JP6723676B1 - 耐洪水塀を備えた耐水害施設 - Google Patents

耐洪水塀を備えた耐水害施設 Download PDF

Info

Publication number
JP6723676B1
JP6723676B1 JP2020000044A JP2020000044A JP6723676B1 JP 6723676 B1 JP6723676 B1 JP 6723676B1 JP 2020000044 A JP2020000044 A JP 2020000044A JP 2020000044 A JP2020000044 A JP 2020000044A JP 6723676 B1 JP6723676 B1 JP 6723676B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flood
resistant
wall
water
resistant wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020000044A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021099011A (ja
Inventor
正通 亀井
正通 亀井
Original Assignee
正通 亀井
正通 亀井
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 正通 亀井, 正通 亀井 filed Critical 正通 亀井
Application granted granted Critical
Publication of JP6723676B1 publication Critical patent/JP6723676B1/ja
Priority to US17/757,326 priority Critical patent/US20230012568A1/en
Priority to PCT/JP2020/046767 priority patent/WO2021125172A1/ja
Priority to BR112022011015A priority patent/BR112022011015A2/pt
Priority to EP20903688.8A priority patent/EP4079995A4/en
Priority to CN202080084821.1A priority patent/CN114787466B/zh
Publication of JP2021099011A publication Critical patent/JP2021099011A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04HBUILDINGS OR LIKE STRUCTURES FOR PARTICULAR PURPOSES; SWIMMING OR SPLASH BATHS OR POOLS; MASTS; FENCING; TENTS OR CANOPIES, IN GENERAL
    • E04H9/00Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
    • E04H9/14Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate against other dangerous influences, e.g. tornadoes, floods
    • E04H9/145Floods
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02BHYDRAULIC ENGINEERING
    • E02B3/00Engineering works in connection with control or use of streams, rivers, coasts, or other marine sites; Sealings or joints for engineering works in general
    • E02B3/04Structures or apparatus for, or methods of, protecting banks, coasts, or harbours
    • E02B3/10Dams; Dykes; Sluice ways or other structures for dykes, dams, or the like
    • E02B3/102Permanently installed raisable dykes
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02DFOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
    • E02D17/00Excavations; Bordering of excavations; Making embankments
    • E02D17/18Making embankments, e.g. dikes, dams
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Emergency Management (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Residential Or Office Buildings (AREA)
  • Barrages (AREA)

Abstract

【課題】盛土と耐洪水塀を組み合わせることで、耐洪水塀自体の高さを抑えつつ、想定浸水深および水圧に耐え得る、経済的で安全性の高い耐水害施設を提供する。【解決手段】複数の建物1a、1b、1c、1dを取り巻く形で、上端部が想定される浸水深以上の高さとなるように耐洪水塀2を構築し、水害発生時には耐洪水塀の開口部を閉塞することで、建物と耐洪水塀との間に隔離された空間を形成し、内部への被害を防止する。耐洪水塀が取り巻く範囲は、例えば1.5m程度の高さの盛土Eを造成し、盛土上に構築される耐洪水塀の上端部の高さが浸水深以上の高さとなるようにし、耐洪水塀の外側には耐洪水塀に向けて徐々に高さが増加する遷移区域Tとして勾配を有する盛土部分Etが造成され、盛土の高さ分、耐洪水塀本体の高さを抑えることができ、水害時に耐洪水塀2受ける水圧や波圧も小さくなるため、耐洪水塀の安全設計が容易となる。【選択図】図1

Description

本発明は、洪水、高潮などの災害時に建物および居住者を水害からまもりつつ、当該建物内での長期の避難生活を可能とする耐洪水塀を備えた耐水害施設に関するものである。主な適用対象としては、集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物、工場などが挙げられる。
近年の異常気象により想定された頻度をはるかに超える洪水、高潮などの被害が発生している。このような洪水、高潮などの水害に対し、建物等への浸水を防ぐ技術として、例えば特許文献1〜5に開示された技術がある。
特許文献1には、所定面積の止水板と、該止水板が収納あるいは載置される箱体と、下方ロック部材と、上方ロック部材とからなり、止水板が箱体に収納された状態で地面下に設置されるとその表面が地表面と略同じ高さとなり、手動的に立ち上げて下ロック部材および上ロック部材によりロックすると、雨水、河川水、海水等の氾濫水の進入を防止できるようにした止水装置が開示されている。
特許文献2には、建物等構築物の出入りに支障がないよう台板と台板の中のU字溝を保護する為の蓋板を地中に埋めておき、洪水に際しては蓋板を取外しU字溝に堰板を差し込み、堰板を補強材を介して台板に連結・固定して防水擁壁ユニットを組み立てるようにし、防水擁壁ユニットを繋いでユニット同士の隙間を目地板で塞ぎ、構築物の周囲に塀をたてるように擁壁を巡らせることにより、その内側への浸水を防ぐようにした非常用防水擁壁が開示されている。
特許文献3には、大雨や洪水等の非常時に建物の出入口等の通路に迅速に組み立てることができ、建物内への浸水防止機能を発揮する浸水防止装置として、建物の通路の両側壁面に設けられた支柱材と、両側端部を全長に亘ってこれらの支柱材に圧着させて建物の通路を閉鎖する止水パネルと、支柱材の下端間の通路の床面上に設置されて止水パネルの下端を受止するパネル受止桁部材と、止水パネルの下端をこのパネル受止桁部材上に圧着させる第一圧着手段と、パネル受止桁部材を通路の上記床面上に圧着させる第二圧着手段と、を備えてなる建物内への浸水防止装置が開示されている。
特許文献4には、建築物等の入り口等に設置して、非常時に外部の水が建物内に浸水することを防ぐための水密性を備えた防水シャッターが開示されている。
また、特許文献5には、建築物、工作物等への水の浸入を防ぐための止水板として、止水パネルの左右両端部を、ガスケットを介して固定枠にはめ込んだ構造が開示されており、建具の内側または外側に設置することで建具からの浸水を防ぐことができ、また浸水防止用の塀の門に設置することで浸水被害を防止することができる旨の記載がある。
しかしながら、特許文献1〜5に記載される発明は、主として小規模な建物を対象として、比較的小規模の洪水に対処できるようにしたものであり、近年多発している大規模な水害に有効に対処できるものではない。
このような背景のもと、本願の発明者は、特許文献6に記載される耐洪水塀を備えた耐水害建物を発明した。
その主な構成は、建物としての集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物または工場の周囲に、建物と間隔をおいて、常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀が構築されており、この耐洪水塀は適用対象地域で想定される浸水深以上の高さを有し、かつ想定される浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀であり、その開口部には浸水時に開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段が設けられているというものである。
上記の耐水害建物によれば、水害発生時には、耐洪水塀の開口部を開口部閉塞手段により閉塞することで、建物の周囲と耐洪水塀との間に隔離された空間が形成され、耐洪水塀の外側が想定浸水深の水位に達しても耐洪水塀の内側はせいぜい降水量以下の水深で建物の入口や窓からの浸水の恐れがなく、既存の建物に適用する場合でも、建物自体の開口部は特に改修しなくてもそのまま水害に対処することができ、建物に被害を生じさせないかまたは被害を最小限に抑えることができる。
また、耐洪水塀の外側が想定浸水深あるいはそれに近い水位に達し、外部との往来が困難となった場合でも、耐洪水塀の内側が平穏な状態に保たれることで、建物自体の機能に関する影響は小さく、周辺の浸水継続時間が例えば1週間以上の長期にわたる場合でも、建物自体の安全性が保たれるため、耐洪水塀の内側に例えば非常用発電機、非常用受水槽、非常用汚水槽などの非常用設備をあらかじめ設置しておくことで、水害時における安全な長期の避難生活が可能となる。
建物の用途が公共施設である場合など、広域避難が困難な周辺住民を受け入れる避難所としても活用することができる。
耐洪水塀については、水圧に耐え得る水密性の大きな窓を設けたり、装飾を施すなどすることで、建物の1〜2階の居住者が閉塞感を持たないよう内側からの視界を確保することができる。また、耐洪水塀内外の景観を損なうことなく、むしろ美感を与え建物のデザイン的な財産価値を高めることもできる。
建物の地下または敷地内あるいは屋上部分に、災害時用の受水槽、災害時用の非常用発電機、災害時用の汚水槽などを設置することで、外部からのサービスが途絶えた状態でも建物内部のインフラが確保され、長期の避難生活が可能となる。
さらに、本願の発明者は、上述の耐洪水塀に関連して、特許文献7に記載される多重止水壁を発明した。
その主な構成は、壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された複数の止水壁と、その止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えているというものであり、簡易な構造で多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
すなわち、1重目の止水壁については、洪水時などの水圧である程度の漏水を許容し、2重目あるいは3重目以降の止水壁との間に漏水してきた水を排水手段で早期に排水することで、2重目あるいは3重目以降の止水壁の負担が小さくなり、多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
したがって、1重の止水壁でできるだけ止水性を高めようとする従来の止水壁に比べ、多重に配置された個々の止水壁や止水材、押圧手段などの負担が小さいため、簡易な構造とすることができる。
特許第4435512号公報 実用新案登録第3113333号公報 特開2018−096114号公報 特開2016−138372号公報 特開2002−242481号公報 特許第6501961号公報 特許第6516946号公報
上述した特許文献6記載の発明における課題としては、想定される浸水深以上に応じて、建物の周囲に、高さ5mあるいはそれ以上の高さの耐洪水塀を構築する場合、耐洪水塀が受ける水圧あるいは波圧も非常に大きくなるため、耐洪水塀の構築にかかるコストが嵩むだけでなく、安全な強度、安定性を持たせるための設計自体が難しくなるという問題がある。
本発明は、主としてこのような特許文献6記載の発明における課題の解決を図ったものであり、適用対象となる建物が構築される範囲に過大とならない程度の盛土を施し、その上に耐洪水塀を構築することで、耐洪水塀自体の高さを抑えつつ、想定浸水深および水圧に耐え得る耐洪水塀のコストを抑制し、かつ安全性の高い耐水害施設を提供することを目的としている。
本発明は、1または複数の建物を取り巻く形で、常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀が構築されており、その耐洪水塀は上端部が適用対象地域で想定される浸水深以上の高さを有し、想定される浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀であり、開口部には浸水時に該開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段が設けられている耐洪水塀を備えた耐水害施設において、耐洪水塀が取り巻く範囲に、所定の高さ以上の盛土が造成されており、盛土上に構築される耐洪水塀の上端部の高さが適用対象地域で想定される浸水深以上の高さとなるように設定されており、耐洪水塀の外側所定範囲には原地表面から耐洪水塀に向けて徐々に高さが増加する遷移区域として勾配を有する盛土部分が造成されていることを特徴とするものである。
ここでいう建物は、例えば集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物、工場などであり、単一の建物を取り囲む場合だけでなく、複数の同種または異種の建物を取り巻くように構築される場合も含まれる。
一般的には建物と耐洪水塀との間に所定の間隔が設けられるが、1または複数の建物のうちの少なくとも1以上の建物の壁の一部が、耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出するようにしてもよい。その場合、耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出している部分の壁面を水密性を有する耐水壁として耐洪水塀と連続させることで、洪水などの水害時にも内部に平穏な空間が形成される。
このように耐洪水塀の一部を建物の壁面で置き換える場合には、その壁面位置を水密にすることに加え、強度面においても大きな水圧が作用したり、漂流物が衝突した場合にも十分に耐える強度とすることが望ましい。
盛土の高さは、特に限定されないが、0.5m〜2m、条件によっては3mまたはそれ以上とすることもできる。
なお、建物が建設される基礎部分あるいはその周囲については、基礎との関係で部分的に盛土は不要となる。
また、基本的には耐洪水塀本体の高さを抑えるのが目的であるため、耐洪水塀からある程度離れた内側の部分は盛土を行わない選択も可能である。例えば、その部分に人口の池や公園を造成することも考えられる。
上述の遷移区域の幅に関しては、開口部からの車両の出入を考慮して勾配を一定とした場合、例えば縦断勾配を12%とした場合、盛土の高さを0.5mとすると、遷移区域の幅は4.2m、盛土の高さを2.0mとすると、遷移区域の幅は16.7mあればよいことになる。ただし、出入路を遷移区域を直角に縦断するのではなく、遷移区域内で迂回する形にすれば出入路自体の縦断勾配は小さくすることができる。
なお、上述のように、1以上の建物の壁の一部が、耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出する構成とする場合は、その部分の盛土が省略できる。また、建物が耐洪水塀の外側に突出した部分に止水性を備えた出入口を設ければ、耐洪水塀の内側に形成される内部空間への通路として利用することもできる。
昨今の台風などにより高潮の被害が問題となっているが、例えば日本の東京をとってみても江東区、葛飾区、江戸川区、足立区、荒川区、隅田区などでは3〜5mの浸水が予想される地域があり、電気、ガス、上下水道のサービスを再開するのに、10日〜2週間程度かかる可能性があると言われている。
その場合、従来は同じ建物の中で上層階に避難する垂直避難は避け、事前に域外に避難する水平避難を奨励していた。しかし、それに対して垂直避難なしでは避難が難しいであろうという意見も多い。
例えば、日本国の国土交通省は2013年3月に、「洪水ハザードマップ作成の手引き」の改定を行い、従来のハザードマップでは浸水の目安に応じて5段階としていた浸水深ランクを3.0m以上(2階浸水)、0.5m〜3.0m未満(1階床上浸水)、0.5m未満(1階床下浸水)の3段階に簡素化して表示し、浸水深0.5m〜3.0mの区域では「避難が遅れた場合は、無理をせず自宅2階等に待避」などとしている。
本発明は垂直避難を可能にするものであり、考え方としては、まず当該建物周囲に、盛土の高さを含めて、例えば3〜6mあるいはそれ以上の高さの耐洪水塀をつくる。本発明の場合、水害発生時には、耐洪水塀の開口部を開口部閉塞手段により閉塞することで、建物の周囲と耐洪水塀との間に隔離された空間が形成され、耐洪水塀の外側が想定浸水深の水位に達しても耐洪水塀の内側はせいぜい降水量以下の水深で建物の入口や窓からの浸水の恐れがなく、既存の建物に適用する場合でも、建物自体の開口部は特に改修しなくてもそのまま水害に対処することができ、建物の被害をなくすまたは最小限に抑えることができる。
耐洪水塀の外側が想定浸水深あるいはそれに近い水位に達し、外部との往来が困難となった場合でも、耐洪水塀の内側が平穏な状態に保たれることで、建物自体の機能に関する影響は小さく、耐洪水塀の外側が想定浸水深あるいはそれに近い水位に達し、外部との往来が困難となった場合でも、耐洪水塀の内側が平穏な状態に保たれることで、建物自体の機能に関する影響は小さく、周辺の浸水継続時間が例えば1週間以上の長期にわたる場合でも、建物自体の安全性が保たれる。
耐洪水塀の材質は特に限定されないが、例えば、従来、水槽、プール、地下室などの構築に利用されている水密コンクリートを主体とするものなどを利用することができる。その他、金属製や強化プラスチック製の耐洪水塀とすることもできる。
耐洪水塀としてプレキャスト製品を並べて設置する場合は、プレキャスト製品間に止水材を介在させるなどして、耐洪水塀全体の水密性を確保する。また、水害発生時の動水圧、静水圧に抵抗させるため、必要に応じ、控え壁やステイを付加する。なお、耐洪水塀の下端は地中に根入れし、また伏流が生じないための処置を施すことが望ましい。
開口部閉塞手段としては、例えば開口部の両側に設置されたガイド溝を有する支柱と、両端がそのガイド溝に嵌合する上下方向複数枚の止水パネルと、ガイド溝と止水パネルの間および止水パネル間に介在させた止水材とを備えるものなどを用いることができる。
その他、開口部閉塞手段として、さらに好ましくは、特許文献7として述べた第6516946号公報に記載される多重止水壁を用いることができる。すなわち、開口部閉塞手段として、壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された複数の止水壁と、その止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えた多重止水壁を用いることができる。
この場合、多重止水壁は、止水壁を多重に設け、多重の止水壁間に浸透した水をポンプなどの排水手段で排水する構成であるため、簡易な構造で多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
すなわち、1重目の止水壁については、洪水時などの水圧である程度の漏水を許容し、2重目あるいは3重目以降の止水壁との間に漏水してきた水を排水手段で早期に排水することで、2重目あるいは3重目以降の止水壁の負担が小さくなり、多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
多重に配した止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段としては、排水ポンプが一般的であるが、洪水時などには泥水が流れ込むことがあり、また津波や海岸に近い場所での洪水などでは海水が流れ込むことが考えられるため、設置個所の条件に応じて泥水や海水にも対応できる排水ポンプを用いる必要がある。
排水ポンプなどの排水手段の設置位置は特に限定されず、操作のしやすい位置に設置すればよい。水中ポンプを多重の止水壁間に設置する場合、一定以上の水位に達したら自動的に始動する自動運転のポンプを利用することもできる。
本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設において、上述した遷移区域については、その一部またはほぼ全域に植樹を施してもよい。景観や環境の面だけでなく、例えば津波が襲ってきた場合などには、漂流物が耐洪水塀に衝突するのを防ぐ役割も期待することができる。
また、津波の恐れがある地域などでは、耐洪水塀の外周部の一部またはほぼ全周に消波ブロックあるいは消波構造体を設置してもよい。津波による波力に対処するためには静水圧の3倍程度の強度が必要とされるが、遷移区域に消波ブロックあるいは消波構造体を設置しておけば、津波の波力をある程度逸散させる効果が期待できる。
水害に対する基本的な効果は、特許文献7として述べた特許第6501961号公報に記載される耐洪水塀を備えた耐水害建物と同様であるが、耐洪水塀が取り巻く範囲に、所定の高さ以上の盛土が造成され、その盛土上に耐洪水塀が構築されることで耐洪水塀本体の高さを抑えつつ、実質的な耐洪水塀の高さを増大させることができるため、耐洪水塀本体の構築に要する費用を大幅に削減することができる。
また、耐洪水塀本体が受ける水圧や波力も大幅に低減するため、水害発生時の水圧や波力に対する安全設計の面でも有利となる。
上述のように、耐洪水塀の高さが抑えられ、設計が容易になることで、気象変動や環境の変化、法律の改正などにより、耐洪水塀により高い強度、高さが必要になった場合においては、増し打ちの形で耐洪水塀の高さを高くしたり、補強することができるといった潜在的な余裕がある。
盛土の造成に合わせて耐洪水塀の構築を行えば、耐洪水塀の必要な根入れ深さが大きい場合でも無駄な掘削作業がなくなる。また、耐洪水塀の内側に建設される建物の建設工事において、基礎や地下階部分の掘削工事によって生じた残土を盛土に転用することもでき、それにより全体工費の削減にもつながる。
耐洪水塀外周の遷移区域については、景観の向上に加え、水害対策のための植樹を行ったり、あるいは必要に応じて消波ブロックなどを設置することができる。
また、予測される水害可能性が低い地域では、遷移区域に各種工作物を設置したり、仮設的な店舗を設置するなどして、遷移区域の有効利用を図ることもできる。
1以上の建物の壁の一部が、耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出する構成とする場合は、その部分の盛土が省略できるほか、耐洪水塀の延長長さが短くなるため、耐洪水塀自体の工費を低減することができる。
一方、敷地の有効利用の観点からは、建物の一部が、耐洪水塀の外側まで配置できることで設計の自由度が広がる。
また、耐洪水塀の外側の遷移区域の空間が広くなり、遷移区域の環境整備、有効利用が図れる他、同じ高さの盛土であれば遷移区域の傾斜を低減することができる。また、傾斜が同じであれば、遷移区域の幅が大きい分、盛土高さを高くすることができ、耐洪水塀本体の高さを低減することができる。
本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設の一実施形態を概念的に示した鉛直断面図である。 本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設の他の実施形態を概念的に示した平面図である。 本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設のさらに他の実施形態を概念的に示した平面図である。 本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設のさらに他の実施形態を概念的に示した平面図である。 本発明の耐水害施設の耐洪水塀内部の具体的な形態としての一実施形態を示した鉛直断面図である。 本発明の耐水害施設の耐洪水塀内部の具体的な形態としての他の実施形態を示した鉛直断面図である。 開口部に用いられる多重止水壁の一実施形態を示す水平断面図である。 図7の実施形態に対応する鉛直断面図である。 開口部に用いられる多重止水壁の他の実施形態を示す水平断面図である。 図9の実施形態に対応する鉛直断面図である。 多重止水壁の原理図である。
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設の一実施形態を概念的に示した鉛直断面図である。
本発明では、所定の領域内に建築される集合住宅1a、オフィスビル1b、病院1c、および備蓄倉庫1dの周囲に、これらの複数の建物全体を取り巻く形で、この地域で想定される水害時の浸水深以上の高さを有する水密性の耐洪水塀2を構築し、水害発生時には、耐洪水塀2の開口部を開口部閉塞手段により閉塞することで、建物の周囲と耐洪水塀2との間に隔離された空間3を形成し、建物に被害が生じないようにする。
耐洪水塀2が取り巻く範囲には、所定の高さ以上の盛土Eが造成されており、盛土E上に構築される耐洪水塀2の上端部の高さが適用対象地域で想定される浸水深以上の高さとなるように設定される。
耐洪水塀2の外側所定範囲には原地表面Gsから耐洪水塀2に向けて徐々に高さが増加する遷移区域Tとして勾配を有する盛土部分Etが造成される。
盛土Eの高さは、対象地域の条件によって、0.5m〜3m程度、例えば1.5m程度とし、その分、耐洪水塀2本体の高さを抑えることができる。それに伴い、水害時に耐洪水塀2が受ける水圧や波圧も小さくなるため、耐洪水塀2の安全設計が容易となる。
なお、耐洪水塀2の内側についても基本的には盛土Eが造成されるが、建物が建設される基礎部分あるいはその周囲については、基礎との関係で部分的に盛土は不要となる。また、耐洪水塀2からある程度離れた内側の部分は盛土を行わない選択も可能である。
遷移区域Tの幅に関しては、開口部からの車両の出入を考慮して勾配を一定とした場合、例えば縦断勾配を12%とした場合、盛土の高さを1.5mとすると、遷移区域の幅は12.5mあればよいことになる。
なお、図1の実施形態では、耐洪水塀2が複数の建物を取り巻く形で構築されているが、1つの建物を取り巻く形で構築される場合もある。
図2は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設の他の実施形態を概念的に示した平面図である。
この例では道路で囲まれる対象地域の敷地内の境界から内側に、盛土Eおよび遷移区域の盛土Etを造成し、複数の建物1を取り巻く形で耐洪水塀2を構築している。
耐洪水塀2の開口部9(図の例では4か所)には、開閉式の止水壁10を設置し、水害が発生したときには開口部9を閉塞するようにしている。
また、この例では、耐洪水塀2の外側に位置する遷移区域に植樹pを植え、さらに数か所には店舗sを設置している。
図3は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設のさらに他の実施形態を概念的に示した平面図である。
上述した図2の実施形態では、耐洪水塀2の外部の道路から耐洪水塀2の内部に通じる道路が遷移区域を直角に縦断する設計としているため、遷移区域の幅をある程度大きくとる必要がある。
これに対し、図3の実施形態では、耐洪水塀2の内部への出入路を、耐洪水塀2の外周を迂回する形とすることで、遷移区域の幅を小さくしても、出入路自体の縦断勾配は小さくすることができる。
図4は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害施設のさらに他の実施形態を概念的に示した平面図である。
図4の実施形態は、上述した図2の実施形態と比べ、外部の道路から耐洪水塀2までの間隔、すなわち遷移区域の幅を大きくとっている。そして、一部の建物1については、建物1の壁の一部が、耐洪水塀2が取り巻く範囲の外側まで突出するようにしている。
この建物1の壁の一部が、耐洪水塀2より外側に突出した部分については、水密性を有する耐水壁1Wとしての補強を行うことで、水害時にも耐洪水塀2とともに内部空間3の平穏が保たれるようにしている。
この場合、耐洪水塀2自体の延長長さが短くなるため、耐洪水塀2自体の工費を削減することができる。一方、建物1の一部を耐洪水塀2の外側まで配置することで、敷地との関係では、建物1の配置に関する設計の自由度は損なわれない。また、耐洪水塀2の外側の遷移区域の空間が広くなり、遷移区域の環境整備、有効利用が図れる。
図5は、本発明の耐水害施設の耐洪水塀内部の具体的な形態としての一実施形態を示した図である。図5の実施形態は建物1として集合住宅を想定しており、盛土を造成した敷地内に、建物1のほぼ全周を取り囲む形で耐洪水塀2を構築している。耐洪水塀2の外周は緩やかな勾配を有する盛土の遷移区域となっている。
構造的には、建物1の周囲の敷地内に、建物1のほぼ全周を取り囲む形で耐洪水塀2を構築し、図には示されていないが、玄関につながる部分、駐車場につながる部分、生活ゴミその他の廃棄物などを搬出する部分など常時の出入口となる部分にはその開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段(例えば、後述する図7〜図11参照)を設け、洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときには、開口部閉塞手段により開口部を閉塞することで耐洪水塀2の内側に隔離された平穏な空間3を形成できるようにしたものである。
耐洪水塀2の高さは建物1が立地している区域の想定浸水深以上の高さとし、例えば想定浸水深が2mであれば2m以上3m程度、想定浸水深が4mであれば4m以上5m程度、想定浸水深が5mであれば、5m以上6m程度というように、想定浸水深以上で万一の安全性を考慮して任意に設定することができる。
耐洪水塀2は水密性を有することが必要であり、例えば水密コンクリートのL形ブロックを並べ、L形ブロックどうしの間に、パッキンなどの止水材を介在させて構成することができる。あるいは耐洪水塀2を現場打ちコンクリート製とすることもできる。
耐洪水塀2は当然ながら洪水や高潮が発生した際の動水圧、静水圧に十分に抵抗できる構造、耐力とする必要があり、必要に応じ、控え壁やステイを付加する。
また、浸水深が高い場合、伏流が生じたり、下水管などの逆流の問題があり、それに対処可能な構造とする。具体的には耐洪水塀2の根入れ深さを深くしたり、必要に応じ耐洪水塀2の基礎部分の地盤改良などを行う。また外部と通じる管路には逆止弁8を設けるなどする。
本発明は無理なく安全な垂直避難を可能にするものであるが、周囲が高い浸水深で浸水した場合は、基本的に陸路での外部との往来が遮断されるため、周辺の浸水継続時間が例えば1週間、あるいはそれ以上の長期にわたる場合にも対処できるようにする必要がある。
そのため、本実施形態では、建物1の屋上に常時の受水槽とは別に非常用の受水槽4と非常用発電機5を設置し、また敷地内の地下に非常用の汚水槽6を設置し、1週間以上1カ月程度の長期の生活環境が保証される構成としている。また、激しい降雨で降水量が非常に多かった場合には、敷地内の地下に設置した雨水槽7により、耐洪水塀2の内側の降雨による水位を抑えるようにしている。耐洪水塀2で囲まれた部分の雨水は、雨水槽7で貯留し、必要に応じ排水用ポンプで耐洪水塀2の上部より排水することができる。
図6は、本発明の耐洪水塀を備えた耐水害建物の他の実施形態を概念的に示した図である。建物1とその周囲を取り巻く耐洪水塀2の関係や、洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときには、開口部閉塞手段を閉塞することで耐洪水塀2の内側に隔離された平穏な空間3を形成できるようにしたものである点は図1の実施形態と同様である。
従来から病院などでは、長時間の停電に備えてあらかじめ非常用電気供給源を備えていたり、災害時の鉛直非難を想定した設備が備えられている場合もあるが、建物1の浸水を防ぐのは出入口を閉塞する程度であり、浸水深が2階まで達するような状況では様々な障害や被害が予想される。
本発明は洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときでも耐洪水塀2の内側に隔離された平穏な空間3を形成できるようにしたものであるため、建物1自体の被害を最小限に抑えることができる。
図6の実施形態は、非常用の電気供給源などはあらかじめ備わっている前提で、例えば屋上にヘリポートがあるなど屋上利用が制限されている場合に、非常用の受水槽4を敷地内の地上に設置し、非常用の汚水槽6と激しい降雨に対処するための雨水槽7を地下に設置する構成としたものである。
当然ながら、例えば玄関につながる部分、駐車場につながる部分、生活ゴミその他の廃棄物などを搬出する部分など常時の出入口となる部分には開口部が必要であり、洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときに開口部を閉塞することで、耐洪水塀2の内側に隔離された空間3が形成されるようにする。
図7および図8は、その開口部を閉塞するための開口部閉塞手段の一例を示したものであり、図7は水平断面図であり、図8は対応する鉛直断面図である。
この例では間隔をおいて設置された2本の支柱11間に止水パネル12による2重の止水壁10A、10Bを形成した場合である。図は耐洪水塀2の開口部に設置した場合である。
この例では、支柱11に上下方向に延びる2条のガイド溝12a、12bを設け、常時は保管場所に保管されている強化プラスチックあるいは金属板などからなる止水パネル12の両端を対向する支柱11のガイド溝12a、12bに上から嵌め込む形で、止水パネル12をそれぞれ上下方向3段に設けている。ガイド溝12a、12b部分や止水パネル12間には一般的な止水材を配置して隙間からの漏水を最小限に抑えられるようにする。
ただし、多重に配される個々の止水壁10A、10Bでの完全な止水を期待するものではなく、外からの水が浸透してくることを前提として、浸透してきた水を排水ポンプ14などの排水手段で外部に排水することで、2重の止水壁10A、10B間の水位が外部の水位より低くなるようにする。
2重に配した止水壁10A、10B間の水位が低く抑えられることで、内側の止水壁1Bにかかる水圧は相対的に小さくなるため、2重目の止水壁10Bの内側に浸透する水量は低く抑えることができる。原理的には、後述する図11に示されるように2重の止水壁の内側にさらに3重目、4重目の止水壁を設けることで、多重止水壁の内側への浸透をさらに抑えることができるが、通常は2重または3重の止水壁で十分であると考えられる。
図9は本発明の多重止水壁の他の実施形態を示す水平断面図であり、図10は対応する鉛直断面図である。
本実施形態は間隔をおいて設置された2本の支柱11a、11b間に止水パネル12A、12Bによる開閉式の2重の止水壁10A、10Bを形成した場合である。
この例では、一方の支柱11bの側面に止水パネル12A、12Bを収納する戸袋状の収納部15を設け、水害の発生が予想されるときに、収納部15に収納された止水パネル12A、12Bを他方の支柱11aに向けて摺動させて開口部を閉塞できるようにしたものである。
2重止水壁あるいは多重止水壁と排水ポンプなどの排水手段による止水の原理は図7、図8の場合と同様である。
図11はこれらの多重止水壁を原理的に示した図であり、壁厚さ方向に間隔をおいて多重に配置された複数の止水壁(止水壁10A、10B、10C、10D)と、止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段(排水ポンプ14a、14b、14c)とで、多重止水壁が構成されている。
水害時に多重止水壁の外側Oの水位が高くなったとき、一番外側に位置する止水壁10Aの止水性が完全であれば、内側Iへの浸透はないが、実際には完全な止水性を得ることは難しく、またコストがかかる。そのため、完全な止水性は得られないことを前提として、各止水壁10A、10A、10C、10Dを設計する。
止水壁10Aと止水壁10Aの間には浸透する水を排水するための排水ポンプ14aを設置し、浸透してきた水を多重止水壁の外部に排出すれば、止水壁10Aと止水壁10Bの間の水位は、止水壁10Aの外側O(外部)の水位に比べ低い水位に保つことができる。
2重の止水壁では十分でない場合には、図11に示すように、3重目の止水壁10C、4重目の止水壁10Dというように多重配置される止水壁の数を増し、それぞれの間に浸透してくる水を排水ポンプ14b、14cで排出することで、内側寄りほど浸透水の水位が低くなり、多重止水壁の内側への水の浸透を抑え、多重止水壁で保護される内側の建物などが受ける水害の被害を防止することができる。
1…建物、1a…集合住宅、1b…オフィスビル、1c…病院、1d…備蓄倉庫、
1W…耐水壁、
2…耐洪水塀、2a…根入れ部、3…空間、
4…受水槽、5…非常用発電機、6…汚水槽、7…雨水槽、8…逆止弁、9…開口部、
E…盛土、Et…遷移区域の盛土、T…遷移区域、p…植樹、s…店舗、
10、10A,10B,10C、10D…止水壁、
11、11a、11b…支柱、12a、12b…ガイド溝、
12、12A、12B…止水パネル、
14、14a、14b、14c…ポンプ、
15…収納部

Claims (5)

  1. 1または複数の建物を取り巻く形で、前記建物の周囲に、常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀が構築されており、前記耐洪水塀は上端部が適用対象地域で想定される浸水深以上の高さを有し、前記想定される浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀であり、前記開口部には浸水時に該開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段が設けられている耐洪水塀を備えた耐水害施設において、
    前記耐洪水塀が取り巻く範囲に、所定の高さ以上の盛土が造成されており、前記盛土上に構築される耐洪水塀の上端部の高さが適用対象地域で想定される浸水深以上の高さとなるように設定されており、
    前記耐洪水塀の外側所定範囲には原地表面から耐洪水塀に向けて徐々に高さが増加する遷移区域として勾配を有する盛土部分が造成されており、
    前記1または複数の建物のうちの少なくとも1以上の建物の壁の一部が、前記耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出しており、前記耐洪水塀が取り巻く範囲の外側まで突出している部分の壁面を水密性を有する耐水壁として前記耐洪水塀と連続させてあることを特徴とする耐水害施設。
  2. 請求項記載の耐洪水塀を備えた耐水害施設において、前記盛土の高さが0.5m〜3mであることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害施設。
  3. 請求項1または2記載の耐洪水塀を備えた耐水害施設において、前記開口部閉塞手段は、壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された複数の止水壁と、前記止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えた多重止水壁であることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害施設。
  4. 請求項1〜の何れかに記載の耐洪水塀を備えた耐水害施設において、前記遷移区域の一部またはほぼ全域に植樹が施されていることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害施設。
  5. 請求項1〜の何れかに記載の耐洪水塀を備えた耐水害施設において、前記耐洪水塀の外周部の一部またはほぼ全周に消波ブロックまたは消波構造体を設置してあることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害施設。
JP2020000044A 2019-12-20 2020-01-05 耐洪水塀を備えた耐水害施設 Active JP6723676B1 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/757,326 US20230012568A1 (en) 2019-12-20 2020-12-15 Flood-resistant facility equipped with flood-resistant barrier
PCT/JP2020/046767 WO2021125172A1 (ja) 2019-12-20 2020-12-15 耐洪水塀を備えた耐水害施設
BR112022011015A BR112022011015A2 (pt) 2019-12-20 2020-12-15 Instalação resistente a inundações equipada com barreira resistente a inundações
EP20903688.8A EP4079995A4 (en) 2019-12-20 2020-12-15 FLOOD-RESISTANT FACILITY EQUIPPED WITH FLOOD-RESISTANT BARRIER
CN202080084821.1A CN114787466B (zh) 2019-12-20 2020-12-15 具备防洪水围墙的防水灾设施

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019230124 2019-12-20
JP2019230124 2019-12-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6723676B1 true JP6723676B1 (ja) 2020-07-15
JP2021099011A JP2021099011A (ja) 2021-07-01

Family

ID=71523879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020000044A Active JP6723676B1 (ja) 2019-12-20 2020-01-05 耐洪水塀を備えた耐水害施設

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230012568A1 (ja)
EP (1) EP4079995A4 (ja)
JP (1) JP6723676B1 (ja)
CN (1) CN114787466B (ja)
BR (1) BR112022011015A2 (ja)
WO (1) WO2021125172A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7381524B2 (ja) 2021-07-28 2023-11-15 ミサワホーム株式会社 外構構造

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5785040A (en) 1980-11-18 1982-05-27 Ricoh Co Ltd Film feed system
JPS6151073A (ja) 1984-07-31 1986-03-13 Aisin Chem Co Ltd フエルト用接着剤
US4659288A (en) 1984-12-10 1987-04-21 The Garrett Corporation Dual alloy radial turbine rotor with hub material exposed in saddle regions of blade ring
JP2002242481A (ja) 2001-02-13 2002-08-28 Tsutomu Odawara ガスケットを用いた止水板
JP4435512B2 (ja) 2003-08-11 2010-03-17 有限会社ノムラフォーシーズ 簡易止水装置
JP3113333U (ja) 2005-03-15 2005-09-08 武雄 三佐尾 非常用防水擁壁
JP2009114636A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Yasushi Tawara 消波構造物
AU2011200386B2 (en) * 2010-02-01 2016-02-18 Pentabuild Pty Ltd Disaster Protection Shelter
JP2013068034A (ja) * 2011-09-26 2013-04-18 Fusao Sakano 津波・洪水対策用ビル
JP2014177817A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Keiichiro Sako 沿岸対策機能を有する構築物
JP6124073B2 (ja) * 2013-08-26 2017-05-10 清水建設株式会社 水害対策用建物
JP6497641B2 (ja) * 2014-04-24 2019-04-10 清水建設株式会社 一体型マウンドの構築方法
JP6570838B2 (ja) 2015-01-26 2019-09-04 三和シヤッター工業株式会社 防水シャッター
FR3037089B1 (fr) * 2015-06-05 2020-09-25 Richard Dziewolski Dispositifs et procedes de fabrication pour structure flottante de grandes dimensions
TWM525989U (zh) * 2016-03-04 2016-07-21 yu-xiang Zeng 擋水牆結構
JP2018096114A (ja) 2016-12-13 2018-06-21 積水化学工業株式会社 建物内への浸水防止装置
JP3211312U (ja) * 2017-04-14 2017-07-06 喜一 外山 浮上式津波避難シェルター
FR3072980A1 (fr) * 2017-10-30 2019-05-03 Richard Dziewolski Dispositifs et procedes de construction des digues habitables flottantes
JP6541012B1 (ja) * 2018-05-17 2019-07-10 大二郎 金子 津波防災丘陵の断面形と丘陵内部に備えた広域避難地および多目的機能
CN208685529U (zh) * 2018-06-15 2019-04-02 中国电建集团成都勘测设计研究院有限公司 城市河道防洪结构
CN208792519U (zh) * 2018-08-24 2019-04-26 广东皓一建设有限公司 建筑外墙阻水结构
JP6501961B1 (ja) * 2018-10-22 2019-04-17 正通 亀井 耐洪水塀を備えた耐水害建物およびリノベーション工法
JP6516946B1 (ja) * 2019-03-13 2019-05-22 正通 亀井 多重止水壁

Also Published As

Publication number Publication date
CN114787466A (zh) 2022-07-22
JP2021099011A (ja) 2021-07-01
US20230012568A1 (en) 2023-01-19
EP4079995A4 (en) 2024-01-24
EP4079995A1 (en) 2022-10-26
BR112022011015A2 (pt) 2022-08-16
WO2021125172A1 (ja) 2021-06-24
CN114787466B (zh) 2024-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6501961B1 (ja) 耐洪水塀を備えた耐水害建物およびリノベーション工法
US7658572B2 (en) Tide apparatus and tide structure
US6623209B1 (en) Automatic flood gate
JP6723676B1 (ja) 耐洪水塀を備えた耐水害施設
JP6516946B1 (ja) 多重止水壁
Abeysinghe et al. Incorporation of disaster risk reduction mechanisms for flood hazards into the greensl® rating system for built environment in Sri Lanka
JP6918277B2 (ja) 地域津波防災構造
Bass et al. A summary of findings from FEMA’s mitigation assessment team evaluation of Texas coastal communities impacted by Hurricane Harvey
JPH0886119A (ja) 浸水防壁工法
JP2014066123A (ja) 地下設置水力浮上型防護壁
KR102091413B1 (ko) 자동으로 기립되는 무동력 수문구조체 및 복수의 수문구조체를 연결하는 수문구조체 연결장치
Saqib et al. Flood resistant houses in Indian environment
JP3759118B2 (ja) 沿岸、河川、平地に設置出来る自然可動浮き沈み式、防波、防水,防砂、逆流防止扉付き、堤防装置。
Permana et al. Low-Risk Engineering Adaptation Strategies to Climate Change Impacts at Individual Level in Urban Areas: A Developing Country's Viewpoint
Doelp et al. Waterproofing Applications for Floodproofing and Resiliency
Tasnim et al. Review on Guideline Pertaining to Flood Resistance Design for Residential Architecture in Malaysia and UK
Bergman et al. Measures for climate change in Sweden. Altered rainfall and sea levels
Swinton et al. Site grading and drainage to achieve high-performance basements
JP2020056299A (ja) 空中都市の構造
Flanagan Flood Proofing Systems & Techniques: Examples of Flood Proofed Structures in the United States
JP2020023847A (ja) 耐津波建築物
KR20040094136A (ko) 침수예방을 위한 방수벽 구조물 및 그 조립시공방법
Swinton Basements—Back to Basics
Barker et al. 12 Flood-aware design
KR20080105940A (ko) 육지에 수상 주택을 건축하는 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200105

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200105

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200623

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6723676

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250