JP6710577B2 - 耐摩耗性強化被覆材、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル及び耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法 - Google Patents

耐摩耗性強化被覆材、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル及び耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、特にコンクリート構造物を補強するための耐摩耗性強化被覆材、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル及び耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法に関する。
コンクリート構造物は、種々の材料的又は構造的な要因により経年劣化が生じ、ひび割れが発生して内部の鉄筋を腐食させたり、断面欠損などが生じて構造耐力が低下したりするため、必要に応じて補修、補強等の改修を行なう必要がある。また、近年、耐震基準が見直されたことによって、耐震補強を行なう必要がある構造物が増えている。
特に、コンクリート水路は、流水や細粒砂、砂礫などの衝突(衝撃)や擦り磨き作用により、時間の経過とともに表面のセメントペ−ストやモルタル部が摩損(摩耗劣化)して表面部が凹凸のある粗面になり、さらに進行すると骨材が脱落して断面が減少してくる。これらにより水路に期待される設計流量の確保が困難になるとともに構造安全性にも問題が生じてくるため、その表面を平滑に維持することと構造上の強化が求められている。
従来、表面部が摩損したコンクリート水路の補修には、劣化して弛んだ部分を取り除いて新たにコンクリートを打ち足したり(断面修復)、耐摩耗性に優れた各種のプレキャスト高強度パネル製品、例えば、ポリマーコンクリートパネル、樹脂含浸コンクリートパネル、超高強度繊維補強コンクリートパネルなど、を表面に張り付けて既設コンクリートと一体化して補修する方法が行われている。
これらの各種コンクリートパネルは、いずれも厚さが数十mm程度となるため、一枚当たりのパネル重量(幅0.9m×長さ1.8m)が約100kg程度となる。このようなコンクリートパネルは、人力での持ち運び、取り付けは困難であり、機械や揚重機を備えた移動式架台を使用することが必要となる。そのため、渇水期の短期間での施工が要求されるこの種の補修工事では、一シーズンの施工数量に制約を受けるために効率のよい補修工事が期待できない難点があり、普及を阻害している一因となっている。また、水路によっては構築年代により構造耐力上補強が必要な場合も多くあり、これらのプレキャスト高強度パネルでは既設コンクリート水路の構造耐力を短期間で強化することは困難である。
このような各種コンクリートパネルを用いた改修方法に替わる回収方法として、フレキシブルボードと繊維シートが接着剤によって一体化された軽量薄板補強パネルを、既存のコンクリート構造物の表面に貼り付ける方法が知られている(特許文献1〜3)。
特許第3936506号公報 特許第4418602号公報 特開2015−203227号公報
上述した軽量薄板補強パネルを用いると、例えば、水路等の補修工事においては、渇水期に限定される条件下での施工の省力化と構造耐力の強化を図ることができるようになる。しかも、この軽量薄板補強パネルは、人力で運搬、設置などの取り扱いが容易にできるため、短期間での各種の施工が可能となり、併せて構造耐力を強化できる機能を兼ね備えることができるようになる。
しかしながら、上述した軽量薄板補強パネルは、フレキシブルボードの素材として薄くて軽く高強度のスレート製品が多く用いられているが、スレート製品は吸水性や吸水による長さ変化が大きいなど耐水性に劣る。加えて、この軽量薄板補強パネルをコンクリート水路に用いると、表面のフレキシブルボードに対する流水や細粒砂、砂礫などの衝突(衝撃)や擦り磨き作用による表面の摩損(摩耗劣化)が大きいという課題を有している。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、耐水性、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れ、再塗装性に優れた塗膜を表面に有する耐摩耗性強化被覆材、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル及び耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、下地の表面に耐摩耗性を付与するための耐摩耗性強化被覆材であって、前記耐摩耗性強化被覆材が、弾性モルタルから形成された下塗り塗膜と、水性ポリウレタン塗料から形成された上塗り塗膜と、を有前記上塗り塗膜が、水性ポリウレタン塗料として、
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたポリウレタン水系分散液、又は、
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーを中和し、さらに二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤と反応させることによって得られたポリウレタン水系分散液、
からなるものを用い、
硬化剤として水系ポリカルボジイミド化合物を用いて形成されたものからなる耐摩耗性強化被覆材が提供される。
なお、水性ポリウレタン塗料に用いられるポリウレタンは、特に耐候性、耐加水分解性及び耐摩耗性に優れるとともに変形追随性及び耐衝撃性に優れていることから、ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られるポリウレタン、又は、ポリイソシアネート成分と、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーに、二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤を反応させることによって得られるポリウレタンが好ましく、さらに、硬化剤として水系ポリカルボジイミド化合物を用いて形成されたものからなるものが好ましい。
かかる態様の耐摩耗性強化被覆材においては、前記上塗り塗膜はセラミックス粒子を含んでいてもよい。
また、かかる態様の耐摩耗性強化被覆材においては、前記上塗り塗膜は、弾性率が700〜1500MPaであり、破断時の伸びが70〜200%のものとすることが好ましい。
また、かかる態様の耐摩耗性強化被覆材においては、前記上塗り塗膜は、テーバー摩耗試験機で摩耗輪H−22を使用し、荷重500gにて1000回転させた際の摩耗指数が350以下のものとすることが好ましい。
さらに、かかる態様の耐摩耗性強化被覆材においては、前記塗膜は、硬化剤としてカルボジイミド当量が330〜600である水系ポリカルボジイミド化合物を用いて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明の別の態様によれば、下地材としてのフレキシブルボードと、前記フレキシブルボードの表面に設けられた上記いずれかの態様の耐摩耗性強化被覆材と、を有する耐摩耗性を備えた軽量薄板パネルが提供される。
さらに、本発明の別の態様によれば、下地材としての構造物の表面を、上記いずれかの態様の耐摩耗性強化被覆材によって被覆することからなる、耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法が提供される。
かかる態様の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法においては、前記構造物がコンクリート構造物の場合に適用することができ、さらに、前記コンクリート構造物がコンクリート製水路の場合にも適用することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、下地材としての構造物の表面に上記いずれかの態様の耐摩耗性を備えた軽量薄板パネルを配置することからなる、耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法が提供される。
かかる態様の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法においては、前記構造物がコンクリート構造物の場合に適用することができ、さらに、前記コンクリート構造物がコンクリート製水路の場合にも適用することができる。
水性ポリウレタン塗料からなる塗膜は、高硬度で、変形追従性を備えているだけでなく、耐水性、耐摩耗性、耐衝撃性及び再塗装性にも優れている。そのため、本発明の一態様の耐摩耗性強化被覆材によれば、下塗り塗膜としての弾性モルタルが変形追随性を備えていることとの相乗効果によって、特に水路を流れる水や細粒砂、砂礫などによる摩耗作用に対して抵抗性に優れるようになり、また摩耗によって上塗り塗膜が磨り減り損傷しても、その上から再塗装することによって短時間で容易に補修することができるようになる。
また、本発明の一態様の耐摩耗性強化被覆材をフレキシブルボードの表面に形成することにより、耐摩耗性だけでなく、耐水性、耐衝撃性等も備えている軽量薄板パネルを得ることができる。さらに、各種構造物の表面に直接本発明の一態様の耐摩耗性強化被覆材を設けることにより、あるいは、前記軽量薄板パネルを設けることにより、短時間で容易に各種構造物の表面に耐摩耗性だけでなく、耐水性、耐衝撃性及び再塗装性を付与することができ、各種構造物の寿命を長くすることができるようになる。
[一態様のポリウレタンについて]
まず、本発明の一態様の水性ポリウレタン塗料に用いられるポリウレタンについて説明する。このポリウレタンは、ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られるものである。
ポリイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートを含むポリイソシアネート成分が好ましい。ポリイソシアネート成分におけるイソホロンジイソシアネートの含有率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは75モル%以上であり、その上限値は100モル%である。
このポリイソシアネート成分において、イソホロンジイソシアネート以外のポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニレンメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアネートビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ポリシアネ−ト化合物などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらのポリイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、ポリオール成分に用いられるポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜10000、より好ましくは500〜7000、さらに好ましくは800〜5000である。これらのポリカーボネートポリオールのなかでは、形成される塗膜の耐摩耗性を向上させる観点から、脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールが好ましい。
脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロぺンタンジオール、1,4−シクロへプタンジオールなどの炭素数5〜12の脂環式基を有するポリオールなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらのポリカーボネートポリオールは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらのポリオール成分におけるポリカーボネートポリオールの含有率は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは80〜97質量%、より好ましくは85〜95質量%である。
なお、ポリオール成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、ポリカーボネートポリオール以外の他のポリオール化合物(以下、「他のポリオール化合物」という)が含まれていてもよい。
これらの他のポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ぺンチレンアジペート)ジオールなどのポリエステルポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドないしエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体又はブロック共重合体などのポリエーテルポリオール;アクリルポリオールなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに眼定されるものではない。これらの他のポリオール化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
これらのポリオール成分における他のポリオール化合物の含有率は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
ポリイソシアネート成分の量は、ポリオール成分の水酸基1モルあたりの当該ポリイソシアネート成分のイソシアナト基が好ましくは1.01〜2.5モル、より好ましくは1.2〜2.2モルとなるように調整することが好ましい。
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させる際には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、トリメチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレートなどのスズ系触媒;オクチル酸鉛などの鉛系触媒;トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの触媒のなかでは、反応性の観点からスズ系触媒が好ましい。
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させる際には、溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、酢酸エチルなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分との反応温度は、好ましくは40〜150℃、より好ましくは60〜120℃である。ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応時間は、特に限定されず、例えば、ポリオール成分の水酸基モル数の90モル%以上、好ましくは95%モル以上、より好ましくは98モル%以上がポリイソシアネート成分と反応するのに要する時間であることが好ましい。
以上のようにしてポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることにより、ポリウレタンを得ることができる。
次に、上述のようにして得られたポリウレタンを水系媒体に分散させることにより、ポリウレタン水系分散体が得られる。水系媒体としては、例えば、水、水と親水性有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級1価アルコール、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどの非プロトン性親水性有機溶媒などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
上述のようにして得られたポリウレタンを水系媒体中に分散させる方法としては、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの分散機で水系媒体を撹拌しながら、ポリウレタンを添加する方法などが挙げられる。水系媒体の量は、ポリウレタンを水系媒体中に分散させたポリウレタン水系分散体中のポリウレタンの含有率が、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%となるように調整することが好ましい。
本発明の一態様の水性ポリウレタン塗料は、以上のようにして得られたポリウレタン水系分散体を含有する。
[別の態様のポリウレタンについて]
次に、本発明の別の態様の水性ポリウレタン塗料に用いられるポリイソシアネート成分と、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーと、二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤とを反応させることによって得られるポリウレタンについて説明する。
ポリイソシアネート成分としては、上述の[一態様のポリウレタンについて]において述べたものを例示することができる。また、ポリオール成分は、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するものであり、このポリカーボネートポリオールとしては、上述の[一態様のポリウレタンについて]において述べたものを用いることができる。
このポリオール成分におけるポリカーボネートポリオールの含有率は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは80〜97質量%、より好ましくは85〜95質量%である。
酸性基含有ポリオールは、酸性基を少なくとも1個分子内に有するポリオール化合物である。酸性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホニル基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの酸性基のなかでは、カルボキシ基が好ましい。
酸性基含有ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4−ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6−ジヒドロキシ−2−トルエンスルホン酸などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの酸性基含有ポリオールは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの酸性基含有ポリオールのなかでは、2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸が好ましい。
ポリオール成分における酸性基含有ポリオールの含有率は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
なお、ポリオール成分には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオール以外の他のポリオール化合物(以下、「他のポリオール化合物」という)が含まれていてもよい。
他のポリオール化合物としては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリε−カプロラクトンジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオールなどのポリエステルポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体又はブロック共重合体などのポリエーテルポリオール;アクリルポリオールなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの他のポリオール化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、ポリオール成分における他のポリオール化合物の含有率は、当該ポリオール成分におけるポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールの残部、すなわち0〜17質量%の範囲内にあることが好ましい。
ポリイソシアネート成分の量は、ポリオール成分の水酸基1モルあたりの当該ポリイソシアネート成分のイソシアナト基が好ましくは1.01〜2.5モル、より好ましくは1.2〜2.2モルとなるように調整することが好ましい。
ポリイソシアネート成分と、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させる際には、触媒を用いることができる。触媒としては、例えば、トリメチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレートなどのスズ系触媒;オクチル酸鉛などの鉛系触媒;トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの触媒のなかでは、反応性の観点からスズ系触媒が好ましい。
ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させる際には、溶媒を用いることができる。溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、酢酸エチルなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
ポリイソシアネート成分と、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分との反応温度は、好ましくは40〜150℃、より好ましくは60〜120℃である。ポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応時間は、特に限定されず、例えば、ポリオール成分の水酸基モル数の90モル%以上、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上がポリイソシアネート成分と反応するのに要する時間であることが好ましい。
以上のようにしてポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることにより、本発明の別の態様で使用するウレタンプレポリマーを得ることができる。
次に、上述のようにして得られたウレタンプレポリマーの酸性基を中和剤で中和し、ウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散せる。その後、ウレタンプレポリマーのイソシアナト基と二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤とを反応させることにより、本発明の別の態様で使用するポリウレタン水系分散体を得ることができる。
中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、ピリジンなどの有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ塩;アンモニアなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに眼定されるものではない。これらの中和剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ウレタンプレポリマー中の酸性基1当量あたりの中和剤の量は、好ましくは0.5〜2当量、より好ましくは0.7〜1.5当量、さらに好ましくは0.85〜1.3当量である。
中和されたウレタンプレポリマーを水系媒体中に分散させる方法としては、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの分散機で水系媒体を撹拌しながら、中和されたウレタンプレポリマーを添加する方法などが挙げられる。水系媒体としては、例えば、水をはじめ、水と親水性有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級1価アルコール、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなどの非プロトン性親水性有機溶媒などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。水系媒体の量は、ポリウレタン水系分散体中のポリウレタンの含有率が好ましくは5〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%となるように調整することが好ましい。
鎖延長剤は、二塩基酸ジヒドラジドを含む。二塩基酸ジヒドラジドとしては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジドなどの脂肪族ジカルボン酸のジヒドラジド;テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、1,2−フェニレンジ酢酸ジヒドラジド、1,3−フェニレンジ酢酸ジヒドラジド、1,4−フェニレンジ酢酸ジヒドラジドなどの芳香族ジカルボン酸のジヒドラジドなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの鎖延長剤における二塩基酸ジヒドラジドの含有率は、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%で、ある。
鎖延長剤には、二塩基酸ジヒドラジド以外の鎖延長剤が含まれていてもよい。二塩基酸ジヒドラジド以外の鎖延長剤としては、例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−ヘキサメチレンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のジアミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール化合物;ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの鎖延長剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの鎖延長剤における二塩基酸ジヒドラジド以外の鎖延長剤の含有率は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%である。
ウレタンプレポリマーのイソシアナト基1モルあたりの鎖延長剤の量は、好ましくは0.2〜0.6モル、より好ましくは0.3〜0.5モルである。ウレタンプレポリマーと鎖延長剤との反応温度は、好ましくは0〜60℃、より好ましくは0〜40℃である。中和されたウレタンプレポリマーと鎖延長剤との反応時間は、好ましくは0.1〜3時間、より好ましくは0.1〜2時間である。
以上のようにしてウレタンプレポリマーのイソシアナト基と二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤とを反応させることにより、ポリウレタン水系分散体を得ることができる。
本発明の別の態様で使用する水性ポリウレタン塗料は、上述のようにして得られたポリイソシアネート成分と、ポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーと、二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤とを反応させることによって得られるポリウレタン水系分散体を含有する。
本発明の別の態様の水性ポリウレタン塗料は、本発明の一態様の水性ポリウレタン塗料よりも耐候性、耐加水分解性及び耐摩耗性に優れるとともに、変形追随性及び耐衝撃性も優れていることから、本発明において好適に用いることができる。
[水性ポリウレタン塗料について]
本発明の一態様及び別の態様の水性ポリウレタン塗料における水性ポリウレタン水系分散体の含有率は、5〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。
水性ポリウレタン塗料における固形分の含有率は、特に限定されないが、通常、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、塗工性を向上させる観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。水性ポリウレタン塗料における固形分の含有率は、例えば、水性ポリウレタン塗料に用いられる溶媒の量を調整することにより、容易に調節することができる。
なお、水性ポリウレタン塗料には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、ポリウレタン以外の樹脂成分が含まれていてもよい。当該ポリウレタン以外の樹脂成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの樹脂成分は、それぞれ単独でもといてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、水性ポリウレタン塗料は、硬化剤としてポリカルボジイミドを含むものが好ましい。なお、水性ポリウレタン塗料中のポリウレタンと硬化剤としての水系カルボジイミド化合物との反応は下記式1に記載したとおりである。このうち、カルボキシル基はポリウレタン末端のカルボキシル基を示す。
Figure 0006710577
水性ポリウレタン塗料に硬化剤として水系ポリカルボジイミド化合物を使用する場合の特徴は、安全性が高く、VOC規制への対応が可能であること、また、イソシアネート系架橋剤と比べて、耐摩耗性、耐薬品性、耐摩耗性などが向上することである。さらに、低温反応性に優れるが、ポットライフが長いという相反する特徴を持つため、2液型塗料としての施工性に優れる。なお、水系ポリカルボジイミドは、カルボジイミド当量が330〜600のものが好ましく、水性ポリウレタンディスパージョンに対して固形分比で3〜8質量%添加が好ましい。
さらに、本発明で用いる水性ポリウレタン塗料には、必要により、例えば、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、レベリング剤、分散剤、酸化防止剤、艶消し剤、防かび剤、帯電防止剤、防錆剤、凍結防止剤、造膜助剤などの添加剤が、本発明の目的を阻害しない範囲内で含まれていてもよい。
また、水性ポリウレタン塗料には、通常、溶媒が含まれる。溶媒として、水をはじめ、水と低級アルコールなどの水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。
水性ポリウレタン塗料を弾性モルタル表面に塗布する方法としては、例えば、エアースプレー法、ロールコーター法、フローコーター法、ディッピング法などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
水性ポリウレタン塗料からなる塗膜を形成させた後には、形成された塗膜を乾燥させることが好ましい。形成された塗膜の乾燥は、そのまま大気中に放置することによって行なうことができるほか、例えば、50〜100℃程度の温度で10〜30分間程度加熱することによって行なうことができる。形成される乾燥後の塗膜の厚さは、要求される耐摩耗性のレベルに応じて調整することが好ましいが、通常、100〜1000μm程度であることが好ましい。
本発明で用いる水性ポリウレタン塗料からなる塗膜の弾性率は、耐衝撃性を向上させる観点から、好ましくは700〜1500MPa、より好ましくは900〜1300MPaである。なお、塗膜の弾性率は、下記の実験例に記載の方法に基づいて測定したときの値である。
また、本発明で用いる水性ポリウレタン塗料からなる塗膜の破断時の伸びは、耐衝撃性を向上させる観点から、好ましくは70〜200%、より好ましくは80〜150%である。なお、塗膜の破断時の伸びは、下記の[塗膜の弾性率及び破断時の延びの測定]に記載の方法に基づいて測定したときの値である。
さらに、本発明で用いる水性ポリウレタン塗料からなる塗膜の摩耗指数は、耐衝撃性を向上させる観点から、350以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましい。なお、塗膜の摩耗指数は、下記の[塗膜の弾性率及び破断時の延びの測定]に記載の方法に基づいて測定したときの値である。
また、本発明で用いる水性ポリウレタン塗料からなる塗膜としては、前記水性ポリウレタン塗料にセラミック粉末を混合した複合塗膜を用いることができる。このような複合塗膜を用いることにより、さらに耐摩耗性を向上させた耐摩耗性強化被覆材が得られるようになる。
このセラミック粉末としては、例えば、セラミックサンドや球状アルミナ、シリカ・アルミナ球状微粒子、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ダイアモンド粉末、炭化タングステンなどが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらのセラミック微粉末は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。これらのセラミック粉末の混合率は、塗装性や表面粗度に悪影響を与えない観点から、水性ポリウレタンと同量程度として、添加剤や水を含めた全量の20〜30質量%が好ましい。
また、本発明で用いる水性ポリウレタン塗料からなる塗膜としては、その他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤の種類と好適な混合率は、ベントナイト系増粘剤0.1〜1.0質量%、ウレタン系会合型増粘剤1.0〜5質量%、ポリエーテル系消泡剤0.1〜1.0質量%及び2,2,4−トリメチルペンタン−1,3,ジオールモノイソブチラ−ト1.0〜5質量%などである。また、水の混合率は45〜55%が好ましい。
また、本発明で用いる弾性モルタルは、特別なものではなく、公知ないし市販のものを使用できる。弾性モルタルは、セメントに対し、セメント混和用ポリマーディスパージョン又は再乳化形粉末樹脂が混合され、骨材及び亀裂防止のため繊維質充填剤などが配合されたものである。セメントに混和するポリマーディスパージョン及び再乳化形粉末樹脂としては、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルベオバ共重合体、アクリル酸エステル共重合体、スチレンブタジエンラバーなど一般のセメント混和材が使用できるが、耐候性の点から、ポリエチレン酢酸ビニル共重合体やアクリル酸エステル共重合体などが好ましい。また、これらの共重合体のガラス転移点Tgは−60℃〜10℃のものが弾性維持の点から好ましい。
以上のようにして、弾性モルタル表面に上述した水性ポリウレタン塗料からなる塗膜を形成させることにより、本発明の下地の表面に耐摩耗性を付与することができる耐摩耗性強化被覆材が得られる。
本発明の耐摩耗性強化被覆材は、弾性モルタルから形成された下塗り塗膜が変形追随性を備えていることとの相乗効果によって、耐摩耗性及び耐衝撃性に優れ、再塗装性に優れた塗膜を形成する。そのため、直接基材の表面に弾性モルタルからなる下塗り塗膜及び水性ポリウレタン塗料からなる上塗り塗膜を形成することによって、基剤の表面に耐摩耗性や耐衝撃性を付与することができ、特に水路を流れる水や細粒砂、砂礫などによる摩耗作用に対して抵抗性に優れるようになる。しかも水性ポリウレタン塗料が再塗装性を有しているため、上塗り塗料部分が磨り減り損傷してもその上から再塗装することによって補修することができるようになるので、基材の寿命を長くすることができるようになる。
また、本発明の耐摩耗性強化被覆材を軽量薄板パネルの表面に形成することにより、この軽量薄板パネルに対して耐摩耗性だけでなく、耐水性、耐衝撃性をも付与することができる。加えて、表面に耐摩耗性強化被覆材を形成した軽量薄板パネルを構造物の表面に取り付けることにより、容易に構造物の表面に耐摩耗性だけでなく、耐水性、耐衝撃性を付与することができるようになる。
次に、本発明を各種実験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実験例のみに特定されるものではない。
[水性ポリウレタン塗料の調製]
1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させることによって得られたポリカーボネートジオール(宇部興産(株)製、商品名:ETERNACOLL(登録商標)UM90(3/1))1500質量部、2,2ジメチロールプロピオン酸220質量部、N−メチロールピロリドン1347質量部、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1445質量部、ジブチルスズジラウレート2.6質量部及びトリエチルアミンを窒素ガス雰囲気中にて混合し、得られた混合物を80〜90℃の温度で5時間加熱することにより、反応を行った。得られた反応混合物を80℃に調整した後、得られた反応混合物から4340質量部を取り出し、この反応混合物4340質量部に、強撹拌下で水道水6900質量部及びトリエチルアミン15質量部を添加することにより、混合物を得た。このようにして得られた混合物に、35質量%の2−メチル−1,5−ぺンタンジアミン水溶液626質量部を添加することにより、ポリウレタン水系分散体を得た。
得られたポリウレタン水系分散体90質量部、造膜助剤(協和発酵ケミカル(株)製、商品名:キョーワノールM)5質量部、離型剤(信越化学工業(株)製、商品名:シルキャストU)2質量部、レベリング剤(モメンティブ社製、品番:3500)1質量部及び水道水10質量部を混合することにより、水性ポリウレタン塗料を得た。
[セラミック粒子入り水性ポリウレタン塗料の調製]
水性ポリウレタン塗料の調製の場合と同様に調製されたポリウレタン水系分散体100質量部に平均粒形560μmの球状アルミナを20質量部とセラミックサンド((有)竹折砿業所製、セルベン、32meshパス品)10質量部の骨材及び沈降防止剤(ベントナイト)1質量部を添加して混練した以外は、水性ポリウレタン塗料の調製の場合と同様にしてセラミック粒子入りの水性ポリウレタン塗料を得た。
[塗膜の弾性率及び破断時の伸びの測定]
得られた水性ポリウレタン塗料からなる塗膜の弾性率及び破断時の伸びを、JIS K 7311に準拠し、温度23℃、相対湿度50%、引張速度10mm/分の測定条件下で膜厚が約50μmの塗膜に対し、精密万能試験機((株)島津製作所製、オートグラフAG−100KNG(商品名))を用いて測定した。その結果、塗膜の弾性率は1100MPaであり、塗膜の破断時の伸びは150%であった。
[実験例1〜3の試料の作成]
[実験例1]
上述のようにして調製された水性ポリウレタン塗料100質量部に対して、2液型塗料の架橋剤として水系ポリカルボジイミド(日清紡ケミカル(株)、SV−02)を5質量部添加・混合した。基材としては、縦75mm、横150mm、厚さ4mmの冷間圧延鋼板を用いた。架橋剤を混合した塗料は、保存安定性の点より24時間以内に基材の一方の表面への塗装を行い、塗装後、常温下で1週間、乾燥硬化させ、実験例1の試料を得た。
[実験例2]
実験例1の水性ポリウレタン塗料に換えて白色ウレタン塗料(大日本塗料(株)製、商品名:DNTビューウレタン)を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験例2の試料を得た。
[実験例3]
実験例1の水性ポリウレタン塗料に換えて水性ポリウレタン塗料に換えて、白色アクリル樹脂系塗料((株)フェクト製、商品名:SL100(WB))を用いたこと以外は、実験例1と同様にして実験例3の試料を得た。
次に、実験例1〜3の各試料を用い、これらの試料に形成されている塗膜の物性として耐摩耗性、耐衝撃性を以下の方法に基づいて評価した。
[耐摩耗性の測定1]
ここでの耐摩耗性は、JIS K 7204に記載の摩耗輪による摩耗試験方法に準じて評価した。気温18〜19℃、相対湿度55〜58%の雰囲気中で、テーバー摩耗試験機(東洋精機(株)製、MODEL5130Jに摩耗輪:H−22を取り付け、荷重500gで250回ごとに1000回まで試験片を回転させ、250回転ごとに試験片の質量を測定し、摩耗損失量を求めた。
次に、前記で測定された摩耗損失量から摩耗指数を下記の式で求め、以下の評価基準に基づいて、耐摩耗性を評価した。結果を纏めて表1に示した。
摩耗指数 = (1000÷(試験片の回転数))×(摩耗損失量)
(耐摩耗性の評価基準)
◎:摩耗指数が250以下
○:摩耗指数が250を超え350以下
×:摩耗指数が350を超過
[耐衝撃性の測定]
実験例1〜3の各試験片を、温度20±1℃、相対湿度75±2%の恒温恒湿室内で24時間放置した後、JIS K 5600−5−3(1999)に規定のデュポン衝撃試験器を用いて試験片の塗膜を上向きにし、質量300gのおもりを100cmの高さから撃心(1/2インチ=12.7mm)の上に落とし、塗膜に割れ又は剥がれが発生しているかどうかを確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。結果を纏めて表1に示した。
(耐衝撃性の評価基準)
○:形成されている塗膜に割れ及び剥がれの発生が認められない。
×:形成されている塗膜に少なくとも割れ又は剥がれの発生が認められる。
Figure 0006710577
表1に示された結果から、実験例1の試験片は、実験例2及び3の試験片と比すると、耐摩耗性及び耐衝撃性ともに格段に優れていることがわかる。すなわち、上述のように調製された水性ポリウレタン塗料は、白色ウレタン塗料や白色アクリル樹脂系塗料の場合よりも良好な耐摩耗性及び耐衝撃性を備えていることが確認された。
[実験例4〜7の試料の作成]
[実験例4]
まず、縦横各300mm、厚さ4mmのフレキシブルボードの一方側の表面に下塗りとして弾性モルタルを厚さ0.8〜1mmの範囲内となるように塗布・乾燥した。次いで、弾性モルタルの表面に実験例1で用いたのと同様の塗料を塗装後、常温下で1週間、乾燥硬化させ、実験例4の試料を得た。
[実験例5]
上述のようにして調製されたセラミック粒子入り水性ポリウレタン塗料100質量部に対して、2液型塗料の架橋剤として水系ポリカルボジイミド(日清紡ケミカル(株)、SV−02)を4質量部添加・混合し、実験例5で用いるセラミック粒子入り架橋型水性ポリウレタン塗料を得た。次いで、実験例4の場合と同様にして、横各300mm、厚さ4mmのフレキシブルボードの一方側の表面に下塗りとして弾性モルタルを厚さ0.8〜1mmの範囲内となるように塗布・乾燥し、この弾性モルタルの表面にセラミック粒子入り架橋型水性ポリウレタン塗料を塗装後、常温下で1週間、乾燥硬化させ、実験例5の試料を得た。
[実験例6]
比較対象として、市販の圧縮強度47.2N/mmの高強度コンクリート平板をそのまま実験例6の試料として用いた。
[実験例7]
実験例5の試料において、下塗りとしての弾性モルタルを塗布しなかった以外は実験例5の試料の場合と同様にして実験例7の試料を作成した。
[耐摩耗性の測定2]
次に、実験例4〜7の各試料を用い、これらの試料に形成されている塗膜(実験例4、4及び7)ないし比較対象(実験例6)の耐摩耗性を、ASTM C 779 「Standard Test Method for Abrasion of Horizontal Concrete Surfaces 」(A法)に記載の摩耗輪による摩耗試験方法に準拠して評価した。結果は、実験例6の高強度コンクリート平板の摩耗深さを100%とした相対値で比較することで、実験例4、5及び7の耐摩耗性を評価した。
ここでの耐摩耗性の測定は、試験機上部のギャードモータによって直径30cmの円盤が9rpmで回転するとともに、この円盤に取り付けられた直径6cmの3個の摩耗輪が210rpmで回転し、試験時には摩耗面に研磨材(昭和電工株式会社製 黒色炭化ケイ素研削材 デシックCF60(商品名))が4〜6g/minの量で連続的に散布され、面圧108kgf/cm(1.06kN/cm)で試験体上面をドーナツ状に摩耗するようにしたものである。なお、水路での使用を考慮して、研磨面には、6.3ml/minの水を連続的に供給することで摩耗条件を厳しくした。結果を纏めて表2に示した。
Figure 0006710577
表2に示された結果から、以下のことがわかる。すなわち、実験例4及び5の試料では、実験例6のコンクリート平板よりも摩耗深さが大幅に小さくなっているとともに、実験例7の試料よりも摩耗深さが小さくなっている。また、実験例7の試料では実験例6のコンクリート平板よりも摩耗深さは小さくなっている。
実験例4及び5の試料と実験例6の試料との構成の差異は、基材の材質の差異があるとしても、フレキシブルボードよりも高強度コンクリート平板の方が良好な耐摩耗性が得られると考えられることから、実質的に下塗りとしての弾性モルタル塗膜及び上塗りとしての水性ポリウレタン塗膜の有無に帰着する。したがって、実験例4〜6の測定結果は、基材上に下塗りとしての弾性モルタル塗膜と上塗りとしての水性ポリウレタン塗膜の両者を形成すると、基材表面に良好な耐摩耗性を付与することができることを示しているものと考えられる。
一方、実験例5の試料と実験例7の試料との構成の差異は、下塗りとしての弾性モルタル塗膜を有する(実験例5)か有しない(実験例7)かであって、上塗りとしての水性ポリウレタン塗膜の組成は同一であるから、実験例5と実験例7との耐摩耗性の差異は下塗りとしての弾性モルタルの有無に帰着する。したがって、水性ポリウレタン塗膜は耐摩耗性が良好であることが知られているとしても、水性ポリウレタン塗膜単独の場合(実験例7)よりも下塗りとしての弾性モルタル塗膜と組み合わせた方が相乗的に耐摩耗性が良好となることを示しているものと考えられる。
このような現象が生じることの理由は、現在の所まだ明確ではないが、おそらくは水性ポリウレタン塗膜が高硬度であることと、水性ポリウレタン塗膜及び弾性モルタル塗膜ともに変形追従性を備えていることとにより、外部から押圧力が印加されても水性ポリウレタン塗膜及び弾性モルタル塗膜が変形することによりその押圧力を吸収することができ、押圧力がなくなるともとの状態に戻ることによるものと思われる。
[試料8〜10の作成]
[実験例8]
実験例8の試料としては、実験例1の場合と同様にして作成した試料を用いた。すなわち、実験例8の試料は、下塗りとしての弾性モルタル塗膜を有しておらず、冷間圧延鋼板の一方側の表面に水系ポリカルボジイミドからなる架橋剤を混合した水性ポリウレタン塗膜を形成したものである。
[実験例9]
実験例9の試料としては、基材としてフレキシブルボートに換えて冷間圧延鋼板を用いた以外は実験例4の場合と同様にして作成した試料を用いた。すなわち、実験例9の試料は、冷間圧延鋼板の一方側の表面に下塗りとしての弾性モルタル塗膜と、上塗りとしての水系ポリカルボジイミドからなる架橋剤を混合した水性ポリウレタン塗膜とを形成したものである。
[実験例10]
実験例10の試料としては、基材として冷間圧延鋼板を用い、その一方側の表面に上述のようにして調整されたポリウレタン水系分散体をそのまま塗布し、塗膜を形成したものである。すなわち、実験例10の試料は、実験例8の試料において、架橋剤を混合した水性ポリウレタン塗膜に換えて架橋剤を混合しない水性ポリウレタン塗膜を形成したものである。
[摩耗指数、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性の測定]
摩耗指数は、耐摩耗性の測定1の場合と同様にして測定した。
耐酸性は、5%硫酸水溶液0.2mlを塗装表面に滴下し、20℃、1時間放置後に外観を評価(スポットテスト法)した。
耐アルカリ性は、1%苛性ソーダ水溶液0.2mlを塗装表面に滴下し、20℃、1時間放置後に外観を評価(スポットテスト法)した。
耐溶剤性は、エタノールを含んだ綿布に荷重500g/cmを印加して所定回数往復させて塗膜の表面をこすり、塗膜の表面状態を評価した。
それぞれの塗膜の状態は、
異常がないもの :○
傷つきがあるもの :△
表面が溶解したもの:×
として表した。
結果を纏めて表3に示した。
Figure 0006710577
表3に示した結果から、以下のことがわかる。すなわち、実験例8の試料と実験例9の試料との構成の差異は、下塗りとしての弾性モルタル塗膜の有無のみであるが、下塗りとしての弾性モルタル塗膜を備えていない(実験例8)と、摩耗指数は下塗りとしての弾性モルタル塗膜を備えている(実験例9)の試料よりも摩耗指数が悪化している。しかしながら、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性は、いずれの場合でも良好な結果が得られている。このことは、耐摩耗性を向上させるためには下塗りとしての弾性モルタル塗膜が必須であるが、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性は、下塗りとしての弾性モルタル塗膜の有無によらず、最外表面の塗膜である水性ポリウレタン塗膜の特性によって定まることを示している。
また、実験例8の試料と実験例10の試料との構成の差異は、水性ポリウレタン塗膜として水系ポリカルボジイミドからなる架橋剤を用いている(実験例8)か用いていない(実験例10)であるが、架橋剤を用いると架橋剤を用いない場合よりも摩耗指数は良好となり、しかも、耐酸性、耐アルカリ性及び耐溶剤性も良好となっている。したがって、水性ポリウレタン塗膜は、塗膜形成時に架橋剤を用いると、良好な特性を有するようになることがわかる。

Claims (12)

  1. 下地の表面に耐摩耗性を付与するための耐摩耗性強化被覆材であって、
    前記耐摩耗性強化被覆材が、弾性モルタルから形成された下塗り塗膜と、水性ポリウレタン塗料から形成された上塗り塗膜と、を有
    前記上塗り塗膜が、水性ポリウレタン塗料として、
    ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたポリウレタン水系分散液、又は、
    ポリイソシアネート成分とポリカーボネートポリオール及び酸性基含有ポリオールを含有するポリオール成分とを反応させることによって得られたウレタンプレポリマーを中和し、さらに二塩基酸ジヒドラジドを含む鎖延長剤と反応させることによって得られたポリウレタン水系分散液、
    からなるものを用い、
    硬化剤として水系ポリカルボジイミド化合物を用いて形成されたものであることを特徴とする、耐摩耗性強化被覆材。
  2. 前記上塗り塗膜はセラミックス粒子を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の耐摩耗性強化被覆材。
  3. 前記上塗り塗膜は、弾性率が700〜1500MPaであり、破断時の伸びが70〜200%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の耐摩耗性強化被覆材。
  4. 前記上塗り塗膜は、テーバー摩耗試験機で摩耗輪H−22を使用し、荷重500gにて1000回転させた際の摩耗指数が350以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性強化被覆材。
  5. 前記上塗り塗膜は、前記硬化剤としてカルボジイミド当量が330〜600である水系ポリカルボジイミド化合物を用いて形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗性強化被覆材。
  6. 下地材としてのフレキシブルボードと、
    前記フレキシブルボードの表面に設けられた請求項1〜のいずれかに記載の耐摩耗性強化被覆材と、
    を有することを特徴とする、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル。
  7. 下地材としての構造物の表面を、請求項1〜のいずれかに記載の耐摩耗性強化被覆材によって被覆することからなる、耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
  8. 前記構造物がコンクリート構造物であることを特徴とする、請求項に記載の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
  9. 前記コンクリート構造物がコンクリート製水路であることを特徴とする、請求項に記載の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
  10. 下地材としての構造物の表面に請求項に記載の耐摩耗性を備えた軽量薄板パネルを配置することを特徴とする耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
  11. 前記構造物がコンクリート構造物であることを特徴とする、請求項10に記載の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
  12. 前記コンクリート構造物がコンクリート製水路であることを特徴とする、請求項11に記載の耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法。
JP2016099206A 2016-05-18 2016-05-18 耐摩耗性強化被覆材、耐摩耗性を備えた軽量薄板パネル及び耐摩耗性を備えた構造物の表面の形成方法 Active JP6710577B2 (ja)

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