以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る包装機1の構成について説明する。図1は、包装機1の概略図であり、図2は、包装機1によって成形されるピロー包装体を示す図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
図1に示される包装機(ピロー包装機)1は、食品や日用品などの物品XA1を包装フィルムYA1で順次包装するラインで使用される。この包装機1は、物品供給装置2と、フィルム供給装置3と、包装機本体4と、制御ユニット(図示省略)と、などを備えている。
これら包装機1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、当該物品XA1を下流の包装機本体4に順次搬送する。この物品供給装置2は、例えば、フィンガーコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、スリットを有する搬送面(符号省略)と、この搬送面上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット5と、従動用のスプロケット(図示省略)と、これらスプロケットに架け渡されて走行する環状のチェーン6と、このチェーン6に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー7と、動力源となるサーボモーター(図示省略)などを備えている。
駆動用のスプロケット5は、サーボモーターの駆動によって回転する。従動用のスプロケットは、チェーン6の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。チェーン6は、駆動用のスプロケット5の回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー7は、スリットを介して搬送面の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー7は、チェーン6の走行によって、搬送面上を走行する。これにより、複数のフィンガー7は、搬送面上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
フィルム供給装置3は、包装フィルムYA1を下流の包装機本体4に連続して供給する。フィルム供給装置3は、原反軸8と、サーボモーター(図示省略)などを備えている。原反軸8は、原反ロールYB1を回転自在に保持する。この原反軸8は、サーボモーターに動力が与えられて回転し、保持している原反ロールYB1を回転させる。これにより、原反ロールYB1から包装フィルムYA1が繰り出される(引き伸ばされる)。
なお、原反ロールYB1から包装フィルムYA1を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラーを別途設け、当該フィードローラーを動かして包装フィルムYA1を引き出すフィードローラー駆動式の方法を採用してもよい。
ガイドローラー9a、9bは、原反ロールYB1から繰り出される包装フィルムYA1の搬送方向を適宜変換して、包装機本体4側に案内する。
包装機本体4は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、フィルム供給装置3から供給される包装フィルムYA1で包装する。具体的に、包装機本体4は、製袋器14と、ピンチローラー15と、センターシール装置16と、第一の搬送装置17と、上部抑え装置18と、トップシール装置(エンドシール装置)30と、第二の搬送装置20と、などを備えている。
製袋器14は、フィルム供給装置3から供給される包装フィルムYA1を、幅方向の両端縁が互いに重なるように筒状に製袋する。また、製袋器14は、物品供給装置2から供給される物品XA1を、筒状に製袋される包装フィルムYA1に供給する。これにより、物品XA1は、筒状に製袋された包装フィルムYA1に包まれる。すなわち、製袋器14は、包装フィルムYA1を幅方向に曲げて筒状に形成する製袋装置として機能する。
ピンチローラー15は、互いに重なる包装フィルムYA1の両端縁(センターシール部CE1(図2参照)の形成予定領域)を挟み込んで重合させ、当該両端縁に搬送力を付与する。
センターシール装置16は、一対のバーシーラー16aと、プレスローラー16bと、を備えている。このセンターシール装置16は、一対のバーシーラー16aで重合させた包装フィルムYA1の両端縁を挟んで加熱する。そして、センターシール装置16は、加熱された包装フィルムYA1の両端縁をプレスローラー16bで圧着してセンターシールし、センターシール部CE1(図2参照)を形成する。すなわち、センターシール装置16は、製袋器14の下流において、筒状に形成された包装フィルムYA1にセンターシールを施す。なお、一対のローラー、又は複数のローラーでセンターシール部を挟んで加熱する回転式のセンターシール装置でも良い。
第一の搬送装置17は、センターシールされた筒状の包装フィルムYA1を、当該包装フィルムYA1に包まれた物品XA1と共に、搬送面(符号省略)に載せてトップシール装置30に向けて搬送する。この第一の搬送装置17は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面を搬送方向に伸縮させる。なお、ボックスモーション以外にも、回転式、又は直線往復動式のトップシール装置であってもよい。
上部抑え装置18は、第一の搬送装置17の上方に配置されており、第一の搬送装置17に搬送される物品XA1を包装フィルムYA1ごと上方から抑える。これにより、物品XA1は、水平状態を保持しながら搬送される。
トップシール装置(トップシール手段)30は、物品XA1の長さに応じたピッチ毎に、包装フィルムYA1の幅方向(進行方向と交差する方向、包装フィルムYA1を横断する方向)にトップシール(エンドシール、横シール)とカットを行う。これにより、トップシール部TO1が形成されるとともに、ピロー包装体ZA1が製造される。すなわち、トップシール装置30は、センターシールされた包装フィルムYA1に対し、所定の間隔で幅方向にシールとカットを施す。
トップシール装置30は、一例として、上下一対のトップシーラー30a,30bを有するいわゆるボックスモーションタイプのもので、筒状の包装フィルムYA1を挟んで上下に配置された一対のトップシーラ30a,30bが、互いのシール面を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動し、物品の長さに応じたピッチ毎に、フィルムの幅方向にトップシールとカットを行う。トップシール装置30によってシール・カットするフィルム部位(トップシール部TO1)は、前後の物品XA1の間の所定位置である。
また、トップシール装置30は、筒状の包装フィルムYA1にトップシールを施す前(或いはそれと同時)に、筒状の包装フィルムYA1のトップシールされる部位近傍の、進行方向における両側方の所定の折り込み位置を、不図示のガゼット爪にて内方に押し込んで折り込み、折り込み部85を形成する。
第二の搬送装置20は、トップシール装置30より下流に設けられている。この第二の搬送装置20は、トップシール装置30で仕上がったピロー包装体ZA1を、搬送面20aに載せて次工程に向けて搬送するベルトコンベアである。そして、第二の搬送装置20は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面20aの搬送方向の長さを伸縮させる。
なお、本実施形態の包装機1は、トップシール装置30の下流に、トップシール部TO1(耳部)を折り曲げる耳折り手段(ここでは不図示)を備える。耳折り手段については、後に詳述する。
図2を参照して、本実施形態のピロー包装体ZA1について説明する。同図のピロー包装体ZA1は、トップシール装置30によってトップシール部TO1のシールとカットが施され、第二の搬送装置20に移載された直後の状態である。
同図(a)に示すように、ピロー包装体ZA1のセンターシール部CE1は、帯状の包装フィルムYA1の第一の方向(搬送方向と同じ方向)に沿う両側端縁を、包装フィルムYA1が筒状となるように重合し熱シールして設けられた部位である。
トップシール部TO1は、筒状の包装フィルムYA1の第二の方向(搬送方向に交差(直交)する方向)に沿う両端開口をそれぞれ熱シールして設けられた部位である。
本体部80は、物品XA1を収容するために確保され、この例では略直方体(略立方体)の形状を呈しており、この例では、正面(上面)81fおよび背面(下面)81bと、その間にある側面82を有する。なお、本体部80は、ここでは略直方体(略立方体)の形状を呈する場合を例示しているが、この形状に限らず、例えば、略円筒形状等であってもよい。
折り込み部85は、トップシール部TO1近傍の包装YA1フィルムの一部を、例えばガゼット爪(不図示)により第一の方向(センターシール部CE1の延在方向)に沿って内方に折り込んで形成される。
同図(b)および図1に示すように、トップシール装置30から第二の搬送装置20に移載された直後にあっては、トップシール部TO1(耳部)が第二の搬送装置20の搬送面20aに対して略水平に搬送方向Tの前後に突出している。
このため、このピロー包装体ZA1を更に包装箱等に収容する場合は、サイズを小さくして効率よく収容し、また美観も高めるために、突出したトップシール部TO1を、破線で示すように、第二の搬送装置20の搬送面20aに対して略垂直となるように耳折り手段によって折り曲げる。なお、同図では、下方(搬送面20a方向)に折り曲げているが、上方に起立するように折り曲げても良い。
以下、図3〜図14参照して、本実施形態の耳折り手段について説明する。
<耳折り手段>
図3は、本実施形態の耳折り手段によるトップシール部TO1の折り曲げ(耳折り)の概要を示す図であり、図1のトップシール装置30付近を抜き出して示す正面図である。
本実施形態の耳折り手段は、トップシール装置30の下流側に切り離されたピロー包装体ZA1の、上流側(図では左側)のトップシール部TO1を、トップシール装置30に当接させて耳折りする機能を有する手段の総称である。また、ここでの図示は省略しているが、本実施形態の耳折り手段は、ピロー包装体ZA1の下流側(図では右側)のトップシール部TO1を、該ピロー包装体ZA1の下流側の他のピロー包装体に当接させて耳折りする機能を有する。
図3(a)に示すように、トップシール装置30によって筒状の包装フィルムYA1から切り離されたピロー包装体ZA1は、トップシール装置30の下流側に配置された第二の搬送装置(ベルトコンベア、シュートコンベア)20によって移載されて下流側(図では右側)に搬送される。
本実施形態では、このピロー包装体ZA1の下流への搬送を一時的に規制することによって、ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1をトップシール装置30に当接させて押し付け、上流側のトップシール部TO1を下方(または上方)に折り曲げる(耳折りする)。例えば、ガゼットタイプのピロー包装体を陳列棚等に起立させて陳列する際の底部となるトップシール部TO1を折り曲げることができる。つまり、本実施形態の耳折り手段は、ピロー包装体ZA1の下流への搬送を一時的に規制する規制手段を少なくとも有している。
より詳細には、規制手段は、トップシール装置30の下流側の側面から、下流方向に向かう所定の領域(搬送経路上の一部の領域)において少なくとも最下流に位置するピロー包装体ZA1の下流への搬送を一時的に規制する。
ここで「規制手段」とは、所定の領域内のピロー包装体ZA1を減速、一旦停止、又は上流側に移動、のいずれかを実施することで当該包装体の下流への搬送を一時的に規制する手段である。また、「所定の領域」とは「規制可能領域」を含む領域であり、「規制可能領域」とは、規制手段によるピロー包装体ZA1の移動の規制が作用する領域である。
また、規制可能領域内に1つのピロー包装体ZA1だけが存在している場合、「規制可能領域における最下流に位置するピロー包装体ZA1」とは当該1つのピロー包装体ZA1のことである。
同図(b)、(c)では、ピロー包装体ZA1の下流への搬送を一時的に規制する方法(規制手段)として、ピロー包装体ZA1を、トップシール装置30の方向(上流側)に後退させ(押し戻し)、ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1をトップシール装置30のトップシーラー30aおよび/または、トップシーラー30b(の側面)に当接させて押し付けることによって上流側のトップシール部TO1を耳折りする構成を示している。より詳細には、ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1は、例えば、下部のトップシーラー30bの前方側面(搬送方向の前方(下流側)の側面、図示の右側面)に当接し、押し付けられる。
トップシーラー30a、30bの熱は表面から大気中に放熱され、またトップシール部TO1も加熱による軟化状態が維持されている。この状態で両者を当接させ、押し付けることによって、専用の耳折り手段を別途設けることなく、容易に折り曲げることができ、また冷却後には折り曲げの状態を維持することができる。以下、この構成を実現する手段(耳折り手段、規制手段)について、具体的に説明する。
図4は、本実施形態の耳折り手段(規制手段)50の一例を示す上面図である。耳折り手段(規制手段)50は例えば、第二の搬送装置20上のピロー包装体ZA1を一時的に搬送方向Tの上流(図では左側)に移動させる搬送手段50である。搬送手段50は、例えば、第二の搬送装置20の搬送方向Tに沿う両側部の上方に設けられた一対のサイドベルトコンベア50である。サイドベルトコンベア50は、第二の搬送装置20の搬送方向T(図では左から右)とは逆方向に連続回転するとともに、対向するサイドベルトコンベア50が互いに近接、離間するように往復移動する。
同図(a)は、一対のサイドベルトコンベア50が最も離間した待避位置にある状態(待避状態)を示している。この場合、サイドベルトコンベア50はピロー包装体ZA1とは非接触となっており、トップシール装置30によってその下流側に切り離されたピロー包装体ZA1は、搬送方向Tに沿って上流(図示の左)から下流(図示の右)に向かって搬送される。
同図(b)は、一対のサイドベルトコンベア50が互いに近接し、ピロー包装体ZA1の側面82に当接してこれを挟持した状態(挟持状態)を示している。サイドベルトコンベア50は、搬送方向Tに逆らって下流から上流にピロー包装体ZA1を搬送するように連続回転している。したがって、サイドベルトコンベア50に挟持されたピロー包装体ZA1は、第二の搬送装置20の搬送面20a上を搬送方向Tとは逆に上流側に移動する。すなわち、下流への搬送が規制されて後退し、トップシール装置30に近づく。
同図(c)は、引き続き一対のサイドベルトコンベア50による挟持状態を示しており、ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1が、トップシーラー30aおよび/またはトップシーラー30bに当接させて押し付けられている状態である。より詳細には、ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1は、例えば、下部のトップシーラー30bの前方側面に当接し、押し付けられる。トップシーラー30a、30bの熱は表面から大気中に放熱され、またトップシール部TO1も加熱による軟化状態が維持されているため、トップシール部TO1を押し付けて折り曲げることで、容易に折り曲げることができ、また冷却後には折り曲げの状態を維持することができる。トップシール部TO1の耳折りが完了した後は、同図(a)に示すように一対のサイドベルトコンベア50が待避位置に戻り、上流側のトップシール部TO1が耳折りされたピロー包装体ZA1は、第二の搬送装置20によって、下流に向かって搬送させる。
図4の例では、規制手段の規制可能領域とは、サイドベルトコンベア50が挟持状態となった場合にピロー包装体ZA1を挟持可能な領域をいい、例えば、サイドベルトコンベア50の上流側端部においてピロー包装体ZA1を挟持可能な領域から下流方向に向かい、サイドベルトコンベア50の下流側端部においてピロー包装体ZA1を挟持可能な領域までをいう。
すなわち、この例では、サイドベルトコンベア50は、トップシール装置30の下流側の側面から、下流方向に向かって、サイドベルトコンベア50の下流側端部においてピロー包装体ZA1を挟持可能な領域までにおいて、少なくとも最下流に位置するピロー包装体ZA1の下流への搬送を一時的に規制する。
図5を参照して他の例について説明する。同図(a)、(b)は、トップシール装置30付近を抜き出して示す上面図であり、同図(c)は正面図である。なお、正面図においてサイドベルトコンベア50の図示は省略している。この場合、物品は、不図示のサイドガイドにより幅方向の移動が規制される(以下の実施例においても同様である)。
本実施形態の耳折り手段(サイドベルトコンベア50)は、トップシール装置30の下流側に切り離されたピロー包装体ZA1について、上流側のトップシール部TO1を、筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面に当接させて耳折りするとともに、下流側のトップシール部TO1を、その下流側の他のピロー包装体ZA1の一部に押し付けて耳折を行う。また、サイドコンベア50は、少なくともピロー包装体ZA1の搬送方向の長さ以上、トップシール装置30から離間させて配置する。
同図(a)は、図4(a)に対応するタイミングであり、一対のサイドベルトコンベア50が待避位置にある状態を示している。図5(a)において第二の搬送装置20上の上流側(図示では左側)のピロー包装体ZA1(上流側包装体ZA1u)が、図4(a)のピロー包装体ZA1に対応する。そしてこの上流側包装体ZA1uの下流側(図示では右側)には、先にトップシール部TO1の耳折りが済んだピロー包装体ZA1(下流側包装体ZA1d)が搬送されている。
そしてサイドベルトコンベア50は、同図(b)、(c)に示すように、あるタイミングで挟持状態となり、少なくとも下流側包装体ZA1dを挟持する。そして、下流側包装体ZA1dをトップシール装置30の方向に(上流側に)後退させる。下流側包装体ZA1dの後退によって上流側包装体ZA1uも後退し(サイドベルトコンベア50によって、両包装体の下流への搬送が規制され)、上流側包装体ZA1uは、筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面に押さえつけられる。
これにより、上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uは、筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面(この例では、筒状の包装フィルムYA1の下流側トップシール部TO1d)と当接し、これに押さえ付けられることによって耳折りされる。また、上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dは、下流側包装体ZA1dの一部(例えば、その上流側トップシール部TO1uや、上流側の側面など)と当接し、これに押し付けられることによって、耳折りされる。
上流側包装体ZA1uの両トップシール部TO1uが耳折りされた後は、図5(a)に示すように、サイドベルトコンベア50が待避状態となり、第二の搬送装置20によって、上流側包装体ZA1uが下流に向かって搬送され、下流側包装体ZA1d(他のピロー包装体ZA1)となり、以降同様に、サイドベルトコンベア50によって(自身が後退しつつ)次の上流側包装体ZA1uを後退させてそのトップシール部TO1の耳折りを行う。
なお、上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uと下流側トップシール部TO1dは、図5に示すように(略)同時に耳折りされる構成でなくてもよい。
すなわち、間隔によっては、図4に示すように、まず上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uのみをトップシール装置30に当接させて耳折りし、その後(タイミングをずらして)、図5(b)に示すように、上流側包装体ZA1uと下流側包装体ZA1dを接触させて上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dの耳折りをするようにしてもよい。この場合、図5(b)に示すように上流側包装体ZA1uはトップシール装置30と下流側包装体ZA1dに挟まれる状態となっていても良いし、上流側トップシール部TO1uの耳折りは既に済んでいるので、トップシール装置30とは離間した状態で下流側包装体ZA1dと当接する状態となっていてもよい。
あるいは、まず上流側包装体ZA1uと下流側包装体ZA1dを接触させて上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dの耳折りをした後に、上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uをトップシール装置30に当接させて耳折りするようにしてもよい。
また、このように上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uと下流側トップシール部TO1dの耳折りのタイミングをずらす場合は、適切なタイミングで所望のピロー包装体ZA1を挟持できるように、サイドベルトコンベア50を搬送方向Tに沿って移動可能に構成してもよい。
また、1回の耳折り動作で2包装体分の4か所のトップシール部TO1の折り曲げができるため、サイドベルトコンベア50は、1つおきにピロー包装体ZA1を上流側に押し戻すようにしてもよい。前工程のピロー包装機が高速であっても、サイドベルトコンベア50の移動を必要以上に高速に移動させる必要がないので有効である。
このように、本実施形態では、互いに近接、離間するように往復移動するサイドベルトコンベア50によって、ピロー包装体ZA1を一時的に後退させ(下流への搬送を一時的に規制し)、上流側のトップシール部TO1uをトップシール装置30に押し付けて耳折りを行い、下流側のトップシール部TO1dを、その下流側に搬送される他のピロー包装体(下流側包装体)ZA1dの一部に押し付けて耳折りを行う。
このような構成により、耳部を折り曲げた状態を保持したままシール体と一体的に搬送方向下流側へ移動する従来の構成と比較して、高速運転であっても確実に耳折りを行うことができる。
また、本実施形態では、トップシール部TO1の耳折り時の加熱手段としてトップシール装置30を利用し、トップシール部TO1の折り曲げ手段としてトップシール装置30および他のピロー包装体(下流側包装体)ZA1dを利用する。したがって、加熱手+段と折り曲げ手段とを有する専用の耳折り装置を別途導入することなく、確実に耳折りを行うことができる。
また、規制手段としてサイドベルトコンベア50を採用することにより、ピロー包装体ZA1の外形が均一的な形状(例えば、箱体のように形の揃ったものを包装した形状)でなく、若干の変形が許容されているような任意形状(例えば、容器に収容されない複数の小さい物品を直接包装したような場合)であっても、ピロー包装体ZA1を確実にグリップすることができる。
図4および図5の実施例において、第二の搬送装置20は、常時、搬送方向Tに沿って搬送面20aが進むように連続回転している。一方、一対のサイドベルトコンベア50は、ピロー包装体ZA1が搬送面20a上を搬送方向Tとは逆方向に滑るように、第二の搬送装置20の搬送力よりも大きい力でピロー包装体ZA1を挟持(グリップ)する。
また、この例において、サイドベルトコンベア50は、搬送時には常時ピロー包装体ZA1を挟持する構成としてもよい。この場合、トップシール部TO1の耳折後にピロー包装体ZA1を下流に搬送する場合には、第二の搬送装置20と同じ方向(搬送方向Tに沿って)にピロー包装体ZA1の側面に接触する搬送面を移動させ、同図(b)、(c)のタイミングでは、ピロー包装体ZA1が搬送面20a上を搬送方向Tとは逆方向に滑るように、ピロー包装体ZA1の側面に接触する搬送面を移動させる。
なお、トップシール部TO1が当接する部位は、トップシーラー30a、30bのうち、いずれか一方であってもよいし、両方であってもよい(以下の実施例において同様である)。
また、上記の実施例において、1個目のピロー包装体ZA1の下流側のトップシール部TO1dは耳折りがされない。1個目のピロー包装体ZA1については例えば、排出後に下流側のトップシール部TO1dを別途耳折りするようにしてもよい。
図6は、サイドベルトコンベア50の他の実施例を示す上面図である。サイドベルトコンベア50は、下流側のローラー50aを軸として、上流側端部が開閉するように揺動する構成であってもよい。
同図(a)は、図5(a)と同様のタイミングであり、サイドベルトコンベア50は待避状態である。この場合、トップシール装置30によってその下流側に切り離されたピロー包装体ZA1(上流側包装体ZA1u)は、搬送方向Tに沿って上流(図示の左)から下流(図示の右)に向かって搬送される。
同図(b)は、一対のサイドベルトコンベア50の上流側端部が、閉じるように揺動し(同図(a)の矢印で示す)、下流側包装体ZA1dを挟持した状態である。そして、サイドベルトコンベア50はその連続回転によって下流側包装体ZA1dを後退させる。
これにより、同図(c)に示すように上流側包装体ZA1uは下流への移動が規制され、さらに筒状フィルムのトップシール部TO1に向かって押し戻される(後退する)。そして上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uはトップシール装置30、(または筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面)と当接し、これに押し付けられて耳折りされる。また、上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dは、下流側包装体ZA1dと当接し、これに押し付けられて耳折りされる。
その後は同図(d)に示すように、サイドベルトコンベア50は待避状態に戻り、ピロー包装体ZA1は、第二の搬送装置20によって、下流に向かって搬送される。
この場合も、上流側包装体ZA1uにおいて上流側トップシール部TO1uと下流側トップシール部TO1dの耳折りのタイミングをずらしてもよく(どちらが先に耳折りをされてもよく)、以下の実施例においても同様である。
また、上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uと下流側トップシール部TO1dの耳折りのタイミングをずらす場合は、適切なタイミングで所望のピロー包装体ZA1を挟持できるように、サイドベルトコンベア50を搬送方向Tに沿って移動可能に構成してもよく、これについても他の実施例において同様である。
このように本実施形態のサイドベルトコンベア50は、トップシール部TO1形成後のピロー包装体ZA1を一時的に挟持して上流側に後退させ、トップシール装置30に押し付けることによって(上流側包装体ZA1uの)上流側トップシール部TO1uを耳折りする。また、当該ピロー包装体ZA1の下流に搬送される他のピロー包装体ZA1(下流側包装体ZA1d)と当接させ、押し付けることによって、(上流側包装体ZA1uの)下流側トップシール部TO1dを耳折りする。
図7は、ピロー包装体ZA1の下流への移動を一時的に規制する規制手段(耳折り手段)の他の構成を示す図であり、同図(a)が正面図であり、同図(b)、(c)が更に他の構成を示す上面図である。
同図(a)に示すように、規制手段は、第二の搬送装置20と対向するようにその上方に設けられた上部ベルトコンベア51であってもよい。上部ベルトコンベア51は、第二の搬送装置20よりもグリップ力が大きく、第二の搬送装置20の搬送面20aに対して近接または離間するように上下移動可能に構成されている。また、上部ベルトコンベア51は、第二の搬送装置(シュートコンベア)20と同期して駆動される。
上部ベルトコンベア51が下降して、少なくとも、耳折りがされていないピロー包装体(上流側包装体ZA1u)の下流に位置する他のピロー包装体ZA1dの上面を押さえることで、ピロー包装体ZA1(ZA1u、ZA1d)は、上流に押し戻される(退行する)。これにより、トップシール装置30によって筒状の包装フィルムYA1から切り離された直後の(トップシール装置30の下流の)ピロー包装体ZA1(上流側包装体ZA1u)は、トップシール装置30と、その下流のピロー包装体ZA1(下流側包装体ZA1d)に挟まれて上流側および下流側のトップシール部TO1が耳折りされる。
耳折りが完了した後は、上部ベルトコンベア51が上昇し、第二の搬送装置20によってピロー包装体ZA1が下流に搬送される。
ピロー包装体ZA1の外形の側面が平面(平坦)ではなく、複雑な形状(凹凸形状)であったり、任意形状である場合には、サイドベルトコンベア50によるピロー包装体ZA1の規制が十分でない場合もある。このような場合は、規制手段として上部ベルトコンベア51を採用することで、上方から確実にピロー包装体ZA1を押さえることができる。
また、図7(b)に示すように、規制手段は、搬送方向Tに直交する方向(第二の搬送装置20の搬送面の幅方向)に、ピロー包装体ZA1に対して進退可能に構成されて、少なくとも下流側包装体ZA1dの搬送方向における左右側面を把持する把持手段52であってもよい。把持手段52は、少なくとも下流側包装体ZA1dを把持した状態で、搬送方向Tとは逆方向(上流方向)に移動可能に構成されている。これにより、トップシール装置30によって筒状の包装フィルムYA1から切り離された直後の上流側包装体ZA1uは、トップシール装置30(または筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面)と、その下流の下流側包装体ZA1dに挟まれて、上流側および下流側のトップシール部TO1が耳折りされる。
耳折りが完了した後は、把持手段52は、ピロー包装体ZA1にから後退し、また搬送方向Tの下流側の初期位置に移動する。これにより、第二の搬送装置20によってピロー包装体ZA1が下流に搬送される。
同図(c)は、同図(b)と同様の把持手段52であるが、搬送方向Tの逆方向には移動しない構成である。この場合は、トップシール装置30(トップシーラ30a、30b)を下流側に移動する駆動手段Dを備える。駆動手段Dの具体的な図示は省略するが、トップシール装置30を下流側に移動可能な既知の構成を有している。
同図(c)の把持手段52は、少なくとも下流側包装体ZA1dの搬送方向における左右側面を把持し、これにより、下流側包装体ZA1dと上流側包装体ZA1uを一時的に停止、あるいは停止に極めて近い低速に保持して、ピロー包装体ZA1の下流への移動を規制する。
そして、駆動手段Dは、停止(または極めて停止に近い低速に保持、以下同様)された上流側包装体ZA1uに向かって、矢印の方向にトップシール装置30(トップシーラ30a、30b)を移動させる。
。これにより、トップシール装置30によってその下流に切り離された直後の上流側包装体ZA1uは、トップシール装置30と、その下流の下流側包装体ZA1dに挟まれて、上流側および下流側のトップシール部TO1が耳折りされる。
耳折りが完了した後は、把持手段52は、ピロー包装体ZA1にから後退し、また駆動手段Dはトップシール装置30を初期位置(例えば、同図(b)に示す位置)に移動させる。これにより、第二の搬送装置20によってピロー包装体ZA1が下流に搬送される。
この構成において、ピロー包装体ZA1に向かってトップシール装置30を駆動させる駆動手段Dは、トップシール部TO1のシールおよびカットの際のトップシール装置30の駆動(例えば、ボックスモーション)とは別の駆動制御によってトップシール装置30を移動させる。また、この場合、規制手段である把持手段52とトップシール装置30の駆動手段Dとが、耳折り手段である。
規制手段として、図7に示すような把持手段52を採用した場合、サイドベルトコンベア50を採用する場合と比較して、比較的容易かつ簡易な駆動制御が可能となる。
また、ピロー包装体ZA1の搬送方向を変更する(上流に押し戻す)制御が複雑であったり、好ましくないような状況下においては、同図(c)に示すように駆動手段Dによってトップシール装置30を移動させることによって、ピロー包装体ZA1の上流への移動(押し戻し)をせずに、耳折りを行うことができる。
図8は、ピロー包装体ZA1の下流への移動を一時的に規制する規制手段(耳折り手段)の他の構成を示す図であり、同図(a)が正面図であり、同図(b)が上面図である。
同図(a)に示すように、規制手段は、第二の搬送装置20の搬送面20aよりも上方に突出し、ピロー包装体ZA1を載置することで、ピロー包装体ZA1を搬送路(搬送面20a)から一時的に待避可能とした載置台53であってもよい。載置台53は例えば、同図(b)に示すように並列配置された複数の第二の搬送装置20の間にこれと平行して配置され、所定のタイミングで搬送面20aよりも上方に突出することで、第二の搬送装置20上を搬送されるピロー包装体ZA1を一時的に載置し、その上に停滞(停止)させる。なお、この場合同図(a)に示すように、載置台53の上方には、ピロー包装体ZA1の上下方向の位置の移動を規制する上部ガイド54を設けることが望ましい。この載置台53には、1つ、又は搬送方向に2つ以上の複数のピロー包装体ZA1が載置される。
また、この場合も停止しているピロー包装体ZA1に向かってトップシール装置30(トップシーラ30a、30b)を下流側に移動する駆動手段Dを備える。
駆動手段Dは、載置台53の上で(上部ガイド54に移動が規制されて)停止された上流側包装体ZA1uに向かって、同図(b)の矢印の方向にトップシール装置30(トップシーラ30a、30b)を移動させる。
これにより、トップシール装置30によってその下流に切り離された直後の上流側包装体ZA1uは、トップシール装置30(破線で示す)と、その下流の下流側包装体ZA1dに挟まれて、上流側および下流側のトップシール部TO1が耳折りされる。
耳折りが完了した後は、載置台53を第二の搬送装置20の搬送面20aよりも下降し、駆動手段Dはトップシール装置30を初期位置(同図(b)の実線の位置)に移動させる。これにより、第二の搬送装置20によってピロー包装体ZA1が下流に搬送される。この場合、規制手段である載置台53(および上部ガイド54)とトップシール装置30の駆動手段Dが、耳折り手段である。なお、上部ガイド54に変えて、載置台53にピロー包装体ZA1の搬送方向Tへの移動を規制する規制部材を設けても良い。
また、この例では、第二の搬送装置20の間から上昇する載置台53を例に説明したが、所定のタイミングでピロー包装体ZA1を載置することで当該ピロー包装体ZA1の搬送を一時的に停止(停滞)させる構成であれば上記の例に限らない。
例えば、載置台53は、同図(a)の状態(突出した状態)が維持されており、駆動手段Dによって移動するトップシール装置30によって、載置台53に載置されるとともに耳折りされ、トップシール装置30によって、第二の搬送装置20に順次押し出される構成であってもよい。
また、例えば、載置台53は、同図(a)の状態(突出した状態)を維持してもよい。また、第二の搬送装置(シュートコンベア)20のベルトを、載置台53を迂回させるように構成してもよい。
また、図8の実施形態と同様の載置台53をトップシール装置30と第二の搬送装置20との間に配置してもよい。トップシール部TO1を形成後に載置台53に載置されたピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1を、トップシーラ30aの下流側の側面で下流側に押送して第二の搬送装置20に受け渡す際に、耳折りしてもよい。
規制手段として、図8に示すような載置台53を採用した場合、サイドベルトコンベア50を採用する場合と比較して、比較的容易かつ簡易な駆動制御が可能となる。
また、ピロー包装体ZA1の外形として側面のみが平面(平坦)ではなく、複雑な形状(凹凸形状)であったり、任意形状である場合には、上部ガイド54によって上方から確実にピロー包装体ZA1を押さえることができる。
図9および図10は、ピロー包装体ZA1の下流への移動を一時的に規制する規制手段(耳折り手段)の他の構成を示す上面図である。規制手段は、下流側包装体ZA1dを上流側に押し戻す逆転ローラー55uと、当該下流側包装体ZA1dの下流方向への移動を規制する低速ベルトコンベア55dであってもよい。低速ベルト55dは、第二の搬送装置20の搬送力よりも大きい力でピロー包装体ZA1を挟持(グリップ)する。
逆転ローラー55uは、第二の搬送装置20の搬送方向Tに沿う両側部に一対設けられる。逆転ローラー55uは、搬送方向Tに直交する方向(第二の搬送装置20の搬送面の幅方向)に、ピロー包装体ZA1に対して進退(往復移動)可能であり、少なくとも下流側包装体ZA1dの搬送方向における左右側面を把持し、これを上流側に押し戻すように連続回転する。低速ベルトコンベア55dは、逆転ローラー55uの下流側において、第二の搬送装置20の搬送方向Tに沿う両側部の上方に設けられた一対のサイドベルトコンベアである。低速ベルトコンベア55dは、第二の搬送装置20の搬送方向Tと同じ方向にピロー包装体ZA1を搬送するように連続回転するとともに、対向する低速ベルトコンベア55uが互いに近接、離間するように往復移動する。低速ベルトコンベア55dの周速は、第二の搬送装置(シュートコンベア)20の周速より遅く、ボックスモーションで移動するトップシーラー30bの水平方向の移動速度([0]駆動手段Dによる移動ではなく、トップシーラ30bによるシールおよびカット時の移動速度)と同速である。以下動作の一例について説明する。
まず図9(a)は、ピロー包装体ZA1が、トップシール装置30によって筒状の包装フィルムYA1から切り離された直後の状態である。このタイミングでは、逆転ローラー55uおよび低速ベルトコンベア55dのいずれも、同図に示すようにピロー包装体ZA1とは非接触の待避位置にある状態(待避状態)となっている。
同図(b)は、一対の逆転ローラー55uが進出し、ピロー包装体ZA1の左右両側面を挟持する挟持位置に移動した状態(挟持状態)を示している。ピロー包装体ZA1は、逆転ローラー55uで挟持されることによって押し戻されて上流側に移動する。トップシール装置30は、図5(c)に示すように上下方向に待避しており、これにより、ピロー包装体ZA1の上流側トップシール部TO1uが、筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面に当接する。ここで、下流側端部の側面には筒状の包装フィルムYA1の下流側トップシール部TO1dを含む。そして、ピロー包装体ZA1の上流側トップシール部TO1uが、筒状の包装フィルムYA1の搬送方向下流側端部の側面(筒状の包装フィルムYA1の下流側トップシール部TO1d)に当接し押し当てられて、ピロー包装体ZA1の上流側トップシール部TO1u、および、筒状の包装フィルムYA1の下流側トップシール部TO1dが耳折りされる。
図10(a)は、一対の低速ベルトコンベア55dがピロー包装体ZA1の左右両側面に近接するように進出した状態を示している。低速ベルトコンベア55dが同図に示すように進出した後、逆転ローラー55uは待避位置に移動し、ピロー包装体ZA1は図9(b)の状態を維持したまま低速ベルト55dに受け渡される。
図10(b)は、下流側に搬送されるピロー包装体ZA1の左右両側面が低速ベルトコンベア55dによって挟持された状態を示している。低速ベルトコンベア55dの周速は、第二の搬送装置20の搬送速度より低速であり、ピロー包装体ZA1は低速ベルトコンベア55dによって挟持されることにより、第二の搬送装置20で搬送された場合と比較して、下流への移動(搬送)が規制された状態となる。また、筒状の包装フィルムYA1もその下流側端部がピロー包装体ZA1に押し付けられ、下流への移動(搬送)が規制された状態となる。これにより、ピロー包装体ZA1の上流側トップシール部TO1u、および、筒状の包装フィルムYA1の下流側トップシール部TO1dの耳折りが定着する。
このような構成によれば、ピロー包装体ZA1の規制の状態(搬送速度など)の制御を柔軟に行うことができる。
なお、この例の場合にも、駆動手段Dによってトップシール装置30を上流側包装体ZA1u方向に移動させるようにし、上流側包装体ZA1uの上流側トップシール部TO1uをトップシール装置30に当接させて耳折りしてもよい。
図11は、耳折り手段として、トップシール装置30を移動させる駆動手段Dの他の構成を示す図である。
上記の例では、駆動手段Dによって、搬送方向Tの上流から下流にトップシーラー30a、30bを移動させる構成について例示したが、同図(a)に示すように駆動手段Dは、搬送方向Tに直交する方向に沿って、上方または下方にトップシーラー30a、30bを移動させる構成であってもよい。この場合、上下方向の移動のみを可能とする構成であってもよいし、上述した搬送方向Tの上流から下流への移動に加えて上下方向の移動も可能とする構成であってもよい。
また、これまでの例では、駆動手段Dは、トップシール部TO1のシールおよびカットの際のトップシール装置30の駆動とは別の駆動を行う手段として説明したが、同図(b)に示すように、シールおよびカットの際にトップシーラー30a、30bをボックスモーションで移動させるトップシール装置30の場合、当該ボックスモーションを利用してトップシール部TO1と当接し、これを折り曲げる(耳折りする)構成としてもよい。ボックスモーションに限らず、トップシール部TO1のシールおよびカットの際のトップシール装置30の駆動を利用して、耳折りをするようにしてもよい。
また、シールおよびカットの際にトップシーラー30a、30bをボックスモーションで移動させないトップシール装置30において、シールおよびカット後に同図(b)に示すようにボックスモーションでトップシーラー30a、30bを移動させる駆動手段Dによって、トップシール部TO1の耳折りを行ってもよい。また、ボックスモーションでシールした後、更にトップシーラー30a、30bを下流側に移動して、トップシーラー30a、30bに当接させて耳折りしてもよい。
図12を参照して本実施形態の仮折り手段56について説明する。同図(a)、(c)が本実施形態のトップシーラー30a、30bの構成の一例を示す概略図であり、同図(b)、(c)がそれを用いたピロー包装体ZA1の耳折り後の概略図である。
本実施形態では、上述の耳折り手段による耳折りよりも上流において、トップシール部TO1を耳折り方向に傾斜させる仮折りを行っても良い。
仮折りは、耳折り手段より上流に設けた仮折り手段56により行う。仮折り手段56は例えば、トップシーラー30a、30bのシール面Sである。この場合のシール面Sは、同図(a)に示すように搬送方向Tの上流から下流に向かって下流側が低くなるように傾斜している。なお、図示と逆方向の傾斜面(上流側が低くなるような傾斜面)であってもよい。このようなシール面Sを備えたトップシーラー30a、30bを用いることで、シールおよびカット時にトップシール部TO1を予め耳折り方向に傾斜させる仮折りをすることができ、トップシール部TO1をトップシーラー30a、30bおよび下流の他のピロー包装体ZA1と当接させた場合に、より良好に耳折りを行うことができる。
また、シール面Sは、同図(c)に示すように正面視において上部のトップシーラー30aが山、下部のトップシーラー30bが谷となる、V字状のシール面Sであってもよい。図1〜図11に示す例では、図12(c)に示すトップシーラー30a、30bを採用している。
なお、同図(a)の場合、耳折り後のピロー包装体ZA1は、同図(b)に示すように搬送方向Tの前後において、下から折り上がるトップシール部TO1と、上から折り下がるトップシール部TO1とが隣接して配置される。
一方、同図(c)の場合、耳折り後のピロー包装体ZA1は、同図(d)に示すように搬送方向Tの前後において、いずれも上から折り下がるトップシール部TO1が隣接して配置される。
つまり、同図(a)(b)の方が、隣り合うトップシール部TO1の重なりを少なくできる。このため、例えば、同図(b)に示すようにトップシール部TO1を対向させて集積した集積品を包装箱等に箱詰めする場合、同図(d)の場合と比較して互いのトップシール部TO1の重なりが少ないため、集積品の全長を短くでき、包装箱の大きさをコンパクトにすることができる。
なお、包装フィルムYA1のトップシール部TO1の折り曲げ位置に、予め折り目をいれておいてもよい。
なお、この例では、トップシール時に仮折りを行うものであるが、トップシール時に限らず、トップシールおよびカット後に(例えば上記の折り目を利用するなどして)仮折りするようにしてもよい。
図13は、本発明の実施形態の変形例を示す図であり、トップシール装置30付近の正面図である。
仮折り手段56は、トップシーラー30a又はトップシーラー30bの搬送方向における前後に設けられ、トップシーラー30a、30bとは別体で昇降可能な耳折り体57であってもよい。この例では、上部のトップシーラー30aの前後に耳折り体57を配置する場合を例に説明するが、下部のトップシーラー30aの前後に耳折り体57を配置する構成でも同様である。
まず、同図(a)は、トップシール部TO1のシールおよびカット後にトップシーラー30a、および30bのシール面を互いに近接状態で離間した状態である。
その後、同図(b)に示すように、耳折り体57を下方(下部のトップシーラー30bの前後に耳折り体57を設けた場合は、上方)に移動させて、トップシール装置30の下流側にあるピロー包装体ZA1のトップシール部TO1と、上流側にある包装フィルムYA1の一端のトップシール部TO1を仮折り(耳折り)する。
そして、同図(c)に示すように、トップシーラー30a、30bの互いのシール面を十分に離間(ピロー包装体ZA1や包装フィルムYA1と干渉しない位置に移動)させた後、規制手段(例えば、図4〜図6に示すようなサイドベルトコンベアや図7に示すような上部ベルトコンベアなど)により、トップシール装置30の下流側にあるピロー包装体ZA1を上流側に移動し、当該ピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1を包装フィルムYA1の下流側端部(この例では、下流側端部のトップシール部TO1)に押し当てる。このように、互いのトップシール部TO1は、当接によって十分に折り曲げられ、耳折りされる。
なお、この例では、上部のトップシーラー30aの前後に、下方して仮折りを行う耳折り体57を配置する場合を説明したが、例えば、上部のトップシーラー30aの搬送方向における前方に、下降して包装フィルムYA1の下流側端部のトップシール部TO1の仮折りを行う耳折り体57を配置し、下部のトップシーラー30bの搬送方向における後方に、上昇してピロー包装体ZA1の上流側のトップシール部TO1の仮折りを行う耳折り体57を配置してもよい(耳折り体57はトップシール装置30の前後において逆の配置でもよい)。この場合は、トップシール部TO1の仮折りの方向を、図12(b)に示すように隣り合うトップシール部TO1において上下逆方向にすることができる。
図14は、本発明の実施形態の他の変形例を示す図であり、トップシール装置30の下流側に切り離されたピロー包装体ZA1の上面図である。この例では、トップシール装置30の下流側の側面から、下流方向に向かう所定の領域に3つのピロー包装体が存在し、規制可能領域(例えば、細破線の仮想線から右側の領域)に2つのピロー包装体ZA1(ZA1u、ZA1d)が存在する場合を示す。
規制手段50は、第二の搬送装置20の搬送面の下方、又は上方から搬送面に対して進退可能に構成されてピロー包装体ZA1と当接可能なストッパー58と、ピロー包装体ZA1に対して進退可能に構成されてこれを把持する把持手段59により構成されてもよい。ストッパー58は、トップシール装置30の下流側に切り離された複数のピロー包装体ZA1のうち、最下流のピロー包装体ZA1(同図では右端にある、規制可能領域のうちの下流側包装体ZA1d)の下流側トップシール部TO1dと当接し、把持手段59は、その上流のピロー包装体ZA1(同図では中間にある、規制可能領域のうちの上流側包装体ZA1u)の例えば搬送方向における左右両側方を把持する。
同図(a)は、下流側包装体ZA1dがストッパー58と当接してその移動が規制され、把持手段59は待避位置にある状態を示している。この状態では、下流への移動が規制された(停止または停止に近い状態で低速で搬送される)下流側包装体ZA1dに対して、その上流から、把持手段59の間を通過して搬送されてくる上流側包装体ZA1uが当接し、これにより上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dと下流側包装体ZA1dの上流側トップシール部TO1uとが、耳折りされる。なお、下流側包装体ZA1dの下流側トップシール部TO1dは、ストッパー58と当接する以前に耳折りされているが、ストッパー58と当接して折り目がより定着する。
この例では、同図(a)に示す上流側包装体ZA1uは、トップシール装置30から切り離された直後の状態では、同図の左端にあるピロー包装体ZA1のように、上流側トップシール部TO1uおよび、下流側トップシール部TO1dのいずれも耳折りされていない(仮折りはされている)状態で規制可能領に域に進入する。また、下流側包装体ZA1dの上流側トップシール部TO1uも耳折りされていない状態である(同図(c)参照)。
そして、同図(a)に示すタイミングで、耳折りされていない上流側包装体ZA1uの下流側トップシール部TO1dと下流側包装体ZA1dの上流側トップシール部TO1uとが当接して、両者が耳折りされる。
その後、同図(b)に示すように、把持手段59によって上流側包装体ZA1uを把持し、ストッパー58を待避位置(不図示)に移動させて下流側包装体ZA1dの下流方向への移動の規制を解除する。なお、把持手段59は、物品XA1(ピロー包装体ZA1)のサイズに応じて搬送方向に移動可能な構成とする。
同図(c)は、同図(b)の上流側包装体ZA1uが下流側包装体ZA1dとなって再びストッパー58によって下流への移動が規制された状態である。このタイミングでは、上流側および下流側のいずれのトップシール部TO1uも耳折りされていないピロー包装体ZA1が規制可能領域に進入し、同図(a)の状態となって耳折りがされる。
すなわち、下流側包装体ZA1dの耳折りがされていない上流側トップシール部TO1uは、新たな上流側包装体ZA1uの耳折りがされていない下流側トップシール部TO1dと当接し、耳折りがされる。
なお、ストッパー58と、把持手段59は、1つおきの包装体ZA1に対して動作して、1度に2つのピロー包装体ZA1(ZA1d、及びZA1u)の4か所のトップシール部TO1(TO1d、及びTO1u)の折り曲げをしてもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
例えば、一対のサイドベルトコンベア50、低速ベルトコンベア55d、および上部ベルトコンベア51は、ローラーコンベア、又は一対のローラーであってもよい。また、一対の逆転ローラー55uは、サイドベルトコンベアであってもよい。
また、一対のサイドベルトコンベア50、逆転ローラー55u、低速ベルトコンベア55dは、トップシーラー30a、30bとの干渉を回避するため、これらと同期して搬送方向Tに沿って移動可能にしてもよい。
また、上部ベルトコンベア51は、第二の搬送装置(シュートコンベア)20と別駆動にしてもよい。
また、把持手段52は、吸着手段でもよい。また、把持手段52は、ピロー包装体ZA1を収容可能な保持手段(収容部)であってもよい。この場合例えば、第二の搬送装置20の上方に、ピロー包装体ZA1を収容可能な収容部を上下動可能に設け、収容部を下降させて第二の搬送装置20の搬送面20aを搬送されるピロー包装体ZA1を収容部にて収容し、ピロー包装体ZA1の移動を規制(停滞)させてもよい。
また、包装能力が低い場合には、図4〜図6の規制手段であるサイドベルトコンベア(または図7(a)の上部ベルトコンベア)を正逆回転、又は間欠運転させてもよい。
また、上部ベルトコンベア51は、正逆回転を行う押送部材を備えたオーバーヘッドコンベア(コヤグラコンベア)であってもよい。
また、トップシール装置30の下流側のピロー包装体XA1を、トップシール装置30の上流側の筒状となった包装フィルムYA1に当接して耳折りする場合、当接時に筒状の包装フィルムYA1内の物品XA1の移動(位置ずれ)を防止する物品位置ずれ防止装置(機構)を設けてもよい。物品位置ずれ防止装置(機構)は、例えば、エアの吹出し、又はブラシ、スポンジ等の弾性体によって物品XA1の移動を規制するものであってもよい。
また、上記の実施形態では、製袋器通過後の筒状にされた包装フィルムYA1の両側端縁部が下側に位置する正ピロー包装機について適用した例を説明したが、本発明はこれに限ることは無く、製袋器の上側が開放されており、製袋器通過後の筒状にされた包装フィルムYA1の両側端縁部が上側に位置する逆ピロータイプのピロー包装機(逆ピ
ロー包装機)についても適用でき、同様の効果が得られる。