JP6240149B2 - 自動車用のトルク伝達装置 - Google Patents

Description

本発明は、自動車用のトルク伝達装置に関する。

このような装置は、一般に、トルク入力要素およびトルク出力要素と、これらのトルク入力要素とトルク出力要素との間に取り付けられて、トルク入力要素とトルク出力要素との相対的な回転に抗して作用する弾性部材とを含んでいる。

トルク伝達装置がロングトラベルダンパ（ＬＴＤ：Ｌｏｎｇ Ｔｒａｖｅｌ Ｄａｍｐｅｒ）タイプである場合、この装置は、複数グループの弾性部材を含んでおり、同一グループの弾性部材が、位相合わせ部材を介して直列に配置されることにより、各グループの弾性部材が互いに位相変形するようにされている。

一般に、トルク入力要素とトルク出力要素とは、反対の２つの回転方向にそれらの相対回転を制限する第１の係止手段および第２の係止手段を有し、トルク入力要素と位相合わせ部材とは、反対の２つの回転方向にそれらの相対回転を制限する第３の係止手段および第４の係止手段を有している。

この構成では、環状プレートに対する位相合わせ部材の角度方向のストロークを制限する手段がまったく設けられていない。

エンジンの振動減衰を改善するとともに回転非周期性を吸収するために、位相合わせ部材に振り子式の質量体を取り付ける構成にすることができる。この場合、位相合わせ部材が著しく強い慣性を有することがあり、その結果、位相合わせ部材は、動作時に、正の方向といわれる回転方向と、負の方向といわれる反対の回転方向とに弾性部材を完全に圧縮する可能性がある。正の方向は、トルク入力要素からトルク出力要素に向けてトルクが伝達される動作の事例に対応する。特定の動作段階、たとえばユーザがアクセルから急に足を引っ込めた場合、トルク出力要素からトルク入力要素に抵抗トルクが伝達され、これによって、負の方向への位相合わせ部材の回転が引き起こされることがある。

弾性部材が圧縮コイルスプリングであるとき、これらのスプリングの圧縮が強すぎると、スプリングの巻きが互いに接触することがある。その場合、スプリングは密着されているという。伝達されるトルクが大きいと、スプリングの巻きがつぶされて、スプリングが疲労し、時期尚早の摩耗が発生する。

一般に、トルク伝達装置のすべての可動要素の間で角度方向の揺動を制限可能にすることが必要であり、これは従来技術では実現されていない。

米国特許第８０４７９２２号明細書は、トルク入力要素とトルク出力要素とを含み、これらの要素の間に、位相合わせ部材を介して直列に配置された複数グループの弾性部材が配設された、トーショナルダンパを開示している。トルク入力要素と、位相合わせ部材または環状プレートとの間には、複数の係止手段が設けられている。

このようなダンパの構造は比較的複雑であり、スプリングの揺動制御および／または損傷制御という上記の課題を解決することができない。

本発明は、特に、上記の課題を簡単、有効かつ経済的に解決することを目的とする。

このため、本発明は、自動車用のトルク伝達装置を提案するものであり、この装置は、トルク入力要素と、トルク出力要素と、これらのトルク入力要素とトルク出力要素との間に取り付けられてトルク入力要素とトルク出力要素との相対的な回転に抗して作用する少なくとも１つのグループの弾性部材と、を備え、このグループの弾性部材は、各グループの弾性部材が互いに位相変形するように、位相合わせ部材を介して直列に配置され、トルク出力要素と位相合わせ部材とは、反対の２つの回転方向にそれらの相対回転を制限する第１および第２の係止手段を有し、トルク入力要素と位相合わせ部材とは、反対の２つの回転方向にそれらの相対回転を制限する第３および第４の係止手段を有し、トルク入力要素とトルク出力要素とは、反対の２つの回転方向にそれらの相対回転を制限する第５および第６の係止手段を有していることを特徴とする。

したがって、本発明によれば、この装置が３組の係止手段を含み、すなわち、各々の回転方向（負の方向と正の方向）に対して３個の係止手段を含むことによって、トルク出力要素に対するトルク入力要素の回転と、位相合わせ部材に対するトルク入力要素の回転と、位相合わせ部材に対するトルク出力要素の相対的な回転とを制限するようにされている。このようにして、トルク伝達装置のこれらのすべての可動要素の間の角度方向の揺動が制限される。

さまざまな係止手段の位置に応じて、これらの各要素の角度方向の揺動を制御することが可能であり、これによって、特に、トルク入力要素と位相合わせ部材との間、および、位相合わせ部材とトルク出力要素との間に取り付けられる弾性部材の圧縮が制限される。

好ましくは、弾性部材が圧縮コイルスプリングであり、係止手段が、スプリングの圧縮を制限して、スプリングの巻きがそれらの圧縮時に密着することを妨げるように構成される。

このようにして、コイルスプリングは、それらの巻きがつぶれたときに損傷を被らないようにされている。

本発明の１つの特徴によれば、１つまたは各グループの弾性部材は、一方では、トルク出力要素またはトルク入力要素を形成する環状プレートに当接し、他方では、環状プレートの両側に半径方向に延びて環状プレートに対して回転移動する２つのガイドリングに当接し、これらのガイドリングが、トルク入力要素またはトルク出力要素を形成する。

本発明の別の特徴によれば、環状プレートは、Ｎ個の係止手段を有し、位相合わせ部材は、Ｎ個の係止手段を有し、ガイドリングの少なくとも一方は、環状プレートおよび位相合わせ部材のＮ個の係止手段と動作時に協働するための２Ｎ個の突出要素を有しており、突出要素の各々は、２つの対向する係止面を含み、突出要素は、ガイドリングの円周上に２つのグループとして配分され、環状プレートの係止手段は、第１の回転方向において第１のグループの突出要素の第１の面に当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向において第２のグループの突出要素の第１の面に当接可能であり、位相合わせ部材の係止手段は、第１の回転方向において第２のグループの突出要素の第２の面に当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向において第１のグループの突出要素の第２の面に当接可能である。

このようにして、各突出要素は、２つの係止機能を有し、これにより、トルク伝達装置の構造が著しく簡素化される。

有利には、環状プレートは、半径方向内側の環状部を含み、この環状部を起点として、弾性部材の支持脚が半径方向外側に延びている。

弾性部材の組立開口部を有する環状プレートと比較した場合、上記の環状プレートは、より大型の直径の円周にわたってスプリングを配置することができる。したがって、エンジンの振動と回転の非周期性とのフィルタリングが改善される。

環状プレートと位相合わせ部材とは、それぞれ、半径方向に延びて弾性部材を支持する役割を果たす支持ゾーンを有することが可能であり、環状プレートの係止突起が位相合わせ部材の係止突起に当接可能であるように、係止突起が、これらの支持ゾーンの各ゾーンの両側に周方向に延びている。

このような構造によって、２つの回転方向における位相合わせ部材と環状プレートとの間の係止機能を簡単かつ高い信頼性で行うことができる。

さらに、ガイドリングの突出要素に協働する環状プレートと位相合わせ部材との係止手段は、弾性部材の支持ゾーンから延びる突起を有し、これらの突起の各々は、２つのグループの突出要素の対応する係止面に当接可能な、２つの対向する係止面を有している。

好ましくは、トルク伝達装置は、半径方向外周位置でリベット締めおよび／または溶接により互いに固定される２つのガイドリングを含んでいる。

この場合、ガイドリングの少なくとも一方は、双方を互いに確実に固定するように、その半径方向外周に、他方のガイドリングに折り曲げ可能な可変の小突起を有している。

本発明は、添付図面を参照しながら、限定的ではなく例として挙げられた以下の説明を読めば、いっそう理解され、本発明の他の細部、特徴、および長所が明らかになるであろう。

図１は、油圧トルクコンバータの形態を呈する、本発明によるトルク伝達装置を示す概略図である。 図２は、本発明によるトルク伝達装置の一部を示す長手方向の斜視図である。 図３は、図２のトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図４は、トルク伝達装置の一部を示す斜視図である。 図５は、環状プレートを示す斜視図である。 図６は、位相合わせ部材の一部を示す斜視図である。 図７は、ガイドリングの２つの係止手段を示す、詳細な斜視図である。 図８は、さまざまな可動要素の複数の角度位置におけるトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図９は、さまざまな可動要素の複数の角度位置におけるトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図１０は、さまざまな可動要素の複数の角度位置におけるトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図１１は、さまざまな可動要素の複数の角度位置におけるトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図１２は、さまざまな可動要素の複数の角度位置におけるトルク伝達装置の一部を示す正面図である。 図１３は、本発明の変形実施形態によるトルク伝達装置の一部を示す斜視図である。 図１４は、図１３の装置の細部を示す図である。 図１５は、環状プレートに対する位相合わせ部材の別の位置における図１３に対応する図である。 図１６は、環状プレートに対する位相合わせ部材の別の位置における図１４に対応する図である。

図１に、本発明による油圧トルクコンバータの一部を概略的に示す。このトルクコンバータは、たとえばクランクシャフト１等の自動車の内燃機関の出力シャフトから、ギヤボックスの入力シャフト２にトルクを伝達することができる。

トルクコンバータは、一般に、駆動装置５を介してタービンランナ４を流体力学的に駆動可能なポンプインペラ３を含んでいる。

ポンプインペラ３は、クランクシャフト１に結合され、タービンランナ４は、タービンハブ６に結合され、タービンハブ自体が、２個のガイドリング７（以下、それぞれ前方ガイドリング７ａ、後方ガイドリング７ｂという）に結合される。

前方ガイドリング７ａとタービンハブ６は、ギヤボックスの入力シャフト２に結合される中央のスプラインハブ８を中心として、回転式に取り付けられる。

前方ガイドリング７ａは、タービンハブ６を中心として取り付けられ、タービンハブに固定される。２個のガイドリング７ａ、７ｂは、半径方向に延びており、相互の間に内部スペース９を画定し、弾性部材１０ａ、１０ｂを収容する。これらの弾性部材は、たとえば圧縮コイルスプリングである。

後方ガイドリング７ｂは、その半径方向外周に円筒形のリム１１を含み、このリムは、前方ガイドリング７ａに向かって延長されて、前方ガイドリングに固定されている。

円筒形のリム１１の自由端は、切欠き１２を含み（図４）、この切欠きは、前方ガイドリング７ａの半径方向外周から延びる位置決めセンタリング用の突起１３を収容する役割を果たす。

円筒形のリム１１の自由端は、２個のガイドリング７ａ、７ｂを互いに固定する前に、軸方向に延びる小突起１４をさらに含んでいる。これらの小突起１４は、リベット締め操作のときに前方ガイドリング７ａの外周上で折り曲げて前方ガイドリングに溶接可能であり、これによって、２個のガイドリング７ａ、７ｂを確実に固定するようにされている。図示された実施形態では、各々の小突起１４が、２個の突起１３の間に周方向に配置されていることが分かる。

ガイドリング７ａ、７ｂは、一般に、弾性部材１０ａ、１０ｂを収容する役割を果たす開口部１５を有している。

ガイドリング７ａ、７ｂの少なくとも一方、ここでは前方ガイドリング７ａは、たとえば全部で６個の突出要素１６、１７を含み、これらの突出要素は、後方ガイドリング７ｂに向かって型打ち鍛造により変形された部分の形状を呈している。各々の突出要素１６、１７は、２個の対向する係止面、それぞれ１６ａ、１６ｂと１７ａ、１７ｂとを含んでいる。

スプラインハブ１８（図２）は、同様に後方ガイドリング７ｂの背面に固定される。このスプラインハブ１８は、後方ガイドリング７ｂの上記の背面に固定される半径方向の部分１９と、この半径方向の部分１９の半径方向外周から後方に向かって延びる円筒形のスプライン縁２０とを含んでいる。

クラッチ２１（図１）は、ポンプインペラ３とタービンランナ４とを介在させずに、所定の動作段階でクランクシャフト１のトルクをガイドリング７に伝達することができる。上記クラッチ２１は、クランクシャフト１に結合された入力要素２２と、スプラインハブ１８を有する出力要素２３とを含んでいる。

半径方向に延びる環状プレート２４は、内部スペースに取り付けられ、リベットを介して中央ハブ８に固定される。

図５からよりよく分かるように、環状プレート２４は、半径方向内側の環状部２５を含み、この環状部から、たとえば全部で３個の脚部２６が半径方向外側に延びている。各々の脚部２６は、弾性部材１０ａ、１０ｂを支持する役割を果たす２個の対向する面２７を含み、これらの面は、互いに、また半径方向に対して傾斜している。２個の係止突起２８ａ、２８ｂは、各脚部の外周位置で各脚部２６の両側に周方向に延びている。各脚部２６は、さらに、その外周に、半径方向外側に延びる係止突起２９を含んでいる。

弾性部材１０ａ、１０ｂは、環状プレート２４とガイドリング７ａ、７ｂとの間に周方向に取り付けられる。

特に、弾性部材１０ａ、１０ｂは、２つ１組で配置される。同一組の弾性部材（図１）は、これらの弾性部材１０ａ、１０ｂが互いに位相変形するように、共通する１つの位相合わせ部材３０を介して直列に配置される。図示された実施形態では、トルクコンバータが３組の弾性部材１０ａ、１０ｂを含んでいる。

そのため、各組の弾性部材１０ａ、１０ｂに対して、環状プレート２４に対するガイドリング７ａ、７ｂの回転方向に応じて、一方の弾性部材（たとえば１０ａ）が、一方では、ガイドリング７ａ、７ｂの開口部１５の対応する端部で、他方では、位相合わせ部材３０で支持されるように構成される。その場合、他方の弾性部材（たとえば１０ｂ）は、一方では位相合わせ部材３０で、他方では、環状プレート２４の対応する脚部２６の片面２７で支持される。

図３は、位相合わせ部材３０と環状プレート２４との相対回転によって、スプリング１０ａが部分的に圧縮されるところを示している。休止時には、弾性部材１０ａ、１０ｂは、ほぼ同じ長さを有している。

位相合わせ部材３０は、部分的にしか示されていないが、環状部（図示せず）を含んでおり、ここでは全部で３個の支持部材３１が、リベットを介して、この環状部に固定されている。各々の支持部材３１は、弾性部材１０ａ、１０ｂを支持する役割を果たす２個の対向する面３２を含み、これらの面は、互いに、また、半径方向に対して傾斜している（図６）。２個の係止突起３３ａ、３３ｂ（図６）は、各支持部材の外周位置で各支持部材の両側に周方向に延びている。各々の支持部材３１は、さらに、その外周に、半径方向外側に延びる係止突起３４を含んでいる。

環状プレート２４の脚部２６の係止突起２８ａ、２８ｂは、位相合わせ部材３０の支持部材３１の係止突起３３ａ、３３ｂでそれぞれ支持できるようにされている。

したがって、環状プレート２４と位相合わせ部材３０は、それぞれが３個の突起２８ａ、２８ｂ、２９と、３３ａ、３３ｂ、３４とを有し、前方ガイドリング７ａは、動作時に環状プレート２４と位相合わせ部材３０との突起２９、３４に協働するための６個の突出要素１６、１７を含んでいる。

図示されていない実施形態では、位相合わせ部材３０が、さらに、振動と回転非周期性とのフィルタリングを改善するための振り子式の質量体を含むことができる。

突出要素１６は、２個のガイドリングのうちの一方のガイドリングの円周上に配分可能であり、その場合、突出要素１７は、他方のガイドリングに配分される。

好ましい実施形態では、突出要素１６、１７が、２つのグループとして２個のガイドリングのうちの一方（すなわち前方ガイドリング）の円周上に配分され、環状プレート２４の突起２９が、第１の回転方向（いわゆる正の方向、矢印Ｄで示す）において第１のグループの突出要素１６の第１の面１６ａに当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向（いわゆる負の方向、矢印Ｒで示す）において第２のグループの突出要素１７の第１の面１７ａに当接可能である。同様に、位相合わせ部材３０の突起３４は、第１の回転方向（正の方向）において第２のグループの突出要素１７の第２の面１６ｂに当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向（負の方向）において第１のグループの突出要素１６の第２の面１６ｂに当接可能である。

突起２８ａ、２８ｂ、２９、３３ａ、３３ｂ、３４と突出要素１６、１７は、弾性部材１０ａ、１０ｂの圧縮を制限するように、また、コイルスプリングに関与する場合は、トルクコンバータの動作モードがどのようなものであろうと、スプリングの巻きがその圧縮時に密着しないように、配置かつ寸法決定される。

図８は、本発明によるトルクコンバータが休止位置にあるところを示し、突起２８ａ、２８ｂと３３ａ、３３ｂが互いに離隔され、突起２９、３４は、突出要素１６、１７から離隔されている。このような休止位置では、弾性部材１０ａ、１０ｂは、最小圧縮応力にしたがう。

第１の動作の場合、位相合わせ部材３０は、その休止位置から負の方向に旋回する。その場合、位相合わせ部材の揺動は、突出要素１６の面１６ｂへの突起３４の係止により制限することができる（図９）。

図１０に示された第２の動作の場合、位相合わせ部材３０と環状プレート２４は、環状プレート２４と位相合わせ部材３０との突起２８ｂ、３３ｂが互いに係止される端位置まで、互いに旋回可能である。先に述べたように、これらの突起２８ｂ、３３ｂは、弾性部材１０ａ、１０ｂの圧縮を制限するように寸法決定される。同じく図１０に示した事例では、突起２９と３４が、それぞれ突出要素１７と１６の面１７ａと１６ｂで係止可能にされている。

図１１は、図９に示した休止位置から正の方向（矢印Ｄ）に位相合わせ部材３０が旋回した第３の動作の事例を示しており、この旋回は、突出要素１７の支持面１７ｂに突起３４が係止することにより制限されている。

さらに、図１２は、図９に示した休止位置から正の方向（矢印Ｄ）に環状プレート２４が旋回した第４の動作の事例を示しており、この旋回は、突出要素１６の面１６ａに突起２９が係止することにより制限されている。

図１３から図１６は、環状プレート２４の脚部２６が、半径方向内側に配置された拡大基部３５を含んでいる変形実施形態を示しており、拡大基部は、２個の対向する支持面３６ａ、３６ｂを含んでいる（図１４と図１６）。環状プレート２４に対する位相合わせ部材３０の回転方向に応じて、支持部材３１は、それらの内周によって（図１３と図１４）、基部３５の支持面３６ａまたは基部３５の支持面３６ｂに当接可能である（図１４と図１６）。

特に、基部３５の支持面３６ａ、３６ｂは、半径方向に対して傾斜させることができる。同様に、支持部材３１は、それらの内周に、支持面３６ａ、３６ｂに係合する形状の斜面３７ａ、３７ｂ（図１４と図１６）を含むことができる。

係止突起２８ａ、２８ｂ、３３ａ、３３ｂの位置および、基部３５の支持面３６ａ、３６ｂと支持部材３１の支持面３７ａ、３７ｂの位置で、同時または、ほぼ同時に支持を行うことができる。

あるいは、本発明の好ましい実施形態では、図１５に示したように、上記の支持面３６ａ、３６ｂ、３７ａ、３７ｂの位置でのみ支持を実施可能である。

したがって、本発明は、環状プレート２４に対するガイドリング７ａ、７ｂの回転と、位相合わせ部材３０に対するガイドリング７ａ、７ｂの回転と、位相合わせ部材３０に対する環状プレート２４の回転とを制限可能な、たとえばトルクコンバータまたはデュアルマスフライホイールの形態を呈するトルク伝達装置を提案するものである。

さまざまな係止手段の位置に応じて、これらの各々の要素の角方向の揺動を制御することが可能であり、それによって、特に、一方ではガイドリング７ａ、７ｂと位相合わせ部材３０との間、他方では位相合わせ部材３０と環状プレート２４との間に取り付けられた、弾性部材１０ａ、１０ｂの圧縮を制限するとともに、損傷を回避するようにされる。

Claims (10)

1. 自動車用のトルク伝達装置であって、
   トルク入力要素（７ａ、７ｂ）と、
   トルク出力要素（２４）と、
   前記トルク入力要素（７ａ、７ｂ）と前記トルク出力要素（２４）との間に取り付けられて、前記トルク入力要素（７ａ、７ｂ）と前記トルク出力要素（２４）との相対的な回転に抗して作用する少なくとも１つのグループの弾性部材（１０ａ、１０ｂ）と、
   を備え、
   前記グループの弾性部材（１０ａ、１０ｂ）は、各グループの弾性部材（１０ａ、１０ｂ）が互いに位相変形するように、位相合わせ部材（３０）を介して直列に配置され、
   前記トルク出力要素（２４）と前記位相合わせ部材（３０）とは、反対の２つの回転方向（Ｄ、Ｒ）にそれらの相対回転を制限する第１の係止手段（２８ａ、３３ａ）と第２の係止手段（２８ｂ、３３ｂ）とを有し、
   前記トルク入力要素（７ａ、７ｂ）と前記位相合わせ部材（３０）とは、反対の２つの回転方向（Ｄ、Ｒ）にそれらの相対回転を制限する第３の係止手段（３４、１７ｂ）と第４の係止手段（３４、１６ｂ）とを有し、
   前記トルク入力要素（７ａ、７ｂ）と前記トルク出力要素（２４）とは、反対の２つの回転方向（Ｄ、Ｒ）にそれらの相対回転を制限する第５の係止手段（２９、１６ａ）と第６の係止手段（２９、１７ａ）とを有する
   ことを特徴とする装置。
2. 前記弾性部材（１０ａ、１０ｂ）は、圧縮コイルスプリングであり、
   前記係止手段は、前記スプリング（１０ａ、１０ｂ）の圧縮を制限し、前記スプリングの巻きがそれらの圧縮時に密着することを妨げるように構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記グループまたは各グループの弾性部材（１０ａ、１０ｂ）は、一方では、トルク出力要素またはトルク入力要素を形成する環状プレート（２４）に当接し、他方では、前記環状プレート（２４）の両側に半径方向に延びて前記環状プレートに対して回転移動する２つのガイドリング（７ａ、７ｂ）に当接し、
   前記ガイドリング（７ａ、７ｂ）は、トルク入力要素またはトルク出力要素を形成することを特徴とする請求項１または２に記載の装置。
4. 前記環状プレート（２４）は、複数の係止手段（２９）を有し、
   前記位相合わせ部材（３０）は、前記環状プレート（２４）の係止手段（２９）の数と同じ数の係止手段（３４）を有し、
   前記ガイドリング（７ａ、７ｂ）の少なくとも一方は、前記環状プレート（２４）および前記位相合わせ部材（３０）の係止手段（２９、３４）と動作時に協働するための、前記環状プレート（２４）の係止手段（２９）の数の２倍の数の突出要素（１６、１７）を有しており、
   前記突出要素（１６、１７）の各々は、２つの対向する係止面（１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂ）を有し、
   前記突出要素（１６、１７）は、前記ガイドリング（７ａ）の円周上に２つのグループとして配分され、
   前記環状プレート（２４）の係止手段（２９）は、第１の回転方向（Ｄ）において第１のグループの突出要素（１６）の第１の面（１６ａ）に当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向（Ｒ）において第２のグループの突出要素（１７）の第１の面（１７ａ）に当接可能であり、
   前記位相合わせ部材（３０）の前記係止手段（３４）は、第１の回転方向（Ｄ）において第２のグループの突出要素（１７）の第２の面（１７ｂ）に当接可能であり、また、その反対の第２の回転方向（Ｒ）において第１のグループの突出要素（１６）の第２の面（１６ｂ）に当接可能である
   ことを特徴とする請求項３に記載の装置。
5. 前記環状プレート（２４）は、半径方向内側の環状部（２５）を有し、この環状部を起点として、前記弾性部材（１０ａ、１０ｂ）の支持脚（２６）が半径方向外側に延びていることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の装置。
6. 前記環状プレート（２４）と前記位相合わせ部材（３０）とは、それぞれ、半径方向に延びて前記弾性部材（１０ａ、１０ｂ）を支持する役割を果たすゾーン（２６、３１）を有し、
   前記環状プレート（２４）の係止突起（２８ａ、２８ｂ）が、前記位相合わせ部材（３０）の係止突起（３３ａ、３３ｂ）に当接可能であるように、係止突起（２８ａ、２８ｂ、３３ａ、３３ｂ）が、前記ゾーン（２６、３１）の各々の両側に周方向に延びている
   ことを特徴とする請求項３乃至５のいずれかに記載の装置。
7. 前記環状プレート（２４）と前記位相合わせ部材（３０）とは、それぞれ、半径方向に延びて前記弾性部材（１０ａ、１０ｂ）を支持する役割を果たすゾーン（２６、３１）を有し、
   これらの支持ゾーンは、前記環状プレート（２４）に対する前記位相合わせ部材（３０）の回転時に、それらの内周位置で互いに当接可能にされている
   ことを特徴とする、請求項１乃至６のいずれかに記載の装置。
8. 前記ガイドリング（７ａ）の突出要素（１６、１７）に協働する前記環状プレート（２４）および前記位相合わせ部材（３０）の前記係止手段は、前記弾性部材（１０ａ、１０ｂ）の支持ゾーン（２６、３１）から延びる突起（２９、３４）を有し、
   前記突起（２９、３４）の各々は、２つのグループの突出要素（１６、１７）の対応する係止面（１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂ）に当接可能な、２つの対向する係止面を有する
   ことを特徴とする請求項４乃至７のいずれかに記載の装置。
9. 半径方向外周位置においてリベット締めおよび／または溶接により互いに固定される２つのガイドリング（７ａ、７ｂ）を備えたことを特徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載の装置。
10. 前記ガイドリング（７ａ、７ｂ）の少なくとも一方（７ｂ）は、それによって双方を互いに確実に固定するように、その半径方向外周に、前記ガイドリングの他方（７ａ）に折り曲げ可能な可変の小突起（１４）を有していることを特徴とする請求項９に記載の装置。

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