図1は、本発明に係る排出装置が実装される製袋充填包装機の一形態を示している。図1に示すように、この製袋充填包装機10は、上流側に配置された帯状の包装フィルムを用いて袋体を製造する製袋装置11と、その製袋装置11から順次搬出される袋体に対して開口部を開き、製品を充填し、密封処理をする充填包装装置12とを備える。
本実施形態の製袋装置11は、帯状の包装フィルムを連続して搬送しながら適宜位置を折り曲げるとともにシール・カットすることで、上部が開口し、下部並びに左右の側縁が閉塞した袋体を製袋する。この袋体1は、例えば図2に示すように、全体が矩形状で、底部側で折り返されて断面がW状となっている。そして、両側縁1aは略帯状にシールされ底部1b側は円弧状にシールされる。これにより、最終的に包装体となった場合、底部が開いて自立できるようになる。そして、製袋装置11からは、製造された袋体1が一定間隔で一時停止することなく連続して搬出される。
製袋装置11の搬出側には、渡りコンベア装置5を配置している。渡りコンベア装置5は、ベルト面が垂直平面にあり、所定経路で公転移動するベルトコンベア6と、補助ベルト7を備える。ベルトコンベア6は、製袋装置11から搬出される袋体1の搬出方向の延長線上に直線状の搬送路を有する。ベルトコンベア6を構成するエンドレスベルトのベルト幅は、例えば袋体1の高さに応じたものとなり、製袋装置11から搬出される袋体1の所定部位が接触して受けられるようにすると良い。エンドレスベルトは、例えば袋体1の上方側の所定領域に接触するものでも良いし、上方と下方の両側に接触するものでも良いし、上端部を除くほぼ全域としても良く、接触する部位並びにエンドレスベルトの本数は任意である。そして例えばベルト面に多数の貫通孔を有し、搬送路の区間に吸引装置を設置し、袋体1をベルト面に吸着保持するようにするとよい。
補助ベルト7は、細幅のエンドレスベルトを備え、ベルトコンベア6との間で袋体1の上方部を挟み込んで保持する。補助ベルト7とベルトコンベア6のベルト面は、上流側(製袋装置11の搬出端側)では離れており、進行方向下流側に進むにつれて徐々に接近し、最終的に接触する配置レイアウトをとる。これにより、製袋装置11から搬出される袋体1は、スムーズにベルトコンベア6と補助ベルト7の間に入り込み、そのまま前進することでベルトコンベア6と補助ベルト7にて挟み込まれて保持され、搬送される。よって、袋体1は、渡りコンベア装置5にて搬送され、先頭から順に次段の充填包装装置12の搬送装置13に移し替えられる。
充填包装装置12は、製袋装置11から順次搬出される袋体を1枚ずつ受け取るとともに所定の経路で連続搬送する搬送装置13と、その搬送装置13の搬送経路の途中に配置され袋体の開口部を開く開袋装置14と、開袋装置14の下流側に配置され開口部が開いた袋体内に被包装物を充填する被包装物供給装置15と、被包装物供給装置15の下流側に配置され開いた袋体の開口部を閉じると共に密封するシール装置16、シール装置16の下流側に配置され上端縁がシールされた製造された包装体を、次段の搬出ライン18へ搬出する排出装置17等を備える。
搬送装置13は、所定の軌跡で水平に連続走行する無端のチェーン20に一定間隔ごとにクランプ21を取り付けた構成とする。本実施形態では、チェーン20の移動軌跡(配置レイアウト)は一般的な円形・楕円形のようなものではなく、走行路が適宜位置で屈曲した形になっており、全体としては略三角形状となるレイアウトをとる。
これは、図3に示すように、チェーン20を構成する走行路の左右両側に走行路の軌跡を規定するチェーンガイド部材25を配置する。図3(a)に示すように、チェーン20は、上下に伸びるように平行に配置される多数のピン20aを連結して無端状にするもので、隣接する一組のピン20aの上下端をそれぞれ上連結バー20cと下連結バー20dで連結して略ロ字状の枠体を構成し、隣接する枠体同士を中間連結バー20eで連結することで無端状のチェーン20を構成する。そして、枠体ごとにクランプ21が取り付けられる。
中間連結バー20eは、隣接する枠体のピン20aの上下方向の中央付近に対して回転可能に軸受け支持するように連携する。中間連結バー20eの連携部位で回転することで、隣接する枠体同士の相対位置関係、すなわち、なす角は、変更可能となる。チェーン20を構成するピン20aには、複数のローラ20bを上下に重なるようにして接着する。より具体的には、ローラ20bは、中間連結バー20eの上下に2個ずつ、合計4個を装着する。同一のピン20aに装着した各ローラ20bは、その上下に隙間を設けるように配置し、上下のローラ20bが相互に接触することがないようにしている。
図3(b)に示すように、チェーンガイド部材25は、略凹状に形成され、内側面がガイド面となる。チェーンガイド部材25の内周面は、それぞれが走行路の左右両側のガイド面となる。図1において、搬送装置13は、反時計方向に公転移動する。進行方向の左側が内側となり、進行方向の右側が外側となる。そして、チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する内側面には、上下所定位置に内側ガイド部25aが2箇所に設けられる。2箇所の内側ガイド部25aは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中間連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bと、中間連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの下方のローラ20bに接触する。また、この内側ガイド部25aに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材25の進行方向右側に位置する内側面とは非接触となる。
チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する外側面には、上下所定位置に外側ガイド部25bが2箇所に設けられる。2箇所の外側ガイド部25bは、内側(中央)に向けて突出する凸条が進行方向に沿って配置され、中間連結バー20eの上方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bと、中間連結バー20eの下方に位置する2個のローラ20bのうちの上方のローラ20bに接触する。また、この外側ガイド部25bに接触するローラ20bは、チェーンガイド部材25の進行方向左側に位置する内側面とは非接触となる。
よって、チェーンが走行する際、各ローラ20bは内側ガイド部25aか外側ガイド部25bのいずれか一方に接触する。そして、各ローラ20bは、上下に隣接するローラ20bとは非接触で互いに独立して回転する。これによりチェーン20は、チェーンガイド部材25に案内され当該チェーンガイドで規定される経路で移動する。つまり、例えば進行方向左側に曲がる経路の場合、主に内側ガイド部25aに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内し、例えば進行方向右側に曲がる経路の場合、主に外側ガイド部25bに対向するローラ20bが接触することでその曲がる経路に沿ってチェーン20の移動を案内する。さらに、一つのピン20aに4個のローラ20bを設けることで、進行方向の左右両側とも、それぞれ上下二箇所で両ガイド部25a,25bに支持されるため、チェーン20は安定した起立した状態が保持される。
さらに、上連結バー20cには、その両側面にそれぞれ二個のコロ20fを回転自在に取り付けている。この二個のコロ20fは、チェーンガイド部材25の上面に接触する。よって、このコロ20fにより上下方向の移動が抑制され、安定した姿勢で所望の経路でチェーン20が移動することになる。
以上のような構成を採用したことでレイアウトの自由度を向上させることができた。特に搬送ラインを内側に向かって屈曲させるレイアウトが簡単に採れるようになった。つまり、チェーン20をチェーンガイド部材25ではなくスプロケット等を用いて屈曲させようとすれば、クランプ21に把持された袋体1が干渉しないように配慮しなければならないし、レイアウトにおいて緩やかにカーブした形にするのは難しい。その点、チェーンガイド部材25にすれば、スプロケット等がないため袋体1の干渉を考慮する必要はなく、カーブの形状についても所望の形に設計することができる。
そして、搬送装置13の走行路は、被包装物供給装置15に沿う部分が直線状のラインとなり、被包装物の供給区間を長く採りつつ、搬送装置13の専有面積が小さくなるようにしている。
図4に示すように、クランプ21は、開閉する一対の挟持爪部材31を備える。挟持爪部材31は、上連結バー20cの上部に取り付けられた連結ベース32に対して回転自在に連携される。挟持爪部材31は、連結ベース32に対して回転軸33aを中心に回転自在に取り付けられる第一アーム33と、その第一アーム33に対して連結される第二アーム34を備える。第一アーム33と第二アーム34はそれぞれ独立して回転可能となっている。
第一アーム33は、その基端側に第一作動ローラ35が連携され、先端は内側に向けて突出する円筒状の爪部33bが設けられる。また第一アーム33は、図示省略するバネ部材により互いの先端が接近する方向に付勢され、第一作動ローラ35を第一アーム33の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すような基準姿勢となる。この基準姿勢の状態から、第一作動ローラ35を連結ベース32側に向けて押し込むと、第一アーム33は回転軸33aを中心に回転し、図4(b)に示すように一対の第一アーム33は、互いの先端が離反し開いた姿勢となる。また、このときの第一アーム33の先端の爪部33b間の距離は、袋体1の横幅よりも広い設定としている。図4(b)は第一作動ローラ35を最も押し込んだ状態を示しており、第一作動ローラ35の押し込み量を調整することで、第一アーム33は、図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態から図4(c)に示す開いた状態までの間の任意の角度の姿勢をとれる。この図4(a)に示す閉じた状態では一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅よりも短く、図4(c)に示す開いた状態では一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅よりも長く、図4(b)に示す両者の中間の姿勢のときで当該袋体1を一対の第一アーム33間の距離は袋体1の幅とほぼ等しく(若干短く)なる。
この図4(c)に示す状態から第一作動ローラ35に対する連結ベース32側に対する付勢力が解除されると、図示省略したバネ部材の弾性復元力により第一アーム33は回転軸33aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
第一アーム33の回転中心となる回転軸33aに、連結アーム36を回転自在に連携する。第二アーム34の基端側は、その連結アーム36に連結する。第二アーム34は、一端が連結アーム36に連結される帯板状の主アーム34aと、その主アーム34aの先端に回転可能に連結した爪片34bを備える。爪片34bは、その中間部位には連結ピン34cを起立させ、その連結ピン34cにて第一アーム33に回転自在に連結する。これにより、第二アーム34は、第一アーム33に対して回転軸33aと連結ピン34cを介して連携され、リンク機構を構成する。よって、第一アーム33の開閉に伴い一体となって開閉する。さらに爪片34bの先端には、円筒状の爪部34dが起立状態で設置され、その爪部34dと第一アーム33の爪部33bとの間で袋体1を把持可能となっている。
また、連結アーム36の適宜位置に第二作動ローラ37を取り付ける。さらに第一アーム33の基端側にL字プレート38を連結し、そのL字プレート38の先端と、第二アーム34を構成する主アーム34aの先端との間を、コイルスプリング39で連結する。コイルスプリング39の収縮しようとする弾性復元力により、主アーム34aをL字プレート38側に引き寄せる方向の付勢力が当該主アーム34aに働く。よって、第二作動ローラ37を第二アーム34の先端側に向けて付勢する力が働かない場合、図4(a)に示すように、第二アーム34の主アーム34aがL字プレート38側に引き寄せられ、それにともない、主アーム34aの先端に連携された爪片34bが連結ピン34cを中心に回転し、爪部34dが第一アーム33の爪部33bと接触する基準姿勢をとる。
この基準姿勢の状態から、第二作動ローラ37を先端側に向けて押し込むと、図4(b),(c)に示すように、連結アーム36は回転軸33aを中心に回転し、主アーム34aはコイルスプリング39の弾性復元力に抗して先端側に移動し、爪片34bが連結ピン34cを中心に回転して爪部34dが第一アーム33の爪部33bから離反する姿勢となる。
この図4(b),(c)に示す状態から第二作動ローラ37に対する先端側に対する付勢力が解除されると、コイルスプリング39の弾性復元力により第二アーム34の主アーム34aがL字プレート38側に引き寄せられて回転軸33aを中心に回転し、図4(a)に示す基準姿勢に復帰する。
図4(c)では、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37が、共に付勢された状態を示しているが、一方に対して付勢したり、付勢する量を調整したりすることで、第一アーム33,第二アーム34は適宜の姿勢をとる。また、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37に対する付勢力は、搬送装置13の搬送路に沿って適宜位置に設けた付勢ガイド板その他の付勢手段等により行う。
クランプ21は、2つの第一作動ローラ35と2つの第二作動ローラ37の合計4個の作動ローラを備えているが、それら4つの作動ローラの高さ位置はそれぞれ異なる位置に設定している。これにより、4個の作動ローラに対し、それぞれ異なる付勢ガイド板を接触させ、作動ローラに対する付勢の有無を適宜に設定することができる。
すなわち、搬送装置13の排出装置17の下流側から、製袋装置11の搬出側近傍までの区間は、2つの第一作動ローラ35と2つの第二作動ローラ37の合計4個の作動ローラは付勢ガイド板と非接触であり、クランプ21は図4(a)に示す基本姿勢の閉じた状態をとる。
搬送装置13の渡りコンベア装置5付近の上流側の区間では、第一作動ローラ35と第二作動ローラ37にそれぞれ接触し先端側に付勢する付勢ガイド板が搬送路に沿って配置している。これにより、クランプ21の挟持爪部材31は開いた状態、すなわち、第一アーム33の先端同士が離れ、両アーム33,34の爪部33b,34dが離れた図4(c)に示す状態となる。この状態のまま、渡りコンベア装置5と平行な区間に至ると、クランプ21の一対の第一アーム33の間に袋体1が位置した状態で、袋体1とクランプ21が同速度で移動するように動作を制御している。
この移動中に、第一作動ローラ35の連結ベース32へ向けて押す距離を減少させて第一アーム33の開き量を袋体1の横幅と同等かやや広めにするとともに、第二作動ローラ37への付勢を解除しコイルスプリング39の弾性復元力を利用して両爪部33b,34dを閉じ、袋体1の両端を把持する。これにより、図4(b)に示すように袋体1はピンと張った状態でその上方両端がクランプ21にて把持され、以降、クランプ21の移動に伴い搬送される。
開袋装置14は、一対の吸盤(第一吸盤14a,第二吸盤14b)と、それら第一吸盤14a,第二吸盤14bを水平面内の所定の軌跡で回転移動させる駆動装置14cを備える。駆動装置14cは、サーボモータを駆動源とし、そのサーボモータの回転出力を、カムやリンク機構等からなる動力伝達機構を介して袋体1の移動経路に沿って配置される支持部材14dに伝達する構成をとる。この支持部材14dが、上記の所定の軌跡で回転移動する。そして、支持部材14dにそれぞれ第一吸盤14a,第二吸盤14bを取り付ける。これにより、一対の支持部材14dに取り付けた第一吸盤14a,第二吸盤14bは、吸着面が対向した状態を維持しながら接近してその吸着面が袋体1の開口部の両外表面に接触して吸着し、その吸着した状態のまま袋体1の移動に追従して前進移動しながら離反する。よって、袋体1の開口部は、第一吸盤14a,第二吸盤14bに引っ張られて開く。
また、この第一吸盤14a,第二吸盤14bの開く動作に合せて搬送装置13のクランプ21の両端の間隔を狭め、袋体1の開口部を開き易くする。そして、搬送装置13は、開袋装置14の通過後はこのようにクランプ21の両端の間隔を狭めた状態のままクランプ21を移動するので、袋体1は開口部が開いた状態のまま移送される。すなわち、この開袋装置14の設置位置からそれ以降の所定区間では、第一作動ローラ35,第二作動ローラ37に接触し、クランプ21の先端側に付勢する付勢ガイド板を設けない。これにより、クランプ21は基準姿勢になり、バネ部材やコイルスプリング39の作用によりその基準姿勢を維持する。
被包装物供給装置15は、スナック菓子等の被包装物が定量ずつ供給されているカップを保持した状態で当該カップを搬送装置13の直線状のラインに沿って移動しながら徐々に傾斜することでカップを傾け、カップ内に供給されている被包装物を袋体の開口部から袋体内に供給するとともに、袋体1内に所定の不活性ガスを充填するものである。被包装物供給装置15を通過中は、袋体1はクランプ21にて上方開口部が開いた状態を維持する。そして被包装物供給装置15の下流側には袋体を密封するシール装置16が設置されているが、このシール装置16の直前位置にて、搬送装置13はクランプ21の第一アーム33をやや開いて袋体の開口部を閉じる処理を行う。
この被包装物供給装置15は、チェーン20の走行路が直線状の領域に沿って配置された製品充填装置本体24と、被包装物が供給されているカップ3を搬送し、当該カップ3を1つずつ順に製品充填装置本体24に渡すカップ搬送供給装置26と、製品充填装置本体24から搬出された空のカップ3を受け取り搬送するカップ搬出装置27を備える。図示省略するが、カップ搬出装置27の下流側と、カップ搬送供給装置26の上流側との間には、カップに対する物品供給装置が配置されており、被包装物を構成する定量された複数の物品がカップ内に供給される。これにより、被包装物供給装置15は、まず当該物品供給装置にてカップに定量の被包装物を供給する。そして、その被包装物が入ったカップをカップ搬送供給装置26が一列縦隊で搬送し、タイミングを合わせて先頭から1つずつ製品充填装置本体24に当該カップを渡す。製品充填装置本体24に渡されたカップは、直線状のラインに沿って移動する。この際、カップは循環する複数のカップ保持部の一つに底部を保持された状態で搬送されながら、カップ保持部が水平の状態から徐々に内側に傾斜することで傾けられ、最終的にカップの底部全体がカップの上方開口部よりも上に位置する。よって、カップ内の被包装物は、カップから落下し袋体1内に充填される。その後、カップ保持部が水平の状態に徐々に復帰することで、空のカップの底部が下降しカップの姿勢が元に戻る。そして、カップ搬出装置27は、製品充填装置本体24から搬出される空のカップ2を受け取り一列縦隊で搬送しカップに対する物品供給装置に至るように搬送する。
袋体1の上方部位をシールして袋体1を密封するシール装置16は、袋体1の搬送方向に沿って配置される一次シール装置22,二次シール装置(冷却装置)23を備える。一次シール装置22,冷却装置23は、ともに一対のバーシーラと、そのバーシーラを水平面内で所定の軌跡で公転移動させる駆動装置とを備える。バーシーラは、袋体の搬送方向と同一方向に伸びるように配置される。そして、一対のバーシーラは、互いに接近して袋体1の上端を挟み込み、その状態のまま袋体1の搬送に合せてその搬送方向に移動し、その後バーシーラが互いに離反するとともに袋体の位相方向と逆方向に移動して元の位置に復帰する。これにより、一次シール装置22において一対のバーシーラにて一定時間袋体の上端を挟み込んで加熱・加圧した後に、冷却装置23において水冷式のバーシーラでシール部分を挟み込んで冷却するとともにシール面に形成されたゴザ目でシール目を形成する。シール箇所を冷却することで安定したシールが行える。
さらに、シール装置16の下流側にはホールパンチ装置やトリミングカッター装置等が配置される。ホールパンチ装置は、シール装置16でシールした中央部位を打ち抜いて孔部を形成する。トリミングカッター装置は、袋体の角を曲線状に切り取る処理を行う。これにより被包装物が密封収納された包装体であるはパウチ4が製造される。
搬出ライン18は、搬送装置13の走行路のシール装置16等が設置された直線状の区間の下流側に配置され、その直線状の走行路と略直交する方向に搬送装置13の外側に向けて延びるように配置される。搬出ライン18は、搬送面を構成する排出コンベア40と、排出コンベア40の上方所定位置に配置された左サイドガイドレール41と、右サイドガイドレール42を備える。左サイドガイドレール41は、排出コンベア40の進行方向左側に、上下に三本配置する。右サイドガイドレール42は、排出コンベア40の進行方向右側に、一本配置する。右サイドガイドレール42は、一番上の左サイドガイドレール41と所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。
排出コンベア40の搬送面の高さ位置は、例えば、クランプ21で把持されて搬送されるパウチ4の底面の位置に合わせると良い。このようにすると、クランプ21から解放されたパウチ4は、落下供給されることなくスムーズに排出コンベア40側に移動する。
さらに、排出コンベア40の下流側の右側には、搬送方向と直交方向する方向に延びる搬出路43が設けられる。この搬出路43は、下方傾斜状の下り坂となる。本実施形態では、搬出路43を搬送方向に沿って二個配置する。そして、排出コンベア40上を移動するパウチ4は、底部を下にして搬出路43を滑り降りて、次工程へ供給される。係る搬出路43へパウチ4を送り出す手段は、排出コンベア40の搬送面を遮るように斜めに配置された方向変換ガイド板44と、排出コンベア40の搬送面上を搬送方向と直交する方向に往復移動するプッシャー板45とを備える。
方向変換ガイド板44と、プッシャー板45は、ともにパウチ4の下方部位に接触するように設置される。そして方向変換ガイド板44は、排出コンベア40の進行方向前側の搬出路43に臨む位置に配置される。これにより、排出コンベア40上を起立状態で搬送される。このとき、パウチ4は、進行方向の左右両面が左サイドガイドレール41と右サイドガイドレール42で挟まれてガイドされており、安定した起立状態で排出コンベア40上を移動する。そして、パウチ4は、排出コンベア40の下流側に移動し、パウチ4の側面の下方部位が方向変換ガイド板44に接触すると、進路を斜め右に変換される。このとき、パウチ4の上方部位は右サイドガイドレール42と、上端の左サイドガイドレール41によりガイドされているため、パウチ4の下方部位が先行して進行方向右側に移動する。これにより、パウチ4の底部側が先行して搬出路43に導かれ、搬出路43上を滑り降りる。
また、プッシャー板45は、所定の駆動装置により排出コンベア40の搬送面の上方を横切るように往復移動する。駆動装置は、駆動モータ46と、その駆動モータ46の回転出力を、往復運動に変換する動力変換機構47を備える。動力変換機構47は、ボックス内に収納されているが、例えばギアとリンクなどを用いて構成するとよい。また、この動力変換機構47の力を受けて移動するプッシャー板45の軌跡は、上述した搬送面を横切る方向に加え、排出コンベア40の搬送方向と平行な方向にも移動するようにするとよい。
このようにすることで、排出コンベア40の進行方向後側の搬出路43に臨む位置に、パウチ4が移動してきたタイミングで、プッシャー板45は、排出コンベア40と同一方向に移動しながら搬送面を横切る往動作を行い、パウチ4の側面の下方部位を搬出路43側に押し出す。このとき、パウチ4の上方部位は右サイドガイドレール42と、上端の左サイドガイドレール41によりガイドされているため、パウチ4の下方部位が先行して進行方向右側に移動する。これにより、パウチ4の底部側が先行して搬出路43に導かれ、搬出路43上を滑り降りる。そして、プッシャー板45が、パウチ4の移動とともに同一方向に移動しながらパウチ4を搬出面の外に押し出すようにしたため、パウチ4に与える衝撃を少なくし、スムーズな搬出路43への押し出しを行える。
なお、プッシャー板45の移動軌跡は、上述のように搬送方向と平行な方向にも移動することはなく、搬送方向と交差する方向にのみ往復するようにしても良い。係る場合、駆動装置は、例えばシリンダ等を用いることで簡単に実現できる。
排出装置17は、搬送装置13のクランプ21にて保持されて搬送されてきたパウチを受け取り、搬出ライン18側へ導くものである。そして、本実施形態では、製袋充填包装機の単位時間あたりの製造数を多くしているため、搬送装置13の搬送速度も高速になる。よって、搬送装置13におけるパウチ4の高速の移動速度のまま排出装置17で方向変換のみすると、排出コンベア40に渡す際の移動速度も高速のままとなる。そのように高速で移動しているとき、方向変換ガイド板44にぶつかり、また、プッシャー板45で搬出路43に向けてパウチ4に付勢力を与えると、パウチ4に加わる衝撃力が大きく、飛んで行ったり、所望の姿勢から傾いたりするおそれがある。特にパウチ4が軽量なものとすると、その影響・傾向が大きくなる。そこで、パウチ4に極力衝撃を与えないようにするため、本実施形態の排出装置17は、搬送方向を90度変えつつ搬送速度も低速にするようにした。
具体的には、排出装置17は、水平面内で回転する無端状のチェーン50と、そのチェーン50に所定ピッチで取り付けられた複数の押し板51と、円弧状に曲がった2本のターンガイドレール53を備える。ターンガイドレール53は、所定の間隔をおいて同じ高さ位置に平行に配置される。2本のターンガイドレール53の一端は、搬送装置13の搬送ライン上に至り、他端は搬出ライン18の上端の左サイドガイドレール41,右サイドガイドレール42の一端の上方にオーバーラップする。
さらに、排出装置17は、クランプ21からパウチ4を受け取り、次段の搬出ライン18の排出コンベア40に至るまでの領域(例えば、ターンガイドレール53の排出コンベア40から外れた上流側の円弧状の部分の下方等)には、パウチ4の底面を受ける底板55が配置される。この底板55は、クランプ21で把持されて搬送されるパウチ4の底面の位置に合わせている。
これにより、クランプ21から離脱したパウチ4は、進行方向後ろ側の辺が押し板51に押されて搬送される。パウチ4の上方部位は、2本のターンガイドレール53間に入り、そのターンガイドレール53のカーブに沿って進路が変更され、そのまま搬出ライン18の左サイドガイドレール41,右サイドガイドレール42間に至る。これにともないパウチ4は、搬出ライン18の排出コンベア40上に至り、その排出コンベア40からの搬送力を受けて前進する。
さらに、排出装置17を構成するチェーン50は、複数のチェーン要素60を連結して構成する。図9に拡大して示すように、チェーン要素60は、帯板状の上プレート61と下プレート62を所定の間隔を置いて平行に配置する。そして、上プレート61と下プレート62の一端の対向面には、それぞれ第一凹状切欠部61a,62aを形成し、上プレート61と下プレート62の他端の非対向面には、それぞれ第二凹状切欠部61b,62bを形成する。そして、上プレート61と下プレート62の一端同士は、連結ピン63で連結する。また、上プレート61と下プレート62の他端同士の間には、ローラ64を2個重ねて配置する。ローラ64の直径は、上プレート61,下プレート62の横幅よりも長くしている。これにより、ローラ64の外周が、上プレート61,下プレート62の外周よりも外に突出する。さらに、この上プレート61と下プレート62の他端に設けた第二凹状切欠部61b,62bには、上下に貫通する貫通孔61c,62cを設ける。そして、連結ピン63を取り外したチェーン要素60の上下の第一凹状切欠部61a,62a間に、別のチェーン要素60の第二凹状切欠部61b,62bを挿入するとともに、貫通孔61c,62c並びにローラ64の中心孔に、連結ピン63を挿入する。これにより、前後に隣接するチェーン要素60は、連結ピン63を介して連係され、その連結ピン63を回転中心として所定角度範囲内で曲がる。
さらに、上プレート61と下プレート62の一側面には、それぞれフリーガイドローラ65を自転可能に取り付ける。また、上プレート61の上面には、L字プレート66を取り付ける。このL字プレート66の先端には、第一ピン67を上方に突出するように起立形成する。さらに、上プレート61の上面所定位置には、第二ピン68を起立形成する。
また、チェーン50は、ターンガイドレール53側に配置されたスプロケット57と、平板状のガイドプレート58間に掛け渡される。ガイドプレート58は、その外周面が半円弧状上部分を有する。スプロケット57の回転軸71は、動力伝達ベルト72を介して駆動モータ70の出力軸に連係される。これにより、駆動モータ70の回転力がスプロケット57に伝わり、そのスプロケット57が所定の速度で回転する。
チェーン50は、スプロケット57から駆動力を受けて回転・公転移動する。つまり、図11等にも示すように、スプロケット57に噛み合い、その外周に沿って移動するチェーン要素60は、その上プレート61並びに下プレート62に取り付けたフリーガイドローラ65がスプロケット57の上面および下面に接触・近接する。また、ローラ64は、スプロケット57の外周面に所定角度間隔で形成した凹部57a内に入り込み、符合する。このローラ64と凹部57aが符合することで、スプロケット57の回転力が、チェーン要素60ひいてはチェーン50に伝わる。このとき、スプロケット57の上下面に、チェーン要素60に設けたフリーガイドローラ65が位置しているため、チェーン要素60は水平状態を保った安定した姿勢を維持し、スプロケット57からの搬送力を確実に受ける。
また、チェーン50は、そのガイドプレート58の外周面に沿って移動する。より具体的には、ガイドプレート58の外周に沿って移動するチェーン要素60は、その上プレート61並びに下プレート62に取り付けたフリーガイドローラ65がガイドプレート58を上面および下面に接触・近接し、また、ローラ64がガイドプレート58の外周面に接触することで、ガイドプレート58を三方から挟み込んだ状態になり、チェーン要素60は水平状態を保った安定した姿勢を維持しながら、進路をガイドプレート58の外周面に沿って変更する。
さらに本実施形態では、ガイドプレート58は、ベース板59上に設置されたシリンダ56に連係される。このシリンダ56の往動作を受けてガイドプレート58は、スプロケット57から離反する方向の付勢力を受ける。よって、チェーン50に対し、適度なテンションを与え、チェーン50が弛むことなく移動する。
さらにまた、本実施形態では、チェーン50を、上流側の搬送装置13の搬送方向並び下流側の搬出ライン18の搬送方向に対し、所定角度(本実施形態ではそれぞれに対して45度としたが他の角度でも良い)変位した位置で回転するようにしている。つまり、搬送装置13の搬送方向と搬出ライン18の搬送方向は直交しており、チェーン50の移動軌跡を決めるスプロケット57とガイドプレート58を結ぶ直線の方向を各搬送方向に対して45度傾斜方向に向くようにした。
一方、押し板51は、前後に隣接するチェーン要素60に対し、リンク機構75を介して連係される。リンク機構75は、回転自在に連係された第一アーム76と第二アーム77を備える。第一アーム76の先端は、前側のチェーン要素60に設けた第一ピン67に連係し、第二アーム77の先端は後側のチェーン要素60に設けた第二ピン68に連係する。そして、第二アーム77に押し板51を連結する。押し板51は、先端が二股状になり、パウチ4の上方と下方の二カ所に接触し、前方へ付勢する。
係る構成をとると、チェーン要素60が、チェーン50の直線区間を移動中は、前後のチェーン要素60の第一ピン67と第二ピン68の間隔が長くなり、それに伴い第一アーム76と第二アーム77のなす角も広くなり、第一アーム76はチェーン要素60とほぼ並行で第二アーム77はチェーン要素60に対して斜め傾斜状の姿勢をとる。よって、第二アーム77に連結された押し板51は、平面図で見た状態でチェーン要素60に対して斜めに倒れた姿勢となる。一方、チェーン要素60がスプロケット57の周囲を移動中は、前後のチェーン要素60の第一ピン67と第二ピン68の間隔が短くなり、それに伴い第一アーム76と第二アーム77のなす角も狭くなり、第二アーム77はチェーン要素60に対して立ち上がり、ほぼ直交状態の姿勢をとる。よって、第二アーム77に連結された押し板51は、平面図で見た状態でチェーン要素60に対して直交状態の起立した姿勢となる。これにより、押し板51は、スプロケット57の周りを移動する際、チェーン50の移動軌跡の円周方向と直交する方向に起立した状態となる。
そして、係るチェーン50の直線部分を移動中のチェーン要素60に連結された押し板51は、スプロケット57側に移動するにつれて徐々に倒れた姿勢から起立した姿勢になる。また、スプロケット57の周りを移動中のチェーン要素60に連結された押し板51は、スプロケット57から直線部分に向けて移動していくにつれて、円周方向と直交する起立した状態から徐々に倒れていく。
係る構成を取ることで、チェーン50が等速回転運動した場合、チェーン50に対して起立した状態の押し板51がパウチ4に接触して押送する速度よりも、倒れた姿勢の押し板51がパウチに接触して押送する速度の方が低速度となる。よって、図13(a),(b)に示すように、搬送速度が高速の上流側の搬送装置13から排出されるパウチ4-1に対しては、起立した状態の押し板51-1が受けることでスムーズな受け渡しができる。そして、図13(b),(c)に示すように係る押し板15-1が、スプロケット57に沿って円弧状の軌跡で移動してパウチ4を高速搬送しつつ、移動方向を90度変更する。
一方、途中で押し板51が倒れる(符号51-2→51-3)ことで、押し板51によるパウチ4の搬送速度が減速し、下流側の搬送速度が遅い搬出ライン18にスムーズに渡すことができる。さらに、本実施形態では、チェーン50の回転軌跡を搬出ライン18に対して45度傾斜させているため、押し板51は倒れることで、適度に減速しながら排出コンベア40から外にスムーズに逃げていき、搬出ライン18へ移すことができる。さらにまた、押し板51が倒れることで、パウチ4の搬送ピッチも短くなる。
[変形例]
上述した実施形態では、軽量のパウチ4を排出するようにしたが、搬送対象は、重量のあるものでもよい。また、パウチ4に限ることはなく、上流側から搬送されてくる各種の物品を、搬送方向を変えつつ下流側に搬出する各種の物品に対して適用できる。さらに上述した実施形態では、クランプで把持したパウチを排出ラインに排出するものに適用したが、本発明はこれに限ることはなく、上流側の搬送装置は例えばベルトコンベア,フィンガーコンベアその他の各種のものを用いるとよい。
さらに、上述した実施形態では、リンク機構により押し板の姿勢を変化させるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、カムその他各種の構造をとることができる。