JP6661449B2 - ロックボルト - Google Patents

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Description

本発明は、ロックボルトに関する。
従来、山岳トンネルの支保工として、図7に例示される全面接着式のロックボルトを用いた施工方法が知られている。この施工方法では、それぞれ3〜4m程度の長さを有する複数のロックボルトを放射状に打設し、トンネル空間の周囲の地盤にアーチを形成する。各ロックボルトは、モルタル等の定着材でその全長を地山に定着させる。これによって、空洞(地下空間)周囲の地山をロックボルトによって一体化し、地山自身によるアーチを形成して、空洞を支保する。
また、地下発電所等の大空洞ではさらに大きな支保が必要となる為、図8に例示されるプレストレス式のロックアンカーを用いた施工方法も知られている。この施工方法では、上記よりも長尺(数m〜10m以上)のロックアンカーが用いられる。具体的には、この長尺のロックアンカーを掘削緩みのない安定地盤まで挿入し、定着部として先端側の一部分を定着材により安定地盤に定着する。一方、ロックアンカーの後端部(頭部)を削孔(ボアホール)の外で固定し、このアンカー頭部と定着部との間のアンカー材を地山に定着しない自由長部として緊張力を導入する。これによって、空洞の壁周囲の地山を安定地盤に締め付け、大空洞を支保する。
特表2010−513763号公報
ところで、上記のようなトンネル、地下発電所等の地下空間を大深度の地下に建設するケースでは、次の2つの事態が生じうる。すなわち、1つ目の事態として、地山が掘削により緩むことで、当該地山自体が崩壊してしまうという事態が生じ得る。また、2つ目の事態として、地下水圧等の作用によって、周囲の地山に高い応力が作用し、これによって、長期的なスパンで地山が地下空間に向かって徐々に押し出してきて、この押し出しが長期に亘って止まらない、という事態が生じ得る。この事態は、一見緩みのない硬岩を安定的に掘削したとしても生じ得る。したがって、大深度の地下に地下空間(空洞)を建設するケースでは、掘削緩みによる地下空間周囲の地山の崩落(1つ目の事態)と長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し(2つ目の事態)とに対応するのが重要である。
しかしながら、従来のロックボルト及びロックアンカーでは、上記2つの事態の両方に対応することが困難であった。
例えば、全面接着式のロックボルトによれば、ロックボルト全体を削孔に定着することで、掘削緩みによる地下空間周囲の地山の崩落を抑えることができる。しかしながら、ロックボルト全体が定着されるため、ロックボルト本体はほぼ延びることができず、このロックボルトの作用を超えるような地山の押し出しに対応することは難しかった。
また、例えば、プレストレス式のロックアンカーによれば、自由長部を設けている分だけ、長手方向にロックアンカーが延びることができるため、地下空間に向けた地山の押し出し変形を吸収して、アンカーの定着力を維持することができる。しかしながら、この自由長部は地山に定着されていないため、この部分では、地山の崩落を抑えるのが困難であった。そのため、プレストレス式のロックアンカーを利用する場合には、地下空間周囲の地山の崩落を抑えるその他の手段を導入していた。
また、例えば、特許文献1では、高い応力の作用する岩盤で、地山の大きな変形を吸収するためのロックボルトが提案されている。このロックボルトは、長手方向に離間する複数個所に局所的の固定されるアンカー部と固定されないステム部とを備えており、このステム部は、グラウト又はボアホールに対して滑るようになっている。これによって、このロックボルトは、地山の局所的な延び歪みを吸収し、地下空間に向けた地山の局所的な伸び歪みに対応することができる。しかしながら、上記プレストレス式と同様に、ステム部は地山に定着されていないため、このロックボルトでは、地山の崩落を抑えるのが困難であった。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、その目的は、地下空間周囲の地山の崩落及び長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し変形の両方に対応することのできるロックボルトを提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係るロックボルトは、地下空間の壁に形成される削孔に定着材により定着可能なロックボルトであって、前記削孔の手元側から奥側に延びるロックボルト本体と、外周壁に突起を備えるシース管であって、前記ロックボルト本体より短く、前記ロックボルト本体の外径よりも大きな内径を有し、前記ロックボルト本体の前記手元側の一領域を覆うシース管と、を備え、前記シース管の前記奥側の一端部には、前記シース管と前記ロックボルト本体との間を塞ぐシール部が設けられている。
当該構成では、シース管は、その外周壁に突起が設けられており、ロックボルト本体の手元側の一領域に被せられた状態で削孔内に挿入される。そのため、当該構成に係るロックボルトを削孔内に打設した際には、シース管は、定着材により地山に定着される。また、シース管はロックボルト本体より短いため、シース管の奥側の開口からロックボルト本体の他領域が露出しており、このシース管から露出したロックボルト本体の他領域も、定着材により地山に定着される。すなわち、当該構成では、シース管とロックボルト本体のシース管から露出した他領域とによって、ロックボルトほぼ全域で、地山に定着される定着部を構成することができる。したがって、当該構成に係るロックボルトは、掘削によって生じた空洞(地下空間)周囲の地山の緩みに対しては、上記全面接着式ロックボルトと同様に機能することができる、すなわち、地下空間周囲の地山の崩落を十分に抑えることができる。
また、当該構成では、シース管の奥側の一端部に、シース管とロックボルト本体との間を塞ぐシール部が設けられる。そのため、定着材を充填した削孔内に当該構成に係るロックボルトを挿入する際に、シース管の奥側の開口からシース管内部(シース管の内周壁とロックボルト本体の外周壁との間の空間)に定着材が侵入するのを抑えることができる。すなわち、シース管とロックボルト本体との間の隙間をシール部で塞ぐことによって、当該構成に係るロックボルトを打設した際に、シース管に覆われているロックボルト本体の手元側の一領域を地山に定着しないようにすることができる。したがって、当該構成によれば、シース管に覆われているロックボルト本体の手元側の一領域を、地山に定着されておらず、かつ、地山の変形に応じて延びることのできる自由長部として機能させることができる。よって、当該構成に係るロックボルトは、シース管に覆われているロックボルト本体の手元側の一領域が延びることで、上記地下空間周囲の地山の掘削緩みに起因する崩落を超えるような長期的な押し出し変形も吸収し、換言すると、長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し変形にも対応することができる。
以上より、当該構成に係るロックボルトによれば、地下空間周囲の地山の崩落及び長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し変形の両方に対応することができる。そのため、当該構成に係るロックボルトは、大深度地下に構築する地下空間の支保工に利用するのに特に好適である。
また、上記一側面に係るロックボルトの別の形態として、上記ロックボルトは、前記削孔の径より大きい外形寸法を有し、前記削孔の開口周囲の壁に接するように配置可能な支圧板を更に備えてよく、前記シース管の前記手元側の他端部と前記支圧板とは溶接されていてよい。当該構成によれば、シース管は、ロックボルトを打設した際に削孔の開口周囲の壁に接するように配置される支圧板と一体に形成されているため、手元側の端部が削孔の開口付近に位置するように配置される。また、地下空間に向けた地山の押し出し変形が生じて、シース管に覆われているロックボルト本体の手元側の一領域が延びたとしても、シース管は、支圧板の変位に追従し、削孔の開口との位置関係を維持することができる。したがって、当該構成によれば、地下空間に向けた地山の押し出し変形が生じた後であっても、削孔の開口付近にシース管を定着した状態を維持することができ、これによって、当該開口付近の掘削により緩んだ地下空間周囲の地山を強固に支持し、周辺地山の崩落を好適に抑えることができる。
また、上記一側面に係るロックボルトの別の形態として、前記シース管の前記外周壁には、複数の前記突起が縞状に配置されていてよく、前記ロックボルト本体は、外周壁にらせん状の突起を有してよい。当該構成によれば、ロックボルト本体の外周壁のらせん状の突起によって、当該構成に係るロックボルトを打設する際に、削孔に充填された未硬化の定着材をかき回すことができる。これによって、ロックボルト本体の突起と定着材との間にボイドが生じ難いようにすることができ、ロックボルト本体と定着材との付着強度を高めることができる。また、シース管の外周壁の縞状に配置された複数の突起によって、シース管と定着材との付着強度も高めることができる。したがって、当該構成によれば、延びに対する強度と定着材の付着性能とを比較的に高くすることができるため、大深度地下に構築する地下空間の支保工に利用するのに特に好適なロックボルトを提供することができる。なお、前記ロックボルト本体は、冷間でねじり加工されていてもよい。冷間でねじり加工されていることで、ロックボルト本体が、同じ材料及び同じ外径で形成されたねじり加工されていない異型棒鋼ロックボルトよりも高い強度を有するようにすることができる。すなわち、比較的に高い張力が作用しても、ロックボルト本体が破断しないようにすることができる。
本発明によれば、地下空間周囲の地山の崩落及び長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の大きな変形の両方に対応することのできるロックボルトを提供することができる。
図1は、実施の形態に係るロックボルトの全体構成(打設状態)を模式的に例示する。 図2は、実施の形態に係るロックボルトの全体構成(分解状態)を模式的に例示する。 図3は、実施の形態に係るシース管の外周壁の状態を模式的に例示する。 図4Aは、実施の形態に係るロックボルトの施工過程の一状態を模式的に例示する。 図4Bは、実施の形態に係るロックボルトの施工過程の一状態を模式的に例示する。 図4Cは、実施の形態に係るロックボルトの施工過程の一状態を模式的に例示する。 図4Dは、実施の形態に係るロックボルトの施工過程の一状態を模式的に例示する。 図5Aは、実施の形態に係るロックボルトの施工後の状態を模式的に例示する。 図5Bは、地山の変形が生じた際における実施の形態に係るロックボルトの状態を模式的に例示する。 図6は、他の形態に係るロックボルトを模式的に例示する。 図7は、従来のロックボルト(全面接着式)の利用場面を例示する。 図8は、従来のロックボルト(プレストレス式)の利用場面を例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係るロックボルト1について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るロックボルト1の全体構成の一例を模式的に例示する。より詳細には、図1は、ロックボルト1を削孔8に打設した状態を例示し、図2は、ロックボルト1を分解した状態を例示する。なお、以下では、削孔8の開口側を「手元側」と称し、終端側を「奥側」と称する。
図1に例示されるように、本実施形態に係るロックボルト1は、トンネル、地下発電、備蓄基地等の地下空間の壁に形成される削孔8にモルタル等の定着材7により定着可能に構成される。具体的には、本実施形態に係るロックボルト1は、削孔8の手元側から奥側に延びるロックボルト本体2と、ロックボルト本体2の手元側の一領域を覆うシース管3と、を備えている。ロックボルト本体2及びシース管3は共に削孔8内に挿入され、定着材7により削孔8内に定着されることで、削孔8周囲の地山を支持するように構成されている。以下、各構成要素について説明する。
[ロックボルト本体]
まず、ロックボルト本体2について説明する。図1及び図2に例示されるように、ロックボルト本体2は、軸方向に長尺な円柱形状に形成されており、軸方向の両側に先端部21と後端部22とを有している。ロックボルト1を削孔8内に挿入する際には、ロックボルト本体2は、先端部21が削孔8の奥側を向き、後端部22が手元側を向くように配置される。そのため、先端部21は、定着材7の充填された削孔8内にロックボルト本体2挿入しやすくするために、先端が尖った形状を有している。一方、後端部22には、外周壁に雄ネジが形成されており、ナット6を締結できるようになっている。
また、先端部21と後端部22との間において、ロックボルト本体2の外周壁には、3種類の突起23〜25が形成されている。突起23は、それぞれ軸方向に延びており、らせん状に配置されている。また、突起24は、それぞれ周方向に延びており、突起23と同様に、らせん状に配置されている。そして、突起23及び突起24の間には、らせん状の突起25が配置されている。
このようなロックボルト本体2は、例えば、次のように作製することができる。すなわち、一対の縦リブ間に、各縦リブを挟んで対称をなし軸方向に所定ピッチで並ぶ斜め節を多数有する高張力異形棒鋼を用意する。各リブ及び節が各突起23〜25になる。そして、ねじり加工機を用いて、冷間(常温又は材料の再結晶温度未満)で、用意した異形棒鋼をねじり加工する。冷間ねじり加工によって引張強度を高めることができる。最後に、ねじり加工した異形棒鋼の両側の端部を適宜加工して、先端部21と後端部22とを形成する。これにより、ロックボルト本体2を作製することができる。ただし、ロックボルト本体2は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、表面の節形状に対応した溝を有する一対のロールを用いて所定の区間ごとに圧延加工で形成しても良い。
また、このロックボルト本体2の寸法は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、外径が24mm程度、長さが3〜6m程度を標準とする。
[シース管]
次に、図3を更に用いて、シース管3について説明する。図3は、本実施形態に係るシース管3の外周壁を模式的に例示する。図1及び図2に例示されるように、シース管3は、軸方向に長尺な円筒形状に形成されており、軸方向の両側に先端部31と後端部32とを有している。このシース管3は、ロックボルト本体2より軸方向の短くなっており、かつ、ロックボルト本体2の外径よりも大きな内径を有している。これによって、シース管3は、ロックボルト本体2の手元側の一領域に被せて、この一領域を覆うことができるように構成される。また、ロックボルト本体2は、シース管3内でスライド可能に構成される。
シース管3の先端部31には、シース管3とロックボルト本体2との間の隙間、詳細には、先端部31の開口周縁とロックボルト本体2の外周壁との間の隙間を塞ぐシール部4が設けられている。すなわち、先端部31は、本発明の「シース管の奥側の一端部」に相当する。シール部4は、例えば、配管接続部用のシールテープ等のテープ材を先端部31の開口周縁から巻き付けることによって形成することができる。ただし、シール部4の材料は、このような例に限られなくてもよく、シース管3とロックボルト本体2との間の隙間を塞ぐことが可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、熱収縮チューブを巻き、施工現場で加熱固定しても良い。
一方、シース管3の後端部32には、支圧板5が、例えば溶接により一体に連結している。すなわち、後端部32は、本発明の「シース管の手元側の他端部」に相当する。支圧板5の面方向中央には、面直方向に貫通する貫通孔51が設けられている。この貫通孔51の平面形状はシース管3の中空部とほぼ同形になっており、シース管3の後端部32と支圧板5とは、この貫通孔51とシース管3の中空部とが連通するように溶接されている。
支圧板5は、例えば、鋼製で所定の厚さをなす平型の角ワッシャーである。この支圧板5は、削孔8の径よりも大きい外形寸法を有するように形成される。これにより、支圧板5は、削孔8内に入り込まず、削孔8の開口周囲の壁に接するように配置可能に構成される。なお、支圧板5の形状は、削孔8の径よりも大きい外形寸法を有していれば、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、支圧板5の材料は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。支圧板5は、鋼製で所定の厚さをなす平型の角ワッシャーが用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば、設置される地山表面の形状に合わせて傾斜が設けられていたり、又は椀状になっていたりしてもよい。また、支圧板5の材料には、FRP(繊維強化プラスチック)等が用いられてもよい。
また、図3に例示されるように、シース管3の外周壁には、複数の突起33が設けられている。複数の突起33は、その向きが格子状に互い違いになっており、これによって、縞状に配置されている。ただし、突起33の個数、形状、及び配置は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
上記のようなシース管3は、例えば、次のように作製することができる。すなわち、圧延等により一方の面に縞状に配置された突起を有する縞鋼板を作製する。次に、作製した縞鋼板を円筒状に加工し、端部同士(継ぎ目)を溶接することで、縞鋼管を作製する。そして、作製した縞鋼管の軸方向の一端部(後端部32)に上記支圧板5を溶接する。これによって、シース管3を作製することができる。ただし、シース管3は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、外周壁に突起を備えるように凹凸形状を有する鋼管若しくは樹脂管、又はFRP等を用いても良い。なお、シール部4は、任意のタイミングで形成されてよい。例えば、シース管3を作製した後に、当該シース管3の中空部に上記ロックボルト本体2を挿入して、ロックボルト本体2の手元側の一領域を覆うようにシース管3を配置する。そして、上記のとおり、先端部31の開口周縁からテープ材を巻き付けることで、先端部31にシール部4を形成することができる。
また、シース管3の寸法は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。シース管3は、例えば、ロックボルト本体2の外径より僅かに大きな内径をなす熱収縮性チューブを被嵌し、これを加熱することでロックボルト本体2自体の外周面突起形状を表面に浮き出させ、定着力を確保しておき、長期的な地山挙動に対してはチューブとロックボルト本体が伸びて大変形を吸収する、という構成にしても構わない。また、図示例においては、全長3〜6m程度のロックボルト本体2に対し、シース管3の長さが3分の1程度の1〜2mを例示しているが、ロックボルト本体2の長さとシース管3の長さは地山の性状に応じて適宜設定される。
§2 施工方法
次に、図4A〜図4Dを更に用いて、ロックボルト1の施工方法について説明する。図4A〜図4Dは、ロックボルト1の施工過程の各状態を模式的に例示する。なお、以下で説明する施工方法は、その一例に過ぎず、各工程は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する施工方法について、実施の形態に応じて、適宜、工程の省略、置換、及び追加が行われてよい。
(第1工程)
まず、第1工程では、図4Aに例示されるように、削岩機等で、地下空間の壁に削孔8を形成する。削孔8の大きさ及び配置は、実施の形態に応じて適宜選択される。
(第2工程)
次の第2工程では、図4Bに例示されるように、モルタル等の定着材7を用意し、ポンプ等を利用して、用意した定着材7を削孔8内に充填する。ロックボルト1のほぼ全域が削孔8内に定着されるように、削孔8に充填される定着材7の量は適宜設定される。
(第3工程)
次の第3工程では、図4Cに例示されるように、定着材7を充填した削孔8内にロックボルト1を挿入し、支圧板5が削孔8の開口周囲の壁に押し付けられるまで挿入する。そして、ロックボルト本体2の後端部22にナット6を締結して、ナット6によりさらにロックボルト1を締め付ける。
このとき、ロックボルト1は、ロックボルト本体2の手元側にシース管3を配置し、先端部31にシール部4を形成した状態で、削孔8内に挿入する。すなわち、ロックボルト1の挿入の際に、先端部31側の開口からシース管3内に定着材7が侵入しないようにし、ロックボルト本体2のシース管3に覆われた部分が地山に定着されないようにする。
これにより、図1に例示されるように、ロックボルト本体2のシース管3に覆われた部分は、地山に定着されない、地山の変形に応じて延びることの可能な自由長の部分(自由長部)となる。一方、シース管3の先端部31から奥側のロックボルト本体2の露出した部分は、地山に定着される固定長の部分(定着部)となる。なお、自由長部では、シース管3が地山に定着される。
以上の工程によって、図4Dに例示されるように、ロックボルト1は、削孔8内に打設される。これにより、本実施形態に係るロックボルト1の施工は完了する。
§3 特徴
次に、図5A及び図5Bを更に用いて、本実施形態に係るロックボルト1の特徴について説明する。図5Aは、本実施形態に係るロックボルト1の施工後の状態を模式的に例示する部分拡大図である。また、図5Bは、地山の変形が生じた際におけるロックボルト1の状態を模式的に例示する。
図1、図4D、及び図5Aに例示されるように、本実施形態では、ロックボルト本体2及びシース管3の外周壁にはそれぞれ突起(23〜25、33)が設けられているため、ロックボルト本体2の定着部の領域及びシース管3は、定着材7を介して地山に強固に定着される。ここで、ロックボルト本体2の定着部の領域及びシース管3は、ロックボルト1の削孔8に挿入される領域のほぼ全域を占めている。すなわち、本実施形態に係るロックボルト1は、ロックボルト本体2の定着部の領域及びシース管3によって、ほぼ全域で地山に定着される。したがって、本実施形態に係るロックボルト1は、図1、図4D、及び図5Aに例示される状態で、削孔8周囲の地山を強固に支持し、地下空間の掘削によって緩んだ地下空間周囲の地山の崩落を十分に抑えることができる。
また、本実施形態では、ロックボルト本体2のシース管3に覆われた部分を、地山の変形に応じて延びることのできる自由長部とすることができる。そのため、長期的な応力の作用に起因して、図5Bに例示されるように、地下空間に向けて地山が大きく変形したとしても、ロックボルト本体2の自由長部の領域が延びることで、ロックボルト1は、地山との定着を維持したまま、当該地山の変形に追従することができる。したがって、本実施形態に係るロックボルト1は、長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し変形にも対応することができる。
以上より、本実施形態に係るロックボルト1は、地下空間周囲の地山の崩落及び長期的な応力の作用に起因する地下空間に向けた地山の押し出し変形の両方に対応することができる。したがって、本実施形態に係るロックボルト1は、こうした長期的な押し出し変形が予測される大深度地下に構築する地下空間の支保工に好適に利用することができる。
また、本実施形態に係るロックボルト1では、シース管3と支圧板5とが溶接により一体形成されている。そのため、図5Bに例示されるように、地下空間に向けた地山の大きな変形が生じて、ロックボルト本体2の自由長部の領域が延びたとしても、シース管3は支圧板5の変位に追従し、シース管3と削孔8の開口との位置関係は維持される。したがって、本実施形態によれば、地下空間に向けた地山の押し出し変形が生じた後であっても、削孔8の開口付近にシース管3を定着した状態を維持することができ、これによって、当該開口付近の掘削により緩んだ地下空間周囲の地山を強固に支持し、周辺地山の崩落を好適に抑えることができる。
更に、本実施形態に係るロックボルト1では、ロックボルト本体2は、冷間でねじり加工されているため、同じ材料及び同じ外径で形成されたねじり加工されていない異型棒鋼ロックボルトよりも高い強度を有しており、地山の変形に応じた延びに対して破断し難いように構成されている。加えて、ロックボルト本体2の外周壁には、らせん状に配置された2種類の突起(23、24)及びその2種類の突起(23、24)の間に配置されたらせん状の突起25が設けられている。これら3種類の突起23〜25によって、本実施形態に係るロックボルト本体2は、上記第3工程の際に、削孔8に充填された未硬化の定着材7をかき回すことができる。そのため、ロックボルト本体2の各突起23〜25と定着材7との間にボイドが生じにくいようにすることができ、これによって、ロックボルト本体2の定着部の領域と定着材7との付着強度を高めることができる。また、シース管3の外周壁には、縞状に配置された複数の突起33が設けられており、これら複数の突起33によって、シース管3と定着材7との付着強度も高めることができる。したがって、延びに対する強度と定着材7の付着強度とを比較的に高くすることができるため、本実施形態に係るロックボルト1は、大深度地下に構築する地下空間の支保工に好適に利用することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、上記ロックボルト1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。上記ロックボルト1の各構成要素の形状及び大きさは、実施の形態に応じて、適宜設定されてもよい。
例えば、上記実施形態では、シース管3の後端部32と支圧板5とは溶接されている。しかしながら、シース管3の形態は、このような例に限定されなくてもよい。図6に例示されるように、シース管3の後端部32と支圧板5とは、互いに別体に形成され、溶接されていなくてもよい。
1…ロックボルト、
2…ロックボルト本体、21…先端部、22…後端部、
23〜25…突起、
3…シース管、31…先端部、32…後端部、33…突起、
4…シール部、5…支圧板、6…ナット、
7…定着材、8…削孔

Claims (2)

  1. 地下空間の壁に形成される削孔に定着材により定着可能なロックボルトであって、
    前記削孔の手元側から奥側に延びるロックボルト本体と、
    外周壁に複数の突起を備えるシース管であって、前記ロックボルト本体より短く、前記ロックボルト本体の外径よりも大きな内径を有し、前記ロックボルト本体の前記手元側の一領域を覆うシース管と、
    前記削孔の径より大きい外形寸法を有し、前記削孔の開口周囲の壁に接するように配置可能な支圧板と、
    を備え、
    前記シース管の前記奥側の一端部には、前記シース管と前記ロックボルト本体との間を塞ぐシール部が設けられ、
    前記シース管の前記手元側の他端部と前記支圧板とは溶接され、
    前記シース管の前記複数の突起は、前記外周壁に互い違いに格子状に配置されることで縞状を形成している、
    ロックボルト。
  2. 記ロックボルト本体は、外周壁にらせん状の突起を有する、
    請求項1に記載のロックボルト。


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