JP6676199B1 - スペーサー及びスペーサーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特殊な刃物を使用することなく容易に加工することができ、短時間かつ低コストで作製することができるスペーサー及びスペーサーの製造方法を提供する。【解決手段】スペーサーは、本体部と、本体部と同軸に一体形成された雄ネジ部とを備えている。雄ネジ部は、本体部の軸方向の端面の位置で終端する逃げ溝を有している。本体部は、逃げ溝と非連続で形成されかつ本体部内に凹状に食い込んだ円環状の溝を有している。円環状の溝の内径が、逃げ溝の外径より大きく設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、2つの部品、例えば基板等の平板、を間隔を空けて結合するためのスペーサー及びそのスペーサーの製造方法に関する。
スペーサーは、機械や器具等の部品間に挟んで、間隔の調整を行う、かさ上げを行う、プリント基板等の平板を他の部材から浮かせる等、様々な用途で使用されている。基板等の平板にねじ込みにより取付けを行う従来のスペーサーとしては、本体部と本体部の先端に設けられた雄ネジ部とを備え、この雄ネジ部を平板に穿設した雌ネジ孔に直接ねじ込んで固定する方式のスペーサーが一般的である。
しかしながら、この方式のスペーサーは、平板に雌ネジ孔を穿孔する時にバリが発生し、このバリが雌ネジ孔の孔端の取付け面に突出することにより、平板とスペーサーの本体部の先端との間にバリがかみ込まれて本体部の先端面が浮き上がることにより、スペーサーを安定させた状態で取付けることができなかった。
このような問題を解消するため、本願出願人は、雄ネジ部の逃げ溝に連続して形成され、本体部の先端部に対して軸方向に凹状に食い込むリング溝を設けたスペーサーを提案している(特許文献1参照)。このスペーサーによれば、雌ネジ孔形成時に発生したバリがこのリング溝内に収容されるため、本体部の先端面が浮き上がることを防止できる。
実用新案登録第3027084号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスペーサーは、リング溝を、雄ネジ部の逃げ溝に連続して形成し、本体部の先端部に対して軸方向に凹状に食い込むように作製する必要がある。このため、先端が細くて折れやすいことのみならず作製の難しい特殊なバイト(刃物)を使用して、加工距離の長い特別の加工を行うことが要求されていた。このため、スペーサーの製造が容易ではなく、また、多大の時間とコストとを要していた。
従って本発明の目的は、特殊な刃物を使用することなく容易に加工することができ、短時間かつ低コストで作製することができるスペーサー及びスペーサーの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、スペーサーは、本体部と、本体部と同軸に一体形成された雄ネジ部とを備えている。雄ネジ部は、本体部の軸方向の端面の位置で終端する逃げ溝を有している。本体部は、逃げ溝と非連続で形成されかつ本体部内に凹状に食い込んだ円環状の溝を有している。
雄ネジ部の逃げ溝は本体部の軸方向の端面の位置で終端している。このため、逃げ溝を形成する際に本体部内に深く食い込むような特別な形状のバイト(刃物)を使用する必要はなく、市販の通常のバイトで、軸方向と垂直な方向に切削することで逃げ溝を形成可能である。その結果、加工が容易であり、安価なバイトを使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。また、本体部の円環状の溝は本体部内に凹状に食い込んでいるが、雄ネジ部の逃げ溝と非連続で形成されている。このため、円環状の溝を逃げ溝と別個に形成して切削加工することができ、円環状の溝を浅く形成することができるので、刃先が細く折れやすい特別な形状のバイトを使用する必要がなくなる。その結果、加工が容易となり、安価なバイトを長期間使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。さらにまた、円環状の溝の深さが浅くなるため、切粉処理が容易となる。もちろん、本発明のスペーサーは、逃げ溝を有しているため、ネジ山を雄ネジ部の根元まで切ることができる。また、本体部内に凹状に食い込んだ円環状の溝を有しているため、平板の雌ネジ孔に発生したバリをこの円環状の溝内に収容することができ、スペーサーを平板に結合してもバリにより本体部が浮き上がらない。
円環状の溝の内径が、逃げ溝の外径より大きく設定されていることが好ましい。
円環状の溝の内径が、雄ネジ部の外径以下であることも好ましい。
逃げ溝と円環状の溝との間に径方向の段差が設けられていることも好ましい。
円環状の溝は、内側壁が軸方向と平行な壁であり、外側壁が軸方向に対して傾斜した壁であることも好ましい。
本体部の端面の外周部は、面取りがなされていることも好ましい。面取りがなされていることで、スパナ等の工具が入りやすくなるとともに、人に接触したときにケガをしにくく、より安全になる。
本体部の一方の端面に連続して雄ネジ部が形成されていることも好ましい。
この場合、本体部の雄ネジ部とは反対側の端部に雌ネジ部が形成されていることがより好ましい。
本体部の両方の端面に連続して雄ネジ部がそれぞれ形成されていることも好ましい。
本体部が、六角柱形状又は円柱形状をなしていることも好ましい。本体部が六角柱形状をなしていることにより、スパナ等の工具を使用して、平板にネジ部に強固に結合することができるとともに、取り外しが容易となる。
さらに、本発明のスペーサーの製造方法は、柱状体に所定位置で終端する逃げ溝を形成する逃げ溝形成工程と、形成した逃げ溝の上述した所定位置とは反対側の柱状体に雄ネジ部をネジ切りして形成する雄ネジ部形成工程と、形成した逃げ溝の上述した所定位置から柱状体内に凹状に食い込む円環状の溝を逃げ溝と非連続に形成する円環状溝形成工程とを備え、逃げ溝形成工程と円環状溝形成工程とを別工程で行っている。
逃げ溝が所定位置で終端し、この所定位置から柱状体内に凹状に食い込む円環状の溝を形成しているため、逃げ溝形成工程を円環状溝形成工程と別工程で行うことができ、逃げ溝を形成する際に本体部内に食い込むような特別な形状のバイト(刃物)を使用する必要はなく、市販の通常のバイトで、軸方向と垂直な方向に切削することで逃げ溝を形成可能である。その結果、加工が容易であり、安価なバイトを使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。また、円環状の溝を逃げ溝と別個に非連続に形成するように切削加工しているため、この円環状の溝を浅く形成することができるので、刃先が細く折れやすい特別な形状のバイトを使用する必要がなくなる。その結果、加工が容易となり、安価なバイトを長期間使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。さらにまた、円環状の溝の深さが浅くなるため、切粉処理が容易となる。
円環状溝形成工程は、円環状の溝をその内径が逃げ溝の外径より大きくなるように形成する工程であることが好ましい。
円環状溝形成工程は、円環状の溝をその内径が雄ネジ部の外径以下となるように形成する工程であることも好ましい。
円環状溝形成工程は、逃げ溝と円環状の溝との間に径方向の段差を形成する工程であることも好ましい。
逃げ溝形成工程の前に、柱状体の外径切削を行う外径切削工程をさらに備えたことも好ましい。
この場合、外径切削工程及び逃げ溝形成工程を同一のバイトを用いて連続的に行うことも好ましい。こうすることで、材料となる柱状材料から、ネジ山を形成する軸部と、ネジ山を根元まで切るために必要な逃げ溝の形成を一連の工程で行えるため、短時間でスペーサーを製造することができる。
本発明によれば、逃げ溝を形成する際に本体部内に深く食い込むような特別な形状のバイト(刃物)を使用する必要はなく、市販の通常のバイトで、軸方向と垂直な方向に切削することで逃げ溝を形成可能である。その結果、加工が容易であり、安価なバイトを使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。また、円環状の溝を逃げ溝と別個に形成して切削加工することができ、円環状の溝を浅く形成することができるので、刃先が細く折れやすい特別な形状のバイトを使用する必要がなくなる。その結果、加工が容易となり、安価なバイトを長期間使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。さらにまた、円環状の溝の深さが浅くなるため、切粉処理が容易となる。もちろん、本発明のスペーサーは、逃げ溝を有しているため、ネジ山を雄ネジ部の根元まで切ることができる。また、本体部内に凹状に食い込んだ円環状の溝を有しているため、平板の雌ネジ孔に発生したバリを円環状の溝内に収容することができ、スペーサーを平板に結合してもバリにより本体部が浮き上がらない。
本発明の一実施形態におけるスペーサーの構成を概略的に示す斜視図である。 図1の実施形態におけるスペーサーを下方から見た斜視図である。 図1の実施形態におけるスペーサーを平板に形成した雌ネジ孔に螺合させた状態を軸に沿った断面で示す断面図である。 図1の実施形態におけるスペーサーの製造工程を示すフローチャートである。 図4の外径切削工程及び逃げ溝形成工程におけるバイトの動きを示す図である。 図4の外径切削工程及び逃げ溝形成工程終了後のスペーサーの構成を概略的に示す斜視図である。 図4の雄ネジ部形成工程終了後のスペーサーの構成を概略的に示す斜視図である。 図4の円環状溝形成工程におけるバイトの動きを示す図である。 従来のスペーサー製造方法におけるバイトの動きを示す図である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態におけるスペーサーの構成を概略的に示しており、図2は本実施形態におけるスペーサーを下方から見た状態を示しており、図3は本実施形態におけるスペーサーを平板に形成した雌ネジ孔に螺合させた状態を示している。
これらの図に示すように、本実施形態におけるスペーサーは、本体部10と、本体部10の一端側に本体部10と同軸に一体的に形成されている雄ネジ部20と、本体部10の他端側の内部に本体部10と同軸に一体的に形成されている雌ネジ部30とを備えている。
このスペーサーは、本実施形態では、ステンレス材料(SUS303)で作製された六角柱である所定長の柱状体に、本体部10、雄ネジ部20及び雌ネジ部30を旋盤等で切削加工して形成されている。本体部10の雄ネジ部20側には端面11が形成されており、雄ネジ部20と反対側には端面14が形成されている。
本体部10は、端面11から本体部10内に凹状に食い込んだ円環状の溝12を備えている。この円環状の溝12は、本体部10と同軸に形成されており、その軸に関して内側の壁(内側壁)12aは軸方向と平行に形成され、その軸に関して外側の壁(外側壁)12bは軸方向に対して傾斜して形成されている。この円環状の溝12は、雄ネジ部20を平板40の雌ネジ孔41に螺合したときに、雌ネジ孔41の周囲に発生するバリをこの溝12内に収容してスペーサーの先端面が浮き上がりを防止するためのものである。
本体部10の端面11の外周部は面取りされている。即ち、六角形状である外周部に6つの面取り部13が形成されている。これら面取り部13の面取り角は、本実施形態では、例えば30°に設定されている。
雄ネジ部20には、その先端までネジ山22が形成されており、その根元側である本体部10側には逃げ溝21が形成されている。逃げ溝21は、周知のように、雄ネジ部20の根元までネジ山を切ることができるようにするために設けられている。本実施形態におけるポイントは、逃げ溝21が、本体部10の端面11の位置で終端している点にある。即ち、図3に示す軸を通る断面を表す図を用いて説明すると、逃げ溝21の本体部10側の終端は端面11であり、ここから端面11の一部を径方向に通って円環状の溝12に続いている。従って、円環状の溝12は逃げ溝21に滑らかに連続しておらず、(径方向の)段差を介して非連続となっている。円環状の溝12の内径(内側壁12aの径)は逃げ溝21の径より大きく設定されており、かつ、雄ネジ部20の外径(ネジ山22の径)にほぼ等しいかそれより小さく設定されている。
雌ネジ部30には、雄ネジ部20のネジ山22と同様のネジ径及びピッチを有するネジ山31が形成されている。本体部10の端面14の外周部は面取りされている。即ち、六角形状である外周部に6つの面取り部15が形成されている。これら面取り部15の面取り角は、本実施形態では、例えば30°に設定されている。
単なる一例であり、これに限定されるものではないが、本実施形態のスペーサーにおいて、本体部10の平径は5.5mmであり、雄ネジ部20のネジ山22はネジ径が3mm、ピッチが0.5mmであり、逃げ溝21は直径が略2.4mm、長さが0.5mmであり、円環状の溝12は内径が2.87mmであり、外径が4.3mmであり、深さが0.3mmであり、雌ネジ部30のネジ山31はネジ径が3mm、ピッチが0.5mmである。
次に、本実施形態のスペーサーの製造工程について説明する。図4は本実施形態におけるスペーサーの製造工程を示しており、図5は外径切削工程及び逃げ溝形成工程におけるバイトの動きを示しており、図6は外径切削工程及び逃げ溝形成工程終了後のスペーサーの構成を概略的に示しており、図7は雄ネジ部形成工程終了後のスペーサーの構成を概略的に示しており、図8は円環状溝形成工程におけるバイトの動きを示している。
図4に示すように、本実施形態におけるスペーサーの製造方法は、六角柱形状のステンレス材料から、雄ネジ部20の外径形状を切削形成する外径切削工程(ステップS11)と、逃げ溝21を形成する逃げ溝形成工程(ステップS12)と、本体部10に面取りを施す面取り工程(ステップS13)と、雄ネジ部20にネジ山22をネジ切り形成する雄ネジ部形成工程(ステップS14)と、雌ネジ部30にネジ山31をネジ切り形成する雌ネジ部形成工程(ステップS15)と、円環状の溝12を形成する円環状溝形成工程(ステップS16)とから概略構成されている。なお、これらの工程は、ステンレス材料(SUS303)の六角柱を旋盤(NN−16B3 野村DS株式会社製)に固定し、高速回転させ、刃物を押し当てる方法で行った。これらの工程は、本実施形態では、コンピュータ制御で行った。もちろん、コンピュータを用いることなく、これらの工程制御を行っても良い。
まず、ステップS11の外径切削工程、ステップS12の逃げ溝形成工程及びステップS13の面取り工程について説明する。図5はこれら工程における、旋盤のバイト(刃物)50の先端の動きを示しており、図6は六角柱の柱状体に関してこのような外径切削工程、逃げ溝形成工程及び面取り工程が終了した後の状態を示している。
これら工程に用いる外径切削用刃物50は、外径切削加工に一般的に用いられる刃物である。図5の矢印の通りに、外径切削用刃物50の先端を、まず、六角柱の柱状体の頂端の位置a(例えば軸中心から1.2mmの位置)に当てた後、径方向斜め外側に進んで位置b(例えば軸中心から1.5mmの位置)に移動させ、さらに軸方向と平行に進んで位置c(例えば軸中心から1.5mmの位置)を通り、径方向斜め内側に進んで位置d(例えば軸中心から1.2mmの位置)に移動させることにより、直径3mmのネジ山形成部23を切削形成した。ネジ山形成部23の軸方向両端部をこのように斜めに傾斜して切削することにより、後のネジ切り工程が行い易くなるとともに、雄ネジ部20を雌ネジ孔に螺合するときに先端部が挿入し易くなる。
次いで、位置dから軸方向と平行に進んで位置e(例えば軸中心から1.2mmの位置)に移動することにより、逃げ溝21を形成した。その後、位置eから径方向外側に軸方向と垂直方向に進むことにより、位置fまで移動し、本体部10の端面11を形成した。これにより、逃げ溝21は本体部10の端面11の位置で終端することとなる。さらに、外径切削用刃物50の先端を、位置fから径方向斜め外側に30°の角度で移動させることにより、面取り部13を形成した。
このように、本実施形態においては、ステップS11の外径切削工程によりネジ山形成部23が形成され、ステップS12の逃げ溝形成工程により本体部10の端面11の位置で終端する逃げ溝21が形成され、ステップS13の面取り工程により本体部10の面取り部13が形成される。しかも、これら工程が市販されている同一の外径切削用刃物50によって一連の工程で行われる。これにより、作業工程を減らすことができ、コストを下げると共に短時間でスペーサーを作製することができる。なお、これらの工程を必ずしも一連の工程で行う必要はなく、ネジ山形成部23と端面11とを予め形成してから、逃げ溝形成工程を行ってもよい。また、面取り工程S13は、必要に応じて、適宜行うことができる。これらの工程において各寸法は、製品に合わせて変えることができる。なお、逃げ溝21の長さは、雄ネジ部形成工程でネジ山を根元まで切ることができる程度の長さを確保されていれば良い。
次に、ステップS14の雄ネジ部形成工程及びステップS15の雌ネジ部形成工程について説明する。
雄ネジ部形成は、図6に示したような外径切削工程、逃げ溝形成工程及び面取り工程が終了した後の柱状体を、旋盤に取り付け、500rpmで回転させ、ネジ山形成部23について、先端の角度が60度の超硬ロウ付けバイト(刃物)を0.5m/分で送る工程を8回行い、ネジ山22を形成した。なお、この形成方法は、所望のネジ山22を形成できるものであれば、ネジ切り盤を用いても他の方法を用いても良い。雌ネジ部形成は、本体部10の端面14側に雌ネジ用孔を形成し、この雌ネジ用孔内に雌ネジ切りバイト(刃物)を挿入してネジ山31を形成した。図7はこのような雄ネジ部形成工程及び雌ネジ部形成工程が終了した後の状態を示している。これら雄ネジ部形成工程及び雌ネジ部形成工程は、図4に示す時点で実施される必要はなく、ネジ山形成部23が形成された後であれば、どの時点で実施されても良い。
次に、ステップS16の円環状溝形成工程について説明する。図8はこの円環状溝形成工程における、旋盤のバイト(刃物)51の先端の動きを示している。同図においては、形成したネジ山22は省略してある。
この工程に用いる溝切削用刃物51は、凹溝切削加工に一般的に用いられる刃物である。図8の矢印の通りに、溝切削用刃物51の先端を、まず、ネジ山22の頂部よりやや径方向内側であるが逃げ溝21の底面より径方向外側の位置gに当てた後、径方向斜め外側に進んで位置h(例えば軸中心から1.44mmの位置)に移動させ、軸方向と平行に進んで位置i(例えば軸中心から1.44mmかつ深さ3mmの位置)に移動させ、さらに径方向斜め外側かつ逆方向に進んで位置j(例えば軸中心から2.15mmの位置)に移動させ、その後、径方向外側方向へ移動させることにより、内径が2.87mmであり、外径が4.3mmであり、深さが0.3mmの円環状の溝12を切削形成した。この円環状の溝12は、端面11から本体部10内に凹状に食い込んだ溝となる。このような円環状の溝12は、雄ネジ部20を平板40の雌ネジ孔41に螺合したときに、雌ネジ孔41の周囲に発生するバリをこの溝12内に収容してスペーサーの先端面が浮き上がりを防止することができる。また、円環状の溝12との内側面12aと端面11と角が面取りされるので、バリが溝12内に収容され易くなる。
以上の全工程終了後、不良品対策のため、円環状の溝12の端面について外径切削用刃物50を用いてバリさらい加工を行い、図1に示すスペーサーが完成した。
図9は従来のスペーサー製造工程におけるバイトの動きを示しており、以下、この図9と、図5及び図8に示す本実施形態におけるバイトの動きとを比較して、従来技術と本実施形態との相違点を説明する。
従来技術においては、図9に示すように、逃げ溝が本体部10′の端面で終端しておらず、本体部内に凹状に食い込むように形成されてそのまま円環状溝(リング溝)に続く構成となっており、また、外径切削工程、逃げ溝形成工程、面取り工程及び円環状溝形成工程について、特殊な切削用バイト(刃物)52を取り替えることなくそのまま矢印のように移動させて切削加工を行っていた。逃げ溝が本体内部まで深く食い込む形状であるため、切削用バイト(刃物)52としては、細く長い特殊な形状の刃物を使用する必要があり、刃物の製造自体が難しいため高価となるのみならず、折れ易いことから交換が必要であった。また、切削可能な材料も限定されてしまうという問題が発生していた。さらに、加工距離が長く、加工に時間がかかり、溝が大きいため切粉がまとわりつくという問題も発生していた。
これに対して本実施形態では、逃げ溝21が本体部10の端面11の位置で終端する構成であるため、外径切削工程、逃げ溝形成工程及び面取り工程に、外径切削加工に一般的に用いられる外径切削加工に一般的に用いられる市販の安価かつ丈夫な外径切削用刃物50を早い送り速度及び短い加工距離で移動させて、加工処理することができる。このため、加工が容易となり、製造コストが安価となり加工時間を短時間とすることができるので製造時間を短縮化できる。また、また、円環状の溝12を逃げ溝21と別個に非連続に形成するように切削加工しているため、この円環状の溝12を浅く形成することができ、刃先が細く折れやすい特別な形状のバイトを使用する必要がなくなる。その結果、加工が容易となり、安価なバイトを長期間使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。さらにまた、円環状の溝12の深さが浅くなるため、切粉処理が容易となる。
以上説明したように本実施形態によれば、雄ネジ部20の逃げ溝21が本体部10の軸方向の端面11の位置で終端しているため、逃げ溝21を形成する際に本体部10内に食い込むような特別な形状のバイト(刃物)を使用する必要はなく、市販の通常のバイトで、軸方向と垂直な方向に切削することで逃げ溝21を形成することができる。その結果、加工が容易であり、安価なバイトを使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。また、本体部10の円環状の溝12は雄ネジ部20の逃げ溝21と非連続で形成されかつ本体部10内に凹状に食い込んでいるため、円環状の溝12を逃げ溝21とは別個に切削加工することができる。このため、円環状の溝12の深さが浅くなり、刃先が細く折れやすい特別な形状のバイトを使用する必要がなくなる。その結果、加工が容易となり、安価なバイトを長期間使用可能であることから低コストで製造することができる。さらに、バイトの加工距離を短くすると共に送り速度を高めることができるため、加工時間を短時間とすることができる。さらにまた、円環状の溝12の深さが浅くなるため、切粉処理が容易となる。もちろん、本実施形態のスペーサーは、逃げ溝21を有しているため、ネジ山22を雄ネジ部20の根元まで切ることができる。また、本体部10内に凹状に食い込んだ円環状の溝12を有しているため、平板の雌ネジ孔に発生したバリを円環状の溝12内に収容することができ、スペーサーを平板に結合してもバリにより本体部10が浮き上がることはない。
上述した実施形態においては、円環状の溝12は、内側壁12aが軸方向と平行に形成され、外側壁12bが軸方向に対して傾斜して形成されているが、本発明の円環状の溝はこの形状及び寸法に限定されない。雄ネジ部の逃げ溝と非連続で形成されかつ本体部内に凹状に食い込んでいれば良い。また、内側壁と本体部の端面との角が面取りされていても良い。
また、上述した実施形態においては、スペーサー全体がステンレス材料で形成されているが、これは、例えば鉄鋼材料、黄銅材料若しくはアルミニウム材料等の金属材料、樹脂材料又はセラミック材料で形成されていても良い。また、柱状体の形状、従って本体部の形状は、六角柱に限定されることなく、その他の形状、例えば円柱形状の柱状体であっても良い。円柱形状の柱状体の場合、本体部の端面の外周部は、面取りされ、その面取り角は、例えば45°に設定される。
さらに、上述した実施形態においては、本体部10の一端側に雄ネジ部20が形成され、本体部10の他端側の内部に雌ネジ部30が形成されているが、本発明の変更態様においては、本体部の一端側及び他端側の両方にそれぞれ雄ネジ部が形成されている。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10、10′ 本体部
11、14 端面
12 円環状の溝
12a 内側壁
12b 外側壁
13、15 面取り部
20 雄ネジ部
21 逃げ溝
22、31 ネジ山
23、23′ ネジ山形成部
40 平板
41 雌ネジ孔
50 外径切削及び逃げ溝形成用刃物
51 円環状溝切削用刃物
52 従来技術の刃物

Claims (16)

  1. 本体部と、該本体部と同軸に一体形成された雄ネジ部とを備え、
    前記雄ネジ部は、前記本体部の軸方向の端面の位置で終端する逃げ溝を有し、
    前記本体部は、前記逃げ溝と非連続で形成されかつ前記本体部内に凹状に食い込んだ円環状の溝を有していることを特徴とするスペーサー。
  2. 前記円環状の溝の内径が、前記逃げ溝の外径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のスペーサー。
  3. 前記円環状の溝の内径が、前記雄ネジ部の外径以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスペーサー。
  4. 前記逃げ溝と前記円環状の溝との間に径方向の段差が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のスペーサー。
  5. 前記円環状の溝は、内側壁が軸方向と平行な壁であり、外側壁が軸方向に対して傾斜した壁であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスペーサー。
  6. 前記本体部の端面の外周部は、面取りがなされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスペーサー。
  7. 前記本体部の一方の端面に連続して前記雄ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のスペーサー。
  8. 前記本体部の前記雄ネジ部とは反対側の端部に雌ネジ部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のスペーサー。
  9. 前記本体部の両方の端面に連続して前記雄ネジ部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のスペーサー。
  10. 前記本体部が、六角柱形状又は円柱形状をなしていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のスペーサー。
  11. 柱状体に所定位置で終端する逃げ溝を形成する逃げ溝形成工程と、形成した前記逃げ溝の前記所定位置とは反対側の前記柱状体に雄ネジ部をネジ切りして形成する雄ネジ部形成工程と、形成した前記逃げ溝の前記所定位置から前記柱状体内に凹状に食い込む円環状の溝を前記逃げ溝と非連続に形成する円環状溝形成工程とを備え、前記逃げ溝形成工程と前記円環状溝形成工程とを別工程で行うことを特徴とするスペーサーの製造方法。
  12. 前記円環状溝形成工程は、前記円環状の溝をその内径が前記逃げ溝の外径より大きくなるように形成する工程であることを特徴とする請求項11に記載のスペーサーの製造方法。
  13. 前記円環状溝形成工程は、前記円環状の溝をその内径が前記雄ネジ部の外径以下となるように形成する工程であることを特徴とする請求項11又は12に記載のスペーサーの製造方法。
  14. 前記円環状溝形成工程は、前記逃げ溝と前記円環状の溝との間に径方向の段差を形成する工程であることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のスペーサーの製造方法。
  15. 前記逃げ溝形成工程の前に、前記柱状体の外径切削を行う外径切削工程をさらに備えたことを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載のスペーサーの製造方法。
  16. 前記外径切削工程及び前記逃げ溝形成工程を同一のバイトを用いて連続的に行うことを特徴とする請求項15に記載のスペーサーの製造方法。
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