JP6730584B2 - 全固体電池、及び全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池、及び全固体電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6730584B2
JP6730584B2 JP2016030392A JP2016030392A JP6730584B2 JP 6730584 B2 JP6730584 B2 JP 6730584B2 JP 2016030392 A JP2016030392 A JP 2016030392A JP 2016030392 A JP2016030392 A JP 2016030392A JP 6730584 B2 JP6730584 B2 JP 6730584B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
material layer
solid
pole
solid electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016030392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017147205A (ja
Inventor
亮治 伊藤
亮治 伊藤
純一 岩田
純一 岩田
肥田 勝春
勝春 肥田
山本 保
保 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2016030392A priority Critical patent/JP6730584B2/ja
Publication of JP2017147205A publication Critical patent/JP2017147205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6730584B2 publication Critical patent/JP6730584B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本件は、全固体電池に関する。
近年、電気エネルギーを蓄積する二次電池は、ハイブリット車、電気自動車などへの応用で注目されている。また、小さな環境エネルギーから発電を行うエネルギーハーベスト技術が省エネ技術として関心を集めており、発電した電気エネルギーを蓄電、供給可能な前記二次電池は、様々な応用への可能性が広がるため注目されている。例えば、エネルギーハーベストとの組み合わせによるセンサー等への応用も検討されている。
これらの応用において、電解質に液体を使用しない全固体電池は、液体の漏洩の危険がないことから高い関心が集まっている。
例えば、固体電解質であるNb−doped−LiLaZr12(LLZONb)の焼結体ディスク上に、粉体の正極活物質LiCoOと接続材LiBOとを含有するペーストを塗布し、接続材LiBOの融点以上の温度で焼成することにより、固体電解質と正極活物質とを低抵抗で接続して得られる全固体電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
この提案の技術では、接続材の融点以上で焼成する必要がある。接続材の融点以上で焼成する場合、上記の特定の材質の組合せでは、問題がなくても、他の材質の組合せでは、正極活物質、接続材、及び固体電解質間で副反応が生じてしまうという問題がある。
S. Ohta et al.,Journal of Power Source 238 (2013)53−56
本発明は、高温処理を要せずに作製でき、かつ低抵抗である全固体電池を提供することを目的とする。
一つの態様では、全固体電池は、
第1極と、固体電解質層とを有し、
前記第1極が、第一の第1極活物質層、及び前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第1極活物質層を有し、
前記第一の第1極活物質層が、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成され、
前記第二の第1極活物質層が、第1極活物質から構成される蒸着膜である。
一つの側面では、高温処理を要せずに作製でき、かつ低抵抗である全固体電池を提供できる。
図1は、開示の全固体電池の一例の模式図である。 図2は、開示の全固体電池の他の一例の模式図である。 図3は、開示の全固体電池の他の一例の模式図である。 図4Aは、比較例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その1)。 図4Bは、比較例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その2)。 図4Cは、比較例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その3)。 図5Aは、比較例1の全固体電池の交流インピーダンスの測定結果である。 図5Bは、図5Aの拡大図である。 図6Aは、実施例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その1)。 図6Bは、実施例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その2)。 図6Cは、実施例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その3)。 図6Dは、実施例1の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その4)。 図7Aは、実施例1の全固体電池の交流インピーダンスの測定結果である。 図7Bは、図7Aの拡大図である。 図8Aは、実施例2の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その1)。 図8Bは、実施例2の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その2)。 図8Cは、実施例2の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その3)。 図8Dは、実施例2の全固体電池の作製方法を説明するための概略図である(その4)。 図9Aは、実施例2の全固体電池の交流インピーダンスの測定結果である。 図9Bは、図9Aの拡大図である。
(全固体電池)
開示の全固体電池は、第1極と、固体電解質層とを有し、更に必要に応じて、第2極などのその他の部材を有する。
本発明者らは、全固体電池において、固体電解質層と、粉体又は焼結体である極活物質層と間の抵抗を低減するため、鋭意検討を行った。
極活物質層を粉体又は焼結体のままで使用すると、固体電解質層と間の抵抗は大きくなる。そこで、高温で加熱することが検討されているが、その場合、副反応が生じてしまう。
そこで、本発明者らは鋭意検討を行った結果、固体電解質層と、粉体又は焼結体である極活物質層との間に、いわゆるドライプロセスで形成され、かつ極活物質から構成される膜(蒸着膜)を介在させることにより、高温処理を要せずに、低抵抗の全固体電池が得られることを知見し、本発明の完成に至った。
<第1極>
前記第1極は、第一の第1極活物質層と、第二の第1極活物質層とを有する。
前記第二の第1極活物質層は、前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第一の第1極活物質層は、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成される。
前記第二の第1極活物質層は、第1極活物質から構成される蒸着膜である。
前記第一の第1極活物質層における前記第1極活物質と、前記第二の第1極活物質層における前記第1極活物質とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
ここで、「粉体」とは、粉の集合体であり、粉体において粉同士には粒界が存在している。
ここで、「焼結体」とは、粉体を融点よりも低い温度で加熱して得られる物体であり、焼結体において粉同士の粒界は消滅している。
ここで、「蒸着膜」とは、蒸着法により得られる膜を意味する。蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着法などが挙げられる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法などが挙げられる。
粉体と、焼結体とは、粒界の有無により区別できる。
粉体及び焼結体と、蒸着膜とは、その断面等における空隙の有無により区別できる。すなわち、粉体又は焼結体は、粉の集合体であるため、粉と粉との間に空隙が存在しているのに対して、蒸着膜にはそのような空隙が存在しない。
前記第1極は、正極又は負極である。
そのため、前記第1極が、正極の場合、第一の第1極活物質層は、第一の正極活物質層であり、第二の第1極活物質層は、第二の正極活物質層である。また、第1極活物質は、正極活物質である。
また、前記第1極が、負極の場合、第一の第1極活物質層は、第一の負極活物質層であり、第二の第1極活物質層は、第二の負極活物質層である。また、第1極活物質は、負極活物質である。
<第2極>
前記第2極は、前記第1極と反対側の極であり、前記第1極が正極であれば、前記第2極は負極であり、前記第1極が負極であれば、前記第2極は正極である。
前記第2極は、第一の第2極活物質層と、第二の第2極活物質層とを有することが好ましい。
前記第二の第2極活物質層は、前記第一の第2極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第一の第2極活物質層は、粉体又は焼結体である第2極活物質から構成される。
前記第二の第2極活物質層は、第2極活物質から構成される蒸着膜である。
前記第一の第2極活物質層における前記第2極活物質と、前記第二の第2極活物質層における前記第2極活物質とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
以下、第1極、及び第2極の詳細を、正極、負極を用いて説明する。
<<正極>>
前記正極は、第一の正極活物質層と、第二の正極活物質層とを有する。
前記第二の正極活物質層は、前記第一の正極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第一の正極活物質層は、粉体又は焼結体である正極活物質から構成される。
前記第二の正極活物質層は、正極活物質から構成される蒸着膜である。
−第一の正極活物質層−
前記第一の正極活物質層は、粉体又は焼結体である正極活物質から構成される。
前記粉体又は焼結体である正極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム含有複合酸化物などが挙げられる。前記リチウム含有複合酸化物としては、リチウムと他の金属とを含有する複合酸化物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCrO、LiVO、LiMMn2-x(Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuの少なくともいずれかである。0≦x<2)、LiFePO、LiCoPOなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第一の正極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mm以下が好ましく、1μm〜300μmがより好ましく、10μm〜100μmが特に好ましい。
前記第一の正極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)前記正極活物質の粉体自体を、圧縮成形して形成する方法。
(2)前記正極活物質の焼結体を、所定の形状に成形して、形成する方法。
(3)前記正極活物質の粉体と、導電助剤と、結着剤とを混合して得られるペーストを、圧縮成形して形成する方法。
−第二の正極活物質層−
前記第二の正極活物質層としては、正極活物質から構成される蒸着膜であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第二の正極活物質層は、前記第一の正極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第二の正極活物質層における前記正極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム含有複合酸化物などが挙げられる。前記リチウム含有複合酸化物としては、リチウムと他の金属とを含有する複合酸化物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LiCoO、LiNiO、LiCrO、LiVO、LiMMn2-x(Mは、Co、Ni、Fe、Cr及びCuの少なくともいずれかである。0≦x<2)、LiFePO、LiCoPOなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第二の正極活物質層は、蒸着法により得られる膜である。
前記蒸着法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法などが挙げられる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法などが挙げられる。
前記第二の正極活物質層は、結晶質であってもよいし、非晶質であってもよい。
非晶質の正極活物質を結晶質に相転移させる場合には、ガラス転移点以上の加熱を要するが、通常、ガラス転移点は、融点よりも100℃〜200℃程度低い温度のため、相転移には高温での加熱を要しない。
前記第二の正極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以下が好ましく、500nm〜10μmがより好ましく、2μm〜5μmが特に好ましい。
<負極>
前記負極は、第一の負極活物質層と、第二の負極活物質層とを有する。
前記第二の負極活物質層は、前記第一の負極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第一の負極活物質層は、粉体又は焼結体である負極活物質から構成される。
前記第二の負極活物質層は、負極活物質から構成される蒸着膜である。
−第一の負極活物質層−
前記第一の負極活物質層は、粉体又は焼結体である負極活物質から構成される。
前記第一の負極活物質層における前記負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金、ケイ酸リチウム、チタン酸リチウム、非晶質カーボン、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第一の負極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2mm以下が好ましく、1μm〜300μmがより好ましく、10μm〜100μmが特に好ましい。
前記第一の負極活物質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)前記負極活物質の粉体自体を、圧縮成形して形成する方法。
(2)前記負極活物質の焼結体を、所定の形状に成形して、形成する方法。
(3)前記負極活物質の粉体と、導電助剤と、結着剤とを混合して得られるペーストを、圧縮成形して形成する方法。
−第二の負極活物質層−
前記第二の負極活物質層としては、負極活物質から構成される蒸着膜であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第二の負極活物質層は、前記第一の負極活物質層と前記固体電解質層との間に配される。
前記第二の負極活物質層における前記負極活物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム、リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金、ケイ酸リチウム、チタン酸リチウム、非晶質カーボン、天然黒鉛、人造黒鉛などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第二の負極活物質層は、蒸着法により得られる膜である。
前記蒸着法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法などが挙げられる。物理蒸着法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法などが挙げられる。
前記第二の負極活物質層は、結晶質であってもよいし、非晶質であってもよい。
非晶質の負極活物質を結晶質に相転移させる場合には、ガラス転移点以上の加熱を要するが、通常、ガラス転移点は、融点よりも100℃〜200℃程度低い温度のため、相転移には高温での加熱を要しない。
前記第二の負極活物質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm以下が好ましく、500nm〜10μmがより好ましく、2μm〜5μmが特に好ましい。
<固体電解質層>
前記固体電解質層としては、固体電解質で構成される層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記固体電解質としては、電池反応を担うキャリアであるリチウムイオンの伝導性を有する固体の電解質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質などが挙げられる。
前記酸化物系固体電解質としては、例えば、ペロブスカイト型酸化物、NASICON型酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物などが挙げられる。
前記ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、LiLa1−aTiO等のように表されるLi−La−Ti系ペロブスカイト型酸化物、LiLa1−bTaO等のように表されるLi−La−Ta系ペロブスカイト型酸化物、LiLa1−cNbO等のように表されるLi−La−Nb系ペロブスカイト型酸化物などが挙げられる(前記式中、0<a<1、0<b<1、0<c<1である。)。
前記NASICON型酸化物としては、例えば、Li1+lAlTi2−l(PO等に代表される結晶を主晶とするLi(前記式中、Xは、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、Yは、Ti、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、0≦l≦1、m、n、o、p及びqは、任意の正数である。)で表される酸化物などが挙げられる。
前記LISICON型酸化物としては、例えば、LiXO−LiYO(前記式中、Xは、Si、Ge、及びTiから選択される少なくとも1種の元素であり、Yは、P、As及びVから選択される少なくとも1種の元素である。)で表される酸化物などが挙げられる。
前記ガーネット型酸化物としては、例えば、LiLaZr12等に代表されるLi−La−Zr系酸化物などが挙げられる。
前記硫化物系固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−SiS、Li3.250.25Ge0.76、Li4−rGe1−r(式中、0≦r≦1である。)、Li11、LiS−SiS−LiPOなどが挙げられる。前記硫化物系固体電解質は、結晶性硫化物、非晶性硫化物のいずれであってもよい。
なお、これらの固体電解質は、結晶構造が同等である限り、元素の一部が他の元素に置換されたものでもよく、元素組成比が異なるものでもよい。
また、これらの固体電解質は、一種を単独で用いてよく、複数種を用いてもよい。
前記固体電解質としては、Li6.25LaZrAl0.2512、Li2.9PO3.30.4、LiAl(P(POが好ましく、高出力であり、かつ安定な全固体電池を得ることができる点で、Li6.25LaZrAl0.2512がより好ましい。
前記固体電解質層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜5mmが好ましく、50μm〜3mmがより好ましく、100μm〜1mmが特に好ましい。
前記固体電解質層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、スパッタリング法、前記固体電解質の粉末を圧縮成形する方法、前記固体電解質の焼結体を所定の形状に成形する方法などが挙げられる。
すなわち、前記固体電解質層は、粉体から構成される固体電解質層であってもよいし、焼結体から構成される固体電解質層であってもよいし、前記固体電解質から構成される蒸着膜であってもよい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電池ケースなどが挙げられる。
<<電池ケース>>
前記電池ケースとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来の全固体電池で使用可能な公知のラミネートフィルムなどが挙げられる。前記ラミネートフィルムとしては、例えば、樹脂製のラミネートフィルム、樹脂製のラミネートフィルムに金属を蒸着させたフィルムなどが挙げられる。
前記全固体電池の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒型、角型、ボタン型、コイン型、扁平型などが挙げられる。
ここで、全固体リチウムイオン二次電池の充放電について簡単に説明する。充電時には、リチウムイオンが正極から負極に移動し、放電時には、リチウムイオンが負極から正極に移動する。充電時には、負極においては、負極に移動したリチウムイオンと、外部から供給された電子とが反応することで、電池の充電が行われる。
この際、正極又は負極が、粉体又は焼結体から構成されていると、正極又は負極と固体電解質層との界面の抵抗が大きくなる。
本発明の全固体電池では、粉体又は焼結体から構成される極活物質層と、固体電解質層との間に、蒸着膜である極活物質層を有する。そのことにより、正極又は負極と固体電解質層との界面の抵抗が小さくなる。
そのため、通常、正極又は負極と固体電解質層との界面の抵抗を小さくするための高温熱処理が必要となるところ、本発明の全固体電池を作製する際にはそのような高温熱処理は不要となる。
図1は、開示の全固体電池の一例の断面模式図である。図1の全固体電池においては、第一の正極活物質層1A上に、第二の正極活物質層1B、固体電解質層2、第二の負極活物質層3B、及び第一の負極活物質層3Aがこの順で配されている。
図2は、開示の全固体電池の他の一例の断面模式図である。図2の全固体電池においては、第一の正極活物質層1A上に、第二の正極活物質層1B、固体電解質層2、及び負極3がこの順で配されている。
図3は、開示の全固体電池の他の一例の断面模式図である。図1の全固体電池においては、正極1上に、固体電解質層2、第二の負極活物質層3B、及び第一の負極活物質層3Aがこの順で配されている。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(比較例1)
以下の構成を有する全固体電池を作製した。
<全固体電池の構成>
・正極:LiCoO粉体10mg(日本化学工業製、セルシードC−10N)
・固体電解質:Li6.25LaZrAl0.2512 焼結体10mm×10mm×1mm (LLZ焼結体、豊島製作所製)
・負極2:Li薄膜φ6mm×2μm(蒸着源は本城金属製Liロッド)
・負極1:Li箔φ6mm×0.6mm(本城金属製)
具体的な作製手順を、図4A〜図4Cを用いて説明する。
LLZ焼結体からなる固体電解質層102を用意した(図4A)。
固体電解質層102の負極面に、第二の負極活物質層103B(負極2)を真空蒸着法を用いて薄膜形成し、更に第二の負極活物質層103Bに第一の負極活物質層103A(負極1)を圧着することでハーフセルを作製した(図4B)。
次に、このハーフセルの正極面に、予め1トンの荷重で加圧成形しておいた正極101(正極1)を接触させ、ステンレス110A及び110BとPET管111からなる治具をバイス固定することで電気化学セル(全固体電池)を作製した(図4C)。
作製した電気化学セルの交流インピーダンスを図5A及び図5Bに示す。周波数範囲は1MHzから0.1Hz、変調電圧は10mVとした。比較例1では、電池動作時の内部抵抗に最も近い0.1Hzプロット値で、59.0MΩと非常に大きな値を示した(図5Aの丸で囲ったプロット)。なお、図5A、図5B、図7A、図7B、図9A及び図9Bにおいて、「E」は、10のべき乗を表す。すなわち、「1.0E+3」は「1,000」を表す。
(実施例1)
以下の構成を有する全固体電池を作製した。
<全固体電池の構成>
・正極1:LiCoO粉体10mg(日本化学工業製、セルシードC−10N)
・正極2:LiCoO薄膜10mm×10mm×3μm(スパッタリングターゲットは豊島製作所製)
・固体電解質:Li6.25LaZrAl0.2512 焼結体10mm×10mm×1mm (LLZ焼結体、豊島製作所製)
・負極2:Li薄膜φ6mm×2μm(蒸着源は本城金属製Liロッド)
・負極1:Li箔φ6mm×0.6mm(本城金属製)
具体的な作製手順を、図6A〜図6Dを用いて説明する。
LLZ焼結体からなる固体電解質層102を用意した(図6A)。
固体電解質層102の正極面に、第二の正極活物質層101B(正極2)をスパッタリング法により形成した(図6B)。
次に、固体電解質層102の負極面に、第二の負極活物質層103B(負極2)を真空蒸着法を用いて薄膜形成し、更に第二の負極活物質層103Bに第一の負極活物質層103A(負極1)を圧着することでハーフセルを作製した(図6C)。
次にこのハーフセルの正極面に、予め1トンの荷重で加圧成形しておいた第一の正極活物質層101A(正極1)を接触させ、ステンレス110A及び110BとPET管111からなる治具をバイス固定することで電気化学セル(全固体電池)を作製した(図6D)。
作製した電気化学セルの交流インピーダンスを図7A及び図7Bに示す。周波数範囲は1MHzから0.1Hz、変調電圧は10mVとした。実施例1では、0.1Hzプロット値で281kΩを示し(図7Aの丸で囲ったプロット)、抵抗は比較例1の210分の1に減少した。
(実施例2)
以下の構成を有する全固体電池を作製した。
<全固体電池の構成>
・正極1:合材ペースト
・・LiCoO:8.5mg(日本化学工業製、セルシードC−10N)
・・導電助剤:1.0mg(LION製、ケッチェンブラックEC300J)
・・結着剤:0.5mg(クレハ製、KFポリマー W#8500)
・・溶媒:数滴(N−メチル−2−ピロリドン(NMP))
・正極2:LiCoO薄膜10mm×10mm×3μm(スパッタリングターゲットは豊島製作所製)
・固体電解質:Li6.25LaZrAl0.2512 焼結体10mm×10mm×1mm (LLZ焼結体、豊島製作所製)
・負極2:Li薄膜φ6mm×2μm(蒸着源は本城金属製Liロッド)
・負極1:Li箔φ6mm×0.6mm(本城金属製)
具体的な作製手順を、図8A〜図8Dを用いて説明する。
LLZ焼結体からなる固体電解質層102を用意した(図8A)。
固体電解質層102の正極面に、第二の正極活物質層101B(正極2)をスパッタリング法により形成した(図8B)。
次に、固体電解質層102の負極面に、第二の負極活物質層103B(負極2)を真空蒸着法を用いて薄膜形成し、更に第二の負極活物質層103Bに第一の負極活物質層103A(負極1)を圧着することでハーフセルを作製した(図8C)。
次にこのハーフセルの正極面に、合材ペーストを塗布し120℃で2時間溶媒を除去した後に、板バネ112に挟むことで、第一の正極活物質層101Aを形成し、電気化学セル(全固体電池)を作製した(図8D)。
作製した電気化学セルの交流インピーダンスを図9A及び図9Bに示す。周波数範囲は1MHzから0.1Hz、変調電圧は10mVとした。実施例2では、0.1Hzプロット値で77.2kΩを示し(図9Aの丸で囲ったプロット)、抵抗は比較例1の760分の1に減少した。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1極と、固体電解質層とを有し、
前記第1極が、第一の第1極活物質層、及び前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第1極活物質層を有し、
前記第一の第1極活物質層が、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成され、
前記第二の第1極活物質層が、第1極活物質から構成される蒸着膜である、
ことを特徴とする全固体電池。
(付記2)
前記第一の第1極活物質層における前記第1極活物質と、前記第二の第1極活物質層における前記第1極活物質とが、同じ材質である付記1に記載の全固体電池。
(付記3)
更に、第2極を有し、
前記第2極が、第一の第2極活物質層、及び前記第一の第2極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第2極活物質層を有し、
前記第一の第2極活物質層が、粉体又は焼結体である第2極活物質から構成され、
前記第二の第2極活物質層が、第2極活物質から構成される蒸着膜である、
付記1又は2に記載の全固体電池。
(付記4)
前記固体電解質層が、粉体又は焼結体である固体電解質から構成される付記1から3のいずれかに記載の全固体電池。
1 正極
1A 第一の正極活物質層
1B 第二の正極活物質層
2 固体電解質層
3 負極
3A 第一の負極活物質層
3B 第二の負極活物質層
101 正極
101A 第一の正極活物質層
101B 第二の正極活物質層
102 固体電解質層
103A 第一の負極活物質層
103B 第二の負極活物質層
110A ステンレス
110B ステンレス
111 PET管
112 板バネ

Claims (6)

  1. 負極である第1極と、固体電解質層とを有し、
    前記第1極が、第一の第1極活物質層、及び前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第1極活物質層を有し、
    前記第一の第1極活物質層が、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成され(ただし、前記第一の第1極活物質層は固体電解質を含まない。)
    前記第二の第1極活物質層が、第1極活物質から構成される蒸着膜である、
    ことを特徴とする全固体電池。
  2. 負極である第1極と、固体電解質層とを有し、
    前記第1極が、第一の第1極活物質層、及び前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第1極活物質層を有し、
    前記第一の第1極活物質層が、焼結体である第1極活物質から構成され、
    前記第二の第1極活物質層が、第1極活物質から構成される蒸着膜である、
    ことを特徴とする全固体電池。
  3. 負極である第1極と、粉体又は焼結体である固体電解質から構成される固体電解質層とを有し、
    前記第1極が、第一の第1極活物質層、及び前記第一の第1極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第1極活物質層を有し、
    前記第一の第1極活物質層が、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成され、
    前記第二の第1極活物質層が、第1極活物質から構成される蒸着膜である、
    ことを特徴とする全固体電池。
  4. 前記第一の第1極活物質層における前記第1極活物質と、前記第二の第1極活物質層における前記第1極活物質とが、同じ材質である請求項1から3のいずれかに記載の全固体電池。
  5. 更に、正極である第2極を有し、
    前記第2極が、第一の第2極活物質層、及び前記第一の第2極活物質層と前記固体電解質層との間に第二の第2極活物質層を有し、
    前記第一の第2極活物質層が、粉体又は焼結体である第2極活物質から構成され、
    前記第二の第2極活物質層が、第2極活物質から構成される蒸着膜である、
    請求項1から4のいずれかに記載の全固体電池。
  6. 粉体又は焼結体である固体電解質から構成される固体電解質層上に、負極である第1極を形成する工程を含む全固体電池の製造方法であって、
    前記第1極を形成する工程は、
    前記固体電解質層上に第1極活物質を蒸着法により堆積させることによって第二の第1極活物質層を形成する工程と、
    前記第二の第1極活物質層上に、粉体又は焼結体である第1極活物質から構成される第一の第1極活性物質層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする全固体電池の製造方法。
JP2016030392A 2016-02-19 2016-02-19 全固体電池、及び全固体電池の製造方法 Expired - Fee Related JP6730584B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016030392A JP6730584B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 全固体電池、及び全固体電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016030392A JP6730584B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 全固体電池、及び全固体電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017147205A JP2017147205A (ja) 2017-08-24
JP6730584B2 true JP6730584B2 (ja) 2020-07-29

Family

ID=59683230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016030392A Expired - Fee Related JP6730584B2 (ja) 2016-02-19 2016-02-19 全固体電池、及び全固体電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6730584B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3745500A4 (en) * 2018-01-26 2021-03-31 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. BATTERY
KR20210133085A (ko) * 2020-04-28 2021-11-05 삼성에스디아이 주식회사 전고체 이차 전지
KR20220028942A (ko) 2020-08-31 2022-03-08 삼성에스디아이 주식회사 전고체 이차전지용 황화물계 고체 전해질, 그 제조방법 및 이를 포함하는 전고체 이차전지

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010272494A (ja) * 2008-08-18 2010-12-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2012146395A (ja) * 2011-01-06 2012-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 電極体、およびその製造方法、ならびに非水電解質電池
JP2013065531A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質電池の製造方法、および非水電解質電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017147205A (ja) 2017-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6748344B2 (ja) 全固体電池
JP6085370B2 (ja) 全固体電池、全固体電池用電極及びその製造方法
JP7389649B2 (ja) 固体状電解質との間に簡易リチウム金属アノード界面を形成するためのシステム及び方法
CN102668190B (zh) 固体电解质电池和正极活性物质
WO2010021205A1 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP5348607B2 (ja) 全固体リチウム二次電池
KR20130034010A (ko) 펄스 전류 소결 방식에 의한 고체 상태의 배터리 제조 방법
JP6259704B2 (ja) 全固体電池用電極の製造方法及び全固体電池の製造方法
KR20100075972A (ko) 리튬 전지 및 그의 제조 방법
WO2020105439A1 (ja) リチウム二次電池とその製造方法
CN112382793B (zh) 硫化物浸渍的固态电池
CN110235295B (zh) 锂离子固体蓄电池及其制造方法
KR20150096724A (ko) 전고체 전지 및 그 제조 방법
JP2020009619A (ja) 全固体電池、および全固体電池の製造方法
JP6694133B2 (ja) 全固体電池
JP6730584B2 (ja) 全固体電池、及び全固体電池の製造方法
JP2012089421A (ja) 非水電解質電池の製造方法および非水電解質電池
JP6748348B2 (ja) 全固体電池
CN115207453A (zh) 形成固态电解质层的方法
US11431033B2 (en) Method for producing all-solid-state battery
WO2020105431A1 (ja) ナトリウム二次電池とその製造方法
JP6856868B2 (ja) 全固体電池、及びその製造方法、並びに接合材
KR101200306B1 (ko) 음극 성능이 개선된 박막전지 및 이의 제조방법
WO2015159331A1 (ja) 全固体電池、全固体電池用電極及びその製造方法
JP6697155B2 (ja) 全固体電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6730584

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees