JP6701707B2 - コンクリート補強具及びコンクリート補強構造 - Google Patents

コンクリート補強具及びコンクリート補強構造 Download PDF

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Description

本発明は、主として鉄筋コンクリート構造体、特に断面寸法が大きい壁、梁、柱等の鉄筋コンクリート構造体に用いられるコンクリート補強具及びコンクリート補強構造に関する。
鉄筋コンクリート(以下、RC)で構造体を構築するにあたり、例えば壁構造体では、主筋や該主筋に一般的には直交配置される配力筋のほか、斜め引張応力を支持するためのせん断補強筋が壁面直交方向に沿って配置される。また、橋脚等の柱構造体では、コンクリートの拘束や主筋の座屈防止を図り、あるいはそれらの作用を高めるべく、主筋を取り囲むように配置される帯鉄筋に中間帯鉄筋が配置される。
これらのせん断補強筋やコンクリート拘束あるいは主鉄筋座屈防止のための鉄筋(以下、拘束筋と呼ぶ)は、配置される部位によってその主たる機能がせん断補強であったり、コンクリート拘束や主鉄筋座屈防止であったり、あるいはそれらの機能を併せ持ったりという違いはあるものの、いずれもRC構造体の靭性を高めるという点で共通し、曲げモーメントに抵抗することでRC構造体の強度を高める役割を果たす主筋とはコンクリート補強のための役割を異にする。
せん断補強筋や拘束筋は、例えば壁構造体を構築する際の鉄筋工事においては、コンクリートのかぶり厚さを考慮しつつ、各壁面近傍に主筋をそれぞれ立設するとともに、これらの主筋に直交するように配力筋をそれぞれ配置した上、主筋と配力筋との交差箇所にせん断補強筋の末端部に設けられたフックをそれぞれ引っ掛けるようにして該せん断補強筋を壁面直交方向に配置する。また、柱構造体においては、主筋を取り囲むように巻回された帯鉄筋であって正面と背面という位置関係となる箇所に中間帯鉄筋の末端部に設けられたフックをそれぞれ引っ掛けるようにして該中間帯鉄筋を径方向に配置する。
ところが、せん断補強筋や拘束筋は、RCの耐震性能を向上させるべく、一般的にはその末端部に鋭角フックを設けなければならないとされているため、主筋、配力筋、帯筋等を含めた全体の鉄筋組立手順が複雑になりがちで、鉄筋工事に多大な時間を要する。
かかる状況下、最近では、端部に定着板や係止板が設けられたせん断補強筋が開発実用化されており、特に、定着板や係止板を現場で取付け可能な特許文献1記載の補強鉄筋によれば、主筋や配力筋あるいは帯筋を先行組立してからの配筋が可能であるため、現場での施工能率の改善をある程度期待することができる。
特開2004−249643号公報
「プレート定着型せん断補強鉄筋Head-barの適用性の拡充」(大成建設技術センター報第45号(2012))
しかしながら、定着板や係止板が端部に設けられた上述のせん断補強筋は、鋭角フックが設けられた従来のせん断補強筋と比べ、せん断補強性能やコンクリート拘束あるいは主鉄筋座屈防止の性能がせいぜい同程度にとどまるものであって、RC構造体に大きな靭性が求められる場合には、従来のせん断補強筋と同様、高い密度で配置する必要がある。
そのため、鉄筋工事では、せん断補強筋や拘束筋の配筋作業に時間を要し、コンクリート工事では、材料分離の原因となる自由落下や片押し打ちとならないよう、せん断補強筋や拘束筋の隙間を狙うように打設用のシュートを降ろしては、コンクリート投入後にいったん引き上げるという作業を繰り返さねばならず、さらには、せん断補強筋や拘束筋が複雑に交錯しているためにコンクリートの充填性が低下するといった従来からの諸問題が依然として解決されないままであった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、鉄筋工事やコンクリート工事を効率よく行うことが可能なコンクリート補強具及びコンクリート補強構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るコンクリート補強具は請求項1に記載したように、ロッドと該ロッドの各端に設けられ該ロッドとの取合い部位に位置する鉄筋の近傍に配置される補強板とからなるコンクリート補強具において、
前記ロッドをPC鋼棒で構成するとともに該PC鋼棒の各端に雄ネジを形成し、該雄ネジに螺合される雌ネジを前記補強板に形成したコンクリート補強具であって、該補強板を、コンクリートの孕み出しを拘束する荷重及びコンクリートをせん断補強する荷重が該コンクリートに直接作用する定着板として構成したものである。
また、本発明に係るコンクリート補強具は、前記PC鋼棒をD種を用いてかつ外径が17mm以上となるように構成したものである。
また、本発明に係るコンクリート補強具は、前記補強板を、S45Cを焼入れして構成したものである。
また、本発明に係るコンクリート補強構造は請求項4に記載したように、請求項1乃至請求項3のいずれか一記載のコンクリート補強具がコンクリートに埋設されるとともに、主筋、配力筋、帯筋その他所定のかぶり厚さをもって配置される鉄筋が前記コンクリートに埋設されてなるコンクリート補強構造であって、前記ロッドを、その各端部が、前記鉄筋のうち、正面側と背面側に位置する鉄筋のあきスペースからそれぞれ突出するように配置するとともに、該各端部に前記各補強板をそれぞれ取り付けたものである。
また、本発明に係るコンクリート補強構造は、前記補強板を、その裏面と前記鉄筋との間にコンクリートが介在するように設置したものである。
解決課題欄で述べた諸問題を解決するためには、せん断補強筋や拘束筋のそれぞれの引張抵抗力を高めればよいが、高強度鉄筋と定着板あるいは係止板とを最適に組み合わせたとしても、全体の引張抵抗力は、降伏点で400〜500N/mm2程度に過ぎない(非特許文献1)。
本願各発明は、従来公知の鉄筋を用いる限り、引張抵抗力の向上には限度があることに鑑みてなされたものであり、第1の発明に係るコンクリート補強具においては、ロッドをPC鋼棒で構成するとともに該PC鋼棒の各端に雄ネジを形成し、該雄ネジに螺合される雌ネジを補強板に形成してある。
このようにすると、高い引張抵抗力を有するPC鋼棒でせん断補強を行うことができるとともに、コンクリート拘束あるいは鉄筋、特に主鉄筋の座屈防止を図ることができるため、従来のせん断補強筋や拘束筋よりも、配置すべき本数を大幅に減らすことが可能となる。
そのため、鉄筋工事においては、配筋作業の負担が軽減されるとともに、コンクリート工事においては、コンクリート投入用のシュートの上げ降ろし作業が簡略化されるほか、せん断補強筋や拘束筋が高密度に配置されることで生じていた狭隘なスペースがなくなるので、コンクリートの充填性も改善される。
また、ロッドと補強板との接合形態が螺着となるため、コンクリート打設空間に鉄筋が先行配置されている状態であっても、該鉄筋のあきスペースからロッドを挿入して該コンクリート打設空間にロッドを配置し、しかる後、ロッドの端部に補強板を螺着すれば足りる。
そのため、本発明に係るコンクリート補強具の設置作業を、配筋作業とは完全に分離された状態で行うことが可能となり、鉄筋工事に与える影響も皆無となる。
補強板は、その裏面が鉄筋に当接される形で設置される場合と、該裏面と鉄筋との間に若干のコンクリートが介在する形で設置される場合とが設置形態として包摂されるが、いずれの場合においても、鉄筋に対しては、その座屈や孕み出しを拘束する荷重が直接又はコンクリートを介して作用するとともに、コンクリートに対しては、その孕み出しを拘束する荷重やせん断補強する荷重が直接又は鉄筋を介して作用するものであり、これらの作用荷重がロッドから伝達されてきた引張荷重(引抜き荷重)によるという意味では定着板と言い換えることができるし、鉄筋に直接あるいはコンクリートを介して係止されるという意味では係止板と言い換えることができるが、本明細書では、これらを包括して補強板と呼ぶこととする。なお、第1の発明における補強板は、コンクリートの孕み出しを拘束する荷重及びコンクリートをせん断補強する荷重が該コンクリートに直接作用する定着板として構成されるものとする。
PC鋼棒は、JIS G3109に規定されたもの、例えばC種(耐力が1080N/mm2以上、引張強さが1230N/mm2以上)を用いることができるが、特に、JIS G3137(細径異形PC鋼棒)に規定されているD種(耐力が1275N/mm2以上、引張強さが1420N/mm2以上)を用いてかつ外径が17mm以上となるように構成するのが望ましい。
PC鋼棒を上述した仕様としたならば、従来のせん断補強筋や拘束筋として一般的に使用されるSD345(耐力が345N/mm2〜440N/mm2、引張強さが490N/mm2以上)よりも、耐力で3.7倍、引張強さで2.9倍となるため、一本当たりの断面積が同じであれば、せん断補強やコンクリート拘束あるいは鉄筋、特に主鉄筋の座屈防止に必要な配置本数を従来の1/3〜1/4程度に減らすことが可能となる。
なお、補強板は、PC鋼棒の強度に見合った強度となるように適宜構成すればよいが、上述したように、D種を用いてかつ外径が17mm以上となるように構成されたPC鋼棒を用いる場合には、S45Cを焼入れしたもので構成するのが望ましい。
第1の発明に係るコンクリート補強具をどのような手順でコンクリート打設空間に設置するかは任意であって、主筋や配力筋あるいは帯筋を組み立てながら、それらの配筋作業と同時並行で設置するようにしてもかまわないが、以下の手順からなる設置方法(以下、参考発明に係るコンクリート補強具の設置方法と呼ぶ)に従うのが典型例となる。すなわち、
(a)主筋、配力筋、帯筋その他所定のかぶり厚さをもって配置されるべき鉄筋をコンクリート打設空間に先行組立する。
(b)第1の発明に係るコンクリート補強具を構成するロッドの端部のうち、補強板が取り付けられていない端部を一方の端部とし、該一方の端部を上述した鉄筋のあきスペースから挿入する。
(c)ロッドが上述のコンクリート打設空間に配置されるように該ロッドを押し込む。
(d)ロッドの一方の端部を、上述した鉄筋のうち、ロッドの挿入側を正面としたときにその背面に位置する鉄筋のあきスペースから突出させて該一方の端部に補強板を取り付ける。
このようにすると、第1の発明に係るコンクリート補強具の設置作業を、配筋作業とは完全に分離された状態で行うことが可能となり、鉄筋工事に与える影響も皆無となる。
ここで、ロッドの挿入及び押込みを、ロッドの他方の端部に補強板を取り付けた状態で行うのかどうかは任意であるが、ロッドの挿入前に、該他方の端部に補強板を取り付けるようにすれば、補強板が鉄筋に当接するまでロッドを押し込めばよいので、ロッドの押込みを終えるタイミングに留意する必要がなくなるとともに、補強板を例えば適当な場所に水平に仮置きし、その状態でロッドを回すことで、該ロッドの他方の端部に補強板を取り付けることができるので、第1の発明に係るコンクリート補強具の設置作業が容易になる。
また、第1の発明に係るコンクリート補強具を設置するにあたっては、上述したように、必ずしも各補強板の裏面を正面側の鉄筋や背面側の鉄筋に当接させる必要はなく、補強板と鉄筋との間にコンクリートが介在してもかまわないが、ロッドの一方の端部、すなわち先端側に取り付けられた補強板が背面側の鉄筋に当接され、他方の端部、すなわち基端側に取り付けられた補強板が正面側の鉄筋に当接されるように、各補強板の取付けを行うようにすれば、鉄筋、特に主鉄筋の座屈防止作用を確実に発揮させることが可能となる。
なお、上述した取付けを行うにあたっては、2つの補強板を両方回す必要はなく、いずれかの補強板、例えば先端側の補強板のみを回せば足りる。
第1の発明に係るコンクリート補強具を用いたコンクリート補強構造としては、該コンクリート補強具がコンクリートに埋設されるとともに、主筋、配力筋、帯筋その他所定のかぶり厚さをもって配置される鉄筋がコンクリートに埋設されてなるコンクリート補強構造であって、上述のロッドを、その各端部が、鉄筋のうち、正面側と背面側に位置する鉄筋のあきスペースからそれぞれ突出するように配置するとともに、該各端部に各補強板をそれぞれ取り付けた構成が典型例となる(以下、これを第3の発明に係るコンクリート補強構造と呼ぶ)。
本実施形態に係るコンクリート補強具1を示した組立斜視図。 本実施形態に係るコンクリート補強構造21を示した図であり、(a)は鉛直断面図、(b)はA−A線から見た矢視図。 本実施形態に係るコンクリート補強具1の設置方法を示した施工手順図。 変形例に係るコンクリート補強構造41を示した水平断面図。
以下、本発明に係るコンクリート補強具及びその設置方法並びにコンクリート補強構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るコンクリート補強具を示した組立斜視図である。同図に示すように、本実施形態に係るコンクリート補強具1は、ロッド2と、該ロッドの各端に設けられる円板状の補強板3,3とで構成してある。
ロッド2は、JIS G3137(細径異形PC鋼棒)に規定されているD種(耐力が1275N/mm2以上、引張強さが1420N/mm2以上)のPC鋼棒を用いて、外径が17mm以上となるように構成してあり、補強板3は、PC鋼棒の強度に見合った強度となるように、S45Cを焼入れしたもので構成してある。
ここで、ロッド2の各端には雄ネジ4,4を形成してあるとともに、該雄ネジに螺合される雌ネジ5が各補強板3にそれぞれ形成してあり、補強板3をロッド2の各端に螺着できるようになっている。
コンクリート補強具1は例えば、ロッド2の外径を19mm、補強板3の外径を90mm、厚みを20mmとする構成や、ロッド2の外径を23mm、補強板3の外径を90mm、厚みを24mmとする構成を採用することが可能である。なお、ロッド2の長さは、設置対象となるコンクリート躯体の断面寸法に合わせて適宜決定すればよい。
なお、従来のコンクリート補強具においては、引張材が母材破断する前に、雌ネジで破断することがないよう、定着板や係止板を十分厚くして雌ネジの長さを確保する必要があったが、本実施形態によれば、上述したように補強板3を、S45Cを焼入れしたもので構成したので、補強板3、ひいては該補強板に形成された雌ネジ5の脆性が改善され、かくして雌ネジ5の長さを過大にせずとも、該雌ネジの破断を未然に防止することが可能となり、上述したように補強板3の厚みを抑えることができる。
図2は、本発明に係るコンクリート補強構造をRC壁構造体、例えばボックスカルバートの壁体に適用した実施形態を示したものであって、該実施形態に係るコンクリート補強構造21は、主筋23及びその外側であって該主筋と直交する配力筋24を、壁面の両側で所定のかぶり厚さをもつようにコンクリート打設空間22に打設されたコンクリートに埋設するとともに、コンクリート補強具1の補強板3,3がロッド2との取合い部位に位置する配力筋24,24の近傍に配置されるように、望ましくは、補強板3,3の各裏面が配力筋24,24にそれぞれ当接する形で該配力筋にそれぞれ直接的に係止されるように、該コンクリート補強具をコンクリートに埋設して構成してある。
ここで、ロッド2は、その各端部が、配力筋24,24のうち、正面側(便宜的に同図右側を正面とする)に位置する配力筋24と背面側に位置する配力筋24(同図左側)のあきスペースからそれぞれ突出するように配置してあり、該各端部に補強板3,3がそれぞれ取り付けてある。
コンクリート補強構造21を構築するにあたり、コンクリート補強具1をコンクリート打設空間22に設置するには、まず、所定のかぶり厚さをもって配置されるべき主筋23及び配力筋24を、コンクリート打設空間22に先行組立する。
一方、コンクリート補強具1をコンクリート打設空間22に設置するに先立ち、ロッド2の端部のうち、他方の端部としての基端側に形成された雄ネジ4を補強板3の雌ネジ5に螺合することで、該ロッドの基端側に補強板3を先付けしておく。
この作業は、コンクリート補強構造21が構築される場所とは異なる場所で補強板3を水平に仮置きするとともに、かかる状態でその直上にロッド2を鉛直に保持し、次いで、該ロッドの雄ネジ4を補強板3の雌ネジ5にねじ込むようにすればよい。
次に、図3(a)に示すように、ロッド2の端部のうち、補強板3が取り付けられていない一方の端部としての先端を、正面側(同図右側)に位置する主筋23及び配力筋24のあきスペースから挿入する。
次に、ロッド2がコンクリート打設空間22に配置されるように該ロッドを押し込み、次いで、ロッド2の先端を同図(b)に示すように、背面側(同図左側)に位置する主筋23及び配力筋24のあきスペースから突出させる。
次に、ロッド2の先端に形成された雄ネジ4に補強板3の雌ネジ5をねじ込むことで、ロッド2の先端に補強板3を取り付ける。
補強板3をロッド2の先端に取り付けるにあたっては、該補強板が背面側の配力筋24に当接されるとともに、ロッド2の基端側に先行取付けされた補強板3が正面側の配力筋24に当接されるまで、補強板3をロッド2の先端に形成された雄ネジ4にねじ込む。
このようにしてコンクリート補強具1が設置されたならば、コンクリート打設空間22にコンクリートを打設してコンクリート補強構造21を構築する。
以上説明したように、本実施形態に係るコンクリート補強具1及びその設置方法並びにコンクリート補強構造21によれば、ロッド2を高い引張抵抗力を有するPC鋼棒で構成したので、せん断補強やコンクリート拘束あるいは鉄筋、特に主鉄筋の座屈防止を図るにあたり、従来のせん断補強筋や拘束筋よりも、配置すべき本数を大幅に減らすことが可能となる。
そのため、鉄筋工事においては、配筋作業の負担が軽減されるとともに、コンクリート工事においては、コンクリート投入用のシュートの上げ降ろし作業が簡略化されるほか、せん断補強筋や拘束筋が高密度に配置されることで生じていた狭隘なスペースがなくなるので、コンクリートの充填性も改善される。
また、本実施形態に係るコンクリート補強具1及びその設置方法並びにコンクリート補強構造21によれば、ロッド2と補強板3との接合形態が螺着となるため、コンクリート打設空間22に鉄筋が先行配置されている場合であっても、該鉄筋のあきスペースからロッドを挿入して該コンクリート打設空間にロッドを配置し、しかる後、ロッドの端部に補強板を螺着すれば足りる。
そのため、コンクリート補強具1の設置作業を、配筋作業とは完全に分離された状態で行うことが可能となり、鉄筋工事に与える影響も皆無となる。
また、本実施形態に係るコンクリート補強具1によれば、PC鋼棒であるロッド2を、D種を用いてかつ外径が17mm以上となるように構成したので、従来のせん断補強筋や拘束筋として一般的に使用されるSD345(耐力が345N/mm2〜440N/mm2、引張強さが490N/mm2以上)よりも、耐力で3.7倍、引張強さで2.9倍となるため、一本当たりの断面積が同じであれば、せん断補強やコンクリート拘束あるいは鉄筋、特に主鉄筋の座屈防止に必要な配置本数を従来の1/3〜1/4程度に減らすことが可能となる。
また、本実施形態に係るコンクリート補強具の設置方法によれば、ロッド2の挿入工程の前に、該ロッドの基端側に補強板3を先付けするようにしたので、ロッド2の押込みを終えるタイミングに留意する必要がなくなるとともに、コンクリート補強具1の設置作業が容易になる。
また、本実施形態に係るコンクリート補強具の設置方法によれば、ロッド2の先端に取り付けられた補強板3が背面側の配力筋24に、基端側に取り付けられた補強板3が正面側の配力筋24にそれぞれ当接されるように各補強板3,3の取付けを行うようにしたので、配力筋24や主筋23に対する座屈防止作用を確実に発揮させることが可能となる。
本実施形態では、本発明に係るコンクリート補強具のロッドを、機械的性質がD種でかつ外径が17mm以上のPC鋼棒で構成するようにしたが、これに代えて、機械的性質をA,B,C種とし、あるいは外径を17mm未満としてもかまわない。
また、本実施形態では、ロッド2の挿入工程の前に、該ロッドの基端側に補強板3を先付けするようにしたが、ロッド2だけを先行配置することも可能である。
また、本実施形態では、ロッド2の先端に取り付けられた補強板3が背面側の配力筋24に、基端側に取り付けられた補強板3が正面側の配力筋24にそれぞれ当接されるように各補強板3,3の取付けを行うようにしたが、補強板3と配力筋24との間にコンクリートが介在する形、換言すればコンクリートを介して補強板3が配力筋24に間接係止される形でもかまわない。
また、本実施形態では、本発明に係るコンクリート補強構造をRC壁構造体に適用した例として説明したが、本発明のコンクリート補強構造は、RC柱構造体やRC梁構造体といった任意のRC構造体に適用可能である。
図4は、本発明に係るコンクリート補強構造をRC柱構造体としての橋脚に適用した変形例を示したものであって、該変形例に係るコンクリート補強構造41は、主筋42及びその周囲に巻回される帯筋43を、所定のかぶり厚さをもつようにコンクリート打設空間44に打設されたコンクリートに埋設するとともに、コンクリート補強具1の補強板3,3がロッド2との取合い部位に位置する帯筋43の近傍に配置されるように、望ましくは、補強板3,3の各裏面が帯筋43にそれぞれ当接する形で該帯筋にそれぞれ直接的に係止されるように、該コンクリート補強具を埋設して構成してあり、かかる変形例におけるコンクリート補強具1は、従来の中間帯鉄筋に代わるものとして機能する。
1 コンクリート補強具
2 ロッド
3 補強板
4 雄ネジ
5 雌ネジ
21,41 コンクリート補強構造
22 コンクリート打設空間
23,42 主筋
24 配力筋
43 帯筋

Claims (5)

  1. ロッドと該ロッドの各端に設けられ該ロッドとの取合い部位に位置する鉄筋の近傍に配置される補強板とからなるコンクリート補強具において、
    前記ロッドをPC鋼棒で構成するとともに該PC鋼棒の各端に雄ネジを形成し、該雄ネジに螺合される雌ネジを前記補強板に形成したコンクリート補強具であって、該補強板を、コンクリートの孕み出しを拘束する荷重及びコンクリートをせん断補強する荷重が該コンクリートに直接作用する定着板として構成したことを特徴とするコンクリート補強具。
  2. 前記PC鋼棒をD種を用いてかつ外径が17mm以上となるように構成した請求項1記載のコンクリート補強具。
  3. 前記補強板を、S45Cを焼入れして構成した請求項2記載のコンクリート補強具。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一記載のコンクリート補強具がコンクリートに埋設されるとともに、主筋、配力筋、帯筋その他所定のかぶり厚さをもって配置される鉄筋が前記コンクリートに埋設されてなるコンクリート補強構造であって、前記ロッドを、その各端部が、前記鉄筋のうち、正面側と背面側に位置する鉄筋のあきスペースからそれぞれ突出するように配置するとともに、該各端部に前記各補強板をそれぞれ取り付けたことを特徴とするコンクリート補強構造。
  5. 前記補強板を、その裏面と前記鉄筋との間にコンクリートが介在するように設置した請求項4記載のコンクリート補強構造。
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