JP6693720B2 - 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法 - Google Patents

塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6693720B2
JP6693720B2 JP2015195294A JP2015195294A JP6693720B2 JP 6693720 B2 JP6693720 B2 JP 6693720B2 JP 2015195294 A JP2015195294 A JP 2015195294A JP 2015195294 A JP2015195294 A JP 2015195294A JP 6693720 B2 JP6693720 B2 JP 6693720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
water
coating
primer composition
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015195294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017066309A (ja
Inventor
修太郎 山本
修太郎 山本
和也 吉村
和也 吉村
俊貴 児島
俊貴 児島
勝川 吉隆
吉隆 勝川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Neos Co Ltd
Original Assignee
Neos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neos Co Ltd filed Critical Neos Co Ltd
Priority to JP2015195294A priority Critical patent/JP6693720B2/ja
Publication of JP2017066309A publication Critical patent/JP2017066309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6693720B2 publication Critical patent/JP6693720B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、自動車の塗装工程をはじめとする、各種被塗装物の塗装工程に使用される塗装用器具類に付着または堆積する硬化もしくは未硬化の塗料もしくは塗膜の効率的除去を可能にする塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法に関する。
自動車の塗装工程をはじめとする、様々な被塗装物の塗装工程に塗装器具類が使用されているが、これら塗装器具類に塗料が付着または堆積すると、作業性や機能が低下することから、一定期間ごとに塗装器具類から硬化もしくは未硬化の塗料を剥離除去する必要がある。
自動車をはじめとする被塗装物を塗装する塗装工程において使用される塗装用器具類としては、例えば、マスキング治具、スノコおよび塗装ブース等が挙げられる。これら塗装器具類に付着する塗膜を除去する方法としては、従来より種々の方法が提案されている。
例えばそのような方法として、(i)ジクロロメタンやシンナー等の有機溶剤を主成分とする塗料剥離剤を使用する方法、 (ii)苛性アルカリを主成分とする水性洗浄剤を加温して使用する方法、(iii)塗膜を焼却処理する方法、および(iv)塗膜にハンマーやスクレーパー等を用いて物理的な振動や衝撃を与える方法、および(v)塗料の付着を防止するシリコーン樹脂やフッ素樹脂を塗装器具類にコーティングする方法等が知られている。
しかしながら、方法(i)の場合には、溶剤で剥離するものは、塗料剥離剤の溶剤としてキシレン、ケトン等の引火性溶剤、あるいはジクロロメタン等の塩素系溶剤を使用するため、作業環境の保全と引火防止対策が必要となる。この方法は、毒性、臭気、引火性および廃液処理等の作業衛生性や環境汚染の点で多くの問題がある。特にジクロロメタンを主成分とする塗料剥離剤の使用は従来技術としては広く知られており、活用されてきたが、胆管癌の発症など人体への影響が懸念される現在では使用し難くなっている。方法(ii)の場合には、アルカリ成分の濃度が高いことから安全性に問題がある。なおかつよく使用されている苛性アルカリについては、その濃度が5%以上である場合、毒物及び劇毒物取締法における劇物として指定されることから取り扱いが制限される。また方法(iii)は、有毒な排ガスの発生を伴うので大気汚染の点で問題がある。さらに方法(iv)の場合には、細部までの完全な剥離が困難なだけでなく塗装器具類を変形または被損させる危険性が高く、作業効率が極めて低いという難点がある。方法(v)の場合には、塗料の付着を完全には防止できず、コストが高いことや塗装ハジキ(repellency)が懸念されることから普及していない。前記の方法(i)から方法(v)を通じて、全体に付着塗料が除去しにくいという欠点があった。
その他の方法として、塗装器具類の塗料が付着する部分に予めプライマーをコーティングしておき、塗装工程で塗料がある程度、付着または堆積したあと、水溶性塗料剥離剤(特許文献1)や溶剤で剥離するものがある。水溶性塗料剥離剤で剥離する場合、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性アクリル系樹脂、エーテル化セルロースなど(特許文献2,3,4,5,6)では剥離性能が十分でない。
油タイプの塗装剥離用プライマーとしては、高粘度のグリースが、安価で効果もあるため広く用いられているが、溶剤系塗料に溶解され易かったり、また水性塗料をはじくため、付着せず落下した塗料による塗装品不良につながる等、生産性低下を引き起こすことがある。また、グリース自体が高汚染性のため、周囲の環境の汚染も問題となる。
特開2002-275394 特開2000-191961 特開平8-134386 特開平4-149284 特開昭63-209771 特開昭62-246973
本発明は上述したような当該分野の実情に鑑み、自動車の塗装工程をはじめとする、様々な被塗装物の塗装工程に使用されている塗装用器具類に付着または堆積する硬化もしくは未硬化の塗料もしくは塗膜を水溶性塗料剥離剤を使用し剥離する場合の、効率的除去を可能にする塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。つまり、本発明は次の成分を含有する塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法に関する。
項1. アニオン性および/またはノニオン性ポリウレタン樹脂(A)と水とを含有してなり、25℃におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1.25〜2.00である塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
項2. 該(A)の熱軟化点が140℃以上であることを特徴とする項1に記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
項3. 該(A)がカルボキシル基を有する項1又は2に記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
項4. 該(A)の含有量が1〜50重量%である項1〜3のいずれかに記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
項5. 更にポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩及びポリカルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)を含有してなる項1〜4のいずれかに記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物を塗装前に塗装器具類に塗布し、塗料剥離剤を用いて塗装器具類から硬化もしくは硬化前の塗料を除去する塗料の剥離方法。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物の皮膜を表面に有する塗装用器具類は、不要な塗料が付着または堆積しても、水溶性塗料剥離剤を用いて処理すると付着または堆積した塗料に亀裂が生じ、亀裂内へ水溶性塗料剥離剤が浸透して皮膜を溶解、膨潤させるので、付着または堆積した塗料は塗装器具類の表面から浮かび上がって容易に、部分的または完全に剥離する。従って、本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物によると短時間で塗装器具類の隅部や屈曲部等のように、塗料剥離が比較的困難な部位においても、短時間で付着または堆積した塗料を容易に剥離することができる。本発明によれば、塗装用器具類に付着した塗料を、塗装用器具類の変形や破損なく、少ない労力で容易に又は確実に除去できる。
また、塗料剥離処理後は一般に水洗処理が行われるが、本発明のプライマー組成物から形成される皮膜は水洗で除去されるので、新たな皮膜形成に際して、皮膜の密着不良は発生しない。また、本発明のプライマー組成物から形成される皮膜は、皮膜への塗料の密着は良好に維持される。
以下、本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物について詳述する。本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物はアニオン性および/またはノニオン性ポリウレタン樹脂(A)及び水を含有してなり25℃におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1.25〜2.00であることを特徴とする。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、前述のポリウレタン樹脂(A)ならびにその塩と残部に水が含まれる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(A)は、アニオン性ポリウレタン樹脂(A1)および/またはノニオン性ポリウレタン樹脂(A2)であって、ポリイソシアネート成分(a1)、ポリオール成分(a2)、およびその他の成分(a3)とから構成される。
本発明において、アニオン性ポリウレタン樹脂(A1)はポリオール成分(a2)の一部に側鎖にアニオン性基を有するポリオールを含むポリウレタン樹脂のことを表し、ノニオン性ポリウレタン樹脂(A2)は、ポリオール成分(a2)が側鎖を有さないか非極性の側鎖のポリオールのみからなるポリウレタン樹脂のことを表す。本発明におけるポリウレタン樹脂としては上記アニオン性ポリウレタン樹脂(A1)、ノニオン性ポリウレタン樹脂(A2)、およびこれらの混合物を使用することができる。
該(A)を構成するポリイソシアネート成分(a1)は、脂肪族および脂環族ポリイソシアネートからなる群から選ばれる1種以上である。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート(2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート)、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、および2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、並びに2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリオール成分(a2)としては、数平均分子量400〜5,000の高分子ポリオール(a21)、および数平均分子量400未満の低分子ポリオール(a22)が挙げられ、更にアニオン性ポリウレタン樹脂(A1)の場合にはアニオン性基含有低分子ポリオール(a23)が挙げられる。高分子ポリオール(a21)の数平均分子量はハンドリング性の観点から好ましくは500〜3,000である。
高分子ポリオール(a21)としては、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオールおよびポリエーテルジオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、通常の方法すなわちジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの単独または2種以上の混合物など)とエチレンカーボネートを反応させ脱エチレングリコール化による方法、あるいは上記ジオール成分とアリールカーボネート、たとえばジフェニルカーボネートとのエステル交換による方法で得られるものなどが挙げられる。
ポリカーボネートジオールの具体例としては、炭素数4〜10の直鎖状アルキレン基を有するポリカーボネートジオール(例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ノナンジオールのポリカーボネートジオールなど)、および炭素数4〜10の分岐状アルキレン基を有するポリカーボネートジオール(例えば、2−メチルブタンジオールのポリカーボネートジオール、2−エチルブタンジオールのポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコールのポリカーボネートジオール、2−メチルペンタンジオールのポリカーボネートジオール、3−メチルペンタンジオールのポリカーボネートジオールなど)、およびこれらの共重合体が挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、通常の方法すなわちジオール成分(前述と同様のもの)とジカルボン酸成分{脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸など)などの単独または2種以上の混合物など}とを反応(縮合)させることによる方法、あるいは、ラクトン(ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの単独または2種以上の混合物など)を開環重合させることによる方法で得られるものなどが挙げられる。
ポリエーテルジオールとしては、通常の方法すなわち先に例示したジオール成分などへのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−もしくは1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、エピクロルヒドリンなどの単独または2種以上の混合物など)の付加を、無触媒でまたは触媒(アルカリ触媒、アミン系触媒、酸性触媒)の存在下(とくにアルキレンオキサイド付加の後半の段階で)に常圧または加圧下に1段階または多段階で行なうことによる方法で得られるものなどが挙げられる。なお、アルキレンオキサイドを2種以上用いる場合の付加形態はブロックでもランダムでもよい。
Mn400未満の低分子ポリオール(a22)としては、炭素数2〜15の多価アルコール類[2価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなど);3価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパンなど);これらの多価アルコールのアルキレンオキサイド(EOおよび/またはPO)低モル付加物(Mn400未満)など]が挙げられる。
アニオン性基含有低分子ポリオール(a23)において、アニオン性基としてはカルボキシル基、ホスホノ基、スルホ基並びにこれらの塩を挙げることができる。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミンの塩等を挙げることができる。
アニオン性基として好ましくはカルボキシル基である。
アニオン性基含有低分子ポリオール(a23)としては、好ましくはカルボキシル基含有ジオール(2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸、酒石酸など)、等が挙げられる。
これらのうちで特に好ましいものは2,2−ジメチロールプロピオン酸および2,2−ジメチロールブタン酸である。
本発明における(A)は、(a1)および(a2)の他に、その他の成分(a3)から構成されていてもよい。
その他の成分(a3)としては、ジイソシアネート成分(a1)と反応しうる、水酸基以外の官能基(例えば、1級アミノ基、2級アミノ基またはチオール基など)を有する化合物が挙げられる。
(a3)としては、鎖伸長剤(a31)および停止剤(a32)などが挙げられる。
鎖伸長剤(a31)としては、炭素数2〜10のジアミン類(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン、ピペラジンなど)、ポリアルキレンポリアミン類(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)、ヒドラジンもしくはその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジドなど)、炭素数2〜10のアミノアルコール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、トリエタノールアミンなど)、並びに前述の親水基含有低分子ポリオール(a23)と同様の効果を有するカルボキシル基含有モノアミン(グリシン、アラニン、バリンなど)、およびカルボキシル基含有ジアミン(リジン、アルギニンなど)等が挙げられる。
鎖停止剤(a32)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類、カルビトール類など)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミンなどのモノもしくはジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのモノもしくはジアルカノールアミンなど)などが挙げられる。
(a31)および(a32)の使用量の合計は、(a1)のNCO基の当量に基づいて通常0.8当量以下、好ましくは0.6当量以下であり、(a32)の使用量は、得られる(A)のジメチルホルムアミド(DMF)への溶解成分が、Mnが好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000となる量を用いることができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(A)は、前述のアニオン性基含有低分子ポリオール(a23)、または(a23)と同様の効果を有する前述のカルボキシル基含有モノアミンもしくはカルボキシル基含有ジアミンを使用する場合は、それらの親水基(カルボキシル基など)を中和する塩基性化合物を含有していてもよい。
塩基性化合物としては、アミン類[アンモニア、アルキルアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジプロピルアミンなど)、アルカノールアミン(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルプロパノールなど)、脂環式アミン(モルホリンなど)など]およびアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウムなど)水酸化物などが挙げられる。
上記ウレタン化反応においては反応を促進させるため、必要により通常のウレタン化反応に使用される触媒を使用してもよい。触媒には、アミン触媒、たとえばトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンおよび米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン類[1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(サンアプロ・製造、DBU)など];錫系触媒、たとえばジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートおよびオクチル酸錫;チタン系触媒、たとえばテトラブチルチタネート;ビスマス系触媒、たとえばトリオクチル酸ビスマス;などが挙げられる。
(A)は、乳化剤を添加して乳化剤乳化型の(A)の水性分散体とすることもできる。
乳化剤乳化型の(A)の水性分散体を製造する方法には、上記と同様にして、有機溶剤の存在下または非存在下でプレポリマーを形成し、プレポリマーおよび/または水性媒体に乳化剤を加え、さらに必要に応じて該プレポリマーに塩基性化合物を加え親水化した後、あるいは親水化しながら水性媒体と混合して水性分散体とし反応[鎖伸長、および必要により鎖停止]を行い必要により有機溶剤を留去する方法などが挙げられる。
乳化剤はプレポリマー、水性媒体のいずれか一方に加えても、双方に加えてもよい。乳化剤がプレポリマーと反応性の場合には水性媒体に加えるのが好ましい。(A)に対する乳化剤の含有量は、ウレタンプレポリマーの重量に基づいて、通常0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%である。
乳化剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性の界面活性剤、高分子型乳化分散剤、およびこれらの2種以上の併用が含まれ、例えば米国特許第3929678号および米国特許第4331447号明細書に記載のものが挙げられる。
これらの乳化剤のうちで好ましいものは、ノニオン性界面活性剤および高分子型乳化分散剤である。
(A)の熱軟化点は、プライマーの融着防止の観点から好ましくは140℃以上である。熱軟化点の測定方法は、JIS K7196に準拠して行った。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物におけるポリウレタン樹脂(A)ならびにその塩が占める割合は特に限定されるものではないが、好ましくは1〜50重量%であり、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、更にポリカルボン酸、ポリカルボン酸塩及びポリカルボン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の化合物(B)を含有してなることが、プライマーの塗装用器具類への付着性の観点から好ましい。
化合物(B)は、不飽和カルボン酸(塩)(b1)及び不飽和カルボン酸エステル(b2)を構成単量体とするポリカルボン酸並びにこれらのエステル、塩からなる化合物である。
不飽和カルボン酸(塩)(b1)としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの炭素数3〜18の不飽和カルボン酸およびその無水物;これら不飽和カルボン酸のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、有機アミン(炭素数2〜12のアルカノールアミン、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン,炭素数2〜12のアルキルアミン、例えば、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン)塩、これらの2種以上の併用などが挙げられる。不飽和カルボン酸塩としては、完全中和塩であっても、部分中和塩であってもよい。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、これらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、並びにこれらの2種以上の併用であり、さらに好ましいものは、(メタ)アクリル酸とそのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩であり、とくに好ましいものは、カルボキシル基の中和度が60モル%以上の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩およびアンモニウム塩である。
不飽和カルボン酸エステル(b2)としては、不飽和カルボン酸(b1)と水酸基含有化合物とのエステルである。
水酸基含有化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
R(OA)OH (1)
[Rは炭素数4〜12の炭化水素基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基であり、nは0〜20の数であり、nが2以上の場合のAは同一でも異なっていてもよく、(OA)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
一般式(1)におけるRは、炭素数4〜12の炭化水素基であり、炭素数4〜12の脂肪族及び芳香族アルキル基等が挙げられる。
これらのうち、水溶性重合体の構成単位である(b2)のエステル部が加水分解した場合の環境への安全性の観点から好ましくは、脂肪族アルコールである。
一般式(1)におけるAは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基、イソプロピレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、イソブチレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基等が挙げられる。これらのうち、親水性の観点から好ましくは、エチレン基及び1,2−プロピレン基である。
下記一般式(1)で表される化合物の具体例として、炭素数4〜12脂肪族アルコールとしては、天然アルコールでも合成アルコール(チーグラーアルコール、オキソアルコールなど)でもよい。具体例としては、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールなどの直鎖もしくは分岐の飽和脂肪族アルコール、シクロヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコールなどの環状脂肪族アルコールが挙げられる。フェノール類としては、フェノール、エチルフェノールなどが挙げられる。芳香脂肪族アルコールとしては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸エステル(b2)はポリエーテル(b3)と、不飽和カルボン酸(b1)とを、通常の方法でエステル化することにより製造することができるが、これに限定されるものではない。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物における化合物(B)が占める割合は特に限定されるものではないが、好ましくは1〜25重量%である。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、25℃におけるチクソトロピックインデックス(TI値)が1.25〜2.00である。TI値は、プライマーの塗装用器具類への付着性の観点から、好ましくは1.31〜1.60である。TI値は、(A)および化合物(B)の含有量を調整することにより調整することができる。
なお、TI値とは、Thixotropic Index(温度25℃で回転数6rpmにおける粘度/温度25℃で回転数60rpmにおける粘度)のことを示す。
なお、TI値は、以下の条件で測定した。
<粘度の測定方法>
粘度計:B型粘度計
ローター番号:1番
測定温度:25℃
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、成分以外の親水性付与剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤、レベリング剤、抗菌剤、抗カビ剤、増粘剤、防錆剤等、消泡剤の添加剤を含み得る。これら添加剤としては、従来公知のものを用いることができる。これらの添加剤の配合量は、通常0〜10重量%程度であり、好ましくは0.5〜5重量%程度、より好ましくは1〜3重量%程度である。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、被塗装物を塗装器具類により塗装する前に、塗装用器具類の表面に予め処理する。塗装用器具類の表面に浸漬法、噴霧法、シャワー塗布法等によって上記本発明の塗料剥離用水性プライマーを付着させた後、自然乾燥または加熱乾燥(例えば60〜90℃)によって水分を蒸発させることによって塗装用器具類の表面に皮膜を形成させる。
塗装器具類としてはハンガー、治具、スノコ等の塗装用具、塗装装置、塗装ロボットアーム及び塗装ブースの内壁や床部材等を挙げることができる。
塗料剥離用水性プライマー組成物の皮膜の厚さは特に限定はされないが、通常は0.1〜100μm、好ましくは0.1〜50μmである。皮膜の厚さが0.1μmより薄いと剥離効果が得られず、塗料が効果的に完全に除去できない。また、100μm以上では乾燥性の低下や皮膜自体の除去性の悪化、また、塗料剥離用水性プライマー組成物の皮膜の上に塗料が付着堆積した状態で物理的衝撃が加わったときに塗料はがれ(チッピング)が起こることによる不良品の発生が問題となる。なお、塗料は公知の任意の1つまたは複数の塗料であってもよく、そのような塗料は市販されている。
プライマー組成物の被膜を表面に有する塗装用器具類を、各々の目的に応じて塗装工程で使用すると、該プライマー被膜表面上に塗装膜が形成され、該塗装用器具類は塗料剥離剤を含有する溶液で洗浄処理に付される。塗料剥離剤としては、従来から当該分野において使用されている塗料剥離剤から、付着塗料の種類や付着厚および被処理対象物の材質等に応じて適宜選択すればよい。塗料剥離剤としては、例えば水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩を含むアルカリ水溶液、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、フェニルメチルエーテルなどの芳香族エーテル、エタノールアミンなどのアルカノールアミン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、DMF,DMSO、グリコールエーテル、グリコールアセテート、アニソールなどのアルコキシアリール、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウムなどのアリールスルホン酸塩、およびそれらの組み合わせなどが挙げられる。一つの実施形態では、塗料剥離剤は水、芳香族アルコール、およびアリールスルホン酸塩を含む中性塗料剥離剤である。別の実施形態では、塗料剥離剤は水、芳香族アルコール、アリールスルホン酸塩、およびアルカリ金属塩を含むアルカリ性塗料剥離剤である。
塗料剥離剤は、アルカリ性タイプ(pH8超)、中性タイプ(pH6〜8)のいずれでもよい。
剥離剤の使用方法としては浸漬して用い、剥離温度としては、5℃〜100℃、好ましくは50℃〜90℃、さらに好ましくは70℃〜90℃である。
本発明の塗料剥離用水性プライマー組成物は、塗装用器具類に付着した未硬化塗膜一般に対して適用できるものである。
本発明における塗料の剥離方法は、塗料剥離用水溶性プライマー組成物を塗装前に塗装器具類に塗布し、塗料剥離剤を用いて塗装器具類から硬化もしくは硬化前の塗料を除去する塗料の剥離方法である。
以下、本発明を塗料剥離用水性プライマーの製造例および実施例によってさらに説明する。
塗料剥離用水性プライマーの合成方法
製造例1
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽にMn2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学製「PTMG2000」)200部、トリメチロールプロパン3部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPAと略記)20部、イソホロンジイソシアネート80部およびアセトン150部を仕込み、反応槽内を窒素ガスで置換したのち、攪拌下95℃で10時間反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン10部を加えた。水700部を該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、2重量%に水で希釈したエチレンジアミン水溶液180部を加えて50℃で2時間反応をさせた後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液60部加え、減圧下でアセトンおよびトリエチルアミンを留去し、室温まで冷却した後に水を加えて固形分50重量%に調整し、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(1)を得た。
得られたアニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(1)の平均分散粒子径は0.1μmであった。また、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(1)を乾燥させたアニオン性ポリウレタン樹脂の熱軟化点は191℃であった。
製造例2
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽にMn2,000の1,4−ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオールの共重合ポリカーボネートジオール(旭化成(株)製「PCDL T4672」)300部、Mn2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学製「PTMG2000」)10部、DMPA10部、イソホロンジイソシアネート70部およびアセトン200部を仕込み、反応槽内を窒素ガスで置換したのち、攪拌下95℃で10時間反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン5部を加えた。水280部を該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、2重量%に水で希釈したイソホロンジアミン水溶液250部を加えて50℃で2時間反応をさせた後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液30部加え、減圧下でアセトンおよびトリエチルアミンを留去し、室温まで冷却した後に水を加えて固形分40重量%に調整し、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(2)を得た。
得られたアニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(2)の平均分散粒子径は0.2μmであった。また、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(2)を乾燥させたアニオン性ポリウレタン樹脂の熱軟化点は170℃であった。
製造例3
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽にMn400のPPG(三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−400」)20部、Mn950のPPG(三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−950」)30部、ビスフェノールAのEO2モル付加物(三洋化成工業(株)製「ニューポールBPE−20T」)7部、イソホロンジイソシアネート42部およびアセトン100部を仕込み、反応槽内を窒素ガスで置換したのち、攪拌下95℃で10時間反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られた該アセトン溶液を40℃に冷却した。次いで、乳化剤としてポリオキシエチレン(重合度23)ラウリルエーテル20部を水170部に溶解したものを該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、エチレンジアミン3.5部とn-ブチルアミン0.3部を水30部に溶解したものを該アセトン溶液に加えて50℃で2時間反応をさせた後、減圧下でアセトンを留去し、室温まで冷却した後に水を加えて固形分40重量%に調整し、ノニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(3)を得た。
得られたノニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(3)の平均分散粒子径は0.6μmであった。また、ノニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(3)を乾燥させたノニオン性ポリウレタン樹脂の熱軟化点は140℃であった。
製造例4
温度計および攪拌機を備えた密閉反応槽にMn3,000のポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラポールP−3010」)150部、Mn2,000のポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラポールP−2010」)10部、トリメチロールプロパン7部、DMPA35部、イソホロンジイソシアネート130部およびアセトン200部を仕込み、反応槽内を窒素ガスで置換したのち、攪拌下95℃で10時間反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られた該アセトン溶液を40℃に冷却してトリエチルアミン30部を加えた。水600部を該アセトン溶液に加えホモミキサーで1分間攪拌して乳化した後、7重量%に水で希釈したジエタノールアミン水溶液108部を加えて50℃で2時間反応をさせた後、10重量%水酸化ナトリウム水溶液105部加え、減圧下でアセトンおよびトリエチルアミンを留去し、室温まで冷却した後に水を加えて固形分35重量%に調整し、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(4)を得た。
得られたアニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(4)の平均分散粒子径は0.05μmであった。また、アニオン性ポリウレタン樹脂水性分散体(4)を乾燥させたアニオン性ポリウレタン樹脂の熱軟化点は115℃であった。
製造例5
温度計、攪拌機及びSUS製滴下ロートを備えたSUS製オートクレーブに、ラウリルアルコール186.3部及び水酸化カリウム1.6部を仕込み、容器内を十分に窒素置換した後、密閉し、180℃に昇温し、エチレンオキシド5300部を5時間かけて滴下ロートから滴下して反応させた。さらに180℃で1時間熟成した後、25℃に冷却した。温度計、攪拌機、生成水分離器、還流冷却管を備えたガラス製反応器に内容物を移し替え、ハイドロキノンモノメチルエーテル26部、次亜リン酸ナトリウム29部、硫酸54部、及びメタクリル酸1290部を仕込み、攪拌下に、若干量の空気を供給しながら徐々に昇温すると共に減圧にし、エステル化反応により生成する水を40kPaの減圧度で反応系外に留去しつつ、120℃でエステル化反応を行なった。次いで、残存する過剰分のメタクリル酸を更に5kPa以下の減圧度で留去することにより、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(付加モル数120モル)のメタクリレート(a)を得た。
続いて反応容器に、水423部、イソプロピルアルコール228部を仕込み、窒素置換した後、80℃迄昇温し、撹拌下、メタクリル酸ナトリウム17.2部、メタクリレート(a)208.4部を混合したものと、過硫酸ナトリウム5重量%水溶液27.1部を同時に3時間かけて滴下し反応した。さらに同温度で2時間熟成した後、イソプロピルアルコールを蒸留により除き、水酸化ナトリウム48重量%水溶液16.7部で中和した後、固形分30重量%になる量の水を加えて重量平均分子量398,000のポリカルボン酸エステル(6)の水溶液を得た。
剥離性能評価
[実施例1〜8及び比較例1〜4]
実施例、比較例の塗料剥離用水性プライマー組成物は製造例1〜5に記載したポリウレタンにポリカルボン酸エステル、市販のポリカルボン酸(サンノプコ株式会社製;SNシックナー640)、水を加え、試験に用いた。
テストピース法
冷間圧延鋼板(SPCC−SD)の平板テストピース(70mm×50mm×0.8mm)をアセトン脱脂後、#240の紙やすりで研磨し、表1または表2の配合処方によって調製した塗料剥離用水性プライマー組成物に浸漬した。
テストピースを引き上げ、乾燥処理(60℃,60分)することによって表面上に皮膜を形成させた。このテストピースを、自動車部品塗装用塗料(白色塗料OP-30-P 日本ペイント株式会社製)に浸漬、引き上げることより塗料を塗布し、その後、焼付け(140℃,30分)を行った。焼付け塗装後、50℃に加温した水溶性塗料剥離剤に浸漬し、塗料が完全に剥離除去されるまでの時間を測定した。剥離性能評価の結果を表1及び表2に、チクソトロピックインデックス値及び熱軟化点を表3及び表4に、水溶性塗料剥離剤A、Bの組成を表5に示した。
治具法
塗装用治具を表1または表2の配合処方によって調製した塗料剥離用水性プライマー組成物に浸漬した。
塗装用治具を引き上げ、乾燥処理(60℃,60分)することによって表面上に皮膜を形成させた。この塗装用治具に、自動車部品塗装用塗料(白色中塗り塗料)をスプレー塗布し、その後、乾燥(80℃,3分)を行った。さらに、自動車部品塗装用塗料(白色上塗り塗料)をスプレー塗布し、その後、乾燥(80℃,3分)を行った。さらに、自動車部品塗装用塗料(白色クリア塗料)をスプレー塗布し、その後、焼付け(140℃,20分)を行った。焼付け後、80℃に加温した水溶性塗料剥離剤に10分間浸漬し、塗料の剥離性を評価した。剥離性能評価の結果を表1及び表2に、チクソトロピックインデックス値及び熱軟化点を表3及び表4に、水溶性塗料剥離剤A、Bの組成を表5に示した。
表1より、本発明のプライマー組成物を用いれば、一般的には剥離しにくい中性の剥離剤を用いても塗料もしくは塗膜の剥離時間が短く、十分な剥離性能を有することが分かる。
Figure 0006693720
Figure 0006693720
Figure 0006693720
Figure 0006693720
Figure 0006693720

Claims (5)

  1. アニオン性および/またはノニオン性ポリウレタン樹脂(A)とポリカルボン酸エステル(B)と水とを含有してなり、(25℃における回転数6rpmの粘度)/(25℃における回転数60rpmの粘度)で表されるチクソトロピックインデックス(TI値)が1.25〜2.00である塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
  2. 該(A)の熱軟化点が140℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
  3. 該(A)がカルボキシル基を有する請求項1又は2に記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
  4. 該(A)の含有量が1〜50重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の塗料剥離用水溶性プライマー組成物を塗装前に塗装器具類に塗布し、塗料剥離剤を用いて塗装器具類から硬化もしくは硬化前の塗料を除去する塗料の剥離方法。
JP2015195294A 2015-09-30 2015-09-30 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法 Expired - Fee Related JP6693720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195294A JP6693720B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015195294A JP6693720B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017066309A JP2017066309A (ja) 2017-04-06
JP6693720B2 true JP6693720B2 (ja) 2020-05-13

Family

ID=58491648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015195294A Expired - Fee Related JP6693720B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6693720B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6928766B2 (ja) * 2019-11-25 2021-09-01 東洋インキScホールディングス株式会社 包装材、包装容器及びリサイクル基材製造方法
JP6928767B2 (ja) * 2019-12-06 2021-09-01 東洋インキScホールディングス株式会社 包装材、及びリサイクル基材製造方法
JP7327702B2 (ja) * 2021-07-07 2023-08-16 Dic株式会社 脱離可能な皮膜形成用組成物
JP7364109B2 (ja) * 2021-07-07 2023-10-18 Dic株式会社 脱離可能な皮膜形成用組成物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5422441A (en) * 1977-07-22 1979-02-20 Mitsui Nisso Urethane Stripping method of resin coating film
JPS63209771A (ja) * 1987-02-25 1988-08-31 Kaken Kogyo Kk 塗料剥離用組成物及び塗料剥離方法
JP3121085B2 (ja) * 1991-12-18 2000-12-25 電気化学工業株式会社 易剥離性塗料組成物
DE19653585A1 (de) * 1996-12-20 1998-06-25 Bayer Ag Colöserfreie, wäßrige, anionische Polyurethandispersionen, ein Verfahren zu ihrer Herstellung und Verwendung
DE19916062A1 (de) * 1999-04-09 2000-10-12 Bayer Ag Mit einem Flächendekor versehener Trägerflächenabschnitt
DE19943933A1 (de) * 1999-07-30 2001-02-01 Bayer Ag Lichtechte Beschichtungsmittel
JP2012092311A (ja) * 2010-09-28 2012-05-17 Dic Corp プライマーコート剤及び積層体
JPWO2014199527A1 (ja) * 2013-06-10 2017-02-23 株式会社ネオス 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017066309A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6693720B2 (ja) 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法
CN101240058B (zh) 基于多异氰酸酯的可紫外硬化的分散体
TWI403615B (zh) 表面處理之金屬板
CN1930257A (zh) 水性单组分涂布剂用聚氨酯乳液的制造方法
KR101452051B1 (ko) 내식성 및 도전성이 우수한 표면처리 금속판
KR100455221B1 (ko) 성형 가공에 적합한 알칼리 가용성 윤활 피막의 형성가능한 코팅 조성물 및 이들의 용도
WO2015191351A1 (en) Coating compositions with an aqueous dispersion containing a polyurethane and an acid-reactive crosslinking agent
CN103113531A (zh) 一种具有可再乳化性的水性聚氨酯丙烯酸酯乳液及其制备方法
WO2022009834A1 (ja) ポリウレタンウレア樹脂並びにこれを用いたエラストマー組成物、ポリウレタンウレア樹脂溶液、ポリウレタンウレア樹脂水性分散体、塗料、インキ、コーティング剤及び接着剤
JP4976085B2 (ja) 水性樹脂組成物及びこれを含む水性塗料組成物
JP5290504B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2000102765A (ja) 潤滑表面処理用塗料組成物
JPWO2015033939A1 (ja) 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用
JP2004224825A (ja) 水性層間プライマー、無機質仕上げウレタン系防水工法及びウレタン系防水積層体
JP2008297463A (ja) 鋼材コーティング用水性分散体及び樹脂コーティングされた鋼材
JP2004359866A (ja) 水性ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を含有する接着剤
JP2006257141A (ja) 二液硬化型水性被覆組成物及び塗膜形成方法
JP4389067B2 (ja) 水分散型防錆塗料用組成物
JPWO2014199527A1 (ja) 塗料剥離用水性プライマー組成物および塗料剥離方法
JP6399336B2 (ja) 水性プライマー組成物
JP6342924B2 (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体
JP2003147258A (ja) 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品
JP2011026466A (ja) シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット、およびこれを用いるシーリング材
JPH03143912A (ja) 水性焼付け塗料組成物
JP7261463B2 (ja) 床材用接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151022

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180910

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180910

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6693720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees