JP6664215B2 - 防水通気多孔質膜および防水通気複合材料 - Google Patents

防水通気多孔質膜および防水通気複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、高い耐水圧および通気度を備える、柔軟な多孔質膜および複合材料に関する。
水滴を通さず空気を通す防水通気膜は、電子部品、衣料品等の防水用の被覆材として用いられている。防水通気膜は、一般的に多孔質膜である。多孔質膜の表面には、水が透過しない程度の孔径を有する孔が形成されているが、孔径が小さいため、通気度は十分ではない。通気度の低い多孔質膜を電子部品の被覆材として用いると、高所や水中での使用時に外気と電子部品内部との気圧差が大きくなって、多孔質膜が損傷する場合がある。多孔質膜が損傷すると、耐水性は大きく低下する。一方、通気度を高めるために孔径を大きくすると、耐水圧が低下する。つまり、孔径を制御することにより、通気度および耐水圧をともに高めることは困難である。そこで、従来、多孔質膜を疎水性の成分により形成することで、多孔質膜の耐水圧を高めている(特許文献1参照)。
ところで、防水通気膜を電子部品、衣料品等の被覆材として用いる場合、電子部品の加工性の観点または衣料品の風合いの観点から、防水通気膜には、高い柔軟性も要求される。この点に関して、特許文献2は、多孔質膜の成分として、ポリウレタンを使用することを教示している。
特開2014−43592号公報 特開2008−81877号公報
特許文献1のように、多孔質膜として疎水性の成分(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)を用いる場合、多孔質膜の表面の水に対する接触角が大きくなって、耐水圧は向上する。一方、PTFEは引張弾性率が500MPaと非常に高く、得られる多孔質膜の柔軟性は低い。一方、特許文献2では、多孔質膜の成分としてポリウレタンを用いているため、得られる多孔質膜は柔軟性に優れるものの、耐水圧が不十分である。そこで、特許文献2では、後処理により多孔質膜の表面に撥水剤を付与しているが、やはり十分な耐水圧は得られない。
本発明は、高い耐水圧および通気度を備えるとともに、柔軟な多孔質膜を提供することを目的とする。さらに、上記の多孔質膜を基材に積層して一体化させた複合材料を提供することを目的とする。
本発明は、第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面と、を備える多孔質膜であって、第2主面の開孔率が、第1主面の開孔率以下であり、第2主面の開孔率が0.5%〜30%であり、水に対する接触角が70°以上であり、第2主面に形成された孔の平均孔面積が0.5μm〜50μmであり、多孔質膜を構成する成分(膜成分)の引張弾性率が0.5MPa〜200MPaである、多孔質膜に関する。このような多孔質膜は、高い通気度および耐水圧を兼ね備えるとともに、柔軟である。
多孔質膜の引張弾性率は、0.1MPa〜30MPaであることが好ましい。これにより、多孔質膜を電子部品の被覆材として用いる際の加工性が向上する。また、衣料に用いられる際の風合いが向上する。
多孔質膜全体の空隙率は、第2主面の開孔率の1.1倍以上であることが好ましい。多孔質膜の通気度および柔軟性がさらに向上するためである。
多孔質膜の厚みは、5μm〜1000μmであることが好ましい。多孔質膜の強度を確保しながら、高い柔軟性および通気度を得ることができるためである。
多孔質膜の耐水圧は21kPa〜300kPaであることが好ましい。これにより、通気性を確保しながら、十分な防水性が得られる。多孔質膜のフラジール法で測定された通気度は0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secであることが好ましい。これにより、多孔質膜を電子部品の被覆材として用いる場合、高所や水中での使用時に外気と電子部品内部との気圧差を小さくすることができるため、多孔質膜の損傷が抑制される。また、多孔質膜を衣料の被覆材として用いる場合、発汗により発生した水蒸気を衣服の外側に逃がして蒸れを抑制するため、着用時の快適性が向上する。
多孔質膜を構成する成分は、エラストマーを含むことが好ましい。エラストマーを、多孔質膜の構造を形成する主な樹脂成分(構造成分)として含ませることにより、柔軟な多孔質膜が形成され易くなる。
また、本発明は、多孔質膜と基材とを備える複合材料に関する。この複合材料は、基材の特性(例えば、風合い、触感、保温性等)を活かしながら、高い防水性能および通気性を発揮することができる。
基材は、織物、編物および不織布よりなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。このような基材は高い通気性を有するため、多孔質膜が備える通気性が阻害され難い。
基材のフラジール法で測定された通気度は、1.1cm/cm/sec〜1000cm/cm/secであることが好ましい。基材の上記通気度がこの範囲であれば、多孔質膜よりも基材の通気度が高くなり易い。よって、多孔質膜の通気性が損なわれ難くなって、複合材料全体として高い通気性を発揮できる。
複合材料の耐水圧は21kPa〜300kPaであることが好ましく、フラジール法で測定された通気度は0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secであることが好ましい。このような複合材料は、電子部品および衣料の被覆材として適している。
本発明によれば、高い耐水圧および通気度を備えるとともに、柔軟な多孔質膜および複合材料が得られる。
実施例3で得られた多孔質膜の第2主面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像である(倍率1000倍)。 図1に示すSEM画像を二値化処理した画像である。
通常、0.5MPa〜200MPaの引張弾性率を有する膜成分によって形成される多孔質膜は、2つの主面のうち、一方の主面には孔が形成され難く、当該主面の開孔率は著しく低い。すなわち、一方の主面と他方の主面とを連通する孔は少なく、通気度が低い。
一方、本実施形態の多孔質膜は、引張弾性率が0.5MPa〜200MPaの膜成分により形成されているとともに、両方の主面(第1主面および第1主面とは反対側の第2主面)のいずれにも孔が形成されている。そのため、柔軟性に優れるとともに、高い通気度を有する。さらに、第1主面と第2主面とは開孔率が異なっており、第2主面の開孔率は第1主面の開孔率以下である。
第2主面の開孔率は0.5%〜30%である。第2主面の開孔率が30%より小さいため、水の透過抵抗が大きくなって、水は第2主面から多孔質膜の内部に浸透することが困難となる。また、第2主面の開孔率は0.5%以上であるため、第2主面における空気の透過抵抗は十分に小さく、多孔質膜の通気性は確保される。すなわち、第2主面によって、多孔質膜は、優れた通気度および耐水性を兼備することができる。さらに、第2主面の開孔率がこの範囲であると、使用時の表面摩耗による第2主面の劣化も抑制される。第2主面が劣化すると、耐水圧が低下し易くなる。第2主面の開孔率は、1%以上であることが好ましい。また、第2主面の開孔率は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
ここで、第2主面の開孔率は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影された多孔質膜の第2主面の画像から算出できる値である。例えば、第2主面を、法線方向から1000倍の倍率で撮影した画像を、多孔質膜部分と孔の部分とにわけて二値化する。このとき、画像で確認できる孔は、第2主面に形成された孔である。そのため、測定面積に対する孔の部分の合計の面積の百分率は、第2主面の開孔率である。第1主面の開孔率も同様にして算出できる。後述するように、多孔質膜が他の基材に積層され、一体化されている場合、各主面の開孔率は、多孔質膜に粘着テープを貼り、粘着テープとともに多孔質膜を基材から剥離した後、上記方法により算出すればよい。
第2主面の開孔率が上記範囲であれば、多孔質膜は優れた通気度および耐水圧を発揮できる。よって、第1主面の開孔率は、第2主面の通気性を阻害しないよう、第2主面の開孔率と同じかそれ以上であればよい。なかでも、第1主面の強度の観点から、30%以下であることが好ましい。このとき、水は、第1主面から多孔質膜の内部に浸透する場合がある。しかし、第2主面があるため、水は多孔質膜を通過し難い。
多孔質膜の第2主面以外の領域(第1主面を含む)も、第2主面の開孔率と同じかそれ以上であればよい。ただし、多孔質膜の第2主面以外の領域の開孔率を求めるのは困難であるため、本実施形態では、多孔質膜全体の空隙率Pを規定する。ここで、多孔質膜全体の空隙率Pは、膜成分の引張弾性率Eと同様に、多孔質膜の柔軟性に影響を与える。ここで、膜成分とは、多孔質膜を構成する成分であって、上記構造成分、後述する造孔剤、セルロース誘導体、撥水剤およびその他の添加物を含む。なお、膜成分には溶媒が含まれる場合がある。
多孔質膜の柔軟性が向上する点で、多孔質膜全体の空隙率Pは50%以上が好ましく、60%以上がより好ましい。また、多孔質膜の強度の観点から、空隙率Pは98%以下が好ましい。多孔質膜全体の空隙率Pがこの範囲であれば、多孔質膜の強度を保持しながら、柔軟性を高めることができる。なかでも、多孔質膜の柔軟性がより高まる点で、多孔質膜全体の空隙率Pは、第2主面の開孔率以上であることが好ましく、1.1倍以上がより好ましく、2倍以上がさらに好ましく、5倍以上が特に好ましい。
多孔質膜の製造方法は、乾式製膜法と湿式製膜法とに大別される。乾式製膜法は、例えば、膜成分と良溶媒を含む溶媒とを含む製膜原液を用いて膜状物を形成する工程と、形成された膜状物を乾燥させる乾燥工程と、を備える。この場合、乾燥工程において溶媒が蒸発する際に、多数の孔が形成される。なお、製膜原液に含まれる溶媒には、貧溶媒も含まれ得る。また、膜成分が結晶性の高い化合物を含む場合、乾式製膜法としては、製膜原液を用いて膜状物を形成する工程と、形成された膜状物を乾燥させて薄膜を形成する乾燥工程と、得られた薄膜を延伸する延伸工程と、を備えていてもよい。この場合、延伸工程において多数の孔が形成される。ただし、結晶性の高い化合物を含む膜成分は、引張弾性率が200MPaを超える場合がある。
湿式製膜法は、例えば、膜成分と上記溶媒とを含む製膜原液を用いて膜状物を形成する工程と、形成された膜状物を構造成分に対する貧溶媒を含む凝固液に浸漬させて凝固させる凝固工程と、を備える。この場合、凝固工程において、凝固液中の貧溶媒と膜状物に含まれる良溶媒との置換が生じ、多孔質膜に多数の孔が形成される。湿式製膜法では、後述するように、膜状物内における貧溶媒の濃度に分布を設けることができる。つまり、得られる多孔質膜の各主面の開孔率をそれぞれ制御することができる。そのため、本実施形態では湿式製膜法が好ましく用いられる。
製膜原液を用いて膜状物を形成する工程は特に限定されず、例えば、製膜原液をダイから膜状に吐出する方法(ダイキャスト法)、製膜原液を離型基板上に膜状に塗付する方法、製膜原液を多孔質膜との複合材料に用いる基材上に膜状に塗付する方法等がある。なかでも、湿式製膜法によって多孔質膜を製造する場合、製膜原液を離型基板または基材上に塗布する方法が好ましく用いられる。この方法によれば、凝固前の膜状物の形状が、離型基板または基材によって保持されるため、生産性が向上する。離型基板としては特に限定されず、例えば、フィルムや織物が用いられる。なかでも、取扱い性の観点から、離型基板としては、ポリエチレンテレフタレート製フィルム、ナイロン製平織物、ポリエステル製平織物等が好ましい。離型性が向上する点で、表面にシリコーン樹脂などの離型剤が塗布された離型基板を用いることが好ましい。
本実施形態に係る多孔質膜は、例えば、それぞれ一様な空隙率を有する多孔質膜を複数種、製造した後、これらを積層する方法、一様な空隙率を有する多孔質膜を製造した後、多孔質膜の一方の主面の孔を、熱による溶融や溶剤による溶解によって縮小させて、開孔率を小さくする方法、湿式製膜法を用いて、膜状物内における貧溶媒の濃度に分布を設けることによって、一方の主面とその反対側の主面とで開孔率を変える方法等、により製造することができる。なかでも、各主面の開孔率を制御し易い点および生産性の観点から、湿式製膜法を用いて、凝固工程において一方の主面とその反対側の主面との開孔率を変える方法が好ましい。なお、複数種の多孔質膜を積層する方法は、多孔質膜同士の界面における剥離が生じる場合があるため、あまり好ましくない。
湿式製膜法では、膜状物が貧溶媒を含む凝固液に浸漬されると、貧溶媒と膜状物内の良溶媒との置換が生じ、膜状物内の貧溶媒の濃度が上昇する。そのため、溶媒に溶解していた膜成分の溶解性が低下し、膜成分が当該溶媒から分離する(相分離)。このとき、膜状物には多数の孔が形成される。その後、膜状物内の貧溶媒の濃度が凝固点を超えると、膜状物が凝固して多孔質膜が得られる。膜状物が凝固するまでの間に、相分離が進行するほど、得られる多孔質膜の開孔率は大きくなる。つまり、開孔率は、貧溶媒と良溶媒との置換速度に応じて変化する。膜状物と凝固液の界面(膜状物の主面)では、貧溶媒と良溶媒との置換速度が速く、膜状物の中心部に向かって置換速度は遅くなる。そのため、膜状物の主面は、膜状物の中心部と比べて開孔率が小さくなる。
ここで、膜状物を離型基材または複合材料に用いる基材上に塗布する場合、膜状物の凝固液と直接界面を形成している主面(露出面。第2主面に相当)は、離型基材または基材に接触する側の主面(非露出面。第1主面に相当)に比べて置換速度が速くなる。つまり、露出面では、相分離があまり進行しないうちに凝固するため、非露出面と比べて開孔率が小さくなる。
上記のとおり、製膜原液が0.5MPa〜200MPaの引張弾性率を有する膜成分を含む場合、湿式製膜法を用いると、露出面の開孔率が小さくなり過ぎる。以下、0.5MPa〜200MPaの引張弾性率を有する膜成分を含む製膜原液を用いて湿式製膜法を行う場合に、露出面の開孔率を大きくする方法を具体的に説明する。この方法によれば、上記引張弾性率を有する膜成分から、両方の主面に0.5%以上の開孔率を備える多孔質膜を得ることができる。なお、この場合においても、露出面の上記置換速度は、非露出面より遅くはならないため、露出面の開孔率は非露出面の開孔率以下となる。
露出面の開孔率を大きくする方法としては、製膜原液を用いて膜状物が形成されてから、膜状物が凝固し始めるまでの時間を長くする方法(方法1)、製膜原液中の固形分濃度を低くする方法(方法2)、製膜原液に造孔剤を添加する方法(方法3)、さらに、貧溶媒として水を用いる場合には、製膜原液にセルロース誘導体を添加する方法(方法4)等が挙げられる。
方法1としては、製膜原液を用いて膜状物を形成した後、凝固液に浸漬する前に、得られた膜状物を貧溶媒を含む雰囲気下(例えば、貧溶媒を含む気体中や、貧溶媒がミスト状に浮遊する空間)に置く方法が挙げられる。この方法によって膜状物が貧溶媒に接触すると、膜状物中の貧溶媒の濃度はゆるやかに増加する。そのため、貧溶媒の濃度が膜成分の相分離が誘起される濃度に達してから、凝固が開始される濃度に達するまでの時間が長くなる。よって、形成される孔の拡大が進み、露出面の開孔率がより大きくなる。
膜状物を貧溶媒を含む雰囲気に置く時間(膜状物を貧溶媒を含む雰囲気下に置いてから、貧溶媒を含む凝固液に浸漬するまでの時間。以下、暴露時間)は、製膜原液の組成、空気中の貧溶媒の濃度およびその温度、凝固液中の貧溶媒の濃度およびその温度等に応じて適宜設定すればよい。なかでも、上記雰囲気が20℃〜30℃である場合、露出面の開孔率が大きくなる点で、暴露時間は10秒以上であることが好ましい。また、暴露時間は300秒以下であることが好ましい。暴露時間が長いと、表面張力によって膜状物の形状が変化し、膜厚のムラが大きくなる場合があるためである。なお、上記雰囲気の温度が高いと、膜状物中への貧溶媒の供給速度が速くなるため、相分離は誘起され易くなり、露出面の開孔率はより高くなる。
雰囲気中の貧溶媒の濃度は、例えば、暴露時間を10〜300秒にしたときに、孔径の拡大が進行するような濃度であればよい。貧溶媒の上記濃度が高すぎると、薄膜の凝固が開始されるまでの時間が短くなって、開孔率の増加が抑制される場合がある。
貧溶媒は、多孔質膜の構造成分の溶解度が低いものであれば特に限定されず、水、低級アルコール類等が挙げられる。なかでも、取扱い性の観点から、貧溶媒は水であることが好ましい。この場合、雰囲気中の貧溶媒(水)の濃度は露点で表わすことができる。露点は0℃以上が好ましく、5℃以上がより好ましい。また、露点は、50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。
良溶媒は、多孔質膜の構造成分に応じて適宜選択すればよい。良溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、シクロヘキサノン等が用いられる。なかでも、溶解性および揮発性の観点から、良溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミドが好ましく用いられる。
方法2では、製膜原液の固形分濃度を例えば40質量%以下にする。製膜原液の固形分濃度が40質量%を超えると、形成される孔の数や大きさが減少する。そのため、露出面には十分な孔が形成されず、開孔率が小さくなる。製膜原液の固形分濃度は、10質量%以上が好ましい。製膜原液の固形分濃度が10質量%より低いと、多孔質膜全体の空隙率が高くなりすぎて、強度が低下する場合がある。
方法3では、相分離の際に造孔剤が孔の核となるため、露出面に形成される孔の数が増加する。造孔剤としては、良溶媒あるいは貧溶媒のいずれかと親和性が高い限り特に限定されず、有機化合物であってもよいし、無機化合物であってもよい。造孔剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の有機化合物、疎水性シリカ、親水性シリカ、炭酸カルシウム等の無機化合物が挙げられる。上記有機化合物は、水との親和性が高いため、貧溶媒が水である場合に好ましく用いられる。
多孔質膜中の造孔剤の含有量は、5質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。また、上記含有量は60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。上記含有量がこの範囲であれば、多孔質膜の強度を低下することなく、露出面の開孔率を十分に大きくすることができる。
方法4に関して、貧溶媒として水を用いる場合、製膜原液にセルロース誘導体を添加することにより、第2主面の開孔率が大きくなる理由は不明である。セルロース誘導体は水に不溶であるものの親水性樹脂である。そのため、セルロース誘導体と貧溶媒である水との相互作用が、相分離による孔の形成に影響を与えていると考えられる。なお、セルロース誘導体は、多孔質膜の構造成分になり得る。ただし、セルロース誘導体が多孔質膜の主な構造成分である場合、膜成分の引張弾性率が高くなって、得られる多孔質膜の柔軟性は低下する。そのため、セルロース誘導体は、他の構造成分とともに用いられることが好ましい。
多孔質膜中のセルロール誘導体の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましい。また、上記含有量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましい。上記含有量がこの範囲であれば、多孔質膜の柔軟性を損なうことなく、露出面の開孔率を十分に大きくすることができる。
セルロースはβ−グルコースの重合体であって、セルロース誘導体は、1つのグルコース単位に含まれる3つのOH基のうちの少なくとも一つが他の官能基に置換された化合物である。他の官能基としては特に限定されず、例えば、−O−COCH、−O−COC、−O−CHCOOH、−O−CHCHOH、−O−NO等が挙げられる。具体的なセルロース誘導体としては、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硝酸セルロース等が例示される。
膜成分の引張弾性率Eは、0.5MPa〜200MPaである。引張弾性率Eがこの範囲であれば、得られる多孔質膜の強度を維持しながら、柔軟性を向上させることができる。よって、電子部品を被覆する際の加工性、および、衣料として用いられる際の風合いが向上する。引張弾性率Eは、100MPa以下が好ましく、50MPa以下がより好ましく、30MPa以下がさらに好ましい。また、引張弾性率Eは、1MPa以上であることが好ましい。
引張弾性率Eは、空隙率の影響を除外して算出される。例えば、引張弾性率Eは、多孔質膜自体の引張弾性率(みかけの引張弾性率E)および多孔質膜の空隙率P(%)を用いて、下記式1から算出することができる。
(式1)E=E÷(1−P×0.01)
また、引張弾性率Eは、多孔質膜を溶剤に溶かした後、得られた溶液を乾固および成形して得られた無孔質膜の引張弾性率として得ることもできる。多孔質膜に基材が積層された複合材料の場合、引張弾性率Eは、複合材料の基材を溶解せず多孔質膜を溶解する溶剤に溶かした後、得られた溶液を乾固および成形して得られた無孔質膜の引張弾性率として得ることができる。引張弾性率は、引張試験で得られる応力−ひずみ線図の初期(伸度0〜5%である領域)の直線の傾きである。引張試験は、温度22℃湿度65%の環境で行われる。
一方、みかけの引張弾性率Eは特に限定されないが、形状保持性および加工性の観点から、0.1MPa以上が好ましく、0.5MPa以上がより好ましい。また、みかけの引張弾性率Eは30MPa以下が好ましく、20MPa以下がより好ましい。
多孔質膜の構造成分としては、多孔質膜の柔軟性が向上する点で、各種エラストマーが好ましく例示できる。エラストマーとしては特に限定されず、例えば、ウレタンエラストマー、塩化ビニルエラストマー、パーフルオロエラストマー、スチレンエラストマー、オレフィンエラストマー、ナイロンエラストマー、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。なかでも、湿式製膜法により孔が形成され易い点で、ウレタンエラストマーが好ましい。ウレタンエラストマーとしては、例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルエステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、または、アミノ酸、シリコーン成分、フッ素モノマー等とウレタン成分とを共重合させた変性ポリウレタン樹脂等が挙げられる。なかでも、エステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、フッ素変性ポリウレタン樹脂は、疎水性が強く、多孔質膜の第2主面の水に対する接触角が大きくなるため好ましい。なお、水に対して乳化あるいは分散する水系のウレタンエラストマーも市販されているが、疎水性に劣る。そのため、第2主面の水に対する接触角を大きくできる点で、多孔質膜に含まれる水系のウレタンエラストマーの割合は、10質量%以下であることが好ましい。
構造成分の含有量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。構造成分の含有量がこの範囲であれば、膜成分の引張弾性率Eが小さくなって、柔軟な多孔質膜を得ることができる。
第2主面に形成される孔1つ当たりの面積の平均値(平均孔面積)は、0.5μm〜50μmである。第2主面に形成される孔の平均孔面積もまた、通気度および耐水圧に影響する。第2主面における平均孔面積がこの範囲であれば、所望の通気度を確保しながら、耐水圧を高くすることができる。第2主面における平均孔面積は、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
第1主面における平均孔面積は特に限定されず、第2主面における平均孔面積と同じであってもよいし、これより大きくてもよいし、小さくてもよい。第1主面における平均孔面積は、例えば、0.5μm〜200μmである。
平均孔面積は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって撮影された多孔質膜の表面の画像から算出できる。例えば、1000倍の倍率で撮影した画像のうち、50μm×50μmの範囲の中で確認できるすべての孔の面積を算出し、これを平均化することにより求められる。なお、確認できる孔の総数が50個未満の場合は、確認できる孔の総数が50個以上になるまで、他の50μm×50μmの範囲における計測を繰り返して、データを追加する。データ数は50個以上であればよい。
多孔質膜の第2主面の水に対する接触角は、70°以上である。多孔質膜の耐水圧は、多孔質膜の第2主面の水に対する接触角にも影響される。上記接触角が大きい場合、第2主面に形成された孔の内部に水が浸入することが抑制される。よって、多孔質膜の耐水圧はさらに向上する。上記接触角は75°以上が好ましい。
第2主面の水に対する接触角を大きくする方法としては、構造成分の疎水性を高める方法、製膜原液に撥水剤を添加する方法、得られた多孔質膜に撥水剤を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、得られた多孔質膜に撥水剤を付着させる方法は、多孔質膜の構造に影響を与えることなく、上記接触角を大きくすることができる点で好ましい。
構造成分の疎水性は、製膜原液の水に対する凝固性を示す凝固価を指標として示すことができる。構造成分の疎水性が高いほど、製膜原液の凝固価は低くなる。製膜原液100g当たりの凝固価は、60g以下であることが好ましく、40g以下であることがより好ましく、20g以下であることがさらに好ましい。ここで、凝固価とは、100gの製膜原液を撹拌し、これに水を添加したとき、不溶物が発生した時点(凝固点)における溶液中の水分量である。製膜原液が水を包含している場合、凝固点における溶液中の水分量は、製膜原液に含まれている水と添加した水とを足し合わせた値である。製膜原液の凝固価は、構造成分として水への溶解度が低い化合物を用いることにより、低減することができる。構造成分として、水への溶解度が低い化合物と水への溶解度が高い化合物とを含む場合、水への溶解度が高い化合物の含有割合を低減することで、製膜原液の凝固価を低くすることができる。
多孔質膜の厚みは、柔軟性の観点から薄い方が好ましい。ただし、柔軟性、強度および通気度のバランスを考慮すると、多孔質膜の厚みは5μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。また、多孔質膜の厚みは1000μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましく、60μm以下がさらに好ましい。多孔質膜の厚みがこの範囲であれば、多孔質膜の強度を確保しながら、高い柔軟性および通気度を得ることができる。多孔質膜が破損すると、特に耐水圧が小さくなる。
上記のような物性を備える多孔質膜の耐水圧は、例えば、21kPa〜300kPaである。多孔質膜の耐水性がこの範囲であれば、通気性を確保しながら、十分な防水性が得られる。耐水圧は、JIS L−1092 B法(高水圧法)に準じて測定される。多孔質膜の耐水圧は、21kPa〜150kPaがより好ましい。
多孔質膜のフラジール法で測定された通気度は、例えば、0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secである。上記通気度がこの範囲であれば、多孔質膜を電子部品の被覆材として用いる場合、高所や水中での使用時に外気と電子部品内部との気圧差を小さくすることができるため、多孔質膜の損傷が抑制される。また、多孔質膜を衣料の被覆材として用いる場合、発汗により発生した水蒸気を衣服の外側に逃がして蒸れを抑制するため、着用時の快適性が向上する。上記通気度は、0.06cm/cm/sec〜0.6cm/cm/secであることがより好ましい。
強度の観点から、多孔質膜を他の基材と積層して、一体化された複合材料の形態として用いてもよい。多孔質膜を他の基材と積層することで、使用時における多孔質膜の物理的な損傷を抑制することができる。一方、基材側から見れば、シンプルな方法により、基材に高い防水性能および通気性が付与される。特に衣料用途では、基材として、織物、編物および不織布よりなる群から選択される少なくとも一つを用いることにより、基材が有する風合い、触感、保温性等の特性を活かしながら、高い防水性能および通気性が発揮される。このとき、多孔質膜の第1主面および第2主面のいずれを、基材に対向させてもよい。
基材は、多孔質膜の通気度を阻害し難い点で、高い通気性を有することが好ましい。このような基材としては、上記のような織物、編物および不織布等の繊維構造体が挙げられる。繊維構造体の材質は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン、アクリル、レーヨン、アセテート、ポリ乳酸等の化学繊維、大豆蛋白、絹、羊毛、綿、麻等の天然繊維等があげられる。繊維構造体は、これら繊維を、混繊、混紡、交織、交編等の手法により2種以上含んでいてもよい。また、基材は、染色加工、捺染加工、撥水加工、制電加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、消臭加工、紫外線遮蔽加工、防炎加工、カレンダー加工等の各種加工が施されていてもよい。
基材のフラジール法で測定された通気度は、多孔質膜の通気度よりも高いことが好ましい。これにより、多孔質膜の通気度が損なわれず、複合材料全体としても高い通気性が得られる。基材の上記通気度は、具体的には、1.1cm/cm/sec〜1000cm/cm/secが好ましく、1.5cm/cm/sec以上がより好ましい。また、上記通気度は、500cm/cm/sec以下がより好ましい。基材の通気度が高すぎる場合、基材の表面には空隙が多く形成されていると考えられる。そのため、基材と多孔質膜との密着性が低下し、剥離し易くなる。基材の厚みは特に限定されず、複合材料の用途、所望の性能等に応じて、適宜設定すれば良い。
このような基材と多孔質膜とを積層し、一体化されて得られる複合材料の耐水圧は、例えば、21kPa〜300kPaである。複合材料の耐水性がこの範囲であれば、通気性を確保しながら、十分な防水性が得られる。耐水圧は、JIS L−1092 B法(高水圧法)に準じて測定される。複合材料の耐水圧は、21kPa〜150kPaであることがより好ましい。
複合材料の通気度は、例えば、0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secである。多孔質膜よりも高い通気度を有する基材を用いることにより、多孔質膜と同等の通気度を有する複合材料が得られる。複合材料の通気度は、0.06cm/cm/sec〜0.6cm/cm/secであることがより好ましい。
複合材料を得る方法は特に限定されず、例えば、多孔質膜と基材とを貼り合わせる方法、上記したように、基材上に製膜原液を塗布して、基材上に多孔質膜を形成する方法等が挙げられる。多孔質膜と基材とを貼り合わせる方法としては、多孔質膜を基材に積層させた後、熱溶着させる方法、両者を接着剤により接着させる方法等が挙げられる。このとき、離型基板上に形成された多孔質膜を基材に転写させながら、両者を積層させてもよい。
多孔質膜を熱溶着させる場合、多孔質膜の孔が塞がるのを抑制するために、熱溶着は多孔質膜の融点以下の温度で行うことが好ましい。接着剤を用いる場合、基材または多孔質膜に、例えばグラビアロールで接着剤を柄状に付着させる。接着剤の柄は特に限定されず、ドット柄、格子柄等であってもよい。基材または多孔質膜に対する接着剤の塗布面積は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。上記塗布面積は、70%以下が好ましく、50%以下がより好ましい。塗布面積がこの範囲であれば、多孔質膜の孔が接着剤で埋められることを抑制しながら、多孔質膜と基材との接着強度を十分に高めることができる。基材上に製膜原液を塗布する場合、製膜原液の塗布後、上記したような乾式製膜法または湿式製膜法により、基材上に多孔質膜が形成される。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例における性能の評価は、以下の(1)〜(9)の方法に従った。
(1)耐水圧
JIS L−1092 B法(高水圧法)に準じ、耐水圧を測定した。測定に際して、多孔質膜の変形による破断を防ぐため、多孔質膜の耐水圧に影響を与え難い平織物を重ねて測定した。平織物は、経糸に80dtex/24フィラメントの6ナイロンマルチフィラメント糸、緯糸に80dtex/34フィラメントの6ナイロンマルチフィラメント糸を用いて製織されており、経糸密度120本/2.54cm、緯糸密度90本/2.54cmであった。なお、複合材料の耐水圧を測定する際には、上記平織物を用いなかった。
(2)通気度
JIS L1096 A法に準じ、フラジール法による通気度の測定を行った。
(3)多孔質膜のみかけの引張弾性率E
多孔質膜から幅50mm×長さ80mmの試験片を切り出し、引張試験機(商品名「オートグラフAG−IS型」、株式会社島津製作所製)に取り付けた後(つかみ間隔50mm)、引張速度150mm/分で引張試験を行った。測定温度は22℃、測定湿度は65%であった。得られた応力−ひずみ曲線の初期の直線の傾きを多孔質膜の断面積(mm)で除し、多孔質膜の見かけの引張弾性率E(MPa)を算出した。上記測定を10回行い、平均値を求めた。なお、多孔質膜が基材に積層されている場合であって、多孔質膜単体での引張試験が困難な場合、みかけの引張弾性率Eを算出せずに、後述する(5)の方法により、直接、引張弾性率Eを求めた。
(4)多孔質膜全体の空隙率
多孔質膜から幅100mm×長さ100mmの試験片を切り取り、試験片の厚みおよび質量を測定した。厚みは、試験片の任意の10点の厚みの平均値とした。
別途、多孔質膜をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させて溶液を得た。得られた溶液を、隙間100μmのアプリケーターを用いて、離型フィルム(材質:ポリエチレンテレフタレート、商品名:フィルムバイナ75−NT−2AS、藤森工業株式会社製)の上にコーティングし、120℃で1分間乾燥させた後、離型フィルムを剥離して、対照フィルムを作製した。対照フィルムを幅100mm×長さ100mmに裁断し、厚みおよび質量を測定した。厚みは、対照フィルムの任意の10点の厚みの平均値とした。
試験片および対照フィルムの厚みと質量から、下記式2により空隙率P(%)を算出した。
(式2)P=(1−(W÷T)÷(W÷T))×100
式中、Wは対照フィルムの質量(g)、Tは対照フィルムの厚み(mm)、Wは試験片の質量(g)、Tは試験片の厚み(mm)である。
なお、対照フィルムの作製において、多孔質膜がN,N−ジメチルホルムアミドに溶解しない場合、多孔質膜を溶解する溶媒に適宜変更した。また、多孔質膜が基材に積層されている場合、基材を溶解せず、かつ、多孔質膜を溶解する溶媒を使用した。
(5)多孔質膜の膜成分の引張弾性率E
(3)で得られた多孔質膜の引張弾性率Eと(4)で得られた空隙率とから、上記式1により多孔質膜の膜成分の引張弾性率Eを算出した。多孔質膜単体での引張試験が困難な場合、(4)と同様の方法により無孔質フィルムを作製し、(3)の方法により引張弾性率Eを求めた。
(6)各主面の開孔率
多孔質膜を、一方の主面の法線方向から、走査型電子顕微鏡(商品名「S−3000N」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて倍率1000倍で撮影し、得られたSEM画像をコンピュータに取り込んだ。取り込んだSEM画像を50μm×50μmの範囲に切り取り、画像処理ソフトにて画像解析を行った。二値化処理によって、多孔質膜部分を明輝度に、それ以外の部分(孔)が暗輝度となるように閾値を決め、明輝度部分を白、暗輝度部分を黒とした画像を得た。暗輝度部分のピクセル数を計測し、暗輝度部分の解析画像の総ピクセル数に対する割合を算出して、開孔率とした。他の9箇所の50μm×50μmの範囲における画像から、同様にして開孔率を算出し、これら10箇所の平均値を求めた。多孔質膜の他方の主面についても同様に、SEM画像から開孔率を算出した。開孔率が小さい方の主面を第2主面とした。なお、白および黒の配色は逆であってもよい。
多孔質膜部分とそれ以外の部分とを、一律の閾値で分けられない場合(例えば、同じSEM画像内において、孔部分よりも暗い多孔質部分がある場合等)、SEM画像を複数に分割して、分割された各SEM画像にそれぞれ適切な閾値を設定して二値化処理した後、元の通りに繋ぎ合わせて一枚の画像に戻した。次いで、上記と同様にして開孔率を算出した。
画像にはノイズが含まれ得る。例えば、連続するピクセル数が5個以下の暗輝度部分は、ノイズであるか孔であるかが判然としない。そのため、この暗輝度部分は、多孔質膜であるとして扱った。すなわち、ノイズを除去するために、連続するピクセル数が5個以下の暗輝度部分は、暗輝度部分としてカウントしなかった。なお、このような暗輝度部分を、予め白に着色しておいてもよい。
(7)各主面の平均孔面積
(6)で得られた二値化処理後の画像を用いた。孔1つ当たりの暗輝度部分のピクセル数に、1ピクセル当たりの面積を乗じて、孔1つ当たりの面積を求めた。なお、孔の一部が計測範囲から外れる場合は、その孔を除外した。孔面積のデータが50個以上になるまで、他の50μm×50μmの範囲において計測を繰り返した。計測した全てのデータの平均値を平均孔面積とした。
(8)第2主面の水に対する接触角
(6)によって第2主面が決定された後、接触角測定器(商品名「M−2040Aエルマ接触角測定器」、エルマ光学株式会社製)を用いて、第2主面の水に対する接触角を測定した。具体的には、第2主面に一滴のイオン交換水を滴下し、第2主面と水の接触部分の角度を計測した。
(9)製膜原液の凝固価
製膜原液100gを溶液温度30〜30.5℃に保ち、撹拌しながら水を滴下し、凝固点までの滴下量を測定した。凝固点の判定は目視により行った。凝固点までの水の滴下量と、製膜原液に含有する水分量を足して凝固価とした。この操作を3回繰り返し、平均値を求めた。
(実施例1)
下記処方1に示す組成の製膜原液A(凝固価:10g)を、上記離型フィルムにナイフオーバーロールコータを用いて、塗布量が湿潤状態で80g/mとなるようにコーティングした。次いで、製膜原液Aがコーティングされた離型フィルムを、水噴霧式加湿器(商品名「FT−161DH」、ユーキャン株式会社製)を設置した暴露用の装置(容積:約5.0m、温度20℃、相対湿度100%、露点20℃)中に、水噴霧量8.0kg/時間の条件で30秒間走行させた。続いて、上記離型フィルムを30℃の水浴に1.5分間入れて製膜原液Aを凝固させた。その後、上記離型フィルムを50℃の水浴に5分間浸漬して水洗し、130℃で1分間熱風乾燥した。最後に離型フィルムを剥離除去して多孔質膜A(厚み49μm)を得た。
〈処方1〉
1)ポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
商品名「レザミンCU−4555」
大日精化工業株式会社製
ポリエステルポリウレタン樹脂(100%伸長応力:5.5MPa、分子量:約100,000)を27質量%含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液
2)疎水性シリカ;16質量部
商品名「ニップシールSS50F」
東ソー・シリカ株式会社製
平均粒径1.2μm
3)酪酸酢酸セルロース;8質量部
商品名「レザミンCUT−725」
大日精化株式会社製
酢酸酪酸セルロースを25質量%含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液
4)N,N−ジメチルホルムアミド;76質量部
得られた多孔質膜Aについて、上記評価(1)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表1では、この主面を第2主面として示した。得られた多孔質膜Aは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、多孔質膜Aのみかけの引張弾性率は小さく、柔軟性に優れていることがわかる。
(実施例2)
熱風乾燥後、離型フィルムを剥離除去する前に、製膜原液Aがコーティングされた離型フィルムを、撥水剤(商品名:NKガードS0671、日華化学株式会社製)6質量%、イソプロパノール20質量%および水74質量%を含む水溶液に浸漬し、マングルでピックアップ率50%に絞った後、100℃で2分間乾燥させ、その後、170℃で30秒間熱処理して、撥水加工1を施した。これ以外は、実施例1と同様にして多孔質膜B(厚み49μm)を得た。
得られた多孔質膜Bについて、上記評価(1)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表1では、この主面を第2主面として示した。得られた多孔質膜Bは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、多孔質膜Bの引張弾性率は小さく、柔軟性に優れていることがわかる。なお、多孔質膜Bは撥水処理が施されているため、実施例1と比較して、第2主面の水に対する接触角がさらに高くなり、耐水圧がより向上した。
(実施例3)
下記処方2に示す組成の製膜原液B(凝固価:10g)を用いたこと以外、実施例1と同様にして多孔質膜C(厚み51μm)を得た。
〈処方2〉
1)処方1で使用したポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
2)上記疎水性シリカ;16質量部
3)上記酪酸酢酸セルロース;9質量部
4)N,N−ジメチルホルムアミド;76質量部
5)撥水剤;8質量部
商品名「アサヒガード AG−E500D」
旭硝子株式会社製
得られた多孔質膜Cについて、上記評価(1)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表1では、この主面を第2主面として示した。得られた多孔質膜Cは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、多孔質膜Cの引張弾性率が小さく、柔軟性に優れていることがわかる。なお、製膜原液Bは撥水剤を含むため、実施例1と比較して、第2主面の開孔率が大きくなるとともに、第2主面の水に対する接触角がさらに高くなった。さらに、第2主面のSEM写真を図1に示す。SEM写真は、倍率1000倍で撮影した。図2に、図1のSEM写真を二値化処理した画像を示す。
(比較例1)
下記処方3に示す組成の製膜原液C(凝固価:10g)を用いたこと以外、実施例1と同様にして多孔質膜a(厚み50μm)を製造し、評価した。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面には、SEMによって孔は確認できなかった(第2主面の開孔率0%)。よって、通気性が非常に低かった。
〈処方3〉
1)処方1で使用したポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
2)上記疎水性シリカ;5質量部
3)N,N−ジメチルホルムアミド;68質量部
4)上記撥水剤;8質量部
(比較例2)
下記処方4に示す組成の製膜原液D(凝固価:71g)を準備した。なお、製膜原液Dは、1)〜4)の順に、撹拌混合して、目視で均一な溶液が得られていることを確認しながら順次添加して、調製した。また、混合時の温度は30℃以下とした。
〈処方4〉
1)W/Oエマルジョン型ポリエーテル/ポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
商品名「ゾルテックスPX−550」
DIC株式会社製
メチルエチルケトン66質量%、水3質量%およびポリエーテル/ポリエステルポリウレタン樹脂31質量%を含む水系の樹脂溶液
2)メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/2)の混合溶媒;50質量部
3)製膜助剤;1質量部
商品名「ゾルテックス アシスターSD−27M」
DIC株式会社製
4)水/メチルエチルケトン(質量比9/1)の混合溶媒;50質量部
得られた製膜原液Dを、上記離型フィルムにナイフオーバーロールコータを用いて、塗布量が湿潤状態で65g/mとなるようにコーティングした。次いで、製膜原液Dがコーティングされた離型フィルムを、60℃で15秒、80℃で15秒、120℃30秒の3ステップで連続乾燥させた。最後に離型フィルムを剥離除去して、多孔質膜b(厚み29μm)を得た。
得られた多孔質膜bについて、上記評価(1)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表1では、この主面を第2主面として示した。多孔質膜bは高い通気度を有するものの、耐水圧に劣っていた。多孔質膜の構造成分として水系のウレタンエラストマーを使用したためであると考えられる。同様の理由により、第2主面の水に対する接触角も小さかった。
(比較例3)
製膜原液Dに、撥水剤(商品名「アサヒガード AG−E500D」)を1.5質量部添加したこと以外は、比較例2と同様にして多孔質膜c(厚み31μm)を得た。得られた多孔質膜cについて、上記評価(1)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表1では、この主面を第2主面として示した。製膜原液Dに撥水剤を添加したものの、所望の耐水圧を得ることはできなかった。
(比較例4)
製膜原液Bがコーティングされた離型フィルムを、水噴霧式加湿器を作動させない状態で暴露用の装置内(温度20度、相対湿度60%、露点12℃)を5秒間走行させたこと以外は、実施例3と同様にして、多孔質膜d(厚み52μm)を製造し、評価した。(9)を除く評価結果を表1に示す。離型フィルムとは反対側の露出面には、SEMによって孔は確認できなかった(第2主面の開孔率0%)。よって、通気性が非常に低かった。
(実施例4)
耐水圧の測定に使用する平織物と同じ平織物を準備した。この平織物に対し、常法により精練、染色を行った。次いで、平織物をフッ素系撥水剤(商品名:アサヒガードAG7000、旭硝子株式会社製)を5質量%含む水分散液に浸漬し、マングルにてピックアップ率40%に絞った後、100℃で3分間乾燥させ、その後、160℃で1分間熱処理して、平織物に撥水加工2を施した。撥水加工2後の平織物(厚み約0.13mm)を基材Aとして用いた。基材Aの評価法(2)により測定される通気度は、13.39cm/cm/secであった。
基材Aに、ホットメルト接着剤を介して、実施例2で得られた多孔質膜Bを積層し、複合材料Aを得た。ホットメルト接着剤は、130℃に加熱したグラビアロールを用いてドット柄(接着面積30%)に基材Aに塗布した。多孔質膜Bは、第2主面が基材Aに対向するように、基材Aに積層した。
使用した多孔質膜Bについて、上記評価(3)〜(9)を行った。(9)を除く評価結果を表2に示す。さらに、得られた複合材料Aについて、上記評価(1)および(2)を行った。各評価結果を併せて表2に示す。得られた複合材料Aは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、複合材料はソフトな風合いを有していた。
(実施例5)
平織物に撥水加工2を施した後、カレンダー加工機を用いて、温度170℃、圧力35kg/cm、速度25m/分の条件にてカレンダー加工を施したこと以外、実施例4と同様にして、基材Bを得た。基材B(厚み約0.12mm)の評価法(2)により測定される通気度は、1.99cm/cm/secであった。
得られた基材Bに、下記処方5の製膜原液E(凝固価:10g)をコーティングした。コーティングは、ナイフオーバーロールコータを用いて、塗布量が湿潤状態で80g/mとなるように行った。その後、実施例2と同様にして撥水加工1を施し、多孔質膜D(厚み50μm)を備える複合材料Bを得た。
〈処方5〉
1)処方1で使用したポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
2)上記疎水性シリカ;7質量部
3)炭酸カルシウム;20質量部
#400
日東粉化工株式会社製
4)上記酪酸酢酸セルロース;10質量部
5)N,N−ジメチルホルムアミド;110質量部
得られた複合材料Bについて、上記評価(1)および(2)を行った。基材Bに積層された多孔質膜Dについて、上記評価(3)〜(9)を行った。なお、多孔質膜Dと基材Bとの分離が困難であったため、評価(6)および(7)は、多孔質膜Dに粘着テープを貼り、基材Bから粘着テープとともに多孔質膜Dを剥離して行った。多孔質膜Dの基材Bとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表2では、この主面を第2主面として示した。評価(8)は、多孔質膜Dの露出面にイオン交換水を滴下して計測した。(9)を除く評価結果を表2に示す。得られた複合材料Bは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、複合材料Bはソフトな風合いを有していた。
(実施例6)
下記処方6に示す組成の製膜原液F(凝固価:10g)を用いたこと以外、実施例5と同様にして多孔質膜E(厚み50μm)を備える複合材料Cを製造し、評価した。(9)を除く評価結果を表2に示す。多孔質膜Eの基材Bとは反対側の露出面の開孔率がより小さかった。表2では、この主面を第2主面として示した。得られた複合材料Cは、高い耐水圧および通気度を備えていた。また、複合材料Cはソフトな風合いを有していた。
〈処方6〉
1)処方1で使用したポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
2)上記疎水性シリカ;16質量部
3)酢酸セルロース;20質量部
商品名「クリスボン アシスターSD−17B」
DIC株式会社製
酪酸セルロースを30質量%含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液
4)N,N−ジメチルホルムアミド;76質量部
(比較例5)
下記処方7に示す組成の製膜原液G(凝固価:10g)を用いたこと、および、製膜原液Gがコーティングされた基材Bを、水噴霧式加湿器を作動させない状態で暴露用の装置内(温度20度、相対湿度60%、露点12℃)を5秒間走行させたこと以外は、実施例5と同様にして、多孔質膜e(厚み52μm)を備える複合材料aを製造し、評価した。(9)を除く評価結果を表2に示す。多孔質膜eの基材Bとは反対側の露出面には、SEMによって孔は確認できなかった(第2主面の開孔率0%)。よって、通気性が非常に低かった。
〈処方7〉
1)処方1で使用したポリエステルポリウレタン樹脂溶液;100質量部
2)上記疎水性シリカ;7質量部
3)上記酢酸セルロース;8質量部
4)N,N−ジメチルホルムアミド;68質量部
本発明の多孔質膜は、通気性および防水性、さらには柔軟性に優れるため、電子部品、衣料品等の防水用の被覆材として好適に用いられる。また、本発明の複合材料は、雨などの水滴を防ぐとともに、汗の蒸気を外気に逃がして蒸れを防ぐため、着用感に優れており、衣料品の生地として好適に用いられる。

Claims (13)

  1. 第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を備える多孔質膜であって、
    前記第2主面の開孔率が、前記第1主面の開孔率以下であり、
    前記第2主面の前記開孔率が0.5%〜30%であり、水に対する接触角が70°以上であり、
    前記第2主面に形成された孔の平均孔面積が0.5μm〜50μmであり、
    前記多孔質膜を構成する成分の引張弾性率が0.5MPa〜200MPaである、多孔質膜。
  2. 前記多孔質膜の引張弾性率が、0.1MPa〜30MPaである、請求項1に記載の多孔質膜。
  3. 前記多孔質膜全体の空隙率が、前記第2主面の前記開孔率の1.1倍以上である、請求項1または2に記載の多孔質膜。
  4. 前記多孔質膜の厚みが5μm〜1000μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  5. 前記多孔質膜の耐水圧が21kPa〜300kPaであり、フラジール法で測定された通気度が0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  6. 前記成分がエラストマーを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質膜。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質膜と基材とを備える、複合材料。
  8. 前記基材が、織物、編物および不織布よりなる群から選択される少なくとも一つである、請求項7に記載の複合材料。
  9. 前記基材のフラジール法で測定された通気度が、1.1cm/cm/sec〜1000cm/cm/secである、請求項7または8に記載の複合材料。
  10. 前記複合材料の耐水圧が21kPa〜300kPaであり、フラジール法で測定された通気度が0.06cm/cm/sec〜1.0cm/cm/secである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の複合材料。
  11. 第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を備える多孔質膜を製造する方法であって、
    前記多孔質膜の成分と、前記成分に対する良溶媒を含む溶媒と、を含む製膜原液を用いて膜状物を形成する工程と、
    形成された前記膜状物を、前記成分に対する第1貧溶媒を含む雰囲気下に置く曝露工程と、
    前記曝露工程の後、前記膜状物を、前記成分に対する第2貧溶媒を含む凝固液に浸漬させて凝固させる凝固工程と、
    凝固された前記膜状物を乾燥する工程と、を備え、
    前記第2主面の開孔率が、前記第1主面の開孔率以下であり、
    前記第2主面の前記開孔率が、0.5%〜30%であり、水に対する接触角が、70°以上であり、
    前記第2主面に形成された孔の平均孔面積が、0.5μm 〜50μm であり、
    前記成分の引張弾性率が、0.5MPa〜200MPaである、多孔質膜の製造方法
  12. 前記第1貧溶媒は、水であり、
    前記曝露工程における前記雰囲気の露点は、0℃以上、50℃以下である、請求項11に記載の多孔質膜の製造方法。
  13. 前記曝露工程において、前記膜状物は、前記第1貧溶媒を含む雰囲気下に10秒以上、300秒以下置かれる、請求項11または12に記載の多孔質膜の製造方法
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