜景のような暗い背景を明るく写す効果は落ちる。一方、フラッシュ撮影される被写体に関して露出オーバーを避けるため撮影感度SV1の上限を低く設定する。上述のようにして、撮影感度、シャッター速度、および絞り値を決定するとともに、ストロボ発光の有無を決定すると、カメラ制御部41は後述するステップS108の処理に進む。
最小発光量minG≦閾値Gthであると(ステップS203において、YES)、カメラ制御部41は、第2のプログラム線図を用いて露出を求めるとともに、フラッシュ発光を決定する(ステップS205)。
図11は、第2のプログラム線図(第2の撮影条件)の一例を示す図である。
図11において、被写体輝度Bvが4の場合には、撮影感度SV1はISO感度100相当である。また、シャッター速度TV1が1/60秒、絞り値AV1が2.8において適正露出となる。
被写体輝度Bvが4よりも明るい場合に撮影感度SV1をISO感度100相当とままとする。この場合、シャッター速度TV1を1/60秒から被写体輝度Bvが1段上がる毎に0.5段、絞り値AV1を2.8から被写体輝度Bvが1段上がる毎に0.5段絞ることによって適正露出となる。これらの条件においてはフラッシュ撮影(ストロボ撮影)を行わずに自然光のみによって撮影を行う。被写体輝度Bvが4未満においては、シャッター速度TV1は1/60秒に固定される。
図示のように、被写体輝度Bvが4未満で1以上においては、絞り値AV1は2.8に固定される。この際には、撮影感度SV1をISO感度100相当から800相当まで適宜変更(上げる)ことによって適正露出とする。この条件下においてもフラッシュ撮影を行わず、自然光のみによって撮影を行う。
被写体輝度Bvが1未満となるとフラッシュ撮影が行われる。被写体輝度Bvが1未満で0以上においては、撮影感度SV1をISO感度800相当に固定し、絞り値AV1を4.0から2.8に変化させる。被写体輝度Bvが0未満の場合には、絞り値AV1を2.8に固定する。この際、被写体輝度Bvが0未満で−3以上であると撮影感度SV1をISO800からISO6400まで適宜変更させる。なお、被写体輝度Bvが−3未満である場合には、撮影感度SV1をISO6400相当に固定する。
第2のプログラム線図を用いる場合には、ストロボの最小発光量が低いので、高感度においてフラッシュ撮影を行ったとしても被写体に関して露出オーバーとなる可能性が低い。よって、撮影感度SV1の上限をISO6400と高く設定する。これによって、夜景のような暗い背景を被写体とともに写すことができる。上述のようにして、撮影感度、シャッター速度、および絞り値を決定するとともに、ストロボ発光の有無を決定すると、カメラ制御部41は後述するステップS108の処理に進む。
再び図8を参照して、ステップS107の処理の後、カメラ制御部41はレリーズSW49がオンとなったか否かを判定する(ステップS108)。レリーズSW49がオンとならないと(ステップS108において、NO)、カメラ制御部41はステップS102の処理に戻る。レリーズSW49がオンとなると(ステップS108において、YES)、カメラ制御部41は後述するステップS116の処理に進む。
LVSW50がオンであると(ステップS103において、YES)、カメラ制御部41は第1のモータードライバ47を駆動制御して主ミラー13および第1の反射ミラー14を跳ね上げる(ステップS109)。
続いて、カメラ制御部41は、シャッター駆動部42を制御してシャッター10を開放状態とする(ステップS110)。これによって、撮像素子12に交換レンズ2から光学像が入射して撮像素子12に結像する。そして、カメラ制御部41は信号処理回路43によって撮像素子12の出力を処理して、表示器45に画像を表示することでライブビューを行う。
次に、カメラ制御部41は、ライブビュー中の画像の明るさおよび色合いを適正にするため、撮像によって得られた画像データ(つまり、撮像情報)から輝度情報および色情報を得て、撮像素子12の蓄積時間および色補正を行う。つまり、カメラ制御部41はAEおよびWB制御を行う(ステップS111)。
続いて、カメラ制御部41は画像データにおいて顔領域を検出する顔検出処理を行う(ステップS112)。例えば、特開2005−184508号公報に記載されているようにして、カメラ制御部41は画像データから目および口の特徴エッジを抽出して人物の顔位置を検知する。さらに、カメラ制御部41は目および口を包含する輪郭を検出して、その重心位置を求めるとともに当該輪郭内の領域の輝度を算出する。その後、カメラ制御部41は重心位置に基づいて画像における顔位置情報を得るとともに、輪郭に基づいて顔大きさ情報を得る。なお、以降の説明では、顔大きさ情報が示す顔の大きさをFSとする。
さらに、ステップS112においては、カメラ制御部41は、ピント調整を行うため、レンズ制御部51にレンズ駆動指令を送る。これによって、レンズ制御部51は第2のモータードライバ52を制御して第2のモーター53によって焦点調節用レンズを駆動する。この際、カメラ制御部41は画像におけるコントラスト値が最大となる位置で焦点調節用レンズを停止するようにレンズ制御部51を制御する。これによって、交換レンズ2は被写体に対して合焦状態となる(AF制御)。
なお、焦点調節用レンズを駆動することによって、距離検出部(距離エンコーダー)56の出力が変化するので、レンズ制御部51はレンズ情報を更新する。また、顔領域におけるコントラスト値が最大となるようにピント調整を行う所謂顔検知AFが行われる。
次に、カメラ制御部41は本撮影のための露出演算およびフラッシュの発光判定を行う(ステップS113)。なお、ステップS113の処理はステップS107の処理と同様の処理である。
続いて、カメラ制御部41はレリーズSW49がオンとなったか否かを判定する(ステップS114)。レリーズSW49がオンとならないと(ステップS114において、NO)、カメラ制御部41はステップS111の処理に戻る。レリーズSW49がオンとなると(ステップS114において、YES)、カメラ制御部41はシャッター駆動部42を制御してシャッター10を閉じてLVを終了する。そして、カメラ制御部41は第1のモータードライバ47を制御して第1のモーター48によって主ミラー13および第1の反射ミラー14をダウンさせるとともにメカニカルシャッター10をチャージする(ステップS115)。
次に、カメラ制御部41は、ステップS107又はS113においてストロボ(フラッシュ)を発光させると決定されたか否かを判定する(ステップS116)。ストロボを発光すると決定されている場合(ステップS116において、YES)、カメラ制御部41はプリ発光直前における測光を行うとともに、プリ発光による測光を行う(ステップS117)。
ステップS117の処理では、カメラ制御部41は受光部PD1〜PD35の信号電荷を読み出してA/D変換を行って、予備発光直前の輝度情報を予備発光前輝度情報P(i)として得る。なお、i=1〜35のいずれかの整数である。
続いて、カメラ制御部41はフラッシュ制御部61によってストロボを予備発光させる。そして、フラッシュ制御部61は発光モニター部の出力に基づいて発光部34が予め定められた予備発光量で発光するように発光部34の発光を制御する。カメラ制御部41は受光部PD1〜PD35の信号電荷を読み出してA/D変換を行って予備発光の際の輝度情報を予備発光時輝度情報H(i)として得る。
次に、カメラ制御部41は撮影の際のストロボの本発光量(本発光ゲイン)を求める(ステップS118)。なお、予備発光前輝度情報P(i)および予備発光時輝度情報H(i)に基づいて、本発光量を求める際の手法については、例えば、特開2005−275265号公報に記載されているので、ここでは説明を省略する。
続いて、カメラ制御部41は第1のモータードライバ47を制御して、第1のモーター48によって主ミラー13および第1の反射ミラー14を跳ね上げる。そして、カメラ制御部41はステップS107又はS113で求めた絞り値をレンズ制御部51に送る。レンズ制御部51は当該絞り値に基づいて第3のモータードライバ54を制御して第3のモーター55によって絞り31を駆動する(ステップS119)。これによって、交換レンズ2は絞り込み状態となる。
次に、カメラ制御部41はシャッター駆動部42を制御してシャッター10を開放状態とする。これによって、撮像素子12には交換レンズ2を介して光学像が結像する。そして、カメラ制御部41は、前述のステップS107又はS113で求めたシャッター速度(つまり、シャッター開放時間)に応じた蓄積時間と撮像感度に応じた読み出しゲインとに基づいて信号処理回路43を制御する(ステップS120)。これによって、撮像素子12において信号蓄積が行われる。つまり、撮像が行われる。
この際、ストロボ撮影を行う場合には、カメラ制御部41は撮像のタイミングに同期してストロボ制御部61にストロボ発光指示を送る。これによって、ストロボ制御部61は、ストロボ発光指示に基づいて発光モニター部37の出力に監視しつつ発光部34を本発光量で発光させる。これによって、ストロボ発光を伴う撮像が行われる。
撮像が終了すると、カメラ制御部41はシャッター駆動部42を制御してシャッター10を遮光状態とする。これによって、撮像素子12が遮光される。その後、カメラ制御部41はレンズ制御部51に絞り31の開放を指示する。そして、レンズ制御部51は第3のモータードライバ54を制御して第3のモーター55によって絞り31を駆動する(ステップS121)。これによって、交換レンズ2は絞り開放状態となる。さらに、ステップS121において、カメラ制御部41は第1のモータードライバ47を制御して、第1のモーター48によって主ミラー13および第1の反射ミラー14をダウンさせる。
続いて、カメラ制御部41は信号処理回路43によって撮像素子12の出力である画像信号をA/D変換した後、所定の補正処理および補間処理を行う(ステップS122)。さらに、カメラ制御部41は信号処理回路43によってホワイトバランス処理を行う(ステップS123)。ステップS123の処理では、信号処理回路43は、カメラ制御部41の制御下で取得した画像データ全体(1画面)を複数の領域に分割して、当該領域毎の色差信号に基づいて被写体の白色領域を抽出する。そして、信号処理回路43は白色領域に基づいて画像データ全体の赤チャンネルおよび青チャンネルのゲイン補正を行ってホワイトバランスを調整する。
次に、カメラ制御部41は、ホワイトバランス処理後の画像データを記録ファイルフォーマットに圧縮変換した後、記憶部46に記憶する。そして、カメラ制御部41は撮影処理を終了する。
このように、本発明の第1の実施形態では、カメラ本体に装着されたストロボの最小発光量に応じて撮影感度の上限値が異なるプログラム線図を切り替える。これによって、最小発光量が大きいストロボにおいてはストロボ撮影の際に被写体に関する露出オーバーが生じる頻度を下げることができる。一方、最小発光量が小さいストロボにおいてはストロボ撮影の際に被写体に関する露出オーバーを避けるとともに背景をより明るく撮影することができる。
なお、第1の実施形態で説明した第1および第2のプログラム線図の切替えは一例であり、3つ以上のプログラム線図を用いてこれらストロボに応じてこれらプログラム線図を選択的に用いるようにしてもよい。さらには、被写体の輝度に応じたシャッター速度、絞り値、および撮影感度の設定、そして、ストロボ撮影を行うか否かの決定についても一例である。また、ストロボなどの補助撮影用光源の最小発光量は主に当該発光源の種類によって異なる。よって、最小発光量を示す情報の代わりに発光源の種類を示す情報を用いるようにしてもよい。例えば、前述したステップS202とS203の処理において、カメラ制御部41が発光源の種類を示す情報に基づき、該発光源の種類に応じて第1のプログラム線図を選択するか、第2のプログラム線図を選択するかを切替えるような構成であってもよい。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態によるカメラの一例について説明する。なお、第2の実施形態によるカメラの構成は、第1の実施形態で説明したカメラと同様である。また、第2の実施形態によるカメラにおける撮影処理は図8で説明した撮影処理と同様であるが、露出演算およびフラッシュ発光決定処理が異なる。
前述の第1の実施形態においては、カメラ本体装着されたストロボの最小発光量に基づいてプログラム線図を切り替えるようにした。ところが、ストロボ撮影によって被写体が露出オーバーになる可能性が高くなるのは被写体がカメラから近距離に位置する場合である。よって、第2の実施形態ではストロボの最小発光量および被写体の位置に応じてプログラム線図を切り替える。
図12は、本発明の第2の実施形態によるカメラで行われる露出演算およびフラッシュ発光判定処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図示のステップS301〜S303、S306、およびS307の処理は、図9に示すステップS201〜S205の処理と同様である。
ステップS303の処理において、最小発光量minG>閾値Gthであると(ステップS203において、NO)、カメラ制御部41は、レンズ制御部から距離情報および焦点距離情報を得るとともに、顔大きさ情報FSを得る(ステップS304)。なお、距離情報として距離検出部56の出力が用いられ、焦点距離情報としてズーム検出部57の出力が用いられる。
続いて、カメラ制御部41は距離情報、焦点距離情報、および顔大きさ情報FSの少なくとも1つを用いて近距離撮影であるか否かを判定する(ステップS305)。ここでは、距離情報が示す被写体距離が所定の距離以下であると、カメラ制御部41は近距離撮影であると判定する。また、距離情報がない場合には、カメラ制御部41は顔大きさ情報FSおよび焦点距離情報に基づいて被写体距離を推定する。そして、当該被写体距離が所定の距離以下であると、カメラ制御部41は近距離撮影であると判定する。
なお、本実施形態では、上述した所定の距離を3mとするが、これに限定されるものではなく、その他の距離を設定するような構成であってもよい。
近距離撮影であると判定すると(ステップS305において、YES)、カメラ制御部41はステップS306の処理に進む。一方、近距離撮影でないと判定すると(ステップS305において、NO)、カメラ制御部41はステップS307の処理に進む。
第2の実施形態では、minG>Gthであり、かつ近距離撮影の場合に第1のプログラム線図を用いる。つまり、minG>Gthであり、かつ近距離撮影の場合には、撮影感度を高くすると被写体が露出オーバーとなる。このような事態を防止するため、撮影感度SV1の上限値が低く設定された第1のプログラム線図を用いて撮影感度、シャッター速度、絞り値、およびフラッシュ発光の有無を決定する。
一方、minG≦Gthであるか又は近距離撮影でない場合には第2のプログラム線図を用いる。つまり、minG≦Gthであるか又は近距離撮影でない場合には、撮影感度を高くても被写体が露出オーバーになる可能性が低い。このため。撮影感度SV1の上限値が高く設定された第2のプログラム線図を用いてシャッター速度、絞り値、およびフラッシュ発光の有無を決定する。
上述の説明から明らかなように、図6に示す例では、カメラ制御部41が選択手段および制御手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態では、カメラ本体1と交換レンズ2とがそれぞれ別々に設けられている構成であったが、それぞれが一体的に設けられている構成であってもよい。また、ストロボ3およびストロボ4の一方又は両方が、カメラ本体1に内蔵されているような構成であってもよい。上述したような構成を採用した場合、交換レンズ2およびストロボ3、ストロボ4の制御はカメラ制御部41が実行する構成であればよい。
また、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、当該制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。