JP6669577B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源として内燃機関及び電動機を備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、この種のハイブリッド車両の制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このハイブリッド車両には、前輪に機械的に連結された内燃機関及び第1電動機と、後輪に機械的に連結された第2電動機と、第1及び第2電動機に電気的に接続されたバッテリが設けられている。また、ハイブリッド車両では、運転モードとして、少なくとも内燃機関を動力源として用いる第1運転モードと、内燃機関を停止するとともに第2電動機を動力源として用いる第2運転モードが設定されている。また、上記の従来の制御装置では、検出されたバッテリの充電状態に応じて、バッテリの出力電力を制限するための第1上限電力及び第2上限電力が算出される。第1上限電力は、バッテリの劣化を回避しながら、バッテリから出力することが可能な電力の上限値であり、第2上限電力は、比較的短い所定時間内に、バッテリの劣化を回避しながら、バッテリから出力することが可能な電力の上限値であり、第1上限電力よりも大きい。
また、第2運転モードから第1運転モードへの運転モードの移行中であって、第1電動機をスタータとして用いる内燃機関の始動中に、バッテリの出力電力が第2上限電力以下に制限されるとともに、第1電動機が第2上限電力に基づいて、第2電動機が第1上限電力に基づいて、それぞれ制御される。さらに、この運転モードの移行中において、内燃機関の始動が完了した後には、バッテリの出力電力が第1上限電力以下に制限されるとともに、第1及び第2電動機がいずれも、第1上限電力に基づいて制御される。このように、従来の制御装置では、後輪に連結された第2電動機の制御を、第1及び第2上限電力を持ち替えずに、第1上限電力に常に基づいて行うことにより、後輪のトルク変動を防止するようにしている。
特開2015−110379号公報(段落[0112]など)
上述したように、従来の制御装置では、第1運転モードへの運転モードの移行中、内燃機関の始動が完了した後に、第1及び第2電動機をいずれも、第1上限電力に基づいて制御するとともに、この第1上限電力を、バッテリの充電状態に応じて、バッテリがその劣化を回避しながら出力可能な電力の上限値に設定しているにすぎない。このため、第1運転モードへの運転モードの移行中において、内燃機関の始動が完了した後に、例えば、内燃機関をアシストするために第1上限電力に近い大きさの電力が第1電動機に供給されていた場合には、運転モードの移行に伴って前輪の負荷が内燃機関に作用することで内燃機関の回転数が低下したようなときに、内燃機関の回転数を上昇させるためにバッテリの電力を第1電動機に供給することができず、それにより、エンジンストールが発生するおそれがある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、第2運転モードから第1運転モードへの運転モードの移行中において、内燃機関の始動が完了した後に、蓄電器の劣化を回避しながら、エンジンストールを防止することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、クランク軸を有する内燃機関3、クランク軸に機械的に連結されたロータを有し、第1駆動軸(実施形態における(以下、本項において同じ)前駆動軸SFL、SFR)を駆動するための第1電動機(フロントモータ4)、第1駆動軸と異なる第2駆動軸(後駆動軸SRL、SRR)を駆動するための第2電動機(第1リヤモータ41、第2リヤモータ61)、ならびに、第1及び第2電動機に電気的に接続された蓄電器(バッテリ7)が設けられ、運転モードとして、少なくとも内燃機関3を動力源として用いる第1運転モードと、内燃機関3を停止するとともに第2電動機を動力源として用いる第2運転モードが設定されたハイブリッド車両Vの制御装置1であって、第1及び第2電動機の少なくとも一方で内燃機関3をアシストするために蓄電器から該少なくとも一方に供給される電力であるアシスト用供給電力(フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOT)を制御する制御手段(ECU2、図7のステップ22〜25、図10のステップ32〜35)と、第2運転モードから第1運転モードへの運転モードの移行中に、第1電動機をスタータとして用いて内燃機関3を始動させる始動手段(ECU2、図6のステップ12)と、を備え、制御手段は、動手段による内燃機関3の始動が完了した後(図6のステップ11:YES、ステップ13:YES)、運転モードの前記移行が完了するまで、蓄電器の劣化を回避しながら、始動が完了した内燃機関3のエンジンストールを防止するために第1電動機でクランク軸を駆動するのに必要な電力であるENG駆動用リザーブ電力(第2リザーブ電力ERE2)分の電力を第1電動機に供給できるように、アシスト用供給電力をあらかじめ制限する(図6のステップ15、図7のステップ22〜25、図8)ことを特徴とする。
この構成によれば、ハイブリッド車両では、内燃機関のクランク軸と第1電動機のロータが互いに機械的に連結されており、第1及び第2電動機が蓄電器に電気的に接続されている。第1及び第2電動機はそれぞれ、互いに異なる第1駆動軸及び第2駆動軸を駆動するためのものである。また、運転モードとして、少なくとも内燃機関を動力源として用いる第1運転モードと、内燃機関を停止するとともに第2電動機を動力源として用いる第2運転モードが設定されている。本発明による制御装置によれば、第1及び第2電動機の少なくとも一方で内燃機関をアシストするために蓄電器から少なくとも一方に供給される電力であるアシスト用供給電力が、制御手段によって制御される。また、第2運転モードから第1運転モードへの運転モードの移行中(以下、単に「運転モードの移行中」という)に、始動手段によって、内燃機関が、第1電動機をスタータとして用いて始動される。
また、始動手段による内燃機関の始動が完了した後、上記の運転モードの移行が完了するまで、蓄電器の劣化を回避しながら、内燃機関のエンジンストールを防止するために第1電動機でクランク軸を駆動するのに必要な電力であるENG駆動用リザーブ電力分の電力を第1電動機に供給できるように、アシスト用供給電力があらかじめ制限される。これにより、運転モードの移行中において、内燃機関の始動が完了した後に、蓄電器の劣化を回避しながら、エンジンストールを防止することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のハイブリッド車両Vの制御装置1において、制御手段は、運転モードの前記移行が完了した後(図6のステップ16:YES)に、アシスト用供給電力の前記制限を終了する(ステップ18、図4のステップ5:YES、ステップ6、図10のステップ32〜35)ことを特徴とする。
この構成によれば、第2運転モードから第1運転モードへの運転モードの移行が完了したときに、請求項1に係る発明で説明したENG駆動用リザーブ電力に応じたアシスト用供給電力の制限が終了される。これにより、第1運転モードへの運転モードの移行の完了後に、より大きな電力をアシスト用供給電力として用いることができる。
本実施形態による制御装置を適用したハイブリッド車両を概略的に示す図である。 後輪駆動装置を概略的に示すスケルトン図である。 制御装置のECUなどを示すブロック図である。 リヤEV走行モード中、移行モード中、及びエンジン走行モード中に図3のECUで実行される処理を示すフローチャートである。 図4の処理で実行されるリヤEV走行モード制御中におけるリヤモータ上限電力や第1リザーブ電力などの関係を示す図である。 図4の処理で実行される移行モード制御を実行するための処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図6の処理で実行される駆動力入替制御を実行するための処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図7の駆動力入替制御中におけるフロントモータ上限電力や、リヤモータ上限電力、第2リザーブ電力などの関係を示す図である。 リヤEV走行モード制御、エンジン始動制御及び駆動力入替制御が実行された場合における各種のパラメータの推移の一例を示すタイミングチャートである。 図4の処理で実行されるエンジン走行モード制御を実行するための処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図10のエンジン走行モード制御中におけるフロントモータ上限電力や、リヤモータ上限電力などの関係を示す図である。 図1の制御装置の動作例を示すタイミングチャートである。 図12の比較例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示すハイブリッド車両Vは、左右の前輪WFL、WFR及び左右の後輪WRL、WRRを有する四輪車両であり、ハイブリッド車両Vには、前輪WFL、WFRを駆動するための前輪駆動装置DFSと、後輪WRL、WRRを駆動するための後輪駆動装置DRSが搭載されている。前輪駆動装置DFSと後輪駆動装置DRSは、互いに機械的に独立して別個に設けられている。以下、左右の前輪WFL、WFR及び左右の後輪WRL、WRRをそれぞれ総称して、適宜「前輪WFL、WFR」及び「後輪WRL、WRR」という。
前輪駆動装置DFSは、本出願人による特開2016−027269号公報に開示されたものと同じものであるので、以下、その構成及び動作について簡単に説明する。前輪駆動装置DFSは、動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3と、フロントモータ4と、エンジン3及びフロントモータ4の動力を変速し、前輪WFL、WFRに伝達する変速装置5を有している。
エンジン3は、燃料の燃焼によって作動するガソリンエンジンであって、複数の気筒及びピストンと、動力が出力されるクランク軸(図示せず)を有しており、その吸入空気量、燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期などは、図3に示す制御装置1の後述するECU2によって制御される。周知のように、吸入空気量はスロットル弁(図示せず)を介して、燃料噴射量及び燃料噴射時期は燃料噴射弁(図示せず)を介して、点火時期は点火プラグ(図示せず)を介して、それぞれ制御される。
フロントモータ4は、回転電機、例えば三相交流モータであり、三相コイルなどで構成されたステータと、磁石などで構成されたロータ(いずれも図示せず)を有している。ロータは、エンジン3のクランク軸に一体に連結されている。ステータは、パワードライブユニット(以下「PDU」という)6を介して、充放電可能なバッテリ7に電気的に接続されている。このPDU6は、インバータなどの電気回路で構成されており、ECU2に電気的に接続されている(図3参照)。
フロントモータ4では、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7からPDU6を介してステータに電力が供給されると、それに伴い、この電力が電磁誘導作用により動力に変換され、ロータが回転する(力行)。この場合、ステータに供給される電力が制御されることによって、ロータの動力が制御される。また、ステータへの電力供給を停止した状態で、動力の入力によりロータが回転しているときに、ロータに入力された動力が電磁誘導作用により電力に変換され、発電が行われるとともに、発電した電力が、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7に充電されたり、後輪駆動装置DRSの後述する第1及び第2リヤモータ41、61に供給されたりする。
また、ハイブリッド車両Vには、エアコンのコンプレッサなどから成る補機8と、12Vバッテリ(図示せず)が搭載されており、補機8はPDU6を介して、12VバッテリはDC/DCコンバータ(図示せず)を介して、フロントモータ4のステータ及びバッテリ7に電気的に接続されている。補機8には、フロントモータ4で発電した電力や、バッテリ7の電力が供給され、補機8に供給される電力は、ECU2により、PDU6を介して制御される。
前記変速装置5は、いわゆるデュアルクラッチトランスミッションで構成されている。図示しないが、変速装置5は、湿式多板クラッチでそれぞれ構成された第1クラッチ31及び第2クラッチ32(図3参照)と、第1クラッチ31を介してエンジン3及びフロントモータ4に連結された第1入力軸と、第2クラッチ32を介してエンジン3及びフロントモータ4に連結された第2入力軸と、第1及び第2入力軸と平行な出力軸と、第1及び第2入力軸に回転自在に設けられた複数の入力ギヤと、出力軸に一体に設けられ、複数の入力ギヤに噛み合う複数の出力ギヤと、複数の入力ギヤの1つを第1又は第2入力軸に選択的に連結し、その入力ギヤとそれに噛み合う出力ギヤによるギヤ段を設定するシンクロ装置などを有している。出力軸は、ファイナルギヤ9及び左右の前駆動軸SFL、SFRを介して、左右の前輪WFL、WFRに連結されている。また、図3に示すように、第1及び第2クラッチ31、32は、ECU2に接続されている。
以上の構成により、第1及び第2クラッチ31、32ならびにシンクロ装置などをECU2で制御することにより、第1及び第2クラッチの接続/遮断状態に応じて、エンジン3の動力及び/又はフロントモータ4の動力が、第1入力軸又は第2入力軸に、選択的に入力される。入力された動力は、シンクロ装置によって設定されたギヤ段による所定の変速比で変速された状態で、出力軸に出力され、さらに、ファイナルギヤ9及び左右の前駆動軸SFL、SFRを介して、左右の前輪WFL、WFRに伝達される。
前記後輪駆動装置DRSは、本出願人による特許第5824501号に開示されたものと同じであるので、以下、その構成及び動作について簡単に説明する。図2に示すように、後輪駆動装置DRSは、第1リヤモータ41、第1減速歯車装置51、第2リヤモータ61及び第2減速歯車装置71を有している。これらの第1リヤモータ41、第1減速歯車装置51、第2減速歯車装置71、及び第2リヤモータ61は、左右の後輪WRL、WRRの間に、左側からこの順で並んでおり、左右の後駆動軸SRL、SRRと同軸状に設けられている。左右の後駆動軸SRL、SRRは、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されるとともに、左右の後輪WRL、WRRに連結されている。
上記の第1リヤモータ41は、フロントモータ4と同様の三相交流モータであり、ステータ42と、回転自在のロータ43を有している。ステータ42は、ハイブリッド車両Vに固定されたケーシングCAに取り付けられるとともに、前述したPDU6を介して、フロントモータ4のステータ及びバッテリ7に電気的に接続されている。ロータ43は、第1減速歯車装置51を介して、左後駆動軸SRLに連結されている。
第1リヤモータ41では、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7からの電力や、フロントモータ4で発電した電力が、PDU6を介してステータ42に供給されると、それに伴い、この電力が電磁誘導作用により動力に変換され、ロータ43が回転する(力行)。この場合、ステータ42に供給される電力が制御されることによって、ロータ43の動力が制御される。また、ステータ42への電力供給を停止した状態で、動力の入力によりロータ43が回転しているときに、ロータ43に入力された動力が電磁誘導作用により電力に変換され、発電が行われるとともに、発電した電力が、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7に充電される。
第1減速歯車装置51は、サンギヤやリングギヤなどを有する遊星歯車装置で構成されており、そのリングギヤがワンウェイクラッチ83及び油圧ブレーキ84に接続されている。第1減速歯車装置51では、第1リヤモータ41から正転方向に回転させる動力が入力されると、ワンウェイクラッチ83の反力が上記のリングギヤに作用することによって、入力された動力は、減速した状態で左後駆動軸SRLに出力され、さらに、左後輪WRLに伝達される。また、油圧ブレーキ84によりリングギヤが制動されているときには、第1リヤモータ41から正転方向に又は逆転方向に回転させる動力が入力されると、油圧ブレーキ84の反力がリングギヤに作用することによって、入力された動力は、減速した状態で左後駆動軸SRLに出力され、さらに左後輪WRLに伝達される。
前記第2リヤモータ61及び第2減速歯車装置71は、第1リヤモータ41及び第1減速歯車装置51とそれぞれ同様に構成されている。第2リヤモータ61のステータ62は、前記ケーシングCAに取り付けられるとともに、PDU6を介して、フロントモータ4のステータ、バッテリ7及び第1リヤモータ41のステータ42に電気的に接続されている。また、第2リヤモータ61のロータ63は、第2減速歯車装置71を介して、右後駆動軸SRRに連結されている。
第2リヤモータ61では、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7の電力や、フロントモータ4で発電した電力が、PDU6を介してステータ62に供給されると、それに伴い、この電力が電磁誘導作用により動力に変換され、ロータ63が回転する(力行)。この場合、ステータ62に供給される電力が制御されることによって、ロータ63の動力が制御される。また、ステータ62への電力供給を停止した状態で、動力の入力によりロータ63が回転しているときに、ロータ63に入力された動力が電磁誘導作用により電力に変換され、発電が行われるとともに、発電した電力が、ECU2によるPDU6の制御によって、バッテリ7に充電される。
第2減速歯車装置71は、サンギヤやリングギヤを有する遊星歯車装置で構成されており、そのリングギヤがワンウェイクラッチ83及び油圧ブレーキ84に接続されている。第2減速歯車装置71では、第2リヤモータ61から正転方向に回転させる動力が入力されると、ワンウェイクラッチ83の反力が上記のリングギヤに作用することによって、入力された動力は、減速した状態で右後駆動軸SRRに出力され、さらに右後輪WRRに伝達される。また、油圧ブレーキ84によりリングギヤが制動されているときには、第2リヤモータ61から正転方向に又は逆転方向に回転させる動力が入力されると、油圧ブレーキ84の反力がリングギヤに作用することによって、入力された動力は、減速した状態で右後駆動軸SRRに出力され、さらに右後輪WRRに伝達される。なお、第1及び第2減速歯車装置51、71の減速比は、互いに同じ値に設定されている。
油圧ブレーキ84は、ケーシングCAに接続された多板式のクラッチで構成されており、ECU2で制御されることにより、第1及び第2減速歯車装置51、71のリングギヤを制動する制動動作と、両リングギヤの回転を許容する回転許容動作とを、選択的に実行する。油圧ブレーキ84の制動力は、ECU2によって制御される。
さらに、図3に示すように、ECU2には、クランク角センサ21から、CRK信号が入力される。このCRK信号は、エンジン3のクランク軸の回転に伴い、所定のクランク角ごとに出力されるパルス信号である。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、ECU2には、カム角センサ(図示せず)から、CYL信号及びTDC信号が入力される。このCYL信号は、エンジン3のカム軸(図示せず)の回転に伴い、エンジン3の特定の気筒のピストンが所定位置に位置したときに出力されるパルス信号であり、TDC信号は、各気筒のピストンが吸気行程の開始時の上死点付近に位置したときに出力されるパルス信号である。さらに、ECU2には、電流電圧センサ22から、バッテリ7に入出力される電流・電圧値を表す検出信号が、入力される。ECU2は、この検出信号に基づいて、バッテリ7の充電状態SOCを算出する。
また、ECU2には、アクセル開度センサ23からハイブリッド車両Vのアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度APを表す検出信号が、車輪速センサ24から、前輪WFL、WFRの回転数(以下「前輪回転数」という)NWF及び後輪WRL、WRRの回転数(以下「後輪回転数」という)NWRを表す検出信号が、入力される。ECU2は、検出された前輪回転数NWF及び後輪回転数NWRに基づいて、ハイブリッド車両Vの車速VPを算出する。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAM及びROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されており、上述した各種のセンサ21〜24からの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムに従って、前輪駆動装置DFS及び後輪駆動装置DRSの動作を含むハイブリッド車両Vの動作を制御する。
ハイブリッド車両Vでは、次の複数の運転モードが予め設定されており、運転モードは、ハイブリッド車両Vの走行状態に応じ、これらのいずれか1つに、ECU2によって選択的に設定される。
・エンジン走行モード:少なくともエンジン3のみをハイブリッド車両Vの動力源として用いる運転モード
・フロントEV走行モード:フロントモータ4のみを動力源として用いる運転モード
・フロント減速回生モード:ハイブリッド車両Vの減速走行中の走行エネルギを用いてフロントモータ4でバッテリ7を充電する運転モード
・リヤEV走行モード:第1及び第2リヤモータ41、61のみを動力源として用いる運転モード
・リヤ回生モード:ハイブリッド車両Vの減速走行中の走行エネルギを用いて第1及び第2リヤモータ41、61でバッテリ7を充電する運転モード
・左右輪トルク差モード:第1及び第2リヤモータ41、61を制御することによって左右の後輪WRL、WRRにトルク差を生じさせる運転モード
・移行モード:リヤEV走行モードからエンジン走行モードに運転モードが移行する際に設定される運転モード
以下、リヤEV走行モード中、移行モード中、及びエンジン走行モード中に実行されるECU2の処理について、図4〜図11を参照しながら説明する。図4に示す処理は、例えば前記TDC信号の発生に同期して、繰り返し実行される。
まず、図4のステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、リヤEV走行モードフラグF_REEVMODが「1」であるか否かを判別する。このリヤEV走行モードフラグF_REEVMODは、運転モードがリヤEV走行モードに設定されていることを「1」で表すものであり、次の条件(a)及び(b)がいずれも成立しているときに「1」に設定される。
(a)ハイブリッド車両Vの運転者によって要求される要求出力OREQが所定の許可出力OPER(いずれも後述する図12参照)よりも小さいこと
(b)算出された充電状態SOCが所定値以上であること
なお、要求出力OREQは、検出されたアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、算出される。
上記ステップ1の答がYES(F_REEVMOD=1)で、運転モードがリヤEV走行モードに設定されているときには、リヤEV走行モード制御を実行し(ステップ2)、本処理を終了する。このリヤEV走行モード制御では、エンジン3が停止され、第1及び第2クラッチ31、32によって、エンジン3及びフロントモータ4と変速装置5及び前輪WFL、WFRとの間が、遮断状態に保持されるとともに、第1及び第2リヤモータ41、61が次のようにして制御される。以下、両者41、61を総称して、適宜、リヤモータ41、61という。
まず、要求出力OREQに基づき、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、リヤモータ目標電力を算出する。このリヤモータ目標電力は、バッテリ7からリヤモータ41、61に供給される電力(以下「リヤモータ供給電力」という)のトルク制御成分ERMOT(図12参照)の目標値である。次いで、充電状態SOCに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、リヤモータ上限電力ELMRを算出する。
図5は、このリヤモータ上限電力ELMRと、バッテリ7の劣化を回避しながら、バッテリ7で連続して出力可能な最大の電力(以下「バッテリ上限電力」という)EBNLと、バッテリ7の劣化を回避しながら、バッテリ7で短時間に出力可能な最大の電力(以下「短時間バッテリ上限電力」という)EBSLと、補機8で消費される電力(以下「補機消費電力」という)EACCと、所定の第1リザーブ電力ERE1との関係を示している。この第1リザーブ電力ERE1は、移行モード中における後述するエンジン始動制御において、フロントモータ4をスタータとしてエンジン3を始動するのに必要な電力に相当し、エンジン3のフリクションに応じた所定値に設定されている。また、補機消費電力EACCは、ハイブリッド車両Vの走行中に補機8で消費される電力を実験により求め、それに応じた所定値に設定されている。
図5に示すように、リヤEV走行モード制御中には、リヤモータ上限電力ELMRは、上述したマップを用いた算出によって、次式(1)が成立するように設定される。
ELMR=EBSL−EACC−ERE1 ……(1)
次に、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTを、算出された前記リヤモータ目標電力がリヤモータ上限電力ELMR以下であるときには、このリヤモータ目標電力になるように制御し、ELMRよりも大きいときには、ELMRになるように制御する。これは、リヤモータ供給電力をリヤモータ上限電力ELMR以下に制限することによって、運転モードがリヤEV走行モードから移行モードに移行したときに、バッテリ7の出力電力が短時間バッテリモータ上限電力EBSLを超えるのを防止するためである。
一方、前記ステップ1の答がNO(F_REEVMOD=0)のときには、移行モードフラグF_TRAMODが「1」であるか否かを判別する(ステップ3)。この移行モードフラグF_TRAMODは、運転モードが移行モードに設定されていることを「1」で表すものであり、運転モードがリヤEV走行モードに設定されている場合において前述した条件(a)及び(b)の一方が成立しなくなったときに、「1」に設定される。
上記ステップ3の答がYES(F_TRAMOD=1)で、運転モードが移行モードに設定されているときには、移行モード制御を実行し(ステップ4)、本処理を終了する。
図6は、この移行モード制御を実行するための処理を示している。まず、図6のステップ11では、エンジン始動完了フラグF_STDONEが「1」であるか否かを判別する。このエンジン始動完了フラグF_STDONEは、後述するエンジン始動制御によるエンジン3の始動が完了していることを「1」で表すものであり、前述したリヤEV走行モード制御中に「0」にリセットされる。このステップ11の答がNO(F_STDONE=0)のときには、エンジン始動制御が実行される(ステップ12)。このエンジン始動制御によって、フロントモータ4をスタータとしてエンジン3が始動される。
具体的には、エンジン始動制御は次のようにして実行される。すなわち、まず、リヤEV走行モード制御の場合と同様に、第1及び第2クラッチ31、32によって、エンジン3及びフロントモータ4と前輪WFL、WFRとの間を遮断状態に保持する。次いで、算出されたエンジン回転数NEが所定の始動時用目標回転数NEST(図12参照)になるように、回転数制御目標電力を算出するとともに、フロントモータ上限電力ELMFを前記第1リザーブ電力ERE1に設定する。
次に、バッテリ7からフロントモータ4に供給される電力(以下「フロントモータ供給電力」という)の回転数制御成分EFMON(図12参照)を、算出された回転数制御目標電力が設定されたフロントモータ上限電力ELMF以下であるときには、この回転数制御目標電力になるように制御し、ELMFよりも大きいときには、フロントモータ上限電力ELMFになるように制御する。以上により、エンジン3が、フロントモータ4でクランキングされる。次に、その状態で、エンジン3の燃料噴射弁や点火プラグを制御することによって、エンジン3を始動する。また、エンジン始動制御中には、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOT(リヤモータ目標電力ERMOBJ)を、リヤEV走行モード制御の場合と同様にして制御し、リヤモータ上限電力ELMR以下に制限する。
エンジン始動制御中、上述したようにフロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRを設定することによって、前記短時間バッテリモータ上限電力EBSLと、補機消費電力EACCと、フロントモータ上限電力ELMF(=第1リザーバ電力ERE1)と、リヤモータ上限電力ELMRの間には、次式(2)が成立する。また、これらのフロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRを用いた制限によって、バッテリ7の出力電力が短時間バッテリモータ上限電力EBSLを超えるのが防止される。
ELMF+ELMR=EBSL−EACC ……(2)
上記ステップ12に続くステップ13では、上述したエンジン始動制御によってエンジン3の始動が完了したか否かを判別(判定)する。この場合、エンジン始動制御により制御されたフロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONが、所定のしきい値EREF(図12参照)以下であるときに、エンジン3の始動が完了したと判別される。フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONは、例えば、回転数制御目標電力に基づいて推定される。
上述したようにエンジン3の始動の完了を判定するのは、次の理由による。すなわち、エンジン3の始動が完了していないときには、エンジン3の出力トルクが発生しておらず、フロントモータ4は、上述した始動時用目標回転数NESTに基づくフロントモータ供給電力の制御によって、エンジン3のフリクション分のトルクをフロントモータ4から発生させる結果、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONが上記のしきい値EREFを上回るためである。
上記ステップ13の答がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、YESで、エンジン3の始動が完了したときには、そのことを表すために、エンジン始動完了フラグF_STDONEを「1」に設定し(ステップ14)、ステップ15に進む。このステップ14の実行により前記ステップ11の答がYES(F_STDONE=1)になり、その場合には、ステップ12〜14をスキップし、ステップ15を実行する。このステップ15では、駆動力入替制御を実行する。これにより、ハイブリッド車両Vにおける駆動輪が、それ以前のリヤEV走行モード制御における後輪WRL、WRRから前輪WFL、WFRに、入れ替えられる。
図7は、この駆動力入替制御を実行するための処理を示している。まず、図7のステップ21では、エンジン制御を実行し、それにより、要求出力OREQに応じて、エンジン3の動力が要求出力OREQになるように、エンジン3の吸入吸気量を制御する。次いで、充電状態SOCに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、フロントモータ上限電力ELMFを算出する(ステップ22)。このフロントモータ上限電力ELMFの算出については、後述する。
次に、フロントモータ制御を実行する(ステップ23)。具体的には、エンジン回転数NEが前記始動時用目標回転数NEST以上であるときには、前述したフロントモータ4の回転数制御成分目標値を、その前回値から所定の減算項を減算することによって算出し、値0になるように漸減するとともに、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONを、算出された回転数制御成分目標値になるように制御する。一方、エンジン回転数NEが始動時用目標回転数NESTよりも低いときには、フロントモータ4の回転数制御成分目標値を、後述する所定の第2リザーブ電力ERE2に基づく所定値に設定するとともに、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONを、設定された回転数制御成分目標値になるように制御する。
また、ステップ23におけるフロントモータ制御では、要求出力OREQが第1所定値OREF1(図12参照)以上であるときには、フロントモータ4によるエンジン3のアシストを実行する。この場合、要求出力OREQに対するエンジン3の動力の遅れを補うように、例えば駆動力入替制御の開始からの経過時間などに応じて、トルク制御成分目標値を算出する。そして、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT(図12参照)を、算出されたトルク制御成分目標値が上記ステップ22で算出されたフロントモータ上限電力ELMF以下であるときには、トルク制御成分目標値になるように制御し、ELMFよりも大きいときには、フロントモータ上限電力ELMFになるように制御する。このフロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOTは、フロントモータ4によるエンジン3のアシストのためにバッテリ7からフロントモータ4に供給される電力である。
なお、上記のステップ23におけるフロントモータ制御では、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONは、上記のフロントモータ上限電力ELMFでは制限されず、上述したように設定された回転数制御成分目標値になるように制御される。
次いで、充電状態SOCに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、リヤモータ上限電力ELMRを算出する(ステップ24)。このリヤモータ上限電力ELMRの算出については、後述する。
次に、リヤモータ制御を実行する(ステップ25)。具体的には、まず、要求出力OREQが第2所定値OREF2よりも小さい場合には、前述したリヤモータ41、61のリヤモータ目標電力を、その前回値から所定の減算項を減算することによって算出し、値0になるように漸減する。一方、要求出力OREQが第2所定値OREF2以上である場合には、リヤモータ41、61によるエンジン3のアシストを実行する。この場合、要求出力OREQに対するエンジン3の動力の遅れを補うように、例えば駆動力入替制御の開始からの経過時間などに応じて、リヤモータ目標電力を算出する。そして、上記のいずれの場合にも、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTを、算出されたリヤモータ目標電力が上記ステップ24で算出されたリヤモータ上限電力ELMR以下であるときには、リヤモータ目標電力になるように制御し、ELMRよりも大きいときには、リヤモータ上限電力ELMRになるように制御する。このリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTは、リヤモータ41、61によるエンジン3のアシストのためにバッテリ7からリヤモータ41、61に供給される電力である。
次いで、クラッチ制御を実行し(ステップ26)、本処理を終了する。具体的には、算出された車速VPが比較的低い所定車速よりも高いときには、変速装置5の変速段に応じて選択した第1及び第2クラッチ31、32の一方を、その接続度合を徐々に高め、完全に接続するとともに、第1及び第2クラッチ31、32の他方を遮断状態に保持する。一方、車速VPが所定車速以下のときには、前輪WFL、WFRに伝達されるエンジン3の動力を低減するために、変速装置5の変速段に応じて選択した第1及び第2クラッチ31、32の一方を、完全には接続せずに半クラッチ状態に制御し、この場合にも、その接続度合を徐々に高め、第1及び第2クラッチ31、32の他方を遮断状態に保持する。
また、図8は、前記バッテリモータ上限電力EBNLや、補機消費電力EACC、前記ステップ22で算出されるフロントモータ上限電力ELMF、前記ステップ24で算出されるリヤモータ上限電力ELMRの関係を示している。同図において、ERE2は、前記第2リザーブ電力であり、駆動力入替制御中におけるエンジンストールを防止するために、フロントモータ4でエンジン3のクランク軸を駆動するのに必要な電力であり、前記第1リザーブ電力ERE1よりも小さな値に設定されている。これは、第1リザーブ電力ERE1は、前述したように停止状態のエンジン3のクランク軸を回転させるのに必要な電力であるのに対し、第2リザーブ電力ERE2は、回転状態のクランク軸の回転数を低下させないために必要な電力であるためである。
図8に示すように、フロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRは、前述したマップを用いた算出によって、次式(3)が成立するように設定される。より具体的には、フロントモータ上限電力ELMFは、ELMF=(EBNL−EACC−ERE2)αが成立するように設定され、リヤモータ上限電力ELMRは、ELMR=(EBNL−EACC−ERE2)(1−α)が成立するように設定される。ここで、係数αは、値1.0よりも小さい正値(例えば0.5)に設定されている。
ELMF+ELMR=EBNL−EACC−ERE2 ……(3)
なお、フロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRの設定を、上記に代えて、次のように行ってもよい。すなわち、フロントモータ4によるエンジン3のアシストのみが行われているときには、ELMFを、ELMF=(EBNL−EACC−ERE2)が成立するように設定し、リヤモータ41、61によるエンジン3のアシストのみが行われているときには、ELMRを、ELMR=(EBNL−EACC−ERE2)が成立するように設定してもよい。
以上により、駆動力入替制御中、フロントモータ4及び/又はリヤモータ41、61によるエンジン3のアシストが行われているときには、バッテリ7の劣化を回避しながら、第2リザーブ電力ERE2分の電力をフロントモータ4に供給できるように、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが制限される。
図6に戻り、前記ステップ15に続くステップ16では、上述した駆動力入替制御により駆動力の入替が完了したか否か、すなわち、後輪WRL、WRRから前輪WFL、WFRへの駆動輪の入替が完了したか否かを判別(判定)する。この判別は、次のようにして行われる。
すなわち、まず、車速VPが前記所定車速以上であるか否かを判別する。そして、車速VPが所定車速よりも低いときには、第1又は第2クラッチ31、32に供給される油圧が、半クラッチ状態であることを表す第1所定値以上であるときに、駆動力入替制御が完了したと判別される。一方、車速VPが前記所定車速以上のときには、次の条件(c)及び(d)がいずれも成立しているときに、駆動力の入替が完了したと判別される。
(c)第1又は第2クラッチ31、32が完全に接続されていること
(d)フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONが所定値EREF(図12参照)以下であること
この条件(c)は、第1又は第2クラッチ31、32に供給される油圧が第1所定値よりも大きい第2所定値以上であるときに、第1又は第2クラッチ31、32が完全に接続されているとみなされ、成立する。なお、第1及び第2クラッチ31、32に供給される油圧はそれぞれ、センサ(図示せず)によって検出される。
上記ステップ16の答がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、YESで、駆動力の入替が完了しているときには、移行モード制御を終了すべく、移行モードの設定を解除するために、移行モードフラグF_TRAMODを「0」に設定する(ステップ17)。次いで、運転モードを前記エンジン走行モードに設定するために、エンジン走行モードフラグF_ENGMODを「1」に設定し(ステップ18)、本処理を終了する。
また、図9は、リヤEV走行モード制御(時点t0〜時点t1直前)、エンジン始動制御(時点t1〜時点t2直前)、及び駆動力入替制御(時点t2〜時点t3直前)が実行された場合における各種のパラメータの推移の一例を示している。同図において、TREQは、ハイブリッド車両Vの駆動輪に要求される要求トルクであり、要求出力OREQのトルク換算値に相当し、TINSは、前述した制御によってエンジン3及びフロントモータ4(非アシスト中にはエンジン3のみ)に指示される指示トルクである。また、TWHFは、エンジン3及びフロントモータ4を含む前輪駆動装置DFSから前輪WFL、WFRに伝達されるトルク(以下「前輪伝達トルク」という)であり、TWHRは、リヤモータ41、61から後輪WRL、WRRに伝達されるトルク(以下「後輪伝達トルク」という)である。
図9に示すように、リヤEV走行モード制御中及びエンジン始動制御中、前述したリヤモータ41、61の制御によって、後輪伝達トルクTWHRは、要求トルクTREQになるように制御される。また、エンジン始動制御中及び駆動力入替制御中、前述したエンジン3などの制御によって、指示トルクTINSは、要求トルクTREQと同様、要求出力OREQをトルクに換算した値になる。さらに、駆動力入替制御中、前述したように、エンジン3やフロントモータ4からトルクを出力している状態で、第1又は第2クラッチ31、32が徐々に接続されることによって、前輪伝達トルクTWHFは、要求トルクTREQに向かって増加する。また、これに応じて、後輪伝達トルクTWHRが減少する。以上により、駆動力入替制御中、前輪伝達トルクTWHFと、後輪伝達トルクTWHRとの和は、要求トルクTREQに見合った大きさになる。
なお、図9に示すように、指示トルクTINSが要求トルクTREQよりも小さいのは、エンジン3の動力やフロントモータ4の動力が変速装置5で減速した状態で前輪WFL、WFRに伝達されるためである。
図4に戻り、前記ステップ3の答がNO(F_TRAMOD=0)で、ハイブリッド車両Vの運転モードが移行モードに設定されていないときには、エンジン走行モードフラグF_ENGMODが「1」であるか否かを判別する(ステップ5)。このステップ5の答がNOのときには、そのまま本処理を終了する一方、YES(F_ENGMOD=1)のとき、すなわち、運転モードがエンジン走行モードに設定されているときには、エンジン走行モード制御を実行し(ステップ6)、本処理を終了する。
図10は、このエンジン走行モード制御を実行するための処理を示している。まず、図10のステップ31では、エンジン制御を実行する。エンジン走行モード制御では、要求出力OREQ及び充電状態SOCに応じて、動力源としてのエンジン3のみの使用、エンジン3の動力の一部を用いたフロントモータ4での発電電力のバッテリ7への充電などが実行される。動力源としてエンジン3のみを用いる場合には、エンジン制御によって、エンジン3の動力が要求出力OREQになるように、エンジン3の吸入空気量が制御される。また、エンジン3の動力の一部を用いたフロントモータ4での発電電力をバッテリ7に充電する場合には、エンジン3の動力が、その良好な燃費が得られる良好燃費出力になるように、エンジン3の吸入空気量が制御される。
次いで、充電状態SOCに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、フロントモータ上限電力ELMFを算出する(ステップ32)。このフロントモータ上限電力ELMFの算出については、後述する。
次に、フロントモータ制御を実行する(ステップ33)。具体的には、ステップ31で説明したように動力源としてのエンジン3のみを用いる場合には、フロントモータ4の出力トルクが値0になるように、ゼロトルク制御が実行される。また、エンジン3の動力の一部を用いたフロントモータ4での発電電力をバッテリ7に充電する場合には、要求出力OREQに対する上記の良好燃費出力の余剰分をバッテリ7に充電するように、フロントモータ4の発電電力が制御される。
さらに、ステップ33によるフロントモータ制御では、エンジン走行モードの開始直後、要求出力OREQが前記第1所定値OREF1以上であるときには、駆動力入替制御の場合と同様、フロントモータ4によるエンジン3のアシストを実行する。この場合、要求出力OREQに対するエンジン3の動力の遅れを補うように、例えばエンジン走行モード制御の開始からの経過時間などに応じて、トルク制御成分目標値を算出する。そして、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT(エンジン3のアシスト用に供給される電力)を、算出されたトルク制御成分目標値が上記ステップ32で算出されたフロントモータ上限電力ELMF以下であるときには、トルク制御成分目標値になるように制御し、ELMFよりも大きいときには、フロントモータ上限電力ELMFになるように制御する。
次いで、充電状態SOCに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、リヤモータ上限電力ELMFを算出する(ステップ34)。このリヤモータ上限電力ELMRの算出については、後述する。
次に、リヤモータ制御を実行する(ステップ35)。具体的には、ステップ31で説明したように動力源としてのエンジン3のみを用いる場合、及び、エンジン3の動力の一部を用いたフロントモータ4での発電電力をバッテリ7に充電する場合には、リヤモータ41、61の出力トルクが値0になるように、ゼロトルク制御が実行される。また、エンジン走行モードの開始直後、要求出力OREQが前記第2所定値OREF2以上であるときには、駆動力入替制御の場合と同様、リヤモータ41、61によるエンジン3のアシストを実行する。この場合、要求出力OREQに対するエンジン3の動力の遅れを補うように、例えばエンジン走行モード制御の開始からの経過時間などに応じて、リヤモータ目標電力を算出する。そして、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOT(エンジン3のアシスト用に供給される電力)を、算出されたリヤモータ目標電力が上記ステップ34で算出されたリヤモータ上限電力ELMR以下であるときには、リヤモータ目標電力になるように制御し、ELMRよりも大きいときには、リヤモータ上限電力ELMRになるように制御する。
次いで、クラッチ制御を実行し(ステップ36)、本処理を終了する。具体的には、車速VPが前記所定車速よりも高いときには、変速装置5の変速段に応じて選択した第1及び第2クラッチ31、32の一方を完全に接続した状態に保持し、他方を遮断状態に保持する。一方、車速VPが所定車速以下のときには、前輪WFL、WFRに伝達されるエンジン3の動力を低減するために、変速装置5の変速段に応じて選択した第1及び第2クラッチ31、32の一方を半クラッチ状態に制御し、他方を遮断状態に保持する。
また、図11は、前記バッテリモータ上限電力EBNL、補機消費電力EACC、前記ステップ32で算出されるフロントモータ上限電力ELMF、及び、前記ステップ34で算出されるリヤモータ上限電力ELMRの関係を示している。同図に示すように、フロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRは、前述したマップを用いた算出によって、次式(4)が成立するように設定される。より具体的には、フロントモータ上限電力ELMFは、ELMF=(EBNL−EACC)αが成立するように設定され、リヤモータ上限電力ELMRは、ELMR=(EBNL−EACC)(1−α)が成立するように設定される。係数αについては前述した(0<α<1)。
ELMF+ELMR=EBNL−EACC ……(4)
また、図12は、制御装置1による動作例を示しており、同図において、TENGは、エンジン3の出力トルクであり、TFMOは、フロントモータ4の出力トルク、TLMFは、フロントモータ上限電力ELMFをトルク値に換算したフロント上限トルクである。
図12に示すように、リヤEV走行モード制御中(時点t4〜、図4のステップ2)、アクセル開度APが増大し、それにより要求出力OREQが許可出力OPERに達すると(時点t5)、前述したように、リヤEV走行モード制御が終了されるとともに、移行モード制御のうちのエンジン始動制御が開始される(図4のステップ4、図6のステップ12)。
エンジン始動制御中、フロントモータ4をスタータとしてエンジン3が始動され、それにより、エンジン回転数NEが始動時用目標回転数NESTになるように、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONが制御される。これにより、それまで値0であったエンジン回転数NEが、始動時用目標回転数NESTに向かって上昇し、エンジン3の始動に伴って、エンジン3の出力トルクが一時的に増減する。また、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMONが急増し、フロントモータ出力トルクTFMOがステップ状に増大した後、ほぼ一定の状態で推移するとともに、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが、要求出力OREQに応じて増大する。さらに、エンジン始動制御中、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMON及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが、フロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMR以下にそれぞれ制限され、両者ELMF、ELMRの間には、前記式(2)(ELMF(=ERE1)+ELMR=EBSL−EACC)が成立する。
そして、エンジン始動制御中、エンジン回転数NEが始動時用目標回転数NESTに近づくと、それに応じて、フロントモータ供給電力の回転数制御成分EFMON及びフロントモータ出力トルクTFMOが急減し、EFMONがしきい値EREF以下になると(時点t6)、エンジン3の始動が完了したとして(図6のステップ13:YES)、エンジン始動制御が終了される(ステップ14、ステップ11:YES)とともに、駆動力入替制御が開始される(ステップ15、図7)。
駆動力入替制御中、エンジン3の出力トルクTENGが急増する。また、この動作例では、駆動力入替制御中、要求出力が第1所定値OREF1以上で、かつ、第2所定値OREF2よりも小さいため、フロントモータ4でエンジン3がアシストされる(図7のステップ23)一方、リヤモータ41、61ではエンジン3がアシストされない(ステップ25)。その結果、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びフロントモータ出力トルクTFMOが増大するとともに、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが減少する。
さらに、駆動力入替制御中、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが、フロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMR以下にそれぞれ制限される(図7のステップ23、25)。ELMF及びELMRは、駆動力入替制御中には前記式(3)(ELMF+ELMR=EBNL−EACC−ERE2)が成立するように設定され(ステップ22、24)、エンジン走行モード制御中には前記式(4)(ELMF+ELMR=EBNL−EACC)が成立するように設定される(図10のステップ32、34)。このことから明らかなように、駆動力入替制御中、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTの全体は、同じ要求出力OREQに対して、エンジン走行モード制御の場合よりも、第2リザーブ電力ERE2の分、より小さな値に制限される。これにより、駆動力入替制御中、EFMOT及びERMOTの全体は、バッテリ7の劣化を回避しながら、第2リザーブ電力ERE2の分の電力をフロントモータ4に供給できるように、制限される。
そして、駆動力入替制御による駆動力の入替が完了したと判別されると(時点t7、図6のステップ16:YES)、エンジン走行モード制御が開始される(ステップ18、図4のステップ5:YES、ステップ6)。前述したように、エンジン走行モードの開始直後には、駆動力入替制御の場合と同様に、要求出力OREQと第1及び第2所定値OREF1、OREF2との大小関係に応じて、フロントモータ4やリヤモータ41、61のアシストが行われる(図10のステップ33、35)。一方、エンジン走行モードでは、前述したフロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRの設定(式(4))に、第2リザーブ電力ERE2が加味されず、それにより、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTの制限は、第2リザーブ電力ERE2の分、緩和される。
また、図13は、図12の比較例を示しており、この比較例は、駆動力入替制御中(時点t8〜時点t9直前)及びエンジン走行モード制御の開始直後(時点t9直後)に、フロントモータ4によるエンジン3のアシストが行われず、また、第2リザーブ電力ERE2を用いたフロントモータ上限電力ELMF及びリヤモータ上限電力ELMRの設定が行われない場合の動作例である。図13と図12の比較から明らかなように、この比較例では、駆動力入替制御中、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが、第2リザーブ電力ERE2をフロントモータ4に供給できるように制限されない。
このため、駆動力入替制御中、例えば、EFMOTやERMOTが比較的大きな値に設定されていた場合には、第1又は第2クラッチ31、32の接続に伴って前輪WFL、WFRの負荷がエンジン3のクランク軸に作用することでエンジン回転数NEが低下したようなときに、バッテリ7の電力をフロントモータ4に供給することでエンジン回転数NEを上昇させることができず、それにより、エンジンストールが発生するおそれがある。
これに対して、本実施形態によれば、駆動力入替制御中、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTを、バッテリ7の劣化を回避しながら、第2リザーブ電力ERE2分の電力をフロントモータ4に供給できるように制限するので、エンジン回転数NEが低下したときに、第2リザーブ電力ERE2分の電力を用いてフロントモータ4でエンジン回転数NEを上昇させ、エンジンストールを防止することができる。
また、本実施形態における各種の要素と、本発明における各種の要素との対応関係は、次のとおりである。すなわち、本実施形態におけるフロントモータ4が、本発明における第1電動機に相当するとともに、本実施形態における第1及び第2リヤモータ41、61が、本発明における第2電動機に相当する。また、本実施形態におけるバッテリ7が、本発明における蓄電器に相当するとともに、本実施形態におけるECU2が、本発明における制御手段及び始動手段に相当する。
以上のように、本実施形態によれば、ハイブリッド車両Vでは、エンジン3のクランク軸とフロントモータ4のロータが互いに機械的に連結されており、フロントモータ4及びリヤモータ41、61がバッテリ7に電気的に接続されている。また、運転モードとして、少なくともエンジン3を動力源として用いるエンジン走行モードと、エンジン3を停止するとともにリヤモータ41、61を動力源として用いるリヤEV走行モードが設定されている。
さらに、制御装置1では、リヤEV走行モードからエンジン走行モードに移行するときの移行モード中、フロントモータ4をスタータとしてエンジン3が始動される(図6のステップ12)。また、移行モード中に実行される駆動力入替制御中(図6のステップ15)に、すなわち、移行モード中において、エンジン3の始動が完了した後(図6のステップ11:YES、ステップ13:YES)に、バッテリ7の劣化を回避しながら、第2リザーブ電力ERE2分の電力をフロントモータ4に供給できるように、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTが制限される(図6のステップ15、図7のステップ22〜25、図8)。この第2リザーブ電力ERE2は、エンジン3のエンジンストールを防止するためにフロントモータ4でクランク軸を駆動するのに必要な電力である。また、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTはそれぞれ、エンジン3のアシストのためにフロントモータ4及びリヤモータ41、61に供給される電力である。
以上により、エンジン走行モードへの運転モードの移行中において、エンジン3の始動が完了した後に、バッテリ7の劣化を回避しながら、エンジンストールを防止することができる。
また、エンジン走行モードへの運転モードの移行が完了した後(図6のステップ16:YES)に、第2リザーブ電力ERE2に応じたフロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTの制限が終了される(ステップ18、図4のステップ5:YES、ステップ6、図10のステップ32〜35)。したがって、エンジン走行モードへの運転モードの移行の完了後に、より大きな電力をバッテリ7からフロントモータ4及びリヤモータ41、61に供給することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、駆動力入替制御中、第2リザーブ電力ERE2に応じて、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOT及びリヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTの両方を制限しているが、両者EFMOT、ERMOTの一方のみを制限してもよい。
また、実施形態では、第2リザーブ電力ERE2に応じたフロントモータ上限電力ELMFをリアルタイムで算出するとともに、フロントモータ供給電力のトルク制御成分EFMOTの目標値であるトルク制御成分目標値を、算出されたELMF以下に設定することによって、EFMOTを制限しているが、トルク制御成分目標値を算出するマップを、ELMFを加味して作成するとともにROMに記憶し、ELMFをリアルタイムで算出せずに、このマップを用いてトルク制御成分目標値をELMF以下の値に算出することによって、EFMOTを制限してもよい。このことは、リヤモータ供給電力のトルク制御成分ERMOTについても同様に当てはまる。
さらに、実施形態では、本発明における蓄電器は、バッテリ7であるが、キャパシタでもよい。また、実施形態では、第1及び第2リヤモータ41、61をそれぞれ、左右の後輪WRL、WRRに、遊星歯車装置で構成された第1及び第2減速歯車装置51、71を介して連結しているが、両者51、71を介さずに直結してもよく、あるいは、他の適当な伝達装置を介して連結してもよい。さらに、実施形態では、エンジン3及びフロントモータ4を前輪WFL、WFRに、デュアルクラッチトランスミッションである変速装置5を介して連結しているが、他の適当な変速装置を介して連結してもよい。
また、実施形態では、本発明における内燃機関及び第1電動機にそれぞれ相当するエンジン3及びフロントモータ4を前輪WFL、WFRに連結するとともに、本発明における第2電動機に相当するリヤモータ41、61を後輪WRL、WRRに連結しているが、これとは逆に、内燃機関及び第1電動機を後輪に連結するとともに、第2電動機を前輪に連結してもよい。さらに、実施形態では、第2電動機として、第1及び第2リヤモータ41、61から成る2つのモータを用いているが、単一のモータを用いてもよい。また、実施形態では、第2電動機に相当するリヤモータ41、61と、内燃機関及び第1電動機に相当するエンジン3及びフロントモータ4とが、互いに異なる車輪に連結されているが、同じ車輪に連結されていてもよい。
さらに、実施形態は、フロントモータ4、リヤモータ41、61及びバッテリ7に、補機8が接続されたハイブリッド車両Vに、本発明を適用した例であるが、本発明は、補機が接続されていないタイプのハイブリッド車両にも、適用可能である。この場合、前述した各種の制御動作において、補機に関連するパラメータは削除される。また、実施形態では、内燃機関は、ガソリンエンジンであるエンジン3であるが、ディーゼルエンジンや、LPGエンジンなどでもよい。さらに、実施形態では、ハイブリッド車両Vの前輪WFL、WFRの数及び後輪WRL、WRRの数は、それぞれ2つであるが、これに限らず、それぞれ1つでもよく、あるいは、前輪及び後輪の一方の数が1つで、他方の数が2つでもよく、あるいは、それぞれ3つ以上でもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
V ハイブリッド車両
1 制御装置
2 ECU(制御手段、始動手段)
3 エンジン
4 フロントモータ(第1電動機)
7 バッテリ(蓄電器)
41 第1リヤモータ(第2電動機)
61 第2リヤモータ(第2電動機)
ERE2 第2リザーブ電力(ENG駆動用リザーブ電力)
EFMOT フロントモータ供給電力のトルク制御成分(アシスト用供給電力)
ERMOT リヤモータ供給電力のトルク制御成分(アシスト用供給電力)

Claims (2)

  1. クランク軸を有する内燃機関、前記クランク軸に機械的に連結されたロータを有し、第1駆動軸を駆動するための第1電動機、前記第1駆動軸と異なる第2駆動軸を駆動するための第2電動機、ならびに、前記第1及び第2電動機に電気的に接続された蓄電器が設けられ、運転モードとして、少なくとも前記内燃機関を動力源として用いる第1運転モードと、前記内燃機関を停止するとともに前記第2電動機を動力源として用いる第2運転モードが設定されたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記第1及び第2電動機の少なくとも一方で前記内燃機関をアシストするために前記蓄電器から該少なくとも一方に供給される電力であるアシスト用供給電力を制御する制御手段と、
    前記第2運転モードから前記第1運転モードへの前記運転モードの移行中に、前記第1電動機をスタータとして用いて前記内燃機関を始動させる始動手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記始動手段による前記内燃機関の始動が完了した後、前記運転モードの前記移行が完了するまで、前記蓄電器の劣化を回避しながら、前記始動が完了した内燃機関のエンジンストールを防止するために前記第1電動機で前記クランク軸を駆動するのに必要な電力であるENG駆動用リザーブ電力分の電力を前記第1電動機に供給できるように、前記アシスト用供給電力をあらかじめ制限することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記運転モードの前記移行が完了した後に、前記アシスト用供給電力の前記制限を終了することを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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