JP2003147258A - 水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品 - Google Patents

水系汚染除去性コーティング剤および汚染除去性を有する物品

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JP2003147258A JP2001351389A JP2001351389A JP2003147258A JP 2003147258 A JP2003147258 A JP 2003147258A JP 2001351389 A JP2001351389 A JP 2001351389A JP 2001351389 A JP2001351389 A JP 2001351389A JP 2003147258 A JP2003147258 A JP 2003147258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工性に優れた、水系タイプであり、壁紙等
の基材に塗布することにより、それに付着した種々の汚
染物質の除去を容易とする汚染除去用処理剤を提供する
こと。 【解決手段】 基材表面に塗布して被膜を形成させるコ
ーティング剤Aと、上記の被膜上に塗布するコーティン
グ剤Bとの組合わせからなり、コーティング剤Aは水系
媒体に(1)ポリビニルアルコール、(2)皮膜形成能
を有する親油性ポリマー、及び(3)シリコン変性アク
リル系ポリマーを溶解及び分散させたものであり、コー
ティング剤Bは水系媒体に(a)アクリル酸エステル系
ポリマー、(b)無機充填剤、(c)ワックス及び
(d)シリコンオイルを分散させてなるものであること
を特徴とする水系汚染除去性コーティング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内あるいは屋外
において汚染環境に曝される壁材等の物品の表面に塗布
することにより、物品表面に付着した汚れを容易に除去
することができる水系の汚れ除去用コーティング剤に関
し、さらに詳しくは塩化ビニル系樹脂発泡壁紙や非塩化
ビニル系樹脂発泡壁紙等の表面に塗布することによっ
て、これらの物品に付着した水性および油性の汚れの除
去を容易とするための、揮発性有機溶剤を全く含有しな
い完全水系の汚染除去性コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡壁紙等の壁材に付着したそれ
ぞれ性質が異なる水性汚れと油性汚れのどちらかの汚れ
をより綺麗に落とそうとすると、もう一方の汚れが落ち
にくくなることがあった。例えば、壁材に手あか、石油
・ガスストーブからの煤やたばこのヤニのような汚れが
付着すると、洗剤などを浸した布で拭き取るのが一般的
である。しかしながら、口紅、クレヨン等の油性の汚れ
やカレー、醤油等の染料系の汚れは、力を入れて拭き取
っても落ちにくい汚れであり、結果的には、壁材の表面
をかえって汚くしてしまう。また、繰り返しの汚れは、
拭き取りでは綺麗に落とすことは極めて困難である。
【0003】上記の如き事情から、様々な種類の汚染除
去用の処理剤が提供されているが、そのほとんどが有機
溶剤系であるため、現場での塗工に際して、揮発溶剤の
蒸発による環境汚染や作業者の蒸気吸入という問題が起
こっており、完全水系での汚れ除去を容易にする処理剤
が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、塗工性に優
れた水系タイプであり、壁紙等の物品に塗布することに
より、それに付着した種々の汚染物質を容易かつ綺麗に
除去することができる汚染除去用処理剤を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の課題は以
下の本発明により達成される。即ち、本発明は、物品表
面に塗布して皮膜を形成させるコーティング剤Aと、そ
の塗布によって形成される皮膜上に塗布するコーティン
グ剤Bとの組み合わせからなり、コーティング剤Aは水
系媒体に(1)ポリビニルアルコール、(2)皮膜形成
能を有する親油性ポリマー、および(3)シリコン変性
アクリル系ポリマーを溶解および分散させてなり、コー
ティング剤Bは水系媒体に(a)アクリル酸エステル系
ポリマー、(b)無機充填剤、(c)ワックス、および
(d)シリコンオイルを分散させてなるものであること
を特徴とする水系汚染除去性コーティング剤及び汚染除
去性コーティング表面を有する物品である。
【0006】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
詳細に説明する。本発明の水系の汚染除去性コーティン
グ剤は、親水性のポリビニルアルコール、皮膜形成能を
有する親油性ポリマーおよびシリコン変性アクリル系ポ
リマーを水系媒体に、ポリビニルアルコールは溶解さ
せ、他のポリマーは分散させてなる、物品表面に塗布し
て皮膜を形成させるアンダーコーティング剤としてのコ
ーティング剤Aと、上記皮膜上に塗布して撥水層を形成
させる、アクリル酸エステル系ポリマー、無機充填剤、
ワックスおよびシリコンオイルを水系媒体に分散させて
なるトップコーティング剤としてのコーティング剤Bと
の組み合わせからなるものである。水系媒体としては、
特に水が好ましいが、水と水に可溶性の溶媒、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール等の1種以上との
混合溶媒も使用可能である。これらのコーティング剤を
壁紙等の物品の製造時に、あるいは製造後に物品に塗布
してその表面に皮膜を形成させることにより、物品に撥
水性を付与するとともに水性及び油性の汚れが付着して
も拭き取り等でこれらの汚れを容易に、且つ綺麗に除去
することができる。
【0007】以下に本発明の汚染除去性コーティング剤
(以下では単にコーティング剤と称することがある。)
の構成成分について説明する。 [ コーティング剤A]ポリビニルアルコールは、コーテ
ィング剤Aの塗布により形成された皮膜に親水性を付与
する成分であり、数平均分子量が40,000以上、好
ましくは50,000〜100,000、ケン化度が7
5モル%以上、好ましくは85〜100モル%のもので
ある。分子量が小さすぎると耐水性が悪くなり、ケン化
度が小さすぎると親水性が悪くなる。また、ポリビニル
アルコールとして、カチオン化ポバール、アセト酢酸化
ポバールやカルボキシル基含有ポバール等のポリビニル
アルコールの変性物を使用することもできる。ポリビニ
ルアルコールは水系媒体に溶解して使用される。
【0008】皮膜形成能を有する親油性ポリマーとして
は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸
エステル系ポリマーやビニルエステル系ポリマー等が好
ましいポリマーとして挙げられる。これらは1種または
2種以上を組み合わせて使用することができる。これら
のポリマーは水性分散体(エマルジョン)として使用さ
れる。
【0009】ポリエステルは、従来公知の酸成分とアル
コール成分との重縮合反応によって得られ、これらの成
分は特に限定されるものではないが、水性分散体として
使用されることから自己乳化性のポリエステルが好まし
い。酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ジメチルイソフタル酸、フタル酸、4,4′−ビ
フェニルジカルボン酸、3,3′−メチレン二安息香
酸、4,4′−メチレン二安息香酸、4,4′−オキシ
二安息香酸、4,4′−チオ二安息香酸、4,4′−カ
ルボニル二安息香酸、4,4′−スルホニル二安息香
酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二
酸、グルタル酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカ
ルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,
20−エイコサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン
酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、グルタ
コン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハ
イドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−
α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸等
の脂肪族ジカルボン酸等およびそれらの低級アルコール
エステル等が挙げられる。これらは1種または2種以上
を組み合わせて使用される。
【0010】また、アルコール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族ジオコール;ビスヒドロキシメチルシクロ
ヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環
族ジオール;キシリレングリコール等の芳香族ジオー
ル;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,1,1−トリ
メチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパ
ン等の脂肪族三価アルコール、トリス−(2ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレート等の環状三価アルコール等の
多価アルコールが挙げられる。これらは1種または2種
以上を組み合わせて使用される。
【0011】また、得られたポリエステルを自己乳化性
とするために、トリメリット酸、トリメリット酸無水
物、ピロメリット酸二無水物、ナフタリンテトラカルボ
ン酸二無水物、ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの
多価カルボン酸またはその無水物を前記の酸成分と共縮
合させ、残存する遊離のカルボン酸基を、必要により、
従来公知の塩基性物質、例えば、アンモニア、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチ
ルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノ
ール等のアミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリ物質によって中和
し、自己乳化可能とする。また、例えば、スルホイソフ
タル酸アルカリ金属塩およびその低級アルコールエステ
ル化物等のスルホン酸基が置換した酸やアルコール成分
を共縮合させ、上記同様にして自己乳化性を付与するこ
ともできる。
【0012】ポリエステルの重縮合触媒としては、従来
公知のものが使用され、特に制限されないが、例えば、
硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸化合物、テトライ
ソプロピルチタネート、ジブチルスズオキシド等の金属
化合物が、酸成分の重量に対して、通常、0.001〜
1%程度の範囲で使用される。また重縮合反応は、従来
公知の方法によって行なわれ、常圧または減圧下、15
0〜260℃で脱水または脱アルコール縮合で得られ
る。上記の成分を用いて得られる自己乳化性のポリエス
テルは、それを水に加え、中和または加熱によって水性
分散体とすることができる。
【0013】ポリウレタンは従来公知のポリイソシアネ
ート化合物、ポリオール、必要により鎖延長剤を用いて
得ることができ、これらの成分は特に限定されないが、
得られるポリウレタンが自己乳化性となる成分であるこ
とが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、例
えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メ
チレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジ
イソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート;4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(I
PDI)、水添トリレンジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシク
ロヘキシル−4,4′−ジイソシアネート等の脂環式ジ
イソシアネート;2,4−もしくは2,6−トリレンジ
イソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス
(4−フェニルイソシアネート)チオホスフェート、ト
リジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネ
ート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジフェニ
ルスルホンジイソシアネート等が、またMDI、TD
I、HDI、XDI、IPDI等を2価または3価の多
価アルコールと反応させたアダクト体、HDIやIPD
I等のビュレット体、TDI等のウレチジオン体、TD
I、HDIやIPDI等のイソシアヌレート体、カルボ
ジイミド体などが挙げられる。これらは1種または2種
以上を組み合わせて使用される。
【0014】ポリオールとしては、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステル
ポリオールおよびその他のポリオールが使用される。ポ
リエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素含有
基を2個以上有する化合物(例えば、低分子ポリオール
やグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、あるいは、シュークローズ、
グルコース、フラクトース等のシュガー系アルコール
類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエン
ジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタン
ジアミン、キシリレンジアミン等)を開始剤として、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイド、アミレンオキサイ
ド、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグ
リシジルエーテル、テトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルモノマーの1種以上を公知の方法により付加重合させ
て得られる、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプ
ロピレンエーテルグリコール、ポリエチレンプロピレン
エーテルグリコール、ポリエチレンエーテル・ポリプロ
ピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール
等が挙げられる。
【0015】ポリエステルポリオールとしては、縮合系
ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールは、多塩基酸と多価アル
コールを縮重合させて得られるものである。多塩基酸と
しては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、酒石酸、シュウ
酸、マロン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン
酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン
酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α
−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサ
クシン酸等の二塩基酸またはそれらの無水物が挙げられ
る。これらは1種または2種以上を組合せて使用され
る。
【0016】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパ
ンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール
などの脂肪族ジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族
ジオール、キシリレングリコール等の芳香族ジオール、
1〜C18のアルキルジエタノールアミン等のアルキル
ジアルカノールアミン等のジオール類等が挙げられる。
これらは1種または2種以上を組合せて使用される。縮
合系ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエ
チレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキ
サメチレンアジペート等が挙げられる。
【0017】ラクトン系ポリエステルポリオールは、前
記ジオール類などを開始剤としてラクトンを開環重合さ
せて得られるポリラクトンジオール、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリメチルバレロラクトンジオールなどが
挙げられる。ポリエーテルエステルポリオールは、エー
テル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸またはそれらの無水物とを反応させ
るか、またはポリエステルグリコールにアルキレンオキ
シドを反応させることによって得られるもので、例え
ば、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等
が挙げられる。エーテル基含有ジオールは、前記の1種
または2種以上を組み合わせて使用される。上記以外の
ポリオールとしては、例えば、ポリアクリルポリオー
ル、ポリオレフィンポリオール、ポリブタジエンポリオ
ール、油脂変性ポリオール等が挙げられる。上記のポリ
オールは、いずれも1種または2種以上を組合せて使用
される。
【0018】ポリウレタンを製造するに際しては、得ら
れるポリウレタンに自己乳化性を付与するために、例え
ば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)乳酸、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)吉草酸、2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブ
タン酸等のカルボン酸含有ジオールを共重合させ、次い
で、必要により、そのカルボン酸を前記の塩基性物質で
中和して自己乳化性とすることができる。また、他の方
法としては、上記のカルボン酸含有ジオールを使用せず
に末端イソシアネートウレタンプレポリマーを合成し、
鎖延長剤として上記のカルボン酸含有ジオールあるいは
2−カルボキシ−1,4−フェニレンジアミン等のカル
ボン酸含有ジアミンを用いて鎖延長させる方法が挙げら
れるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0019】ポリウレタン製造後、必要により、ポリウ
レタンの末端停止剤を使用することもできる。末端停止
剤としては、例えば、モノアルコールやモノアミン等の
単官能性の化合物ばかりでなく、イソシアネートに対し
て異なる反応性をもつ2種の官能基を有するような化合
物が挙げられる。例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール等のモノアルコール;
モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等
のモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン等のアルカノールアミン等も使用可能である。なか
でもアルカノールアミン類が反応制御しやすいという点
で好ましい。
【0020】上記以外のフィルム形成能を有する親油性
ポリマーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニ
ル−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−エチレンコポ
リマー等のビニルエステル系ポリマーが挙げられる。こ
れらも乳化重合等によって水性分散体として使用され
る。
【0021】シリコン変性アクリル系ポリマーは、ビニ
ル基やメタクリロキシ基を有するシランカップリング剤
(例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン等)やメタクリロキシ
基を有するポリシロキサン(例えば、両末端に該基を有
するジメチルポリシロキサン(分子量1,000〜1
0,000程度)等、片末端に該基を有するジメチルポ
リシロキサン(分子量1,000〜10,000程度)
等と(メタ)アクリル酸系モノマー(例えば、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等)の少
なくとも1種とのコポリマー等が挙げられる。このポリ
マーも水性分散体として使用することが好ましい。シリ
コン変性アクリル系ポリマー水性分散体は、例えば、高
圧ガス化学工業(株)製のペガールLH−5300、中
央理化工業(株)製のリカボンド ET−19N、日本
触媒(株)製のユーダブルE−721等の多くの市販品
があり、いずれも使用できる。好ましいのは最低造膜温
度(MFT)が0℃以上のものである。
【0022】コーティング剤Aは、上記のポリマー成分
を水系媒体に、ポリビニルアルコールは溶解、その他の
ポリマー成分は分散させたものであり、コーティング剤
A中の各ポリマーの含有割合は以下の通りである。 (1)ポリビニルアルコールの好ましい含有割合は、
0.1〜15重量%、さらに好ましくは、1.5〜5重
量%である。少なすぎると生成皮膜に充分な親水性を付
与することができず、多すぎると皮膜の親水性が強すぎ
て耐水性が悪くなってしまう。 (2)皮膜形成可能な親油性ポリマーの好ましい含有割
合は、3〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量
%である。該ポリマーの使用は、ポリビニルアルコール
だけの皮膜では耐水性、密着性、耐引っ掻き性に劣るこ
とから、これらの性能を向上させるためである。また、
この皮膜形成能を有する親油性ポリマーとポリビニルア
ルコールの重量比が、皮膜に親水性を付与し、且つ耐水
性、基材との密着性を付与するために重要であり、ポリ
ビニルアルコール/皮膜形成能を有する親油性ポリマー
の重量比は1/0.1〜1/100が好ましく、さらに
好ましくは1/0.5〜1/10である。
【0023】(3)シリコン変性アクリレート系ポリマ
ーの好ましい含有割合は、3〜25重量%、さらに好ま
しくは5〜15重量%である。このポリマーの使用は、
そのシリコン部分が集合して皮膜中に海島構造(ドメイ
ン)を形成し、汚染除去性を付与するものと考えられ
る。少なすぎると汚染除去性が不十分となり、多すぎる
と使 用量を増やしても汚染除去性は変わらず、不経済
である。尚、コーティング剤Aには、上記ポリマー以外
に、必要に応じ添加可能な各種添加剤、例えば、防腐
剤、消泡剤、抑泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止
剤、増粘剤等を本発明の効果に影響しない範囲で適宜配
合することができる。
【0024】コーティング剤Aは、水に上記の各ポリマ
ー成分を溶解および分散させることで製造されるが、例
えば、ポリビニルアルコールは、それを水系媒体に溶解
した溶液を用い、皮膜形成能を有する親油性ポリマーお
よびシリコン変性アクリレート系ポリマーはそれぞれ水
性分散体として用い、これらを攪拌して均一に混合する
ことで調製することができるが、調製方法は特に限定さ
れない。コーティング剤Aの固形分は、通常10〜20
重量%程度に調整される。
【0025】[ コーティング剤B]次にコーティング剤
Bの各成分について説明する。アクリル酸エステル系ポ
リマーは、最低造膜温度が20℃以上のものが好まし
く、ポリマー構成単量体中にアクリル酸エステルおよび
メタクリル酸エステルの少なくとも1種が含まれるポリ
マーである。例えば、異なるアクリル酸エステル同士の
共重合体、アクリル酸エステルの少なくとも1種とメタ
クリル酸エステルの少なくとも1種との共重合体、アク
リル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル、
およびこれらと共重合可能なモノマーの少なくとも1種
との共重合体等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エス
テルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル等が挙げられる。こ
れらと共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリ
ル、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン等
が挙げられる。アクリル酸エステル系ポリマーは1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】無機充填剤としては、水酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素、クレー、タルク等
を使用することが可能である。本発明においては、艶消
しと塗膜の摩擦強度の点から水酸化アルミニウムの使用
が好ましい。
【0027】ワックスとしては、例えば、ポリエチレン
ワックス、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族エステル等の
従来公知のワックスがいずれも使用でき、特に限定され
ない。例えば、ポリエチレンワックスとしては、低分子
量低密度ポリエチレン、高分子量のポリエチレンを熱分
解させて低分子量とした分子量が1,500〜5,00
0程度のものが、脂肪酸としては、ステアリン酸、パル
ミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、ア
ラキジン酸、リグノセリン酸等の炭素数が15〜32程
度の脂肪酸が、脂肪酸アミドはステアロアミド、オレア
ミド、エチレンビスステアロアミド等の炭素数が12〜
18程度の脂肪酸のアミドが、脂肪族エステルとして
は、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、オレイ
ン酸ジイソプロピル等が挙げられる。これらのワックス
は1種または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0028】シリコンオイルは、従来公知のシリコンオ
イルがいずれも使用でき、特に制限されない。例えば、
ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコンオイル等のストレー
トシリコンオイル;ポリエーテル変性シリコン、エポキ
シ変性シリコン、アミノ変性シリコン、カルボキシ変性
シリコン等の変性シリコンオイル等が挙げられる。シリ
コンオイルは市販品が多数あり、いずれも使用できる。
シリコンオイルは1種または2種以上を組み合わせて使
用することができる。好ましいのは下記の一般式(1)
で表わされるストレートシリコンオイルである。 (式中、Rは、同一でも異なってもよい炭素数1〜5の
アルキル基を示し、nは10〜1000程度の整数であ
る。)
【0029】コーティング剤Bは、上記の成分を水系媒
体に分散させたものであり、コーティング剤B中の各成
分の含有割合は以下の通りである。 (a)アクリル酸エステル系ポリマーの好ましい含有割
合は、5〜50重量%、さらに好ましくは、15〜25
重量%である。少なすぎると皮膜が形成されにくく、多
すぎると疎水性が大きくなり、親水性の汚れに対しては
強くなると考えられるが、親油性の汚れに対しては好ま
しくない。 (b)無機充填剤の好ましい含有割合は、0.1〜35
重量%であり、さらに好ましくは10〜25重量%であ
る。無機充填剤は、皮膜を艶消しにしたり、皮膜の摩擦
強度を向上させたりするために使用される。
【0030】(c)ワックスの好ましい含有割合は、
0.1〜20重量%、さらに好ましくは、1〜10重量
%である。少なすぎると汚染物の除去性が不充分であ
り、多すぎるとブリードを起こし、表面にべたつきが生
じ、外観不良となる。 (d)シリコンオイルの好ましい含有割合は、0.1〜
20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。
シリコンオイルは物品に撥水性と汚染除去性を付与する
が、少なすぎると撥水性および汚染除去性が不充分とな
り、多すぎると撥水性および汚染除去性は飽和状態とな
り、不経済的である。尚、コーティング剤Bには、上記
成分以外に、必要に応じ添加可能な各種添加剤、例え
ば、防腐剤、消泡剤、抑泡剤、レベリング剤、分散剤、
沈降防止剤、増粘剤等を本発明の効果に影響しない範囲
で適宜配合することができる。
【0031】コーティング剤Bは、水系媒体、特に好ま
しくは水に上記の各成分を分散させることで製造される
が、例えば、アクリル酸エステル系ポリマーは水性分散
体(エマルジョン)として用い、これに、無機充填剤を
直接あるいは分散剤等を用いて水に分散させた分散液と
して加え、ワックスは乳化液(溶媒は水)に加えてエマ
ルジョンとして、シリコンオイルはそのままあるいは乳
化液(溶媒は水)に加えてエマルジョンとしたものを加
え、均一に混合することで調製することができるが、調
製方法は特に限定されない。コーティング剤Bは、通常
30〜40重量%程度に固形分が調整される。コーティ
ング剤Bの好ましい使用形態は水性分散体(エマルジョ
ン)である。
【0032】本発明の汚染除去性コーティング剤は、上
記のコーティング剤Aとコーティング剤Bとを組み合わ
せて使用される。先ずコーティング剤Aをアンダーコー
ティング剤として物品表面に塗布および乾燥して皮膜を
形成させ、次いでこの皮膜にコーティング剤Bをトップ
コーティング剤として塗布および乾燥して皮膜を形成さ
せる。その結果、物品に撥水性及び水性・油性の汚れが
付着した場合には、拭き取り等でこれらの汚れを容易
に、且つ綺麗に除去できる汚染除去性が付与される。
【0033】本発明においては上記コーティング剤A及
びBのいずれか一方だけを使用した場合、コーティング
剤A、Bの塗布の順序を逆にした場合、各コーティング
剤中の上記成分のいずれか一つが欠けた場合には、物品
に汚染除去性を付与するという本発明の目的の達成は困
難となる。
【0034】本発明のコーティング剤を塗布する対象の
物品は、壁紙、壁板、天井板、床板等の内装材、屋根
板、屋根瓦、外壁等の外装材等が挙げられるが、特に限
定されない。コーティング剤A、Bの基材への塗布方法
は特に限定されるものではなく、グラビア印刷、ロータ
リースクリーン、エアーナイフコーター、スプレー塗
布、ローラー塗布等の従来公知の塗布方法を用いること
ができる。
【0035】本発明のコーティング剤A、Bを塗布する
際、その対象の物品が、例えば、発泡壁紙である場合、
発泡層が発泡する(体積膨張する)前後を問わずいずれ
の段階でも塗布することができ、また、エンボス加工が
施される場合においても、その加工前後いずれの段階で
も塗布することができる。また、その他の物品では塗装
等の仕上げが施されたその表面に塗布される。これらの
基材へのコーティング剤AおよびBの塗布量は、特に制
限されないが、通常、ウエット基準で1〜300g/m
2、好ましくは3〜50g/m2程度である。各コーティ
ング剤を塗布した後、予備的な乾燥工程を経るか、ある
いは経ることなく直接加熱処理を施すことによって、本
発明のコーティング剤により優れた汚染除去性を有する
壁紙等の物品が得られる。
【0036】本発明のコーティング剤AおよびBは、い
ずれもウエット基準で6g/m2以上の塗布量で物品に
塗布することにより、最も良好に本発明の効果を発揮す
ることができる。このような塗布量になるようにコーテ
ィング剤を塗布することで、汚染物質の付着があっても
洗浄や拭き取りにより、汚染物質を残存させずに容易
に、かつ綺麗に除去することができる。従来の汚染除去
用処理剤では、水性・油性の汚れのどちらか一方の汚れ
が残ることがあったが、本発明においては、コーティン
グ剤A及びBを使用することで、水性・油性の汚れを水
や一般の洗浄剤で拭き取ることでいずれも除去すること
ができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。尚、以下の文中の部および%は特に
断りのない限り重量基準であり、NVは固形分を示す。
【0038】実施例1 (1)ポリエステルエマルジョンの調製 攪拌機、逆流コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下
装置を取り付けた重合反応装置にイソフタル酸ジメチル
698部、スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩1
18.4部、ネオペンチルグリコール208部、エチレ
ングリコール124部および触媒としてジブチルスズオ
キシドを1部仕込み、徐々に加熱し、230℃で6時
間、脱メタノール反応を行なった。ついで、真空ポンプ
を取り付け、10mmHg(1.3×103Pa)で1
時間、ついで0.5mmHg(66.7Pa)で1時間
重合反応を行い、自己乳化性ポリエステルを得た。これ
を取り出し、冷却し固化させた。これの数平均分子量
(GPCで測定し、標準ポリスチレン換算の)は13,
500であった。ついで、上記と同様の装置に、上記の
ポリエステルを200部、水を600部添加し、80度
に加熱し、自己乳化させてポリエステルエマルジョンを
得た。
【0039】(2)コーティング剤Aの調製 ポリビニルアルコール(数平均分子量10万、ケン化度
85モル%;NV=15%)14部、皮膜形成能を有す
る(1)で調製したポリエステルエマルジョン(NV=
25%)28部、アクリル酸エステル−シリコン共重合
エマルジョン(高圧ガス化学工業(株)製ペガール L
H−5300;MFT=55℃;NV=50%)15
部、および添加剤(防腐剤、消泡剤、レベリング剤、抑
泡剤)合計0.6部を配合・攪拌し、水を加えて固形分
17.5%のコーティング剤Aを作製した。
【0040】(3)コーティング剤Bの調整 アクリル酸エステル系ポリマーエマルジョン(メタクリ
ル酸メチル−アクリル酸エチルコポリマー;MFT=2
8℃;NV=40%)40部、無機充填剤(水酸化アル
ミニウム)15部、ワックス(ポリエチレンワックス:
明成化学工業(株)製ペトロックスP−200)5部、
シリコンオイル(前記一般式(1)のRがメチル基:信
越化学工業(株)製シリコーンオイルKF−96 )5
部、添加剤(防腐剤、消泡剤、レベリング剤、抑泡剤)
合計0.6部を配合・攪拌し、水を加えて 固形分3
3.5%のコーティング剤Bを作製した。
【0041】(4)壁紙へのコーティング 基紙上にオレフィン系樹脂と発泡剤を主成分とする発泡
層およびインキによる図柄層が設けられた非塩化ビニル
系樹脂発泡壁紙製造用原紙表面に、上記のコーティング
剤Aをウエット基準で6g/m2の塗布量となるように
グラビアロールで塗布し、130℃で2分乾燥させた
後、同様にしてコーティング剤Bを塗布および乾燥させ
た。次いで発泡層を220℃×45秒の条件で加熱して
発泡させた後、エンボス加工を施すことにより試験用壁
紙を得た。
【0042】比較例1 コーティング剤A、Bを塗布しないことを除き、他は全
て実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
【0043】比較例2 コーティング剤Bを塗布しないことを除き、他は全て実
施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
【0044】比較例3 コーティング剤Aを塗布しないことを除き、他は全て実
施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
【0045】[ 汚染除去性の評価(1)]表1に示す汚
染物質を上記の各発泡壁紙のそれぞれに付着させ、1日
風乾後、水、または家庭用液体洗剤を浸した布で拭き取
り、壁紙の表面状態を目視で観察して汚れ除去性を評価
した。評価結果を表1に示す。 評価結果 ○:拭き取りにより簡単に汚れが落ちる △:きつく拭き取ることにより汚れが落ちる ×:拭き取りを行っても汚れが落ちない
【0046】
【0047】本発明のコーティング剤を塗布した実施例
1の壁紙は、水拭きで汚染物質を綺麗に拭き取ることが
できた。コーティング剤を塗布しない比較例1の壁紙お
よび本発明のコーティング剤A、Bのいずれか1方のみ
を塗布した比較例2、3の壁紙は、いずれも実施例1の
壁紙に比べて、汚染除去性は劣っている。特に、比較例
2の壁紙は水性汚れに対して、比較例3の壁紙は油性汚
れに対して、汚染除去性が劣っていた。コーティング剤
を塗布した、実施例1、比較例2および3の壁紙は拭き
取りによるコーティング剤の脱落は見られなかった。
【0048】[ 汚染除去性の評価(2)]実施例1で壁
紙の汚れを拭き取った後、同様の汚染材料を再度付着さ
せ、1日風乾後、水または洗剤を浸した布で拭き取り試
験を行なった。同様の操作を3回繰り返した(繰り返し
試験)。
【0049】汚染−拭き取りのサイクルを3回繰り返し
ても汚染除去性は低下することなく、汚染物質を綺麗に
拭き取ることができた。また、壁紙表面に塗布したコー
ティング剤の脱落も見られなかった。
【0050】
【発明の効果】以上の本発明によれば、壁紙等の物品に
塗布して皮膜を形成することにより、それに付着した水
性および油性の汚れがいずれも拭き取り等で容易かつ綺
麗に除去することができる汚染除去性を物品に付与する
汚染除去性コーティング剤が提供される。さらに、この
コーティング剤の塗布により物品には、撥水性、表面艶
消し性、耐水性、耐溶剤性、耐摩擦性等の特性も付与さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 191/06 C09D 191/06 201/00 201/00 (72)発明者 石水 俊雄 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 嶋中 博之 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA212 CE021 CG121 CG141 CJ181 CJ291 DD061 DD081 DG111 DG131 DG271 DG281 DL032 HA186 HA446 HA526 HA536 KA08 MA08 MA10 NA05 PA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品表面に塗布して皮膜を形成させるコ
    ーティング剤Aと、その塗布によって形成される皮膜上
    に塗布するコーティング剤Bとの組み合わせからなり、
    コーティング剤Aは水系媒体に(1)ポリビニルアルコ
    ール、(2)皮膜形成能を有する親油性ポリマー、およ
    び(3)シリコン変性アクリル系ポリマーを溶解および
    分散させてなり、コーティング剤Bは水系媒体に(a)
    アクリル酸エステル系ポリマー、(b)無機充填剤、
    (c)ワックスおよび(d)シリコンオイルを分散させ
    てなるものであることを特徴とする水系汚染除去性コー
    ティング剤。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、数平均分子量
    が40,000以上、且つケン化度が75モル%以上で
    ある請求項1に記載の水系汚染除去性コーティング剤。
  3. 【請求項3】 皮膜形成能を有する親油性ポリマーが、
    ポリエステル、ポリウレタン、アクリル酸エステル系ポ
    リマーおよびビニルエステル系ポリマーから選ばれる少
    なくとも1種である請求項1または2に記載の水系汚染
    除去性コーティング剤。
  4. 【請求項4】 アクリル酸エステル系ポリマーが最低造
    膜温度が20℃以上である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の水系汚染除去性コーティング剤。
  5. 【請求項5】 アクリル酸エステル系ポリマーが、(メ
    タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
    (メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸イ
    ソブチルから選択される少なくとも1種の単量体を含む
    ポリマーである請求項4に記載の水系汚染除去性コーテ
    ィング剤。
  6. 【請求項6】 無機充填剤が、水酸化アルミニウム、炭
    酸カルシウム、二酸化ケイ素、クレーおよびタルクから
    選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の水系汚染除去性コーティング剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の水
    系汚染除去性コーティング剤による皮膜が、その表面に
    形成されていることを特徴とする汚染除去性を有する物
    品。
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