JP6714865B2 - 遠心振り子式ダンパ - Google Patents

遠心振り子式ダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP6714865B2
JP6714865B2 JP2016214432A JP2016214432A JP6714865B2 JP 6714865 B2 JP6714865 B2 JP 6714865B2 JP 2016214432 A JP2016214432 A JP 2016214432A JP 2016214432 A JP2016214432 A JP 2016214432A JP 6714865 B2 JP6714865 B2 JP 6714865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pendulum
rolling element
support
damper
centrifugal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016214432A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018071726A (ja
Inventor
祥平 金子
祥平 金子
永生 土肥
永生 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2016214432A priority Critical patent/JP6714865B2/ja
Priority to EP17738564.8A priority patent/EP3404286A4/en
Priority to US16/069,702 priority patent/US10533629B2/en
Priority to PCT/JP2017/001111 priority patent/WO2017122812A1/ja
Publication of JP2018071726A publication Critical patent/JP2018071726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6714865B2 publication Critical patent/JP6714865B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は、遠心振り子式ダンパに関する。
エンジンから被駆動部材に至る動力伝達経路に設けられ、回転振動を低減する遠心振り子式ダンパが知られている。遠心振り子式ダンパは、振り子質量体と振り子支持体との間に生じる摩擦トルクが大きいと、振り子の機能に支障をきたすおそれがある。そこで、この摩擦トルクにより振り子の吸振機能が損なわれることを防止する種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1の遠心力振り子装置は、振り子質量体が、回動可能な振り子支持体に対して相対運動可能に、転動要素を介して支承される。振り子支持体と振り子質量体との間には、双方の軸方向間隔を少なくとも局所的に減少させるガイド部が設けられる。この遠心力振り子装置によれば、振り子質量体と振り子支持体とのギャップ間隔の減少により、振り子質量体の傾倒角度を減少でき、個々の振り子質量体の不都合な傾倒が回避される。これにより、遠心力振り子全体の安定性を向上している。
また、特許文献2のフライホイールは、フライホイール本体に固定される転動室構成体内に転動室が形成される。この転動室は、フライホイール本体が固定される回転駆動系のトルク変動の周期に同期して転動しつつ遠心振り子運動をするダンパマスを収容する。ダンパマスの周面には、周方向に連続した凸部が形成される。また、転動室の転動面には、凸部に噛み合い且つ転動方向に連続する凹部が形成される。このフライホイールは、これら凸部と凹部が案内レール構造を構成している。このフライホイールによれば、案内レール構造によってダンパマスの蛇行が阻止されるので、ダンパマス側面と転動室内面との接触面積が小さくなる。これにより、ダンパマスの遠心振り子運動を阻止する方向に発生する摩擦トルクも小さくできる。
特許第5746209号公報 特許第3060775号公報
しかしながら、特許文献1の遠心力振り子装置は、転動要素の鍔状のガイド部よりも径方向外側に、振り子質量体側面と振り子支持体のギャップを減少させるワッシャーや凸部等を設けている。このため、転動要素のガイド部の外径側に摩擦トルクを発生する当接面が配置される。また、特許文献2のフライホイールも、案内レール構造を構成する凸部と凹部との当接面が、ダンパマスよりもフライホイール本体の半径方向外側に配置される。
ここで、当接面が転動要素のガイド部の外側で配置される構成例として、図7(A)に従来の遠心振り子式ダンパ500を示す。この遠心振り子式ダンパ500は、振り子支持体501に支持孔503が形成され、この支持孔503に振り子505が揺動自在に設けられる。振り子505は、振り子支持体501を挟んで配置される一対の振り子質量体507と、振り子質量体507に軸端が回転自在に支持され支持孔503に挿通される転動要素509と、を備える。この遠心振り子式ダンパ500は、転動要素509の外周面に突設した一対の環状ガイド部511により、振り子質量体507と振り子支持体501との接触による摩擦トルクの発生を防いでいる。図7(A)は振り子支持体501と振り子505が中立の位置関係にある状態、図7(B)は、振り子支持体501に対して振り子505が軸方向片側(図中の左側)に寄った状態を示している。この片側に寄った状態では、遠心振り子式ダンパ500は、転動要素509の環状ガイド部511が、振り子支持体501の半径方向外側の摺接部513で、振り子質量体507に突き当たる。この場合、転動要素509の回転軸心515から径方向外側の当接面までの距離Rが大きくなり、当接面における摩擦トルクが転動要素509の回転に大きく作用する。その結果、振り子505の揺動が妨げられ、振り子505による回転振動の吸振機能を発揮させる上で不利となる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、振り子支持体と振り子との間の摩擦トルクを低減して、振り子に軸方向変位が生じた場合でも、回転振動の減衰効果を低下させることのない遠心振り子式ダンパを提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
回転力が伝達される振り子支持体に支持孔が形成され、前記支持孔に振り子が揺動自在に取り付けられた遠心振り子式ダンパであって、
前記振り子は、
前記振り子支持体を軸方向に挟んで連結された一対の振り子質量体と、
前記支持孔に挿通されて軸端部が前記振り子質量体に支持される転動要素と、
を備え、
前記振り子質量体は、
前記転動要素の前記軸端部が挿入され、転動可能且つ軸方向移動可能に支持する転動要素支持部と、
前記振り子が軸方向に変位した場合に前記転動要素の変位方向後方における前記軸端部の一部が突き当たる突き当て部と、
を有することを特徴とする遠心振り子式ダンパ。
本発明に係る遠心振り子式ダンパによれば、振り子支持体と振り子との間の摩擦トルクを低減でき、振り子に軸方向変位が生じた場合でも、回転振動の減衰効果を低下させることを防止できる。
第1構成例の遠心振り子式ダンパの正面図である。 図1に示す振り子を単体で示す斜視図である。 図1のIII−III線における要部断面図であって、振り子支持体と振り子が中立の位置関係にある状態を示す断面図である。 図1のIII−III線における要部断面図であって、振り子支持体に対して振り子が軸方向片側に寄った状態を示す断面図である。 (A)はピンを転動要素に圧入した第2構成例の遠心振り子式ダンパにおいて振り子支持体と振り子が中立の位置関係にある要部断面図、(B)は(A)の振り子支持体に対して振り子が軸方向片側に寄った状態の要部断面図である。 (A)は振り子質量体が鍔部を備える第3構成例の遠心振り子式ダンパにおいて振り子支持体と振り子が中立の位置関係にある要部断面図、(B)は(A)の振り子支持体に対して振り子が軸方向片側に寄った状態の要部断面図である。 (A)は従来の遠心振り子式ダンパにおいて振り子支持体と振り子が中立の位置関係にある要部断面図、(B)は(A)の振り子支持体に対して振り子が軸方向片側に寄った状態の要部断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1構成例]
図1は第1構成例の遠心振り子式ダンパの正面図である。
本構成の遠心振り子式ダンパ100は、駆動機械における回転振動、例えば自動車のエンジン等の内燃機関で発生する定次数回転変動の低減に好適に用いることができる。エンジンとしては、従来知られているものと同様に、燃料を燃焼させてその熱エネルギを運動エネルギに変換し、クランクシャフトから出力する内燃機関、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン等を用いることができる。
遠心振り子式ダンパ100は、エンジンから被駆動部材(駆動輪等)に至る動力伝達経路に設けられる。以下、一例として遠心振り子式ダンパ100がクランクシャフト下流側のフライホイールに設けられる場合を説明する。
遠心振り子式ダンパ100は、振り子支持体11と、振り子支持体11に取り付けられた複数の振り子13と、を備える。
図2は図1に示す振り子13を単体で示す斜視図である。
振り子13は、振り子支持体11を軸方向に挟んで連結された一対の振り子質量体15(15A,15B)と、転動要素19とを有する。一対の振り子質量体15A,15B同士は、連結要素17によって連結されている。
振り子支持体11は、同心円上に動力伝達用の複数の固定穴21を有する。振り子支持体11は、これらの固定穴21によりフライホイール(図示略)に同軸で固定される。また、振り子支持体11は、直径方向の両端側から径方向外側に突出する一対の脚部23を有する。脚部23は、動力伝達経路に設けられる弾性部材(図示略)に、振り子支持体11の円周方向で当接する。弾性部材としては、エンジンの振動と回転非周期性とを減衰し、吸収する圧縮コイルバネが用いられる。
振り子支持体11には、複数の振り子13が揺動自在に取り付けられる。図示例では、一例として4個の振り子13を設けている。振り子支持体11には、各振り子13に対応して支持孔25(図3参照)が形成され、この支持孔25に振り子13が支持される。振り子支持体11に支持される振り子13は、それぞれ振り子支持体11の周方向に沿って往復動、すなわち、支持孔25を中心に揺動可能となっている。
振り子質量体15A,15Bは、振り子支持体11を挟んで一対が配置され、互いに円弧状の同一形状にされた板状部材である。
連結要素17は、一対の振り子質量体15A,15B同士を、厚さ方向に重ね合わせた状態で連結する。一対の振り子質量体15A,15Bは、例えば、その対向面間にスペーサー33(図2参照)やカラー等が挟み込まれて、所定の一定間隔を有してピンやリベット等の連結要素17によって一体に固定される。
一対の振り子質量体15A,15Bの互いに対面する対向面には、円弧状に形成された振り子質量体15A,15Bの円弧両端部に、円弧に沿った同一形状の凹溝27がそれぞれ形成される。各凹溝27は、転動要素19の軸端部29が挿入される転動要素支持部であり、軸端部29が凹溝27の延在方向に沿って転動可能に、且つ軸方向移動可能に支持される。なお、図1の一部の振り子13及び図2は、振り子質量体15の一部分を厚み方向に切り欠くことにより凹溝27を表出させて示している。
図3、図4は、図1のIII−III線における要部断面図であって、図3は振り子支持体11と振り子13が中立の位置関係にある状態を示す断面図、図4は振り子支持体11に対して振り子13が軸方向片側に寄った状態を示す断面図である。
一対の振り子質量体15A,15Bのそれぞれには、互いに対面する対向面に凹溝27が形成される。凹溝27には、転動要素19の軸端部29が挿入される。凹溝27は、振り子支持体11の外径側(図中上側)となる溝内壁面27aが、転動要素19の軸端部29が転動する軌道面となる。また、振り子支持体11の支持孔25は、振り子支持体11の内径側(図中下側)の内壁面11aが、転動要素19が転動する軌道面となる。つまり、転動要素19は、凹溝27の溝内壁面27aと支持孔25の内壁面11aとの間で転動可能に支持される。
転動要素19は、振り子支持体11と振り子質量体15Aとの間、及び振り子支持体11と振り子質量体15Bとの間に、互いに軸方向へ離間して形成された一対の環状ガイド部35A,35Bを有する。一対の環状ガイド部35A,35Bは、それぞれ転動要素19の外周面から径方向外側に突出して設けられる。また、転動要素19の軸方向両側の軸端部29には、転動要素19の回転軸心に、軸方向外側に突出する凸部31が設けられる。振り子質量体15A,15Bに形成された各凹溝27の溝底面27bは、転動要素19の各軸端部29に設けられた凸部31が突き当たる突き当て部となる。
一対の環状ガイド部35A,35Bは、そのガイド内側面35a同士の離間距離L1が、振り子支持体11の軸方向厚さtよりも大きくされる。また、この一対の環状ガイド部35A,35Bのガイド外側面35b同士の離間距離L2は、連結要素17で固定された一対の振り子質量体15A,15Bの離間距離Lよりも小さくされる。また、転動要素19のガイド外側面35bから軸端部29の凸部31までの距離L3は、凹溝27の深さDよりも大きくされる。
転動要素19は、上記構成により振り子質量体15A,15Bに軸端部が回転可能且つ軸方向に移動可能に支持される。また、転動要素19の一対の環状ガイド部35A,35B同士の間の外周面は、振り子支持体11の支持孔25に挿通された状態で、支持孔25の内壁面11aに当接する。
図3に示す振り子支持体11と振り子13の中立状態では、凸部31と溝底面27bとは軸方向に離間し、環状ガイド部35A,35Bと振り子支持体11とは軸方向に離間している。
一方、図4に示す振り子支持体11に対して振り子13が軸方向片側に寄った状態では、振り子13は、振り子13の変位方向後方における環状ガイド部35Bのガイド内側面35aと、振り子支持体11の側面11bとが摺接部37の位置で突き当たる。また、変位方向後方の振り子質量体15Bの溝底面27bと、転動要素19の変位方向後方の軸端部29に形成された凸部31とが摺接部39の位置で突き当たる。
なお、振り子13が図4に示す状態の軸方向反対側に寄った場合は、上記同様に、振り子質量体15Aの溝底面27bに転動要素19の凸部31が突き当たり、環状ガイド部35Aのガイド内側面35aが振り子支持体11の側面11bに突き当たる。
次に、上記した構成の作用を説明する。
図1に示すように、振り子13は、振り子支持体11の周方向に沿って往復動(揺動)することにより、回転振動を減衰する。また、これとともに、環状ガイド部35A,35Bは、振り子支持体11と振り子質量体15A,15Bとの干渉を防いでいる。
ここで、図4に示すように、振り子13が軸方向に沿って変位すると、変位方向後方となる環状ガイド部35Bが振り子支持体11の側面11bに突き当たり、更に、振り子質量体15Bの溝底面27bに、転動要素19の軸端部29の凸部31が突き当たる。これにより、振り子13の振り子支持体11に対するこれ以上の軸方向変位が規制される。
従来の構成においては、図7(B)に示す同様の状況において、転動要素509の環状ガイド部511の、振り子支持体501の回転中心から離れた側の摺接部513で振り子質量体507に突き当たる。この場合、転動要素509の回転軸心515から摺接部513までの距離Rが大きくなり、転動要素509の摺接部513で生じる摩擦トルクが振り子505の揺動動作の抵抗となる。その結果、振り子505による振動減衰力が低下する。
これに対し、本構成においては、図4に示すように、転動要素19の軸端部29の回転軸心に設けられた凸部31が、振り子質量体15Bの溝底面27bに突き当たる。つまり、凸部31が振り子質量体15A,15Bに突き当たる突き当て部は、転動要素19の回転軸心から離れるほど転動による摩擦トルクが大きくなるが、本構成の遠心振り子式ダンパ100によれば、転動要素19の凸部31が転動要素19の軸端部における回転軸心と同軸に配置される。そのため、回転する転動要素19から振り子質量体15A,15Bに加わる摩擦トルクが、最小限に抑えられる。これにより、突き当て部の摩擦が振り子13の揺動運動に影響を及ぼすことが殆どなく、振り子13による吸振機能が損なわれることはない。
更に、本構成の遠心振り子式ダンパ100は、振り子質量体15A,15Bの板厚内で凹溝27を形成している。この凹溝27は、潤滑剤を使用する場合、凹溝27の空洞内に潤滑剤が入り込み、摺動部へ潤滑剤を安定供給する潤滑剤ポケットとしても機能する。
[第2構成例]
次に、遠心振り子式ダンパの第2構成例を説明する。
第2構成の遠心振り子式ダンパは、前述した第1構成例の遠心振り子式ダンパ100における転動要素19の凸部31を、転動要素19に内蔵されるピンのピン先端で構成している。これ以外は第1構成例と同様の構成である。
図5(A)は振り子支持体と振り子が中立の位置関係にある要部断面図、図5(B)は図5(A)の振り子支持体に対して振り子が軸方向片側に寄った状態の要部断面図である。なお、以下の説明においては、第1構成例に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本構成の遠心振り子式ダンパ200は、転動要素41の回転軸心に嵌入孔47が形成される。この嵌入孔47にピン43を挿通させて、ピン43の両端を転動要素41の軸端部29から軸方向外側に向けて突出させている。ピン43の軸方向両端の先端面43aは、それぞれ曲面形状にされ、前述した凸部31(図3参照)と同様に突出している。
この遠心振り子式ダンパ200において、振り子45が軸方向に変位した場合には、転動要素41の軸端部29におけるピン43の先端面43aが、振り子45の移動方向後方の振り子質量体15Bにおける溝底面27b(押し当て部)に摺接部39の位置で突き当たる。また、振り子45は、移動方向後方の環状ガイド部35Bが、支持孔25よりも振り子支持体11の径方向内側(図中下側)となる摺接部37の位置で、振り子支持体11に突き当たる。
本構成の遠心振り子式ダンパ200によれば、第1構成例の場合と同様の作用効果が得られる。また、転動要素41を軸端部29に凸部31(図3参照)を設ける場合に、切削工程等により凸部31を加工するような煩雑な工程が不要となり、ピン43を嵌入孔47へ圧入するだけの簡単な工程で済む。また、転動要素41と別体のピン43を用いることで、凸部の材質の選択自由度が高められる。特に、耐摩耗性の高いピン43を用いれば、遠心振り子式ダンパ200の耐久性をより向上できる。また、振り子質量体15A,15Bとピン43との間の摩擦が小さくなる材料を選択的に使用できる。
更に、遠心振り子式ダンパ200は、ピン43の先端面43aが曲面形状であることにより、振り子質量体15と点接触状態となる。これにより、ピン43は、軸端部29と振り子質量体15との接触摩擦が、面接触や線接触の場合よりも低減でき、吸振機能を一層高められる。
[第3構成例]
次に、遠心振り子式ダンパの第3構成例を説明する。
図6(A)は振り子支持体11と振り子55が中立の位置関係にある要部断面図、図6(B)は図6(A)の振り子支持体11に対して振り子55が軸方向片側に寄った状態の要部断面図である。
本構成の遠心振り子式ダンパは、転動要素支持部として、前述した第1構成例の振り子質量体15A,15Bの凹溝27の代わりに、転動要素49を支持する貫通孔61が形成されている。また、貫通孔61の転動要素49を支持する内周面の少なくとも一部に、内周面から貫通孔内側に向けて突起部53が設けられている。その点以外は第1構成例と同様の構成である。
突起部53は、振り子質量体51A,51Bの貫通孔61内における軸方向外側端部で、貫通孔61の内周面から貫通孔内に向けて、つまり、転動要素49の回転軸心に突出して形成される。この突起部53が、転動要素49の軸端部29の一部と当接する突き当て部となる。
突起部53は、図示例にように貫通孔61の軸方向外側端部に設けた構成に限らず、転動要素49が支持可能であれば貫通孔61の任意の位置に形成されていてもよい。また、突起部53は、貫通孔61の内周面に、転動要素49の転動方向に沿って連続して形成された鍔部であってもよく、複数の突起片が離間配置された構成であってもよい。
本構成の遠心振り子式ダンパ300は、振り子質量体51A,51Bに形成された突起部53が、転動要素49の軸端部29における摺接部57の位置で突き当たり、転動要素49の振り子質量体51Bに対する軸方向変位を規制する。また、転動要素49の変位方向後方の環状ガイド部35Bが、振り子支持体11と摺接部37の位置で突き当たることで、転動要素49の振り子支持体11に対する軸方向変位が規制される。
また、振り子55が図6(B)示す状態の反対側に寄った場合は、上記同様に、振り子質量体51Aの突起部53に転動要素19の軸端部29が突き当たり、環状ガイド部35Aのガイド内側面35aが振り子支持体11に突き当たる。これにより、振り子55の振り子支持体11に対するこれ以上の軸方向変位が規制される。
本構成の遠心振り子式ダンパ300によれば、転動要素49の軸端部29の一部が、貫通孔61の内壁面61bよりも転動要素49の中心軸側(図中下側)で突起部53に突き当たるため、従来構成に比べて転動要素49の回転軸心58から摺接部57までの距離Rが小さくなる。よって、転動要素49の回転による、転動要素49と振り子質量体51Bとの間の摩擦トルクが小さくなり、振り子55による回転振動の吸振機能が損なわれることがない。また、振り子55が上記と反対側に寄った場合も、同様の作用効果が得られる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば上記の構成例では、遠心振り子式ダンパをフライホイールに設ける場合を例に説明したが、遠心振り子式ダンパは、その他、エンジンから被駆動部材に至る動力伝達経路の途中に設けた構成としてもよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 回転力が伝達される振り子支持体に支持孔が形成され、前記支持孔に振り子が揺動自在に取り付けられた遠心振り子式ダンパであって、
前記振り子は、
前記振り子支持体を軸方向に挟んで連結された一対の振り子質量体と、
前記支持孔に挿通されて軸端部が前記振り子質量体に支持される転動要素と、
を備え、
前記振り子質量体は、
前記転動要素の前記軸端部が挿入され、転動可能且つ軸方向移動可能に支持する転動要素支持部と、
前記振り子が軸方向に変位した場合に前記転動要素の変位方向後方における前記軸端部の一部が突き当たる突き当て部と、
を有することを特徴とする遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、振り子の変位によって、転動要素が、変位方向後方における軸端部の一部が振り子質量体の突き当て部に突き当たる。これにより、振り子の軸方向変位が規制される。転動要素の振り子質量体との当接位置は、従来構造に比べて転動要素の回転中心に近くなるため、転動要素と振り子質量体との間の摩擦トルクが小さくなる。その結果、振り子の軸方向変位が生じても、従来構造よりも発生する摩擦トルクが小さく、振り子の揺動動作に影響が及びにくくなる。よって、回転振動の吸振機能の低下が抑えられる。
(2)前記転動要素支持部は、一対の前記振り子質量体の互いに対面する対向面にそれぞれ形成された凹溝であって、
前記突き当て部は、前記凹溝の溝底面であることを特徴とする(1)の遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、振り子質量体の軸端部に対向する面に凹溝が形成され、この凹溝の溝底面に、転動要素の軸端部の一部が当接する。この凹溝によって、連結された一対の振り子質量体の合計厚さを薄くでき、遠心振り子式ダンパの薄型化が図れる。
(3) 前記転動要素支持部は、前記転動要素を支持する内周面を有し、
前記突き当て部は、前記内周面から前記転動要素の軸心に向けて突出した突起部であることを特徴とする(1)の遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、振り子質量体に形成された突起部に、転動要素の軸端部の一部が突き当たる。そのため、転動要素と振り子質量体との当接位置が、従来構成に比べて転動要素の回転中心側になるので、転動要素と振り子質量体との間の摩擦トルクが、従来の構成よりも小さくなる。
(4) 前記転動要素は、該転動要素の回転軸心に、軸方向外側へ突出する凸部を有する(1)又は(2)の遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、凸部が転動要素の回転軸心と同軸で配置されるので、回転する転動要素から振り子質量体に加わる摩擦トルクが、最小限に抑えられる。
(5) 前記凸部は、前記転動要素の回転軸心に沿って配置されたピンにより形成されている(4)の遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、振り子質量体の回転軸心に形成した嵌入孔に、ピンを圧入する等の簡単な工程により凸部が設けられる。そのため、凸部を加工する際に、転動要素を切削して凸部を形成する切削工程のような煩雑な工程が不要となる。また、転動要素とは別体のピンを用いることで、凸部の材質の選択自由度が高められる。
(6) 前記凸部の先端は、曲面形状である(4)又は(5)の遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、凸部の先端と振り子質量体との接触が点接触状態となる。これにより、凸部は、軸方向端部と振り子質量体との接触摩擦が、面接触や線接触の場合に比べ更に低減される。
(7) 前記転動要素は、一方の前記振り子質量体と前記振り子支持体との間、及び他方の前記振り子質量体と前記振り子支持体との間のそれぞれに、前記転動要素の外周面から径方向外側に突出する環状ガイド部を有し、
前記振り子が軸方向に変位した場合に、前記環状ガイド部の前記振り子支持体が前記支持体に突き当たる(1)〜(6)のいずれか一つの遠心振り子式ダンパ。
この遠心振り子式ダンパによれば、環状ガイド部が振り子支持体に突き当たることで、振り子の軸方向移動による振り子質量体と振り子支持体との接触が防止できる。
11 振り子支持体
13 振り子
15 振り子質量体
17 連結要素
19 転動要素
25 支持孔
27 凹溝(転動要素支持部)
27b 溝底面(突き当て部)
29 軸端部
31 凸部
35A,35B 環状ガイド部
41 転動要素
43 ピン
45 振り子
49 転動要素
51 振り子質量体
53 突起部(突き当て部)
55 振り子
61 貫通孔(転動要素支持部)
100,200,300 遠心振り子式ダンパ

Claims (3)

  1. 回転力が伝達される振り子支持体に支持孔が形成され、前記支持孔に振り子が揺動自在に取り付けられた遠心振り子式ダンパであって、
    前記振り子は、
    前記振り子支持体を軸方向に挟んで連結された一対の振り子質量体と、
    前記支持孔に挿通されて軸端部が前記振り子質量体に支持される転動要素と、
    を備え、
    前記振り子質量体は、
    前記転動要素の前記軸端部が挿入され、転動可能且つ軸方向移動可能に支持する転動要素支持部と、
    前記振り子が軸方向に変位した場合に前記転動要素の変位方向後方における前記軸端部の一部が突き当たる突き当て部と、
    を有することを特徴とする遠心振り子式ダンパ。
  2. 前記転動要素支持部は、一対の前記振り子質量体の互いに対面する対向面にそれぞれ形成された凹溝であって、
    前記突き当て部は、前記凹溝の溝底面であることを特徴とする請求項1に記載の遠心振り子式ダンパ。
  3. 前記転動要素支持部は、前記転動要素を支持する内周面を有し、
    前記突き当て部は、前記内周面から前記転動要素の軸心に向けて突出した突起部であることを特徴とする請求項1に記載の遠心振り子式ダンパ。
JP2016214432A 2016-01-14 2016-11-01 遠心振り子式ダンパ Expired - Fee Related JP6714865B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016214432A JP6714865B2 (ja) 2016-11-01 2016-11-01 遠心振り子式ダンパ
EP17738564.8A EP3404286A4 (en) 2016-01-14 2017-01-13 CENTRIFUGAL DAMPER AND TORQUE TRANSMISSION DEVICE
US16/069,702 US10533629B2 (en) 2016-01-14 2017-01-13 Centrifugal pendulum damper and torque transmission device
PCT/JP2017/001111 WO2017122812A1 (ja) 2016-01-14 2017-01-13 遠心振り子ダンパ及びトルク伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016214432A JP6714865B2 (ja) 2016-11-01 2016-11-01 遠心振り子式ダンパ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018071726A JP2018071726A (ja) 2018-05-10
JP6714865B2 true JP6714865B2 (ja) 2020-07-01

Family

ID=62115043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016214432A Expired - Fee Related JP6714865B2 (ja) 2016-01-14 2016-11-01 遠心振り子式ダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6714865B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009061276C5 (de) * 2008-11-18 2024-04-25 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Einstückiges Pendel
JP5746209B2 (ja) * 2009-12-21 2015-07-08 シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトSchaeffler Technologies AG & Co. KG 遠心力振り子装置
JP5769736B2 (ja) * 2010-03-11 2015-08-26 シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトSchaeffler Technologies AG & Co. KG 遠心振り子装置
JP5445423B2 (ja) * 2010-10-07 2014-03-19 トヨタ自動車株式会社 ダイナミックダンパ
JP5996203B2 (ja) * 2012-02-10 2016-09-21 アイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社 回転体の振動低減装置
FR2989753B1 (fr) * 2012-04-20 2014-04-18 Valeo Embrayages Dispositif d'amortissement pendulaire, en particulier pour une transmission de vehicule automobile

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018071726A (ja) 2018-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6100362B2 (ja) 特に自動車のトランスミッションのための振り子式ダンパ装置
US9709127B2 (en) Starting device
JP5602832B2 (ja) 遠心力振り子
JP6240149B2 (ja) 自動車用のトルク伝達装置
US8840481B2 (en) Power transmission part, damper mechanism, and flywheel assembly
KR100422643B1 (ko) 자동차용 플라이휠
KR20180039120A (ko) 원심력 진자 장치
US10533629B2 (en) Centrifugal pendulum damper and torque transmission device
JP4625791B2 (ja) スプリングシート及びスプリング組立体
JP2020045912A (ja) 捩り振動低減装置
JP2012516981A (ja) デュアルマスフライホイール
WO2017122812A1 (ja) 遠心振り子ダンパ及びトルク伝達装置
JP2001074102A (ja) トルク変動吸収装置
JP7020574B2 (ja) 遠心振り子ダンパ及びトルク伝達装置
JP6714865B2 (ja) 遠心振り子式ダンパ
JP2011202782A (ja) 振子式吸振器
JP6707864B2 (ja) 振動減衰装置
JP3618121B2 (ja) 遠心振り子式吸振器
JP2013210006A (ja) 遠心振子式吸振装置
KR102349101B1 (ko) 토크 컨버터용 펜들럼 댐퍼 어셈블리
JP2019086029A (ja) 捩り振動低減装置
KR101868699B1 (ko) 듀얼 매스 플라이휠의 펜듈럼 조립체
JP2019052727A (ja) ダンパ装置
KR101043554B1 (ko) 자동차용 댐핑 이중 플라이휠
KR102340618B1 (ko) 듀얼 매스 플라이휠

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200520

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6714865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees