JP6663174B2 - 薬剤組成物、害虫防除用線香、及び加熱蒸散用製剤 - Google Patents
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Description
揮散性薬剤を含有する薬剤組成物であって、
使用時の刺激を緩和する刺激緩和剤として、下記の式(I)
すなわち、本構成の薬剤組成物によれば、刺激緩和剤として、上記の式(I)で表されるN−フェニルアルキルアミド誘導体を含有しているため、燻煙時に発生する煙やミストに起因する臭いや刺激の他、殺虫成分や香料成分に起因する臭いや刺激についても効果的に低減又は緩和することが可能となる。従って、本発明の薬剤組成物は、低刺激性の害虫防除製品や芳香製品の原料として適しており、本発明の薬剤組成物を使用した各種製品は、乳幼児や刺激に敏感な人でも、安全且つ快適に使用することができる。
前記刺激緩和剤は、下記の式(II)
前記刺激緩和剤を0.0001〜3重量%含有することが好ましい。
低臭性溶剤として、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、クエン酸トリエチル、及び3−メトキシ−3−メチルブタノールからなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有することが好ましい。
前記低臭性溶剤を0.01〜3重量%含有することが好ましい。
前記揮散性薬剤は、害虫防除成分であることが好ましい。
上記の薬剤組成物を使用したことにある。
支燃剤として、木粉、除虫菊抽出粕粉、柑橘類表皮粉、茶粉末、ココナッツシェル粉末、木炭粉、素灰、及びタルクからなる群から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
粘結剤として、タブ粉、澱粉、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
上記の薬剤組成物を使用したことにある。
害虫防除用線香は、本発明の薬剤組成物に適量の水を加えて混練し、これを渦巻状や棒状等の適切な形状に成形した後、自然乾燥又は加熱乾燥することにより得られる。害虫防除用線香に使用する薬剤組成物には、刺激緩和剤の他、低臭性溶剤、揮散性薬剤、支燃剤、粘結剤、その他の成分が含まれる。このうち、揮散性薬剤は、害虫防除用線香では代表的には殺虫成分や香料成分として使用されるが、ディート、ジメチルフタレート、p−メンタン−3,8−ジオール等の忌避成分、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネート等の抗菌成分、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール等の防黴成分、オレンジ油、レモン油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、シトロネラ油、ライム油、ユズ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等の芳香成分も使用可能であり、これらの各成分も揮散性薬剤に含まれる。また、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコール(シス−3−ヘキセノール)や青葉アルデヒドも揮散性薬剤として使用可能である。以下、薬剤組成物を構成する成分について説明する。
害虫防除用線香に含まれる揮散性薬剤であり、有効成分である殺虫成分は、ピレスロイド系殺虫成分が好適に使用される。ピレスロイド系殺虫成分を例示すると、ピレトリン、アレスリン、フラメトリン、プラレトリン、エムペントリン、テラレスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート等が挙げられる。ピレスロイド系殺虫成分の化学構造中に不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体又は幾何異性体が存在する場合は、何れの異性体も使用可能である。これらのピレスロイド系殺虫成分は、単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
害虫防除用線香は、通常、線香に相応しい香りが付けられているが、最近では、アロマ効果やリラックス効果を得ることを目的として、揮散性を有する様々な香料成分が加えられることがある。本発明の薬剤組成物においても、揮散性薬剤として様々な香料成分を添加することができる。薬剤組成物を害虫防除用線香に使用する場合、燻煙時に香りが空間の隅々まで拡がるように、香料成分として加熱拡散香料を使用することが好ましい。加熱拡散香料とは、燻煙時に香料成分が効率よく広範囲に揮散し、香り立ちが高まる性質を有する香料であり、250〜400℃に沸点を有する香料である。加熱拡散香料を例示すると、ガラクソリド、ムスクケトン、ヘキシルシンナミックアルデヒド、エチレンブラシレート、メチルアトラレート、ヘキシルサリシレート、トリシクロデセニルアセテート、オレンジャークリスタル、アンブロキサン、キャシュメラン、カロン、ヘリオトロピン、ジヒドロインデニル−2,4−ジオキサン、インドール、メチルセドリルケトン、メチルβ−ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネート、ローズフェノン、クマリン、バニリン、スチラックスレジノイド、7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7−テトラメチルナフタレン、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリチレート、イオノン、リリーアルデヒド、イソロンギホラノン、アセト酢酸−m−キシリダイド、アセト酢酸−o−トルイダイド、アセトシリンゴン、アセチルトリエチルシトレート、ベンゾフェノン、ベンジルカプリレート、ベンジルシンナメート、ベンジルオイゲノール、ベンジルラウレート、ベンジルメチルチグレート、ベンジルフェニルエーテル、ベンジルフェニルアセテート、ゲラニルアントラニレ−ト、ゲラニルヘキサノエート、ゲラニルシクロペンタノン、ゲラニルフェニルアセテート、ヘキシルフェニルアセテート、イコサン、インダン、シンナミルブチレート、シンナミルフェニルアセテート、ヘキセニルベンゾエート、シトラールジエチルアセタール、イソアミルベンゾエート、リナリルオクタノエート、1−メンチルサリチレート、シトロネリルアントラニレート、ジメチルフェネチルカルビニルイソブチレート、ジフェニルオキシド、ドデシルブチレート、エチルバニレート、エチルバニリン、メンチルイソバレレート、メトキシエチルフェニルグリシデート、メチル2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチルベンゾエート、ネロリジルアセテート、ネリルイソバレレート、オクテニルシクロペンタノン、オクチルカプリレート、フェネチルイソアミルエーテル、フェネチルオクタノエート、フェネチルフェニルアセテート、エチルバニリンアセテート、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、エチルヘキシルパルミテート、オイゲニルベンゾエート、ファルネソール、ファルネシルアセテート、ファルネシルメチルエーテル、ホルムアルデヒドシクロドデシルメチルアセタール、ホルミルエチルテトラメチルテトラリン、フルフリルベンゾエート、γ−ドデカラクトン、フェネチルサリチレート、フェノキシエチルプロピオネート、フェニルベンゾエート、フェニルジスルフィド、サンタリルブチレート、テトラヒドロ−プソイド−イオノン、テオブロミン、バレンセン等が挙げられる。加熱拡散香料の化学構造中に不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体又は幾何異性体が存在する場合は、何れの異性体も使用可能である。これらの加熱拡散香料は、単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
支燃剤は、害虫防除用線香を安定燃焼させるために配合される。また、支燃剤は、害虫防除用線香の増量剤としても機能する。粘結剤は、原料を結合して固めるバインダーとして配合される。支燃剤及び粘結剤は、害虫防除用線香の基材となるものである。好適な支燃剤を例示すると、木粉、除虫菊抽出粕粉、柑橘類表皮粉、茶粉末、ココナッツシェル粉末、木炭粉、素灰、タルク等が挙げられる。これらの支燃剤は、単独又は二種以上の混合物として使用することができる。好適な粘結剤を例示すると、タブ粉、澱粉(α澱粉、タピオカ粉等)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの粘結剤は、単独又は二種以上の混合物として使用することができる。なお、支燃剤及び粘結剤の含有量は、薬剤組成物全体の重量(本実施形態の場合、害虫防除用線香全体の重量)に対する支燃剤及び粘結剤の合計含有量として、通常90重量%以上とされる。
害虫防除用線香の使用時(燻煙時又は加熱蒸散時)の刺激を緩和するため、本発明の薬剤組成物は、刺激緩和剤として、N−フェニルアルキルアミド誘導体を含有する。N−フェニルアルキルアミド誘導体は、下記の式(I)
本発明の薬剤組成物を調製するにあたっては、低臭性溶剤を使用することが好ましい。低臭性溶剤とは、刺激臭のある物質(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)を含まない溶剤である。低臭性溶剤は元々刺激が少ない物質であるため、薬剤組成物に低臭性溶剤を含有させても、揮散性薬剤の効果は低下せず、しかも刺激緩和剤の分散剤又は保持剤としての効力が弱められることも少ない。好適な低臭性溶剤を例示すると、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、クエン酸トリエチル、3−メトキシ−3−メチルブタノール等が挙げられる。これらの低臭性溶剤は、単独又は二種以上の混合物として使用することができる。
本発明の薬剤組成物には、その他の成分として、防黴剤、防腐剤、安定剤、効力増強剤、消臭剤等を含有させることも可能である。防黴剤又は防腐剤を例示すると、デヒドロ酢酸塩、ソルビン酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩等が挙げられる。安定剤を例示すると、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2−ターシャリーブチル−6−(3−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル 3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。効力増強剤を例示すると、ピペロニルブトキサイド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。また、本発明の薬剤組成物を害虫防除用線香に使用する場合は、マラカイトグリーン、食品添加物(食用青色1号、食用黄色4号、食用赤色106号など)等の着色剤を含有させることも可能である。
加熱蒸散用製剤は、本発明の薬剤組成物をそのまま用いたもの、あるいは本発明の薬剤組成物を水や溶剤等で適宜希釈したものとして調製される。加熱蒸散用製剤は、液体式電気蚊取り器の薬液や、パルプやリンター等の繊維製のマットに含浸させた蚊取りマットとして使用される。
下記の表1に示す配合に従って、実施例1〜7及び比較例1〜5にかかる害虫防除用線香を作製した。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.01重量部)、低臭性溶剤としてヘキシレングリコール(0.5重量部)、揮散性薬剤としてdl・d−T80−アレスリン(0.3重量部)、支燃剤として除虫菊抽出粕粉(45重量部)及び柑橘類表皮粉(34重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(4.2重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。混練物を押出機にかけてシート状に形成し、さらに打抜機で渦巻型に打ち抜き、その後、水分含有量が7〜10重量%となるまで乾燥させたものを密封包装し、実施例1の害虫防除用線香を作製した。
刺激緩和剤としてN,2−ジメチル−N−フェニルブタンアミド(3重量部)、低臭性溶剤としてジプロピレングリコール(3重量部)、揮散性薬剤としてdl・d−T80−アレスリン(0.3重量部)、支燃剤としてココナッツシェル粉末(50重量部)及び木粉[トガ](27重量部)、並びに粘結剤として澱粉[タピオカ粉](15重量部)及びカルボキシメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例2の害虫防除用線香を作製した。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.1重量部)、低臭性溶剤として安息香酸ベンジル(0.01重量部)及びジプロピレングリコール(0.5重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.01重量部)、支燃剤として除虫菊抽出粕粉(31重量部)、茶粉末(45重量部)及びタルク(4.8重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(2.6重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例3の害虫防除用線香を作製した。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(3重量部)、低臭性溶剤としてクエン酸トリエチル(0.05重量部)及び3−メトキシ−3−メチルブタノール(0.6重量部)、揮散性薬剤としてトランスフルトリン(0.15重量部)、支燃剤として木粉[モミ](49.2重量部)及び茶粉末(29重量部)、並びに粘結剤として澱粉[α澱粉](13重量部)及びメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例4の害虫防除用線香を作製した。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.01重量部)、揮散性薬剤としてd・d−T80−プラレトリン(0.15重量部)、支燃剤として木炭(25重量部)、除虫菊抽出粕粉(51重量部)及びタルク(1.8重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(18重量部)及びカルボキシメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例5の害虫防除用線香を作製した。実施例5の害虫防除用線香は、低臭性溶剤を含まないものとした。
刺激緩和剤としてN,2−ジメチル−N−フェニルブタンアミド(0.01重量部)、溶剤としてトルエン(1重量部)、揮散性薬剤としてガラクソリド、シス−3−ヘキセノール及び微量成分(合計0.5重量部)、支燃剤として柑橘類表皮粉(38重量部)、茶粉末(4.5重量部)及びココナッツシェル粉末(39重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(8重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例6の害虫防除用線香を作製した。実施例6の害虫防除用線香は、低臭性溶媒を含まず、通常の溶媒を含むものとした。なお、揮散性薬剤の微量成分には、本明細書に記載する殺虫成分や香料成分等が含まれる。
刺激緩和剤としてN,2−ジメチル−N−フェニルブタンアミド(0.04重量部)、揮散性薬剤としてヒノキチオール、ペパーミント油及び微量成分(合計2重量部)、支燃剤として木粉[スギ](49重量部)及び木粉[マツ](30重量部)、並びに粘結剤として澱粉[α澱粉](12重量部)及びメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、実施例7の害虫防除用線香を作製した。実施例7の害虫防除用線香は、低臭性溶剤を含まないものとした。なお、揮散性薬剤の微量成分には、本明細書に記載する殺虫成分や香料成分等が含まれる。
低臭性溶剤としてヘキシレングリコール(0.5重量部)、揮散性薬剤としてdl・d−T80−アレスリン(0.3重量部)、支燃剤として除虫菊抽出粕粉(45重量部)及び柑橘類表皮粉(34重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(4.2重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、比較例1の害虫防除用線香を作製した。比較例1の害虫防除用線香は、実施例1の害虫防除用線香の配合において、刺激緩和剤を除外したものである。
刺激緩和剤とは異なる物質であるジメチルアセトアミド(0.01重量部)、低臭性溶剤としてヘキシレングリコール(0.5重量部)、揮散性薬剤としてdl・d−T80−アレスリン(0.3重量部)、支燃剤として除虫菊抽出粕粉(45重量部)及び柑橘類表皮粉(34重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(4.2重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、比較例2の害虫防除用線香を作製した。比較例2の害虫防除用線香は、実施例1の害虫防除用線香の配合において、刺激緩和剤に代えてジメチルアセトアミドを添加したものである。
刺激緩和剤とは異なる物質であるスチレン(0.01重量部)、低臭性溶剤としてヘキシレングリコール(0.5重量部)、揮散性薬剤としてdl・d−T80−アレスリン(0.3重量部)、支燃剤として除虫菊抽出粕粉(45重量部)及び柑橘類表皮粉(34重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(4.2重量部)及び澱粉[α澱粉](残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、比較例3の害虫防除用線香を作製した。比較例3の害虫防除用線香は、実施例1の害虫防除用線香の配合において、刺激緩和剤に代えてスチレンを添加したものである。
揮散性薬剤としてd・d−T80−プラレトリン(0.15重量部)、支燃剤として木炭(25重量部)、除虫菊抽出粕粉(51重量部)及びタルク(1.8重量部)、並びに粘結剤としてタブ粉(18重量部)及びカルボキシメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、比較例4の害虫防除用線香を作製した。比較例4の害虫防除用線香は、実施例5の害虫防除用線香の配合において、刺激緩和剤を除外したものである。
揮散性薬剤としてヒノキチオール、ペパーミント油及び微量成分(合計2重量部)、支燃剤として木粉[スギ](49重量部)及び木粉[マツ](30重量部)、並びに粘結剤として澱粉[α澱粉](12重量部)及びメチルセルロース(残部)を混合して混合粉(100重量部)を調製し、これに水(100重量部)を添加して十分に混練した。そして、実施例1と同様の手順により、比較例5の害虫防除用線香を作製した。比較例5の害虫防除用線香は、実施例7の害虫防除用線香の配合において、刺激緩和剤を除外したものである。なお、揮散性薬剤の微量成分には、本明細書に記載する殺虫成分や香料成分等が含まれる。
実施例1〜7及び比較例1〜5の害虫防除用線香を、夫々ガラスシリンダー(直径20cm、高さ40cm)に導入し、着火して燃焼させた。そして、線香から発散される香りを10人のパネラーによって評価した。評価項目は、「刺激緩和性」及び「香りの嗜好性」とし、最高点を10点、最低点を1点とし、各線香について10人のパネラーの平均点を求めた。
実施例1〜7及び比較例1〜5の害虫防除用線香を、被験者がいる広さ6畳の部屋に設置し、着火して燃焼させた。被験者を部屋の中央に静座させ、脳波測定装置を装着して、ファストα波、ミッドα波(リラックスした状態で意識が集中した状態)、スローα波、β波(緊張、不安、イライラ時の状態)、及びθ波を測定した。そして、これらの測定を5人の被験者に対して実施した。各脳波について、ブランク(線香を使用しない平常時の状態)からの占有率の変化を算出し、ここから「ミッドα波の変化率/β波の変化率」を算出し、5人の被験者の平均値を求めた。「ミッドα波の変化率/β波の変化率」が大きいほど、被験者のリラックス感は大きいと推定することができる。
下記の表3に示す配合に従って、実施例8〜12及び比較例6にかかる加熱蒸散用製剤を作製した。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.001重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.4重量部)、並びに溶剤として1号灯油及び流動パラフィン(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを実施例8の加熱蒸散用製剤とした。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.1重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.4重量部)、並びに溶剤として1号灯油及び流動パラフィン(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを実施例9の加熱蒸散用製剤とした。
刺激緩和剤としてN,2−ジメチル−N−フェニルブタンアミド(0.01重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.4重量部)、並びに溶剤として1号灯油及び流動パラフィン(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを実施例10の加熱蒸散用製剤とした。
刺激緩和剤としてN,2−ジメチル−N−フェニルブタンアミド(3重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(1.2重量部)、並びに溶剤として1号灯油及び流動パラフィン(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを実施例11の加熱蒸散用製剤とした。
刺激緩和剤としてN−フェニルアセトアミド(0.1重量部)、揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.5重量部)、並びに溶剤として2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール(BHT)、水及びグリコール系溶剤(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを実施例12の加熱蒸散用製剤とした。
揮散性薬剤としてメトフルトリン(0.4重量部)、並びに溶剤として1号灯油及び流動パラフィン(残部)を混合して全体が100重量部となるように調製し、これを比較例6の加熱蒸散用製剤とした。比較例6の加熱蒸散用製剤は、実施例8、9又は10の加熱蒸散用製剤の配合において、刺激緩和剤を除外したものである。
Claims (9)
- 前記刺激緩和剤を0.0001〜3重量%含有する請求項1又は2に記載の薬剤組成物。
- 低臭性溶剤として、安息香酸ベンジル、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、クエン酸トリエチル、及び3−メトキシ−3−メチルブタノールからなる群から選択される少なくとも一種をさらに含有する請求項1〜3の何れか一項に記載の薬剤組成物。
- 前記低臭性溶剤を0.01〜3重量%含有する請求項4に記載の薬剤組成物。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の薬剤組成物を使用した害虫防除用線香。
- 支燃剤として、木粉、除虫菊抽出粕粉、柑橘類表皮粉、茶粉末、ココナッツシェル粉末、木炭粉、素灰、及びタルクからなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項6に記載の害虫防除用線香。
- 粘結剤として、タブ粉、澱粉、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも一種を含有する請求項6又は7に記載の害虫防除用線香。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の薬剤組成物を使用した加熱蒸散用製剤。
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