JP6664194B2 - 石炭昇温予測管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、石炭昇温予測管理システムに関するものである。
近年、日本国内の発電用の石炭として、以前から使用されている高品位炭の価格が急騰していることを受け、瀝青炭や亜瀝青炭等の低品位炭を導入する動きが活発化している。
一般に、石炭は、野積みされる貯炭施設或いはサイロを用いた貯炭施設に貯蔵されるが、いずれの貯炭施設においても貯炭期間が長くなると、自然発火が発生する。
従来、自然発火を回避するための石炭の貯炭期間は経験値から決められているのが一般的であるが、前記低品位炭は自然発火しやすいため、前記高品位炭の場合以上に貯炭施設の自然発火発生防止対策を強化する必要がある。
前記貯炭施設の自然発火発生防止対策としては、例えば、自然発火を感知できるようにガス検知器を設置したり、或いは昇温防止剤を使用したりすることが行われ、更に、貯蔵された石炭に予め散水して冷却するといった措置も講じられており、多くの研究がなされている。
尚、低品位炭の自然発火と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開2014−126541号公報
しかしながら、低品位炭の貯炭期間を経験値から決めようとすると、新しい炭種の石炭に対しては適切な管理温度を設定することができず、貯炭期間を正しく求めることが困難となっていた。
又、ガス検知器の設置や昇温防止剤の使用は、多大な費用と手間が掛かると共に、特に昇温防止剤は石炭の品質低下につながる可能性もあり、好ましい対策であるとは言えなかった。
一方、同じ炭種の石炭であっても、貯蔵量、外気温度、野積み或いはサイロといった貯蔵形態により、石炭の昇温速度は大幅に変化することがある。例えば、同じ炭種の石炭を貯蔵するとしても、ある貯炭施設では発火するが、他の貯炭施設では発火しない場合もある。しかも、自然発火は、その現象が起こるまでに長時間(数日〜数十日)を要し、再現性が乏しく、実測によって自然発火が発生する時間を求めても、そのデータを有効活用することはできなかった。
又、現時点で自然発火防止対策として行われている、貯炭施設での散水による石炭の冷却といった一律的な処置は、石炭の炭種及び貯蔵形態に合わせた管理であるとは言えず、改善の余地が残されていた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、貯蔵中の石炭の炭種及び貯蔵形態に合わせて自然発火を未然に防ぐよう管理を適切に行い得る石炭昇温予測管理システムを提供しようとするものである。
本発明は、貯炭施設に貯蔵される石炭の物性を計測する石炭分析装置と、
該石炭分析装置で計測された前記石炭の物性及び前記貯炭施設の情報に基づき数値解析を行って前記石炭の昇温特性を求める石炭昇温シミュレーション装置とを備え、
該石炭昇温シミュレーション装置で求められた前記石炭の昇温特性をシミュレーション請負業者から前記貯炭施設の貯蔵管理者にフィードバックするよう構成し
前記石炭分析装置は、
貯蔵される石炭を分級して試料とした粉状炭が供給されて該粉状炭から低温酸化反応速度を計測する第一分析ユニットと、
貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から比熱、含水率を計測する第二分析ユニットと、
貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から熱伝導率を計測する第三分析ユニットと
を備えたことを特徴とする石炭昇温予測管理システムにかかるものである。
前記貯炭施設の情報は、外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方と、石炭層の形状と、貯炭量とであっても良い。
前記石炭昇温シミュレーション装置は、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率と、前記外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方とが入力条件を示す情報として入力され、前記石炭層の形状と、前記貯炭量とが石炭の解析領域を示す情報として入力されても良い。
前記石炭昇温シミュレーション装置は、前記入力条件を示す情報と、前記解析領域を示す情報とを、ガス流動、化学反応、伝熱を考慮した計算流体力学モデルで数値解析し、解析結果として、貯炭温度と、酸素濃度と、含水率と、空気流速と、圧力とを求め、時間経過の反復計算を行うことにより、前記石炭の昇温特性を導き出しても良い。
前記石炭分析装置と石炭昇温シミュレーション装置は無線接続されても良い。
本発明の石炭昇温予測管理システムによれば、貯蔵中の石炭の炭種及び貯蔵形態に合わせて自然発火を未然に防ぐよう管理を適切に行い得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例を示す全体概要構成図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における石炭分析装置を示す図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における第一分析ユニットで計測される温度と酸素消費量との関係を示す線図である。 (a)は本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における第二分析ユニットで計測される温度と熱量との関係を示す線図、(b)は本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における第二分析ユニットで計測される時間と試料温度及び試料重量との関係を示す線図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における第三分析ユニットで計測される時間と低温部温度及び高温部温度との関係を示す線図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例を示す解析フロー図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例における石炭層の形状を示す図であって、(a)は石炭層の形状が凸型となっている一例を示す図、(b)は石炭層の形状が凹型となっている一例を示す図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例を実証するために製作した貯炭試験サイロにおける貯蔵日数と管理温度との関係を実測値と数値解析結果で比較する形で示した線図である。 本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例を実証するために製作した貯炭試験サイロにおける石炭の温度分布を実測値と数値解析結果で比較する形で示した温度分布図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図9は本発明の石炭昇温予測管理システムの実施例である。
本実施例の場合、図1に示す如く、貯炭施設に貯蔵される石炭の物性を計測する石炭分析装置1と、該石炭分析装置1で計測された前記石炭の物性及び前記貯炭施設の情報に基づき数値解析を行って前記石炭の昇温特性を求める石炭昇温シミュレーション装置2とを備えている。そして、前記石炭昇温シミュレーション装置2で求められた前記石炭の昇温特性をシミュレーション請負業者(シミュレーション請負業者側のコンピュータを含む)から前記貯炭施設の貯蔵管理者(貯蔵管理者側のコンピュータを含む)にフィードバックするよう構成した点を特徴としている。尚、前記貯蔵管理者は、貯炭施設を有する依頼元としての発電会社等である。又、前記貯蔵管理者へフィードバックされる石炭の昇温特性の内容は、貯炭期間と温度の関係が分かるグラフ(図8参照)や推奨管理温度の情報である。
前記石炭分析装置1は、図2に示す如く、第一分析ユニット10と、第二分析ユニット20と、第三分析ユニット30とを備えている。
前記第一分析ユニット10は、ヒータ11が内蔵されて断熱材12で囲まれ且つ昇温速度を制御自在な第一加熱炉13と、粉状炭が充填され且つ前記第一加熱炉13の内部にセットされる筒状の反応容器14と、該反応容器14の内部に充填された粉状炭に対して空気を流通させる空気流通装置15と、該空気流通装置15によって前記粉状炭に対し流通させた空気中の酸素濃度を計測する酸素センサ16とを備えている。前記第一分析ユニット10においては、内部に粉状炭が充填された反応容器14を第一加熱炉13にセットし、空気流通装置15から反応容器14の内部に充填された粉状炭に対して空気を流通させつつ、ヒータ11により一定な昇温速度で反応容器14の温度を上昇させ、粉状炭を通過した空気中の酸素濃度を酸素センサ16で計測することにより、低温酸化反応速度を求めるようになっている。因みに、温度と酸素消費量との関係は、例えば、図3に示すようになり、この関係から活性化エネルギー項と定数項等を求めることができる。尚、前記粉状炭は、貯炭施設に貯蔵される石炭を分級して試料としたものである。
前記第二分析ユニット20は、ヒータ21が内蔵されて断熱材22で囲まれ且つ昇温速度を制御自在な第二加熱炉23と、該第二加熱炉23のヒータ21に電源24から供給される電力量を計測する電力量計25と、前記第二加熱炉23の内部にセットされる塊状炭の温度を計測する塊状炭温度計26と、前記塊状炭の重量を計測する重量計27とを備えている。前記重量計27としては、ロードセルや天秤等を用いることができる。前記第二分析ユニット20においては、塊状炭を第二加熱炉23にセットし、ヒータ21により塊状炭に熱を与えて温度を上昇させ、電力量計25で計測した電力量に基づき塊状炭に与えた熱量Qを求めるようになっている。更に、この時の塊状炭の重量を重量計27で計測して質量mを求めると共に、塊状炭の温度変化Δtを塊状炭温度計26で計測し、比熱Cを
C=Q/(m×Δt) …(1)
但し、Q:熱量[J]
m:質量[g](重量から換算)
Δt:温度変化[K]
より求めるようになっている。ここで、温度と熱量は、例えば、図4(a)に示す如く、線形関係を有する。前記比熱Cの測定後、塊状炭の温度を100℃以上に昇温させると水分が蒸発し、例えば、図4(b)に示す如く、時間の経過と共に試料としての塊状炭の温度が上昇するのに対して、該塊状炭の重量は減少していくため、昇温後の塊状炭の重量変化から、含水率を求めるようになっている。尚、前記塊状炭は、貯炭施設に貯蔵される石炭を塊状に加工して試料としたものであって、塊状炭の大きさは、およそ30〜50mm程度としてある。
前記第三分析ユニット30は、加熱板31が内蔵されて断熱材32で囲まれ且つ昇温速度を制御自在な第三加熱炉33を備えている。更に、前記第三加熱炉33の加熱板31に電源34から供給される電力量を計測する電力量計35と、前記第三加熱炉33の内部に上面側を外部に露出させてセットされる塊状炭の底面側(前記加熱板31に面する側)の高温部温度Tを計測する高温部温度計36と、前記第三加熱炉33の内部にセットされる塊状炭の上面側(外部に露出する側)の低温部温度Tを計測する低温部温度計37とを備えている。前記第三分析ユニット30においては、断面積Sが一定になり且つ長さ(高さ)がLとなるように加工した塊状炭を第三加熱炉33の内部に上面側を外部に露出させてセットし、加熱板31により塊状炭の底面側を加熱し、上面側は開放し、図5に示す如く、塊状炭の底面側の高温部温度Tが所定温度に到達した後に一定となるよう電力量を調節し、電力量計35で計測した電力量に基づき塊状炭に与えた熱流量qを求めるようになっている。更に、この時の塊状炭の温度差ΔT(=T−T)を高温部温度計36及び低温部温度計37で計測し、定常状態の熱伝導率λを
λ=(q/S)/(ΔT/L) …(2)
但し、q:熱流量[W]
S:断面積[m
ΔT:温度差[K]
L:長さ[m]
より求めるようになっている。
前記貯炭施設の情報は、図6に示す如く、外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方と、石炭層の形状と、貯炭量としてある。前記石炭層の形状は、例えば、図7(a)に示す如く、凸型、或いは図7(b)に示す如く、凹型となる。図7には貯炭施設がサイロ50である場合を示しており、該サイロ50の上部は開放され、その底部には石炭を払い出すための開口が形成されているため、石炭の温度上昇に伴う自然対流により、前記サイロ50の底部から空気が流入し、貯蔵される石炭より放出されるガスを含んだ空気が前記サイロ50の上部の空きスペースを通過して上端から外部へ流出するようになっている。
前記石炭昇温シミュレーション装置2は、図6に示す如く、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率と、前記外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方とが入力条件を示す情報として入力され、前記石炭層の形状と、前記貯炭量とが石炭の解析領域を示す情報として入力されるようになっている。
更に、前記石炭昇温シミュレーション装置2は、図6に示す如く、前記入力条件を示す情報と、前記解析領域を示す情報とを、ガス流動、化学反応、伝熱を考慮した計算流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)モデルで数値解析し、解析結果として、貯炭温度、酸素濃度、含水率、空気流速、圧力を求め、時間経過の反復計算を行うことにより、前記石炭の昇温特性を導き出すようになっている。
前記石炭分析装置1と石炭昇温シミュレーション装置2は無線接続されている。但し、前記石炭分析装置1からの解析結果を石炭昇温シミュレーション装置2のシミュレーションに使用できれば良いため、前記石炭分析装置1と石炭昇温シミュレーション装置2を必ずしも無線接続する必要はない。
次に、上記実施例の作用を説明する。
先ず、貯炭施設に貯蔵される石炭の物性を石炭分析装置1で計測する。
前記石炭分析装置1の第一分析ユニット10の反応容器14には、貯炭施設に貯蔵される石炭を分級して試料とした粉状炭が充填され、該粉状炭が充填された反応容器14が第一加熱炉13の内部にセットされる。前記第一分析ユニット10においては、内部に粉状炭が充填された反応容器14が第一加熱炉13にセットされた後、空気流通装置15から反応容器14の内部に充填された粉状炭に対して空気が流通される。空気が流通された状態で、ヒータ11により反応容器14が加熱され、一定な昇温速度で反応容器14の温度が上昇し、粉状炭を通過した空気中の酸素濃度が酸素センサ16で計測される。この時、温度と酸素消費量との関係は、例えば、図3に示すようになり、この関係から低温酸化反応速度が求められる。
前記石炭分析装置1の第二分析ユニット20の第二加熱炉23には、貯炭施設に貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭がセットされる。前記第二分析ユニット20においては、ヒータ21により塊状炭が加熱されて温度上昇し、電力量計25で計測した電力量に基づき塊状炭に与えた熱量Qが求められる。この時の塊状炭の重量が重量計27で計測されて質量mが求められると共に、塊状炭の温度変化Δtが塊状炭温度計26で計測される。ここで、温度と熱量は、例えば、図4(a)に示す如く、線形関係を有しており、塊状炭の比熱Cが前記数式(1)(C=Q/(m×Δt))より求められる。更に、前記比熱Cの測定後、塊状炭の温度を100℃以上に昇温させると水分が蒸発し、例えば、図4(b)に示す如く、時間の経過と共に試料としての塊状炭の温度が上昇するのに対して、該塊状炭の重量は減少していくため、昇温後の塊状炭の重量変化から、含水率が求められる。
前記石炭分析装置1の第三分析ユニット30の第三加熱炉33には、断面積Sが一定になり且つ長さ(高さ)がLとなるように加工した塊状炭を第三加熱炉33の内部に上面側を外部に露出させてセットする。前記第三分析ユニット30においては、加熱板31により塊状炭の底面側が加熱され、上面側は開放されており、図5に示す如く、塊状炭の底面側の温度(高温部温度T)が所定温度に到達した後に一定となるよう電力量が調節され、電力量計35で計測した電力量に基づき塊状炭に与えた熱流量qが求められる。この時の塊状炭の温度差ΔT(=T−T)が高温部温度計36及び低温部温度計37で計測され、定常状態の熱伝導率λが前記数式(2)(λ=(q/S)/(ΔT/L))より求められる。
前記石炭分析装置1から、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率とが石炭の物性として出力される。
一方、前記貯炭施設の情報として、図6に示す如く、外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方が計測されると共に、石炭層の形状が、図7(a)に示す如く、凸型であるか、或いは図7(b)に示す如く、凹型であるかが確認され、更に、貯炭量が計測される。尚、図7に示す貯炭施設としてのサイロ50の場合、該サイロ50の上部は開放され、その底部には石炭を払い出すための開口が形成されているため、石炭の温度上昇に伴う自然対流により、前記サイロ50の底部から空気が流入し、貯蔵される石炭より放出されるガスを含んだ空気が前記サイロ50の上部の空きスペースを通過して上端から流出する。
そして、図6に示す如く、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率と、前記外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方とが入力条件を示す情報として、前記石炭分析装置1と無線接続された石炭昇温シミュレーション装置2へ入力されると共に、前記石炭層の形状と、前記貯炭量とが解析領域を示す情報として前記石炭昇温シミュレーション装置2へ入力される。
前記石炭昇温シミュレーション装置2においては、図6に示す如く、前記入力条件を示す情報と、前記解析領域を示す情報とが、ガス流動、化学反応、伝熱を考慮した計算流体力学モデルで数値解析され、解析結果として、貯炭温度、酸素濃度、含水率、空気流速、圧力が求められ、時間経過の反復計算を行うことにより、石炭の昇温特性が導き出される。
前記石炭昇温シミュレーション装置2で求められた前記石炭の昇温特性は、図1に示す如く、シミュレーション請負業者から前記貯炭施設の貯蔵管理者にフィードバックされる。
前記貯炭施設の貯蔵管理者は、シミュレーション請負業者からフィードバックされた前記石炭の昇温特性(例えば、貯炭期間と温度の関係が分かるグラフ(図8参照)や推奨管理温度の情報)に基づき、石炭の管理を行うことができる。
因みに、本発明者等は、本実施例を実証するために120ton規模の貯炭試験サイロを製作し、該貯炭試験サイロにおける貯蔵日数と管理温度との関係を実測値と数値解析結果で比較する実験を行った。この実験結果は、図8に示すようになり、数値解析結果が実測値と略一致していることが確認された。図8に示す例の場合、貯蔵日数が125日で、貯蔵される石炭の温度が管理温度(例えば、60[℃])に達することが数値解析結果から割り出されており、実測値との誤差もほとんどないことが分かる。
又、前記貯炭試験サイロの石炭の温度分布を実測値と数値解析結果で比較する実験を行ったところ、45日後と50日後では、図9に示すようになり、数値解析結果が実測値と略一致していることが確認された。
即ち、本実施例の場合、低品位炭の貯炭期間を経験値から決めるのとは異なり、新しい炭種の石炭に対しても適切な管理温度を設定することができ、貯炭期間を正しく求めることが可能となる。
又、前記貯炭施設の自然発火発生防止対策として、自然発火を感知できるようにガス検知器を設置したり、或いは昇温防止剤を使用したりしなくて済み、多大な費用と手間が掛からなくなると共に、昇温防止剤の使用による石炭の品質低下も避けることが可能となる。
一方、同じ炭種の石炭であっても、貯蔵量、外気温度、野積み或いはサイロといった貯蔵形態により、石炭の昇温速度は大幅に変化することがあるが、本実施例の場合、石炭昇温シミュレーション装置2で求められた石炭の昇温特性は、信頼性が高く、そのデータを有効活用することができる。
又、現時点で自然発火防止対策として行われている、貯炭施設での散水による石炭の冷却といった一律的な処置とは異なり、石炭の炭種及び貯蔵形態に合わせた管理を行う上で非常に有効となる。
尚、本実施例の場合、図7や図9には、貯炭施設としてのサイロに貯蔵される石炭を示しているが、貯炭施設が石炭を野積みしている場合にも適用できることは言うまでもない。
こうして、貯蔵中の石炭の炭種及び貯蔵形態に合わせて自然発火を未然に防ぐよう管理を適切に行い得る。
そして、前記石炭分析装置1は、貯蔵される石炭を分級して試料とした粉状炭が供給されて該粉状炭から低温酸化反応速度を計測する第一分析ユニット10と、貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から比熱、含水率を計測する第二分析ユニット20と、貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から熱伝導率を計測する第三分析ユニット30とを備えている。これにより、貯炭施設に貯蔵される石炭の物性を精度良く且つ効率良く計測することができる。
又、前記貯炭施設の情報は、外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方と、石炭層の形状と、貯炭量としてある。これにより、石炭の昇温特性を求める上で影響の大きい要因を的確に把握し、信頼性を高めることができる。
又、前記石炭昇温シミュレーション装置2は、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率と、前記外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方とが入力条件を示す情報として入力され、前記石炭層の形状と、前記貯炭量とが石炭の解析領域を示す情報として入力される。これにより、入力条件と解析領域とがそれぞれ明確化され、シミュレーションの精度向上に役立つ。
又、前記石炭昇温シミュレーション装置2は、前記入力条件を示す情報と、前記解析領域を示す情報とを、ガス流動、化学反応、伝熱を考慮した計算流体力学モデルで数値解析し、解析結果として、貯炭温度と、酸素濃度と、含水率と、空気流速と、圧力とを求め、時間経過の反復計算を行うことにより、前記石炭の昇温特性を導き出すようになっている。これにより、実測値と比較しても、その誤差が最小限に抑えられた石炭の昇温特性を求めることができ、石炭の自然発火防止にきわめて有効となる。
更に又、前記石炭分析装置1と石炭昇温シミュレーション装置2は無線接続されているため、貯炭施設が遠隔地にあっても、シミュレーション請負業者は、依頼元である貯蔵管理者から提供される試料に基づく石炭の物性を容易に収集してデータ蓄積することができる。
尚、本発明の石炭昇温予測管理システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 石炭分析装置
2 石炭昇温シミュレーション装置
10 第一分析ユニット
20 第二分析ユニット
30 第三分析ユニット

Claims (5)

  1. 貯炭施設に貯蔵される石炭の物性を計測する石炭分析装置と、
    該石炭分析装置で計測された前記石炭の物性及び前記貯炭施設の情報に基づき数値解析を行って前記石炭の昇温特性を求める石炭昇温シミュレーション装置とを備え、
    該石炭昇温シミュレーション装置で求められた前記石炭の昇温特性をシミュレーション請負業者から前記貯炭施設の貯蔵管理者にフィードバックするよう構成し
    前記石炭分析装置は、
    貯蔵される石炭を分級して試料とした粉状炭が供給されて該粉状炭から低温酸化反応速度を計測する第一分析ユニットと、
    貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から比熱、含水率を計測する第二分析ユニットと、
    貯蔵される石炭を塊状に加工して試料とした塊状炭が供給されて該塊状炭から熱伝導率を計測する第三分析ユニットと
    を備えたことを特徴とする石炭昇温予測管理システム。
  2. 前記貯炭施設の情報は、外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方と、石炭層の形状と、貯炭量とである請求項記載の石炭昇温予測管理システム。
  3. 前記石炭昇温シミュレーション装置は、前記低温酸化反応速度と、前記比熱と、前記含水率と、前記熱伝導率と、前記外気温度及び石炭内部温度の少なくとも一方とが入力条件を示す情報として入力され、前記石炭層の形状と、前記貯炭量とが石炭の解析領域を示す情報として入力される請求項記載の石炭昇温予測管理システム。
  4. 前記石炭昇温シミュレーション装置は、前記入力条件を示す情報と、前記解析領域を示す情報とを、ガス流動、化学反応、伝熱を考慮した計算流体力学モデルで数値解析し、解析結果として、貯炭温度と、酸素濃度と、含水率と、空気流速と、圧力とを求め、時間経過の反復計算を行うことにより、前記石炭の昇温特性を導き出す請求項記載の石炭昇温予測管理システム。
  5. 前記石炭分析装置と石炭昇温シミュレーション装置は無線接続されている請求項1〜の何れか一項に記載の石炭昇温予測管理システム。
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